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担癌家兎における腫瘍関連糖鎖抗原の研究

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Academic year: 2021

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212 (93) 氏名(生年月日) 本     籍

学位の種類

学位授与の番号 学位授与の日付 学位授与の要件

学位論文題目

論文審査委員

ナカ   ザワ   ハヤ   カズ

中沢速和(昭和

博士(医学) 乙第1257号

平成4年2月21日

学位規則第4条第2項該当(博士の学位論文提出者)

担癌家兎における腫瘍関連糖鎖抗原の研究

 第1報:江南家兎における血清ピーナッツ凝集素レセプター値および抗腫

 瘍抗体価の検討

 第2報:腫瘍関連糖蛋白抗原感作と血漿交換併用療法の検討

(主査)教授 東間  紘 (副査)教授 浜野 恭一,石井 哲夫

論 文 内 容 の 要 旨

 目的  細胞の癌化に伴う細胞膜表面の糖鎖構造の変化とし て,ピーナッツ凝集者(以下PNAと略)のレセプター が多く発現することが注目されており,最近,腫瘍細 胞より単離したPNAレセプター結合糖蛋白抗原を用 いた能動免疫療法が試みられている.本研究は担癌宿 主において血清PNAレセプター値や抗体価の変動が 腫瘍増殖や転移に及ぼす影響を明らかにし,腫瘍関連 糖鎖抗原を用いた能動免疫療法の有効性を高めるため に,前治療として行う血漿交換療法の有用性について 評価することを目的としたものである.  対象および方法

 本研究においては,PNAレセプター陽性のVX2腫

瘍を家兎(日本白色種,雌)の後肢筋内に接種したも のを担癌モデルとし,VX2腫瘍細胞からPNA a伍nity chromatographyを用い単離,精製した糖鎖抗原を使 用して,以下の検討を行った.  1)56羽の家兎を対象に,経時的に血清PNAレセプ ター値および抗腫瘍抗体価の測定を行い,腫瘍増殖や 肺転移との関係について検討した.  2)26羽の担癌家兎を対象に,抗原感作の時期により 早期,腫瘍発現時,腫瘍確立時,無治療対照群の4群 に分け,抗腫瘍効果,肺転移抑制効果について検討し た.  3)担癌家兎13羽に膜性血漿分離器を用いて血漿交 換を施行し,治療前後のPNAレセプター値と抗腫瘍 抗体価を検討した.また47羽を対象に血漿交換と抗原 感作の併用の有用性について検討を行った.  結果  1)血清PNAレセプター値,抗腫瘍抗体価ともに腫

瘍接種2週目より有意な上昇を示した.PNAレセプ

ター値は腫瘍容量と相の相関を示し,早期の上昇は腫 瘍増殖を促進する傾向が認められた.抗腫瘍抗体価と 腫瘍増殖の間にとくに相関はなかったが,肺転移の抑 制群では早期より抗体価の上昇が認められた.  2)抗原の早期,腫瘍発現時感作群において著明な肺 転移の抑制効果が認められたが,腫瘍確立後の感作で は無効であった.  3)血漿交換によりPNAレセプター値,抗体価はと もに有意な減少を示した.また血漿交換群においては 単独感作群に比し,有意な腫瘍増殖の抑制と生存期間 の延長が認められた.  考察および結論  担癌宿主において血中のPNAレセプターや抗体が 腫瘍の増殖や転移に深く関与しており,抗原感作に対 する免疫応答能に影響を及ぼしている可能性が示唆さ れた.血漿:交換療法は担癌宿主の免疫応答能を高める ことが期待でぎ,本能動免疫療法の効果を増強するた めの有用な手段の一つと考えられた. 一816一

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論 文 審 査 の 要 旨

 細胞の癌化に伴う細胞膜表面の糖鎖構造の変化としてピーナッツ凝集素(以下PNAと略)のレセプターが 多く発現することが注目されており,最近腫瘍細胞から単離したPNAレセプター結合糖蛋白抗原を用いた能 動免疫療法が試みられている.  本研究は,PNAレセプター陽性のVX2腫瘍を移植した担癌家兎を用いて,血清PNAレセプター値および 抗腫瘍抗体価が腫瘍増殖や肺転移の進展に深く関与していることを明らかにすると共に,血漿交換を用いて PNAレセプターおよび抗腫瘍抗体を除去することにより,腫瘍増殖の有意な抑制と生存期間の延長が得られ ることを証明した.  血漿交換療法が担癌宿主の免疫応答能を高め,癌に対する能動免疫療法の効果を増強することを明らかにし たもので,学術的価値の高いものである. 主論文公表誌 担癌家兎における腫瘍関連糖鎖抗原の研究  第1報:担癌家兎における血清ピーナッツ凝集素  レセプター値および抗腫瘍抗体価の検討  第2報:腫瘍関連糖蛋白抗原感作と血漿交換併用  療法の検討   東京女子医科大学雑誌 第61巻 第12号   1017-1037頁(平成3年12月25日発行) 副論文公表誌 1)Atrial of on・line plasmapheresis on tumor-   bearing rabbits(担癌家兎に対する血漿交換療   法).Therapeutic Plasmapheresis III(Oda T   ed)pp459-461, Schattauer, Stuttgart・New   York (1983)Nakazawa H, Yamagata J,   Hoshino T, Sato T, Agishi T, Ota K 2)Effect of immunotherapy on tumor・bearing   rabbits using tumor associated glycoprotein   in combination with plasmapheresis(担癌家   兎に対する腫瘍関連抗原と血漿交換を用いた免  疫療法).Therapeutic Plasmapheresis V(Oda  Ted)pp483-487, Schattauer, Stuttgart・New  York (1986)Nakazawa H, Takahashi K,  Hoshino T, Toma H, Agishi T, Ota K 3)制癌剤選択的大量動注と血液吸着,局所加温併

 用療法の検討.人工臓器 15(1):

 443-446(1986)中沢丁丁,阿岸鉄三,奥村俊子,  渕之上昌平,寺岡 慧,高橋公太,東間 紘,  太田和夫 4)担癌臓器を標的としたimplantable vascular  access deviceを用いた選択的癌化学療法と活

 性炭吸着併用療法.人工臓器 18(1):

 44-47(1989)中沢丁丁,阿岸鉄三,木原 健,  本田 宏,寺岡 慧,太田和夫

5)膀胱癌の再発予防,維持療法としての

 Etoposide少量長期投与とBestatin併用療法

 の試み.基礎と臨床 24(5):723-728(1990)  中沢三和,合谷信行,大島 直,長内佳代子,  高橋公太,東間 紘 一817一

参照

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