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IRUCAA@TDC : 骨芽細胞におけるビタミンD による細胞内シグナル解析

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Academic year: 2021

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Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/

Title

骨芽細胞におけるビタミンD による細胞内シグナル解析

Author(s)

内田, 悠志

Journal

歯科学報, 114(3): 281-281

URL

http://hdl.handle.net/10130/3334

Right

(2)

活性型ビタミン D は骨芽細胞において,骨基質の形成に重要な働きをする。さらに活性型ビタミン D はカ ルシウムイオンの恒常性にも関与し,様々なカルシウムシグナルを用いて細胞機能を調節することが知られて いる。 また電位依存型カルシウムチャネルは,細胞内カルシウムイオンの濃度およびカルシウムシグナルを調節す る膜タンパク質として知られているが,その他にも細胞の興奮性,細胞の生存,細胞の分化・増殖,酵素活性 の調節,遺伝子発現の調節なども司っている。しかしながら活性型ビタミン D の電位依存型カルシウムチャ ネルに対する働きの詳細は明らかになっていない。 本研究では骨芽細胞において活性型ビタミン D 受容体が,電位依存型カルシウムチャネルを調節する際の 細胞内セカンドメッセンジャーを解析することを目的とした。さらに臨床的な観点から,骨の炎症時と通常時 とで比較した際に,違いが生じるかについても検討した。 炎症時の再現にはブラジキニンを使用した。ブラジキニンは慢性関節リウマチ,歯周炎,歯髄炎などの慢性 炎症によって生じる骨の吸収に関与している炎症メディエーターのひとつで,主に発痛物質として知られてい る。 細胞内セカンドメッセンジャーの解析には,パッチクランプ法を用いた。パッチクランプ法とは先端が微細 なガラス電極を細胞に差し込み,細胞膜上に存在する電位依存型イオンチャネルの変化を記録する方法であ る。 結果として通常時では活性型ビタミン D が受容体と結合すると,その刺激はアデニル酸シクラーゼを介し て電位依存型カルシウムチャネルに作用し,カルシウムイオン電流を促進させることが分かった。 また炎症時では活性型ビタミン D が電位依存型カルシウムチャネルに作用するアデニル酸シクラーゼを介 した経路に対して,ブラジキニン受容体が MAPK を介してその経路に作用し,カルシウムイオン電流を減少 させることが分かった。 この MAPK は外界からの刺激を伝達する酵素の一つで,細胞の分化,増殖,癌化,遺伝子発現,アポトー シスなど様々な機能発現に関与している酵素で,近年では抗癌剤の新しい標的としても注目されている。 今回の実験結果により,骨芽細胞における細胞内シグナルの詳細が分かった。また通常時,炎症時で細胞内 シグナルに変化が生じることも分かった。これらの結果は,骨における炎症性疾患の治療に際し,薬理学的な 価値があると思われる。 <受賞論文>

Chronic bradykinin treatment altersα,25‐dihydroxyvitamin D‐induced calcium current modulation in

pre‐os-teoblasts.

Uchida Y, Endoh T, Tazaki M, Sueishi K., Cell Calcium,51;383−392:2012.

≪プロフィール≫ <略 歴> 平成16年3月 明海大学歯学部卒業 平成18年4月 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯 正学専攻)入学 平成22年3月 東京歯科大学大学院歯学研究科(歯科矯 正学専攻)修了 平成23年4月 東京歯科大学歯科矯正学講座助教 現在に至る

平成25年度 学長奨励研究賞受賞講演 1

骨芽細胞におけるビタミン D による細胞内シグナル解析

東京歯科大学歯科矯正学講座助教

内田 悠志

歯科学報 Vol.114,No.3(2014) 281 ― 95 ―

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