特別養護老人ホーム職員のストレスマネジメントに関する研究 : セルフケアとしてのSART(主動型リラクセイション療法)の効果
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(2) 目. 第1章. 次. 問題と目的一. 第1節. 高齢者介護施設職員のストレスー. 1. 問題意識…. 2. バーンアウトとは一. 3. 高齢者介護施設職員のワークストレス研究の流れ一…. 4. 対人援助従事者のメンタルヘルスの重要性一一一一一. 第2節. 一1. 一1. 高齢者介護施設職員へのストレスマネージメント教育一. 一3. 1. ストレスマネジメント教育…. 一3. 2. 本研究に用いるリラクセイション技法一. −4. 第3節. 研究目的一. 第1節. 的法 目方. 第2章 研究1 第2節. 一4. 一6. 一6. −7. 1. 実施場所…. 2. 使用した尺度一. 3. 質問紙の内容一. 4. 尺度の調査時期と手続き一. 5. 対象者・・. ・10. 6. 個人属性とストレスについての分析方法一. ・12. 第3節. 結果一. ・13. 1. 尺度間相関一. ・13. 2. 「日本版GHQ30』一. ・22. 3. 「自覚症調べ』「バーンァウト尺度」「職業性ストレス簡易調査票』 「ストレス対処スケール』一. ・23. 4節 4 第. ストレスマネジメント教育介入前自由記述一 考察一一…一一・一…一一…一一・……. ・60. 一65.
(3) 研究皿・. 第1節. 目的一. 第2節. 方法一. 76 9 6. 第3章. ・67. 1. 実施場所…. ・69. 2. 介入時期…. ・69. 3. 対象者一. ・69. 4. 使用した尺度及び生理指標測定時期・方法一. 5. 質問紙の内容一. ・71. 6. プログラム実施の流れ一. ・72. 7. リラクセイション教育プログラムの内容一. ・72. 8. データの分析方法…一一一一・一一一一一・. ・76. 第3節. 結果一. ・・. 一78. リラクセイション技法が実施直後に与える影響についての検証一. 1. 0. ・78. 1)「POMS短縮版』の結果一. ・78. 2)血圧・脈拍数の結果一. ・85. 2 リラクセイション技法によるストレスマネジメント教育の介入効果についての検証一. ・89 1)「日本版GHQ30』・・ 3)r自覚症調べ」一 4)「バーンアウト尺度』一. 5)「職業性ストレス簡易調査票」一. ・101. 6)「ストレス対処スケール」一. ・112. 3節12. 4 第. ストレスマネジメント教育後のアンケート調査による自由記述・・. ・117. 考察一. ・119. ストレスマネジメント教育介入の効果について一…一. ・119. SART及び漸進性筋弛緩法のセッション及び介入による効果の差異について. ・120. 第4章. 総合考察… 文献一. ・122 ・125.
(4) 第1章 第1節. 問題と目的 高齢者介護施設職員のストレス. 1.問題意識. わが国は急速に高齢化が進み、65歳以上の高齢者人ロが総人ロの2割に達し(総務省,2005)、そ れに伴って寝たきりや認知症高齢者も増え要介護高齢者人ロが増加すると予想される。国の高齢者福. 祉対策として施行された介護保険制度導入(2000年4月)以降、高齢化社会の二一ズに応えて高齢者 介護施設や事業所の増加は著しく、今後さらに介護や高齢者福祉に係わる仕事に従事する人ロが増加 すると考えられる。しかし、厚生労働省所管の「介護労働安定センター」の全国調査(介護労働安定セン. タr2005)によれば、介護職の8割以上が職場や仕事に強いストレスを感じており、介護職員の1年間 の離職率が21,4%と高い水準にあると報告された。. 高齢者介護の仕事は、対象者が人であり、特に施設介護においては密度の濃い人間関係が要求さ れることがあり、それが過大なストレスにつながっていることが知られている。特別養護老人ホームにお. いては、摂食障害や歩行困難及び脳内出血による麻痺や言語障害等の身体問題や認知症による俳徊 や失禁等の行動的問題を持つ利用者が多く含まれており、こうした対象者の特性とその対象者のペー スに合わせた介護の要請が介護職の精神的ストレスのもとになっている。また移乗や入浴などの抱きか. かえ等、重量負荷の大きい作業や深夜勤務も含むなど勤務内容も厳しく、筋骨格系障害など身体的スト レスも大きい。さらに精神的ストレスとして、感染症の危険にさらされる事もあり、ヒヤリハットの経験をし. ている職員も少なくなく、認知症ケアやターミナルケアなどによる共感疲労(いたわり疲労)も強い。この. ような状況から、職員はケァをする人物に生じるうつ状態に似た症状(depression−Iike symptoms)をと もなうストレス反応といわれる二次的トラウマティック・ストレス(secondary traumatic stress:STS)を起. こしやすく(Stamm BH,1999)、対人援助職の職業病とも言われるバーンアウトに陥る危険性も高いと考 えられる。. 2.バーンアウトとは. バーンアウトという用語は、元来ロケットのエンジンや電球などが焼き切れた状態を示す技術的な用語 であり、これが転じてドラッグ常用者の状態を意味するスラング(久保,2004)となり、さらに精神科医の. 一1一.
(5) Freudenberger(1974)が対人援助従事者のメンタルヘルスの危機的状況を描写する専門用語として初め. て学術論文に用いた。その後、質的研究を中心に研究が行われたが、MasIach&Jacksonは特定のヒュ ーマン・サービス従事者にしばしば起こる情緒的消耗感と冷淡な態度(cynicism)からなる症候群をバー ンアウトとし、個人差を測定する尺度(Maslach’s BurnoutInventory=MBI,1981)を開発した。このMB1. によれぱ、バーンアウトは、3つの主成分があり、1つ目はバーンアウトの中核症状といわれる情緒的消. 耗感と呼ばれる個人の過剰な感情労働による疲れ果てたという感情の枯渇感、2つ目は無能力感や達 成感の低下、3つ目はサービスの受け手に対する無感情や冷淡な反応とされ、心理学の立場から「対人 援助職の職業病と言われるバーンアウト」という現象を捉えている。. 3.高齢者介護施設職員のワークストレス研究の流れ. 高齢者介護施設におけるストレッサーとストレス反応との相関に関する研究が進められているが、スト. レス反応との相関が高いストレッサー因子は従事業務の質と量、利用者等の関係、家庭と仕事の両立 の難しさである。一方、仕事の自由裁量度の大きさや利用者の二一ズを尊重する介護を行うことがスト レス緩和要因となることなども報告されている(介護労働安定センター,2005)。また、個人属性とストレス. の関係も広域調査され、介護施設職員のワークストレスの分析もさかんに行われている(高橋2001;鈴 木2002)。介護職特有の精神的・身体的ストレスを生み出す労働環境の未整備や雇用管理のあり方(堀 田,2004)や介護方針理念の明確化と浸透の必然性と重要性についての指摘(畦地,2006)も多く、今後 福祉行政とともに改善すべき問題は大きいと考えられる。. しかし、一方では対人援助職の職務の特性に迫ったリスク・フヤクターに関心が集まっている。特に、 社会学者Hochschild(1983)によって提唱されたr感情労働(Emotional Labour)」の概念から、対人援助職. は職業にふさわしい感情(感情のルール)を意識的に操作・管理することが要求される労働のことであり、. サービス提供者側の「感情」に商品価値が存在する労働と考える。そのため、Maslach&Jacksonの提唱 したバーンアウトの定義、「長期間にわたり人に援助する過程で心的エネルギーが絶えず過度に要求さ. れた結果、極度の心身疲労と感情の枯渇を主とする症候群であり、自己卑下、仕事嫌悪、関心思いやり の喪失などを伴う症状(1981)」にあるように、対人援助従事者は感情の枯渇から起こるバーンアウトの 危険性をもつ。このことから、特別養護老人ホーム介護職員におけるバーンアウト(諸井,1999)や特別. 養護老人ホーム介護職員におけるバーンァウト尺度の因子モデルの検討(原田,2000)など、介護職員 のバーンアウトの危険性や関係を調査した研究や、バーンアウト予防の実践的取り組みを提案した報告 (小堀・下山,2006)も多い。. 一2一.
(6) 4.対人援助従事者のメンタルヘルスの重要性. 日本労働組合総連合会(連合)の調査「介護保険三施設調査」(2004)では、特別養護老人ホーム、介. 護老人保健施設、介護療養型医療施設など介護保険三施設の職員を対象にした調査結果から、職員 の3割が入所者に憎しみを感じると答え、その職員の疲労度、仕事への満足度、利用者との信頼関係 の3項目において有意に関係性が認められたと報告している。つまり、r疲れていて、仕事の満足感がな く、入所者と信頼関係がない」と回答した人たちは入所者に対して強い憎しみを感じているということであ るということがわかった(酒井,2004)。このことからも、職員のワークストレスによる意欲低下は、仕事の. 効率性を低くするだけでなく、利用者に対するケアの質の低下に繋がる可能性がある。しかし、反面負 担感ばかりでなく、やりがいや満足感などポジティブな感情を維持することで、質の高いサービスが提供. され、仕事の達成感や動機付けに繋がる。. つまり、対人援助職の行う仕事は人々の生存や福利に深く関与しており、その担い手である対人援助. 従事者のメンタルヘルスに配慮することは、安定した良質のサービス提供につながり、提供する側のみ ならず、サービス受け手にとっても重要な意味を持つことであるといえる。. 一3一.
(7) 第2節. 高齢者介護施設職員へのストレスマネジメント教育. 1.ストレスマネジメント教育. ストレスマネジメントとは、人をとりまくストレッサー(ストレス刺激)という外的要因(環境)とストレス反. 応を生じるという内的要因があり、これらに対して介入することがストレスマネジメントと捉えることができ. る。さらに内的要因に関しては、ストレスの認知の過程、ストレス対処の過程、そしてストレス反応を生じ. る過程に対してそれぞれの介入が考えられる。そこで、ストレスマネジメント法の多くは、認知の過程や. 対処行動に焦点をあてるなど個人を対象とした内的要因に関して行われることが多い(下光・小田切, 2006)。. そこで本研究では、個人を対象とした内的要因に注目し、簡易に教示できるリラクセイション技法を用 いてストレス反応を制御する方法と主体的な自己イメージを喚起する事により、ストレスヘの対処の方法 を身体の動きを通じて行う心理療法をベースとしたストレスマネジメント教育を行うこととする。. 2.本研究に用いるリラクセイション技法. リラクセイション技法は、「不当・過剰な緊張が低下するように筋群を弛めること」(成瀬,2001)と定義. されるように、不安や緊張、すなわちストレス反応の対極に位置付けられ、不安などのネガティブな情動 の低減とともに、ポジティブな情動も体験される(下田ら,2004)。. 本研究では、数回の教示によるストレスマネジメント教育のプログラムであるため、多岐にわたる技法 のうち、簡易に習得できるリラクセイション技法として教示のしやすいリラクセイション技法を選択する必 要がある。そこで伝統的に行われている漸進性弛緩法(Jacobson,E、,1938)と、近年開発された動作法の SART(SelfActive Reiaxation Therapy=主動型リラクセイション療法)(大野,2004))を用いることとする。. 漸進性弛緩法はジェイコブソンが1938年に開発した技法で、ジェイコブソンはr身体の動きを操作する ための道具である筋・骨格系活動から見た場合、緊張の源は筋活動そのものである」とし、緊張をr筋の 短縮」として捉え、それが不安などの不安定な心理状態をもたらし神経症の原因となることを指摘した。. SARTは大野が2004年に開発した技法である。大野は、動作法におけるリラクセイションとは、「クラ イエントが自分で自分の身体の慢性緊張に気づき、それを弛めるという自己弛緩を図ることを狙いとして いる」とし、SARTは動作課題を介して行われる主動型リラクセイションの原理により、クライエントに働き かけるための心理治療のための理論と技法であるとしている(大野,2004)。. 一4一.
(8) 第3節. 研究目的. 今まで述べてきたように、わが国においては今後ますます高齢化が進み、高齢化に伴い介護従事者と. その関連従事者、つまり高齢者福祉に従事する人ロが増加すると考えられる。またこれは高齢化の進 んだ先進国において共通の課題であるが、その労働環境は厳しく未整備のままである。. ワークストレスと職員の心身の健康や離職の問題は、現場の職員が心身の疲労を慢性的に抱えてい る現実があり、労働環境も未整備のまま、利用者に積極的にかかわり利用者中心のケアを実現すべく 努力して適応しようとしている結果であり、日々のストレスに対処している姿に他ならない(稲谷ら, 2006)。. しかし、要介護度の高い高齢者のQOLを高めるためには、利用者サイドに立った長期的な質の高い ケアが必要であることも事実であり、その質の高いケアを維持し続けることは、提供者サイドの心身の健 康を維持する自己管理が不可欠となってくる。. そこで本研究では、筋骨格系障害を持つ職員の多い現状から、身体からのアプローチという導入しや すいリラクセイション技法をストレスマネジメント教育に用いることにする。そのため、多岐にわたる技法. のあるなか、教示のしやすいリラクセイション技法であり伝統的に行われている漸進性弛緩法 (Jacobson,E.,1938)と、近年開発された動作法のSART(SeIfActive RelaxationTherapy=主動型リラクセ. イション療法)(大野,2004))を用い、特別養護老人ホームの職員に対するストレスマネジメント教育を行. い、両者の技法による効果の比較も踏まえたリラクセイション技法によるストレスマネジメント教育の心. 理的及び身体側面での効果について検討する。. 一5一.
(9) 第2章 研究1 第1節. 目的. 特別養護老人ホームは65歳以上で身体上もしくは精神上に障害があり、日常生活に支障のある人 のための入所施設である。施設のスタッフは医師・看護師・介護職員・生活相談員・機能回復指導員・調. 理師・管理栄養士・事務員など多岐に渡る職種が混在する。また、24時間勤務体制をとるため勤務形 態も多様で、日勤者と三交替勤務者が混じる変則シフトが組まれ、非常勤労働者の割合も高い。. 一方、高齢者福祉を取り巻くわが国の社会福祉制度・法律の変化はめまぐるしく、2000年4月施行さ. れた介護保険制度、2003年4月の介護報酬改定、2006年4月の2回目の介護報酬改定と大きく法律 や制度が変化し、その対応に苦慮している状況である。. これらの事からも、特別養護老人ホーム職員のワークストレスは高く、そのストレス構造は複雑である. と考えられ、個人要因、職場の環境要因、社会システムを含む福祉行政の要因と、複雑な絡み合いが 問題視されている。. 先行研究においても、バーンアウトは個人でなく職場の構造と機能によって決まるという報告 (Masbch&Jackson,1981)や、バーンアウトには環境要因改善が効果的とした研究(田尾・久保,1997). や、介護保険制度施行に伴い職場の構造と機能の大幅な見直しと変更がなされた影響を施設職員の バーンアウトを中心に調査した研究(鈴木ら,2002)など介護職員とバーンアウトとの研究(諸井,1999・. 高橋ら,2001・畦地,2006など)は多く、対人援助職の職業病とも言われるバーンアウト症候群の問題は 大きい。また厚生労働省の委託事業としての調査(介護労働安定センター,2005)や連合による独自の調. 査(介護保険三施設調査,2004)も盛んに行われ、高齢化社会への対応を模索している現状が浮かび 上がってくる。. そこで研究1では、中程度規模の特別養護老人ホームの実情と職員のワークストレスの実態調査を することで、現代の社会福祉情勢の中で施設職員の心理面から問題に焦点を当て、広域調査で報告さ れているデータと比較検討し、ヒューマンサービス提供者側の職員のストレスマネジメントの実態と必要 性を研究する基盤とすることを目的とする。. 一6一.
(10) 第2節. 方法. 1.実施場所. 特別養護老人ホームA(以下特養A) 特養Aは、入所者50名、ショートステイ利用者約20名、ディサービス利用者約80名の居宅支 援事業所併設型の施設規模としては中規模クラスの特別養護老人ホームで、施設職員は60名 勤務している(ただし、内6名は宿直者、送迎者の運転手、園庭の清掃等に従事している職員の ため、本調査の対象者からはずした)。. 2.使用した尺度. ︶ ︶ ︶ ︶ ︶ ︶. 臼本版GHQ30(日本版著者1中川) 自覚症調べ(佐藤ら,2002)日本産業衛生学会産業疲労研究会 バーンアウト尺度(MasIach&Jackson,1981). 職業性ストレス簡易調査票(下光,2000) ストレス対処スケール(冨永,2000). POMS短縮版(日本版編著:横山). 3.質問紙の内容. 1)日本版GHQ30 WHO世界保健機構版に準拠して作られている質問紙で、英国のMaudsIey精神医学研 究所のD.P.Goldberg博士によって開発され、主として神経症者の症状把握、評価および 発見にきわめて有効なスクリーニング・テストとして、国際比較研究も可能な質問紙である。. 質問内容が日常的、身近なものに限られているので、人種、宗教、文化、社会が異なっても. 違和感をもたれず診療所、病院、企業等で容易に短時間で実施できる。. 「日本版GHQ30」は一般的疾患傾向、身体的症状、睡眠障害、社会的活動障害、不安と 気分変調、希死念慮とうっ傾向がわかる。. 一7一.
(11) 2)自覚症調べ. 日本産業衛生学会産業疲労研究会による作業疲労の総合判定方法の尺度で、疲労状 態を科学的に把握する疲労状態の総合判定をする指標として作られた。. 調査項目は25項目を5件法行う質問紙で、5因子[ねむけ感(5項目)][不安定感(5項 目)][不快感(5項目)][だるさ感(5項目)][ぼやけ感(5項目)]の自覚症構造が抽出でき、作. 業者自身の簡単なチェックで測定することができる。. 3)バーンアウト尺度(MBI). バーンアウトとは、極度の身体的疲労と感情の枯渇を示す症候群で燃え尽き症候群とも いわれている。この尺度は、疲れ果てたという感情である[情緒的消耗感]と、対象者に対す る無情なあるいは人間性を欠くような対応をとる[脱人格化]と、仕事における個人的達成感 の低下[個人的達成感(逆転項目)]の3因子がある。ここでは、Maslach&Jackson(1981)版 (Maslach Burnout Inventryl以下MBIと略記)を邦訳・改定した田尾の尺度(田尾,1989)を. 用いた。それぞれ、最近どの程度経験したかを、「ない」から「いつもある」の5件法で求め、 バーンアウトの傾向の強いほうから5−1点とした。. 4)職業性ストレス簡易調査票. 「職業性ストレス簡易調査票」は平成7∼11年度労働省委託研究において開発された調 査票で仕事の(A)ストレス要因(17項目)、(B)ストレス反応(29項目)、(C)修飾要因(社. 会的支援9項目、満足度2項目)の計57項目からなり、4件法で回答する形式である。. (A)仕事のストレス要因に関する尺度は、仕事の量的負担(3項目)、仕事の質的負担(3 項目)、身体的負担(1項目)、仕事のコントロール(3項目)、技能の活用(1項目)、対人関 係(3項目)、職場環境(1項目)、仕事の適性度(1項目)、働き甲斐(1項目)を測定できる。. (B)ストレス反応については、心理的ストレス反応ばかりでなく身体的ストレス反応(身体愁. 訴)についても測定できる。心理的ストレス反応下位尺度では、ポジティブ反応として活気 (3項目)、ネガティブ反応としてイライラ感(3項目)、疲労感(3項目)、不安感(3項目)、抑. うつ感(6項目)がある。身体的ストレス反応は身体愁訴についてであり、11項目からなって. 一8一.
(12) いる。. (C)修飾要因としては、上司、同僚からの支援および配偶者・家族・友人からの支援を取り. 入れた9項目および職場と家庭生活に対する満足度の2項目がある。. この質問紙は仕事に関するストレス要因等の質問はあるが、家庭生活等の仕事以外の ストレス要因は考慮されていないこと、パーソナリティについても考慮されていないこと、ま. た自記式調査票のため主観的ストレス状況しか判断できないことについて留意する必要は ある。. 評定方法には、標準化得点による採点法を用い「性別素点換算表」(下光,2005)を用い 各尺度の素点を5段階評価に換算した。. 5)ストレス対処スケール. 質問紙「ストレス対処スケール」は、ストレス反応に対するストレスコーピング尺度で、「相 談(4項目)」「問題焦点対処(4項目)』「リラックス(4項目)」「感情抑圧(4項目)」「傷つけ発. 散(4項目)」の計20項目に5件法で回答する形式で5因子に分けられる。 「相談」「問題焦点対処」「リラックス」の3因子は得点が高いほどコーピング方法として望 ましく、「感情抑圧」「傷つけ発散」の2因子は得点が高いほどコーピング方法として望ましく. ない負のストレスコーピング方法であり、各項目を20点満点とし、得点数で判定する。. 4.尺度の調査実施時期と手続き. 1)2006年2月17日に「日本版GHQ30(日本版著者=中川)』を特養Aの職員会議にて調査し た。. 2)2006年5月末に記名した封筒に下記の質問紙を同封し全職員対象に配布。アンケート回収 ボックスに投函をしてもらうよう依頼し、6月始めに回収した。. ①自覚症調べ(佐藤ら,2002)日本産業衛生学会産業疲労研究会 ②バーンアウト尺度(Maslach&Jacks。n,1981). ③職業性ストレス簡易調査票(下光,2000) ④ストレス対処スケール(冨永,2000). 一9一.
(13) ⑤POMS短縮版(日本版編著:横山). 5.対象者 1)質問紙「日本版GHQ30」の対象者は、2006年2月17日の職員会議に参加した職員29名で、 職員会議中に実施し、その場で回収した。有効回答者数は29名(n=29/54回収率54%)。 調査対象者の内訳は、Tabie1−1に示した。. 2)質問紙「自覚症調べ」「バーンアウト尺度」「職業性ストレス簡易調査票」「ストレス対処スケー. ル」「POMS短縮版」の対象者は職員全員としたが、アンケートの回収が出来た46名を有効回 答者数とした(n=46/54回収率85%)。. 調査対象者の内訳は、Table1−2に示した。. すべての質問紙は、記名回答で依頼した。. 本調査では、職員の個人属性として「性別」、r年齢」、「勤続年数」、「職種(介護士・看護師・相談 員・事務職)」、「役職の有無(管理職・一般職)」、r労働条件(常勤・非常勤)」、「勤務形態(日勤・交. 替勤務)」、r離職」について調査した。. なお、「離職」については、質問紙調査後離職した職員及び正式な離職希望届けを提出した職員. を後日調査する方法で行い、「質問紙調査後、離職及び2006年12月末までの退職希望者」とし た。調査段階での希望調査はしなかった。. 一10一.
(14) Table1−1 「GHQ30」の調査対象者29名の個人属性の内訳 年齢(歳代). 性別. 個人属性. 男 女. 20. 30. 40. 50. 70. 18. 16. 7. 2. 3. 1. 11. 人数. 勤続年数(年). 個人属性 0年 1年 2年 3年 3 5 7 人数 1. 4年 5年 6年 9年 10年 11年. 3. 3. 個人属性 人数. 労働条件. 役職. 職種. 2. 1. 1. 介護. 看護. 相談員. 事務. 管理職. 一般. 常勤. 非常勤. 14. 2. 8. 5. 5. 24. 28. 1. 3. 勤務形態 交替. 日勤. み 16. 務 13. 離職調査. 個人属性. 離職 在職. 人数. 5 24. TabIe1−2 4種う質問紙の調査対象者46名の個人属性の内訳 個人属性 人数. 性別. 年齢(歳代). 男 女. 13. 20 30 18 9. 33. 40 50. 6. 8. 60. 70. 3. 2. 個人属性。年1年2年3年4暑続讐(年㌔年7年9年1。年11年 5. 人数 7 6 7 4 4. 人数. 介護. 看護. 相談員. 事務. 管理職. 一般. 常勤. 29. 4. 6. 5. 6. 40. 29. 個人属性講職穣 人数 8 3. 一11一. 2 2 2 3. 労働条件. 役職. 職種. 個人属性. 4. 勤務形態. 日勤の 交替勤 非常勤 務 17 20 26.
(15) 6.個人属性とストレスについての分析方法. 個人属性とストレス構造を結びつける先行研究として、. ①「介護施設職員のストレス構造」では、r性別」r年齢」「職位」「職種」r経験年数」「資格」「経. 験職場数」の7種の個人属性とrバーンアウト」の関係について、介護施設職員1050名を対 象に行った研究(鈴木,2002). ②『介護専門職のストレスの現状と課題」では、r性別」「年齢」「経験年数」「資格」の4種の個. 人属性と「ストレス要因と対処方法」の関係について、特養介護職員274名を対象に行った 研究(高橋,2001). ③「介護職員のストレスと雇用管理のあり方1高齢者介護施設を取上げて」では、「性別」「年 齢」「配偶者関係」「経験年数」「雇用形態」「職位」「収入」「勤務日数・勤務時間」「夜勤の有. 無」「資格」「介護能力(自己評価)」の11種の個人属性と「ストレス反応(バーンアウト・離. 職)」「職務の満足度」の関係について、介護施設職員1250名を対象に行った研究(堀田, 2005)がある。. これらの先行研究をもとに、本調査では、職員の個人属性としてr性別』、「年齢」、「勤続年数」、 「職種(介護士・看護師・相談員・事務職)」、r役職の有無(管理職・一般職)」、「労働条件(常勤・. 非常勤)」、「勤務形態(日勤・交替勤務)」、「離職」について調査した(TabIe1−1、1−2)。. 分析方法は個人属性の各項目を独立変数に、質問紙のデータを従属変数として分散分析に よる統計処理を行った。さらに、分散分析の結果、有意である場合のみチューキー(Tukey)の HSD法による多重比較を行った。また、「年齢」と「勤続年数」項目においては、相関の統計処理 を行い、スペアマンの順位相関係数(δ及び有意確率を算出した。. 一12一.
(16) 第3節. 結果. 1、尺度間相関(Table2). 使用した5種類の尺度は、「日本版GHQ30」、r自覚症調べ」、rバーンアウト尺度」、「職業性ストレ ス簡易調査票」、「ストレス対処スケール」であるが、すべての尺度の下位尺度間においてスペアマン. 順位相関係数を求めTabIe2に示した。(ただし、rGHQ30」においては、調査対象者が他の4種類の. 質問紙対象者と合致する者のみを対象に統計処理を行ったため対象者人数は21名となった。他の 尺度間相関の対象者人数は46名。). 1)「GHQ30」と「自覚症調べ」の尺度間相関. 「日本版GHQ30』と「自覚症調べ」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合わせでスペ アマンの相関係数を算出したところ、17項目において正の高い相関を示した。. 「GHQ30」の[睡眠障害]において「自覚症しらべ」の[不安感][だるさ感][ぼやけ感]で5%水準で相. 関が見られ、「GHQ30」の[社会的活動障害]において「自覚症しらべ」の[不快感][だるさ感]で5%水. 準で相関が見られ、「GHQ30」の[不安と気分変調]において「自覚症しらべ」の[ねむけ感][ぽやけ感]. で5%水準、[だるさ感]で1%水準で高い相関が見られ、「GHQ30」の[希死念慮とうつ傾向]におい て「自覚症しらべ」の[不安感]で5%水準、[ねむけ感】[不快感][だるさ感][ぼやけ感]で1%水準で高い. 相関が見られ、さらに「GHQ30」の[合計]において「自覚症しらべ」の[ねむけ感][不安感]で5%水準、. [だるさ感][ぽやけ感]で1%水準で高い相関が見られた。特に「睡眠障害」や「社会的活動障害」、さら. には「不安気分障害」や「希死念慮とうつ傾向」など精神健康度をより低下させる下位尺度において高. い相関が見られ、一般的疾患傾向や身体的症状とはあまり相関がなかった。これより、身体に感じる 自覚症状がより精神的な健康に影響を与えているといえ、自覚症状のある被験者においては、総じて 精神健康度が低下しているといえた。. 2) 「GHQ30」と「職業性ストレス簡易調査票」の尺度間相関. 「日本版GHQ30」と「職業性ストレス簡易調査票」の下位尺度得点の各々において、すべての組み. 一13一.
(17) 合わせでスペアマンの相関係数を算出したところ、3項目において正の高い相関を示し、1項目にお いて負の高い相関を示した。. 「GHQ30」の[不安と気分変調]においてr職業性ストレス簡易調査票」の[身体的負担]で5%水準、 [対人関係]で1%水準で高い相関が見られ、rGHQ30」の[希死念慮とうつ傾向]において「職業性ス トレス簡易調査票」の[対人関係]で5%水準で高い相関が見られた。さらに「職業性ストレス簡易調査. 票のC.修飾要因」において総じて「GHQ30」の下位尺度とは負の相関が見られた。このことから、身. 体的負担感同様、職場内の対人関係等のストレスが不安感や気分障害をもたらし、希死念慮とうつ 傾向になる要因となりやすく、上司、友人、家族等のサポートが得られにくくまた仕事に対して満足度. の低い被験者はGHQ得点が高く精神健康度が低下しているといえた。. 3) 「GHQ30jと「バーンアウト尺度」の尺度間相関. 「日本版GHQ30」と「バーンアウト尺度」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合わせで スペアマンの相関係数を算出したところ、有意に相関関係を示す項目はなかった。. 4) rGHQ30」とrストレス対処スケール」の尺度間相関. 「日本版GHQ30」と「ストレス対処スケール」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合わ せでスペアマンの相関係数を算出したところ、4項目において正の高い相関を示し、4項目において負 の高い相関を示した。負の高い相関を示す項目はすべて「ストレス対処スケール」の[リラックス]項目 であり、正の高い相関はすべて「ストレス対処スケール」の[傷つけ発散]項目であった。. 「日本版GHQ30」と「ストレス対処スケール」において、「ストレス対処スケール』の[リラックス項目]. と「GHQ30」の下位尺度[一般的疾患傾向][社会的活動障害]で5%水準で高い相関が見られ、[睡 眠障害][合計]で1%水準で負の高い相関が見られた。また、rストレス対処スケール」の[傷付け発散]. と「GHQ30」の下位尺度[身体的症状]で5%水準で高い相関が見られ、[一般的疾患傾向][社会的 活動障害][合計】で1%水準で正の高い相関が見られた。このことより、ストレスをリラックスにより対. 処する被験者の方がより精神健康度が高く、傷つけ発散により対処する被験者の方がより精神健康 度が低いといえた。つまり、負のコーピングを行う被験者はうまくコーピングができず、他の疾患や身. 一14一.
(18) 体的症状を増すことになり、社会的な活動障害を起しやすくその悪循環のため精神健康度が低くなる 傾向があった。. 5) 「自覚症調べ」と「バーンアウト尺度」の尺度間相関. 「自覚症調べ」と「バーンアウト尺度」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合わせでスペ. アマンの相関係数を算出したところ、3項目において負の相関を示し、1項目において正の高い相関 を示した。. 負の高い相関を示す項目はすべて「バーンアウト尺度」の[脱人格化]項目であり、「自覚症しらべ」 の[ねむけ感][ぼやけ感][ぼやけ感]で5%水準で負の高い相関が見られ、また「バーンアウト尺度」の. 逆転項目である[個人的達成感]と「自覚症しらべ」の[不快感]で1%水準で正の高い相関が見られた。. このことから、自覚症状のある被験者は脱人格化を起していないといえ、反対に個人的達成感が高い、 意欲的な被験者が自覚症状として不快感を持っているといえた。. 6) r自覚症調べ」とrストレス対処スケール」の尺度間相関. 「自覚症調べ」と「ストレス対処スケール」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合わせで. スペアマンの相関係数を算出したところ、2項目において負の高い相関を示した。負の高い相関を示 す項目はすべて「ストレス対処スケール」の[リラックス]項目であった。. 「自覚症調べ」と「ストレス対処スケール」において、「ストレス対処スケール」の[リラックス項目]と. r自覚症調べ」の下位尺度[不安感][不快感]で1%水準で高い相関が見られた。このことより、リラッ. クスによるストレス対処を行っている被験者は自覚症状が少ないといえた。また、総じて正のコーピン. グ方法をとる被験者には負の相関が、負のコーピング方法をとる被験者には正の相関がみられ、感 情抑圧や傷付け発散など負のコーピング方法をとる被験者は自覚症状も高いといえた。. 7) 「バーンアウト尺度」と「ストレス対処スケール」の尺度間相関. 「バーンアウト尺度」と「ストレス対処スケール」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合. 一15一.
(19) わせでスペアマンの相関係数を算出したところ、有意に相関関係を示す項目はなかった。. 8) 「自覚症調べ」と「職業性ストレス簡易調査票」の尺度間相関. r自覚症調べ」とr職業性ストレス簡易調査票」の下位尺度得点の各々において、すべての組み合 わせでスペアマンの相関係数を算出したところ、3項目において正の高い相関を示し、3項目において 負の高い相関を示した。. 「自覚症調べ」の[ねむけ感]において「職業性ストレス簡易調査票」の[職場環境]で5%水準、[対. 人関係]で1%水準で高い正の相関が見られ、「上司、同僚からのサポート」で1%水準で高い負の相 関が見られた。また、「自覚症調べ」の[不安感]において「職業性ストレス簡易調査票」の[心理的スト. レスの量的負担感]で5%水準で負の相関が見られ、[ぼやけ感]と[対人関係]で5%水準で高い正の 相関が見られた。このことから、職場内の対人関係等のストレスが[ねむけ感]や[ぼやけ感]をもたらし、. 上司、同僚サポートが得られにくくまた仕事に対して満足度の低い被験者は自覚症得点が高いといえ た。. 9〉 「職業性ストレス簡易調査票」と「バーンアウト尺度」の尺度間相関. 「職業性ストレス簡易調査票」と「バーンアウト尺度」の下位尺度得点の各々において、すべての組. み合わせでスペアマンの相関係数を算出したところ、1項目において負の相関を示し、1項目におい て正の相関を示した。. 「職業性ストレス簡易調査票」の[技能の活用]において「バーンアウト尺度」の[情緒的消耗感]で. 5%水準で負の相関が見られた。また、「職業性ストレス簡易調査票」の[同僚からのサポート]におい. て5%水準で正の相関が見られた。このことから、職場で技能を活用していると思っている被験者は バーンアウトの主要因である情緒的消耗感がなくバーンアウトの危険性は少ないといえ、バーンアウ トの危険の高い被験者が同僚からのサポートを多く受けていた。これは、バーンアウトの危険性が高 い被験者ほど同僚が気がつきサポートしてくれようとしていたといえる。. 一16一.
(20) 10) 「職業性ストレス簡易調査票」とrストレス対処スケール」の尺度間相関. 「職業性ストレス簡易調査票」とrストレス対処スケール」の下位尺度得点の各々において、すべて. の組み合わせでスペアマンの相関係数を算出したところ、4項目において正の相関を示し、5項目に おいて負の相関を示した。. 「職業性ストレス簡易調査票」と「ストレス対処スケール」において、「ストレス対処スケール」の[リラ. ックス]と「職業性ストレス簡易調査票」の[心理的ストレスの質的負担][働き甲斐]で5%水準で負の相. 関が見られ、「職業性ストレス簡易調査票」の[仕事の適正]で1%水準で高い相関が見られた。また 「ストレス対処スケール」の[相談][問題焦点型対処]と「職業性ストレス簡易調査票」[仕事の適正]で. 5%水準で負の相関が見られた。次に「職業性ストレス簡易調査票」のストレス反応の項目において は、[イライラ][抑うつ感]と「ストレス対処スケール」の[相談]が5%水準で正の相関が見られ、[不安. 感]は「ストレス対処スケール」の[傷つけ発散]と5%水準で正の相関が見られた。このことより、リラッ. クスによるストレスを舛処している被験者はストレスの質的な負担感が低く、働き甲斐を持ち自分の仕. 事の適正感が高く生き生きと仕事をしているといえ、反対にストレス反応を持つ被験者は他の人に相 談したり、傷つけ発散をしたりとストレス対処を行っていた。特に傷つけ発散対処をしている被験者は 心理的ストレスの量的負担を感じ対人関係にストレスを感じ不安感を持っていた。. 一17一.
(21) Table2 尺度間相関 1.「GHQ30」と「自覚症調べ」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 自覚症調べ. n=21 不安感. 不快感. だるさ感ぼやけ感. 0.13. 0,259. 0,302. 0.296 0.353. 0,106. 0,235. 0,126. 0.151 0.334. 0,362. .456(*). O,365. .436(*) 、447(*). 0,257. 0,319. 。466(*). .519(*). .654(**) .436(*). 0.3. G H Q. 一般的疾患傾向 身体的症状 睡眠障害 社会的活動障害 不安と気分変調 希死念慮うつ傾向 合計. ねむけ感. 0,396. .445(*) 0.42 .586(**).487(*). .531(*). .5フ7(**). .678(**).573(**). .467(*). 0,417. .585(**).556(**). 2.「GHQ30」と「職業性ストレス簡易調査票」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 ストレス要因 量的負担 質的負担 身体的負 対人関係 職場環境 仕事のコ A.. n=2肇. 一般的疾患傾向 身体的症状. 担. (心理的. (心理的. ストレス). ストレス). ントロー. 技能の活 仕事の適 働き甲斐 用. 性. ル. 一〇.004. 0,137. 一〇.003. 0,002. 一〇.184. 一〇.183. 一〇.042. 0,206. 0,064. 一〇.062. 0,038. 一〇.016. 一〇.109. 一〇.082. 一〇.322. 0,196. G睡眠障害. 0,117. 0,236. 0.19. 0,164. 一〇.026. 一〇.422. 一〇.275. 0,168. 0,006. H社会的活動障害 Q不安と気分変調. 0,153. 0,277. 0,259. 0,142. 一〇.188. 一〇.402. 0,055. 0,175. 一〇.065. 0.16. .495(*). 0,171. 一〇.266. 0,009. 0,076. 一〇.298. 0,189. 一〇.011. 0.37. .460(*). 0,244. 一〇.377. 一〇.094. 一〇.175. 一〇.412. 0,162. 0.15. 0.31. 0,284. 一〇.002. 一〇.383. 一〇.222. 0,155. 一〇、137. 希死念慮うつ傾向 合計. 0.3. 0.12. 0,229. .620(**). B.ストレス反応 活気 イライラ 0.238. 一〇.079. 0.367. 0.094. 0.089. 疲労感 不安. 抑うつ感身体愁訴. 0.017. 一〇.045. 一〇.璽5. 0.284. 0.101. −0.071. 0.214. −0.023. 0.125. 0.023. −0.072. 0.234. 0.067. −0.02. −0.051. −0.056. 0.094. −0.139. −0.032. 0.169. 0.06. −0.023. −0.057. −0.253. −0.219. 0.146. 0.19. −0.072. 0.009. −0.008. 0.168. 0.011. 0.09. −0.056. −0.136. −0.05. 0. C.修飾要因 上司から同僚から 家族・友. 仕事や生. のサポーのサポー人からの 活の満足 ト ト サポート 0.164. 0.02. 度. 一〇.05. 一〇.104. −0.064. −0.04. 0.161. −0.065. 一.482(*). −0.044. −0.169. −0.279. 一〇.031. −0.032. −0。2. −0.167. −0.286. −0.333. −0.258. −0.154. −0.423. −0.418. −0.33. −0.309. −0.283. −0.224. −0.175. −0.281. 一18一.
(22) 3.「GHQ30」と「バーンアウト尺度」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 n=21. バーンアウト尺度. 情緒的消脱人格化個人的達 耗感 成感. 一般的疾患傾向 身体的症状. G睡眠障害 H 社会的活動障害 Q不安と気分変調 希死念慮うつ傾向. 合計. 0.078. 一〇.027. 0.083. −0.098. −0.034. 0.033. 0.095. −0.027. 0.24. −0.146. −0.278. 0.321. −0.031. −0.148. 0.148. −0.087. −0.147. 0.354. 0.015. −0.09. 0.252. 4.「GHQ30」と「ストレス対処スケール」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 ストレス対処スケール. n=21 相談. G H Q. 一般的疾患傾向 身体的症状 睡眠障害 社会的活動障害 不安と気分変調. 問題焦点リラックス感情抑圧 傷つけ発. 0,144. 一〇.04 一.493(*) 0.134. 0,113. 一〇.269 −0.398 0.266. 一〇.025. 一〇.195 一、563(**) 0.182. 0,409. 一〇.147. 一〇.146 一.547(*) 0.24. .698(**). 一〇.309. 一〇.238 −0.393 0.28. 0,407. 希死念慮うつ傾向. 一〇.257. 一〇.084 −0.309 0.283. 0.28. 合計. 一〇.145. 一〇.283 一.601(**) 0.221. .576(**). .760(**) .434(*). 5.「自覚症調べ」と「バーンアウト尺度』の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数. n=46. バーンアウト尺度. 情緒的消脱人格化 個人的達 耗感 自 ねむけ感 覚 不安感 症 不快感 調 べ. 成感. 一〇.208 一.302(*). 0,219. 一〇.144 一.291(*). 0079. 一〇,279 一.341(*). .392(**). だるさ感. 0.027 −0012. 0,185. ぽやけ感. 一〇.174 −0.145. 0,229. 6.「自覚症調べ」とrストレス対処スケール」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 ストレス対処スケール. nニ46 相談. 問題焦点リラックス感情抑圧傷つけ発 対処. 散. 自 覚. ねむけ感. 不安感. 一〇.206. 症. 不快感. 一〇.196. 一〇〇69一.401(**). 調. だるさ感. 一〇.118. ぽやけ感. 一〇.058. べ. 一〇.101. 0ρ05 −0.217. 0,226. 0,048. 0ρ12一.377(**). 0,009. 一〇.048. 0,119. 0,025. 一〇〇27 −0.205. 0,211. 0,088. 0,096 −0.251. 0,213. 0,173. 一19一.
(23) 7.「バーンアウト尺度(MBI)」と「ストレス対処スケール」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 ストレス対処スケール. n=46 相談. 問題焦点リラックス 感情抑圧傷つけ発 散 対処. M 消耗感. 0,055. 一〇.104 −0.061. 一〇.197. OD83. B 脱人格化. 0,029. 一〇.079 0.094. 一〇.042. 0,069. 0,071. 一〇,061 0.012. 0,127. OO26. 1達成感. 8.「自覚症調べ」と「職業性ストレス簡易調査票」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 A.ストレス要因. n=46. 量的負担 質的負担 身体的負 対人関係職場環境 仕事のコ 自 ねむけ感. 覚不安感 症不快感 調だるさ感 べ ぼやけ感. 技能の活 仕事の適 働き甲斐. 一〇,188. 一〇.071. 0,118. 389(**) 349(*). 一〇.274. 一〇.202. OD19. 一.363(*). 一〇.091. 0,205. 0.178 0.225. 一〇.128. 一〇.157. 0,184. 0,092. 一〇.114. 0ρ27. 一〇.023. 0,094 0.197. 一〇.101. 一〇.12. 0,137. 0,092. 0.2 0.157. 一〇.014. 一〇.22. 0,081. 0,137. 一〇.017. 0,115. 0,148. 0,161. 0,241. 0. 0,094. 0,089. 0076. .320(*) 0.219. 一〇249. B.ストレス反応 活気 イライラ 疲労感 不安. 抑うつ感 身体愁訴. 一〇.003 0.247. 0.163. 0.143. 0.103. 0.001. −0.013 0.115. 0.029. 0、026. −0.07. −0.055. −0.055 0.138. 0.052. 0,127. 0.111. 0.155. −0.059 0.002. 0.038. −0.156. 0.038. −0.022. −0,025 0.092. 0.193. −0.047. −0.025. 一〇.158. C.修飾要因 上司から 同僚から家族・友 仕事や生. のサポーのサポー人からの活の満足 ト ト サポート 度 一.551(**). 一〇.263. 一.393(**). 一.366(*). 一〇.009 −0.11. 一〇.265 −0.185. 一.331(*). 一〇.281. −0.083. 一〇,122. −0.004. 0.094. 0.093. −0.172. −0,165. −0.099. −0.081. 一20一. −0.155. 一〇D54.
(24) 9.「職業性ストレス簡易調査票」とrバーンアウト尺度(MBI)」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係劃 nニ46. A.ストレス要因. 量的負担 質的負担 身体的負対人関係職場環境仕事のコ 技能の活 仕事の適 働き甲斐. M消耗感. (心理的. (心理的. ストレス). ストレス). 1達成感. ントロー. 0,119 一〇ρ06. 用 性. ル. 0033. 0,181. 一〇.062. B脱人格化. 担. 0.165一.300(*). 一〇.026 0,066. 0,181. 0253 0,121. 0,062. 一〇〇78. 一〇ρ2 −0,132. 0.201 −0,179. 一〇ρ08. 一〇,157. 一〇D79. 0.087 −0,022. 0ρ74 0.11. OO19. 一〇.156. B,ストレス反応. 活気 イライラ. 疲労感 不安 抑うつ感 身体愁訴. 0.115. 一〇.039 一一{),132 0,071 一{).199. 0.002. 0.135. 0.064 −0,046 0.031 一{).251. −0.013. 0.101. 0.283 0.188 0,106 0.248. 0.135. C.修飾要因 上司から 同僚から 家族・友. 仕事や生. のサポーのサポー人からの 活の満足 ト ト サポート 度 0.227 .362(*). 一〇.068 −0.011. 0.271 0.253. −0,099 0.079. −0.25 −0.291. −0,012 −0,129. 10.「職業性ストレス簡易調査票」と「ストレス対処スケール」の尺度間相関 Spearmanの順位相関係数 A.ストレス要因. nニ46. 量的負担 質的負担 身体的負 対人関係職場環境 仕事のコ 技能の活 仕事の適 働き甲斐 (心理的. (心理的. ストレス). ストレス). 担. ントロー. 相談. 一〇〇34. 一〇〇〇8. 一〇∫)83. スト. 問題焦点. 一〇〇〇7. 一〇.143. 一〇.095. ケレ. リラックス. 一〇ρ07. ル対. 感情抑圧 傷発散. 0∫)45 0.107. 0.275 0.123. 一〇D71. 0,224. 一.325(*). 一〇.2. 0,115. 一.358(*). 一〇,185. 一433(**). 一.341(*). 一310(*). 一〇,067. 0ρ52 0ρ63. 0ρ69. 0.29. 0,106. 一〇,063. 0,292 0095. 一〇,142. .359(*). 0279. .323(*) 0.155. 0,091. 一〇.11. 0.1. 処ス 1ス. 性. 用. ル. 0,156. 一〇276. 0,034. 一〇ρ32. B,ストレス反応. 活気 イライラ. 疲労感 不安 抑うつ感 身 体 愁 訴. .317(*). 0.24 0.248 .362(*) 0.159. −0,217. 0.089. 0,107 0.092 0,293 0.003. −0.108. 0.066. 0.009 −0.106 0.115 0.005. −0.028. 0,163. 0.251 0.22 0.276 0.139. −0.109. 0.231. 0,175 .309(*) 0.209 0.207. 一〇.264. C.修飾要因 上司から 同僚から 家族・友. 仕事や生. のサポーのサポー人からの 活の満足 ト ト サポート. 度. 0.098. 0.168. 0.042. 0.191. −0.022. 0.153. −0,053. 0.061. −0.158. 0.148. 0.11. 0.132. −0.204. −0.051. −0.177. 0.074. 0.066. −0.021. −0,141. −0.013. * **. 相関は、5%水準でで有意となります(両側)。 相関は、1%水準でで有意となります(両側)。. 一21一. 一〇,216. 一〇,271 一〇〇2.
(25) 2、「日本版GHQ30」 (TabIe3−1,3−2,3−3). 有効回答者29名は全職員の54%で、女性18名男性11名。年齢層は20歳代(55%)が圧倒的 に多く、20歳30歳代合計が79%で、勤続年数5年以下の職員が76%であった。また職種として介 護士・看護師が50%と多く、変則三交替制勤務職員が45%の調査集団である。「離職」は有効回答 者の17%であった(Table1−1)。. 質問紙「GHQ30」の得点結果(Table3−1)は、「合計」において、カットオフ値7点のところ9.7点 と高く、下位項目である要素スケール別の得点平均は、[一般的疾患傾向][不安と気分変調][社会的 活動障害]及び[希死念慮うつ傾向]において「軽度の症状があり」と判定される値となった。これは、臨. 床的立場で使用するGHQ得点からみて、特養Aの職員集団の精神健康度が低いと考えられる結果 となった。. そこで、個人属性について分析したところ、性別において女性職員の得点平均がほぼ健常者の域 にあるのに比べ、男性職員の得点平均がr合計」において、カットオフ値7点のところ14.1点と高く、 要素スケール別得点でも[一般的疾患傾向][不安と気分変調][社会的活動障害]及び[希死念慮うつ. 傾向]において軽度の症状を示す得点となった。さらに、分散分析の結果(Tabb3−2)、「性別」の効 果において[睡眠障害](Fα2刀=7.2,ρく.05)、[不安と気分変調](’『α2刀=4.6,ρ〈.05)、[希死念慮うつ. 傾向](Fα2刀=5,3〆05)、[合計](’rα2刀=8.1,ρく.05)で5%水準で男性のほうが女性よりGHQ得点. が有意に高く、男性職員のほうが精神健康度は有意に低いといえた。このことから、女性職員の精神. 健康度は正常であるのにも関わらず、男性職員において精神健康度が低く何らかの問題ありという結 果となった。. また、「離職」において、[一般的疾患傾向](πα2刀二6.8,ρ〈.05)、[社会的活動障害](Fα2刀 =4.4,ρ〈.05)に5%水準で有意であるといえた。. そのほかの個人属性において、分散分析の結果、効果の有意はみられなかった。 次に、「年齢」とrGHQ30得点」及び「勤続年数」と「GHQ30得点」についてスペアマンの順位相関 の統計処理(Table3−3)をしたところ、相関はみられなかった。. また、勤続年数とGHQ得点について統計的に相関はなかったが、GHQ得点の素点分布から2こ ぶある分布になり、勤続年数1、2年と5、6年においてGHQ得点が高かった。このことから、仕事に慣 れるまでの新入職員と仕事に慣れ各ポストにおいて指導する立場の職員において精神健康度が低い といえた。. 一22一.
(26) 3、「自覚症調べ」「バーンァウト尺度」r職業性ストレス簡易調査票」「ストレス対処スケール」. (Table4∼Table7) 4種の質問紙において、有効回答者は全職員の85%となり、女性33名男性13名であった。有効 回答者の内訳として、年齢層は20歳30歳代合計が59%と多く、勤続年数5年以下の職員が72%、 職種は直接高齢者介護に関わる介護・看護の仕事に従事する職員が72%、夜勤のある変則三交替 制勤務職員は44%であった。「離職」は有効回答者の17、4%となった(Table2)。. 結果は質問紙ごとに記載した。. 1) r自覚症調べ」 (Table4−1,Table4−2,Table4−3,Table4−4). 各因子得点の平均値は「21わずかに当てはまる」となり、疲労感は平均的であったが、個人属 性について調べると、相談員において[ねむけ感][不安感]が高く、離職者においても[ねむけ感] [不安感]が高い得点となった(Table4−1)。 分散分析の結果(Table4−2)、「性別」の主効果において[不安感](Fα44ノ=4.2,ρ<.05)、[だる. さ感](Fα44弄4.2,ρ〈.05)が5%水準で有意であるといえ、男性職員のほうが女性職員より不安感. やだるさ感の自覚症状が強く、疲労感を感じているといえた。「職種」との単純効果を検定したところ [ぼやけ感](F砲40ニ3.1,ρ〈.05)が5%水準で有意であるといえた。そこで多重比較(Table4−4). をすると、介護職員と相談員において[不安感][不快感][ぽやけ感]で平均値の差は5%水準で有. 意であり、介護職員と事務職員及び看護師と事務職員においても[ぼやけ感]において平均値の差 は5%水準で有意であった。このことから、職種においては、介護職員より相談員の方が不安感や 不快感を強く自覚し、またぼやけ感においても介護職員・看護職員より有意で疲労感を感じていた。 また、事務職員においても介護・看護職員よりぼやけ感をを有意に感じていたといえた。 「労働条件(常勤と非常勤〉」の効果において[ねむけ感](Fα44ノニ7.6。ρ〈,01)[不安感](π α44ノ=18,0,ρ〈.01)[不快感1(Fα44フニ7.5,ρく.01)[ぽやけ感](Fα44フ=9.7,ρく.01)が1%水準で. 有意であるといえ、[だるさ感](’『‘ろ44フ=4,8,ρく。05)が5%水準で有意であるといえた。「離職者」は、 [ねむけ感](Fα44ソ=6.1,ρく.05)[不安感1(Fα44ノニ4.2,ρ〈.05)[不快感](,『ろ44フ=5.9,ρ〈.05)と. 5%水準で有意であり、離職者においては有意に疲労感を自覚症状として抱えていたといえた。. 一23一.
(27) そのほかの個人属性においては効果の有意はみられなかった。. さらに、「年齢」「勤続年数」と相関の結果(Table4−3)は、「勤続年数」と[不快感] (戸一.376,ρ〈.01)は1%水準で有意に負の相関があるといえた。さらに「年齢」においても[不快感]. (戸一.347,ρ〈.05)で5%有意の強い負の相関はみられたことより、より勤続年数の少ない、年齢が低. いほど、不快感の自覚症状が強くあるといえた。. 2)「バーンアウト尺度』 (Table5−1,Table5−2,TabIe5−3,Table5−4). 質問紙「バーンアウト尺度」の得点結果(TabIe5−1)は[情緒的消耗感]はカットオフ値18点の ところ13点、[脱人格化]はカットオフ値14点のところ9点、[個人的達成感]カットオフ16点のところ. 15.4点と平均値を示し、全体的な平均値では正常の範囲にあった。個人属性でみると[情緒的 消耗感][脱人格化]においては男性の方が女性より値が高く、若い年齢層の勤続年数4年から7年 の職員において値が高い傾向があった。また相談員及び常勤職員の値も高く、さらに「離職」にお いての[情緒的消耗感]はカットオフ値を超えていた。反転項目である[個人的達成感]においては、. 個人属性においてさほど顕著な違いはなかったが、r離職」についてはカットオフ値を超えて個人的 達成感が低くなっていた。つまり結果として、離職者のバーンアウト得点はカットオフ値を越える危 険域にあった。 分散分析の結果(Table5−2)、r性別』との主効果において[脱人格化](’『α44ノ=4.8,ρ〈.05〉が. 5%水準で有意であるといえ、女性より男性の方が有意にバーンアウトの危険率が高いといえた。 また、「職種」との単純効果を検定したところ[脱人格化](1『6441ノニ2.2,ρ〈.1)が10%水準で有意傾向. であるといえたので、平均値のペアごとの多重比較をすると、介護職員と相談員との比較において [脱人格化]は5%水準で有意であり、介護職員より相談員において脱人格化が起こっているといえ. た。つまり、男性相談員において脱人格化がおこりバーンアウトの危険性が高いという結果となっ た。. 次に「役職」において管理職と一般職の単純効果は[個人的達成感](1マろ44ノ=3.2,ρ〈.1)が10%. 水準で有意傾向であるといえ、チューキー(Tukey)のHSD法による多重比較をしたが、平均値の差 は有意であるとはいえなかった(Table5−4)。. 「年齢」および「勤続年数」と3因子各々の相関にっいて統計処理(TabIe5−3)したところ、「勤 続年数」と[脱人格化](戸一.305,ρ〈.05)は5%水準で有意に負の相関があるといえた。「年齢」にお. いて相関がみられなかった。つまり、勤続年数が少ないほど、バーンァウトの危険性が高いという. 一24一.
(28) 結果となった。. 3)r職業性ストレス簡易調査票」(Table6−1−1∼Table6−4). 得点結果は、素点から換算表を用いて換算値に変換して統計処理を行った。 5段階評定の換算値は、r1=低い/少ない」、r2=やや低い/やや低い」、r3=普通」、r41やや 高い/多い」、「5=高い/多い」と評定される。. その結果は(A)ストレス要因、(B)ストレス反応、(C)修飾要因に分けてまとめた。. (A)ストレス要因 (Table6−1−1,Table6−2−1,TabIe6−3−1,). 5段階評定の換算値結果(Table6−1−1)より、平均値はいずれもほぼ「3:普通」の範囲内で あったが、[仕事の量的質的負担感]や[身体的負担感]が4と高かった。しかし、[働き甲斐]において. も4と高く、仕事に質的、量的負担感を持ち、身体的負担感もあるが、働き甲斐のある職場と感じて いると言えた。. 分散分析の結果(Table6−2−1)、「性別」の効果において[職場環境](πろ4鋲17.6,〆.01)、[働. き甲斐](πろ4鋲8,4,ρ〈.01)が1%水準で有意であるといえ、[仕事のコントロール感] (πろ4鋲5.6,ρく,05)[技能の活用](πろ4錺6.8,ρ〈.05)[仕事の適正](πろ4鋲7.0,ρ〈.05)において5%. 水準で有意であるといえた。つまり、性別において、換算値よりストレス要因の[仕事の量的質的負. 担感]は男性より女性の方が高い値で仕事の負担感は感じているにも関わらず、女性の方が仕事 のコントロール感や技能の活用感を感じ、仕事への適性と働き甲斐をより強く感じているといえた。 また、「職種」において単純効果を検定したところ[身体的負担](だ6441ノ=11.3,ρ〈.01)が1%水準で. 有意であるといえ、さらに多重比較をすると、介護職員は看護師・相談員・事務職において平均値. の差が5%水準で有意に身体負担感を持つことがわかった。つまり介護職員は他の職種より身体. 的負担感を持つといえた。r役職」においての単純効果は[仕事のコントロール] (πろ4匪10.8,ρく.01)が1%水準で有意であるといえた。「労働条件(常勤・非常勤)」においての効 果は[技能の活用](πろ4匪4.7,ρ<.05)と5%水準で有意であった。「勤務形態(夜勤のある変則交替 勤務・日勤)」においての効果は、[身体的負担](π乙4鋲20.5,ρ〈.01)が1%水準で有意であるといえ、 [仕事の量的負担](ノマろ4距4.3,ρく.05)[職場環境](π乙4鉄4.76,ρ〈.05)が5%水準で有意であると. いえた。これらのことより、介護職員は身体的に負担感を感じ、変則的な三交替制勤務による職場. 一25一.
(29) 環境の不備と変則的な勤務時間による身体的負担感が強く、仕事の量的負担を感じていた。また、. 管理職は仕事のコントロール感はあるが、一般の職員においては仕事へのコントロール感が低い といえた。「離職」の項目において、[仕事の質的負担](π雇鋲4.9,ρ〈.05)が5%水準で有意である. といえ、離職者は心理的ストレス要因として仕事の質的負担感を持っていたといえた。. 「勤続年数」と各項目の相関について統計処理(Table6−3−1)したところ、「勤続年数」と[仕 事のコントロール](戸.445,ρ<.01)は1%水準で強い相関がみられた。つまり、勤続年数が長くなる. ほど仕事のコントロール感が高くなるといえた。次に、「年齢」と各項目の相関について統計処理(T abie6−3−1)したところ、[仕事のコントロール](戸.471,ρ〈.01)は1%水準で強い相関がみられ、. [仕事の身体的負担](戸一.356,ρく.05)においては5%水準で負の相関がみられ、年齢が高いほど. 身体的負担を感じながらも仕事のコントロール感をもつということが言えた。. (B)ストレス反応 (Table6−1−2,Tabb6−2−2,TabIe6−3−2,Table6−4−2)). 5段階評定の換算値の結果(TabIe6−1−2)より、いずれも「3:普通」の範囲内であった。個人 属性においては、男性職員は女性職員より[活気]が低く他のストレス反応においても判定として高 い値を示した。また、「職種」の[相談員]と[管理者]に高い値を示し、ストレス反応が高いといえた。. 特に相談員の[疲労感]と[不安感]は「4.5」と高く注意を要する値となった。離職者においては、. 「活気」の低下とほぼすべてのストレス反応の高得点がみられた。 分散分析の結果(TabIe6−2−2)、r性別」において[活気](ノマ乙4鋲13.9,ρ〈.01)、[疲労感] (ノマゐ43云7.6,ρ〈.01)、が1%水準で有意であるといえ、[不安感](π雇匪4.7,ρく.05)[抑うつ感] (π雇鋲5.0,ρく.05)[身体愁訴](πろ4鋲5.0,ρ〈.05)において5%水準で有意であるといえた。男性職. 員が女性職員に比べ、有意に活気が低下し、その他のストレス反応が高くなっているといえた。「職 種」との単純効果を検定したところ[疲労感](1『6341ノ=4,2,ρ〈.05)[不安感](1『6341ノ=4.1,ρ〈.05)[抑う. つ感](F碕41ノ=3。0,ρく.05)が5%水準で有意であるといえた。そこでTukeyのHSDによる多重比較. をすると、介護職と相談員において平均値の差は5%水準で有意であった(Tabie6−4−2)。つま り相談員が介護職員に比べ疲労感・不安感・抑うっ感・身体愁訴を5%水準で有意に持つことがわ かった。r役職(管理職と一般職)」においての単純効果は[イライラ感](ノマ乙431』7.8,〆.01)が1%水. 準で有意であるといえた。r労働条件(常勤・非常勤)」においての効果は[イライラ感] (πろ43ヒ11.2,ρ〈.01)[疲労感](πろ4鋲10.7,ρ<.01)は1%水準で、[身体愁訴](πろ4匪6.6,〆.05)は. 5%水準で有意であった。r離職」において、[抑うつ感](πろ4距7.8,〆.01)が1%水準で有意である. 一26一.
(30) といえ、[身体愁訴](πろ4鋲5.5,ρ〈.05)において5%水準で有意であるといえた。このことから、離職. 者においてストレス反応が強く身体愁訴を伴う抑うつ感が強かったといえた。. 次に相関の統計処理(Table6−3−2)より、r勤続年数」と「年齢」の各項目の相関について、相 関はみられなかった。. (C〉修飾要因 (Table6−1−3,TabIe6−2−3,TabIe6−3−3). 5段階評定の換算値結果より、いずれも「31普通」の範囲内であったが、男性職員に仕事の修 飾要因が少なくサポート体制が乏しいといえた。また30代男性において、仕事の満足度が低いこと が分かった(Table6−1−3)。 分散分析の結果(TabIe6−2−3)、「性別」において[上司からのサポート](π雇距22.2,〆.01)、. [疲労感](πろ4距7.6,ρ〈,01)、が1%水準で有意であるといえ、男性職員が女性職員に比して有意. にサポート体制が低いといえた。また、「職種」との単純効果を検定したところ[上司からのサポート] (1『砲41ノ=3.7,ρ〈.05)が5%水準で有意であるといえたので、多重比較(Table6−4)をすると、看護. 師と相談員において平均値の差は5%水準で有意であった。つまり相談員が看護師に比べ上司か らのサポートを有意に受けられなかったといえた。「役職(管理職と一般職)」においての単純効果 は[上司からのサポート](πろ4鋲4.8,ρく.05)が5%水準で有意であるといえ役職を持つ者への上. 司からのサポート体制はあったといえた。. 「勤続年数」と「年齢jの各項目の相関について統計処理(TabIe6−3−3)したところ、相関の見 られる項目はなかった。. 4) 「ストレス対処スケール」 (Table7−1,Tabb7−2,Table7−3,). 質問紙の得点結果(Table7−1)より、得点の平均値は正常値を示したが、性別において、男性 は、感情抑圧・傷つけ発散など負のストレス対処を女性より高値で行っているが、女性は相談やリ ラックスなど、正のストレス対処法を使っているといえる。. これは分散分析の結果(Table7−2)からもいえ、「性別」において[リラックス] (ノマろ4410.3,ρ〈.01)が1%水準で有意であるといえ、女性のリラックスによるストレス対処法が際立 っていた。また、「労働条件(常勤・非常勤)」においての効果は[傷つけ発散](πろ447.9,ρ〈.01)が 1%水準で有意であるといえ、[問題焦点対処](πろ4非72,ρく.05)、[感情抑圧](πろ4非4.7,ρく.05)、. 一27一.
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