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日本大学大学院医学研究科博士課程 外科系泌尿器科学専攻

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(1)

去勢抵抗性前立腺癌における OCT1 の機能解析

日本大学大学院医学研究科博士課程 外科系泌尿器科学専攻

山本 慎一郎

修了年 2019 年

指導教員 髙橋 悟

(2)

【目次】

【概要】

... 1

【略語一覧】

... 3

【緒言】

... 6

1

前立腺癌の疫学、治療

... 6

2

アンドロゲン受容体

(androgen receptor; AR)の作用機構 ... 7

3

前立腺癌の進行、去勢抵抗性獲得のメカニズム

... 9

4 Octamer transcription factor 1 (OCT1)についての報告 ... 11

【目的】

... 14

【方法】

... 15

1

細胞と細胞培地、材料

... 15

2 Small interfering RNA

(siRNA)

... 16

3 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)-2H- tetrazolium (MTS) assay ... 16

4 Cell migration assay ... 17

5 Quantitative reverse transcription-polymerase chain reaction (qRT-PCR) ... 17

6 Western blot analysis ... 19

7

マイクロアレイ解析

... 20

8

統計学的解析

... 20

【結果】

... 21

1 OCT1発現抑制のcastration resistant prostate cancer (CRPC)細胞への影響 .... 21

2 CRPC

進展に関わる

OCT1

の直接的な標的遺伝子の同定

... 22

3 OCT1

標的遺伝子発現抑制の

CRPC

モデル

22Rv1

細胞への影響

... 24

4 AR

発現抑制の

CRPC

細胞への影響

... 24

【考察】

... 26

1 CRPC

モデル細胞における

OCT1

の役割

... 26

2 CRPC

の進展に関わると想定される

OCT1

標的遺伝子の抽出

... 26

3 OCT1

標的遺伝子の前立腺癌における働き

... 28

4 OCT1

標的遺伝子による細胞周期の制御、腫瘍の増殖

... 29

5

今後の研究の展望

... 34

【まとめ】

... 36

【謝辞】

... 37

【図・図説】

... 38

【引用文献】

... 65

【研究業績】

... 75

(3)

1

【概要】

アンドロゲンおよびアンドロゲン受容体(androgen receptor: AR)を介した アンドロゲンシグナル経路が前立腺癌の増殖・進行に重要な役割を果たしてい る。進行性前立腺癌に対するホルモン療法は有効な治療法だが、次第にホルモ ン療法が効かなくなる去勢抵抗性前立腺癌 (castration resistant prostate

cancer: CRPC)となってしまうことが問題である。Octamer transcription factor 1 (OCT1)は生体内に広く存在するが、前立腺においてはAR

と協調して 転写因子として働く。これまでの前立腺癌における

OCT1

の機能解析では、

AR

陽性前立腺癌細胞である

LNCaP

細胞において最も高発現の

OCT1

標的遺伝子 が

acyl-coenzyme A synthetase 3 (ACSL3)であることや、ACSL3

が前立腺癌細 胞内でのテストステロン合成を介して前立腺癌の進展に働くことが報告されて

いるが、

CRPC

における

OCT1

の働きは明らかではなかった。本研究では、

OCT1

CRPC

モデル細胞

22Rv1

細胞で

AR

陽性前立腺癌細胞

LNCaP

細胞に比較し て高発現であることを明らかとし、

kinesin family member 15 (KIF15)、 NUF2, NDC80 kinetochore complex component (NUF2)

、non-SMC condensin I

complex subunit G (NCAPG)、disks large associated protein 5 (DLGAP5)、

anillin actin binding protein (ANLN)の5

遺伝子が

22Rv1

細胞における

AR

(4)

2

よび

OCT1

の標的遺伝子であることを同定した。

siRNA

を用いて

NUF2

の発現 を抑制することで

22Rv1

細胞の増殖が抑制され、

KIF15、NUF2、DLGAP5

の 発現を抑制することで

22Rv1

細胞の遊走能が抑制された。加えて

LNCaP

細胞 において

AR

および

OCT1

の標的遺伝子として見出されている

ACSL3

22Rv1

細胞においても

AR

および

OCT1

の標的遺伝子であり、

ACSL3

を抑制すること

22Rv1

細胞の細胞増殖能が抑制されることを確認した。本研究により、

CRPC

における

AR

および

OCT1

の標的遺伝子として新たに見出した

5

つの遺伝子は、

ACSL3

とともに

CRPC

の進行に関わることが想定され、さらなる研究により前

立腺癌の治療標的や予後予測因子となり得る可能性が示唆された。

(5)

3

【略語一覧】

ACSL3: acyl-coenzyme A synthetase 3 AF: activation function

ANLN: anillin actin binding protein AR: androgen receptor

ARE: androgen response element

CAP-D2: chromosome-associated protein D2 CAP-H: chromosome-associated protein H CCP: cell cycle progression

CRPC: castration resistant prostate cancer DBD: DNA-binding domain

DHEAS: dehydroepiandrosterone DHT: dihydrotestosterone

DLGAP5: disks large associated protein 5 E2F: E2F transcription factor

ER: estrogen receptor

ERG: ERG, ETS transcription factor

ETS1: ETS proto-oncogene 1 transcription factor

(6)

4

FBS: fetal bovine serum FOXA1: forkhead box A1 FOXP1: forkhead box P1

GAPDH: glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase GATA2: GATA binding protein 2

GR: glucocorticoid receptor

KIF15: kinesin family member 15 LBD: ligand binding domain

MAB: maximum androgen brockade

MYC: v-myc avian myelocytomatosis viral oncogene homolog NCAPG: non-SMC condensin I complex subunit G

NKX3-1: NK3 homeobox 1 NTD: N-terminal domain

NUF2: NUF2, NDC80 kinetochore complex component OCT1: octamer transcription factor 1

PARP1: poly (ADP-ribose) polymerase 1 PBS: phosphatase buffered saline

PR: progesterone receptor

(7)

5

qRT-PCR: quantitative reverse transcription-polymerase chain reaction RUNX1: runt related transcription factor 1

RXR: retinoic receptor

siRNA: small interfering RNA

SMC2: structural maintenance of chromosomes protein 2 SMC4: structural maintenance of chromosomes protein 4 SPC24: spindle pole body component24

SPC25: spindle pole body component 25 SRC 1: steroid receptor coactivator-1

STAT: signal transducer and activatior of transcription TACC2: transforming acidic coiled-coil-containing protein 2 TR: thyroid hormone receptor

UBE2C: ubiquitin-conjugating enzyme E2 C

(8)

6

【緒言】

1

前立腺癌の疫学、治療

本邦において、前立腺癌患者数は近年急激な増加傾向にある。本邦における

2013

年の男性癌総数

498,720

人のうち前立腺癌は

74,861

人、

15.0%で胃癌、肺

癌に次いで

3

位であった

(1)

2017

年の前立腺癌罹患数予測は

86,100

人と予測さ れており

(1)

、年間推定罹患数は

2020~2024

年には

105,800

人に到達し、1 位に なることが予測されている

(2)

。2016 年の男性癌死亡総数

219,785

人のうち前立 腺癌は

11,803

人、5.4%であり、部位別では

6

位であった

(1)

。本邦の前立腺癌死 亡者数も増加傾向にあり、

2025

年~2029 年には約

15,000

人に達すると予想さ れている

(2)

1940

年代に

Huggins

らにより去勢術によって前立腺癌の進行が抑制される

ことが報告されて以来

(3)

、進行性前立腺癌治療の第一選択はホルモン療法である。

ホルモン療法としてはアンドロゲン除去療法や抗アンドロゲン薬を使用するこ

とにより前立腺癌の進行が抑制され

(4)

、前立腺癌はアンドロゲンにより増殖・進

行することが明らかとなっている。精巣および副腎由来のアンドロゲンを十分

に抑制するために、アンドロゲン除去療法と抗アンドロゲン薬を併用する

Maximum androgen brockade (MAB)療法が本邦の前立腺癌に対するホルモン

(9)

7

療法の主流となっている

(5)

進行性前立腺癌に対するホルモン療法は有効な治療法であるが、治療が進む

とホルモン療法が効かなくなる去勢抵抗性前立腺癌

(castration resistant prostate cancer; CRPC)となる(6)

CRPC

に対してはタキサン系の抗癌剤である ドセタキセルやカバジタキセル

(7)

、CYP17 阻害剤であるアビラテロン

(8)

、新規 抗アンドロゲン薬であるエンザルタミドなどを用いて治療が行われているが

(9)

次第にそれらの薬物に対しても治療抵抗性を獲得してしまう。そのため、

CRPC

に対する新たな治療薬の開発が模索されている状況である。

2

アンドロゲン受容体 (androgen receptor; AR)の作用機構

男性ホルモンであるアンドロゲンは

AR

を介して機能する。

AR

は核内転写因

子として機能する

110 kDa

の蛋白である

(10)

AR

遺伝子は

X

染色体上の

q11-12

に位置し、8 個のエクソンより構成されている

(11)

。AR は

N-terminal domain (NTD)、DNA-binding domain (DBD)、hinge domain、ligand binding domain (LBD)より構成される(12)

LBD

C

末端に位置し、アンドロゲンと結合するこ

とでアンドロゲンシグナル経路を開始させる。DBD は

AR

の核内移行および標

的遺伝子近傍にある

androgen response element (ARE)と呼ばれるゲノム上の

配列への結合能を有している。NTD に含まれる

activation function (AF)1

(10)

8

LBD

にある

AF2

AR

による転写を促進している

(11)

アンドロゲンの中でも精巣由来のテストステロンは前立腺細胞に取り込まれ

ると

5α還元酵素によりAR

への結合力が高い

dihydrotestosterone (DHT)に変

換される

(13)

AR

DHT

などのリガンドにより活性化されると、核内に移動し

DNA

上の

ARE

に結合する。

AR

ARE

に結合すると

steroid receptor coactivator-1 (SRC 1)等の共役因子と相互作用して標的遺伝子の転写が促進さ

れる

(14)

(図

1)

AR

による下流遺伝子の発現制御には転写因子も重要な役割を果たしている。

遺伝子はヌクレオソームに存在している。ヌクレオソームは

4

つのコアヒスト ンに

DNA

が巻き付いた構造をしており

AR

ARE

への結合を妨げているが、

転写因子によりヌクレオソームの構造が変化することで

AR

の結合を可能にし ている

(15)

。ARE には

non canonical ARE

canonical ARE

がある。90 ある機 能的

AR

結合領域のうち

AR

のホモダイマーと結合することで標的遺伝子の転写 が可能となる典型的な

canonical ARE

はわずか

10%と報告されている(16)

。 一方、

ARE

の多くを占める

non canonical ARE

では、GATA binding protein 2

(GATA2)やforkhead box A1 (FOXA1)等の転写因子と相互作用することによっ

て標的遺伝子の転写を制御している

(16)

。GATA および

FOXA

ファミリーは

pioneer factor

と呼ばれ、クロマチンが凝集している状態にあっても直接

DNA

(11)

9

に結合することが可能である

(17)

。また、

pioneer factor

はクロマチンの凝集を開 く こ と で 他 の 因 子 が

DNA

と 結 合 す る こ と を 可 能 に す る

(18,19)

Octamer transcription factor 1 (OCT1)はpioneer factor

の下流で機能する転写因子であ る。前立腺癌細胞においては

GATA2

AR

に結合することで、

OCT1

がゲノム 上の

AR

結合部位近傍に結合することが可能になり、標的遺伝子の発現を制御 している

(20)

OCT1

の 他 に

AR

と 協 調 す る 転 写 因 子 に は 、

ETS proto-oncogene 1 transcription factor (ETS1), ERG, ETS transcription factor (ERG), forkhead box P1 (FOXP1), NK3 homeobox 1 (NKX3-1), runt related transcription factor 1 (RUNX1)などがある(12)

。ETS1 は

AR

の活性化以外に、様々な癌の進 展に働くことが報告されている

(21-26)

。前立腺癌では、

ETS1

AR

との相互作用 のほか、NKX3-1 の転写を促進する

(27,28)

。NKX3-1 は前立腺癌で頻繁に欠損を

認める癌抑制遺伝子である

(29)

NKX3-1

AR

の標的遺伝子であると同時に

AR

と相互作用する転写因子でもある

(23,25,26)

3

前立腺癌の進行、去勢抵抗性獲得のメカニズム

進行性前立腺癌に対するホルモン療法は有効な治療法であるが、治療が進む

とホルモン療法が効かなくなる

CRPC

となってしまう

(6)

。近年の研究では、

(12)

10

CRPC

細胞内ではアンドロゲン濃度が上昇しており、CRPC の増殖・進行にお いてもアンドロゲンシグナル経路が重要な役割を果たしていることが明らかに

なっている

(30)(図2)。

去勢抵抗性の原因には、アンドロゲンシグナル経路が関与する機序としては

AR

の発現増加

(31)

、AR の点突然変異

(32)

splice variant(33)

によるリガンド特異 性の変化、腫瘍内でのステロイド合成

(34,35)

あるいは

AR

転写協調因子群の発現 パターンの変化がみられることが報告されている

(36)

CRPC

細 胞 で は 、

E2F transcription factor (E2F)(37,38)

v-myc avian myelocytomatosis viral oncogene homolog (MYC)(39,40)

signal transducer and activatior of transcription (STAT)(41)

などの前立腺癌の進行に働く転写協 調因子の発現がホルモン感受性のある前立腺癌細胞に比較して多いことが報告

されており、AR 転写協調因子としての役割を

CRPC

細胞で担っていると推察 されている

(29)

AR

を介さない去勢抵抗性獲得の機序には

glucocorticoid receptor (GR)の発

現増加

(42)

や前立腺癌細胞の神経内分泌様細胞への変化

(43)

などが明らかとなって いる。

このような機序により、前立腺癌の進行や去勢抵抗性を獲得する過程におい

てアンドロゲンシグナル経路の活性化が維持されている。そのため去勢抵抗性

(13)

11

前立腺癌においても

AR

を介したアンドロゲンシグナル経路は腫瘍の増殖・進 展に重要な働きをしている。

4 Octamer transcription factor 1 (OCT1)についての報告

OCT1

遺伝子は染色体上の

1q24.2

に位置し、

18

個のエクソンより構成されて いる

(44)

。OCT1 は核内受容体の共役因子として働き、AR、GR、progesterone

receptor(PR)

、retinoic receptor (RXR) 、thyroid hormone receptor (TR) 、

estrogen receptor(ER)などを制御する(45)

。前立腺では、OCT1 は

AR

の転写 因子として

AR

の結合部位近傍に結合することで、

AR

の転写活性を制御してい る。臨床検体を用いた免疫染色により、

AR

陽性の前立腺癌組織における

OCT1

の高発現が、前立腺癌特異的生存率低下と相関することが報告されている

(46)

OCT1

は前立腺癌以外に、胃癌

(47)

や結腸癌

(48)

、子宮頸癌

(49)

でも発現が上昇し、

胃癌や結腸癌では

OCT1

の高発現が予後不良と相関することが報告されており、

AR

転写協調因子としての作用以外の働きが示唆されている。

OCT1

は細胞のストレス反応に対する抵抗性を亢進し

(50,51)

、OCT1 の欠損し た繊維芽細胞では放射線や抗がん剤に対する感受性が亢進するとの報告がある

(51)

。OCT1 により制御されるストレス反応抵抗性を引き起こす遺伝子には

poly (ADP-ribose) polymerase 1(PARP1)が含まれている(52)

。PARP1 は放射線な

(14)

12

どの細胞ストレス反応により損傷した

DNA

の修復および転写を行うが、進行し た前立腺癌では

AR

に結合し

AR

による転写を促進することで前立腺癌の増殖を 促進すると報告されている

(53)

OCT1

の標的遺伝子としては

AR

陽性前立腺癌細胞

LNCaP

細胞では、

acyl-coenzyme A synthetase 3 (ACSL3)が最も高発現の遺伝子として報告され

ている

(54)

ACSL3

は正常前立腺組織に比較し、前立腺癌で発現が増加し

(55)

、前 立腺癌組織における

ACSL3

の高発現が癌特異的生存率低下に相関する

(54)

ACSL3

は前立腺癌細胞内で副腎由来の

dehydroepiandrosterone

(DHEAS)か らテストステロンの合成を促進し、前立腺癌の増殖、進行に関わることが報告

されている

(56)(図3)。

これまでに、

AR

陽性前立腺癌細胞

LNCaP

細胞での

OCT1

の働きは解析され てきたが、OCT1 の

CRPC

における働きについては十分明らかではない。前述 のとおり、ホルモン感受性前立腺癌と

CRPC

では転写因子の発現や標的遺伝子 が変化している可能性が考えられる

(36)

。そのため、私は

CRPC

モデル細胞であ

22Rv1

細胞における

OCT1

の機能や標的遺伝子を解析することが前立腺癌の

去勢抵抗性獲得の機序の解明や新規治療薬の開発につながると考えた。

LNCaP

細胞が未治療の前立腺癌患者のリンパ節転移巣から樹立したのに対

し、22Rv1 細胞はヌードマウスに移植した前立腺癌細胞

CWR22

細胞を去勢下

(15)

13

に増殖させて細胞株化した由来を持つ

(57,58)

。そのため、

22Rv1

細胞では

LNCaP

細胞同様

AR

陽性であるが、アンドロゲン除去処理に抵抗性を有しており、実

臨床の

CRPC

症例に近い特性を有している

(59)

。また、22Rv1 細胞は

AR

の発

現増加や

AR-V7

などの

AR

splice valiant

の発現を認めることにより、ホル

モン除去処理に対する抵抗性を有していると報告されている

(57)

(16)

14

【目的】

本研究では

OCT1

による

CRPC

の進行に関わる分子作用機序の解明を目的と する。

OCT1

による前立腺癌進行に関わる分子作用機序の解析は、これまで

AR

陽性

前立腺癌細胞

LNCaP

細胞において行われてきた。本研究では

CRPC

のモデル

細胞として

22Rv1

細胞を用いて

OCT1

の機能を解析した。

(17)

15

【方法】

1

細胞と細胞培地、材料

ヒト前立腺癌細胞株として、CRPC モデル細胞

22Rv1

細胞と

AR

陽性前立腺 癌細胞

LNCaP

細胞、AR 陰性前立腺癌細胞

DU145

細胞を

American Type Culture Collection (Rockville, MD, USA)から購入した。細胞培養は、全て37℃、

5% CO2

条 件 下 で 、

10

% ウ シ 胎 児 血 清 (

fetal bovine serum; FBS, JPH Bioscience)を添加したRPMI 1640

培地(Sigma, St Louis, MO, USA)にて行 った。アンドロゲン刺激前には、ホルモン除去として

72

時間

charcoal

処理済

みの

2.5%FBS

を混合したフェノールレッドフリーの

RPMI1640

培地にて培養

を行った。

2 Small interfering RNA

(siRNA)

コ ン ト ロ ー ル

siRNA

siControl

、 標 的 配 列 :

5’-GUACCGCACGUCAUUCGUAUC-3’)(60)

、および下記の

siRNA

を使用した。

siRNA

Sigma Genosys (Tokyo, Japan)より購入した。トランスフェクション

には

Lipofectamine RNAiMAX(Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用

いた。

OCT1

に対する

siRNA (siOCT1 #A、#B)は10 nM

で使用し、それ以外の

(18)

16

siRNA

では

5 nM

で使用した。

siOCT1 #A,

標的配列:5’-GUGAAGGCUAGGUGAGAAGC-3’

siOCT1 #B,

標的配列:5’-GUGCUAGAUAGGUUUAUAAGU-3’

siAR #1, (Thermo Fisher, S1539) siAR #2, (Thermo Fisher, S1538) siKIF15, (Thermo Fisher, S32546) siNUF2, (Thermo Fisher, S37981) siNCAPG, (Thermo Fisher, S34514) siDLGAP5, (Thermo Fisher, S18914)

siACSL3,

標的配列: 5’-GGAACAAUUUCCGAAGUGUGG-3’

3 3-(4,5-dimethylthiazol-2-yl)-5-(3-carboxymethoxyphenyl)-2-(4-sulfophenyl)- 2H- tetrazolium (MTS) assay

96

ウエルディッシュの各ウエルに

22Rv1

細胞(500 細胞/ウエル)を入れ、

24

時間後に

siRNA

をトランスフェクションした。37℃で培養後に

10

μl ずつ

Cell Titer 96 Aqueous One Solution Cell Proliferation Assay kit(Promega, Madison, WI, USA)を付加し、microplate reader(Mithras LB 940; Berthold Technologies, Bad Wildbad, Germany)のabsorbance 490 nm

にて測定した。

各条件は

5

ウエルずつ行った。

(19)

17

4 Cell migration assay

フィブロネクチン処理をした

Cell Culture Insert with an 8.0-μm pore size PET filter(Falcon, NY, USA)を用いて、各ウエルに5×104

個の細胞を入れ、

48

時間培養後にメタノール固定及びギムザ染色を行い、

pore

を通過した細胞数 を蛍光顕微鏡(Nikon eclipse TE 2000-U; Nikon, Tokyo, Japan)×100 視野に てランダム

5

視野で撮影、検討した。

5 Quantitative reverse transcription-polymerase chain reaction (qRT-PCR)

細胞よりトータル

RNA

ISOGEN

(Nippon Gene, Tokyo, Japan)を用いて 溶解、抽出した。

1

本鎖

cDNA

PrimeScript RT reagent kit

(Takara, Kyoto,

Japan)を用いてmRNA

より逆転写合成した。

qRT-PCR

ABI Step One (Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用いて行い、試薬はKAPA SYBR green mix (KAPA Biosystems, Woburn, MA, USA)を使用して、遺伝子発現量を定量

化した。

glyceraldehyde-3-phosphate dehydrogenase (GAPDH)の発現量に対す

る比として、各遺伝子の発現量をΔΔCt 法により計算した。

ΔΔCt 法は

qRT-PCR

による相対定量法である。目的遺伝子と内在性コント

ロール遺伝子の

Ct

値(Threshold Cycle)を求め、目的遺伝子と内在性コント

ロール遺伝子のΔCt 値(Ct 値の差)をもとに、未知サンプル間のΔΔCt 値(Δ

(20)

18

Ct

値の差)からサンプル間の目的遺伝子の発現量の比較定量を行う

(61)

。 使用したプライマー配列は以下の通りである。

GAPDH

Forward: 5’- GGTGGTCTCCTCTGACTTCAACA -3’

Reverse: 5’- GTGGTCGTTGAGGGCAATG -3’

KIF15

Forward: 5’- CCTTGGAGGTAATGCCAAAA -3’

Reverse: 5’- GCTCACATTTCCTTGGGTGT -3’

NUF2

Forward: 5’- TCCAAATCCAAAGCCTGAAG -3’

Reverse: 5’- GTCATTCACCCGGCAGATAG -3’

NCAPG

Forward: 5’- TGGGAAGTATGCCAGAAATG -3’

Reverse: 5’- TAACCACTGGGCATTCATCA -3’

DLGAP5

Forward: 5’- GCCAAGGGCAATGAAAACTA -3’

Reverse: 5’-TCTTTGGCCTTTGACCTTGT -3’

ANLN

(21)

19

Forward: 5’- GGGCTGAACTCAAGATTGGA -3’

Reverse: 5’- GAGGCATTTGAAAGCAGAGG -3’

ACSL3

Forward: 5’- TGCTTTCCGAAGCTGCTATT -3 Reverse: 5’- AAGGCATCTGTCACCAGACC -3

6 Western blot analysis

細胞からの蛋白抽出液の回収は

whole cell lysate

lysis buffer (50 mM Tris-HCl, [ph8.0], 150 mM NaCl, 1.0% NP40, protease inhibitor cocktail)にて

溶解して回収した。蛋白濃度の測定は

PierceTM BCA Protein Assay kit (Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用いて実施した。それぞれの蛋白30

μg を

8% SDS-polyacrylamide gel

で 電 気 泳 動 し 、

Immobilon-P Transfer Membrane (Millipore, Billerica, MA, USA)に転写させた。メンブレンは1次抗

体と

24

時間反応後、2 次抗体と

1

時間反応させ、Pierce

TM ECL Plus Western Blotting Substrate (Life Technologies, Carlsbad, CA, USA)を用いて発色させ

た。

今回使用した抗体は以下の通りである。

Rabbit polyclonal Anti-OCT1 antibody (abcam, ab15112)、rabbit polyclonal

(22)

20

anti-AR-antibody (Santa Cruz, H-280)

mouse monoclonal anti-

β

-actin monoclonal antibody (Sigma, St Louis, MO, USA)を用いた。

7

マイクロアレイ解析

22Rv1

細胞より抽出した

RNA

を用いて、各

RNA

RNA integrity number (RIN)が 9.0

以上であることを確認した後に、Clariom S Arrays HT, human

(Affymetrix, Santa Clara, CA, USA)によりマイクロアレイを行った。データ解

析には

Affymetrix Microarray Suite software

を用いた。

8

統計学的解析

実験結果は

Student’s t

検定を用いて評価した。

p < 0.05

を統計学的有意差あ

りとした。

(23)

21

【結果】

1 OCT1

発現抑制の

CRPC

細胞への影響

CRPC

モデル細胞

22Rv1

細胞、AR 陽性前立腺癌細胞

LNCaP

細胞、および

AR

陰性前立腺癌細胞

DU145

細胞より蛋白抽出液を回収し、western blot

analysis

を行いそれぞれの前立腺癌細胞株での

OCT1

の発現量を比較した。

22Rv1

細胞で

LNCaP

細胞に比較し

OCT1

は高発現で、

DU145

細胞では

OCT1

の発現は検出限度以下であった(図

4)。

OCT1

CRPC

細胞内での機能を解析するため、

siRNA

を用いて

OCT1

の発 現を特異的に抑制する実験を行った。まず、

siOCT1 #A、#B

および

siControl 10

nM

22Rv1

細胞にトランスフェクションし、

48

時間後に蛋白抽出液を回収し

western blot analysis

を行い、OCT1 の発現抑制効果について検討した。いず れの

siOCT1

をトランスフェクションした場合も、

siControl

と比較し

OCT1

の 蛋白レベルでの発現量は顕著に抑制されていた(図

5)。次に、このsiOCT1 #A、

#B

を用いて細胞増殖能を評価する

MTS assay

と細胞遊走能を評価する

migration assay

22Rv1

細胞に対して実施したところ、OCT1 の発現を抑制

することで細胞増殖能および細胞遊走能が有意に抑制された(図

6、図7)。22Rv1

細胞を用いて、

siOCT1 #A、#B

をトランスフェクションすることで、

siControl

(24)

22

に比較した

ACSL3

mRNA

レベルでの有意な発現低下を認めた(図

8)。

2 CRPC

進展に関わる

OCT1

の直接的な標的遺伝子の同定

CRPC

細胞における

OCT1

の標的遺伝子を同定するために、siOCT1 #A、

siControl

をそれぞれ

10 nM

トランスフェクションし、DHT もしくはエタノー

ル処理を行った

22Rv1

細胞より回収した

RNA

を用いてマイクロアレイ解析を 行った。当研究室で過去に行った

22Rv1

細胞における

OCT1 Chromatin immunoprecipitation-sequencing (ChIP-seq)データ(投稿準備中)を利用し OCT1

結合部位が転写開始点より

3 kilobase (kb)以内にある遺伝子に関して、

OCT1

の発現抑制による影響を解析した。まず、siOCT1 #A により

siControl

と比較し

1/2

以下に発現減尐していた遺伝子群を

OCT1

標的遺伝子として抽出

した(図

9)。さらにOCT1

標的遺伝子のうち、①22Rv1 細胞で高発現(マイクア

ロアレイシグナル>9.0, Log2 変換値) 、②エタノール処理下では

22Rv1

細胞で

LNCaP

細胞に比較し発現が上昇し、③DHT 刺激によりエタノールに比較し

2.0

倍以上の発現上昇を認めた

33

遺伝子を抽出した。②については、以前

LNCaP

細胞を用いて発現を検証したマイクアロアレイデータを用いて解析した

(54)

。さ

らに、遺伝子発現データベース

Oncomine(www.oncomine.org)内のGrasso et al

のデータセットを用いて

(62)

、CRPC での発現上昇が予想される

14

遺伝子を

(25)

23

CRPC

における

OCT1

標的遺伝子の候補として選択した(図

10)。次に 14

遺伝 子について

OCT1

による発現制御を

qRT-PCR

により検討した。siOCT1 #A、

#B

もしくは

siControl

22Rv1

細胞にトランスフェクションし、48 時間後に

DHT

もしくはエタノールを加え、

24

時間後に抽出した

RNA

より逆転写合成し た

cDNA

を用いて

qRT-PCR

を行った。その結果、kinesin family member 15

(KIF15)、NUF2, NDC80 kinetochore complex component (NUF2)、non-SMC condensin I complex subunit G (NCAPG)、disks large associated protein 5 (DLGAP5)、anillin actin binding protein (ANLN)の5

遺伝子では、

siOCT1 #A、

#B

により

siControl

と比較し

mRNA

レベルでの発現量が有意に減尐すること

を確認し、CRPC 進展に関わると想定される

OCT1

標的遺伝子として同定した

(図11)。同定した5

遺伝子について、22Rv1 細胞で

LNCaP

細胞に比較し高発

現であることを確認するため、それぞれの細胞を

48

時間培養後に

DHT

もしく はエタノールを加え、

24

時間後に

RNA

を回収し、

qRT-PCR

を行った。マイク ロアレイデータから予測されるとおりに

5

遺伝子ともにエタノール刺激下では

22Rv1

細胞で

LNCaP

細胞に比較し高発現であった(図

12)。また、LNCaP

細胞 においてもアンドロゲンによる反応性を示した。CRPC 進展に関わると想定さ れる直接的な

OCT1

標的遺伝子

5

つのうち、前立腺癌での機能解析の報告がな

KIF15、NUF2、NCAPG、DLGAP5

について前立腺癌細胞での機能解析を

(26)

24

行うこととした。

3 OCT1

標的遺伝子発現抑制の

CRPC

モデル

22Rv1

細胞への影響

KIF15、NUF2、NCAPG、DLGAP5

の前立腺癌細胞内での機能を解析する

ため、 それぞれの発現を特異的に抑制する

siRNA

を用いて実験を行った。 まず、

siControl、siKIF15、siNUF2、siNCAPG、siDLGAP5

22Rv1

細胞にトラン スフェクションし、

qRT-PCR

を行い、

siRNA

の発現抑制効果について検討した。

いずれの

siRNA

をトランスフェクションした場合も

siControl

と比較しそれぞ

れの遺伝子の

mRNA

レベルでの発現量が有意に抑制されていた(図

13)。次に、

これらの

siRNA

を用いて、細胞増殖能を評価する

MTS assay

と細胞遊走能を

評価する

migration assay

22Rv1

細胞に対して実施した。 細胞増殖能は

NUF2

を抑制することで有意に抑制され、細胞遊走能は

KIF15、NUF2、DLGAP5

を 抑制することで有意に抑制された(図

14、図15)。細胞増殖能については、22Rv1

細胞を用いて

ACSL3

を抑制した場合についても検討した。qRT-PCR を行い、

siControl

と比較し

siACSL3

により

mRNA

レベルでの

ACSL3

の発現が抑制さ れ(図

13)

、MTS assay では細胞増殖能の有意な抑制を認めた(図

14)

4 AR

発現抑制の

OCT1

標的遺伝子群への影響

(27)

25

次に

22Rv1

細胞における

AR

による

OCT1

標的遺伝子群の発現制御を解析す

るため、

AR

を特異的に抑制する

siRNA

を用いて実験を行った。まず、

siControl

および

siAR #1、#2

22Rv1

細胞にトランスフェクションし、western blot

analysis

を行い

AR

の発現抑制効果につき検討した。siAR #1、#2 ともに

AR

の蛋白レベルでの発現を著明に抑制した(図

16)。

次にこれらの

siRNA

を用いて、

細胞増殖能を評価する

MTS assay

22Rv1

細胞に対して実施した。siAR #1、

#2

ともに

siControl

に比較し細胞増殖能を有意に抑制した(図

17)

そこで、AR を抑制した場合の

CRPC

細胞での今回同定した

OCT1

標的

5

遺 伝子の発現量を検討するため

qRT-PCR

を行った。siControl および

siAR #1、

#2

22Rv1

細胞にトランスフェクションした細胞より抽出した

RNA

を用いて

qRT-PCR

を行った。siAR #1、#2 により

DHT

刺激下での

5

遺伝子の

mRNA

レベルでの有意な発現量の低下を認めた(図

18)

(28)

26

【考察】

1 CRPC

モデル細胞における

OCT1

の役割

本研究ではまず、

AR

陽性の

CRPC

モデル細胞として

22Rv1

細胞を用い、

AR

陽性の

LNCaP

細胞に比較し

OCT1

が高発現であることを明らかにし、OCT1

の高発現が去勢抵抗性獲得に働く可能性を想定した。次に、22Rv1 細胞におい

OCT1

の発現を抑制することで、細胞増殖能および細胞遊走能が抑制される ことを示し、CRPC においても

OCT1

が腫瘍の増殖、進展を促進する可能性が 示唆された。これらのことから、本研究では

22Rv1

細胞を用いて、OCT1 の

CRPC

における機能を解析することとした。

2 CRPC

の進展に関わると想定される

OCT1

標的遺伝子の抽出

22Rv1

細胞での

OCT1

の機能を解析するため、22Rv1 細胞において

siRNA

を用いて

OCT1

の発現を抑制し、マイクロアレイ解析を行った。今回は

OCT1

結合遺伝子のうち

22Rv1

細胞で高発現、

22Rv1

細胞で

LNCaP

細胞に比較し高

発現、アンドロゲン反応性ありを満たす遺伝子を

CRPC

進展に関わる

OCT1

的遺伝子候補とし、KIF15、NUF2、NCAPG、DLGAP5、ANLN の

5

遺伝子

が同定された。

(29)

27

22Rv1

細胞、

LNCaP

細胞はいずれも

AR

陽性前立腺癌細胞株であり

AR

に依 存して増殖する

(57)

。本研究においても

AR

の発現抑制により細胞増殖が抑制さ れることを確認した。しかしながら、

LNCaP

細胞はアンドロゲン除去処理によ り増殖を抑えることができるのに対して

(58)

CRPC

モデル細胞である

22Rv1

細 胞ではこの処理は十分に有効ではない

(59)

。これは

22Rv1

細胞においてアンドロ ゲンへの反応性の亢進やアンドロゲン非依存的な

AR

variant

の発現が原因と して考えられる。22Rv1 細胞で

LNCaP

細胞に比較して

OCT1

が高発現してい ることから、OCT1 が去勢抵抗性に働く機序の解明を目的として

22Rv1

細胞に おいて本研究を行った。そのため、CRPC モデル細胞である

22Rv1

細胞で高発 現の遺伝子のうち、ホルモン除去処理が効果的である

LNCaP

細胞に比較して高 発現の遺伝子を

CRPC

進展における重要な

OCT1

標的遺伝子の候補になり得る ことを想定した。さらに、

OCT1

は前立腺においてはゲノム上の

AR

結合部位近 傍に結合し

AR

と相互作用することで標的遺伝子の転写を活性化しているので、

アンドロゲン応答性を認め

AR

によっても制御されていると考えられる遺伝子

CRPC

進展に重要な候補遺伝子として選択した。本実験では

22Rv1

細胞を用

いて

AR

を特異的に抑制することで、今回見出した

OCT1

標的

5

遺伝子の発現

が抑制され、これらの

OCT1

標的遺伝子は

AR

によっても制御を受けているこ

とが示された。

(30)

28

3 OCT1

標的遺伝子の前立腺癌における働き

新たに見出した5つの

OCT1

標的遺伝子のうち、

NUF2

では

22Rv1

細胞にお いて特異的に発現を抑制することで細胞増殖能が抑制された。ANLN について

22Rv1

細胞を用いて

siRNA

により発現を特異的に抑制することで細胞増殖

能が抑制されることが報告されている

(63)

。以上より、NUF2、ANLN が

OCT1

標的遺伝子として

CRPC

の増殖を促進している可能性が示唆された。また、

22Rv1

細胞を用いて

KIF15、NUF2、DLGAP5

を特異的に抑制させることで細 胞遊走能の減弱を認めたことから、OCT1 がこれらの標的遺伝子の発現を促進

することで細胞遊走能を亢進させて

CRPC

の進展に寄与していると考えると興 味深い。

前立腺癌の臨床検体を用いた解析では、NUF2 と

NCAPG

については前立腺 癌転移部で前立腺癌部に比較した

mRNA

の発現上昇を認めたことや、それぞれ の遺伝子の発現上昇が癌特異的生存率の増悪と相関し前立腺癌患者における独

立した予後予測因子であることが報告されている

(64,65)

DLGAP5

は臨床検体を 用いた免疫染色により高分化の前立腺癌に比較し低分化の前立腺癌で発現量が

増加することが報告されている

(66)

ANLN

は臨床検体を用いたマイクロアレ

イ解析により、CRPC でホルモン感受性のある前立腺癌に比較し発現が上昇す

る遺伝子として報告がある

(63)

。これらの報告は今回同定した

5

遺伝子がそれぞ

(31)

29

れ前立腺癌の転移や病理学的進行、去勢抵抗性獲得の促進に働くことにより前 立腺癌の進行に働くことと同じ方向のものであった。

ACSL3

は、

LNCaP

細胞における

OCT1

の標的遺伝子として既に見出され

(54)

、 前立腺癌細胞内での

testosterone

合成を介して前立腺癌の増殖・進行に働くこ とが報告されている

(56)

。ACSL3 は、22Rv1 細胞においても

OCT1

の発現を抑 制することで発現量が有意に低下し、OCT1 の標的遺伝子として機能すること

を確認した。また、

22Rv1

細胞を用いて、

ACSL3

の発現を抑制することで細胞 増殖能が抑制され、

CRPC

においても

ACSL3

が腫瘍の増殖に働くことが考えら れた。

今回

NUF2

のみが

siRNA

による発現抑制で

22Rv1

細胞の増殖抑制が認めら

れた。これは

NUF2

siRNA

が最も効率よく発現を抑えていることと関連して いるかもしれない。今後

siRNA

とその導入や培養の条件、あるいは標的配列の 変更や、過剰発現による検討などにより他の遺伝子についても増殖促進効果を 確認できる可能性が考えられた。

4 OCT1

標的遺伝子による細胞周期の制御、腫瘍の増殖

今回

OCT1

標的遺伝子として同定した

5

遺伝子はいずれも細胞周期・細胞分

裂に関わることや腫瘍の増殖・促進に関わることが報告されている(図

19)

(32)

30

KIF15

はキネシンスーパーファミリーに属する細胞分裂に働くモーター蛋白

である

(67)

。KIF15 は細胞分裂においては微小管上を動くことで染色体の分裂に

働く

(68)

。前立腺癌に関する報告はないが、膵癌で

MEK-ERK

経路を介して腫瘍 の増殖に働くことや、膵癌や乳癌では

KIF15

の高発現が予後増悪と相関するこ とが報告されている

(69,70)

NUF2

NDC80、spindle pole body component 24 (SPC24)、spindle pole body component 25 (SPC25)とNDC80

複合体を形成し動原体蛋白として機能 する

(71)

。前立腺癌で発現が上昇する

cancer testis antigen

の一つとして報告が

ある

(64)

。Cancer testis antigen は正常では精巣から分泌され、癌により異所性

に分泌されるという性質を利用して予後予測因子や治療標的として研究されて いる

(72)

。CRPC に対するペプチドワクチンを用いた癌免疫療法の標的として臨 床試験が進められている

(73)

NCAPG

structural maintenance of chromosomes protein 2 (SMC2)、

structural maintenance of chromosomes protein 4 (SMC4)

chromosome-associated protein D2 (CAP-D2)

chromosome-associated protein H (CAP-H)とともに5

量体を形成し、condensin Ⅰ complex として機 能する

(74)

Condensin complex

には

condensin

Ⅰ complex および

condensin

Ⅱ complex があるが、いずれも細胞分裂においては染色体の凝集に働く

(75,76)

(33)

31

DLGAP5

はチューブリンを重合しシート状にすることで微小管の形成を促進

することや

(77)

、微小管と動原体の結合を行う動原体蛋白として機能する

(78)

。細 胞周期に関わる遺伝子の発現量が前立腺癌の予後予測因子となり得ることにつ いては、cell cycle progression (CCP)スコアを用いた報告がある

(79)

。CCP スコ

アは

31

個の細胞周期に関わる遺伝子の発現量の平均値をもとに算出する値で、

CCP

が高値であることが前立腺癌の再発率と相関することが報告されている。

今回同定した遺伝子のうち

DLGAP5

CCP

スコアで利用されていた。

ANLN

はアクチンやミオシンの結合タンパクである

anillin

を転写している

(80)

。細胞分裂の終期に細胞を二つに分ける収縮環は

anillin

がアクチンやミオシ ンと相互作用して形成される

(81)

細胞周期・細胞分裂を制御する遺伝子の発現量が増加することで細胞の増殖

能の亢進に働き得ると考え

MTS assay

を行い評価したが、

22Rv1

細胞で腫瘍の 増殖に働いているのは

NUF2

のみであった。ANLN についてはこれまでに

22Rv1

細胞を用いて

siRNA

により発現を抑制することで増殖能が抑制されるこ

とが報告されていた

(63)

。また、KIF15、

NUF2、DLGAP5

22Rv1

細胞の遊走

能の亢進に働いていたが、これらの遺伝子が細胞の遊走に働く機序の解明につ

いてはこれからの課題である。これらの遺伝子は細胞分裂においてはモーター

タンパクや動原体蛋白として微小管を制御することで働くことが報告されてお

(34)

32

(67,71,77,78)

、細胞の遊走に関しても微小管の運動を介して作用している可能性

も考えられる。今回の検討では

NCAPG

CRPC

モデル細胞の遊走能ならびに 増殖能へ与える影響は明らかとならなかった。一方で

NCAPG

の発現増加が前 立腺癌の予後増悪に働く報告があることから

(65)

、抗アポトーシス作用や薬剤抵

抗性の獲得、微小環境との相互作用など、別の機序により

CRPC

の進行に関与 する可能性が考えられた。

一方で、興味深いことに、AR と細胞分裂については

transforming acidic coiled-coil-containing protein 2 (TACC2)やubiquitin-conjugating enzyme E2

C (UBE2C)などのAR

下流遺伝子が報告されており、CRPC における

AR

の標

的遺伝子群として細胞分裂に関する遺伝子が重要であると考えられている

(82,83)

以上より、

OCT1

AR

と協調作用をすることで、細胞分裂に関わる遺伝子の 転写を促進している可能性が示された。本研究は、CRPC において

OCT1

およ び

AR

がこれらの遺伝子発現を制御することを初めて見出しており、OCT1 の

CRPC

における新たな知見を得たものといえる。

臨床的には、細胞周期や細胞分裂を標的とする前立腺癌の治療法としては、

ドセタキセルやカバジタキセルによる化学療法が

CRPC

に対して有効であるこ

とが知られている。これらはタキサン系の抗癌剤で微小管を阻害し、有糸核分

裂や輸送などの機能を障害することでアポトーシスを誘導している

(84)

。今回同

(35)

33

定した

5

遺伝子のうち、NUF2 と

ANLN

CRPC

での細胞増殖を促進してお り、前立腺癌細胞、特に

CRPC

細胞内における細胞周期及び細胞分裂における 機能の解析から

CRPC

の新たな治療法開発や治療標的となり得ることが考えら れた。前立腺癌における報告はないが、繊維芽細胞を用いた報告では

OCT1

の 発現により抗癌剤のドキソルビシンに対する感受性が低下することが報告され ている

(52)

。この報告では、phosphatase buffered saline (PBS)を加えた場合に 対するドキソルビシンを加えた場合の細胞数を用いてドキソルビシンによる細 胞増殖の抑制を評価しており、OCT1 が欠損した細胞ではコントロールの細胞

に比較し増殖能が抑制されることから

OCT1

がドキソルビシンに対する感受性 低下に働くとしている。前立腺癌においても

OCT1

が化学療法に対する抵抗性 に働く場合には、OCT1 の発現が増加した前立腺癌に対しては化学療法よりも

OCT1

あるいは今回同定した遺伝子を標的とする治療が有効になる可能性が考 えられた。

限局性前立腺癌に対しては根治的な治療として前立腺全摘除術や放射線治療

が適応になり、低リスクの限局性前立腺癌に対しては過剰治療を避けるために

監視療法も適応となっている

(85)

。一方で、進行性前立腺癌に対してはホルモン

療法が有効な治療法ではあるが、多くの症例で

2

年から

3

年でホルモン療法に

対する抵抗性を獲得し

CRPC

となってしまう

(86)

CRPC

に対しては、本邦では

(36)

34

ドセタキセルやカバジタキセルといったタキサン系の抗癌剤を用いた化学療法 や新規抗アンドロゲン薬エンザルタミド、CYP17 阻害薬アビラテロンを用いて 加療を行っているが

(85)

、次第にそれらに対しても抵抗性を獲得してしまうこと が問題となっている。本邦の前立腺癌診療ガイドラインにおいて、これらの薬

物の

CRPC

に対する使用はいずれも推奨グレードの高い治療とされているが、

薬物の選択に関する明確な基準はない

(85)

。最近、個々の症例に対し最適な治療

を分析・選択する

precision medicine

が世界的に注目されており

(87)

、前立腺癌 治療においてもその導入が望まれる。今後、OCT1 や今回同定した遺伝子が高 発現の症例に対しては、それらの遺伝子を標的とする新規治療薬を選択する

precision medicine

の可能性が期待される。

5

今後の研究の展望

今回、

CRPC

進展に関わることが想定される

OCT1

標的遺伝子として

KIF15、

NUF2、NCAPG、DLGAP5、ANLN

5

遺伝子を同定した。NUF2 と

ANLN

は、

CRPC

細胞における細胞増殖作用を有すること、

KIF15、NUF2、DLGAP5

が細胞遊走能を促進することが示唆された。

NUF2

NCAPG

については発現の増加が予後増悪と相関し、前立腺癌の独

立した予後因子であることが報告されている

(64,65)

。他の

3

遺伝子についても前

(37)

35

立腺癌における細胞増殖や転移の促進に働いており、発現の増加が前立腺癌の 予後増悪に働くことが予想される。今までに前立腺癌に関する報告 のない

KIF15

DLGAP5

については、臨床検体を用いた免疫染色によりそれぞれの遺

伝子の発現量と予後について解析が必要と考えた。

今回、AR および

OCT1

CRPC

細胞内で細胞周期に関わる

5

遺伝子の発現

を制御することが明らかとなったが、CRPC 細胞内での役割や細胞分裂、細胞

周期の解析を行うことで新たな治療法の開発や治療標的となり得ることが考え

られた。今後の課題として、細胞分裂における機能解析実験などによる前立腺

癌におけるこれらの遺伝子の役割のさらなる解明が期待される。

(38)

36

【まとめ】

本研究は、AR と協調して働く転写因子である

OCT1

CRPC

における役割 を解析した(図

20)。OCT1

CRPC

モデル細胞

22Rv1

細胞で

AR

陽性前立腺癌

細胞

LNCaP

細胞に比較して高発現であることを明らかにし、KIF15、NUF2、

NCAPG、DLGAP5、ANLN

5

遺伝子が

CRPC

モデル細胞

22Rv1

細胞にお ける

AR

および

OCT1

の標的遺伝子であることを同定した。NUF2、ANLN は

22Rv1

細胞の増殖を促進方向に働き、

KIF15、NUF2、DLGAP5

22Rv1

細胞 の遊走能に促進的に関与することが示唆された。既に

LNCaP

細胞を用いて

AR

および

OCT1

の標的遺伝子として見出されている

ACSL3

22Rv1

細胞におい ても

AR

および

OCT1

の標的遺伝子であることが明らかとなり、

ACSL3

を抑制 することで

22Rv1

細胞の細胞増殖能が抑制されることを示した。本研究により、

CRPC

における

AR

および

OCT1

の標的遺伝子として新たに見出した

5

つの遺

伝子は、

ACSL3

とともに細胞増殖能や遊走能、転移能等を介して

CRPC

の進行

に働く可能性が示唆され、さらなる研究により前立腺癌の治療標的や予後予測

因子となり得ることが期待された。

(39)

37

【謝辞】

本研究の実施ならびに本論文の作成に当たり、様々なご指導、ご鞭撻を賜り ました日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野主任教授 髙橋 悟博士に 謹んで感謝申し上げます。また、連携大学院生として受け入れ本研究を行うに あたり、親切丁寧なご指導を賜りました東京都健康長寿医療センター研究所研 究部長、日本大学医学部泌尿器科客員教授兼務 井上 聡博士、東京都健康長 寿医療センター研究所 高山賢一博士に心から感謝いたします。実験全般、研 究内容につきご指導いただいた日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科学分野助 教 大日方大亮博士、日本大学医学部内科学系総合内科総合診療医学分野 (現

日本大学歯学部解剖学第

I

講座)藤原恭子博士に心から御礼申し上げます。本研

究に当たり、様々なご指導をいただいた日本大学医学部泌尿器科学系泌尿器科

学分野の皆様、東京大学医学部附属病院泌尿器科の皆様、東京都健康長寿医療

センター研究所老化制御システム加齢医学研究の皆様に深く感謝申し上げます。

(40)

38

【図・図説】

図1 前立腺癌細胞内でのアンドロゲンシグナル経路

テストステロンは前立腺細胞内で

5α還元酵素によりDHT

に変換される。

AR

DHT

と結合すると核内に移動し

DNA

上の

ARE

に結合し、共役因子と相互

作用して標的遺伝子の転写を活性化する。その結果、前立腺癌細胞の増殖促進

作用や抗アポトーシス作用に働き、前立腺癌の発生や進行を促進する。

(41)

39

2

前立腺癌の去勢抵抗性獲得のメカニズム

去勢抵抗性の原因には、AR を介する機序としては

AR

の発現増加、AR の点

突然変異や

splicing variant

によるリガンド特異性の変化、腫瘍内でのステロイ

ド合成、AR 共役因子の活性化などがあげられる。

(42)

40

3

これまでに解析されてきた前立腺癌細胞内での

OCT1

の働き

前立腺癌細胞内において、

OCT1

はゲノム上の

AR

結合部位近傍に結合し、標

的遺伝子

ACSL3

の転写を誘導する。また、前立腺癌細胞内で高発現した

ACSL3

は前立腺癌細胞内でのテストステロン合成を促進し、前立腺癌の増殖・進行を

促進することが報告されている。

(43)

41

4

前立腺癌細胞での

OCT1

発現量の検討

22Rv1

細胞、

LNCaP

細胞、

DU145

細胞より蛋白抽出液を回収、

western blot

analysis

を実施し、それぞれの細胞での

OCT1

の発現量につき検討した。ロー

ディングコントロールとしてβ-actin を用いた。

(44)

42

5 siRNA

を用いた

OCT1

の発現抑制効果の検討

22Rv1

細胞にコントロール

siRNA (siControl)および、OCT1

に対する

siRNA (siOCT1 #A、#B)をそれぞれ10 nM

トランスフェクションし、

48

時間 後にエタノールもしくは

DHT

10 nM

投与した。

24

時間後に細胞より蛋白抽 出液を回収、

western blot analysis

を実施し

OCT1

の発現抑制効果を検討した。

ローディングコントロールとしてβ-actin を用いた。

(45)

43

6 OCT1

発現抑制による細胞増殖能への影響

22Rv1

細胞を

96

ウエルディッシュの各ウエルに

500

細胞ずつ入れ、24 時間

培養後に

siControl

および

siOCT1 #A、#B

をそれぞれ

10 nM

トランスフェク

ションした。

48、96、144

時間培養後に

MTS assay

を行い、

Microplate reader

で吸光度を測定した。結果は平均値±標準偏差 (SD) 、n=5 にて提示した。有

意差検定には

Student’s t

検定を用いた( *

: p < 0.05,

***

: p < 0.001)。

(46)

44

7 22Rv1

細胞に対する

OCT1

発現抑制による細胞遊走能への影響

22Rv1

細胞に

siControl

および、siOCT1 #A、#B をそれぞれ

10 nM

トラン

スフェクションし、48 時間培養後に

migration assay

を行い細胞遊走能への影

響を検討した。ギムザ染色後に、pore を通過したフィルター下面の細胞数を顕

微鏡

100

倍ランダム

5

視野にて計測した。結果は平均値±標準偏差 (SD)に

て提示した。有意差検定には

Student’s t

検定を用いた( ***

: p < 0.001)。

(47)

45

8 22Rv1

細胞を用いた

siOCT1

による

ACSL3

の発現量の検討

22Rv1

細胞に

siControl

および、siOCT1 #A、#B を

10 nM

トランスフェク

ションし、48 時間後にトータル

RNA

を回収、qRT-PCR を行い、ACSL3 の発

現量を検討した。ローディングコントロールとして

GAPDH

を用いた。結果は

平均値±標準偏差 (SD) 、n=3 にて提示した。有意差検定には、Student’s t 検

定を用いた( **

: p < 0.01 vs siControl,

***

: p < 0.001 vs siControl)。

(48)

46

9 22Rv1

細胞における

OCT1

標的遺伝子候補の同定

22Rv1

細胞を用いて、

siOCT1 #A

もしくは

siControl

10 nM

トランスフェ クションし、48 時間後に

DHT

もしくはエタノール

10 nM

24

時間処理した 細胞より回収したトータル

RNA

を用いてマイクロアレイ解析を行った。

siOCT1 #A

により

siControl

と比較して

1/2

以下に発現が減尐していた遺伝子

群を同定した。

(49)

47

10 CRPC

進展に関わる

OCT1

の直接的な標的遺伝子の抽出

22Rv1

細胞で

siOCT1 #A

により

siControl

と比較して発現減尐を認め、

22Rv1

細胞で

LNCaP

細胞に比較し高発現の

OCT1

標的遺伝子

35

遺伝子を同定し、ア

ンドロゲンに反応を認めた

33

遺伝子を抽出した。遺伝子発現データベース

Oncomine

内の

Grasso et al

のデータを利用し

(62)

、CRPC での発現上昇が予想

される

14

遺伝子を選択した。

(50)

48

11 22Rv1

細胞を用いて

siOCT1

により発現減尐を認める

5

遺伝子を

qRT-PCR

により確認

(51)

49

22Rv1

細胞に

siControl

および、siOCT1 #A、#B をそれぞれ

10 nM

トラン スフェクションし、

48

時間後にエタノールもしくは

DHT

10 nM

投与し、

24

時間後に

RNA

を回収した。回収した

RNA

を用いて、OCT1 標的遺伝子として 同定した

14

遺伝子について

qRT-PCR

を行った。ローディングコントロールと

して

GAPDH

を用いた。結果は平均値±標準偏差 (SD)、n=3 にて提示した。

有意差検定には

Student’s t

検定を用いた( **

: p < 0.01 vs siControl,

***

: p <

0.001 vs siControl)。

siOCT1 #A、#B

処理により

siControl

と比較し有意に発現が減尐する

5

遺伝

子を確認した。

(52)

50

12 22Rv1

細胞と

LNCaP

細胞での

OCT1

標的遺伝子の発現量の比較

22Rv1

細胞および

LNCaP

細胞を

48

時間後培養後にエタノールもしくは

DHT

10 nM

投与し、

24

時間後に

RNA

を回収した。 回収した

RNA

を用いて、

(53)

51

5

遺伝子につき

qRT-PCR

を行った。ローディングコントロールとして

GAPDH

を用いた。結果は平均値±標準偏差 (SD) 、n=3 にて提示した。有意差検定に は

Student’s t

検定を用いた( *

: p < 0.05 vs LNCaP,

**

: p < 0.01 vs LNCaP,

***

: p < 0.001 vs LNCaP)。

(54)

52

13 22Rv1

細胞に対する

siRNA

を用いた

OCT1

標的遺伝子の発現抑制効果

の検討

(55)

53

22Rv1

細胞に

siControl

および、

OCT1

標的遺伝子に対する

siRNA (siKIF15、

siNUF2、siNCAPG、siDLGAP5、siACSL3)をそれぞれ5 nM

トランスフェク

ションし、

48

時間後にトータル

RNA

を回収、

qRT-PCR

を行い、OCT1 標的遺

伝子の発現抑制効果を検討した。ローディングコントロールとして

GAPDH

用いた。結果は平均値±標準偏差 (SD) 、n=3 にて提示した。有意差検定には

Student’s t

検定を用いた( **

: p < 0.01,

***

: p < 0.001)。

(56)

54

14 OCT1

標的遺伝子発現抑制の

22Rv1

細胞に対する細胞増殖能への影響

22Rv1

細胞を

96

ウエルディッシュの各ウエルに

500

細胞ずつ入れ、24 時間

培養後に

siControl

および、

siKIF15、siNUF2、siNCAPG、siDLGAP5、siACSL3

をそれぞれ

5 nM

トランスフェクションした。24、72、120 時間培養後に

MTS assay

を行い、microplate reader で吸光度を測定した。結果は平均値±標準

(57)

55

偏差 (SD) 、

n=5

にて提示した。有意差検定には

Student’s t

検定を用いた( ***

:

p < 0.001)。

(58)

56

15 OCT1

標的遺伝子発現抑制の

22Rv1

細胞に対する細胞遊走能への影響

(59)

57

22Rv1

細胞に

siControl

および、

siKIF15、siNUF2、siNCAPG、siDLGAP5

をそれぞれ

5 nM

トランスフェクションし、migration assay を行い細胞遊走能 への影響を検討した。ギムザ染色後に、pore を通過したフィルター下面の細胞 数を顕微鏡

100

倍ランダム

5

視野にて計測した。 結果は平均値±標準偏差 (SD)

にて提示した。有意差検定には

Student’s t

検定を用いた( ***

: p < 0.001)。

図 2  前立腺癌の去勢抵抗性獲得のメカニズム
図 4  前立腺癌細胞での OCT1 発現量の検討
図 5  siRNA を用いた OCT1 の発現抑制効果の検討
図 6  OCT1 発現抑制による細胞増殖能への影響
+7

参照

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