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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

うえの しゅうじ

植埜 修司

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 乙 第 1613 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 30 年 9 月 26 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 2 項に該当

学 位 論 文 題 目 Image-based differentiation of osteomyelitis, especially between osteoradionecrosis and medication-related osteonecrosis of the jaw

(放射線照射および骨吸収抑制薬による顎骨への影響に関する 画像的研究)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Osaka Dental University 第 52 巻 第 1 号 平成 30 年 4 月

論 文 調 査 委 員 主 査 岡崎 定司 教授 副 査 中嶋 正博 教授

副 査 井関 富雄 大学院准教授

論文内容要旨

骨髄炎は細菌感染によって引き起こされる炎症性病変である。放射線治療に起因する放射線性顎骨 壊死(osteoradionecrosis:ORN)と骨吸収抑制薬(ビスフォスフォネート製剤や分子標的薬等)の投 与に起因する薬剤関連性顎骨壊死(medication-related osteonecrosis of the jaw:MRONJ)とは、異 なった画像所見を呈しているが、両者の画像上での鑑別法をまとめた報告はいまだみられない。そこ で、顎骨骨髄炎の原因別画像所見を明確化することで、それぞれの骨髄炎の病態を把握し、治療方針 の決定に寄与する目的で本研究を行った。

大阪歯科大学附属病院中央画像検査室を、2001~2017 年までに受診した顎骨骨髄炎の患者 86 名を研 究対象とした。内訳は ORN が 15 例、MRONJ が 18 例、いわゆる通常の骨髄炎が 53 例である。全例がパ ノラマエックス線撮影され、CT は全体の 84%、MRI は全体の 24%で撮影が行われていた。日本歯科放射 線学会の歯科放射線専門医 2 名が別々に、パノラマエックス線画像、CT、MRI を読影し、それぞれの所 見を比較した。パノラマエックス線画像と CT で辺縁、骨膜反応、病的骨折、骨硬化、エックス線透過 性、骨膨隆、腐骨形成、そして MRI で骨髄信号の高低、均一性を評価した。

どの骨髄炎でもほとんど辺縁は不明瞭であった。骨膜反応は ORN より MRONJ で、またパノラマエッ クス線画像よりも CT のほうが高頻度にみられた。病的骨折はパノラマエックス線画像ではほとんどみ られず、CT で検知されやすい傾向にあり、通常の骨髄炎の 85%、ORN の 79%、MRONJ の 82%にみられた。

また、それぞれの骨折では特徴がみられ、ORN では広範囲に及ぶ微小な骨折が複数散見されたのに対し、

MRONJ では局所に限局して明瞭な骨折線がみられる傾向にあった。骨硬化は大多数の症例で認められ、

パノラマエックス線画像と CT でも差はなかった。エックス線透過性は半数以上で亢進しており、骨膨

隆はいずれの骨髄炎でも比較的まれであったが、MRONJ が ORN を上回っていた。腐骨形成は骨髄炎で異

なり、CT では通常の骨髄炎の 61%、ORN の 36%、MRONJ の 47%で発現していた。腐骨の形態にもそれ

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ぞれ特徴がみられ、ORN の腐骨は軽度不透過性が亢進し、不規則で散在性の傾向を示すのに対し、MRONJ では緻密で周囲より分離している傾向がみられた。MRI では通常の骨髄炎での骨髄は、T1 強調像で不 均一な低信号、T2 強調像で不均一な中等度信号を示していた。ORN、MRONJ ともに全シーケンスで低信 号ないし中等度信号を呈していた。また、骨髄信号の均一性は ORN では全例、不均一であったのに対 し、MRONJ では 29%に骨髄信号の均一性が認められた。

本研究により、ORN と MRONJ の画像の相違点と共通点が示された。それぞれの画像を比較検討するこ とにより、骨膜反応、骨の膨隆および病的骨折は、パノラマエックス線画像では診断率が低く、空間 分解能に優れた CT が微細な変化を捉えるのに適していることがわかった。また MRI では、CT ではとら えられない骨髄信号の低下を判別でき、CT、MRI それぞれで検知できる所見があることから、両者を施 行することが重要である。

以上の結果より、顎骨骨髄炎の画像所見は、原因ごとに顕著な特徴があり、的確に診断を行うため には、CT と MRI 双方による観察が重要であることが示唆された。

論文審査結果要旨

本研究は放射線治療に起因する放射線性顎骨壊死(osteoradionecrosis:ORN)と骨吸収抑制薬(ビ スフォスフォネート製剤や分子標的薬等)の投与に起因する薬剤関連性顎骨壊死(medication-related osteonecrosis of the jaw:MRONJ)の原因別画像所見を明確化することで、それぞれの骨髄炎の病態 を把握し、治療方針の決定に寄与する目的で行ったものである。

本学附属病院中央画像検査室を、2001~2017 年までに受診した顎骨骨髄炎の患者 86 名を研究対象と した。パノラマエックス線画像、CT、MRI を読影し、パノラマエックス線画像と CT で辺縁、骨膜反応、

病的骨折、骨硬化、エックス線透過性、骨膨隆、腐骨形成、そして MRI で骨髄信号の高低、均一性を 比較検討している。

結果はどの骨髄炎でもほとんど辺縁は不明瞭であった。骨膜反応は ORN より MRONJ で、またパノラ マエックス線画像よりも CT のほうが高頻度にみられた。病的骨折はパノラマエックス線画像ではほと んどみられず、CT で検知されやすい傾向にあり、通常の骨髄炎の 85%、ORN の 79%、MRONJ の 82%にみ られた。また、それぞれの骨折では特徴がみられ、ORN では広範囲に及ぶ微小な骨折が複数散見された のに対し、MRONJ では局所に限局して明瞭な骨折線がみられる傾向にあった。骨硬化は大多数の症例で 認められ、パノラマエックス線画像と CT でも差はなかった。エックス線透過性は半数以上で亢進して おり、骨膨隆はいずれの骨髄炎でも比較的まれであったが、MRONJ が ORN を上回っていた。腐骨形成は 骨髄炎で異なり、CT では通常の骨髄炎の 61%、ORN の 36%、MRONJ の 47%で発現していた。腐骨の形 態にもそれぞれ特徴がみられ、ORN の腐骨は軽度不透過性が亢進し、不規則で散在性の傾向を示すのに 対し、MRONJ では緻密で周囲より分離している傾向がみられた。MRI では通常の骨髄炎での骨髄は、T1 強調像で不均一な低信号、T2 強調像で不均一な中等度信号を示していた。ORN、MRONJ ともに全シーケ ンスで低信号ないし中等度信号を呈していた。また、骨髄信号の均一性は ORN では全例、不均一であ ったのに対し、MRONJ では 29%に骨髄信号の均一性が認められた。

以上の結果より、顎骨骨髄炎の画像所見は、原因ごとに顕著な特徴があり、的確に診断を行うため には、CT と MRI 双方による観察が重要であることが示唆された。ORN、MRONJ の画像上での鑑別所見を 報告した文献はなく、本研究の結果は興味深く、臨床に役立つものであり、治療方針の決定に寄与す る事を証明した点において、本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した。

なお、外国語 1 か国語(英語)について試問を行った結果、合格と認定した。

参照

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