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学 位 の 種 類 博士(歯学)

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Academic year: 2021

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ふ り が な

氏 名

おの たかなお

小野 高尚

学 位 の 種 類 博士(歯学)

学 位 記 番 号 甲 第 720 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 26 年 3 月 7 日

学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当

学 位 論 文 題 目 Histological Reaction to Porous Coral and Ceramic Bone

(多孔性サンゴおよび人工焼成骨に対する組織反応)

学 位 論 文 掲 載 誌 Journal of Oral Tissue Engineering 第 11 巻 第 1 号 平成 25 年 9 月

論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 田中 昭男 教授 副 査 諏訪 文彦 教授

論文内容要旨

顎骨吸収性の疾患では審美性や機能の回復のため骨の増生

(

増量

)

が望まれる.近年,骨の足場材料が 新生骨形成に及ぼす影響についての研究は報告されているが,骨形成に必要な毛細血管の形成誘導お よび生体吸収性に関しては殆ど明らかにされていない.今回,骨の増生を目的とした多孔性骨足場材料 について,その微細構造,物理的強度,組織親和性,毛細血管の誘導能,そして生体吸収性について検討 を行った.

材料と方法:足場材料として,多孔性構造を有するサンゴ(Porites Cylindrica)と人工ハイドロキシ アパタイト (焼成骨)を用いた.サンゴと焼成骨の微細構造をSEMで観察し,それぞれの円柱ブロックの 圧縮強度を測定した.次に,in vitroでヒト由来線維芽細胞および血管内皮細胞の共培養を行い,サンゴ および焼成骨の粒子をそれぞれ単独に添加したものを実験群,これら粒子を添加しないものを対照群 とした.14日間共培養後,それぞれについてDAPI核染色を行い細胞増殖から組織親和性を,また抗ヒト CD31免疫染色を行い毛細血管の形成を観察した.さらに,in vivoでラット背部の皮下組織にプロピレン グリコールで混和したサンゴおよび焼成骨の粒子を埋入し,経週的にそれぞれの粒子に対する生体吸 収性を組織学的に観察した.なお,プロピレングリコールのみの埋入を対照群とした.

結果:サンゴは多孔性で直径50~300㎛ の多数の管からなり,それぞれの管は互いに交通し,外骨格

表面は粗造であった.一方,焼成骨は多孔性であったが直径100~200㎛ の球状の空洞からなり,それぞ

れは互いに交通していた.サンゴの圧縮強度(64.3 MPa)は焼成骨のそれ(44.8 MPa)より大であった.共

培養のin vitroでは,実験群において添加したサンゴおよび焼成骨の粒子に接して細胞の増殖が認めら

れたのに対し,対照群においてはDAPI陽性の細胞増殖が均一に認められた.また,CD31陽性の毛細血管

は,実験群ではそれぞれの粒子に接し,対照群では均一に観察された.In vivoでは,埋入2週後において

埋入したサンゴおよび焼成骨の粒子はすべて残存し,多くは肉芽組織により被包されていた.4および6

週後ではサンゴおよび焼成骨の粒子に接して異物巨細胞が観察され,肉芽組織による粒子群の減少が

認められた.8および12週後ではサンゴ粒子が完全に消失する例が多く認められ,コラーゲン線維を主

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とする線維性結合組織による置換が観察された.一方,焼成骨実験群では完全に消失した例はごく少数 例であった.

考察:表面が粗造で 200~300 ㎛の多孔性構造は骨の足場材料として理想とされていることから,サンゴ と焼成骨の微細構造は骨再生に適していると考えられる.また,サンゴの圧縮強度が大きいことで,骨 増生のスペースメーキングが期待できる.In vitro の実験群において,毛細血管の増生が観察されたの は,サンゴおよび焼成骨から溶出したカルシウムが毛細血管の分化に関与したものと考えられる.In vivo の実験群において,焼成骨の吸収が遅れたのは,焼成骨はセラミックで炭酸カルシウムからなるサ ンゴに比較し化学的に安定な物質であることが考えられる.以上のことから,サンゴおよび焼成骨はと もに多孔性かつ連通性の構造を示し,組織親和性や毛細血管の形成誘導能を有するが,サンゴの方が圧 縮強度は大きく,生体吸収性に優れていることが明らかとなった.

論文審査結果要旨

本研究は,骨の増生を目的とした多孔性骨足場材料について,その微細構造,物理的強度,組織親和性 ,毛細血管の誘導能,そして生体吸収性について検討を行ったものである.

材料と方法:足場材料として,多孔性構造を有するサンゴ(Porites Cylindrica)と人工ハイドロキシ アパタイト (焼成骨)を用いた.サンゴと焼成骨の微細構造をSEMで観察し,それぞれの円柱ブロックの 圧縮強度を測定した.次に,in vitroでヒト由来線維芽細胞および血管内皮細胞の共培養を行い,サンゴ および焼成骨の粒子をそれぞれ単独に添加したものを実験群,これら粒子を添加しないものを対照群 とした.14日間共培養後,それぞれについてDAPI核染色を行い細胞増殖から組織親和性を,また,抗ヒト CD31免疫染色を行い毛細血管の形成を観察した.さらに,in vivoでラット背部の皮下組織にプロピレン グリコールで混和したサンゴおよび焼成骨の粒子を埋入し,経週的にそれぞれの粒子に対する生体吸 収性を組織学的に観察した.なお,プロピレングリコールのみの埋入を対照群とした.

結果:サンゴおよび焼成骨の内部は連通性に富み,外骨格表面は粗造であった.一方,焼成骨は多孔性 であったが直径100~200㎛ の球状の空洞からなり,それぞれは互いに交通した像が示された.サンゴ の圧縮強度(64.3 MPa)は焼成骨のそれ(44.8 MPa)と比較し優位に大きかった.共培養のin vitroでは, 実験群では添加したサンゴおよび焼成骨の粒子に接して,DAPI陽性の培養細胞の増殖が認められたの に対し,対照群ではDAPI陽性の細胞増殖が均一に認められた.

また,CD31陽性の毛細血管については,実験群ではそれぞれの粒子に接し,対照群では均一に観察さ れた.In vivoでは,埋入2週後において埋入したサンゴおよび焼成骨の粒子はすべて残存し,多くは肉芽 組織により被包されていた.4および6週後ではサンゴおよび焼成骨の粒子に接して異物巨細胞が観察 され,肉芽組織による粒子群の減少が認められた.8および12週後ではサンゴ粒子が完全に消失する例 が多く認められ,コラーゲン線維を主とする線維性結合組織による置換が観察された.一方,焼成骨実 験群では完全に消失した例はごく少数例であった.対照群においては、軽度の毛細血管の増殖以外大き な変化は認められなかった.

以上,サンゴおよび焼成骨はともに多孔性かつ連通性の構造を示し,組織親和性や毛細血管の形成誘導

能を有するが,サンゴの方が圧縮強度は大きく,生体吸収性に優れていることを明らかにした点におい

て,本論文は博士(歯学)の学位を授与するに値すると判定した.

参照

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