ふ り が な
氏 名
あづみ えいこ
安積 瑛子
学 位 の 種 類 博士(歯学)
学 位 記 番 号 甲 第 797 号 学 位 授 与 の 日 付 平成 29 年 3 月 10 日
学 位 授 与 の 要 件 学位規則第 4 条第 1 項に該当
学 位 論 文 題 目 Gene expression profiles of early chondrogenic markers in dedifferentiated fat cells stimulated by bone
morphogenetic protein 4 under monolayer and spheroid culture conditions
in vitro(単層あるいはスフェロイド培養下において BMP-4 によって刺 激された脱分化脂肪細胞の初期軟骨マーカー遺伝子の発現挙 動)
学 位 論 文 掲 載 誌 Orthodontic Waves 第 75 巻 第 4 号 平成 28 年 12 月 9 日
論 文 調 査 委 員 主 査 松本 尚之 教授 副 査 今井 弘一 教授 副 査 百田 義弘 教授
論文内容要旨
口唇口蓋裂は顎顔面部に裂隙を有する先天性疾患であり,鼻部の軟骨欠損治療に応用可能な優れた 軟骨細胞の確保が強く求められている。成熟脂肪細胞を起源にもつ脱分化脂肪細胞(DFAT 細胞)は,
多分化能を有するなど軟骨細胞調達への優れた細胞資源と考えられている。しかし,同細胞を効率的 に軟骨分化誘導させる手法は未だ不明である。一方,Bone morphogenetic protein(BMP)は間葉系 幹細胞などの軟骨分化を促すことが報告されているものの,DFAT 細胞に対する影響は明らかになっ ていない。本研究では,DFAT 細胞の効率的な軟骨分化誘導法の開発を目指し,BMP 含有軟骨分化培 地が同細胞の軟骨分化に及ぼす影響について検討を行った。
手術時に頸部皮下組織より採取した脂肪組織に天井培養法を用いることで,
DFAT細胞を取得した。
培養後
7日にフラスコを再度反転し,余剰の成熟脂肪細胞を除去後,底面に接着した線維芽細胞状の 細胞を
DFAT細胞として用いた。当グループの過去の研究において,この細胞は軟骨分化能をもち,
脂肪由来間葉系幹細胞や骨髄由来間葉系幹細胞より速い骨芽細胞分化を示すことを確認している。得 られた
DFAT細胞の軟骨分化誘導は,下記の培地を用いて細胞を最長
14日間刺激して行った:(1)コ ントロール培地,(2)軟骨分化誘導培地,(3)(2)の培地に
10あるいは
100 ng/mLの
BMP-2,BMP-4,BMP-7
のそれぞれを添加した培地。細胞は,単層培養法とペレット培養法の
2種類の環境下で培養を
行った。軟骨分化マーカーの遺伝子発現挙動については,定量
PCR法を用いて調査した。
各
BMPを含有する軟骨分化培地に曝された単層
DFAT細胞の遺伝子発現挙動を比較した結果,
BMP-4(100 ng/mL)
含有軟骨誘導培地が最も早く,
SOX9,
SOX6,アグリカン,Ⅱ型コラーゲンそれ ぞれの発現を上昇させることが分かった。
BMP-4含有軟骨培地で
14日間培養された
DFAT細胞では,
単層培養法とペレット培養法の両培養法のいずれの培養環境下においても,コントロール培地で培養 された細胞よりも,アグリカン,Ⅱ型コラーゲンを含む複数の軟骨分化マーカーの発現が上昇してい た。
SOX5の発現は,単層培養下ではコントロール培地で刺激された細胞に比べ低下し,一方,ペレ ット培養下では上昇が認められるなど相反する結果となった。
論文審査結果要旨
脱分化脂肪細胞(DFAT 細胞)を効率的に軟骨分化誘導させる手法は、未だ解明の余地を多く残す。本 研究は、
2種類の培養環境下において骨形成タンパク質(Bone morphogenetic protein :
BMP)がDFAT細胞の軟骨分化におよぼす影響を比較検討している。
本研究は、大阪歯科大学の医の倫理委員会(大歯医倫
110790号)の承認を得て行われている。実験で 用いた
DFAT細胞は、口腔外科手術後に廃棄予定の脂肪組織から、天井培養法を用いて採取されてい る。得られた
DFAT細胞の軟骨分化誘導は、下記の培地を用いて細胞を最長
14日間刺激して行ってい る:(1)コントロール培地、(2)軟骨分化誘導培地、(3)(2)の培地に
10あるいは
100 ng/mLの
BMP-2、BMP-4、BMP-7