Posted at the Institutional Resources for Unique Collection and Academic Archives at Tokyo Dental College, Available from http://ir.tdc.ac.jp/
Title
ラット大腿骨,上腕骨および腸骨由来骨髄幹細胞の加齢
変化
Author(s)
添島, 義樹; 松坂, 賢一; 國分, 克寿; 国分, 栄仁;
Sultan, Zeb Khan; 村上, 聡; 井上, 孝
Journal
歯科学報, 111(4): 428-428
URL
http://hdl.handle.net/10130/2583
Right
目的:HMG-CoA 還元酵素阻害薬であるシンバスタ チンには,骨形成促進作用が知られている。しか し,老人性骨粗鬆症といわれる低代謝回転型骨粗鬆 症に対する効果についてはほとんど検討されていな い。今回私たちは低代謝回転型骨粗鬆症モデルラッ トの大腿骨に骨欠損を形成後,シンバスタチンを投 与して骨欠損部における骨形成過程について検討し た。 方法:実験には20週齢の雌性高血圧自然発症ラット (Stroke-prone Spontaneously hypertensive rat:以 下 SHRSP と略す)10匹を低代謝回転型骨粗鬆症の モデルとして用いた。対照として20週齢の雌性 Wi-star Kyoto Rat(以下WKYと略す)10匹を用いた。 ペントバルビタール麻酔下にラット大腿骨遠心に直 径1.6mm のラウンドバーで骨欠損を作成し,術後 1日目より屠殺するまでの期間毎日胃ゾンデでシン バスタチンを経口投与(10mg/kg/day)した。シン バスタチンを投与した SHRSP を SHR 投与群,シ ンバスタチンを投与しなかった SHRSP を SHR 非 投与群とし,シンバスタチンを投与した WKY を WKY 投与群,シンバスタチンを投与しなかった WKY を WKY 非投与群とした。各実験群では術直 後と屠殺前にマイクロ CT を用いて欠損部の撮影を 行い,術後1週,2週,4週目に屠殺した。試料は 脱灰標本として光学顕微鏡下に観察を行った。 成績:SHR 投与群では1週後例で骨欠損部に幼弱 な新生骨梁が多数観察され,2週後例では欠損のほ とんどは新生骨梁で満たされていた。4週後例では 新生骨梁は緻密化し,皮質骨は細い新生骨で架橋さ れていた。一方,SHR 非投与群では1週後例の骨 欠損部で幼弱な新生骨梁がわずかにみられたが,2 週後例でも新生骨梁は細く幼弱であった。4週後例 では新生骨梁は成熟を示したが,母床の皮質骨に は,新生骨による架橋は認められなかった。WKY 投与群は1週後例で旺盛な新生骨梁の形成が見ら れ,2週後例では新生骨梁は太く緻密化し,母床の 皮質骨は新生骨で架橋されていた。4週後例では新 生骨梁は成熟し,母床の皮質骨は厚みを増してい た。WKY 非投与群では WKY 投与群よりも新生骨 の成熟は遅れるものの,4週後例ではすでに形態修 復がなされていた。 考察:シンバスタチンを投与することにより,低代 謝回転型骨粗鬆症モデルラットであっても通常の ラットと同等な骨形成が得られることが示唆され た。 目的:本研究の目的は,ラット長管骨(大腿骨,上 腕骨)と扁平骨(腸骨)に由来する骨髄幹細胞の加 齢変化を検索することである。 方法:若齢(4weeks,120∼150g)と老 齢(60weeks, 800g)ラット各10匹より,大腿骨・上腕骨・腸骨 の骨髄を使用し,組織学的および細胞増殖マーカー として PCNA,造血幹細胞マーカーとして Bmi-1 および CD34,間葉系幹細胞マーカーとして Stro-1 を一次抗体に用いて免疫組織化学染色を行った。ま た,mRNA レ ベ ル の 検 索 と し て,TaqMan 7500 Fast(Applied Biosystems)を 用 い,cbfa1(骨 芽 細胞分化誘導の転写因子)Bmi-1(造血幹細胞マー カー),p16(細胞周期抑制・加齢因子)をプライ マーに用いて RT-PCR をおこなった。また,各骨 髄細胞を単離し,Hoechst33342で染色性を示す SP 細胞を FACS にて解析し,それぞれの骨の骨髄に おける割合の違いを検索した。 成績および考察:組織学的に,若齢ラットでは老齢 ラットに比べ骨髄中に血管組織が豊富に認められ た。いずれの群においても老齢ラットでは骨髄の空 胞変性と脂肪細胞が多数観察された。CD34陽性細 胞は老齢,若齢,いずれの骨においても同程度の陽 性率が見られた。Bmi-1 陽性細胞は,若齢群におい て多かった。一方で Stro-1 の染色からは加齢に伴 い陽性細胞の割合が増加していた。これらのこと は,幹細胞の質的な機能低下が割合増加により補わ れていることが示唆された。 RT-PCR の結果から,Cbfa1 の発現変化より,若 齢群で幹細胞の骨芽細胞への分化誘導が活発に行わ れていることが示唆された。しかし,p16と Bmi-1 の発現は相反しており,Bmi-1 は加齢因子を抑制す ることで細胞老化を抑制あるいは遅延させ,幹細胞 数の維持機構に関わることが示唆された。 FACS 解析による SP 細胞は,より大きな幅で加 齢に伴う増加が見られ,同様に質的低下を量で補っ ていることが示唆された。骨種では,腸骨で多く発 現していることは腸骨骨髄が臨床で広く利用されて いる効果の裏づけになることが示唆された。
№7:骨粗鬆症モデルラットの骨欠損部に対するシンバスタチン経口投与後の骨形成過程
小笠原龍一1)2),古谷義隆1)2),吉成正雄2),矢島安朝1)2)(東歯大・口腔インプラント)1) (東歯大・口科研・インプラント)2)№8:ラット大腿骨,上腕骨および腸骨由来骨髄幹細胞の加齢変化
添島義樹1),松坂賢一1)2),國分克寿1)2),国分栄仁2)3),Sultan Zeb Khan2),村上 聡1),
井上 孝1)2)(東歯大・臨検病理)1)(東歯大・口科研)2)(東歯大・微生)3)
学 会 講 演 抄 録 428