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重複下大静脈の2例

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(1)

532 金沢大学十全医学会雑誌 第68巻 第3号 532−538 (1962)

重複下大静脈の2例

金沢大学大学院医学研究科第三解剖学講座(主任:松田健史助教授)

        福   住    孝

         (昭和37年11.月1日受付)

 下大静脈の異常に関する報告は,Zumstein(1896)

29),Maxwe11,&Erwin(1928)17),森(1931)20),

Adachi(1940)1),吉田(1959)28)等の諸氏の業績を はじめ多数発表されている.著者は昭和34年度金沢大 学学生解剖学実習において,左右2条の下大静脈を有 する2例に遭遇したのでここに報告する,

所 見

 1  第1{列  (Fig.1.), rFig.2.)

 脳溢血で死亡した82歳の女性で,下大静脈は左右2 条ある所謂重複下大静脈を有する.左右2条の下大静 脈は第1腰椎の高さ,即ち上腸間膜動脈が腹大動脈よ り分岐する高さで合流している.左右の下大静脈を結 ぶ吻合板は,第5腰椎の腹側部に2条存在する.尿管 は左右の内外腸骨動脈の腹側を通り異常は認められな い.次にこれらの形態並びに走行を詳細に記載する.

なお他の脈管及び諸器官に異常は認められない.

 1)右下大静脈

 仙骨の右側,ほぼ岬角の高さの所で右内外腸骨静脈 が合流して右下大静脈の起始が形成されている.この 起始部の腹側1横指上方で右内外腸骨動脈が分岐す る.回外腸骨静脈は右内外腸骨動脈の聞の背側を上内 方に向って進み,一方右内腸骨静脈は同名動脈の内側 より同動脈の背側を越えて右外腸骨静脈と合流し,そ の後,上内方に向って進み,第5腰椎の腹外側で左下 大静脈に向う吻合枝を出す.その後右下大静脈は腹大 動脈の右方を,これと最大横径27mmの紡錘形の聞 隔をへだてて,ほぼ鉛直の方向に上昇し,右心動脈の 腹側,第1及び第2腰椎の高さで左下大静脈と会合す る.なお右下大静脈は尿管の背側を通る.途中右下大 静脈の第3腰椎の高さで右上行腰静脈を,第2腰椎の 高さで右卵巣静脈を受け入れ,第1腰椎の高さで右 腎静脈が合流する.右下大静脈の内外腸骨静脈の合流 点より右腎静脈が合流する部の下縁迄の距離は107 mmであり,吻合枝根部上縁での右下大静脈の外径は

19mm,右内外腸骨静脈合流直後部12 mm,右腎静脈 合流直後部26mmである.

 2)左下大静脈

 仙骨の左ほぱ岬角の高さ,即ち左内外腸骨動脈が分 岐する下方約15mmの背側で左内外腸骨静脈が合流 して左下大静脈の起始が形成され,その後斜め内上方 に進み,第5腰椎の高さで約10mmの間隔を豪いで 上下2条の吻合枝を右下大静脈の方に走らせ,腹大動 脈の左方をこれと約5〜8mmの間隔を置いて上昇し 第2腰椎の高さで左回静脈と合流し,その直後左副腎 静脈を受け入れ,腹大動脈の腹側を越えて右下大静脈 に会合する.途中第3腰椎の高さで左上高腰静脈を受 け入れている.なお左下大静脈も尿管の背側を通る.

左下大静脈より出る下位吻合枝より,左腎静脈が左下 大静脈に合流する下縁迄の距離101mm,左内外腸骨 静脈会合直後の外径9mm,吻合枝を出してより左翼 静脈合流迄のほぼ中間での外径12mm,左腎静脈が合 流する部25mm,右下大静脈と会合する部24 mm,左 腎静脈との合流点より左右下大静脈の会合する迄の距 離は25mmであり,左腎静脈と合流する前後の角は 120。,左右下大静脈のなす角は70。である.

 3)吻合枝

 第5腰椎々体前面に左右の下大静脈を結ぶ横交通枝 が存在し,右下大静脈への開口部は1つで,左下大静 脈には2つの開口部を有する2条の吻合枝が横V字形 をなして存在する.上位の1条は,ほぼ水平に,下位 の】条は右下大静脈より左下大静脈へ斜め下方に向っ ている.左下大静脈における両者の開口部間の距離は 12mm,2条の吻合枝は紡錘形の空隙を形成し,その 長径49mm短径12 mmである.右下大静脈に開口 する直前で且。両吻合枝合流直後での径13mm,上位 吻合枝の長さ36mm,下位50 mm,前者の外径4mm,

後者は5mmである.上位吻合枝と右下大静脈との なす角は90。,左下大静脈とのなす角は60。,左下大 静脈と下位吻合枝とのなす角は30。である.なおその  Two Cases of Duplication of the Vena Cava Inferior. Kou:Fukuzumi, Departmellt of A−

natomy(Director:Asst. Prof. DパL Matsuda), School of Medicine, University of Kanazawa.

(2)

他に右内腸骨静脈と右下大静脈聞及び左内腸骨静脈と 左下大静脈閲に側副循環様の吻合枝が存在する.

 4)正中仙骨静脈

 左右下大静脈間吻合枝の右下大静脈に合流する根部 の同一局所に注ぐ1枝,及び左内腸骨静脈と左下大静 脈間側副循環枝のほぼ中央に注ぐ1枝の計2条を見

る.

 5)右腎静脈

 腎門で3枝が合流し第1腰椎の高さで水平に走りそ のまま下大静脈幹にほぼ直角に注ぐ.右心静脈の長さ 30mm,下大静脈に注ぐ直前での外径13mmである.

 6)左武静脈

 腎門で3枝が合流し第1及び第2腰椎の間の高さで 斜め下方に走り,第2腰椎の高さで左下大静脈が右上 方に向きを変える部に注ぐ.左下大静脈に注ぐ約10 mm以前で左卵巣静脈を受け入れている.左下大静脈 に合流する直前での外径は14mmである.

 7)右卵巣静脈

 右下大静脈の外側を2〜3mmの間隔で平行して上 昇し,右腎静脈が下大静脈に合流する下方約10m醜 の所で右下大静脈に合流している.

 8)左卵巣静脈

 左下大静脈の外側を約10mmへだてて上昇し左腎 静脈に合流する.

 9)尿管の経過

 尿管は左右両側共正常な経過をとる.即ち左右共,

内外腸骨動静脈の腹側を通り骨盤腔内に下降する.

 ∬第2例 (Fig.3.),(Fig.4.)

 脳軟化症で死亡した76歳の男性で,左右2条の下大 静脈を有する所謂重複下大静脈例で左右下大静脈は第 1回忌の高さ即ち,上腸聞膜動脈が分岐する高さで合 流している。左右下大静脈を結ぶ吻合枝は第5腰椎の 腹側部に1条存在する.尿管の走行は正常で左右外腸 骨動脈の腹側を通って下降する.以下これらの形態及 び走行を詳細に記載する.なお第2例も他の器官に異 常は認められない.

 1)右下大静脈

 右外腸骨静脈は,内外両腸骨動脈の間を上行する.

右内腸骨静脈は同名動脈の背側を上昇し,山外腸骨静 脈と合流する,その部は仙骨の右外側岬角の下方約20 mmの所,即ち右内外腸骨動脈が分岐する下方約15 mmの背側である.その後脊椎の右腹側を腹大動脈の 右外側縁にi接するようにして上昇し,第1腰椎の高さ で高話静脈及び左下大静脈と合流する.その間第4腰 椎の下縁の高さで,斜め内下方,左下大静脈の方に吻 合枝を1条出す.また第4腰椎上縁の高さで右上行腰

静脈を受け入れている.なお右下大静脈は尿管の背側 を通る.右記腸骨静脈の外径は9mm,右内腸骨静脈 の外径9mm,両静脈合流直後では17 mm,吻合枝と 合流した直後では23mm,吻合枝と合流する点と左右 下大静脈会合点の中間では17mm,左下大静脈と会合 する直前では25mm,直後では34 mmである.右内 外腸骨静脈合流点より吻合枝開口部下縁迄の距離45 mm,吻合枝開恥部上縁より左下大静脈と会合する下 縁迄の距離75mmである.右下大静脈と吻合枝下縁

とのなす角は60。である。

 2)左下大静脈

 仙骨の左外側,点角の下方約15mmで右内外腸骨 静脈が合流する点より約5mm上方の所で左内外腸 骨静脈が合流する.それより上方約20mmの腹側 で,左内外腸骨動脈が分岐している.左内外腸骨静脈 が合流して後,斜め内上方に進み第5腰椎三体の高さ で右下大静脈の方に吻合枝を1条出す,その後脊椎の 左外側を腹大動脈とやや重なり合って上昇し,第1及 び第2腰椎間の高さで出品静脈と合流している.これ より後,急に右下大静脈の方に向きを転じ,腹大動脈 の腹側でこれを越え,第1腰椎の高さで右下大静脈と 会合する.途中第4腰椎の高さで左上行腰静脈を受け 入れている.なお左下大静脈も尿管の背側を通る.左 内外腸骨静脈が合流する直前での内腸骨静脈の外径は 8mm,外腸骨静脈は10 mm,合流直後での外径12 mm,合流点より吻合枝開口部下縁迄の距離28 mm,

吻合枝を出してより左腎静脈と合流する迄の距離86 mm,その中間での外径12 mm,吻合枝上縁とのなす 角は70。である.左腎静脈が合流してより右下大静脈 と会合する迄の距離35mm,その中間での外径18 mmである.左下大静脈が左腎静脈と合流する前後の なす角は130。,左右下大静脈のなす角は75。である.

 3)吻合枝

 右下大静脈には第4腰椎,左下大静脈には第5腰椎 の高さに開口部を有する吻合枝,即ち左方低位,右方 高位で下方に凸な吻合枝が1条ある.両開口部間の距 離は上縁27mm,下縁35 mmである.吻合枝のほぼ 中間での外径9mmで,中央よりやや左寄りの下縁 に正中仙骨静脈を受け入れている.

 4)正中仙骨静脈

 左右2枝あるが吻合枝に開口する直前で両者は合流 している.左右正中仙骨静脈の外径は共に2mmで 合流部の外径は5mmである,左右正中仙骨静脈の なす角は45。である.

 5)二二静脈

 第1腰椎の高さで忌門を出,ほぼ水平に走り右下大

(3)

534 ネ一畠

静脈に注ぐ,その開ロ直前での外径は181nmである.

右腎静脈が合流する部の下縁に右精巣静脈が開画して

いる.

 6)左腎静脈

 第1腰臨め高さで腎門を出,やや右下方に走り左下 大静脈が右下大静脈の方に向きを転ずる部に注ぐ.開 個部前約8mmの所の下縁に左精巣静脈が注ぐ.開 口部直前での左腎静脈の外径13mmである.

 7)右精巣静脈

 右下大静脈の右側を2〜3mmの間隔を置いてほぼ 平行に上昇し,右腎静脈の下縁に開口している.右精 巣静脈の外径は4mmである.

 8)左精巣静脈

・左下大静脈の外側を約iO mmの間隔を置いて上昇 し,左腎静脈が左下大静脈に合流する以前約8mmの 所の下縁に開画している.左精巣静脈の外径は4mm

である.

 9、)尿管の経過

 尿管は左右共,内外腸骨動静脈の腹側を通り骨盤腔 内に下降する.

考 接

 古来下大静脈の異常に関する・報告は数多くあるが,

重複下大静脈の発現率についてはAdachi(1940)1)

によれば1176例中16例(♂15,♀1)で,その頻度は

、L4±0」34%であり,、両側共尿管が腹側にあるものは その内の15例である.新井(1935)3)によれば160例 中1例でその頻度は0・63±0.63%である..下大静脈の 異常例の中で最も多いものは重複下大静脈に関するも のであり(86.4%Adachi)本2例も下大静脈が重複

しているものである.

 下大静脈の発生について考察するとMcClure,&

Butler(1925)18)によれば,胎生8週において左右下 主静脈の大部分が退化消失し,右主上静脈が太くな り,これが下大静脈となり,左主上静脈は次第に退化 して行く.(Fig.5)

 重複下大静脈の発現機転については恐らく胎生初期 の左右下主静脈がそのまま発育良好となって尿管の前 を通る左右下大静脈となるか,或いは左右主上静脈が 大きく発育して尿管の後を通る左右の下大静脈となる ものと考えられる.また吻合枝の存在に関して,これ が腹夫動脈に対してその腹側にあれば胎生時の下主静

・脈を結ぶ吻合枝の存続であり,背側ならば主上静脈の 存続によるものと解釈されている.以上の観点より本

2例の重複下大静脈は共に主上静脈が胎生初期のまま 永久に残存せるものと考えるのが妥当のように思われ

る.

 左右下大静脈聞にはV.iliaca traPsversa(Goettsch 1920)9),Ramus communicans(Giveps 1912)7)V・

interiliaca(Adachi 19401), Oerte11928)22)などの 名でよばれる吻合枝が存在し,,これは正常に発育した 入では左総腸骨静脈となるべき運命を有するものであ るとせられる.Adachi 1)によれば,本2例のように 吻合枝即ち腸骨間静脈の存在するものが多く,16例中 15例であり,左下方より右上方に向う方向のものが8 例,その逆の方向のものが5例,横走するものが2例 である.これ迄の重複下大静脈の大多数は吻合枝を有 するもので概ね1条にして,腸骨間静脈であると考え られるものであり,第1例のように吻合枝が2条ある のは,これ迄のものに比べ,いささか異った所見を呈 するものである。

 第1例において右卵巣静脈が右下大静脈に,左卵巣 静脈が左腎静脈入るこにと及び第2例において左右精 巣静脈が左右腎静脈に入ることは,共に下大静脈が胎 生期の主上静脈に由来することより理解される.

 1)本2例は昭和34年度学生解剖学実習において発 見された下大静脈の異常例である.

 2):第1例は82歳の女性,第2例は76歳の男性であ

る.

 3)下大静脈は2例共左右2条あり第1及び第2腰 椎の高さで両側下大静脈が合流し,2例共尿管の後を

通る.

 4)左右下大静脈間吻合枝は第5腰椎の高さで第1 例は2条第2例は1条存在する.

 5)第1例では右内腸骨静脈と右下大静脈間の吻合 枝及び左内腸骨静脈と左下大静脈との間の吻合枝があ り,右下大静脈下部及び左内腸骨静脈と左下大静脈間 吻合枝のほぼ中間に注ぐ計2条の正中仙骨静脈を見 る。第2例では左右下大静脈間吻合枝の中島よりやや 左寄りの同一場所に入る2条の正中仙骨静脈がある.

 6)第1例で右卵巣静脈は右下大静脈に,左卵巣静 脈は左心静脈に注ぎ,第2例で左右精巣静脈はそれぞ れ左右腎静脈に注ぐ.

 7)重複下大静脈の出現率は足立によれば1176例中 16例でその頻度は1.4±0.34%であり,本2例は恐ら く胎生期の主上静脈がそのまま発育残存したものと考 えられる.

 終に臨み御懇篤な御指導と御校閲の労をとられた松田健史助教 授に心から感謝の意を表します.

(4)

       tjNXg* : esnveekas, 23, 733 (1933).

      JZ M ls) Kollmann, J. :' Anat. Anz・, 8, 95 (1893)・

1) Adachi, B.: DasVenensystem der Japaner, 16) Kuhlenbeck, H. : Anat. Anz・, 70, 117 2 Lieferung. p. 216, Kyoto, 1940. 2) re s![ (1930). 17) Maxwell, E. V. & Erwin, st・tuts iZ : E?EEE$$R, 1718, 23 (1927). G. S. ,: J. Anat., 62, 184 (1928). 18) 3) S"liEiU : %$ilfflil;, 59, 704 (1935). McClure, C. F. W. & Butier, E. G. : Amer.

4) Mg=‑pt: pagUS‑Sb, 4, 623 (1931)・ J. Anat. 35, 331 (1925). 19) MJtlma=‑ : 5) Blasingame, F. J. L. & Burge, C. H.: osmaeges, 46, 647 (1955). 20) nt ff:

Anat Rec., 69, 465 (1937).・ 6) Van vee}2MIIi, 5, 2109 (1931). 21) MM fi:

Gelderen, C.: Anat. Anz. 63, 49 (1927). geggdv, 23,1 (1948). 22) Oertel, O. : 7) Givens, M. H.: Anat Rec. 6, 475 (1912). Anat Ahz., 65, 312 (1928). 23) ffma 8) Gladstone, R. J.: J. Anat. 64, 70 (1929)・ msfi: ]IIMESikg, 18, 655 (1904). 24)

9) Goettsch, H. B. :' Apat. Heft. 58, 399 (19‑ lj"MLs'Sady・fiKi6k,k : Jl<EtsZIftegJf<es, 1, 12

20). 10) Grunwald, P. : Zschr. mic・ (1948). 25) Schwarz, R. & Badawi, rosk・ ‑anat. Forsch,, 43, 275 (1938). 11) H.: Anat. Anz., 110, 52 (1961). i 26) gA jt: negUI}g, 10, 123 (1937). 12) Skamnakis, S. N.: Anat. Anz. 73, 50 (1931).

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       Abstract

   Iin. an anatumieal̀ di'ssection performed at Kanazawa University in 1959,・we met two cases  of the abnormal V. cava inferior. In this study, two cases of the duplicated V. cava in‑

 ferior of the Japanese female and male sex were reported and the developmental abnormal‑

 ity of this vein was investigated. The following conclusions were reached.

   1) The first case is a female who died of cerebral apoplexy at the age of 82 years. The  V. cava inferior is observed bilateral!y. Both sides of the V. cava inferior meet at the  vertebra lumbalis I. It is noticeable that there are two venous anastomose (Vv. interiliacae)  between both sides of the V. cava inferior. They are observed before the vertebra lumbalis  V. Then two vessels of the V. sacralis mediana are observed. One of the right ends in  the bifurcating point ot the V. cava inferior dextra and the V. interiliaca, and the other side  ends in the anastomosis between the V. cava inferior sinistra and the V. iliaca interna sini‑

 stra. Both sides of the ureter run on the abdominal side of the Vv .iliacae externa and in‑

 terna, and no abnormality can be seen. '

   2) The second case is a male who died of encephalomalacia at the age of 76 years. The  V. cava inferior is observed bilaterally. Both sides of the V. cava inferior meet at the ver‑

 tebra lumbalis I. A venous anastomosis connecting them is observed on the abdominal side  of the vertebra lumbalis V, and runs from the left lower portion to the right upper por‑

 tion. There are tWo vessels of the V. sacralis mediana and they end in the middle part of  the anastomosis vein. Both sides of the ureter run on the abdominal side of the Vv. iliacae  externa and interna, and no abnormality can be seen like the first case.

   3) According to Adachi (1940), the appearance rate of the duplicated V. cava inferior is  1611176 (1.4±O.34%). From the origination of the V. cava inferior, it is thought that the  Vv. supracardinale dextra and sinistra which appear at the early embryonic period Would  persist and develop as" the duplicated V. cava inferior.

(5)

5316 2g, Gi

Fig.

1

l 1

.

:

 Photogram of the duplieated V. cava inferior dextra.

Vena  2:

      .  cava ln V. cava

2

ferior. (Specimen inferior sinistra.

1.)

Fig・

1

1 3.

:

 Photogram of V. cava inferior

the duplicated  dextra.

2

Venacava inferior. (Specimen 2・)  2: V. cava infer'ior sinistra.'

(6)

1 2 3 4 5 6 7

: : : : : : :

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V. cava inferior sinistra. 9: V. Iumbalis ascendens sinistra.

Ureter, ・ ・ '

 '・ 10: Vv. intefiliqeae,.

V. renalis dextra.' ' 11:'V..sac.ralls pa. ediana.

V. renalis sinistra. .. 12: anastomosis vein between       ・ V. iliaca interna apd

V. ovarica dextra.

V. ovarica sinistra. . V. interfli'aea.

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V. renalis dextra・

V. renalis sinistra.

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testicu!aris sinistra.

Iumbatl・5s ascendens dextra, lumbalis ascendens sinistra.

mteriliaca. ・ '

sacralis rnediana.

(7)

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  Fig. 5. Sehematic diagram illustrating the development of the        cava inferior ateight weeks. (Arey)

Hepatic segment of inf, vena cava 5: Postcardinal Prerenal segment (Subcardinal) 6: Subcardinal

Renal segment (Sub‑supracardinal 7: Subcardinal anastomosis

anastomosis) 8: lnt. spermatic

Postrenal segment (Supracardinal) 9: Iliac anastomosis

Vena

参照

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