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地方公共サービスにおける資源配分の効率性 : 生産と配分の2つの視点による実証分析

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Academic year: 2021

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地方公共サービスにおける資源配分の効率性 : 生

産と配分の2つの視点による実証分析

著者

鈴木 遵也

学位名

博士(経済学)

学位授与機関

関西学院大学

学位授与番号

34504甲第537号

URL

http://hdl.handle.net/10236/13843

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地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 資 源 配 分 の 効 率 性

― 生 産 と 配 分 の 2 つ の 視 点 に よ る 実 証 分 析 ―

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目 次

序 章 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 関 す る 生 産 と 配 分 の 効 率 性………1 第 1 章 地 域 特 性 と 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性 1.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ……….6 1.2 ご み 処 理 の 段 階 と ご み 処 理 サ ー ビ ス の ア ウ ト プ ッ ト ……….8 1.3 イ ン プ ッ ト の 選 定 ………11 1.4 DEA に よ る 分 析 の 枠 組 み ……….12 1.5 DEA に よ る 効 率 性 の 計 測 ……….14 1.6 む す び ……….19 第 2 章 生 産 要 素 の 地 域 間 配 分 と 地 方 団 体 の 生 産 性 2.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ………..20 2.2 生 産 性 の 決 定 要 因 2.2.1 警 察 官 の 定 員 ………21 2.2.2 生 産 性 の 決 定 要 因 と そ の 変 化 ………..23 2.3 警 察 サ ー ビ ス に お け る ア ウ ト カ ム の 定 義 ……….25 2.4 未 検 挙 件 数 と 限 界 生 産 性 の 推 計 ………..28 2.5 限 界 生 産 性 の 要 因 分 解 ………..32 2.6 未 検 挙 件 数 最 小 化 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ……….36 2.7 む す び ……….37 補 論 限 界 生 産 性 の 要 因 分 解 式………39 付 表 未 検 挙 件 数 最 小 化 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の 結 果………..40 第 3 章 社 会 資 本 の 産 業 間 ・ 地 域 間 配 分 と 地 域 経 済 の 生 産 力 3.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ………..42 3.2 社 会 資 本 配 分 の 理 論 的 考 察 ………..43 3.3 生 産 関 数 と 限 界 生 産 性 の 推 計 3.3.1 推 計 デ ー タ の 整 理 ………45

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3.3.2 産 業 別 生 産 関 数 の 推 計 ………...47 3.3.3 限 界 生 産 性 の 推 計 ………50 3.4 社 会 資 本 の 配 分 変 更 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン ……….51 3.5 む す び ……….56 補 論 各 地 域 へ の 再 分 配 額 の 決 定………58 第 4 章 地 方 団 体 に お け る 配 分 の 効 率 性 と 補 助 金 の 影 響 4.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ………..60 4.2 政 府 間 補 助 金 の 理 論 ………61 4.3 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 分 類 ……….….62 4.4 ビ ヘ イ ビ ア ・ モ デ ル に よ る 地 方 公 共 サ ー ビ ス 需 要 関 数 の 導 出 ………..64 4.5 地 方 公 共 サ ー ビ ス 需 要 関 数 を 用 い た 補 助 金 効 果 の 実 証 分 析 …………..66 4.6 む す び ……….69 補 論 地 方 公 共 サ ー ビ ス 需 要 関 数 の 導 出 プ ロ セ ス………..…71 第 5 章 地 域 選 好 の 反 映 と 厚 生 の 改 善 効 果 5.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ………..73 5.2 地 域 選 好 に 関 す る 理 論 的 考 察 ………..75 5.3 ク ラ ス タ ー 分 析 に よ る 地 方 団 体 の グ ル ー ピ ン グ ………76 5.4 地 域 選 好 の 推 計 モ デ ル ………..78 5.5 選 好 パ ラ メ ー タ の 推 計 ………..80 5.6 む す び ……….84 第 6 章 地 域 選 好 の 反 映 と 規 模 の 経 済 性 の ト レ ー ド ・ オ フ 6.1 本 章 に お け る 問 題 意 識 ………..86 6.2 分 権 化 と 規 模 の 経 済 性 ………..87 6.3 理 論 モ デ ル に 基 づ く 費 用 関 数 の 導 出 ……….89 6.4 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 費 用 関 数 の 推 計 ……….90 6.5 配 分 の 効 率 化 に よ る 規 模 の 経 済 性 へ の 影 響 ……….92 6.6 厚 生 関 数 と 費 用 関 数 の 連 結 ………..94

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6.7 規 模 の 経 済 性 を 考 慮 し た 厚 生 の 改 善 効 果 ……….95

6.8 む す び ……….97

終 章 本 論 文 か ら 導 か れ る 政 策 提 言………99

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序 章 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 関 す る 生 産 と 配 分 の 効 率 性

本 論 文 に お け る 分 析 対 象 と 問 題 意 識 人 口 減 少 や 高 齢 化 と い っ た 経 済 ・ 社 会 状 況 の 変 化 に と も な い 、 地 方 財 政 を 取 り 巻 く 環 境 は 極 め て 厳 し い 状 況 に あ る と 言 え る 。 こ の よ う な 状 況 下 に お い て は 量 的 な 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 供 給 に よ っ て 、 地 域 住 民 の 要 求 に 答 え る こ と は 難 し く 、 こ れ ま で 以 上 に 限 ら れ た 資 源 の 範 囲 内 で 効 率 的 に 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 ( 住 民 福 祉 ) を 高 め て い く 必 要 性 が あ る と 考 え ら れ る 。 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 を 高 め る た め に は 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 供 給 に 関 し て ① 生 産 の 効 率 性 、 ② 配 分 の 効 率 性 、 と い っ た 大 き く 2 つ の 視 点 か ら 効 率 化 を 図 っ て い か な け れ ば な ら な い 。 民 間 部 門 の 財 ・ サ ー ビ ス に 関 し て は 、 市 場 が 失 敗 す る ケ ー ス を 除 け ば 、 市 場 メ カ ニ ズ ム に よ っ て 消 費 と 生 産 の パ レ ー ト 効 率 的 な 状 態 が 実 現 さ れ る た め 、 自 ず と こ の 2 つ の 効 率 性 は 最 大 限 に 高 め ら れ て い る こ と に な る 。 し か し 、 市 場 メ カ ニ ズ ム が 機 能 し な い 公 共 部 門 に お い て 、こ の 2 つ の 効 率 性 は 非 効 率 に な り が ち で あ る た め 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 供 給 に 関 し て 2 つ の 効 率 性 を 高 め る こ と は 非 常 に 重 要 な 課 題 で あ る 。 生 産 の 効 率 性 と は 一 定 の 予 算 の も と で ど れ だ け 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 供 給 量 を 多 く 出 来 て い る か 、 あ る い は 同 じ 供 給 量 で あ れ ば 投 入 す る 予 算 を ど れ だ け 少 な く 出 来 て い る か 、 と い う 効 率 性 の 考 え 方 で あ る 。 す な わ ち 、 生 産 の 効 率 性 を 高 め る こ と で 、 投 入 す る 予 算 を 増 や す こ と な く 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 を 高 め た り 、 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 を 減 ら す こ と な く 予 算 を 節 約 す る 、 と い っ た こ と が 可 能 と な る 。 一 方 、 配 分 の 効 率 性 と は ど れ だ け 地 域 住 民 の 選 好 に 合 致 す る 形 で 各 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 対 し て 予 算 を 割 り 当 て ら れ て い る か 、と い う 効 率 性 の 考 え 方 で あ る 。 い く ら 予 算 を 多 く 投 入 し た と し て も 、 そ の 地 方 公 共 サ ー ビ ス が 地 域 住 民 に と っ て 必 要 と さ れ て い な い サ ー ビ ス で あ れ ば 、 配 分 の 効 率 が 悪 く 、 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 が 引 き 下 げ ら れ る こ と に な る 。 生 産 の 効 率 性 と 同 様 に 、 配 分 の 効 率 性 を 高 め る こ と に よ り 、 厚 生 水 準 の 改 善 、 あ る い は 予 算 の 節 約 が 可 能 と な る 。 す な わ ち 、こ れ ら 2 つ の 効 率 性 の ど ち ら か 一 方 、あ る い は 両 方 の 改 善 に よ り 、 地 域 住 民 の 厚 生 水 準 は 高 め ら れ 得 る 。

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本 論 文 の 目 的 は 生 産 の 効 率 性 と 配 分 の 効 率 性 と い う 2 つ の 視 点 に 立 っ て 、そ れ ら 2 つ の 効 率 性 に 影 響 を 与 え る 様 々 な 要 因 に つ い て の 考 察 を 加 え な が ら 、地 方 公 共 サ ー ビ ス の 効 率 性 に 関 す る 実 証 分 析 を 行 う こ と で あ る 。 本 論 文 の 構 成 ま ず 第 1 章 で は 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 生 産 の 効 率 性 に 注 目 し 、 特 定 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス を 取 り 上 げ 、 地 方 団 体 毎 の 効 率 性 の 計 測 を 行 っ て い る 。 こ こ で は 分 析 の 対 象 と し て 「 ご み 処 理 サ ー ビ ス 」 を 取 り 上 げ て い る 。 数 あ る 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 中 で も ご み 処 理 サ ー ビ ス を 取 り 上 げ た 理 由 は 、 民 間 委 託 が 積 極 的 に 進 め ら れ て い る サ ー ビ ス で あ り 、 地 方 団 体 の 効 率 性 の 格 差 が 明 確 に 計 測 さ れ る と 予 想 さ れ る た め で あ る 。 効 率 性 の 計 測 方 法 と し て は 、 企 業 の 経 営 効 率 分 析 の 手 法 で あ る DEA(Data Envelopment Analysis:包 絡 分 析 法 ) を 採 用 し て い る 。

計 測 さ れ る 効 率 性 に は 非 裁 量 要 因 ( 地 方 団 体 に と っ て 操 作 不 可 能 な 要 因 ) に よ る 影 響 が 含 ま れ る た め 、 そ う し た 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 い た う え で 効 率 性 を 計 測 す る 。 非 裁 量 要 因 に は 人 口 や 面 積 と い っ た よ う な 社 会 経 済 変 数 で 表 さ れ る 地 域 特 性 要 因 や 、 中 央 政 府 に よ る 義 務 付 け の よ う な 制 度 的 要 因 な ど が 考 え ら れ る が 、 第 1 章 で は と り わ け 地 域 特 性 要 因 に 注 目 し 、 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 く 前 と 取 り 除 い た 後 の 効 率 性 を 比 較 す る こ と で 、 地 域 特 性 要 因 が 地 方 団 体 の 効 率 性 に ど の よ う な 影 響 を 与 え て い る か を 明 ら か に し て い る 。 続 い て 第 2 章 に お い て も 生 産 の 効 率 性 に 関 す る 分 析 が 行 わ れ て い る 。た だ し 、 第 1 章 が 非 裁 量 要 因 と し て の 地 域 特 性 と の 関 係 性 に つ い て 注 目 し て い た こ と に 対 し て 、 第 2 章 で は 非 裁 量 要 因 と し て 中 央 政 府 に よ っ て 地 方 団 体 の 生 産 要 素 の 水 準 が 義 務 付 け ら れ て い る と い う 制 度 的 要 因 に 注 目 し 、 中 央 政 府 に よ る 義 務 付 け と 地 方 団 体 の 効 率 性 と の 関 係 性 を 分 析 し て い る 。 第 2 章 で も 特 定 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス が 取 り 上 げ ら れ て い る が 、 生 産 要 素 に 関 し て 中 央 政 府 の 縛 り が 強 く 、 地 方 団 体 の 裁 量 の 余 地 が 少 な い 地 方 公 共 サ ー ビ ス と し て 警 察 サ ー ビ ス を 分 析 の 対 象 と し て い る 。 な お 、 第 2 章 で は 、 限 界 的 な 警 察 官 の 増 加 が 防 犯 や 犯 罪 者 の 検 挙 を 通 じ た 成 果 ( ア ウ ト カ ム ) を ど れ ほ ど 生 み 出 し て い る か と い う 、 限 界 生 産 性 の 概 念 に よ っ て 生 産 の 効 率 性 が 計 測 さ れ て い る 。 次 に 第 3 章 に お い て は 、 地 域 の 生 産 力 を 高 め る と い う 観 点 か ら 効 率 的 な 社 会

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資 本 の 配 分 の 在 り 方 に つ い て 分 析 が 行 わ れ て い る 。 社 会 資 本 は 地 域 の 生 産 活 動 に 影 響 を 与 え 、各 地 域 に お け る GRP( Gross Regional Products:域 内 総 生 産 ) を 増 大 さ せ る 。 し か し 、 社 会 資 本 の 総 量 が 一 定 で あ っ た と し て も 、 社 会 資 本 の 配 分 の 在 り 方 に よ っ て 各 地 域 の GRP の 金 額 は 異 な る と 考 え ら れ る 。 社 会 資 本 配 分 の パ タ ー ン は 、 ① 地 域 内 に お け る 産 業 間 の 配 分 、 ② 地 域 間 の 配 分 、 と い っ た 2 つ の パ タ ー ン に 大 別 で き る で あ ろ う 。 第 3 章 で は 産 業 別 、 地 域 別 に 社 会 資 本 の 限 界 生 産 性 が 計 測 さ れ 、 生 産 性 に 基 づ い た 社 会 資 本 配 分 の 効 率 化 に よ っ て 地 域 経 済 の 生 産 活 動 が ど の よ う な 影 響 を 受 け る か 、 と い う こ と に つ い て 分 析 が 行 わ れ て い る 。 こ れ ま で の 第 1 章 か ら 第 3 章 に お い て は 、 生 産 の 効 率 性 に 関 す る 分 析 が 行 わ れ て い る こ と に 対 し 、 以 降 の 第 4 章 と 第 5 章 は 配 分 の 効 率 性 に 関 す る 分 析 が 行 わ れ て い る 。 ま ず 、 第 4 章 で は 配 分 の 効 率 性 と 国 庫 支 出 金 の 関 係 性 に つ い て 分 析 が 行 わ れ て い る 。 地 方 交 付 税 に も 諸 々 の 問 題 点 は あ る に し て も 、 基 本 的 に 地 方 交 付 税 は 地 方 団 体 の 各 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 対 す る 予 算 配 分 を 歪 め る こ と は な い が 、 国 庫 支 出 金 は 特 定 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 相 対 価 格 を 引 き 下 げ る た め 、 地 方 団 体 は 国 庫 支 出 金 が 交 付 さ れ る 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 対 し て よ り 多 く 予 算 を 配 分 す る よ う 行 動 す る こ と に な る 。 こ う し た 予 算 配 分 行 動 の 歪 み が 、 中 央 政 府 に と っ て 正 当 性 の あ る 理 由 に よ っ て 意 図 的 に も た ら さ れ た も の で あ り 、 ま た 地 方 に と っ て 合 理 的 な 行 動 の 結 果 で あ っ た と し て も 、 歪 み の な い 状 態 に 比 べ て 地 方 団 体 の 厚 生 水 準 が 損 な わ れ る と い う 事 実 に 変 わ り は な い 。 こ の よ う に 国 庫 支 出 金 は 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 配 分 の 効 率 性 を 阻 害 す る た め 、 第 4 章 で は 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 需 要 関 数 の 推 計 を 通 じ て 、 国 庫 支 出 金 に よ っ て 配 分 の 効 率 性 が ど の 程 度 阻 害 さ れ て い る か を 実 証 的 に 明 ら か に し て い る 。 続 い て 第 5 章 で は 、 配 分 の 効 率 性 を 高 め る こ と に よ っ て 、 地 域 の 厚 生 水 準 が ど れ だ け 改 善 す る か に つ い て の 実 証 分 析 が 行 わ れ て い る 。 配 分 の 効 率 性 を 高 め る た め に は 、 ど れ だ け 地 域 住 民 の 選 好 に 合 致 す る 形 で 各 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 対 し て 予 算 を 割 り 当 て ら れ て い る か 、 と い う 点 が 最 も 重 要 で あ る た め 、 実 証 分 析 に よ っ て ま ず は 地 域 の 選 好 を 明 ら か に し て い る 。 そ し て 、 明 ら か に な っ た 地 域 選 好 に 従 っ て 予 算 配 分 を 効 率 化 す る と い う シ ミ ュ レ ー シ ョ ン が 行 わ れ て い る 。

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最 後 に 第 6 章 で は 、 生 産 の 効 率 性 と 配 分 の 効 率 性 の 同 時 分 析 が 行 わ れ る 。 こ れ ま で の 地 方 公 共 サ ー ビ ス に 関 す る 研 究 は 、 生 産 の 効 率 性 と 配 分 の 効 率 性 の ど ち ら 一 方 に 焦 点 を 当 て て 行 わ れ て き た 。 し か し 、 個 々 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 規 模 の 経 済 性 ・ 不 経 済 性 の 存 在 を 前 提 と す る な ら ば 、 配 分 の 効 率 性 を 高 め る た め に 地 方 団 体 の 予 算 配 分 が 変 更 さ れ 、 個 々 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 供 給 量 に 変 化 が 生 じ る こ と に よ っ て 、 生 産 の 効 率 性 が 影 響 を 受 け る と い う こ と は 十 分 に 考 え ら れ る 。 第 6 章 で は そ の よ う な 問 題 意 識 の 下 、 生 産 の 効 率 性 と 配 分 の 効 率 性 の 同 時 分 析 が 行 わ れ て い る 。

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5 図 序-1 2 つ の 効 率 性 と 各 章 の 位 置 付 け 生 産 の 効 率 性 第 1 章 地 域 特 性 と 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性 ⇒ 非 裁 量 要 因 と し て の 地 域 特 性 を 考 慮 。 第 2 章 生 産 要 素 の 地 域 間 配 分 と 地 方 団 体 の 生 産 性 ⇒ 非 裁 量 要 因 と し て の 生 産 要 素 の 配 分 を 考 慮 。 第 3 章 社 会 資 本 の 産 業 間 ・ 地 域 間 配 分 と 地 域 経 済 の 生 産 力 ⇒ 社 会 資 本 配 分 の 効 率 化 と 地 域 経 済 の 関 係 性 を 検 討 。 配 分 の 効 率 性 第 4 章 地 方 団 体 に お け る 配 分 の 効 率 性 と 補 助 金 の 影 響 ⇒ 国 庫 支 出 金 に よ る 配 分 の 効 率 性 の 低 下 を 検 討 。 第 5 章 地 域 選 好 の 反 映 と 厚 生 の 改 善 効 果 ⇒ 配 分 の 効 率 化 に よ る 厚 生 水 準 へ の 影 響 を 検 討 。 第 6 章 地 域 選 好 の 反 映 と 規 模 の 経 済 性 の ト レ ー ド ・ オ フ 生 産 の 効 率 性 と 配 分 の 効 率 性 の 同 時 分 析

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第 1 章 地 域 特 性 と 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性

1.1 本 章 に お け る 問 題 意 識

1980 年 代 に イ ギ リ ス な ど で 始 ま っ た NPM( New Public Management:ニ ュ ー ・ パ ブ リ ッ ク ・ マ ネ ジ メ ン ト ) の 考 え 方 は 民 間 企 業 の 経 営 理 念 や 手 法 を 取 り 入 れ 、 公 共 部 門 の 効 率 化 ・ 活 性 化 を 図 る こ と で あ る 。 こ の NPM は 日 本 に も 導 入 さ れ 、 国 や 地 方 に お い て 民 営 化 や 民 間 委 託 と い っ た 形 で 実 践 さ れ て い る 。 こ の よ う な 流 れ を 受 け 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 生 産 の 効 率 性 に 関 し て 、 こ れ ま で 以 上 に 地 方 団 体 間 の 差 異 が 大 き く な っ て き て い る と 考 え ら れ る 。 し か し 、 実 証 的 な ア プ ロ ー チ に よ り 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性 の 計 測 そ の も の を 取 り 扱 っ た 研 究 は わ が 国 に お い て あ ま り 多 く な い 。 地 方 自 治 法 第 2 条 に は 「 地 方 公 共 団 体 は 、 そ の 事 務 を 処 理 す る に 当 つ て は 、 住 民 の 福 祉 の 増 進 に 努 め る と と も に 、 最 少 の 経 費 で 最 大 の 効 果 を 挙 げ る よ う に し な け れ ば な ら な い 」 と 定 め ら れ て い る 。 地 方 公 共 団 体 に お け る 効 率 性 の 追 求 が 法 律 の レ ベ ル で 規 定 さ れ て い る こ と か ら も 窺 え る よ う に 、 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 配 分 の み な ら ず 生 産 に 関 し て 効 率 性 の 計 測 を 行 い 、 評 価 す る こ と は 重 要 な 意 味 を 持 つ 。 本 章 の 目 的 は 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 生 産 の 効 率 性 に 注 目 し 、 特 定 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス を 取 り 上 げ 、 地 方 団 体 毎 の 効 率 性 の 計 測 を 行 う こ と で あ る 。 こ こ で は 分 析 の 対 象 と し て「 ご み 処 理 サ ー ビ ス 」を 取 り 上 げ る1。数 あ る 地 方 公 共 サ ー ビ ス の 中 で も ご み 処 理 サ ー ビ ス を 取 り 上 げ た 理 由 は 、 民 間 委 託 が 積 極 的 に 進 め ら れ て い る サ ー ビ ス で あ り 、 地 方 団 体 間 の 効 率 性 の 格 差 が 明 確 に 計 測 さ れ る と 予 想 さ れ る た め で あ る2 『 地 方 財 政 統 計 年 報 』 に 記 載 さ れ て い る 一 般 廃 棄 物 等 の 収 集 処 理 等 に 要 す る 経 費 で あ る 清 掃 費 は 2005 年 度 か ら 2010 年 度 に か け て 約 9.6%減 少 し て い る3 し か し 、 そ の 金 額 は 2010 年 度 に お い て 約 2 兆 4000 億 円 と 依 然 と し て 大 き く 、 1 本 章 に お け る 「 ご み 処 理 サ ー ビ ス 」 と は ご み の 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 の 全 て を 含 ん だ サ ー ビ ス の こ と で あ る 。 ま た 、「 し 尿 」 を 除 く 一 般 廃 棄 物 を 分 析 の 対 象 と し て い る 。 2 本 章 の 分 析 目 的 に 関 連 し た 先 行 研 究 の 蓄 積 が あ る こ と も 採 用 理 由 の 一 つ で あ る 。 3 現 時 点 で 、2011 年 度 ま で の デ ー タ が 入 手 可 能 で あ る が 、 2011 年 度 は 東 日 本 大 震 災 の 影 響 を 強 く 受 け て い る と 考 え 、 除 外 し て い る 。

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投 入 さ れ る 経 費 の 削 減 は も ち ろ ん の こ と 、 生 み 出 さ れ る サ ー ビ ス と の 関 係 の 中 で 、 他 の 行 政 サ ー ビ ス と 同 様 に ご み 処 理 サ ー ビ ス に 関 し て も よ り 一 層 の 効 率 性 の 向 上 が 求 め ら れ る で あ ろ う 。

こ れ ま で ご み 処 理 サ ー ビ ス に 関 し て 費 用 関 数 の 推 計 を 行 っ た 先 行 研 究 と し て 、 Hirsch( 1965)、 Stevens( 1978)、 Domberger, Meadowcroft, and Thompson (1986)、國 崎( 1989)、獺 口・三 木( 2007,2009)、な ど が あ る 。Hirsch( 1965)、 Stevens( 1978)、Domberger, Meadowcroft, and Thompson( 1986)で は ご み の 収 集 段 階 に 分 析 の 焦 点 を 絞 り 、 費 用 関 数 の 推 計 が 行 わ れ て い る 。 ま た 、 國 崎 (1989) で は 清 掃 費 、 獺 口 ・ 三 木 ( 2007,2009) で は 一 般 廃 棄 物 処 理 に 要 す る 処 理 及 び 維 持 管 理 費 を 使 っ て 費 用 関 数 の 推 計 が 行 わ れ て お り 、 ご み の 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 、 と い っ た 全 て の 段 階 を 分 析 対 象 と し て い る4 し か し 、 こ れ ら の 研 究 は い ず れ も 費 用 関 数 の 推 計 を 通 じ た 規 模 の 経 済 性 の 計 測 や 費 用 の 決 定 要 因 分 析 に 主 眼 が 置 か れ て お り 、 地 方 団 体 ご と の 効 率 性 の 計 測 そ の も の を 主 な 目 的 と し て い る わ け で は な い 。 ま た 、 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 全 て の 段 階 を 分 析 対 象 と し て い る と は い え 、國 崎(1989)、獺 口・三 木( 2007,2009) で は ア ウ ト プ ッ ト に 関 し て 、 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 と い っ た そ れ ぞ れ の 段 階 の 違 い を 十 分 に 考 慮 し た う え で 分 析 が 行 わ れ て い る わ け で は な い 。 そ こ で 、 本 章 に お い て は ご み 処 理 サ ー ビ ス の ア ウ ト プ ッ ト に 注 目 し 、 ア ウ ト プ ッ ト を 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 と い っ た 3 つ の 段 階 に お い て 明 確 に 区 分 す る 。 そ の う え で 、3 段 階 全 て の ア ウ ト プ ッ ト を ウ ェ イ ト 付 け し て 合 計 す る こ と で 、 総 ア ウ ト プ ッ ト を 計 算 す る 。 こ の 総 ア ウ ト プ ッ ト に イ ン プ ッ ト を 対 応 さ せ る 形 で 、 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 効 率 性 の 計 測 が 行 わ れ る 。 効 率 性 の 計 測 方 法 と し て は 、 企 業 の 経 営 効 率 分 析 の 手 法 で あ る DEA(Data Envelopment Analysis:包 絡 分 析 法 ) を 採 用 す る5DEA は 推 計 を 行 わ ず イ ン

プ ッ ト と ア ウ ト プ ッ ト の 関 係 性 に よ り 効 率 性 を 計 測 で き る ノ ン パ ラ メ ト リ ッ ク 分 析 手 法 で あ る た め 、 統 計 的 な 検 定 を 行 え な い 等 の デ メ リ ッ ト が あ る 反 面 、 複 数 の ア ウ ト プ ッ ト や イ ン プ ッ ト を 用 い て 効 率 性 の 計 測 を 行 え る と い う 大 き な メ 4 こ の 中 で も Stevens( 1978)、 國 崎 ( 1987) は ア ド ホ ッ ク な モ デ ル で は な く 、 理 論 モ デ ル か ら 費 用 関 数 を 導 出 し た う え で 、 推 計 を 行 っ て い る 。 5 効 率 性 の 要 因 分 析 を 目 的 と す る 場 合 は 、検 定 を 行 え る こ と か ら パ ラ メ ト リ ッ ク な 分 析 が 望 ま し い と 考 え ら れ る 。

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8 リ ッ ト が あ る 。 そ の 際 、 計 測 さ れ る 効 率 性 に は 地 方 団 体 に と っ て の 非 裁 量 要 因 ( 地 方 団 体 に と っ て 操 作 不 可 能 な 要 因 ) が 含 ま れ る た め 、 そ う し た 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 い た う え で 効 率 性 を 計 測 す る 。 非 裁 量 要 因 に は 人 口 や 面 積 と い っ た よ う な 社 会 経 済 変 数 で 表 さ れ る 地 域 特 性 要 因 や 、 中 央 政 府 に よ る 義 務 付 け の よ う な 制 度 的 要 因 な ど が 考 え ら れ る が 、 本 章 で は ま ず 地 域 特 性 要 因 に 注 目 し 、 制 度 的 要 因 に つ い て は 第 2 章 で 取 り 扱 う 。 具 体 的 に は 、 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 く 前 と 取 り 除 い た 後 の 効 率 性 を 比 較 す る こ と で 、 地 域 特 性 要 因 が 地 方 団 体 の 効 率 性 に ど の よ う な 影 響 を 与 え て い る か を 明 ら か に す る 。 本 章 の 流 れ は 以 下 の 通 り で あ る 。 ま ず 、1.2 節 に お い て ご み 処 理 に お け る 収 集 、中 間 処 理 、最 終 処 分 と い っ た 3 つ の 段 階 に つ い て 触 れ 、 全 て の 段 階 を 考 慮 し た 総 ア ウ ト プ ッ ト を 作 成 す る 。 次 に 1.3 節 で は 、DEA に 相 応 し い イ ン プ ッ ト デ ー タ を 選 出 し 、デ ー タ の 整 理 を 行 う 。ま た 、1.4 節 で は DEA に よ る 分 析 の 枠 組 み に つ い て 触 れ る 。そ し て 1.5 節 に お い て 、 定 義 さ れ た イ ン プ ッ ト と 総 ア ウ ト プ ッ ト の デ ー タ を 用 い て 、 地 方 団 体 に と っ て 操 作 不 可 能 な 地 域 特 性 要 因 の 存 在 を 考 慮 し た う え で 、DEA に よ っ て ご み 処 理 サ ー ビ ス の 効 率 性 を 計 測 す る 。 最 後 に 1.6 節 は む す び と す る 。

1.2 ご み 処 理 の 段 階 と ご み 処 理 サ ー ビ ス の ア ウ ト プ ッ ト

こ れ ま で の ご み 処 理 サ ー ビ ス に 関 す る 研 究 で は 、 収 集 の よ う な 特 定 の 段 階 を 分 析 対 象 と し て 効 率 性 の 分 析 が 行 わ れ て き た 。 あ る い は 、 ご み 処 理 サ ー ビ ス 全 体 を 分 析 対 象 と し て 効 率 性 の 分 析 を 行 っ て い る 先 行 研 究 に お い て も 、 収 集 ・ 中 間 処 理 ・ 最 終 処 分 と い っ た 3 つ の 段 階 の 存 在 に つ い て 十 分 に 考 慮 さ れ た も の は 存 在 し な か っ た 。 本 章 の 大 き な 目 的 は 、 こ れ ら 3 つ の 段 階 の 存 在 を 考 慮 し た う え で 、 全 て の 段 階 を 分 析 対 象 と し て ご み 処 理 サ ー ビ ス の 効 率 性 を 計 測 す る こ と で あ る 。 そ の た め 、 本 節 で は ご み の 収 集 ・ 中 間 処 理 ・ 最 終 処 分 と い っ た 3 つ の 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト を 凝 縮 し た 、 総 ア ウ ト プ ッ ト と い う 指 標 を 作 成 す る が 、 総 ア ウ ト プ ッ ト を 作 成 す る た め に 、 ま ず は 各 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト を 定 義 し て お く 必 要 が あ る 。 図 1-1 は ご み 処 理 サ ー ビ ス に お け る 3 つ の 段 階 を 図 示 し た も の で あ る 。 基 本 的 に 収 集 さ れ た ご み が 中 間 処 理 段 階 以 降 の 処 理 の 対 象 と な る が 、 そ れ ら 全 て が 中 間 処 理 を 施 さ れ る と い う わ け で は な く 、 中 間 処 理 を

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9 図 1-1 ご み 収 集 ・ 処 理 サ ー ビ ス に お け る 3 つ の 段 階 経 ず 直 接 最 終 処 分 さ れ る ご み も あ る 。 ま た 、 全 て の ご み が 地 方 団 体 に よ っ て 収 集 さ れ る わ け で は な く 、 処 理 場 に 直 接 持 ち 込 ま れ る ご み も あ る 。 こ の よ う に 、 必 ず し も 全 て の ご み が 3 つ の 段 階 を 経 由 す る わ け で は な い こ と か ら 、各 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト の 定 義 は 実 態 に 則 し た 形 で 行 わ れ な け れ ば な ら な い 。 そ こ で 、 各 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト を 以 下 の よ う に 定 義 し た 。 収 集 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト = 収 集 量 中 間 処 理 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト = 収 集 量 + 直 接 搬 入 量 - 直 接 最 終 処 分 量 最 終 処 分 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト = 焼 却 残 渣 量 な ど + 直 接 最 終 処 分 量 ま ず 、 収 集 段 階 に お い て は 地 方 団 体 に よ る 収 集 分 と し て 収 集 量 を ア ウ ト プ ッ ト と し て 採 用 す る 。 た だ し 、 市 民 団 体 に よ る 収 集 分 で あ る 集 団 回 収 量 は 含 ま な い 。 次 に 、 中 間 処 理 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト は 収 集 量 に 直 接 搬 入 量 ( 住 民 な ど に よ っ て 直 接 ご み 処 理 場 に 持 ち 込 ま れ た ご み の 量 ) を 加 算 し 、 そ れ ら の 中 か ら 、 直 接 最 終 処 分 量 ( 中 間 処 理 を 経 ず 直 接 最 終 処 分 の 対 象 と な る ご み の 量 ) を 減 算 し た も の と し て 定 義 で き る 。 最 後 に 、 最 終 処 分 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト は 、 焼 却 残 渣 量 な ど ( 焼 却 な ど の 中 間 処 理 を 経 た 後 の ご み の 量 な ど ) に 直 接 最 終 処 分 量 を 加 算 し た も の と 定 義 で き る 。 ( 出 所 )環 境 省 編『 一 般 廃 棄 物 処 理 実 態 調 査 結 果 』に 基 づ き 筆 者 作 成 。

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10 ア ウ ト プ ッ ト を 生 み 出 す た め に 必 要 な コ ス ト は 各 段 階 で 異 な る た め 、 こ れ ら 3 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト の 合 計 が 同 じ で も 、 段 階 毎 の ア ウ ト プ ッ ト の 比 率 の 違 い に よ っ て 総 コ ス ト は 異 な る6。そ し て こ の 段 階 毎 の ア ウ ト プ ッ ト の 比 率 は 直 接 最 終 処 分 可 能 な ご み が 多 い か 少 な い か と い っ た よ う な 地 域 特 性 要 因 に よ っ て 影 響 を 受 け る た め 、 地 方 団 体 に と っ て 操 作 不 可 能 で あ る と 考 え ら れ る 。 地 方 団 体 に と っ て 外 生 的 に 各 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト の 構 成 比 率 が 決 ま り 、 さ ら に 段 階 ご と の 処 理 コ ス ト そ の も の が 全 国 的 に み て 地 方 団 体 全 体 で 異 な る の で あ れ ば 、 そ の よ う な 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 く た め に 、 そ れ ぞ れ の 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト は 同 等 に 扱 う べ き で は な く 、 ウ ェ イ ト 付 け を 行 っ た う え で 総 ア ウ ト プ ッ ト を 計 算 す る 必 要 が あ る7。そ こ で 、第𝑚地 方 団 体 に お け る ご み 処 理 サ ー ビ ス の 総 ア ウ ト プ ッ ト を 以 下 の よ う に 定 義 す る8 𝑂𝑚= 𝛼1𝑂1𝑚+ 𝛼2𝑂2𝑚+ 𝛼3𝑂3𝑚. (1.1) た だ し 、𝑂𝑚= 第

𝑚

地 方 団 体 に お け る ご み 処 理 サ ー ビ ス の 総 ア ウ ト プ ッ ト 、𝑂1𝑚 = 第

𝑚

地 方 団 体 に お け る 収 集 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト 、

𝑂

2𝑚= 第

𝑚

地 方 団 体 に お け る 中 間 処 理 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト 、

𝑂

3𝑚= 第

𝑚

地 方 団 体 に お け る 最 終 処 分 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト 、

𝛼

1= 収 集 段 階 の ウ ェ イ ト 、

𝛼

2= 中 間 処 理 段 階 の ウ ェ イ ト 、

𝛼

3= 最 終 処 分 段 階 の ウ ェ イ ト で あ る 。 6 総 コ ス ト が 異 な る こ と を 確 認 す る た め に 、仮 想 的 な 地 方 団 体 A と 地 方 団 体 B を モ デ ル ケ ー ス と し て 比 較 す る 。 ま ず 、 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 と い っ た 各 段 階 に お け る 収 集 あ る い は 処 理 1t に 必 要 な コ ス ト を そ れ ぞ れ 1 億 円 、 2 億 円 、 3 億 円 と し 、 中 間 処 理 に よ る 焼 却 残 渣 率 を 50%と す る 。 地 方 団 体 A は 収 集 100t、 中 間 処 理 100t、 最 終 処 分 50t と し 、 地 方 団 体 B は 収 集 110t、中 間 処 理 60t( 収 集 110t か ら 直 接 最 終 処 分 50t を 差 し 引 い た 量 )、最 終 処 分 80t( 焼 却 残 渣 30t に 直 接 最 終 処 分 50t を 加 え た も の ) と す る 。 こ の 場 合 、 各 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト を 合 計 す る と 、 地 方 団 体 A、 B と も に 250 と な り 同 じ で あ る 。 し か し 、 各 地 方 団 体 の 総 コ ス ト を 計 算 す る と 、 地 方 団 体 A= 100t×1 億 円 + 100t×2 億 円 + 50t×3 億 円 =450 億 円 、地 方 団 体 B= 110t×1 億 円 +60t×2 億 円 +80t×3 億 円 = 470 億 円 、と な り 総 コ ス ト は 異 な る 。 7 こ こ で の ア ウ ト プ ッ ト の 定 義 は 、 本 章 の 分 析 目 的 と 密 接 に 関 係 し て い る 。 地 方 団 体 に と っ て 外 生 的 な 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 い た う え で 、地 方 団 体 の 生 産 性 が 計 測 さ れ る べ き で あ る と い う こ と が 本 章 に お け る 問 題 意 識 で あ る 。 そ の た め 、 ア ウ ト プ ッ ト の 構 成 比 率 の よ う な 地 域 特 性 要 因 を 取 り 除 く た め に は 、 ア ウ ト プ ッ ト の 定 義 の 段 階 で ウ ェ イ ト 付 け を 行 っ た 総 ア ウ ト プ ッ ト を 計 算 す る こ と が 望 ま し い と 考 え て い る 。 8 ア ウ ト プ ッ ト の ウ ェ イ ト 付 け の 方 法 は 斎 藤 ・ 日 高 (1985) に 基 づ い て い る 。

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11 こ こ で の 各 段 階 の ア ウ ト プ ッ ト の ウ ェ イ ト の 計 算 は 以 下 の 通 り で あ る 。 ま ず 、 一 般 的 な 段 階 ご と の 処 理 コ ス ト の 違 い は 各 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト 当 た り コ ス ト の 地 方 団 体 平 均 値 の 差 異 に 反 映 さ れ る と 考 え る 。 そ の う え で 、 収 集 、 中 間 処 理 、 最 終 処 分 、 と い っ た そ れ ぞ れ の 段 階 に つ い て 平 均 値 を 計 算 し 、 そ れ ら 平 均 値 の 相 対 的 な 値 を 段 階 ご と の 一 般 的 な 処 理 コ ス ト の 違 い を 表 す ウ ェ イ ト と し て 用 い る 。(1.1)式 に 基 づ い て 計 算 さ れ た 総 ア ウ ト プ ッ ト に は 段 階 毎 の 処 理 コ ス ト の 違 い が 反 映 さ れ て お り 、 地 方 団 体 ご と の 各 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト 比 率 の 差 異 と い う 地 域 特 性 要 因 を 考 慮 し た も の と な っ て い る 。 ま た 、 環 境 面 か ら み る と 、 こ の よ う な 段 階 ご と の 処 理 コ ス ト の 違 い は 一 定 の 環 境 を 維 持 す る た め に 必 要 な 環 境 コ ス ト と し て も 考 え ら れ 、(1.1)式 の ウ ェ イ ト 付 け に よ り 、 地 方 団 体 ご と の 環 境 コ ス ト の 差 異 と い っ た 地 域 特 性 要 因 を 考 慮 し て い る こ と に も な る 。

1.3 イ ン プ ッ ト の 選 定

続 い て こ こ で は ア ウ ト プ ッ ト を 生 み 出 す た め の イ ン プ ッ ト を 定 義 す る 。 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 費 用 内 訳 は 以 下 の 通 り と な っ て お り 、 本 章 で は 投 入 さ れ た イ ン プ ッ ト の 量 で は な く 、 金 額 に 対 し て ア ウ ト プ ッ ト が ど れ く ら い 生 み 出 さ れ て い る か を 問 題 と し て 取 り 扱 う た め 、 こ の 費 用 デ ー タ を 整 理 す る こ と で イ ン プ ッ ト を 選 定 す る9。イ ン プ ッ ト の 金 額 は イ ン プ ッ ト の 量 に イ ン プ ッ ト の 価 格 を 掛 け 合 わ せ た も の で あ る た め 、 金 額 ベ ー ス で 分 析 す る こ と に よ り 、 給 与 の 払 い 過 ぎ と い っ た よ う な 価 格 面 で の 非 効 率 性 も 捉 え ら れ る 。 こ の こ と か ら 、 本 章 で は 費 用 デ ー タ を イ ン プ ッ ト と し て 用 い る 。 9 こ れ ら の デ ー タ 分 類 は 環 境 省 編 『 一 般 廃 棄 物 処 理 実 態 調 査 結 果 』 に 基 づ い て い る 。 建設改良費=工事費+調査費+建設改良費組合分担金 処理及び維持管理費=人件費+処理費+車両等購入費+委託費 +処理及び維持管理費組合分担金+調査研究費 ごみ処理サービス総費用=建設改良費+処理及び維持管理費+その他

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12 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 費 用 は 大 き く 建 設 改 良 費 、 処 理 及 び 維 持 管 理 費 、 そ の 他 に 分 類 さ れ 、 建 設 改 良 費 と 処 理 及 び 維 持 管 理 費 は 更 に 細 か く 費 用 が 分 類 さ れ て い る 。 こ れ ら の デ ー タ の う ち 処 理 及 び 維 持 管 理 費 を 用 い て イ ン プ ッ ト を 以 下 の よ う に 人 件 費 、 処 理 費 、 そ の 他 費 用 の 3 つ に 分 類 し た10 人 件 費 = 人 件 費 + 委 託 費 ( 人 件 費 部 分 ) + 組 合 分 担 金 ( 人 件 費 部 分 ) 処 理 費 = 処 理 費 + 委 託 費 ( 処 理 費 部 分 ) + 組 合 分 担 金 ( 処 理 費 部 分 ) そ の 他 費 用 = 調 査 研 究 費 + そ の 他 人 件 費 は 労 働 と し て イ ン プ ッ ト に 採 用 し て お り 、 処 理 費 は 資 本 ス ト ッ ク が 多 い ほ ど 大 き く な る と 考 え ら れ る た め 、 資 本 の 代 理 変 数 と し て イ ン プ ッ ト に 採 用 し て い る11。 ま た 、 人 件 費 と 処 理 費 以 外 の 費 用 を そ の 他 費 用 と し て い る 。 こ れ ら 3 つ の イ ン プ ッ ト に よ っ て 総 ア ウ ト プ ッ ト が 生 み 出 さ れ て い る と 考 え 、効 率 性 の 分 析 に 用 い る 。

1.4 DEA に よ る 分 析 の 枠 組 み

DEA と は 事 業 体( 本 章 で は 地 方 団 体 )に 関 す る ア ウ ト プ ッ ト と イ ン プ ッ ト の デ ー タ か ら 最 も 効 率 的 な フ ロ ン テ ィ ア を 形 成 し 、 フ ロ ン テ ィ ア か ら の か い 離 の 程 度 に よ っ て 事 業 体 ご と の 効 率 値 を 計 測 す る 分 析 手 法 の こ と で あ る 。 図 1-2 は 投 入 指 向 型 の DEA の 理 論 的 枠 組 み を 図 示 し た も の で あ り 、4 つ の 自 治 体 が 2 つ の イ ン プ ッ ト を 使 っ て ア ウ ト プ ッ ト を 生 み 出 し て い る と い う 前 提 で 図 が 描 か れ て い る 。 こ の と き 、 ア ウ ト プ ッ ト 1 単 位 当 た り の イ ン プ ッ ト が 最 も 少 な い 地 方 団 体 A、 B に よ っ て 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア が 描 か れ て い る た め 、 フ ロ ン テ ィ ア 上 に あ る 地 方 団 体 A、 B は 計 測 さ れ る 効 率 値 が 最 も 高 く 、 1 と し て 計 測 さ れ る 。 一 方 、 ア ウ ト プ ッ ト 1 単 位 当 た り の イ ン プ ッ ト が 地 方 団 体 A、 B よ 10 建 設 改 良 費 は 年 度 に よ っ て 地 方 団 体 ご と の 変 動 が か な り 大 き く 、 分 析 対 象 と す る 年 度 の 違 い に よ っ て 効 率 性 の 計 測 結 果 も 大 き く 異 な る と 考 え ら れ る た め 、イ ン プ ッ ト に は 含 め て い な い 。 11 委 託 費 と 組 合 分 担 金 は も と も と 人 件 費 と 処 理 費 に 分 か れ て い な い 。 委 託 費 は 委 託 費 以 外 の 人 件 費 と 処 理 費 の 割 合 を 使 っ て 按 分 し て お り 、組 合 分 担 金 は 組 合 の 人 件 費 と 処 理 費 の 割 合 を 都 道 府 県 ご と に 算 出 し 、 各 都 道 府 県 内 の 地 方 団 体 に そ の 割 合 を 適 用 し て 按 分 し て い る 。

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13 図 1-2 DEA の 理 論 的 枠 組 み り も 多 い 地 方 団 体 C、 D は 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア か ら 離 れ た 位 置 に 図 示 さ れ て お り 、 こ の フ ロ ン テ ィ ア か ら の か い 離 が 大 き け れ ば 大 き い ほ ど 、 効 率 値 は 1 よ り も 小 さ い 値 と し て 計 測 さ れ る 。 ま た 、DEA で は ア ウ ト プ ッ ト を 一 定 と し て イ ン プ ッ ト を 最 小 に す る 投 入 指 向 型 モ デ ル と 、 イ ン プ ッ ト を 一 定 と し て ア ウ ト プ ッ ト を 最 大 に す る 産 出 指 向 型 モ デ ル の 選 択 が で き る 。 ご み 処 理 サ ー ビ ス に お け る ア ウ ト プ ッ ト は 排 出 さ れ る 住 民 の ご み の 量 や 質 に 影 響 を 受 け る こ と か ら 、 地 方 団 体 に と っ て ア ウ ト プ ッ ト は ほ と ん ど 外 生 的 に 決 定 さ れ る 。 そ の た め 、 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 分 析 で は 投 入 指 向 型 モ デ ル を 採 用 す る こ と が 望 ま し い12 さ ら に DEA で は 規 模 に 関 し て 収 穫 一 定 と 仮 定 し て 効 率 値 を 計 測 す る CRS モ デ ル と 、規 模 に 関 し て 収 穫 可 変 と 仮 定 し て 効 率 値 を 計 測 す る VRS モ デ ル の 選 択 が 可 能 で あ る 。 ご み 処 理 サ ー ビ ス に 関 し て は 規 模 の 経 済 性 が 働 き 、 ご み 処 理 の 規 模 は 地 域 に お け る ご み の 排 出 量 に 依 存 し 、 ご み の 排 出 量 は 地 方 団 体 に と っ て 12 ご み の 排 出 量 に 関 す る 研 究 は 、 植 田 (1992) pp.66-70、 丸 尾 ・ 西 ヶ 谷 ・ 落 合 ( 1997) pp.164-168 な ど を 参 照 。 イ ン プ ッ ト 1 / ア ウ ト プ ッ ト イ ン プ ッ ト 2 / ア ウ ト プ ッ ト ア ウ ト プ ッ ト =1

𝐴

地 方 団 体

𝐵

地 方 団 体

𝐶

地 方 団 体

𝐷

地 方 団 体

𝑂

出 所 ) 筆 者 作 成

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14 は 外 生 的 で あ る た め 非 裁 量 要 因 で あ る 。 そ の た め 、 規 模 の 経 済 性 に よ る 影 響 を 取 り 除 い た う え で 効 率 値 を 計 測 で き る VRS モ デ ル を 採 用 す る こ と が 望 ま し い 13。す な わ ち 、本 章 で 用 い る DEA の モ デ ル は 投 入 指 向 型 の VRS モ デ ル で あ る 。

1.5 DEA に よ る 効 率 性 の 計 測

本 節 で は 、 こ れ ま で 定 義 し て き た ア ウ ト プ ッ ト と イ ン プ ッ ト を 用 い て DEA に よ る 効 率 性 の 計 測 を 行 う 。 し か し 、 計 測 さ れ る 効 率 性 に は 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 が 含 ま れ て い る た め 、 そ れ ら の 影 響 を 取 り 除 い た う え で 効 率 性 の 計 測 を 行 う 必 要 が あ る 。 計 測 は 以 下 の 手 順 で 行 う14 (1)ア ウ ト プ ッ ト と イ ン プ ッ ト の デ ー タ を 使 っ て DEA に よ り 効 率 性 を 計 測 す る 。 (2)そ の 際 に 地 方 団 体 ご と に ス ラ ッ ク( 最 も 効 率 的 な 地 方 団 体 と 比 べ た イ ン プ ッ ト の 過 剰 量 )が 得 ら れ る た め 、ス ラ ッ ク を 被 説 明 変 数 、 地 域 特 性 要 因 を 説 明 変 数 と し た Tobit 推 計 を 行 う15 (3)Tobit 推 計 に よ り 得 ら れ た パ ラ メ ー タ を 用 い て 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 き 、ア ウ ト プ ッ ト と 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 い た イ ン プ ッ ト を 使 っ て 再 度 DEA に よ り 効 率 性 の 計 測 を 行 う 。 そ こ で ま ず2009 年 度 の 全 国 786 市 の デ ー タ を 使 っ て DEA に よ り 効 率 性 を 計 測 し た 。 そ し て 、 そ の 際 に 得 ら れ た ス ラ ッ ク が 地 域 特 性 要 因 に よ っ て ど の よ う な 影 響 を 受 け て い る か を 次 の 段 階 で 分 析 す る 。 こ こ で 、 分 析 対 象 を 市 に 限 定 し た 理 由 は 、 で き る だ け 似 通 っ た 属 性 の 地 方 団 体 に 限 定 す る こ と に よ り 、 こ の 地 域 特 性 要 因 の 分 析 を 容 易 に す る た め で あ る 。 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 地 域 特 性 要 因 と し て は 、 以 下 の 変 数 を 採 用 し た 。 13 ご み 処 理 サ ー ビ ス に お け る 規 模 の 経 済 性 の 存 在 に つ い て は Stevens( 1978) を 参 照 。 ご み の 収 集 段 階 に 限 っ て で は あ る が 、 規 模 の 経 済 性 の 存 在 が 実 証 的 に 明 ら か に さ れ て い る 。 14 本 章 に お け る 効 率 性 の 計 測 方 法 は 林 ・ 獺 口 ・ 林 田 ・ 若 松 ・ 林 (2012) で 行 わ れ て い る 多 段 階 ア プ ロ ー チ を 参 考 に し て い る 。 15 ス ラ ッ ク の 性 質 上 、 最 も 効 率 的 な 地 方 団 体 の ス ラ ッ ク は 0 の 値 を と り 、 被 説 明 変 数 に 0 が 含 ま れ る こ と か ら Tobit 推 計 を 行 っ て い る 。

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15 ① 生 活 系 ご み 排 出 量 処 理 や 最 終 処 分 の 効 率 性 に 関 係 す る 変 数 。 処 理 し や す い ご み の 種 類 と し て 採 用 し て い る 。 ② 粗 大 ご み 排 出 量 ① と 同 様 に 処 理 や 最 終 処 分 の 効 率 性 に 関 係 す る 変 数 。 処 理 し に く い ご み の 種 類 と し て 採 用 し て い る 。 ③ 集 団 回 収 量 住 民 に よ っ て 回 収 さ れ て い る ご み の 量 。 地 方 団 体 の ア ウ ト プ ッ ト に は カ ウ ン ト さ れ な い た め 、 収 集 段 階 に お け る ア ウ ト プ ッ ト を 減 ら す 要 因 と し て 採 用 し て い る 。 ④ 事 業 所 数 事 業 所 か ら 排 出 さ れ る ご み の 量 は 家 庭 か ら 排 出 さ れ る ご み の 量 よ り も 多 い と 考 え ら れ 、 収 集 効 率 に 影 響 す る 変 数 と し て 採 用 し て い る 。 ⑤ 課 税 対 象 所 得 額 課 税 対 象 所 得 額 は 一 人 当 た り 課 税 対 象 所 得 額 と 人 口 に よ っ て 決 定 さ れ 、 ど ち ら が 高 く て も 都 市 と し て の 要 素 を 表 す た め 、 都 市 化 の 代 理 変 数 と し て 採 用 し て い る 。 表 1-1 ス ラ ッ ク に 対 す る 地 域 特 性 要 因 の 影 響

slack( 人 件 費 ) slack( 処 理 費 ) slack( そ の 他 費 用 ) 係 数 t 値 係 数 t 値 係 数 t 値 定 数 項 193434 10.14 *** 302354 18.91 *** -44011.3 -4.59 *** 生 活 系 ご み 排 出 量 -4.35 -2.62 *** -3.26 -2.34 ** -1.40 -2.04 ** 粗 大 ご み 排 出 量 8.65 2.63 *** 9.42 3.43 *** 5.29 3.39 *** 集 団 回 収 量 8.92 2.14 ** 8.60 2.45 ** ― 事 業 所 数 -10.80 -3.32 *** -6.49 -2.35 ** ― 課 税 対 象 所 得 額 1.56 6.91 *** 0.97 5.10 *** 0.31 2.95 *** ( 注 ) 表 中 の***は 1%、 **は 5%の 有 意 水 準 で そ れ ぞ れ 推 計 さ れ た 値 が 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。

(21)

16 図 1-3 地 域 特 性 要 因 除 去 前 と 除 去 後 の 効 率 性 こ れ ら 地 域 特 性 要 因 を 説 明 変 数 、DEA に よ り 得 ら れ た ス ラ ッ ク を 被 説 明 変 数 と し て Tobit 推 計 を 行 っ た 。 結 果 は 表 1-1 の 通 り で あ る 。 ス ラ ッ ク は 最 も 効 率 的 な 地 方 団 体 と 比 較 し た イ ン プ ッ ト の 過 剰 量 で あ る か ら 、 係 数 の 符 号 が 正 の 地 域 特 性 要 因 は 効 率 性 を 低 く す る 方 向 に 作 用 し 、 符 号 が 負 の 地 域 特 性 要 因 は 効 率 性 を 高 く す る 方 向 に 作 用 し て い る と 読 み と れ る 。 表 中 に は 有 意 な 結 果 だ け が 記 さ れ て お り 、 そ の 符 号 条 件 は 全 て 満 た さ れ て い る16 続 い て こ れ ら の 推 計 結 果 を 用 い て 地 域 特 性 要 因 に よ る 影 響 を 取 り 除 き 、DEA に よ り 効 率 性 の 値 を 計 測 し た 結 果 が 図 1-3 で あ る 。 た だ し 、 786 市 全 て の 結 果 を 掲 載 す る こ と は で き な い の で 、 都 道 府 県 ご と に 地 方 団 体 の 効 率 性 の 平 均 値 を 算 出 し 、 都 道 府 県 単 位 で 地 域 特 性 要 因 を 取 り 除 く 前 と 取 り 除 い た 後 の 効 率 性 の 値 を グ ラ フ で ま と め て あ る 。 地 域 特 性 要 因 の 除 去 前 と 除 去 後 を 比 較 す る と 、 北 海 道 か ら 沖 縄 ま で の 推 移 が 異 な っ て お り 、 都 道 府 県 間 で み た 効 率 性 の 相 対 的 な 関 係 性 に 違 い が 表 れ て い る 。 例 え ば 、 地 域 特 性 要 因 を 除 去 す る 前 は 京 都 よ り も 16 た だ し 、 都 市 化 の 程 度 を 表 す 課 税 対 象 所 得 額 に 関 し て は 、 都 市 化 に は メ リ ッ ト と デ メ リ ッ ト の 両 面 が あ る と 予 想 さ れ る た め 符 号 条 件 は 明 確 で は な い 。 推 計 結 果 に よ り 係 数 の 符 号 が 正 で あ る こ と か ら 、 都 市 化 の デ メ リ ッ ト が 大 き く 影 響 し 、 効 率 性 を 低 く す る 要 因 と し て 作 用 し て い る と 読 み と れ る 。 0 0.1 0.2 0.3 0.4 0.5 0.6 0.7 0.8 北 海 道 青 森 県 岩 手 県 宮 城 県 秋 田 県 山 形 県 福 島 県 茨 城 県 栃 木 県 群 馬 県 埼 玉 県 千 葉 県 東 京 都 神 奈 川 県 新 潟 県 富 山 県 石 川 県 福 井 県 山 梨 県 長 野 県 岐 阜 県 静 岡 県 愛 知 県 三 重 県 滋 賀 県 京 都 府 大 阪 府 兵 庫 県 奈 良 県 和 歌 山 県 鳥 取 県 島 根 県 岡 山 県 広 島 県 山 口 県 徳 島 県 香 川 県 愛 媛 県 高 知 県 福 岡 県 佐 賀 県 長 崎 県 熊 本 県 大 分 県 宮 崎 県 鹿 児 島 県 沖 縄 県 効 率 性 ( 都 道 府 県 下 の 市 平 均 値 ) 除去前 除去後

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17 表 1-2 効 率 性 の 基 本 統 計 量 平 均 標 準 偏 差 最 大 値 最 小 値 最 大/最 小 効 率 性 ( 除 去 前 ) 0.3508 0.0860 0.5786 0.1513 3.8249 効 率 性 ( 除 去 後 ) 0.4492 0.0760 0.6677 0.2683 2.4889 大 阪 に お い て 効 率 性 の 平 均 値 が 高 か っ た こ と に 対 し 、 除 去 し た 後 で は 大 阪 よ り も 京 都 に お い て 効 率 性 の 平 均 値 が 高 く な り 、 逆 転 し て い る 。 ま た 、786 市 全 て の 地 方 団 体 の 効 率 性 に 関 し て 基 本 統 計 量 を 記 し た も の が 表 1-2 で あ る 。ま ず 、地 域 特 性 要 因 の 除 去 前 に 比 べ て 除 去 後 で は 平 均 値 、最 大 値 、 最 小 値 と も に 値 が 上 昇 し て い る 。 し か し 、 こ の こ と は 直 ち に 全 て の 地 方 団 体 に お い て 効 率 性 が 上 昇 し た こ と を 意 味 し な い 。 な ぜ な ら 、 地 域 特 性 要 因 を 除 去 す る 前 の 地 方 団 体 の デ ー タ と 、 除 去 し た 後 の 地 方 団 体 の デ ー タ を 使 っ て DEA を そ れ ぞ れ 2 回 行 っ て い る た め 、 図 1-2 で 描 か れ て い る 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア は 、 地 域 特 性 要 因 の 除 去 前 と 除 去 後 で 別 途 形 成 さ れ て い る と 考 え な け れ ば な ら な い か ら で あ る 。 あ く ま で 各 地 方 団 体 の 効 率 性 は こ の 効 率 的 フ ロ ン テ ィ ア に 対 す る 相 対 評 価 で あ る 。 そ の た め 、 除 去 前 の 効 率 性 に よ る 地 方 団 体 間 比 較 、 あ る い は 除 去 後 の 効 率 性 に よ る 地 方 団 体 間 比 較 は 行 え る が 、 同 じ 地 方 団 体 に 関 し て 除 去 前 と 除 去 後 の 効 率 性 の 値 を 単 純 に 比 較 す る こ と は で き な い の で あ る 。 一 方 、 標 準 偏 差 、 最 大 最 小 比 率 が 地 域 特 性 要 因 の 除 去 前 に 比 べ て 除 去 後 で は 共 に 小 さ く な っ て い る こ と か ら 、 地 域 特 性 要 因 に よ っ て 地 方 団 体 間 の 効 率 性 に 格 差 が 生 じ て い る こ と が 明 確 に 示 さ れ て い る 。 こ れ ら の こ と か ら 地 域 特 性 要 因 を 取 り 除 い た う え で 地 方 団 体 間 の 効 率 性 を 比 較 す る こ と の 重 要 性 が 読 み と れ る 。 最 後 に 、 民 間 委 託 の 推 進 が 効 率 性 に ど の よ う な 影 響 を 与 え て い る か を 見 る こ と と す る 。 地 域 特 性 の よ う な 非 裁 量 要 因 を 取 り 除 い た 後 の 効 率 性 は 地 方 団 体 の 裁 量 で 変 更 で き る そ の 他 の 要 因 に よ っ て 決 定 さ れ て い る と 考 え ら れ る た め で あ る 。 裁 量 要 因 の 分 析 は 、 効 率 性 を 被 説 明 変 数 、 委 託 の 推 進 度 を 説 明 変 数 と し た OLS( Ordinary Least Square: 最 小 二 乗 法 ) に よ っ て 行 う 。 表 1-3 は OLS を 使 っ て 、 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 民 間 委 託 化 が 自 治 体 の 効 率 性 に ど の よ う な 影 響 を

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18 表 1-3 ご み 処 理 サ ー ビ ス の 民 間 委 託 化 に 対 す る 効 率 性 の 影 響 効 率 性 ( 除 去 前 ) 効 率 性 ( 除 去 後 ) 人 口 当 た り 処 理 及 び 維 持 管 理 費 係 数 t 値 係 数 t 値 係 数 t 値 定 数 項 0.2988 10.12 *** 0.4723 18.11 *** 11.2105 16.30 *** 委 託 比 率 -0.0005 -1.71 * -0.0009 -3.55 *** -0.0343 -4.88 *** 許 可 比 率 0.0036 5.13 *** 0.0015 2.33 ** -0.0345 -2.09 ** 𝑅̅2 0.0481 0.0322 0.0271 ( 注1) 表 中 の ***は 1%、 **は 5%、 *は 10%の 有 意 水 準 で そ れ ぞ れ 推 計 さ れ た 値 が 有 意 で あ る こ と を 示 し て い る 。 ( 注2) ま た 、 表 中 の𝑅̅2は 自 由 度 修 正 済 み 決 定 係 数 を 示 し て い る 。 与 え て い る か を 見 た も の で あ る 。 ご み 処 理 サ ー ビ ス に お い て は 収 集 段 階 に お け る 民 間 委 託 化 が 進 め ら れ て い る た め 、 獺 口 ・ 三 木 (2007, 2009) に 倣 い 、 収 集 量 合 計 に 対 す る 委 託 収 集 量 の 割 合 、 許 可 収 集 量 の 割 合 、 そ れ ぞ れ を 委 託 比 率 、 許 可 比 率 と し て 民 間 委 託 の 推 進 度 を 表 す 指 標 と し た 。 委 託 比 率 、 許 可 比 率 と も に 比 率 が 高 い ほ ど 民 間 委 託 の 推 進 度 が 高 い と 考 え て い る 。 表 1-3 を 見 る と 、 地 域 特 性 要 因 の 除 去 前 、 除 去 後 と も に 許 可 比 率 は 効 率 性 を 高 め る 方 向 に 作 用 し て い る の に 対 し 、 委 託 比 率 は 効 率 性 を 低 く す る 方 向 に 作 用 し て い る 。 獺 口 ・ 三 木 (2007, 2009) で は 委 託 比 率 、 許 可 比 率 と も に 人 口 当 た り 処 理 及 び 維 持 管 理 費 を 引 き 下 げ る 効 果 が あ る と の 結 論 を 得 て い る た め 、 表 1-3 の 結 果 は 整 合 的 で な い よ う に 思 え る 。 そ こ で 、 本 節 に お い て も 獺 口 ・ 三 木 (2007, 2009) と 同 様 に 人 口 当 た り 処 理 及 び 維 持 管 理 費 を 被 説 明 変 数 と し た 分 析 を 行 っ た 。 結 果 は 表 1-3 に 示 さ れ て お り 、 委 託 比 率 、 許 可 比 率 と も に 人 口 当 た り 処 理 及 び 維 持 管 理 費 を 引 き 下 げ る 効 果 が あ る と い う 結 果 が 得 ら れ た 。 こ れ ら の 結 果 を 総 合 す る と 、 委 託 と 許 可 は と も に コ ス ト 削 減 効 果 は 持 っ て お り 、 許 可 の 推 進 に 関 し て は 効 率 性 を 高 め る 効 果 が あ る 。 一 方 、 委 託 の 推 進 に 関 し て は 表 1-3 に よ り コ ス ト 節 減 効 果 が あ る こ と か ら 、 効 率 性 を 低 め る と い う よ り は 効 率 性 の 低 い 地 方 団 体 ほ ど 効 率 性 の 改 善 の た め に 委 託 を 推 進 し て い る た め 、 効 率 性 に 対 し て 符 号 が マ イ ナ ス に 出 て い る 可

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19 能 性 が あ る 。

1.6 む す び

本 章 で は ご み 処 理 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性 を 計 測 し た 。 そ の 際 、 非 裁 量 要 因 で あ る 地 域 特 性 に よ る 効 率 性 へ の 影 響 を 重 視 し 、 そ れ ら の 影 響 を 取 り 除 い た う え で 効 率 性 を 評 価 し た 。 も し 仮 に 全 て の 地 域 特 性 要 因 を 取 り 除 く こ と が で き て い れ ば 、 効 率 性 の 格 差 は 裁 量 要 因 ( 地 方 地 方 団 体 に と っ て 操 作 可 能 な 要 因 )に よ っ て 決 定 さ れ て い る こ と に な る 。地 方 団 体 間 で 効 率 性 を 比 較 す る 場 合 、 こ の 裁 量 要 因 に よ っ て 生 じ て い る 格 差 を 問 題 と す べ き で あ り 、 そ の 場 合 、 地 域 特 性 要 因 や 他 の 非 裁 量 要 因 を ど れ だ け 正 確 に 取 り 除 け て い る か が 分 析 の 精 度 を 左 右 す る こ と に な る 。 本 章 で は 、 ① 生 活 系 ご み 排 出 量 、 ② 粗 大 ご み 排 出 量 、 ③ 集 団 回 収 量 、 ④ 事 業 所 数 、 ⑤ 課 税 対 象 所 得 額 と い っ た 5 つ の 地 域 特 性 要 因 を 取 り 上 げ て 分 析 を 行 っ た が 、 変 数 の 選 択 に 関 し て は 今 後 さ ら に 精 緻 化 を 図 っ て い く 必 要 が あ る だ ろ う 。 ま た 、 裁 量 要 因 の 分 析 と し て 民 間 委 託 の 推 進 度 と 生 産 の 効 率 性 と の 関 係 性 も 本 章 で は 取 り 扱 っ た 。 結 果 と し て 、 委 託 の 推 進 は 費 用 節 減 効 果 を も た ら す も の の 、 必 ず し も 効 率 性 の 改 善 に 寄 与 す る と は 限 ら な い と い う こ と が 明 ら か に な っ た 。 こ の 結 果 か ら 、 本 章 の 分 析 に 加 え て 、 ご み の 分 別 回 収 の 方 法 と い っ た 他 の 裁 量 要 因 に よ っ て ど の よ う に 効 率 性 格 差 が 生 じ て い る か を 分 析 す る こ と が 重 要 で あ る と 言 え 、 裁 量 要 因 に つ い て 詳 細 な 分 析 を 行 う こ と が 、 地 方 団 体 に お け る 生 産 の 効 率 性 を 改 善 す る た め の 重 要 な 手 掛 か り と な る で あ ろ う 。 こ れ ら の 点 に つ い て は 今 後 の 課 題 と し た い 。

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第 2 章 生 産 要 素 の 地 域 間 配 分 と 地 方 団 体 の 生 産 性

2.1 本 章 に お け る 問 題 意 識

第 1 章 に 引 き 続 き 、本 章 で は 生 産 の 効 率 性 に 関 す る 分 析 を 行 う 。た だ し 、第 1 章 が 非 裁 量 要 因 と し て の 地 域 特 性 と の 関 係 性 に つ い て 注 目 し て い た こ と に 対 し て 、 本 章 で は 制 度 的 な 要 因 と し て 中 央 政 府 に よ っ て 地 方 団 体 の 生 産 要 素 の 水 準 が 決 定 さ れ て い る 点 に 注 目 し 、 効 率 性 と の 関 係 性 を 分 析 す る 。 こ こ で も 特 定 の 地 方 公 共 サ ー ビ ス を 取 り 上 げ る が 、生 産 要 素 に 関 し て 中 央 政 府 の 縛 り が 強 く 、 地 方 団 体 の 裁 量 が 少 な い 地 方 公 共 サ ー ビ ス と し て 警 察 サ ー ビ ス を 分 析 の 対 象 と す る 。 近 年 の わ が 国 に お け る 刑 法 犯 数 は 2004 年 か ら 2013 年 ま で の 10 年 間 で 約 49% 減 少 し て い る も の の 、国・地 方 の 財 政 状 況 は 極 め て 厳 し い 状 態 で あ る た め 、 限 ら れ た 予 算 の も と で 警 察 サ ー ビ ス に お け る 生 産 の 効 率 性 を 高 め て い く 必 要 が あ る 。 本 章 は こ う し た 問 題 意 識 の 下 、 警 察 サ ー ビ ス の 生 産 の 効 率 性 を 計 測 し よ う と す る も の で あ る 。 な お 、 こ こ で の 効 率 性 と は 、 警 察 官 等 の イ ン プ ッ ト が 防 犯 や 犯 罪 者 の 検 挙 に よ っ て 表 さ れ る 成 果 ( ア ウ ト カ ム ) を ど れ 程 効 率 的 に 生 み 出 し て い る か を 指 し て お り 、 本 章 の 分 析 目 的 に 沿 う よ う に 限 界 生 産 性 の 概 念 で 効 率 性 を 計 測 す る 。 そ の た め 、 以 降 で は 生 産 の 効 率 性 の こ と を 「 生 産 性 」 と 表 現 す る 。 ま た 、 警 察 サ ー ビ ス は 都 道 府 県 単 位 で 供 給 さ れ て お り 、 そ の 生 産 性 は 第 1 章 で 見 た ご み 処 理 サ ー ビ ス と 同 様 に 地 域 特 性 要 因 に よ り 大 き く 影 響 さ れ る と 考 え ら れ る た め 、 本 章 に お い て も そ れ ら 特 性 を 考 慮 し た う え で 生 産 性 の 計 測 を 行 う 。 各 都 道 府 県 の 限 界 生 産 性 は 仮 に 地 域 特 性 や そ の 他 の 要 因 が 同 じ で あ っ た と し て も 、 イ ン プ ッ ト の 量 の 違 い に よ っ て 影 響 を 受 け る と 考 え ら れ る 。 す な わ ち 、 限 界 生 産 性 逓 減 の 法 則 を 仮 定 す れ ば 、地 域 特 性 が 同 じ 2 つ の 都 道 府 県 を 比 較 し た と し て も 、 イ ン プ ッ ト の 量 が 多 い 都 道 府 県 に お い て 限 界 生 産 性 は 低 く 計 測 さ れ 、 イ ン プ ッ ト の 量 が 少 な い 都 道 府 県 に お い て 限 界 生 産 性 は 高 く 計 測 さ れ る の で あ る 。 そ こ で 、 本 章 で は 中 央 政 府 に よ る 生 産 要 素 の 決 定 に よ っ て 、 ど の 程 度 都 道 府 県 間 に 生 産 性 格 差 が 生 じ て い る か に 注 目 し 、 警 察 官 の 地 域 間 配 分 を 変 更 す る こ と に よ っ て 、 各 都 道 府 県 に お け る 警 察 サ ー ビ ス の 生 産 性 や ア ウ ト カ ム が

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21 ど の よ う に 変 化 す る の か を 明 ら か に す る 。 本 章 の 構 成 は 以 下 の 通 り で あ る 。 ま ず 、2.2 節 に お い て 警 察 サ ー ビ ス に お け る 生 産 性 の 決 定 要 因 に つ い て の 整 理 を 行 う 。 次 に 、2.3 節 で は 警 察 サ ー ビ ス の 供 給 に よ っ て 達 成 さ れ る ア ウ ト カ ム を 定 義 す る 。 こ こ で は 、 犯 罪 の 防 止 と 犯 罪 者 の 検 挙 と い う 、 警 察 サ ー ビ ス の 達 成 目 標 を 考 慮 し た ア ウ ト カ ム 指 標 を 作 成 す る 。2.4 節 で は 、 こ の ア ウ ト カ ム 指 標 を 用 い て 警 察 サ ー ビ ス の 限 界 生 産 性 を 計 測 し 、2.5 節 で は 推 計 さ れ た 限 界 生 産 性 の 地 域 間 格 差 が ど の よ う な 要 因 に よ っ て 生 じ て い る か を 検 証 す る 。 さ ら に 2.6 節 で は 、 地 域 内 に お い て 警 察 官 の 配 置 を 変 更 す る こ と に よ っ て 、地 域 の 安 全 性 を 高 め る こ と が で き 得 る と い う こ と を 、 全 国 レ ベ ル で み た 地 域 間 配 分 の シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に よ り 確 認 す る 。2.7 節 は 本 章 の む す び で あ る 。

2.2 生 産 性 の 決 定 要 因

2.2.1 警 察 官 の 定 員

わ が 国 の 警 察 サ ー ビ ス は 公 安 委 員 会 の 管 理 の 下 で 各 都 道 府 県 警 察 に よ っ て 供 給 さ れ て い る が 、 そ の サ ー ビ ス の 担 い 手 で あ る 都 道 府 県 警 察 の 2014 年 度 に お け る 警 察 職 員 の 定 員 合 計 は 28 万 5,968 人 で あ り 、 そ の 内 訳 は 地 方 警 務 官 ( 一 般 職 の 国 家 公 務 員 で あ る 警 視 正 以 上 の 階 級 に あ る 警 察 官 )が 628 人 、地 方 警 察 官 が 25 万 7,041 人 、一 般 職 員 が 2 万 8,299 人 と な っ て い る 。2013 年 度 に お け る 都 道 府 県 警 察 の 予 算 を 見 る と 、総 額 3 兆 1,573 億 円 の う ち 約 81% を 人 件 費 が 占 め て い る た め 、 警 察 サ ー ビ ス の 供 給 に お い て 都 道 府 県 警 察 の 職 員 、 特 に 総 職 員 数 の う ち 約 9 割 を 占 め る 警 察 官 が 重 要 な 役 割 を 果 た し て い る こ と が 分 か る1 各 都 道 府 県 警 察 に お け る 警 察 官 の 定 員 に つ い て は 、 警 察 法 第 57 条 第 2 項 に お い て「 地 方 警 察 職 員 の 定 員( 警 察 官 に つ い て は 、階 級 別 定 員 を 含 む 。)は 、条 例 で 定 め る 。 こ の 場 合 に お い て 、 警 察 官 の 定 員 に つ い て は 、 政 令 で 定 め る 基 準 に 従 わ な け れ ば な ら な い 」 と 規 定 さ れ て い る 。 す な わ ち 、 各 都 道 府 県 警 察 に お け る 警 察 官 の 定 員 は そ れ ぞ れ 条 令 で 定 め る こ と が で き る と し な が ら も 、 実 質 は 政 令 に よ っ て 大 き な 縛 り を 受 け て い る の で あ る 。 政 令 に よ る 定 員 の 基 準 は 各 都 1 こ れ ら 警 察 官 に 関 す る デ ー タ は 、 全 て 『 警 察 白 書 』 に 基 づ い て い る 。

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22 0 5000 10000 15000 20000 25000 30000 35000 40000 45000 北 海 道 青 森 岩 手 宮 城 秋 田 山 形 福 島 東 京 茨 城 栃 木 群 馬 埼 玉 千 葉 神 奈 川 新 潟 山 梨 長 野 静 岡 富 山 石 川 福 井 岐 阜 愛 知 三 重 滋 賀 京 都 大 阪 兵 庫 奈 良 和 歌 山 鳥 取 島 根 岡 山 広 島 山 口 徳 島 香 川 愛 媛 高 知 福 岡 佐 賀 長 崎 熊 本 大 分 宮 崎 鹿 児 島 沖 縄 警察官数(2003) 警察官政令定数(2003) 図 2-1 警 察 官 政 令 定 数 と 警 察 官 数 出 所 ) 警 察 法 施 行 令 附 則 第 24 項 、 お よ び 『 統 計 で 見 る 都 道 府 県 の す が た 』 よ り 作 成 道 府 県 の 人 口 、面 積 、犯 罪 発 生 状 況 、そ の 他 特 殊 事 情 な ど を 考 慮 し て 定 め ら れ 、 さ ら に 警 察 官 の 数 が 基 準 財 政 需 要 額 の 測 定 単 位 に な っ て い る こ と か ら 、 警 察 官 以 外 の 生 産 要 素 の 配 分 に つ い て も 政 令 に よ っ て 決 ま っ て い る と い っ て も 過 言 で は な い 。 図 2-1 は 2003 年 度 に お い て 、 警 察 法 施 行 令 第 7 条 に お い て 定 め ら れ て い る 地 方 警 察 官 の 政 令 定 数 と 実 際 の 警 察 官 の 数 を 比 較 し た も の で あ る 。 東 京 、 千 葉 が 定 数 以 上 の 警 察 官 の 配 置 を し て い る も の の 、 ほ と ん ど の 道 府 県 が 政 令 定 数 に 従 っ て い る こ と が 分 か る 。 東 京 都 の 警 察 官 数 の 中 に は 要 人 警 護 任 務 に 専 従 す る 警 察 官 が 多 く 含 ま れ て い る と 考 え ら れ 、 そ の 影 響 は 無 視 で き な い 。 し か し 、 他 の 道 府 県 警 察 に お い て も 警 備 部 警 備 課 も し く は 刑 事 部 に 属 す る 要 人 警 護 を 行 う 警 察 官 が 含 ま れ て い る た め 、 人 数 の 違 い は あ る に せ よ 警 護 任 務 に 専 従 す る 警 察 官 の 存 在 は 東 京 都 に 限 っ た こ と で は な い 。 ま た 、 こ れ ら 警 護 任 務 に 専 従 す る 警 察 官 の 人 数 は 統 計 デ ー タ か ら 入 手 で き ず 区 別 で き な い た め 、 本 章 に お け る 以 降 の 分 析 に お い て は 、 警 察 官 数 そ の も の を イ ン プ ッ ト と し て 用 い る こ と と す る 。 ( 人 )

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2.2.2 生 産 性 の 決 定 要 因 と そ の 変 化

第 1 章 で も 見 た よ う に 、地 方 公 共 サ ー ビ ス に お け る 生 産 性 は 地 方 団 体 の 技 術 的 な 側 面 と し て 捉 え ら れ る ① 裁 量 要 因 、 そ し て 地 方 団 体 に と っ て の 非 裁 量 的 な 側 面 と し て の ② 地 域 特 性 要 因 、と い っ た 大 き く 2 つ の 要 因 に よ っ て 決 定 さ れ る と 考 え ら れ る 。 そ し て 更 に 本 章 で は 地 域 特 性 と は 別 の 非 裁 量 要 因 と し て 、 ③ 生 産 要 素( こ こ で は 警 察 官 )の 地 域 間 配 分 、と い っ た 3 つ 目 の 要 因 を 取 り 上 げ る 。 表 2-1 は 警 察 サ ー ビ ス の 生 産 性 に 影 響 を 与 え る 要 因 を 整 理 し た も の で あ る 。 裁 量 要 因 と は 防 犯 や 犯 罪 の 検 挙 に あ た っ て 各 都 道 府 県 警 察 が 有 し て い る 技 術 的 な 特 性 の こ と を 指 し 、 捜 査 方 法 や 捜 査 能 力 の 違 い が 犯 罪 発 生 件 数 や 検 挙 件 数 に 影 響 を 与 え る で あ ろ う 。 ま た 、 地 域 特 性 と は 都 道 府 県 ご と の 気 象 条 件 、 地 理 的 条 件 、 経 済 的 条 件 と い っ た 、 各 都 道 府 県 固 有 の 特 性 の 事 を 指 し 、 犯 罪 発 生 件 数 そ の も の に 大 き く 影 響 を 与 え る と と も に 、 発 生 し た 犯 罪 の 検 挙 件 数 に も 影 響 を 及 ぼ す で あ ろ う 。 一 方 、 警 察 官 の 都 道 府 県 間 配 分 は 、 警 察 サ ー ビ ス に お け る ア ウ ト カ ム の 達 成 に お い て 限 界 生 産 性 逓 減 の 法 則 を 仮 定 す る な ら 、 警 察 官 数 の 多 い 都 道 府 県 に お い て 限 界 生 産 性 は 低 く な り 、 少 な い 都 道 府 県 に お い て 限 界 生 産 性 は 高 く な る 。 先 述 し た よ う に 、 警 察 法 施 行 令 第 7 条 に 基 づ い て 、 各 都 道 府 県 の 警 察 官 の 政 令 定 数 が 決 定 さ れ て い る た め 、裁 量 要 因 や 地 域 特 性 要 因 が 全 く 同 じ 2 つ の 都 道 府 県 の 生 産 性 を 比 較 し て も 、 警 察 官 が 多 く 配 分 さ れ て い る 都 道 府 県 に お い て 限 界 生 産 性 は 低 く 計 測 さ れ る 。 こ の よ う に 警 察 サ ー ビ ス の 限 界 生 産 性 は 3 つ の 要 因 が 合 わ さ っ た 結 果 と し て 表 2-1 警 察 サ ー ビ ス の 生 産 性 の 決 定 要 因 生 産 性 の 決 定 要 因 本 章 の 分 析 に お け る 位 置 づ け ① 裁 量 要 因 警 察 官 の 人 数 が 同 じ で あ っ た と し て も 生 産 性 が 異 な る 。 非 裁 量 要 因 ② 地 域 特 性 要 因 ③ 国 に よ る 生 産 要 素 の 都 道 府 県 間 配 分 裁 量 要 因 や 地 域 特 性 が 同 じ で あ っ た と し て も 生 産 性 が 異 な る 。

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