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博士(工学)道券正延 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(工学)道券正延 学位論文題名

混成集 積回路 における構造設計および素子形成技術の研究 学位論文内容の要旨

  本論文は童化タンタル系薄膜を用いた混成集積回路の構造設計および製造技術 に関するもので、高精度、高安定アナログ回路(RCアクテイブフイルタ回路)

の集積化のため新しい混成集積回路の実現を目的として行った一連の研究成果を まとめたものである。

  電子装置の発展にともない、装置の小型化、高性能化、高信頼化、経済化に対 する要求敬より一層強くなっている。この要求を満足するものとして、半導体集 積回路技術カ簡rしい発展をとげ、必要欠くべからざるものとなった。しかし、半 導体集積回路では実現できない広い範囲の電圧、.電流、周波数および高精度アナ ログ回路の分野において、半導体集積回路と薄膜あるいは厚膜集積回路とを組み 合わ せた 混成 集積回 路( ハイ ブリッ ドIC)が1970年代に 実用化され、装置の 小型化、高性能化、高信頼化がはかられた。通信の分野では、性能、精度、安定 性の上から優れた特性を持っタンタル薄膜をべースとした薄膜混成集積回路が広 く用いられている。

  特に、音声周波数帯で強大形で重量の重いインダクタンスを用いたフイルタが 実用されていたが、小型化、高精度化に対する強い要請があり、混成集積化の容 易なRCア クテ イブフ イル タの 研究が 盛ん とな った 。RCア クテイブフイルタの 理論解析や実験用回路の試作は古くから行われているので、今後の研究課題は、

現在の集積回路技術を応用して、いかにして小型で安定なフイルタを実用化する かにある。

  まずRCアクテイブフイルタ回路に適する素子として、小型・高信頼であり、

かつ混成集積化が容易である分布RC素子をとりあげ、実用に耐える安定性を有 する分布RC素子の襲遣技術について研究した。抵抗材料として使用されている 窒化タンタルをべースとして考え、窒化タンタルの陽極酸化膜が容量素子形成材 料(誘電体)として良好な特性を有することを見いだした。そこで、分布RC素子 の抵抗部および容量部を同一材料から形成することにより、工程が簡略化され、

(2)

集 中RC素 子 も 同 時 に 形 成 で き る 利 点 があ る と の 観 点 か ら 研 究 を 行 った 。   その結果、窒化タンタルの成膜条件、誘電体形成のための陽極酸化条件を選ぶ こ とに よ り 素 子 特 性 の 温 度 変 化が −40p pm/℃ 程度 と、 良好な 分布RC素 子 を得た。

  続い て、 形状 が長方形の分布RC素子を組み合わせた階段形分布ブリッジTを 考案し、これにより狭帯域特性が得られ、かっノッチ周波数の調節が容易となる ことを明らかとした。

  さらに分布RC素子の安定性、信頼性に関する研究を行い、竃化タンタルから 形 成 し た 分 布RC素 子 な 、40℃ 、105時 間 ( 約11年 ) 後 の ノ ッ チ 周 波数 の 変 化 量 はO.0296以 内 、 故 障 串 な20FIT以 下 と 推 定 さ れ 、 高 安 定 、 高信 頼 であるとの結果を得た。

  この結果から、商用に耐えることを確認し、電電公社通信機器であるジャーナ ル テ ー プ プ リ ン タFS受 信 機 の 混 成 集 積 回 路 に 導 入 し 実 用 に 供 レ た 。   タンタル薄膜容量素子には、゛純タンタルを用いて形成するものが広く用いられ ている。しかし、タンタル薄膜抵抗素子と比較して、温度係数、経時変化が大き くRCアクテイブフイルタに用いるために強、さらに高安定、低温度係数の容量 素子が必要でる。

  上述の分布RC素子の研究結果から、窒化タンタル薄膜をべースとした容量素 子は、純タンタルを用いた素子より、安定性、温度係数、耐熱性に優れ、さらに 損失が小さい等の良好な特性を有し、また信頼度も高いことが判明した。この成 果を発展させ、窒化タンタル薄膜容量素子について誘電体形成のための陽極酸化 条件を詳細に検討し、窒化タンタルスパッタ条件、電極蒸着条件等の素子形成条 件を最 適化 し、 故障 串1FIT以下 の高 信頼 で低温 度係数、低損失の容量素子を 開発した。窒化タンタル薄膜容量素子は、量産技術レベルにおいてもRCアクテ イ ブフ イ ル タ を 実 現 す る た め の目 標 特 性を 満足 する こと を明ら かと した 。   混成集積回路は多くの搭載部品を実装するため、部品に耐熱性を要求する。こ のため、窒化タンタル薄膜容量素子の高い耐熱性誼組立接続および実装工程にお ける温度管理を容易とする利点となる。

  一方、高精度RCアクテイブフイルタを構成する観点から、新しい混成集積回 路構造として半田溶融接続形混成集積回路が黒沢によって提案され、製遣技術の 研究を 開始 した 。当初、接続技術の2大主流である半導体ICのビームリード熱 圧着技術およびフリップチップ半田接続技術を検討した。その結果、個別部品の 搭載を必要とする場合には半田接続が必要であること、基板周辺部のみならず、

任意の掲所に接読点を殻け得ること、接続面積を少なくできること、立体交差配

(3)

線が形成できること等の利点が半田接続技術に考えられた。半田溶融接続法は、

従来、熱圧着接境で使用されていた薄膜回路基板に対して半田接続を導入し、個 男IJ部品、半導体IC等の各々の相互接続を、単一技術で行うことを可能としたも のと位置づけられる。

  技術の単一化のねらい注必要装置数の低滅、工程の簡略化、および工程管理、

検 査 、 . 信 頼 度 評 価 を 容 易 と す る こ と に よ る 経 済 化 に あ る 。   半田溶融接続構造では素子の耐熱性が要求ぎれ、純タンタルから形成した薄膜 容量素子を使用する揚合強、半田を半溶融の状態で用いざるを得なかった。これ に対し、窒化タンタル薄膜容量素子は高い耐熱性を有し、半田を完全溶融状態と することを可能とした。このため、溶融状態の半田の表面張カにより薄膜回路基 板の支持ならびに接続位置の自己修正機能を持たせることが可能となり、部品偏 差を吸収し、組立接続工程の余裕度を広げ、特sIJに寸法精度の高い部品を必要と し な い こ と を 明 か と し た 。 ま た 、 経 済 化 の た め 厚 膜 技 術 も 導 入 し た 。   読いてカ学的観点から接続部の理論解析を行い、接続部の構造設計法を確立し た。また、各種環境条件において接続特性の評価を行った。その結果、接続点の 故 障 串 はO.1FIT以 下 、 接 続 強 度は 接 続点 あ たり1.5Kgの良 好 な結 果 を得 た。

  半田溶融接続形混成集積回路誼窒化タンタル薄膜容量素子とともに電電公社の 電話 交換機の中 に用いるMF受信器用としての適用を検討し、信頼性を含めた諸 特性の評価の後、実用化された。

  さらに、パターン微細化にともない加工技術斌ウエット法からドライ法へと発 展した。しかしながらドライエッチングにおいて、基板内に加工の不均一が認め られ、大形基板に対し問題点となっていた。均一化を目的として、エッチングガ スの種類、圧力、温度等の条件について検討がなされたが、十分な均一性を得ら れなかった。そこで、これを解決するため、まず加工均一性に影響を与える要因 を調べ、エッチングに寄与する励起原子の拡散により濃度分布が生じ、エッチン グ速度分布が決定されることを明らかとした。

  このことから、励起原子の拡散状態を空間的に制御することによルエッチング 遼度分布を均一化する方法を提案した。また励起原子について拡散方程式を解く ことにより均一化の効果を説明できることを明らかとした。拡散層の厚さ汢2〜 8mmと 推 定さ れ 、均 一 化リ ン グと ウ エハ と の 間隔 は4mm程度 ま で近 づ けるこ とにより均一性を向上できるとの結諭を得た。  、

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

混成集積回路における構造設計および素子形成技術の研究

  本論文は窒 化タンタル系薄膜を用いた混成集積回路の構造設計およ び製造 技術 に関 する もの で、 高 精度 、高 安定 アナ ログ 回路 (RCアクテイブ フイル タ回路)の集 積化のための新しい混成集積回路の実現を目的として行 った一 連の研究成果をまとめたものである。

  電子装置の 発展にともない、装置の小型化、高性能化、高信頼化、 経済化 に対する要求 はより一層強くなっている。この要求を満足するものと して、

半導体集積回路技術が著しい発展をとげ、必要欠くべからざるものとなった。

しかし、半導 体集積回路では実現できない広い範囲の電圧、電流、周 波数お よび高精度ア ナログ回路の分野において、半導体集積回路と薄膜ある いは厚 膜 集 積 回 路 と を 組 み 合 わ せ た 混 成 集 積回 路( ハイ ブリ ッドIC) が1970 代に実用化さ れ、装置の小型化、高性能化、高信頼化がはかられた。 通信の 分野では、性 能、精度、安定性の上から優れた特性を持っタンタル薄 膜をべ ースとした薄膜混成集積回路が広く用い られている。

  特に、音声 周波数帯では大形で重量の重いインダクタンスを用いた フイル タが実用され ていたが、小型化、高精度化に対する強い要請があり、 混威集 積 化 の 容 易 なRCア ク テ イ ブ フ イ ル タ の研 究が 盛ん とな った 。RCアク テイ ブフイルタの 理論解析や実験用回路の試作は古くから行われているの で、今 後の研究課題 は、現在の集積回路技術を応用して、いかにして小型で 安定な フ イ ル タ を 実 用 化 す る 。 研 究 の 成 果 は 以 下 の 通 り で あ る 。 1. RCアク テイ ブフ イル 夕回 路に適する素子として、小型・高信頼で あり、

    かつ 混成 集積 化が 容 易で ある 分布RC素 子を とり あげ、実用に耐 える安     定性 を有 する 分布RC素子 の製 造技 術に つい て研 究した。窒化タ ンタル     薄膜をべースとした容量素子は、純タンタルを用いた素子より、安定性、

    温度係数 、耐熱性に優れ、さらに損失が小さい等の良好な特性を 有し、

    また信頼度も高いことが判明した。

‑ 381−,

彦 昭

吉 博

笠 川

頭 川

   

   

武 小

田 長

授 授

授 授

教 教

教 教

査 査

査 査

主 副

副 副

(5)

2.形状 が長方形の分布RC素子を組み合わせた階段形分布ブリッジTを考     案し、これにより狭帯域特性が得られ、かつノッチ周波数の調節が容易     で、高安定性、高信頼性が得られることが判明した。その結果、テープ     プリンタFS受信機の混成集積回路に導入し実用に供した。窒化タンタ     ル か ら形 成 した 分 布RC素 子は 、40℃ 、105時間 ( 約11年 )後の     ノ ッ チ周 波 数の 変 化 量は0.02% 以内 、 故 障率 は20FIT以 下と推     定された。

3.高精度RCアクテイブフイルタを構成する観点から、新しい混成集積回     路構造として半田溶融接続形混成集積回路について、製造技術の研究を     行い、熱圧着接続で使用されていた薄膜回路基板に対して半田接続を導     入し、個別部品、半導体IC等の各々の柑互接続を、単一技術で行うこ     とを可能とした。

4.パターン微細化にともない加工技術はウェット法からドライ法へと発展     させ、ドライェッチングにおいて、基板内に加工の不均一が認められた     が、加工均一性に影響を与える要因を調ベ、励起原子の拡散状態を空間     的に制御することによルェッチング速度分布を均一化する方法を提案し     た。また励起原子について拡散方程式を解くことにより均一化の効果を     説明できることを明らかとした。拡散層の厚さは2〜3mmと推定され、

    均一化リングとウェハとの間隔は4mm程度まで近づけることにより均     一性を向上できるとの結諭を得た。

  これを要するに、著者は混成集積回路にっいて構造設計・素子形成技術上 の新知見を得たものであり、集積回路工学、電子デバイス工学に貢献すると ころ大なるものがある。

  よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるもの と認める。

参照

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