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博士(農学) 齊藤美樹 学位論文題名

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Academic year: 2021

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(1)

     博士(農学)   齊藤美樹 学位論文題名

     捕 食 性 土 着 天 敵 ヤ ド リ ダ ニ 類 を 用 い た 作物加害性コナダニ類の生物的防除に関する研究

学位論文内容の要旨

  

近 年 , 施 設 栽 培 ホ ウ レ ン ソ ウ に お い て , 茎 葉 部 を 加 害 す る ホ ウ レ ン ソ ウ ケ ナ ガ コ ナ ダ ニ

7:vrophagus similis Volgin

( ダ ニ 亜 網 : コ ナ ダ ニ 科 ; 以 下 , ホ ウ コ ナ ダ ニ と 略 記 ) の 被 害 が 甚 大 と な っ て い る . 本 種 は 化 学 的 防 除 が 困 難 な た め , 土 着 の 捕 食 性 天 敵 で あ る ヤ ド リ ダ ニ 類 ( ダ ニ 亜 綱 : ヤ ド リ ダ ニ 団 ) を 活 用 し た 土 壌 中 で の 生 物 的 防 除 法 開 発 が 望 ま れ て い る . 本 研 究 で は , そ の た め の 基 礎 的 デ ー タ を 得 る 目 的 で , ヤ ド リ ダ ニ 類 の ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 に 韜 け る 種 構 成 , ホ ウ コ ナ ダ ニ 捕 食 者 と し て の 能 カ を 評 価 し た . ま た , 応 用 に と っ て 不 可 欠 な ヤ ド リ ダ ニ 類 の 生 物 農 薬 と し て の 適 性 , 他 の 病 害 虫 防 除 の た め に 圃 場 で 用 い ら れ る 殺 虫 剤 お よ び 土 壌 消 毒 剤 に 対 す る 耐 性 等 を 検 討 し , そ の 利 用 可 能 性 に つ い て 明 ら か に し た .

  

1

) ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 に お け る 土 着 ヤ ド リ ダ ニ 相

  

北 海 道 の ホ ウ レ ン ソ ウ 施 設 栽 培 圃 場 に 発 生 す る 土 着 ヤ ド リ ダ ニ 類 の 種 構 成 を 明 ら か に し ・ 土 壌 中 の ホ ウ コ ナ ダ ニ お よ び ト ビ ム シ 類 ( 内 顎 綱 : ト ビ ム シ 目 ) の 密 度 増 減 と , 主 要 ヤ ド リ ダ ニ 類 の 密 度 増 減 の 相 関 関 係 を 調 べ た .

  

ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 に お い て ヤ ド リ ダ ニ 相 は ほ ば 共 通 し て お り ,

Ascidae

( マ ヨ イ ダ ニ 科 )

sp.l

お よ び

Ascidae sp.2

Hypoasp

sp

. ( ト ゲ ダ ニ 科 ) , ル 幽 伽 出 出

ssp

. ( ハ エ ダ ニ 科 ) , の 珊 魍 翻 閏

as

恥 甜 以 耐

w

Athias

Henriot

冫 ( ヤ ド リ ダ ニ 科 ) お よ び ア ル ス ト ン ホ コ ダ ニ 協 出

D

ぬ 印 甜 恥 畠 お め

mEvans

( ホ コ ダ ニ 科 ) の 出 現 頻 度 や 発 生 個 体 数 が 多 か っ た .

  

ほ と ん ど の ヤ ド リ ダ ニ 類 は , 深 さ

0

5cm

の 表 層 土 壌 で 密 度 が 最 も 高 く , 深 度 が 深 く な る に 従 っ て 低 く な る 傾 向 が 見 ら れ た が , ト ゲ ダ ニ モ ド キ 貝 ゆ 餾 印 お 緬

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托 珊 (

Wbmersley

) で は , 深 い 深 度 で の 構 成 割 合 が 高 か っ た . ま た , 大 半 の 種 に は 明 瞭 な 季 節 消 長 は な か っ た が ,

A

sp

2

だ け は 夏 季 か ら 秋 季 に か け て が 発 生 に 好 適 な 時 期 で あ る こ と が わ か っ た . な お ,

Msp

. は 発 生 期 間 が 比 較 的 短 く , 土 壌 消 毒 後 も 速 や か に 密 度 が 回 復 し た こ と か ら , 継 続 的 に 同 じ 場 所 に 発 生 す る の で は な く , 圃 場 ヘ 外 部 か ら 侵 入 す る 種 で あ る と 考 え ら れ た .

  

sp

. は ホ ウ コ ナ ダ ニ と ,

nZsp

. は ト ビ ム シ 類 と 同 調 し た 密 度 変 動 を 示 す こ と か ら , こ れ ら の 問 に は 一 定 の 捕 食 ‐ 被 食 者 関 係 が あ る と 考 え ら れ た . た だ し , 多 く の ヤ ド リ ダ ニ 類 は 特 定 の 被 食 者 と あ ま り 強 い 相 関 を 持 た な い 「 ジ ェ ネ ラ リ ス ト ( 広 食 性 ) 捕 食 者 」 で あ る こ と が 示 唆 さ れ た ,

2

) 土 着 ヤ ド リ ダ ニ 種 の 記 載

  

本 研 究 を 通 じ て , 日 本 未 記 録 ヤ ド リ ダ ニ 類

3

種 が 発 見 さ れ た , そ こ で , そ れ ら の 分 類 形 質 や 生 殖 方 法 な ど を 調 査 し , 種 の 同 定 を 行 っ た .

  A

8p

2

Pm

幻 髀 閲

a

舶 口 恥 閲 丘 冶

Karg

と 同 定 さ れ た . ま た , 未 報 告 で あ っ た 雄 成 虫 を 発 見 し , 和 名 「 ク ビ レ マ ヨ イ ダ ニ 」 を 提 案 し た .

H

印 . 絃 匂 ア 〇

a

印 お

j

珊 飴 ぬ 珊

aZ

Wiumann

と 同 定 , 和 名 「 タ ン カ ン ホ ソ ト ゲ ダ ニ 」 を 提 案 し た .

nZ8p

. は ル 臼 伽 出 出

s

m

丘 嵒Krantz

FiHpponi

と 同 定 , 和 名 「 ニ セ ハ エ ダ ニ 」 を 提 案 し た .

3

) ホ ウ コ ナ ダ ニ 捕 食 性 種 の ス ク リ ー ニ ン グ

  

前 記 の 研 究 で 明 ら か に な っ た ヤ ド リ ダ ニ 類 に つ い て , ホ ウ コ ナ ダ ニ の 捕 食 者 を ス ク リ ー ニ ン グ し た ,

  

ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 の 土 壌 お よ び 籾 殻 主 体 の 野 積 み 堆 肥 試 料 へ , ホ ウ コ ナ ダ ニ を 主 と し た 培 地 を 添 加 し て 捕 食 性 ダ ニ の 増 殖 を は か っ た 結 果 , そ れ ら の 一 部 を 充 分 な 密 度 に ま で 高 め

123 ‑

(2)

る こ と が で き た . ま た , 採 取 直 後 の 試 料 か ら は 未 確 認 で あ っ た ヤ マ ウ チ ア シ ボ ソ ト ゲ ダ ニ Hypoaspお ル z田 aU出 ガ Ishikawa( ト ゲ ダ ニ 科 ) を 含 む 3種 を 新 た に 確 認 し た .

(4) ヤ ド リ ダ ニ 類 の ホ ウ コ ナ ダ ニ 捕 食 能 力

  主 要 な ヤ ド リ ダ ニ 類 の ホ ウ コ ナ ダ ニ に 対 す る 捕 食 能 カ を 明 ら か に し , 代 替 餌 を 用 い た 累 代 飼 育 の 可 否 や 絶 食 耐 性 な ど に つ い て も 調 査 し , 新 た な 生 物 農 薬 の 候 補 種 を 探 索 し た .   小 型 種A,sp.1お よ び ク ビ レ マ ヨ イ ダ ニ , 中 型 種 タ ン カ ン ホ ソ ト ゲ ダ ニ お よ び ト ゲ ダ ニ モ ド キ , 大 型 種 ヤ マ ウ チ ア シ ボ ソ ト ゲ ダ ニ , ニ セ ハ エ ダ ニ お よ び ビ 出I伽f恥 は , い ず れ も ホ ウ コ ナ ダ ニ を よ く 捕 食 す る こ と が 明 ら か と な っ た . 中 型 種 の ト ゲ ダ ニ モ ド キ と 大 型3種 は ホ ウ コ ナ ダ ニ 捕 食 能 カ が 特 に 高 く , 卵 を 除 く 全 発 育 ス テ ー ジ に 対 し て 捕 食 が 確 認 さ れ た .   捕 食 行 動 に 適 す る 温 度 帯 は ト ゲ ダ ニ モ ド キ と ニ セ ハ エ ダ ニ で20〜30°C, ヤ マ ウ チ ア シ ボ ソ ト ゲ ダ ニ で20〜25°C, ¢ 出 血rfHsで は15〜30゜Cで あ っ た . ト ゲ ダ ニ モ ド キ お よ び ヤ マ ウ チ ア シ ボ ソ ト ゲ ダ ニ は 絶 食 耐 性 が 高 く , さ ら に , 籾 殻 培 地 に お い て ケ ナ ガ コ ナ ダ ニ 乃2叩 轟a駟spu加s飴 口 ぬ をP(Schrank) を 代 替 餌 に 用 い た 累 代 飼 育 が 可 能 で あ っ た . 一 方 , ニ セ ハ エ ダ ニ お よ び ¢ 出 励rfwで は , ケ ナ ガ コ ナ ダ ニ を 用 い た 累 代 飼 育 は 困 難 で あ っ た .

(5) 化 学 農 薬 の 影 響

  化 学 農 薬 を 利 用 し た ホ ウ レ ン ソ ウ 栽 培 条 件 下 で ヤ ド リ ダ ニ 類 が 活 用 可 能 か 否 か を 明 ら か に す る た め , 殺 虫 剤 散 布 剤 , 土 壌 施 用 粒 剤 お よ ぴ 土 壌 消 毒 剤 よ る 影 響 を 調 査 し た .   供 試 し たDDVP乳 剤 , エ マ メ ク チ ン 安 息 香 酸 塩 乳 剤 お よ び フ ル フ ェ ノ ク ス ロ ン 乳 剤 は , 各 薬 剤 の1回 散 布 , 農 家 慣 行 散 布 の い ず れ の 方 法 で も 土 壌 中 の ヤ ド リ ダ ニ 類 に 影 響 を 与 え な か っ た . 土 壌 施 用 剤 の う ちDCIP粒 剤 で は , 施 用 直 後 に は タ ン カ ン ホ ソ ト ゲ ダ ニ の 密 度 が や や 低 く な っ た が , 処 理15日 後 に は 再 発 が 確 認 さ れ , 影 響 は 一 時 的 で あ っ た . カ ー バ ム ナ ト リ ウ ム 塩 液 剤 に よ る 土 壌 消 毒 直 後 は , ヤ ド リ ダ ニ 類 を 含 む 土 壌 動 物 に 対 し て 大 き な 影 響 が あ っ た が ,A.sp.1, ク ビ レ マ ヨ イ ダ ニ お よ び ニ セ ハ エ ダ ニ に 対 す る 影 響 は 一 時 的 で あ っ た , 土 壌 消 毒 は 特 に タ ン カ ン ホ ソ ト ゲ ダ ニ お よ び ¢dぬMで 恥 に 対 し て 影 響 が 大 き い 可 能 性 が 示 唆 さ れ た .

(6) 圃 場 へ の 資 材 施 用 に よ る 保 護 利 用

  ホ ウ コ ナ ダ ニ 増 殖 を 未 然 に 防 ぐ 土 壌 条 件 を っ く る た め , 本 種 が 餌 と し て 利 用 し に く く , ヤ ド リ ダ ニ 類 や ト ビ ム シ 類 な ど 土 壌 動 物 群 集 の 密 度 が 増 加 し や す い 資 材 を , 各 種 有 機 質 資 材 お よ び 土 壌 改 良 資 材 か ら 探 索 し た .

  未 分 解 の 植 物 性 資 材 で あ る 籾 殻 お よ び 菜 種 か す は , ホ ウ コ ナ ダ ニ が 増 殖 し や す い 資 材 で あ っ た . 室 内 試 験 に よ っ て ホ ウ コ ナ ダ ニ の 増 殖 に 不 適 と み な さ れ て い た 動 物 質 資 材 う ち , 魚 か す ペ レ ッ ト お よ び 鶏 糞 ペ レ ッ ト で は , 土 壌 施 用 に よ っ て ホ ウ コ ナ ダ ニ 密 度 が 高 く な る 傾 向 が あ っ た . 有 機 質 の 分 解 が 進 ん だ 籾 殻 く ん 炭 , 特 殊 発 酵 鶏 糞 , 牛 糞 堆 肥 お よ ぴ バ ー ク 堆 肥 で は , ホ ウ コ ナ ダ ニ の 増 殖 は 少 な か っ た ,

  ほ と ん ど の 有 機 質 資 材 で は , 圃 場 へ の 施 用 に よ り 主 要 な ホ ウ コ ナ ダ ニ 捕 食 ヤ ド リ ダ ニ 類 お よ び ト ビ ム シ 類 の 密 度 が 増 加 し た . こ の こ と は , ホ ウ コ ナ ダ ニ の 重 要 な 天 敵 類 の 個 体 数 保 持 に , 有 機 資 材 の 投 入 が 有 効 で あ る こ と を 強 く 示 唆 し て い た .

(7) ま と め

  本 研 究 で は , 未 活 用 の 生 物 資 源 ヤ ド リ ダ ニ 類 に 焦 点 を 当 て , ホ ウ コ ナ ダ ニ 防 除 へ の 活 用 を 目 指 し た , ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 に は そ の 特 有 の 土 壌 条 件 に 適 応 し た ヤ ド リ ダ ニ 類 が 存 在 し , 多 く が ホ ウ コ ナ ダ ニ を 捕 食 す る こ と を 発 見 し た . そ れ ら の 捕 食 能 カ や 累 代 飼 育 の 試 み か ら 生 物 農 薬 と な り 得 る 特 性 を 持 っ た 候 補 種 を 絞 り 込 み , ま た , 圃 場 に お け る 保 護 利 用 法 等 新 し い 知 見 を 得 た . こ れ ら の 知 見 の 活 用 に よ り , ホ ウ レ ン ソ ウ 栽 培 に お い て 問 題 と な る ホ ウ コ ナ ダ ニ に 対 し , 慣 行 防 除 法 に ヤ ド リ ダ ニ 類 の 大 量 放 飼 ま た は 有 機 質 資 材 に よ る 保 護 活 用 法 を 組 み 込 ん だ , 新 た な 防 除 体 系 が 実 現 可 能 で あ る と 考 え ら れ た ,

―124―

(3)

学位論文審査の要旨

特任 教授 教授 教授 教授

学 位 論 文 題 名

    

裕 信一 久徳

    

元(北海道教育大学)

捕食性土着天敵ヤドリダニ類を用いた

作物加害性コナダニ類の生物的防除に関する研究

  本 論 文 は , 図 表 を 含 め188ベ ー ジ , 引 用 文 献119か ら なり , 和 文 で 書 か れて い る , 他 に 参 考論 文5編が 添 え ら れ てい る .

  ホウ レ ン ソ ウ ケ ナ ガ コナ ダ ニTY′pカ 刪 ぷJr所 ノ おVolgin( 以下 ホ ウ コ ナ ダ 二 ) は, ホ ウ レ ン ソ ウ の新 芽 部 を 加 害し 商 品 価 値 を 低 下 させ る こ と か ら , 全国 的 な 問 題 と な って い る , 本 種 は 有 機物を 餌に 耕作土 壌に 生 息 す る が, 土 壌 水 分 の 変 動 等に よ っ て 茎 葉 部 に移 動 す る た め , 化学 農 薬 を 中 心 と し た従来 の防 除法で は被 害 抑 制 が 難し く , 効 果 的 な 防 除技 術 が 求 め ら れ てい る .

  本研 究 で は , 土 壌 中 のホ ウ コ ナ ダ 二 個 体群 制御 に土 着の捕 食性 天敵ヤ ドリ ダニ類 を活 用する こと を目指 し,

そ の 種 構成 , 捕 食 能 力 , 生 物農 薬 と し て の 適 性, 殺 虫 剤 に よ る 影響 等 を 明 ら か に し ,ホウ レン ソウ圃 場で の 保 護 利 用法 に つ い て 検 討 し た.

1. ホ ウ レ ン ソ ウ団 場 の 土 着 ヤ ド リダ ニ 相

  ホウ レ ン ソ ウ 圃 場 に 発生 す る ヤ ド リ ダ 二類 を 明 ら か に し ,ホ ウ コ ナ ダ ニ お よ びト ピムシ 類の 密度増 減と の 相 関 関 係か ら , 被 食 ― 捕 食 関係 に つ い て 推 測 した .

  ホウ レ ン ソ ウ 圃 場 に おい て 種 構 成 は ほ ぼ共 通 し て お り , 湿潤 一 乾 燥 を 繰 り 返 す特 有の土 壌条 件に適 応し た 種 で あ るこ と が 示 唆 さ れ た .  Hypoaspis sp.はホ ウコ ナダニ と,Macrocheles sp.はト ピムシ 類と 密度変 動に 緩 い 相 関関 係 が 見 ら れ た が ,こ れ ら を 含 め い ずれ の 種 も 特 定 の 被食 者 と 強 い 相 関関 係を 持たな いジ ェネラ リ ス ト で ある 可 能 性 が 示 唆 さ れた .

2.土 着 ヤ ド ル ダ ニ 種の 記 載

  ホ ウ レ ン ソ ウ 圃 場 か ら 得 た 日 本 未 記 録 種 に つ い て , 分 類 形 質 や 生 殖 方 法 等 か ら 種 の 同 定 を 行 っ た .   Ascidae sp.2はProtogamasellus mica Kargと 同 定し , 和 名 を ク ピ レマ ヨ イ ダ ニ と 提 案 した . ま た , 未 報 告 で あ っ た 雄成 虫 を 発 見 し た ,Hypoaspis sp.はHypoaspis (Gaeoノaelaps) praesternalis WilImannと同 定 し , 和 名 を タン カ ン ホ ソ ト ゲ ダ ニと 提 案 し た .  Macroc加/PJsp. は脇ガ ロカP/PJ灯所 ノおKrantz&Filipponi と 同 定 し , 和名 を ニ セ ハ エ ダ ニ と提 案 し た .

3. ホ ウ コ ナ ダ ニ捕 食 種 の ス ク ル ーニ ン グ

  多様 な ヤ ド リ ダ ニ 類 を含 む ホ ウ レ ン ソ ウ圃 場 の 土 壌 お よ び野 積 み 堆 肥 か ら , ホウ コナダ 二捕 食種の スク リ ー ニ ン グを 試 み た .

  試料 へ の ホ ウ コ ナ ダ 二培 地 添 加 に よ っ て各 種 土 壌 動 物 が 増殖 し た た め , ホ ウ コナ ダニを 捕食 しない ヤド リ ダ ニ 類 であ っ て も 増 殖 可 能 な条 件 で あ っ た が ,大 幅 に 密 度 を 高 める こ と が で き た. また ,採取 直後 の試料 か ら は 未 確認 の3種を 新 た に 得 た こ とか ら , 本 法 は ホ ウ コナ ダ ニ を 捕 食 す る可 能 性 が あ る 種 を効 率 よ く 得る 手 段 と し て有 効 で あ っ た .

4.ホ ウコ ナダニ 捕食 能力

  主要 ヤ ド リ ダ 二 類 の ホウ コ ナ ダ 二 捕 食 能カ を 明 ら か に し ,代 替 餌 を 用 い た 累 代飼 育の 可否 等につ いて も調 査し て, 新たな 生物 農薬の 候補 種を探 索し た.

  供 試 し た7種 は い ず れも ホ ウ コ ナ ダ ニ を捕 食 し た , 大 型 の4種 は 捕食 能 カ が 高 く , 捕 食行 動 が 活 発 と な る 温 度 帯 は ホ ウ コ ナ ダ ニ の 増 殖 に 好 適 な 温 度 条 件 と 至 近 で あ っ た . 特 に ト ゲ ダ ニ モ ド キ 〃 」vpoaspis (Gaeolaelaps) oueenslandicus (Womersley)お よ びヤ マ ウ チ ア シ ポ ソト ゲ ダ ニHypoaspis (Euandrolaelaps yamauchii Ishikawaは 絶食 耐久性 が高 く,増殖が容易なケナガコナダニTyrop々a刪ゴ朋′朋Jピ朋′´aP(Schrank)

125 ‑

藤 元 戸 久 齋 秋 伴 高

査 査

査 査

主 副

副 副

(4)

を代替餌に用いた累代飼育が可能であったことから,生物的防除資材として活用できる可能性が示唆された 5.化学 農薬の影響

  化学農薬が利用 される慣行栽培条件においてもヤドリダニ類が活用可能であるか明らかとするため,各種 薬剤による影響を 調査した.

  土壌消毒は,移 動カが高いと推測される種を除いて土壌動物全般に対し大きな影響が見られたが,茎葉散 布殺虫剤および土 壌施用殺虫剤については影響が全くないか一時的であったことから,必要に応じて併用す ることが可能であ ると考えられた.

6. 圃場への資材施用に よる保護利用

  ホウコナダ 二増殖を未然に防ぐ土壌条件をっくるため,本種が餌として利用しにくく,ヤドリダニ類やそ の代替餌とな る卜ビムシ類等の 密度が増加しやすい 資材を探索した,

  ホウコナダ ニは腐熟していない植物性資材の施用によって大幅に増加した,増殖に不適とされていた動物 質資材であっ ても,粒状資材では密度が高くなる傾向が見られた.易分解性有機質の分解が進んだ資材の施 用では,化学 肥料と比較してホウコナダニ密度がほぼ同等か低くなる傾向があったが,ヤドリダ二類および トピムシ類の 密度は増加した.以上より,有機質の分解が進んだ資材を土壌に施用することで,ヤドリダ二 類 の 密 度 を 維 持 し , ホ ウ コ ナ ダ 二 密 度 増 加 を 防 ぐ こ と が 可 能 で あ る と 考 え ら れ た , .   以上のよう に,本研究では,未活用の生物資源ヤドリダ二類に焦点を当て,ホウコナダ二防除への活用を 目指した.ホ ウレンソウ圃場にはその特有の土壌条件に適応したヤドリダ二類が存在し,多くがホウコナダ ニを捕食する ことを発見した.それらの捕食能カや累代飼育の試みから生物農薬となり得る特性を持った候 補種を絞り込 み,また,圃場における保護利用法等新しい知見を得ている,これらは,いずれも学術的に高 く評価される ,よって,審査委員一同は,齊藤美樹が博士(農学)の学位を受けるに十分な資格を有するも のと認定した .

−126―

参照

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