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博士(工学)吉 鴻賓 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(工学)吉   鴻賓 学位論文題名

河 川 情 報 管 理 シ ス テ ム に お け る CG 技 法 の 研 究 学位論文内容の要旨

  近年 、コ ンピ ュー 夕技 術の 進 歩と 発展 に伴い、3次元コンピュータグラフィッ クス(C G)を利 用す る情 報管理シ ステムが多くなってきている。河川情報管理システムは そのよ うなシステムの 中のーっである。河川情報管理システムでは、河川のりアルタイム表示が 不可欠である。 しかし、現状では河川のりアルタイム描画法や景観シミュレーションのた めのCG技法は充 分に開発されているとはいえない。河川氾濫予測、防災、河川施設管理、

工 事計 画等 にお けるCGの 活用のためには、河川の高速表示及び河川の景観シミュ レーシ ヨンが重要な課 題のーっとなっている。

  河川情報管理 システムでは、CADシステムと異ナょり、図形、画像の編集に関する高度な 機能はほとんど必要とされナょいが、膨大なグラフイックデータの格納、高速表示、検索機 能が必要となる 。本システムに用いられる静止画像データは一般的にスキャナ等の入力装 置で入カされ、 一枚の画像データファイルは1ページの形で保存される。画像データファ イルには、各画 像の正確な位置関係を示す情報がない。しかし、河川情報管理システムで は、複数のファ イルにわたる広範囲な領域の画像データの合成や、高速スクロール機能、

異なる種類の画 像デー夕(例えぱ、河川の測量データ、デジタル地図、航空写真等)を合 成表示する機能 が要求される。

  この よう な観 点から本 論文は、河川情報管理システムにおけるCG技法、特に、 河川の 測量データに基 づいた景観シミュレーション用の河川三次元モデリング及びレンタリング 法、画像データ ファイルの合成方法にっいて論じる。

  第一章は序論 であり、地理情報システムと河川情報管理システムの概要を紹介した。次 に、本論文の章 節の構成と各章節の概要を述べた。

  第二章では、 河川情報管理システムと地理情報システムの関係、河川情報管理システム の現状と特徴を総合的に述ベ、具体的な河川千冉報管理システムの機能及びハードウェアの 構 成を 紹介 した 。また、 河川情報管理システムにおけるCG技法の現状を述べ、問 題点を 明かにした。

  第三章では、 河川の測盈デー夕(キ口程位置データ、横断デー夕、水位デー夕)を紹介 し、異なる座標 系の測量データから三次元モデリングを行うための座標の変換方法にっい て述べた。

  流水の表現モ デルとしては、Sarrafらの水流方向(特に湖水と風の関 係)を計算する3 Dメ ッシ ュモ デル や、Shimizら の河 水の 流れ と河床変化の3D計算モデルを用いる 方法が ある。しかし、 画像表示への応用の立場から見ると、これらのモデルではストークスの流 体カ程式に基づ いたもので、連立偏微分方程式を解くことが必要であり、河川のりアルタ イム表示は困難 である。本論文では、それらに変わる方法として、統一座標系に変換した 河 川 の 測 量 デ ー タ に 基 づ く CG用 の 河 川 の 三 次 元 モ デ ル を 提 案 し た 。   河川の測量デ ータの中では、各測量断面間の地形情報がナよいので、その地形をCG表現

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す るた めに 、補 間を 行う 必要 がある。本論文では、 河川地形をCGによって高速に表現す る方法とこの方法に適 した測量断面内部の測量点間及び測量断面間のりアルタイム地形補 間アルゴリズムを提案 し、河川の特殊地形、合流点箇所の地形と水の処理にっいても検討 した。

  河水の表現について は、中前、西田らの水の表面形状モデルと水面上の光学特性に基づ いたりアルな表現方法 があるが、本論文では、高速化を図るため、河川の測量データを用 いて水面の幅を求め、 描画する方法を提案し、さらに、河水の流れをアニメーション表現 す る た め に 、 流 線 を 近 似 計 算 し 、 フ ロ ー ネ ッ ト に 関 す る 密 度 関 数 を 導 入 し た 。   本章 の最 後に 、河 川3次 元モ デル と描 画の 実験 結果 とま とめ を述 べた 。SGIのマ シン

(INDIGO X24)上で、 河川だけでは約10コマ/秒で描画できるが、合成ベクトル情報があ る場合、約4コマ/秒くらいにナょる。実験により、本論文で提案した手法に基づいて、景 観シミュレーション用 の河川三次元モデリングとレンダリング方法において、評価基準と す る項 目( 河川 の全 体の 形、 横断断面の形、水位情 報)に対して、ほば満足できるCG画 像をりアルタイムで得 られることを確認した。

  第四章は、大画面の 座標系と画像データの関係を示し、大画面画像ファイルの概念と作 成 方 法 を 提 案 し た 。 画 像 デ ー タ の 張 り 合 わ せ (Image Registration)は1970年Paul.

E. Anutaが定義している。その後、この問題にっい ての研究は主に、より速いアルゴリ ズムと特別ナょ対象物或は特別条件が持つ状態に対するアルゴリズムに集中している。画像 の張り合わせはほとん どがテンプレートマッチングによって行われている。しかし、画像 とテンプレートに角度 のずれがある時、このマッテングアルゴリズムは適用できない。こ の場合は、一般手法と して、マッチングする前に、画像の特徴を抽出する。しかし、画像 中に特徴が少ない場合 、多過ぎる場合、又は二枚の画像の重なり合う部分が少ない場合、

この手法は不向きであ る。

  そこで、本論文では、画像データの張り合わせはテンプレートマッチング方法を使わず、

人力画像データファイ ルの四隅座標を用いた手法を提案した。この手法では、特徴が全く なく、重なり合うエリ アがない画像でも張り合わせることができる。また、本手法におい てより良い画像デ―夕 の合成を行うために、入力画像データの優先順位、有効範囲の制御 手 法 を 考 慮 し 、 出 力 大 画 面 画 像 フ ァ イ ル の 格 納 構 造 等 に っ い て も 検 討 し た 。   次に、応用として、 航空写真の大画面化とデジタルビデオの作成方法にっいて、航空写 真画像データの特徴と 画像合成の簡単化手法を提案し、大画面画像データファイルからデ ジタルビデオを作成す る方法を述べた。大画面画像ファイルの高速スク口ールにおける諸 問題を検討し、大画面 の高速スクロールツールを提案した。

  最後に、画像データ ファイルの四隅座標の付け方と大画面の画像データにべクトル情報 の 合成 及び 本手 法の 誤差 分析 にっいて検討した。張 り合わせるスピードは、CPUがDX4− 66MHzのパ ソコ ン 上で 約lMB/分 であ った 。本 手法 で画 像合 成の 平均 誤差 は 約2ドッ トで あった。航空写真、地 図等を対象とした実験結果から、本論文の画像合成方法は、合成を 行う対象となる二枚の 画像データファイルが必ず盈なっていなけれぱならないという制限 がなく、画像データの 回転や特徴盈の不一致による影響もなく、確実・高速に行えること を明らかにした。

  第五 章で は、 本論 文で 提案 したCG技法による河川 情報管理システムの開発と運用に対 して、その有効性と実 用性を確認し、結果を総括し、今後の課題にっいて言及している。

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学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

河 川 情 報 管 理 シ ス テ ム に お ける CG 技 法の 研 究

  近 年 、 コ ン ピ ュ ー 夕 技 術 の 進 歩 に 伴 し ゝ 、 コ ン ビ ュ ー タ グ ラ フ イ ッ ク ス (CG) を 利 用 し た 河 川 情 報 管 理 シ ス テ ム が 実 用 に 供 さ れ る よ う に な っ て 来 て い る 。 し か し 、 現 状 で は 、 河 川 の り ア ル タ イ ム で の 描 画 法 や 、 河 川 景 観 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン の た め のCG技 法 は 充 分 に 開 発 さ れ て は お ら ず 、 実 用 化 研 究 の 対 象 と な っ て い る 。 さ ら に 、 河 川 情 報 管 理 シ ス テ ム で は 、 複 数 の フ ん イ ´ レ に わ た る 広 範 囲 な 領 域 の 画 像デ ータ の合 成や 、高 速な ス クロ ール 機能 等 の 開 発 研 究 が 要 求 さ れ て い る 。 こ の よ う な 背 景 に お い て 、 本 研 究 で は 、 河 川 情 報 管 理 シ ス テ ム に お け るCG技 法 、 特 に 、 測 量 デ ー タ に 基 づ ぃ た 景 観 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン 用 の 河 川 の CGモ デ リ ン グ と レ ン ダ リ ン グ 、 及 び 河 川 領 域 の 航 空 写 真 の 大 画 面 画 像 デ ー タ フ ん イ ル の 処 理 に 関 す る 概 念 、 実 際 の 処 理 法 に つ い て 検 討 を 行 っ て い る 。 具 体 的 に は 、 河 川 の 測 量 デ ー タ に 基 づ ぃ て 、 河 川 の 三 次 元 モ デ ル とCG描 画 手 法 を 提 案 す る と と も に 、 河 川 地 形 の り ア ル タ イ ム で 実 行 さ れ る 補 問 ア ´ レ ゴ リ ズ ム と 流 線 の 近 似 計 算 方 法 に つ い て 検 討 し て お り 、 重 な り の な ぃ 画 像 デ 一 夕 フ ん イ ル を 合 成 す る た め に 、 大 画 面 画 像 デ ー タ フ ん イ ル の 概 念 、 作 り 方 を 提 案 し て お り 、 そ の 主 要 な 成 果 は 以 下 の 点 に 要 約 さ れ る 。   1) 考 案 し た 河 川 のCG三 次 元 モ デ リ ン グ と レ ン ダ リ ン グ ア ル ゴ リ ズ ム で は 、 河 川 の 全 体 の 形 、 横 断 面 の 形 、 水 位 情 報 等 の 評 価 項 目 に 対 し て 、 リ ア ル タ イ ム で 、 ほ ぽ 満 足 で き るCG画 像 の 描 画 が 可 能 で あ る こ と を 実 験 的 に 示 し た 。

    2) 提 案 し た 手 法 で は 、 三 次 元 グ ロ バ ー ´ レ 座 標 系 と 実 際 の 河 川 の 測 量 デ ー夕 (キ ロ程 位 置 デ ー 夕 、 横 断 デ ー 夕 、 水 位 デ ー 夕 ) を 使 用 し て お り 、 河 川 周 囲 の シ ー ン と 他 の 河 川 情 報 ( 映 像 、 図 面 、 地 図 、 ベ ク ト ル 情 報 ) と の 重 ね 合 わ せ が 容 易 、 に 行 え 、 景 観 シ ミ ュ レ ー シ ョ ン に 利 用 で き る こ と を 明 ら か に し た 。

  3) 同 一 河 川 の 過 去 と 現 在 の 測 量 デ ー タ を 比 べ る こ と に よ り 、 河 川 の 変 化 を 検 出 す る こ と が 可 能 で あ り 、 任 意 の 河 川 に 対 し て 、 河 川 の 測 量 デ ー タ が あ れ ば 測 量 デ ー タ を も と に し て そ の 河 川 をCG表 現 で き る こ と を 示 し た 。 そ の 際 、 流 線 を 近 似 計 算 し 、 フ ロ ー ネ ッ ト に 関 す る 密 度 関 数 を 導 入 し て 、I河 水 の 流 れ を ア ニ メ ー シ ョ ン 化 し て 表 現 す る ため の技 法に つ い て 検 討 し た 。

  4) 提 案 し た 画 像 デ ー タ フ ん イ ル の 四 隅 座 標 に 基 づ ぃ た 画 像 の 合 成 方 法 で は 、 合 成 を 行 な う 対 象 と な る 二 枚 の 画 像 デ ー タ フ ん イ ル の 重 な り の 制 限 を 除 き 、 画 像 デ ー タ の 回 転 や 特 徴 量 の 不 一 致 に よ る 影 響 も 除 き 、 正 確 で 、 高 速 な 処 理 シ ス テ ム を 実 現 し て い る 。 さ ら に 地 図 、 図 面 等 の 画 像 デ ー タ に お け る 他 の 図 郭 と の 接 合 部 分 の 処 理 問 題 に 対 し て も 、 有 効 な

直 次

由 香

木 内

青 栃

授 授

教 教

査 査

主 副

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解決方法を提案した。

     本論文で提案したCG 技法による河川情報管理システムの開発と運用に関しては、

   実際の測量データを基にした計算機シミュレーション等で、その有効性と実用性につ    いての検討を行っており、今後のシステム実用化のためのCG 技法利用に関する具体    的な基礎データを得た。

     以上、本研究は、河川情報管理システム多目的利用に有効に対応できるようにする    た め、いくつかの CG 技法を考案し、河川情報管理システムにおけるCG 技法におい    て有益な新知見を得ており、CG ・メデイア工学の進歩に寄与するところ大である。

     よって著者は、北海道大学博士(工学)の学位を授与される資格あるものと認める。

参照

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