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婦人科悪性腫瘍増殖におけるエストロゲンの関与に関する研究 特に卵巣癌 (上皮性) と卵巣間質細胞におけるアロマターゼ (P450arom) 発現の差異からみる細胞間相互作用

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Academic year: 2021

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Title

婦人科悪性腫瘍増殖におけるエストロゲンの関与に関する

研究 特に卵巣癌 (上皮性) と卵巣間質細胞におけるアロマタ

ーゼ (P450arom) 発現の差異からみる細胞間相互作用( 内容

の要旨(Summary) )

Author(s)

高橋, 京子

Report No.(Doctoral

Degree)

博士(医学)乙 第909号

Issue Date

1994-04-20

Type

博士論文

Version

URL

http://hdl.handle.net/20.500.12099/15362

※この資料の著作権は、各資料の著者・学協会・出版社等に帰属します。

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氏名(本籍) 学位の種類 学位授与番号 学位授与日付 学位授与の要件 学位論文題目

橋 京 子(岐阜県)

士(医学) 乙第 909 号 平成 6 年 4 20 日 学位規則第4条第2項該当 婦人科悪性腫瘍増殖におけるエストロゲンの関与に関する研究 特に卵巣癌(上皮性)と卵巣問質細胞におけるアロマターゼ(P450ar。m) 発現の差異からみる細胞間相互作用 審 査 委 員 (主査)教授 玉 舎 輝 彦 (副査)教授 清

弘 之 教授 森 秀 樹 論 文

容 の 旨 エストロゲンの持っ細胞増殖や分化促進に対する作用が,組織の発育に寄与している。しかも子宮内膜癌,乳 癌,前立腺癌といった性ステロイド依存性腫瘍のみならず,胃癌,肝癌t肺癌,卵巣癌などの増殖・発育にもエ ストロゲンの関与の可能性が指摘されている○これらの癌組織では,局所的にエストロゲン合成が高まっている 場合があり,エストロゲンの生合成はアロマターゼによって調節されている○そこで,婦人科癌のうち,卵巣癌 で・この点に関して検討を行った。アロマターゼが卵巣癌細胞に発現しているかどうかの解明は,エストロゲン の卵巣癌細胞の増殖様式のみならず内分泌療法を再考する上で興味深い○このような背景から,手術摘出した卵 巣癌組織と卵巣癌細胞株でのアロマターゼの存在を,i)酵素活性と,ii)メッセンジャーリボ核酸(mRNA) の面から検討し,卵巣癌問質細胞(線維芽細胞)と比較し,卵巣癌のエストロゲンの産生部位を明らかにした。 研究方法 1)対象は,手術的に摘出した粘液性嚢胞腺癌6例,焚液性嚢胞腺癌2例,未分化胚細胞腫1軌卵巣癌組織よ りの問質細胞2例,正常卵巣2例・満期正常胎盤2例,卵巣癌細胞株(SK-0V-,CAOV3,0VCAR-3,SW 626)とした。 2)ミクロゾーム分画のアロマターゼ活性を還元型ニコチンアミドアデニンジヌクレオチド(NADPH)産生系 の存在下で外因性基質アンドロステンジオンのエストロンヘの変換率によって測定した。 3)総RNAの抽出は・ChromcynskiとSacchiの方法に準じた○アロマターゼmRNAの発現はRT-PCR(reverse

transcription-pOlymerasechainreaction)に皐り検討した。

方法は,mRNA(約200ng)から市販の逆転写酵素を用いてcDNAを調節し,PCR反応掛こ添カロし,PCR法に より増幅した。プライマーをヒトアロマターゼ遺伝子の塩基配列を基に合成し産物が422塩基対になるように調 節した。 プライマーの塩基配列を次に示す。 プライマーⅠ:5,→3,348to369,ACTACTACAACCGGGTATATGG プライマーⅡ:5,→3,749to769AACCACGATAGCACTTTCGTC 結果 1)正常卵巣および胎盤は有意のアロマターゼ活性を示し,正常卵巣アロマターゼ活性のKm値は200nMであっ た。 2)上皮性卵巣癌と卵巣癌細胞株では,アロマターゼ活性は検出されなかった。 3)摘出卵巣癌組織から培養した線維芽細胞にはアロマターゼ活性が認められ,Km値は,150nMであった。 35

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4)アロマターゼmRNAは卵巣,胎盤および卵巣癌由来線維芽細胞,未分化胚細胞腫に検出された。 5)すべての上皮性卵巣癌と卵巣癌細胞株ではアロマターゼmRNAは検出されなかった。 以上の結果より,卵巣癌細胞ではtアロマターゼ酵素活性とmRNAが検出されず,アロマターゼを欠如するこ とが示された。このことは,卵巣癌組織のアロマターゼ活性,つまりエストロゲン産生は癌細胞ではなく問質 (特に線維芽細胞)でなされることを示すものである。エストロゲンを介した卵巣癌のバラクリン増殖機構は, 卵巣癌にエストロゲン受容体が存在していることを加味すると,卵巣癌細胞一間質細胞を通してなされる場合 (細胞間相互作用)があることを示唆しており,卵巣癌の増殖機構を再考させるだけでなく,治療におけるアロ マターゼ阻害剤の有用性を求めることに発展する可能性がある。 論文辛査の結果の要旨 申請者 高橋京子は,卵巣癌においてエストロゲン作用と関係し,卵巣癌細胞一間質細胞の細胞間相互作用が 存在することを明らかにし,これは内分泌学的癌治療への指針を与えるものであり,癌治療の発展に寄与するも のが多い。 [主論文公表誌] 婦人科悪性腫瘍増殖におけるエストロゲンの関与に関する研究 特に卵巣癌(上皮性)と卵巣問質細胞におけるアロマターゼ(P450arom)発現の差異からみる 細胞間相互作用 岐阜大医紀 42(1):1∼9,1994 36

参照

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