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連続水制周辺の流れに及ぼす相対水制高の影響 佐賀大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)II-009. 土木学会西部支部研究発表会 (2010.3). 連続水制周辺の流れに及ぼす相対水制高の影響 佐賀大学大学院. 1.はじめに. 相対水制高を連続的に変化させた場合について. 1). 越流 状態. は次. 第に特性が分かりつつある.しかし連続水制に関して. 非越流. 相対水制高の影響はわからないままである. そこで本研究では,連続水制を有する流れ場の相対. 副島佑介. 正会員. 渡邊訓甫. 平川隆一. 松本祥平. 淡島久光. 池島浩貴. 表-1 実験条件. 水制は古来より用いられてきた河川構造物であるが, 合理的な設計方法は確立されていない.単一水制での. 学生会員. 越流. 水制高に着目し流れ構造の解明を目的とする.. ケース 名. 設定 水深 (cm). 相対 水制高 (h/H). 流量 Q (/s). NS-1 NS-2 S-3 S-4 S-5. 3.0 4.5 5.5 7.5 10.0. 0.6 0.9 1.1 1.5 2.0. 1.3 2.4 3.2 5.1 7.9. Fr 数. 無次元 掃流力 Ψ. 0.20. 0.00544 0.00713 0.00815 0.01002 0.01214. 程度であったが,6 基目前面(x/L=9.8)では y/L=0~0.9. 2.実験条件と実験方法. となり止水域が狭くなっている.6 基目背後では,1 基. 実験水路には幅 0.4m,有効長 18m の長方形可変勾配. 目のように流下方向に大きな変化は見られず流速分布. 開水路を用いた.水制は高さ H=5cm,長さ L=10cm で. はほぼ維持されるが,x/L=14(流下方向に水制長の 4. ある.座標軸は,水制 1 基目の設置位置を原点として. 倍)から水制域内の流速が次第に回復し,主流部の流. 流下方向に x 軸,横断方向に y 軸,鉛直方向に z 軸と. 速が低下しており流速分布が横断方向に一様化してい. した.水制間隔は D=20cm とし,水路右岸側壁に. くのが分かる.. x/L=0,2,4,6,8,10 の位置で垂直に 6 基設置した.水路中. 図-3 に示すケース S-3 の水制1基目付近では,流速. 間部に約 8m の長さに亘って粒径 0.97mm の均一砂を敷. 分布の極大値がケース NS-2 と比較して約 2 から約 1.7. き,のりで固め平坦固定床としている.通水した流量. まで減少している.また極大位置もケース NS-2 よりも. を表-1 に示す.流速の測定位置はそれぞれの設定水深 の半水深であり,二成分電磁流速計を用いて測定した. 3.実験結果及び考察. 下流側(x/L=1.0),横断方向にも左岸側(y/L=1.8)へ と移動している.図-4 の 6 基目付近では水制前面 (x/L=9.8)での極大位置が水路中央側(y/L=2.9)へと. 図-1~6 は非越流型のケース NS-2(h/H=0.9),越流直. 移動しており,極大値も 1.6 程度となっている.6 基目. 後 の ケ ー ス S-3(h/H=1.1) , 十 分 に 越 流 し た ケ ー ス. 背後ケース NS-2 と同様に水制背後の x/L=14 付近から. S-5(h/H=2.0)での水制 1 基目と 6 基目周辺の横断流速分. 流速が横断方向に一様化していくが,変化量はケース. 布であり,それぞれの断面平均流速 Um で無次元化して. NS-2 よりも小さい.. いる.. 図-5 に示すケース S-5 の 1 基目付近では,水制前面. 図-1 はケース NS-2 の 1 基目付近である.水制前面. (x/L=-0.2)では水制域の流速があまり低減さていない.. ( x/L=-0.2 ) か ら 水 制 背 後 ( x/L=0.5 ) に 向 う と. これは測定水深(z=5cm)が相対水制高と等しため,. y/L=0.6~1.1 付近の流速が減少しており,水はねの影響. 上記の 2 ケースよりも大きい値を示していると考えら. だと考えられる.流速の極大値は水制背後の x/L=0.5,. れる.流速の極大位置はさらに流下方向(x/L=1.0),. y/L=1.5 で最も大きくなり断面平均流速の約 2 倍となっ. 左岸方向(y/L=2.0)へと移動している.水制背後の水. ている.流下方向に向うに従い,極大値が低下し,位. 制域内は止水域を形成しているが,x/L=1.5 では流速が. 置は左岸側へと移動している.水制域内から水制先端. 大きくなっている.これは水制 1 基目によって横断方. (y/L=0.6~1.1)付近の流速は抑えられたままである.図. 向,鉛直方向に剥離した流れが主流域の x/L=1.0 で極. -2 の 6 基目周辺では,水制前面(x/L=9.8)での流速の. 大値をとり,水制域内 x/L=1.5 の断面に流れ込んでき. 極大位置は 1 基目周辺と比較して,水路中央付近. たと考えることができる.. (y/L=1.7)から左岸側(y/L=3.5)へと移動しており,. 図-6 に示す水制 6 基目付近では,水制前面から水制. その大きさは断面平均流速の約 1.7 倍である.水制先. 背後までほぼ同一な分布形状を取っており他の 6 基目. 端付近の流速は,1基目付近では止水域が y/L=0~1.2. 付近の流速分布ように流下方向に対して変化が小さい.. -193-.

(2) II-009. 土木学会西部支部研究発表会 (2010.3). 2. 1.5. 1.5. 1.5. x/L=-0.2 x/L=0 x/L=0.5 x/L=1 x/L=1.5 x/L=2. 1. 0.5. x/L=9.8 x/L=10 x/L=10.5 x/L=11 x/L=11.5 x/L=12 x/L=14 x/L=16 x/L=18 x/L=20. 1. 0.5. 0. 0 4. 3. 2. 1. 4. 0. 0.5. 0 2. 1. 0. 4. 図-2. 1 基目周辺の流速分布(NS-2). 6 基目周辺の流速分布(NS-2). 図-3. 1.5. 1.5. 1.5. 0 4. 3. U/Um. x/L=9.8 x/L=10 x/L=10.5 x/L=11 x/L=11.5 x/L=12 x/L=14 x/L=16 x/L=18 x/L=20. 1. x/L=-0.2 x/L=0 x/L=0.5 x/L=1 x/L=1.5 x/L=2. 0.5. 0. 2. 1. 0. 4. 3. 0. 1. 6 基目周辺の流速分布(S-3). 図-5. 1. 0. x/L=9.8 x/L=10 x/L=10.5 x/L=11 x/L=11.5 x/L=12 x/L=14 x/L=16 x/L=18 x/L=20. 1. 0.5. 2. 2. 1 基目周辺の流速分布(S-3). 4. 0. 3. 2. 1. 0. y/L. y/L. y/L 図-4. U/Um. 2. U/Um. 2. 0.5. 3. y/L. 2. 1. x/L=-0.2 x/L=0 x/L=0.5 x/L=1 x/L=1.5 x/L=2. 1. y/L. y/L 図-1. 3. U/Um. U/Um. 2. U/Um. 2. 1 基目周辺の流速分布(S-5). 図-6. 6 基目周辺の流速分布(S-5). 4.単一水制との比較 2. 連続水制と単一水制周辺の違いを明らかにするため, 表-1 と同様の水理条件で単一水制についても実験を行. 1.5. った.図-7 は単一水制にケース S-3 と同様の水理条件 2). である.連続水制. U/Um. を与えた時の水制周辺の流速分布. の場合の図-3 と比較すると,単一水制では連続水制よ. x/L=-0.2. 1. x/L=0 x/L=0.5. り上流側の断面(x/L=0.5)で極大値を取っているが,分. 0.5. x/L=1. 布形は比較的似ている.図-4 の連続水制 6 基目背後と. x/L=2. 比較すると,単一水制背後に対応する連続水制背後の. 0. 範囲 x/L=9.8~12 では,全ての流速分布がほぼ重なって. 4. 流下方向にあまり変化は生じていない.しかし水制域. 3. 2. 1. 0. y/L 図-7. 内の止水域の範囲が単一水制の方が広いといえる.. 単一水制周辺の流速分布(S-3). 3) 単一水制と比較すると,連続水制の 1 基目周辺で. 5. 結論. は横断方向にはほぼ同様な流速分布となるが,連続. 本研究で得られた結果は以下の通りである.. 水制下流端背後の流れでは水制背後の止水域の範囲. 1) 連続水制を直線水路片岸に,水制長の 2 倍の間隔. が単一水制よりも狭くなる.. で設置した場合,相対水制高が大きくなると,半水 深では水はねの影響が次第に小さくなる.また水制. 参考文献. 1 基目付近での流速分布の極大値を取る位置が次第. 1) 平川ら:非定常場における単一水制周辺の河床応答と流れ. に流下方向へ移動し,断方向は水制設置領域から離. 特性に関する研究,応用力学論文集 Vol.12,pp.859-866,. れる.. 2009. 2) 常盤ら:単一水制周辺の河床変動と流れに及ぼす相対水制. 2) 連続水制背後では相対水制高が大きければ,流速 分布は流下方向に向うにつれ,一様化しにくくなる.. -194-. 高の影響,応用力学論文集 Vol.11,pp.719-726,2008..

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