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コンクリートの一体性に及ぼす打重ね処理の影響 室蘭工業大学大学院

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Academic year: 2022

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(1)V‑684. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). コンクリートの一体性に及ぼす打重ね処理の影響 室蘭工業大学大学院. 学生員. 室蘭工業大学. 正. 1.はじめに. 表-1. 近年、トンネル等でのコンク リートの剥落事故が相次ぎ、そ. 種類. の原因の一つとしてコールド ジョイントがあげられた。一方、 コンクリート構造物における. 普通 高流動. W/C. W/P. s/a. (%). (%). (%). ―. 44.0. 33. 49.4. 52. 打重ね面には、短時間の打込み. ○谷野. 員. 淳・寺澤. 貴裕. 菅田紀之. コンクリートの配合 単位量(kg/m3) W. C. 160. 308. Ls:石灰石微粉末. SP. AE. Ls. S. G. (%). (%). ―. 819. 1027. ―. 0.018. 177. 834. 841. 1.5. 0.01. SP:高性能 AE 減水剤. AE:AE 剤. 中断であってもコールドジョ 表-2. イントが発生する場合があるといわれている。 そこで本研究では、コンクリートの打重ね時における打重ね処理がコンク リートの一体性に及ぼす影響について曲げ強度に基づき検討を行った。. N. 処理なし. A. 上下層間の締固め ブリーディング水・. B. レイタンス除去. 2.実験概要 2.1. 配合. 打重ね処理. 下層コンクリートの. C. 再振動. 本研究に用いたコンクリートの配合を表-1に示す。実験に用いたコンク リートはスランプが 12 cm の普通コンクリートおよびスランプフローが 65. AB. A と B の併用. cm の高流動コンクリートである。両コンクリートともに水セメント比は. AC. A と C の併用. 52 %、単位水量は 160 kg/m3、空気量は 5 %である。高流動コンクリートは. BC. B と C の併用. 粉体系のものであり、粉体として普通ポルトランドセメントの他、石灰石微. ABC. A と B と C の併用. 粉末を用い、水粉体比を 33 %とした。 2.2. 供試体作製および打重ね面の処理. 打設方向. 実験に用いた供試体の形状を図-1に示す。普通コンクリートの供試体は. ↓. 次のように作製した。型枠の下半分に下層コンクリートを 100 mm ずつ 2 層 に分けて打込み、各層を棒状バイブレーターを用いて 2 秒間振動締固めを行 う。打重ね時間間隔を 0,2,4,6 時間として上層コンクリートを下層コン クリートと同じように打込む。高流動コンクリートの供試体は次のように作. 上層コンクリート. ← 打重ね面. 製した。型枠の下半分に下層コンクリートを 1 層で打込む。その際、振動締 固めを行わない。打重ね時間間隔が 0 時間および 2 時間の場合には上層コン クリートを下層コンクリートと同じように 1 層で打込む。打重ね時間間隔が. 下層コンクリート. 4 時間および 6 時間では上層コンクリートの自己充填性が失われていたため、 普通コンクリートと同様に、2 層に分けて打込み、各層を棒状バイブレータ ーで 2 秒間振動締固を行う。上層コンクリートは、打重ねまで 30 分間隔で 90 秒ミキサーで練り返したものである。 打重ね処理は表-2に示すように無処理の他、7 種類の処理を行った。処. 図-1. 供試体の形状. 理 A の上下層間の締固めとは上層コンクリートを打重ねてから棒状バイブ キーワード:打重ね、コールドジョイント、曲げ強度、高流動コンクリート 〒050-8585 室蘭市水元町 27-1 室蘭工業大学建設システム工学科 TEL 0143-46-5220. ‑1367‑. FAX 0143-46-5221.

(2) V‑684. 土木学会第57回年次学術講演会(平成14年9月). 1.2. するまで挿入し、5 秒間締固めたものである。処理 B のブリー. 1.0. ディング水・レイタンス除去とは下層コンクリート表面のブリ. 0.8. ーディング水およびレイタンスを 1 時間毎にウェスで吸い取っ たものである。処理 C の再振動とは上層コンクリートを打重ね る直前に、下層コンクリートの底まで棒状バイブレーターを挿. 曲げ強度比. レーターの先端が下層コンクリート表面から深さ 100 mm に達. 0.6 普通N 普通A 普通B 普通C. 0.4 0.2. 入し、2 秒間の再振動を 3 回行ったものである。. 0. 0. 高流動N 高流動A 高流動B 高流動C. 2. 4. 6. 打重ね時間間隔(h). 3.実験結果 図-2に単独処理を行った場合の打重ね時間と曲げ強度比の. 図-2. 単独処理を行った場合の曲げ強度. 関係を示す。打重ね時間間隔ごとに検討を行うと、2 時間までは. 1.2. 体コンクリートの 90%以上の強度を示している。しかしながら、. 1.0. 4 時間では再振動を行ったもので一体コンクリートの 90%以上 の強度を示したが、他の処理においては 70%から 85%に低下し、 6 時間になるとすべてのケースで 90%以下に低下していること がわかる。処理方法別に検討を行うと、上下層間の締固め処理. 曲げ強度比. 高流動コンクリートの無処理と再振動を行ったもの以外では一. 0.8 0.6. 普通AB 普通AC 普通BC 普通ABC. 0.4. を行ったものは、処理無しのものとほぼ同様の傾向であり、打. 0.2. 重ね時間間隔が 4 時間から強度が低下していることがわかる。. 0. 0. 4. 6. 打重ね時間間隔(h). これは下層コンクリートの凝結が進行していることにより、締 固めを行っても棒状バイブレーターの周囲しか再流動化せずに. 2. 高流動AB 高流動AC 高流動BC 高流動ABC. 図-3. 併用処理を行った場合の曲げ強度. 打重ね部の一体性が得られなかったためであると考えられる。 打重ね面のブリーディング水・レイタンスの除去を行ったものは、打重ね時間間隔が 6 時間の場合に他の処理を 行ったものに比べて強度が小さくなっている。これはブリーディングがほぼ終了しているため、ブリーディング 水を除去することで下層コンクリート上面が乾燥し、付着性が阻害されたためであると思われる。高流動コンク リートではブリーディングが少なかったことが影響して強度低下が顕著であった。下層コンクリートを再振動さ せた場合は、打重ね間隔が 2 時間のときに強度が 80%以下に低下した。これは流動性が大きいうちに再振動を行 ったことで、ブリーディング水が大量に発生したためであると思われる。しかしながら、打重ね間隔 4 時間以降 では、他処理に比べ強度が低下していない。これは 4 時間以降になると、再振動によるブリーディング水の発生 が少量であり、下層コンクリート上面の乾燥防止の役目を果たし、強度低下の低減につながったと考えられる。 図-3に併用処理を行った場合の打重ね時間と曲げ強度比の関係を示す。ブリーディング水・レイタンス除去 と再振動の併用以外の併用処理を行った場合、打重ね間隔が 6 時間のときにおいても 90%以上の強度を示してい ることがわかる。上下層間の締固めとブリーディング水・レイタンス除去を併用した場合には、ブリーディング 水・レイタンス除去を単独で行うことで下層コンクリート上面が乾燥し付着性が阻害される原因になるが、同時 に締固めを行うことで上層コンクリートとの付着が改善されたのではないかと考えられる。上下層間の締固めと 再振動を行った場合には、下層コンクリートの凝結がはじまっていても、再振動させることで下層コンクリート が再流動化し、そこに上下層間の締固めを行うことで上下間の付着が良好となったと考えられる。. 4.まとめ 本研究では打重ね処理がコンクリートの一体性に及ぼす影響について曲げ強度に基づき検討を行った。その結 果、処理方法により効果は大きく異なり、処理が強度低下を促す場合もあることを明らかにした。また、打重ね 処理を併用して行うことで、コンクリートを一体性のあるものに改善できることを明らかにした。 ‑1368‑.

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