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人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コース

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非行経験から立ち直り過程にみるレジリエンスの検討

対話的な自己エスノグラフィと別事例のライフヒストリーを通して一一

人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コース

大 城 由 敬

1 .問題と呂的

従来の非行研究では,非行の要因の分析や事 例の検討型が多く,枚挙にいとまがない(金,

2007 ;西国, 2010など)っ非行がどのような 過 程 で 発 現 す る の か を 明 ら か に し 非 行 抑 制 や それに対する適切な介入法などを調4くることも 有効な枠組みであるかもしれないが,立ち直り 過程を検討することも:重要であると考える。ま た,岡本 (2006)は,非行の原悶を除去すれば問 題が解決されるというわけにはいかないため,

立ち直りについて考えるので、あれば,立ちi直り そ の も の に 焦 点 を 当 て る 必 要 が あ る と し て い る。

そこで本研究では,非行経験から立ち直った ものを対象として,現在までの過程に至るまで,

どのようなレジリヱンス要因が立ち直りに関与 しfこか検討することを目的としたc 困難な状況 に 陥 っ て も 立 ち 藍 り が 求 め ら れ る 少 年 に と っ て,再非行防止のー・助となり, また支援者にと っても早期の立ち註り支援の手立てとなるよう 考察したい。

2. 非行経験からの立ち直りとレジリエンスに ついての調査研究

(1).対象と方法 :X大学の大学院生を対象とし て講義終了後に間違(2010)の自己申告非行尺度 と筆者が作成した非行経験から立ち直ったり,

指 導 教 員 葛 西 真 記 子

非?子をE青みとどまったりした理由などに関し て,自由記述方式を用いて調査を行った。対象 者は全体で 178名,対象者の内訳は男性が 91 名,女性が 86名,不明が 1名であった。年代 では, 20代が 143名, 30代が 13名, 40代以

上21名であった。

(2).結果と考察:

①自己申告非行尺度の結果と考察:非行経験の 有無で t検定を行ったc その結果,非行経験あ り群が非行経験なし群に比べて高く,有意差が 見られた(p<.001)。非行経験あり群と非行経験 なし群の両群において,侵入と飲酒をした割合 が高かった i侵入」は,周囲に危害や被害を 加える可能性が低く,周りに知られることも少 ないため, r高かったと考えられる。

r

飲酒」は,

1人でも集団でも行うことができ,仲間とのコ ミュニケーションを図るものとして捉えられ,

高かったと考えられる。

男女による非行経験の性差の t検定を行っ たむその結果,男女の性差の t検定では,男性 が 女 性 に 比 べ て 高 く , 有 意 表 が 見 ら れ た ( p

.001)0和田(1996)は,女性は親友lこ情緒的 なものを求めるのに対して,男性は同じことを するのが好きな親友を求めると述べている。そ のため,男性は同じことをする友人を求める相 互関保により集団化され,それが非行である場

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合に集団で行為をすると考えられる。

@自由記述方式調査:非行経験がある群で非行 から立ち註った事柄は,非行から立ち直った事 柄は「家族や親戚,教師など周りの存在jが;最 も高か4った。そして i将来のことを考えたJ, 

f学業や受験,部活などが忙しくなったjの顕

することで,非行経験から立ち註る擦も,再び 親とつながることができるc

少年が学校とつながっておくことが非むの抑 止につながるため,学校は少年とのつながりを 保つことが必要になってくるじそのため,教員 は少年に指導をするだけでなく, 日墳から少年 に高かったじ非行をし/なかった群で,非行から が話を聞いてもらっているという感覚を持つよ 踏み留まったり,非行をしなかったりした理由

は 家 族 や 担 保 な ど 周 囲 の 人 物 へ の 愛 着Jが 最も高かった。そして「規範意識J, 部 活 や 仕事などが忙しくなったj の傾に高かったo

Hirschi (1969)の社会的鮮と階、らし合わせて も,愛着(attachment)が非常に重要で、あった。

3.非行経験からの立ち譲りとレジリエンスに ついての対話的な自己エスノグラフィとライフ

ヒストソー研究

(1).対象と方法 :非行経験から立ちi宣り,社会 適応的な生活をi去っている 2人を対象とし,ラ イブヒストリー研究を行ったc 各自に幼少期か

らこれまでのライフイベントを記載した資料を 作成してもらい,それを基にしてインタピュー を実擁した。インタピューによって得られたデ ータは,非行のリスク要因と立ち直り要因に関 して,JI!喜田(1970)のK,Jt:去を用いて,筆者を 含む臨床心理学を専攻する一大学院生 2~3 名で 分析したc

(2).結果と考繋:非行の1)スク要因は少年と家 庭や学校,社会との関わり合いの中で記きたこ とが多かった。しかし,非行経験からの立ち直 りにおいても,少年と家庭や学校,社会との関 わり合いが重要であることが示された。

親との愛着が不安定な場合,周i慰こ誰か a人 でも愛着対象が存在することが大切で、あるc 愛 着の形成により,非行に走っていても親と関係 を切れずに,細くつながることができる。そう

う,教員は少年を入として関わる姿勢が求めら れる。

社会の非行に対する無現解は,少年の孤独!惑 を生み,再非行につながりやすくなる。よって,

非行は社会的に認められないものの,そこから 立ち甚る姿勢に呂を向けることや非行に定らざ るを得なかった背景要因を理解するなど,社会 の非行に対する理解が求められるc

非行経験から:立ち爵:る際,社会適応的な新し いアイデンティティの確立は,一人で、は困難で、

あるため,支援者との関わりが必要になってく る。少年は脆弱な社会適応的アイデンティティ であるため3 立ちi哀り過程で失敗をしてしまう ことがあるc 支援者は少年の失敗を責めること なく,少年に仕切り症しをさせ,社会適応的な アイデンティティによる成功体験をさせていく ことが大切であると考えられるむまた,少年も これまでの自分のやり方にこだ、わらずに,支援 者を資源として活用する柔軟な思考が求められ

ると考えられる。

4. 今後の課題:本研究は,調査場所が大学と いうこともあり,非行経験の調査対象者が少な かった。また調査対象者によって非行の質の異 なりがあるため3 対象者のライブヒストリ…の 照合がどの程度妥当11':.ものであるかという点に 課題がある。この結果を一般化するためには,

非行の質を統制した上で,調査対象者を増やし ていくことが望まれるであろうc

参照

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