青年期における対友人不安に関する研究 友人イメージと不安対処法の視点から一
人間教育専攻
臨床心理士養成コース 内 田 奏
L
問題と目的
青年期における対人関係の中で,友人との関 わりは重要なものである。友人と関わるという ことは,信頼感や満足感といった肯定的な感情 だけでなく,不安感や葛藤などの否定的な感情 も抱えることになる。友人関係の感情的側面と して榎本(1
999)は,["信頼・安定」と「不安
B懸 念Jを見出している。青年は, 友人に対して安 心している部分と不安を感じている部分の両方 を感じつつ,友人と関わっている。友人に対す る不安感情について松田位。
08)は,友人に拒否 されることを恐れる「拒否不安」と
3グ ノ
Lーフ。
の輪を舌
Lすことを恐れる「不調和不安J と,グ ル ーフ。からはみ出してしまうことを恐れる f 疎 外不安」の
3つを見出した。本研究の自 的は,
第 1に友人に対するイメージの違いが,不安 の感じ方に影響を及ぼすかどうかを明らカヰこす ること
,第
2に, 友人に対して不安を感じた時,
どのように考え,どのように行動しているのか,
その ような対剣去は,不安の感じ方によって異 なるのかを明らかにすること,第
3に,不安の 翻或という観長を含め
p現代青年の友人関係の 特質を考察することである。
2.
方法
(l)予備調査;質問紙調査
対象
:A大学の心理学専攻の大学院生
20名 質問紙の内容:大学生
Aさんの友人に対する不 安喚起場面(状況と内言)の
5つの低想事例を示
指 導 教 員 吉 井 健 治
し不安を軽減させるための方 i 去について自由 言世で回答を求め,この結果から対友人不安対 処方略尺度を作成した。
(2)木下周査
: 質問紙調査
対象
:A大学
103名(男性
41名 女 性
62名) ,
B大学
47名(男性
12名 女 性
35名)の合計
150名(男性
53名 女性
97名)のデータを対象とし た。調査は
2011年
7月に実施した。
質問紙の構成:以下の
3つの尺度を実施した。
①友人イメージ尺度
(3因子
14項目)。岡田 ( 1
999)の「友人関係、尺度」を基に作成した。 自 分の友人が
3自分や屑りの人に対してとってい
る関わり方のイメージ。② 対友人不安感情尺度
(3因子
18項目)。松田
(2008)が作成した。友 人度訴における不安や悩みに関する質問項目。
③対友人不安対処方略尺度
(20項目,ヂ局調査 で作成した) 。
3.
結果 (1)尺度の構成
友人イメージ尺度の因子分析の結果配慮
jf 表面的一内面的関係J . r 盛り上げ
jの
3因子 を抽出 した。対友人不安感情尺度の因子分析の 結 果 受 容 不 安
Jr 疎外不安Jr 拒否不安Jr 不 調和不安jの
4因子を抽出した。対友人不安対 処方略尺度の因子分析の結果, r 肯定的対処
Jr
逃
避的対処' J r あきらめ」の
3因子を抽出した。
r 不 調和不安jの
4因子を抽出した。対友人不安対 処方略尺度の因子分析の結果, r 肯定的対処
Jr
逃
避的対処' J r あきらめ」の
3因子を抽出した。
位)性差
t 検定の結果
p友人イメージにおいて, r 国自動
‑77‑
う思いがあるので、はないか。不安は高くなるがF
友人イメージがポジティブであるというととは,
「表面的一内面的関係jは2 女性の方が有意に 高かっjと。対友人不安感情において拒否不安j
この場合p 友人のことを大事に思っており3 自 はヲ女性の方が有意に高かったO 対友人不安対
「肯定的対処ぜ鑓的対処J 分は友ノUこ気にかけてもらう・楽しませてもら うことに値する人間だと感じることができてい るのではなし油、つまり,自己イメージが良く司 自尊心が高いことが予想される。一方,
r
表面的内面的関係」と「受容不安Jにおいては友人 イメージの点数が高いほど,不安を感じない傾 処方略においてp
は,女性の方が有意に高かっ
7 L
ω
友人イメージの高群. m
群と対友人不安感向があったO この関わり方は,前述した関わり 方と違って悩みを打ち明ける」というような,
自に見えて具付E的な行動であるため,確信しや すいということと,
r
表面的一内面的関係」と「受 容不安jの内容カミチ割以していることから,r
受容 友人イメージの高低差による対友人不安感情について検討した 結 果 配 慮J f盛り上げjで は,高群の方が疎外不安。拒否不安・不調和 不安が有意に高かった。「表面的 内面的関係J では,
f
邸洋の方が,受容不安が有意に高かった。(4)対友人不安感情と対友人不安対処方i略の関 情の関係
不安Jこのみ3 逆の傾向が得られたのであると 考える。
(3)対友人不安感情と対友人不安対処:刷各の関
,係
クラスタ分析により3 不安を I全不安信若手」
「受容。拒否不安低若手J
r
脚ト不調和不安儲宇」' 係
「全不安崎町より「受容・拒否不安高群J の方が「あきらめJとしづ対処方略を用いる傾 の3つのタイプに分けた。不安の感じ方のタイ
プによる対処法川島1を検討した結果,
r
あきら めJの効果が有意であり,多重比較の結果,r
全 不安{注目手Jより「受容匂拒否不安高群Jの方が向がある。「あきらめJは友人に対して否定的イ 有意に高かった。
メージをもつことであきらめようとしているも のであるがz今回の結果から,実際はあきらめ きれなかった→または,不安に耐えきれノず,
きらめようと思ったり行動することで,相手に 対す一る患いを抑圧している状態であると考えら あ 4.岩察
(1)性差
tオ生の方がフ①自分の友人が問慮的,内面的 な関わりをしてくれていると感じる,②友人か ら拒否される不安を感じている3 ③肯定的司 j盗
勝力に対処する領向がある。 れる。つまりP 友ノ人lこ対してポジティブなイメ ージを保ったままの対処方略で、あると考える。
友人イメージと不安について,友人イメージ が高いと3 自己イメージや自専心の高さが予想 されるが〉その分p 不安も高まる。その不安に 青年はどの手型支悩んで、おりy 精神的健 康にどの程昆影響を及ぼすのか。
5.今後の課題 的友人イメージと対友人不安J樹育の震撚
友人イメージの「配慮J
r
盛りとげjと対友人 不安感情の「疎外不安Jr
拒否不安J不調和不 安Jにおいては友人イメージの点数が高い〈友 人に対してポジティブなイメージをもっていついてa る)ほど,不安を感じる領向があった。これらの
関わり方は3確信のもちにくい関わり方で、あり2 今が良くても,悪くなるかもしれなγ、などとい
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