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アンガーマネジメントプログラム実施による児童の変容と教師の児童認知に関する研究 アンガーマネジメントプログラムの開発と実践を通して一
人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コース 井 上 隆
1.問題と目的
学校を取り巻く環境は年々厳しく、障害を持 つ子どもへの対応、保護者の多様な価値観から 学校への要求も高い状態が進んでし、る。さらに 不登校やいじめ、校内暴力等の問題作動は激増 こそしてはいないが依然学校現場では、大きな 問題である。そのような学校環境や社会環境の 変化の中で児童生徒は日々成長をしている。
その中でも、問題行動のひとつである学校 内外での暴力行為発生件数は「平成 24年度児 童生徒の問題行動等生徒指導上の諸問題に関す る調査についてJ (文部科学省初等中等教育局 児童生徒課 2013)の調査によると、中学生と 高校生の暴力行為発生件数は、近年やや枇よ、傾 向である。しかし、小学生は平成18年3,803 件で、あったが、平成24年は 8,296件とほぼ 倍増している。この事実の背景には社会やラ イフスタイルの変化、家庭や地域の教育力 の低下等が複雑に絡み合っている。
そこで、小学生段階での、怒りのコントロー ル、アンガーマネジメントプログラムの実施は 急務な課題であると考えられる。また、暴力行 為発生件数の変化を見ると小学校中学年から小 学校高学年の聞に倍増している。この結果から も小学校中学年からの実践が有効で、はなし、かと 考え、本研究では3年生での実践を試みた。
さらに、本研究の目的として児童のアンガー マネジメントプログラムの効果と教師から見た
指 導 教 員 中 津 郁 子
児童認知の変化の双方向から見ることによって、
円滑な学級経営の指針とした。
ll.調査と実践 1.支橡と方法
①対象
A県 B市内にあるC小学校の3年生2学級編 成の学年である。3年D組20名(男子14名、 女子6名)3年E組 19名(男子13名、女子6 名)と担任榔市である。3年 D組を介入群、 3 年 E組を対照群とした。3年 D組の担任を F教 諭、 3年E組の担任をG教諭とする。
②方法
小学校中学年の発達段階を考え、子どもたち にとって、わかりやすく、友だちとの関わりを 大切にしながら、楽しんで実施できるアンガー マネジメントプログラムの開発を考えた。その 結果、絵本を使ったVLFプログラム手法を基盤 として、 『感覚統合』を目的としたワーク、さ らに『怒りのコントロール』については認知行 動療法をベースとして、授業の中に織り込んで いく手法を考えた。
研究期間は2013年 10月下旬から 2014年 1 月初旬として、アンガーマネジメントプログラ ムの授業実践を行った。また、児童と郡市に対 しての質問紙による調査を、アンガーマネジメ ントプログラム事前・事後・フォローアップ時 に実施した。
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皿結果
①アンガーマネジメントプログラムの効果 アンガーマネジメントプログラムの介入効果 が 2学級間で異なるかを調査した。
r
アンガーマネジメントプログラム前の問題攻撃尺 度の結果Jを共変量として、 「アンガーマネ ジメントプログラム後の問題攻撃尺度の結果J と flカ月後のフォローアッフ市寺の問題攻撃尺 度の結果jを、それぞれ税属変数、介対ト対 照群を固定因子として共分散分析を行った。
結果は、アンガーマネジメントプログラム 後 F(1,35) =1. 379, p=0. 248, T) 2 =0.014,フォ ローアップ。時F=(1,34)=0.585,p=0.450,η2=0. 007となり、共に有意な差はなくアンガーマネ ジメントプログラムの介入効果は認められなか った。
②糠雨の児童認知
‑児童の攻撃性に対する児童認知の結果 アンガーマネジメントプログラムの実施にお ける、孝館市評定が担任問で異なるかを調査した。
「アンガーマネジメントプログラム前の樹市評 定Jを共変量として、 fアンガーマネジメント プログ、ラム後の孝獅評定j と flヵ月後のフォ ローアッフ碍の梯時平定jを、それぞれ誕属変 数、介入群・対照群を屈定因子として共分散分 析を行った。結果は、アンガーマネジメントプ
ログラム後では F(1,36) =6. 677,p‑‑D. 014,η2
=0.051で有意な差が認められた。フォローア ッフ市寺はF(1,36) =15.090,pニ0.000,η2=0.06 4で有意な差が認められ、教師評定による児童 の攻撃性は、介入群の方が対照群より低く見て いる。また効果量はアンガーマネジメントプロ グラム実施後、フォローアップ時(η2=0.051,
η2=0.064)共に中程度で、あった。
‑教師用RCRTによる児童認知の結果
介入群のF務自はアンガーマネジメントプロ
グラム前後では児童を見る視点が多く尚旦つ多 角的に捉えられるように変容したと思われる。
さらに、ウマの合う児童とウマの合わない児 童品、う学級経営上糠雨にとって比較的注意度 が高い児童が、アンガーマネジメントプログラ ムの実施前後で耕市の児童想胡腕こ変化がみら れた。また、介入群の学級担{壬F教諭はウマの 合う児童とウマの合わない児童がアンガーマネ ジメントプログ、ラムの実施前後で、半分入れ替わ っているのは注目される。
N.考察と今後の課題
本訪問では、アンガーマネジメントプログラ ム実施による児童の怒りに対する変容は統計上 認められなかったが、椀市が見る児童の攻警性 には変化が見られた。これは、直樹句にアンガ ーマネジメントプログラムが教師に与えた影響 であるとは確信できないが、筆者と一緒にアン ガーマネジメントプログラムを実施した樹市が 子どもの攻朝生と反対の向社会性に目を向ける 機会になったことと、学級生活満足度尺度調査 の結果から良好な学級風土の形成が向在会的な 児童と捉え、さらに児童を見る視点を広げたと 思われる。
今後の課題は次の4点である。
①本フ。ログラムの実施回数:ひとつのプログラ ムに多くの時間をかけることはできないため、
本研究同様4時間程度pでの実施をめざす。
②本プログラムの内容の問題:本研究では、 VL
Fを基盤としているため実践する指導者の指導 梯荷の向上と実施内容の工夫が必要である。
@激化についての問題:怒りの対処法を日常の 生活に生かすために、指導者や保護者からの賞 賛などフィードパックが必要である。
④本研究では1事例で、あったため、多くの実践 を重ねることによって、新しし、視点が認められ る。