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人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コース

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Academic year: 2021

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ソーシャルメディア上のグループ。における大学生の行動に関する考察

人 間 教 育 専 攻 臨床心理士養成コース 田 中 勇 作

1.問題と目的

ソーシヤルメディアが広く普及するにつれ て,ネットいじめのツールに使われることが若 者の間で多くみられるようになっている(山陽 新聞, 2015)。このため,ソーシヤルメディア における個々の行動について研究することが必 要であると考えられる。また, LINEにおける

「既読無視」は,現在大きな問題として取り上 げ ら れ る こ と が 多 く 既 読 無 視j は新たなネ ットいじめの特徴になりつつあると考えられ る 。 し か し 既 読 無 視 」 はLINEにおいてだ けで起こる現象であるのだろうか。例えば,

LINEと同じく広く浸透している Facebookに おいても,メッセージ機能の中に,相手のメッ セージを見ると「開封」とでる機能がある。こ のように,現在, LINEが流行しているため,

「既読無視」はLINEならではの特徴であると 見られがちだが,既読に近い機能を持った SNS は多く,ソーシャルメディア全体の特徴である

と考えられる。

そこで本研究では,ソーシャルメディア上の グツレーブpで、対人トラブルが起こった時に,傍観 者の立場にいる大学生がとる行動とその行動に 関連する要因について検討する。行動に関連す る要因として,加害者・被害者との友人関係,

ネットへの依存傾向度に注目する。そのうえで,

ソーシャルメディアのグループ。上での対人トラ ブルの対策を考察したい。

指 導 教 員 小 倉 正 義

仮説①では,ネット依存傾向が高い者は,ソ ーシヤルメディア上のグツレープで、対人トラブ〉ル が起こった時に, トラブ、ルで、あると考えて行動 することが考えられる。また,ネット依存傾向 が低い者は, トラブルで、あると考えにくのでは ないかと予測した。

仮説②では, SNS使用経験がある者の中で,

ネットへの依存傾向度が高い者は,低い者に比 べて, トラブ?ルを深刻に捉える傾向にあるので はなし、かと考えられる。そのため,被害者やグ ループのメンバーに対する問いかけやメッセー ジ以外の行動をすることがある。その一方で,

深刻に捉えるからこそ何もできない者もいると 予測した。

仮説③では,ネットへの依存傾向度が高い者 は,低い者に比べて,友人関係の要因により影 響されることが予測された。

2.方法

X大学の大学院生 142名(男性 71名,女性 69名)を対象に,質問紙調査を行った。質問紙 の構成は, (1)基本事項,(2)ネット依存傾向尺度,

(3)仮想、事例,の 3つの項目で構成した。さらに,

事例は事例の内容は,協力者と「被害者とが親 しい関係の場合J,協力者と「加害者とが親し い関係の場合j, f友人関係に関して記載なしj,

のという 3群にわけられ,友人関係による違い を検討できるように作成された。 3群の質問紙 を均等になるよう無作為に配布した。

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3.結果と考察

「メッセージ以外の行動の有無」をみると,ネ ット依存傾向低群 8件,ネット依存傾向中群 25 件と中群が低群に比べて2倍近く多かった。こ のことから,ネット依存傾向が高いものほど,

メッセージ以外の行動をすると考えられる。ま た,中群での行動理由をみてみると,メッセー ジ以外の行動「連絡する」では, 19件のうち, 11 件が被害者に対して個別に連絡するとし、う対応 であった。赤坂・坂元(2008)は,高校生は友人 関係を維持するために自分の本心を隠したメー ルのやり取りをしつつ,友人に嫌われないよう

に気を遣って相手に合わせながらつき合ってい ることを明らかにしている。また,田崎 (1974) は,同調行動からの逸脱者が他の成員から拒絶

る。

メッセージとメッセージ以外の行動をみてみ ると,被害者と仲が良くネット依存傾向が高い ものは,行動をすることが多く,ネット依存傾 向が高く被害者と仲が良い場合に何らかの介入 をしようとすることが示唆された。しかし,ネ ット依存傾向が低い群のほうが件数が多い場合 があり,ネット依存傾向が高いだけでは,何ら かの介入をしようとするわけではないことが示 唆された。

また,文部科学省 (2012)は,インターネット トラブルに対する予防策として「文字によるコ ミュニケーションは感情や真意が伝わりにくい ことを理解させる」ということを述べている。

これは,文字によるコミュニケーションは,相 さ れ る 傾 向 を 指 摘 し て い る 。 そ の た め 自 己 手の表情や身振りが見えないので,対面のコミ 主張」としづ言葉が否定的に捉えられる傾向が

ある。このことからグループメンバーが「おやす み」と言った後に,被害者に対してメッセージを 送るのはグループ。メンバーに対して否定的に捉 えられてしまうのではないかと感じたと考えら れる。このため,仮説①のようにネット依存傾 向が高いほどトラブルで、あると考えて行動する と考えられる。しかし,低群のメッセージと行 動をみると,被害者の質問が流されたことを意 識しているものは多く,ネット依存傾向が低い 者は, トラブルであると考えにくいわけではな かった。

先述したように,

r

メッセージ以外の行動の有 無」をみると,中群は低群に比べて 2倍近く多 かった。また,ネット依存傾向が高いほど,個 別で連絡する傾向にある。中群の行動をみると,

被害者に電話をかけるとしづ行動がみられ,仮 説②で述べたように,ネット依存傾向が高いも のは, トラブノレを深刻に捉えていると考えられ

ユニケーションと比較して感情が伝わりにくい ことがあると述べている。本研究においても,

「おやすみ」とメッセージで、送っているが,発信 者がメッセージに込める意味は「フォロー」や

「寝るから J,

r

みんなが言っているから J

r

被 害者に対して了解の意味を込めて」と様々であ った。言葉だけのコミュニケーションである場 合,そのメッセージの理由を聞いて初めてどう いう意味だ、ったかわかる場合があった。

4.今後の課題

同じメッセージでも,その意味は様々であっ たように行動をしないと選択した者の中でも,

行動しない理由は様々で、あったと考えられる。

本研究では,メッセージを送る,またはメッセ ージ以外の行動をすると選択した者に,その理 由を尋ねていたが,行動もしないと答えたもの には,それ以上尋ねなかった。行動もしない理 由も様々であると考えられるため,今後検討が 必要である。

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