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Title
Candida albicans の生体内増殖における鉄獲得機構の解
明 −新規な細胞表層蛋白質から探る病原性発揮メカニズ
ム−
Author(s)
柴山, 和子
Journal
歯科学報, 115(3): 270-270
URL
http://hdl.handle.net/10130/3696
Right
C. albicansは多くの健常者より検出される常在性真菌であるが,防御機構に異常をもつ宿主に対しては真菌 症を引き起こし,口腔咽頭カンジダ症を含む重篤な症状を呈する。C. albicans の病原因子については単独で病 原性を説明することは困難で,未同定因子を含め複数の因子が複合的に作用し病原性を発揮すると推察されて いる。本菌が菌糸形で病原性を示すことから,酵母形から菌糸形への形態変換(二形性変換)に関与する因子 が検索されているが詳細解明の途上にある。また,細胞増殖に必須である鉄の獲得機構を含め本菌の生体内増 殖機構も未だその全貌を明らかにするには至っていない。
我々は,C. albicans の病原性減弱が細胞表層蛋白をコードする遺伝子 CSA2(cell surface antigen2)のダ ウンレギュレーションに関連することを見出し,新規な病原因子であると考え本蛋白に着目した。Csa2は, CFEM(Common in Fungal Extracellular Membranes)ドメインを有し鉄レセプターとしての機能を担うと される Rbt5蛋白質ファミリーメンバーであるが,その機能解析は数少ない。 C. albicansは血清中のトランスフェリン結合鉄の利用能を欠くが,菌糸形菌体では生体内増殖のために赤血 球成分であるヘモグロビンを鉄源として利用することが報告されている。Csa2の鉄獲得機構への関与につい て,CSA2 欠失変異株を用いて検討を行った結果,野生株および補完株と比較してヒトヘモグロビンに対する 親和性の低下と,ヘモグロビン利用能の減弱が認められた。Csa2が菌糸型増殖においてヒトヘモグロビンを 鉄源として取り込み,鉄獲得に重要な役割を担うことが示唆された。さらに,血清誘導条件下での菌糸形増殖 および二形性変換能への Csa2の関与を強く裏付ける基礎データを蓄積しており,本蛋白は種々の要素が関連 する C. albicans の複雑な病原性発揮メカニズムを探る新たな糸口となり得る可能性を秘めている。 真菌の病原性の包括的理解と予防法および新規治療法確立への新たな基盤となることを目指し,分子レベル の解析から3次元口腔粘膜モデルや口腔咽頭カンジダ症モデルマウスを用いた in vivo 研究へと展開する予定 である。 <受賞論文>
Csa2, a member of the Rbt5 protein family, is involved in the utilization of iron from human hemoglobin during
Candida albicans hyphal growth.
Okamoto-Shibayama K, Kikuchi K, Kokubu E, Sato Y, and Ishihara K. FEMS Yeast Res.2014 Jun;14⑷:674−7.
≪プロフィール≫ <略 歴> 平成13年3月 東京歯科大学卒業 平成17年3月 東京歯科大学大学院歯学研究科(生化学 専攻)修了 平成17年4月 東京歯科大学生化学講座研究助手 平成17年6月 State University of New York at
Buf-falo, Department of Oral Biology ポスト ドクトラルフェロー 平成19年4月 東京歯科大学生化学講座助教 平成24年4月 東京歯科大学微生物学講座助教 平成26年6月 東京歯科大学微生物学講座講師 現在に至る