〔原 著〕
(東京女医大仁第26巻第5号頁241一 247昭和31年5月)
壁画外眼窩腺Glafidula orbitalis externaの
組織学的細胞学的研究
第2篇 排泄道上皮細胞特にそのアポクリン性分泌に就いて
東京女子医科火田解剖学教ま(主任久保田くら教授) 助教授 .丁」ン 内 ウチ 乗 ジヨウ 田 ダ 和 カズ (受付 昭和31年3月!日) 幸 :] t 子 :T 1 緒 言 白鼠に於て他動物の耳下腺存在部位に存在する 腺が外薗部瞼結膜に開口しLoewentha1の外眼窩 隙(Gl. Qrbit.a/is ex搬na)或はKultw;tz1《yの 耳前部涙腺⊂Gl. lacriimaliss praeparotidea)に 相当する腺であり,本曇に就ては詳細なる研究が 無いので第1篇主管の研究に引続き排泄道に就き’ その全経過に亘って詳細な組織学的細胞学的研究 を試みオこ。 H 研究材料及び方法 研究材料としては成熟白鼠の外眼窩腺を用い,第1 篇と同様に刎出せる新鮮材料を目的1こ従い種々の固定 液を用いて固定した。 ゴルジ氏装置の検出にはK:olatschev氏}宏を用い た。ゴルジ氏装置,ミトコンドリア,分泌願粒等を同 時に観察すべくKolatschev標本の一部にK:ull氏ア =リンフクシン・アウランチア染色を施した。Kolat− schev標本に於ては脂肪小滴はオスミウム酸にて黒褐 色に着色保存せられゴルジ氏装置との関係を明らかに 翻察し得た。 ミトコンドリアの証明にはLevi氏液, Champy氏液,Kolster氏液, Zenker・Formol, Regaud氏液等; を用いて固定し鉄ヘマトキシリソ染色を施したがミト コンドリアは極めて固定し難くLevi氏液, Zenker−
Fonnol固定標本に於てのみ認められChampy氏液,
Kolster氏液, Regaud氏液はその検出1こ不適であっ
た。
その他Zenker−Formo}, Regaud氏液, Kolstet・氏 液固定,ヘマトキシリンeエオジン染色標本を用いた。 固醸せる材料は総てアルコール脱水後キシmFルを 通じパラフィンに色入し4乃至5μの運続切片に作 製した。
皿 自家所見
1) 排泄道一k皮細胞の一・般的所見 外眼窩腺の排泄管系統は既にLoewenthal(a) も記載した如く,唾液腺に於けると同様頸管,線 條管,小葉聞排泄管の三部を区別し得る。 i)頸管(第1,2図) 頸管は主管に続く長い多数IZ分岐せる極めて狭 い管で上皮は遜常一層の扁平細胞より成るが主管 より遠ざかった比較的太い部分に於ては上皮細胞 ばその高さを増し立方形をなす。この立方形上皮 の下層には所々に於て中断せる扁平細長な基底細 胞(B)を認める。上皮細胞の遊離表面間には閉 鎖堤が認められる。核は円形又は楕円形で細胞基 底部に存在する。核は通常ユ個乃至2個の比較的 大きい核小体を含む。斯かる核の性状は全く排泄 道の部位如何に拘らす殆ど同様である。 ミトコンドリアは頴粒状叉は桿状で頸管腔に向IC“ ENJO and Kazuko VCfflDA : Histological and cytological study of the ’iGl. orbitalis externa’t
14 い核上部に比較的多数に認められるがその配列は 比較的疎である。 上皮細胞内には時に鉄ヘマFキシリン叉はエオ ジンに好渇する小顯粒の認められる事がある。 ゴルジ氏装置は核上部に稀には核側部に冷感せ る索状体より成る不完全なる網工として認められ る。 基底細胞は前述の如く扁平で核は楕円形乃至長 楕円形で1個乃至2個口核小体を含む。 ミトコンドリアは扁平細胞に於ては僅少で桿状 のミトコンドリアが数個散在するに過ぎないが梢 ・k’bウを増した細胞に穿ては上皮細胞に於けるも のと極めて類似する。 ゴルジ氏装置は発育不良で核上部或は核側部に 数個の索状体として認められ殆ど網工を形成する 事がなb。ゴルジ氏装置は細胞の高さを増すと共 に複雑となり不完全な網工を形成するに至る。 基底細胞は全排泄管に亘って認められその性状 はすべて同様である。 ii)線條管(第3,4図) 頸管に続く部分で通常小葉内に存在するが時に は小葉問結合組織内にも認められる。 二丁管上皮細胞はLoewenthal(b)も認めた如 く立方形乃至短円柱形で頸管同様その遊離表面間 に閉鎖堤が認められる。この上皮細胞の下層には 所々に扁平乃至立方形の基底細胞が認められる。 核は細胞中央部より梢・々上方に位しその性状は 頸管に於けると同様である。時には2核細胞も認 められる。 核下部には線條管上皮細胞の特徴たる比較的太 V・ミFコンドリアの縦列による線條構造が認めら れる。核上部に於けるミトコンドリアは顯粒状, 短桿状で少数である。時には核上部に鉄ヘマトキ シリン叉はエオジンに好面する比較的粗大な点鼻 が少数出現する。魚油管上皮細胞に可染顯粒の存 在する事は唾液腺に於てPischinger, Fleischler, Zimmermann, Iwasaki等も認めた所である。 Pischingerは該如露は細胞基底部に存するミト コンドリアより形成されると言った。私共も氏の 説に賛成する。 ゴルジ氏装置は唾液腺線條管上皮細胞}で於て Kolsterの認めたと同じく発育不良で轡曲した索 状休より成る網田として核上部に認められる。 叉該上皮細胞内には屡k’既に主管細胞に於て認 めた針状褐色のメラニン類似色素が不正形の集塊 をなして存在する。斯かる色素は頸管上皮にも認 められるがその量は僅少である。 管腔内には多i数の脂肪小滴及び色素頴粒(管腔 内.に於て1・i屡 k・Buschkeが白鼠,二十日鼠のハ ルデル蝋腺に於て認めた如く大なる集塊をなす。) が認められる。即ち色素斑点も管腔内に排出され. るものであろう。 iii二) ノ!、葉間拶ドテ廷ヒ管 小葉闇排泄管上皮は二層の立方形乃至短円柱形 上皮で管腔内に向う層は立方形叉は短円柱形上皮 細胞より成りその遊離表面闇には閉鎖堤が認めら れる。基底細胞は扁平乃至立方形で所々に於て中 断する。故に上層細胞は面隠に於て基底膜に達す る。 ミトコンドリアは少数で顯粒状或は短桿状をな す。叉上皮細胞の湿るものには小さい可染顯粒が 多数存在する。 ゴルジ氏装置は核上部に不完全なる網工として 認められる。 該上皮細胞にも稀にメラ=ン類似の色素顯粒が 出現する。 2)排泄道上皮細胞に於けるアポクリン性分泌 と脂肪分泌 排泄道上皮細胞に分泌機能のある事は多くの学 者により証明され特に唾液腺線條管上皮細胞に於 けるアポクリン性分泌はPflUger, Mathius,生沼 等に依り認められ,更にMathiusは小葉聞擁ll上 管上皮細胞にもアポクリン性分泌を認めた。私共 も外眼窩腺排泄道上皮細胞に於てその全経過に亘 りアポクリン性分泌を認めた。即ち上皮細胞の詣 るものはその遊離表面より管腔に向い円蓋帰心 は舌状の突起を出す。該分泌突起はミFコンドリ ア,可染顧粒,分泌空胞等を含ます全く硝子様の 外観を呈する。該細胞の性状は全くその存在する 排泄道部位に於ける通常細胞と同様でミトコンド リア,少数の可臨画粒を含むに過ぎなV・が時には 可染穎粒及び少数の脂肪小滴を含む細胞も認めら れる。 更に叉外眼窩腺の排泄道上皮細胞に於てはその 全経過に亘って脂肪分泌が認められる。 排泄道上皮細胞に脂肪小滴の存在する事はAx− enfeld, Ko110sow, Lauber, Schilmer, Zim皿er−
mann等の認めた所で, Schilmer, Zimm.ermann
等は更に排泄道腔内にも脂肪小滴の存在する畜実 より排泄道上皮細胞の脂肪分泌の可能性を述べ た。叉Ludwig, R:chterは入及び哺乳動物の乳 腺排泄道上皮細胞に於て脂肪分泌を認め更に1’la− mperlは人唾液腺(主として顎下腺稀に耳下腺)排 泄道上皮細胞に脂肪のホロクリン性分泌(皮脂腺 様変化targdr亘se始hぬ1iche Veranderung)を認 め,その後Fritzも同じく人顎下腺に於て同様の
所見を認めた。Hamper1は斯がる心慮が排泄t
の起始部即ち頸管,線條昏稀に線直管と小葉間排 泄管との間に認められる享を述べた。而して斯が る脂肪分泌現象をHamper工は先天的戎は後天的部位ILik∫型(angebore!ユe oder erworbe]ne Hetero−
thophie)なPとしFritz L之をIE常に,、,尽められ る児象CS”t7bると目つた。然し氏6:羊は只かがる現象 を,、勘たのみで脂肪小減D形成並肌こ二7断決月』こ 関しては詳細な記載がない。 外眼窩瞭にナ・て19Loewenthal(C)はその排1、1、 道の一.一一部に.ハルデル氏腺と極めて採血した邦分の 存在を認めた。ハルデル氏服は周知の如く脂肪分 泌眼であIJ Loewenthalの所見ほ恐)く脂肪葺/ を意味するものでゆろうっ 私共の所見に依れば外心窩痴夢ド洲画図に潭i々そ の起始部即ち頸管に於て脂肪分泌、廓醤められるが 更に斯かる現象は線肇:津,小美開頴才首1ヌに1も認め られる。 排泄道上皮癌胞は前述の如くその青位に依り扁 平乃工立方形,画帳膏に点ては時に遮弼娘形をな すが脂肪分泌期の細意は遍常その部位如河に拘ら す短円柱形乃至高円柱形をなす。 核は前述の如くであるが脂肪小滴で充満せられ た細胞に点ては強く基底部に圧排せられる。 脂肪小滴の量は種k’で少数の脂肪小滴が散在す るものより全原形質内を充満するものに至る間の IPt k’の程度が認められる。脂肪小滴の形,大きさ も亦種粛で微細頼粒状のものより,核と略.A:同大 なものに至り,その形状は通常球形であるが時に 数個融合して不正形をなす。 脂肪小滴は排泄道上皮細胞内に認められる糸状 又は桿状のミ}コンドリアの先端肥厚部の断裂に 依り生する小さV・官社頼粒より形成せられるもの と思われる。即ち核上部及び細胞遊離表面に接し て鉄ヘマトキシリンに濃染する小顯粒が認められ る。この顯粒の小さいものぽ之と顯粒状のミbコ ンドリアとを区別し得ない。斯がる時期に於ては ミトコンドリアは屡・々その先端が肥厚し棍棒状を なす。その先端肥厚はやがて断裂し/J\顯粒となり その頼粒が発育して可心頼粒となる。同様に頴粒 状のミトコンドリアより可歯面粒の形成される事 は容易に想像される。 可前平粒は撮も屡々核上部及び細胞遊離表面に 接して存在する。その大きさは雑多で微細なもの より粗大顯粒に至る種みの大きさが認めらi,a、るが 可染頼粒は通常余り増大せす比較的小振1位の聞に その中央部より染色性を失い1}〔命状或は半月状小体 となり或は反対にその周辺部より染色性を減じ明 調軍を以て.Fm]「.t.されるに至る。1斯かる時期の耳「粒 は犀々核上耶に認められる。 次いで興粒は益々その)V.,ff個た失い〕に空胞}で 一ki “’ x;.)。この液胞ぱLev’氏1、るGユarnPy氏帳無 のオスミウム酸含有門期』レご・巨r産したゴ.ソは黒戯 評に着色保存せられ之が}iF防の溶辻「㌃よる空胞で ある∫1を知る。即ちミトコンドリアより分離ル成 せられ一可心願粒は逆う・にそのLlンこ諦より:或は伺 旧都より脂肪に変化するものと思畑τる。然し薫 染頼粒は時には速かに脂肪小滴に墾ぜす前鑑頴粒 のまま増大し粗大身=1べとなP次N沿で賑肪fiぬに変 ずる享がある。 ミトコンドリアより脂肪,・{が形成せられる事 は既に他の脂肪分泌腺に煽て:先人の認めた所であ る(例えば皮脂腺一Clara,ハルデル氏涼一Haus−
schi.ld, Kuc−StaniczevLTska, Mukai h3i一).
斯くして形成せられた脂肪小泊属冠、に塔心す ると共にその数を増し遂には原形質内を充満する に至る。 脂肪小滴で充満せられた細胞に於てはミトコン ドリア,可染顯粒は少数散在性に認められるのみ である。この際可染館主ra屡k’脂肪小滴の表面に 附着する。 脂肪小滴で充満された細胞に総ては時にその遊 離表面より管腔に向って丘陵状の突起が燃出しや がて円蓋状の突起として突出するのを認める。こ の突起は分泌突起で脂肪小滴で充満せられる。樹 .亥突起内にも少数のミFコンドリア,可染頼粒, 色素砂粒:等が認められる。 分泌突起は分泌願粒たる脂肪小滴の増加と共に 益粛管腔に向って膨出し次いで突.起は管腔内に破 れ或は突起の根部が董状に狭窄し遂にこの部が離
16 断し腔内に滴状の分泌物として排泄せられる。斯 くして脂肪のアポクリン性分泌が行われ,る。 文脂肪小滴充満期の細胞の或るものは分泌突起 を出す事なく細胞の遊離表面が管腔内に破れ脂肪 小滴が腔内に排出せられるものも認められる。斯 かる細胞に於ては核は通常強く基底部に圧排せら れ濃縮に陥り変性死滅し細胞全体が分泌物として 排出される如き所見も認められる。即ちここには アポクリン性分泌の外にホロクリン性分泌も存在 する事を知る。 次にゴルジ氏装置と脂肪分泌とは如何なる関係 にあるかを述べるとゴルジ氏装置は前述の如く排 泄道の部位により多少異るが轡曲せる索状体より 成り核上部に不完全な網工を形成する。細胞内に 脂肪小滴が出現すればゴルジ氏装置は笹掻を解き Bowenが皮脂腺に於て認めた如く索状体(装置 要素)は脂肪小滴の間へ漸次相離れて行くに至 る。 脂肪小滴で充満された細胞に於ては索状体は益 k・ェ散し核と細胞遊離表面との間に干て脂肪小滴 の闇を細胞長軸と略・々平行に走る。高度に脂肪小 滴で充満されπ細胞に於てはゴルジ氏装置は認め られ.なV・。之はゴルジ氏装置が脂肪小滴で覆われ て認め難V・状態にあるものであるか,或は消失し たものであるがは明らかでないがゴルジ氏装置の 量は脂肪形成と共に次第に減少し恐らく分泌頴粒 (脂肪穎粒)形成材料として使用されるものの様 である。然しSian9−Hsuが脂腺(OldrUse)細胞 に於て認めた如くゴルジ氏物質が直接分泌穎粒に 転化する如き所見は認められなかった。 以上の所見より外眼窩腺排泄道上皮細胞には単 なる原形質性分泌突起を出すアポクリン性分泌と 脂肪のアポクリン性分泌との二様式が認められ る。この二様の分泌の間の関係に就ては次の3考 察が可能である。 a)単なる原形質性分泌突起がその儘離断せら れて分泌物に加わる揚合 前述した如く排泄管腔内には屡々脂肪顯粒を含 まない突起の脱落した所見も認められ(第4図) 斯かる突起がその儘離断し分泌物に加わる事が考 えられ,る。 b)最初単なる原形質性分泌突起が出されその 中に脂肪小滴が侵入して来て脂肪のアポクリ ン性分泌を行う易合 前述した如く硝子様の原形質突起を拠出した上 皮細胞に於てもその細胞体内に可染顯粒,脂肪小 滴を含む細胞も認められる(第1,3図)。この脂 肪小滴は原形質内に存在するミトコンドリアよIJ 薄染穎粒の期を経て形成せられたもので之が突起 の構成に参与するか否かは決定し難いが恐らく次 に来る脂肪分泌の準備であろうと考えられる。即 ち最初硝子様の原形質突起が出され次V・でその内 部に脂肪小滴が移行し分泌突起は脂肪小滴を含み 次V・でこの突起が離断せられて脂肪を分泌する事 も考えられる。 c)最初より脂肪小滴を含む分泌突起が形成さ れ脂肪のアポクリン性分泌を営む場合 五って単なる原形質性分泌突起を出す細胞と脂 肪分泌を営む細胞とは別個のものでなV・。而して 単なる原形質性分泌突起に依るアポクリン性分泌 の意義は興味ある問題である。 メラニンも屡友両者何れの分泌突起内にも移行 し分泌突起と共に排泄されるがその意義は不明で ある。 次に基底細胞に就て述べる。前述の如く排泄道 の部位如何を問わす所六に於て中断した扁平乃至 立方形の基底細胞が存在する。 基底細胞の核は細胞の形状に応じて長楕円形乃 至円形をなす。核には時に有糸又は無糸分裂が認 められ2核細胞も存在する。 ミトコンドリアは前述の如く扁平細胞に於ては 極めて少数で立方形細胞では比較的多数の顯粒状 乃至桿状のミトコンドリアが存在する。 立:方形細胞に於ては時に少数の脂肪小滴が存在 する。斯かる細胞は上層の脂肪分泌細胞と極めて 類似しこの細胞が上層に出て管腔に達し脂肪分泌 細胞となるものであろう。即ち該細胞は脂肪分泌 細胞の補充細胞と思われる。 基底細胞のゴルジ氏装置は前述の如く扁平細胞 に於ては短桿状の装置要素が核上部に矛肯・々集合す るが街散在性である。細胞の高さを増すと共に装 置要素は次第に核上部に集合し網工をなすに至 る。斯かる状態に至れば上層の脂肪分泌緬胞と極 めて類似する。基底細胞に於ても脂肪小滴が出現 すれば脂肪分泌細胞同様網ユニを解き索状体は五に 相離れる。即ち斯かるゴルジ氏装置の状態より見 ても該細胞が脂肪分泌細胞を補充する補充細胞な る事は明らかな所である。 一 244 一
基底細胞には前述の如く核分裂像(有総及び無 継分裂)が認められ,更に上層細胞にも.稀に核分 裂像が認められる。即ちホ4タリン性分泌によIP 消耗せられた細胞は上層細胞自身の分裂により或 は基底細胞により補充されるものと思われる。 IV 総 括 白鼠の耳介前方に存在する所謂外眼窩腺に就て 排泄管上皮細胞の組織学的細胞学的研究を試み次 の成績を得た。 1・外眼窩腺の排泄道は唾液腺に於けると同様 に頸管,線血管,小葉開排泄管の3部に分けられ る。 2.排泄道上皮細胞には定型的のアポクリン性 分泌が認められ,る。この現象は排泄道の全経過に 亘って出現する。分泌突起を性状により分泌顯 粒,分泌空胞等を含まない硝子様の外観を呈する 原形質性突起と,脂肪小滴で充満された突起との 2種に分つ。両者共に遂には管腔内に破れ叉は根 部よりの絞窄により離断され滴状の分泌物として 管腔内に遊離される。即ち漿液性物質のアポクリ ン性分泌と脂肪のアポクリン性分泌とある事を知 る. 3.この二様のアポクリン性分泌の関係に就て は次の3考察が可能である,, (1.)単なる原形質性分泌突起がその儘離断され て分泌物に加わる。 (2)最初単なる原形質性分泌突起が出されその 中に脂肪小滴が侵入し脂肪のアポクリン性分泌を 行う揚合。 〔3)最初より脂肪小滴を含む分泌突起が形成さ れ脂肪分泌を行う場合。 随ってこの二様の分泌を行う細胞は別個のもの に非ざる事は明白である。 4.時に脂肪小滴で充満された細胞は分泌突起 を産出せす細胞の遊離表面が管腔に破れ脂肪を排 出し或は細胞全体が核と共に管腔内に脱落したも のも認められる。即ち脂肪のホロクリン性分泌が ある。 5.排泄道上皮細胞内に出現するメラニン類似 色素症粒は二様何れのアポクリV性分泌によって も管腔内に排出され得る。 6.脂肪のアポクリン性及びホロクリン性分泌 に於ける分泌顯粒(或は空胞)たる脂肪小滴は排 泄道上皮細胞内に存する顯粒状叉は綜状,短桿状 のミトコンドリアより離断形成された可熟計粒が 中央部或は周辺部より漸次脂肪に変化して生じた ものである。 7.ぜルジ氏装置は排泄道の部位により多少異 るが一般に核上部に簡単な網工を形成する。脂肪 小滴出現と共にゴルジ氏装置は細工を解き網工を 形成した索状体は脂肪小滴の間に散在し脂肪小滴 の増量と共に次第に減少し遂には消失するものと 眉、われる。之を以て見るとゴルジ氏装置も亦脂肪 小滴形成に何等かの役割を演ずるものであろう。 8.排泄道上皮細胞の下層にはその全経過に亘 り所汝に於て中断せる扁平乃至立方形の基底細胞 が存在する.この基底細胞は脂肪分泌細胞の補充 細胞であるa即ち基底細胞は少数の顯粒状,桿状 のミ〉コンドリアを含むのみであるカ9その高さを 増すと共に細胞内に脂肪小滴が出現し遂に管膣に 達する事がある。叉ゴルジ氏装置は扁平細胞に於 ては少数の短い索状体が散在するのみであるが立 方形細胞に於ては索状体は核上部に而て脂肪分泌 細胞の如く不完金簡単なる網.工を形成するn V 交 献
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VI附図説明 第1図;外眼窩腺頸管の斜断。Zenker・Formo!固定。 鉄ヘマトキシリン染色。 第2図:頸管の斜断。Kolatschev氏法固定。 Ku11氏 アニi)ンフクシン。アウランチア染色。 第3図:線條管の横断。Levi氏固定。鉄ヘマトキシ リン染色。 第4図:線條管の横断。Kolatschev氏法固定。Ku】1氏 アニリンフクシン・アウランチア染色。 H:通常頸管上皮細胞 Str:通常線條管上皮細胞 B:基底細胞 F:脂肪分泌期細胞 K:変性核 P:メラニン類似色素 図は総て千代田アクpv一ト三目対物鏡90n。A.1.25 ホイゲンス接眼鏡15×を用いアツベ氏描写器を以て鏡 机と同高の作業机上にて描写したものである。 p H 第 1 図