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ラット三叉神経節における支配領域による神経細胞局在の三次元構築

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Academic year: 2021

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156 【目的】  三叉神経節は,眼神経,上顎神経,下顎神経の 3 枝に分枝し,その末梢枝は頭頚部で広範囲に分 布している.三叉神経節内には,これらの神経細 胞体が集まっており,それぞれの領域の細胞体の 局在には神経節内で偏りがあることが知られてい る.しかしながら,これまでの報告における表現 は統一性に欠け,詳細も不明である.そこで神経 損 傷 マ ー カ ー の ATF 3 (activating transcrip-tion factor 3 ) 抗体を用いて三叉神経節内の神経 細胞体の局在を三次元構築し,各神経切断群間で 比較検討をおこなった. 【方法】  ラットの三叉神経において眼窩上神経,眼窩下 神経,下歯槽神経,舌神経それぞれの切断群(各 n = 3 )と,各神経に至るまでの組織の切開や剥 離を加えて,目的の神経を切断しない対照モデル (各 n = 1 )を 作 製 し,ATF 3 の 発 現 がピーク となる 7 日後に三叉神経節を摘出し,100 µm 毎 の 水 平 断 切 片 を 作 製 した.これらの 切 片 を ATF 3 抗体と,神経細胞のみを染色する NeuN 抗体,すべての細胞の核を染色する DAPI 抗体 を用いた免疫組織化学に供し,光学顕微鏡下で画 像データとしてコンピューターに取り込み,スラ イスごとに重ねて三叉神経節を復元するように三 次元構築をおこなった. 【結果と考察】  ラット三叉神経節は, 2 つに分岐しており,第 1 枝,第 2 枝から外側へ向かう枝が 3 枝となる. 三叉神経節内における神経細胞集団は,大きく 2 つの領域に分かれており,1 つは吻側(吻側領域) に,もう 1 つは尾側(尾側領域)に局在していた. これら 2 つの領域は三叉神経節の背側では融合し ており(吻側・尾側連続領域),腹側では分離し

〔学位論文要旨〕

松本歯学 40:1₅6~1₅7,2014

ラット三叉神経節における支配領域による

神経細胞局在の三次元構築

石田 麻依子

松本歯科大学 大学院歯学独立研究科 顎口腔機能制御学講座 (主指導教員:金銅 英二 教授) 松本歯科大学大学院歯学独立研究科博士(歯学)学位申請論文 Three–dimensional reconstruction of neuron localization by

regions of innervation in the rat trigeminal ganglion

M

AIKO

ISHIDA

Department of Oral and Maxillofacial Biology, Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University

(Chief Academic Advisor : Professor Eiji Kondo)

The thesis submitted to the Graduate School of Oral Medicine, Matsumoto Dental University, for the degree Ph.D. (in Dentistry)

(2)

松本歯学 40⑵ 2014 157 ていた.ATF 3 と NeuN の二重陽性細胞を観察 した結果,眼窩上神経切断後の ATF 3 陽性細胞 の局在は,吻側領域において内側に,眼窩下神経 切断後の陽性細胞の局在は,吻側領域内ほぼ全域 に分布しており,眼窩上神経切断後の陽性細胞領 域を含んでいた.下歯槽神経切断後の陽性細胞の 局在は主に尾側領域に発現し,吻側・尾側連続領 域では点在していた.また,吻側領域において広 範囲に散在していた.舌神経切断後では,下歯槽 神経切断後とほぼ同じ領域で陽性細胞局在が確認 された.眼窩下神経と下歯槽神経,舌神経の各切 断後の 3 陽性細胞の局在は吻側・尾側連続領域で 混在しており,各神経領域の境界は不明瞭であっ た.  以上より,ラット三叉神経節内における神経細 胞局在には,異なる領域の神経細胞が混在する箇 所が存在していた.同じ神経節内における損傷し た神経細胞が近接する非損傷の神経細胞に何らか の物質を伝達することが異所性感覚異常の発症に つながっているという説もあり,今回の結果は, この異所性感覚異常のメカニズム解明の基礎デー タになりうると考えられる.

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