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Morphologic Classifications and Locations of Microaneurysms and Clinical Relevance in Branch Retinal Vein Occlusion(網膜静脈分枝閉塞症における毛細血管瘤の形態学的分類と局在および臨床的意義)<内容の要旨及び審査結果の要旨>

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Academic year: 2021

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Nagoya City University Academic Repository

学 位 の 種 類 博士 (医学) 報 告 番 号 甲第1782号 学 位 記 番 号 第1261号 氏 名 江﨑 雄也 授 与 年 月 日 令和 2 年 9 月 25 日 学位論文の題名

Morphologic Classifications and Locations of Microaneurysms and Clinical Relevance in Branch Retinal Vein Occlusion

(網膜静脈分枝閉塞症における毛細血管瘤の形態学的分類と局在および臨 床的意義)

Clinical Ophthalmology 2020:14 1909-1919

論文審査担当者 主査: 間瀬 光人

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論 文 内 容 の 要 旨

網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion: BRVO)の患者において、毛細血管瘤 (microaneurysms: MAs)が難治性黄斑浮腫を引き起こす可能性があると報告されている。さら に毛細血管瘤からの漏出は、黄斑浮腫治療の第一選択である、血管内皮細胞増殖因子阻害療法に 対して難治性であることが知られている。それ故、漏出性毛細血管瘤に対しては、レーザー光凝 固で治療されているが、どの毛細血管瘤が漏れやすく、治療すべきかを検討することは非常に重 要である。網膜疾患の微小血管異常を調べるための手法として、フルオレセイン血管造影 (fluorescein angiography: FA)は広く用いられている。FA は MAs の存在だけでなく MAs から の漏出も同定できる。しかしながら、FA は MAs が多く存在されるとされる、網膜深部毛細血管 網から得られる情報は不十分であるし、高密度の網膜出血や重度の黄斑浮腫は、フルオレセイン の造影効果がブロックされたり、造影剤が貯留して画像の解釈を困難にする。また、インドシア ニングリーン蛍光眼底造影法(indocyanine green angiography: ICGA)でもいくつかの網膜疾患 のMAs を検出でき、FA よりも網膜深部毛細血管網の情報が得られるが、FA および ICGA の MAs は点状の過蛍光スポットとしてしか写らない。従来のFA や ICGA を用いて MAs を形態学的に分 類することは、限られた解像度および MAs からの漏出のために非常に困難である。さらに、FA または ICGA は造影剤静脈注入を必要とするため、臨床医は頻繁な検査を躊躇する。対称的に従 来の報告に見られるように、光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography: OCTA)は MAs の形態学的分類が可能であり、三次元解析もできる。加えて OCTA は、造影剤を 使用しない非侵襲的な方法のために頻繁に検査することができ、MAs の経時的な撮像を可能とす る。一般に、糖尿病網膜症における MAs はよく知られており、様々な方法で調査されているが、 BRVO 眼の MAs は充分に研究されていない。本研究では、BRVO の患者においてOCTA を用い てMAs を形態学的に分類し、その出現頻度、局在部位を解析するとともに、経時的変化と網膜浮 腫との関連を検討した。 23 例 24 眼(男性 12 人、女性 11 人、平均年齢 68.0 歳)が対象となり、合計 244 個の MAs を解 析した。研究ではOCTA を用いて、MAs を形態学的に分類した。その分類とは局所隆起型、球形 嚢型、紡錘型、混合型(球形嚢/紡錘型)、有茎型、不規則型の6 種類である。 局所隆起型、球形嚢型は全毛細血管瘤の70%以上を占めた。6 種類の中で局所隆起型が最も小 さく、不規則型が最も大きかった。不規則型は他の型よりも有意に大きかった。局所隆起型と球 形嚢型は有茎型よりも有意に小さかった。各毛細血管瘤周囲のそれぞれの平均網膜厚は6 種類の 間に有意差はなかった。さらにMAs の大きさは、網膜厚と有意な相関はしなかった。 全244 個の毛細血管瘤のうち、局在部位を調べると 79 個は無血管領域の端に位置し、62 個は 側副血行路内に位置し、残りの103 個は両方の群に含まれていた。局所隆起型または球形嚢型の ようなより小さい MAs は、網膜無血管領域の端および側副血行路内の両方で同様に検出された。 有茎型または不規則型のようなより大きなMAs は、無血管領域の端に高頻度に形成される傾向が あった。高齢であること、側副血行路内においてMAs が存在すること、そして有茎型の MAs が 存在しないことは網膜浮腫に対する独立した予測因子であったが、MAs の大きさ、 網膜深層毛 細血管網におけるMAs の存在の有無は予測因子ではなかった。治療後に網膜厚平均値は有意に減 少したが、MAs の大きさの平均値は変化しなかった。 OCTA は、形態学的分類、三次元解析、および非侵襲的な容量定量化による MAs の経時的変化 の調査を可能にし、BRVO における MAs の病態解釈をより良いものへと導いた。

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論文審査の結果の要旨

【背景】

網膜静脈分枝閉塞症(branch retinal vein occlusion: BRVO)の患者において、毛細血管瘤

(microaneurysm: MA)が難治性黄斑浮腫を引き起こす可能性があると報告されている。さらに

毛細血管瘤からの漏出は、黄斑浮腫治療の第一選択である、血管内皮細胞増殖因子阻害療法に対 して難治性であることが知られている。それ故、漏出性毛細血管瘤に対しては、レーザー光凝固 で治療されているが、どの毛細血管瘤が漏れやすく、治療すべきかを検討することは非常に重要 である。網膜疾患の微小血管異常を調べるための手法として、フルオレセイン血管造影

(fluorescein angiography: FA)は広く用いられている。FA は MA の存在だけでなく MA からの

漏出も同定できる。しかしながら、FA は MA が多く存在されるとされる、網膜深部毛細血管網 から得られる情報は不十分であるし、高密度の網膜出血や重度の黄斑浮腫は、フルオレセインの 造影効果がブロックされたり、造影剤が貯留して画像の解釈を困難にする。また、インドシアニ ングリーン蛍光眼底造影法(indocyanine green angiography: ICGA)でもいくつかの網膜疾患の MA を検出でき、FA よりも網膜深部毛細血管網の情報が得られるが、FA および ICGA の MA は 点状の過蛍光スポットとしてしか写らない。従来のFA や ICGA を用いて MA を形態学的に分類

することは、限られた解像度およびMA からの漏出のために非常に困難である。さらに、FA ま

たはICGA は造影剤静脈注入を必要とするため、臨床医は頻繁な検査を躊躇する。対称的に従来 の報告に見られるように、光干渉断層血管撮影(optical coherence tomography angiography: OCTA)は MA の形態学的分類が可能であり、三次元解析もできる。加えて OCTA は、造影剤を 使用しない非侵襲的な方法のために頻繁に検査することができ、MA の経時的な撮像を可能とす る。一般に、糖尿病網膜症におけるMA はよく知られており、様々な方法で調査されているが、 BRVO 眼の MA は充分に研究されていない。本研究では、BRVO の患者においてOCTA を用い てMA を形態学的に分類し、その出現頻度、局在部位を解析するとともに経時的変化と網膜浮腫 との関連を検討した。 【方法】 23 例 24 眼(男性 12 人、女性 11 人、平均年齢 68.0 歳)が対象となり、合計 244 個の MA を解析 した。研究ではOCTA を用いて、MA を形態学的に分類した。その分類とは局所隆起型、球形嚢 型、紡錘型、混合型(球形嚢/紡錘型)、有茎型、不規則型の6 種類である。 【結果】 局所隆起型、球形嚢型は全毛細血管瘤の70%以上を占めた。6 種類の中で局所隆起型が最も小さ く、不規則型が最も大きかった。不規則型は他の型よりも有意に大きかった。局所隆起型と球形 嚢型は有茎型よりも有意に小さかった。各毛細血管瘤周囲のそれぞれの平均網膜厚は6 種類の間 に有意差はなかった。さらにMA の大きさは、網膜厚と有意な相関はしなかった。 全244 個の毛細血管瘤のうち、局在部位を調べると 79 個は無血管領域の端に位置し、62 個は側 副血行路内に位置し、残りの103 個は両方の群に含まれていた。局所隆起型または球形嚢型の ようなより小さいMA は、網膜無血管領域の端および側副血行路内の両方で同様に検出された。 有茎型または不規則型のようなより大きなMA は、無血管領域の端に高頻度に形成される傾向が

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あった。高齢であること、側副血行路内においてMA が存在すること、そして有茎型の MA が存 在しないことは網膜浮腫に対する独立した予測因子であったが、MA の大きさ、 網膜深層毛細 血管網におけるMA の存在の有無は予測因子ではなかった。治療後に網膜厚平均値は有意に減少 したが、MA の大きさの平均値は変化しなかった。 【考察】 本研究では側副血管の MA が網膜浮腫と関連するが、MA の大きさと形態は関連しないことを示 した。MA からの漏出は形態学的またはサイズによる差異よりも、むしろ内皮細胞の完全性また は透過性における機能的差異を反映するものと考えられる。また治療後に MA の大きさの平均値 は変化しなかったことから、残存したMA は将来網膜浮腫を引き起こす可能性があるため長期に わたる慎重な追跡が必要であるが、MA 形成を抑制することがより重要であると考える 【審査の内容】約20分間のプレゼンテーションの後に、主査の間瀬教授からはOCTAの原理、毛 細血管瘤の分類と発生機序、黄斑浮腫との関係について、副査の岩崎教授からはBRVOにおける 出血の機序、毛細血管瘤の密集と浮腫に関するデータ解釈、OCTAの問題点について、副査の鵜 川教授からはOCTAの原理の詳細、毛細血管瘤形成の機序、生理的状態との違いなど5項目の質 問がなされた。これらの質問に対して、申請者からはおおむね適切な解答が得られた。以上よ り、本論文の著者は学位論文の内容を充分に把握し、大学院修了者としての学力を備えていると 判断した。本研究は、OCTAがBRVOにおける毛細血管瘤の詳細な形態、三次元的分布を非侵襲 的かつ経時的に可能とする有用な検査法であることを示した。よって本論文の著者は博士(医学) の学位を授与するにふさわしいと判定した。 論文審査担当者 主査 間瀬 光人 副査 岩﨑 真一 鵜川 眞也

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