• 検索結果がありません。

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2022

シェア "雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査"

Copied!
7
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

cBNおよびコーティング工具によるハードミリング : 工具の耐熱性評価と小型2色温度計の開発

著者 岡田 将人

著者別名 Okada, Masato

雑誌名 博士学位論文要旨 論文内容の要旨および論文審査

結果の要旨/金沢大学大学院自然科学研究科

巻 平成19年9月

ページ 175‑180

発行年 2007‑09‑01

URL http://hdl.handle.net/2297/26706

(2)

氏名学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

岡田将人 博士(工学)

博甲第868号 平成19年3月22日

課程博士(学位規則第4条第1項)

cBNおよびコーテイングエ具によるハード・ミリングーエ具の耐熱‘性評価と小型 2色温度計の開発-

上田隆司(自然科学研究科・教授)

平尾政利(自然科学liW究科・教授),門前亮一(自然科学研究科・教授),

MII|晃(自然科学研掬科・謝曾).態111直観(白然科単研鞭科・lib蕊I将)

論文審査委員(主査)

論文審査委員(副主査)

HardmiUingwithcBNandcoatedtools

-Evaluatiomofheatresistanceoftoolanddevelopmentofcompacttwo-colorpymmeter-

T1necuttingperfbrmanceofcBNandcoatedtoolsfbrendmiUingofhamenedsteelisinvestigated・Thccuttingcharacter‐

isticsmeevaluaLedbytoolwearandtemperatureatthcflankfbce,cuttinghDrceandsur金lcerougmessatthechangeofcutting speed,wmkpieceha[dnessandcoatedmmmaterial・Thctemperatmcofcuttingtoolismeasuredu8ingatwo-co1orpyrometer witllanopticalm)erhthecaseofhigh-speedhardmillingwithcBNtools,thetempemtmeofCuttingtoolincreaseswiththc mcreaseofcuttingspeedandworkpiecehardnessl、particular,tllcworkpiecehardnesshasgreatinfIuenceonlhctoolflank tempcmturelnthecascoflow-speedhardmiUingwithcoatedtools,thetoolflankwearbccomeslaZgeusingTiNandTiCN coatedtoolsmletoolflanktemperatureincrcascswiththeincreaseof8urfaceroughncssofcoatedfilmOnlheotherhand,

thccuttingfbrccsdoesndtchangesomuchwithsurfaccroughnessofcoatedfilnLAcompacttwo-colorpyromcterusingan

optical面berisdevelopedfbrthepmposeofmonitoringthetooltempemtureinendmining・Thispyrometerhasahigher reSponseoflOOHIzandbetterS/Nratioandmeasuresthctemperatureof200oCorhigh鉱Thetempemtmeofcarbidetool duringintermittentcuttingofcarbonsteelisinvestigatedinproces8withthisnewlydevelopedpyromet“

高速ハードミリングには適さないが,安価で実用性が高 く,切削温度が高温とならない低速領域でのハードミリン グ用として注目されている.

これらの観点より本研究では,ハードミリングに対する cBN工具ならびにコーティング工具の有用性について,主 として耐熱性,耐摩耗性の観点から検討することを目的と し,切削速度や工作物硬さ,工具条件が工具逃げ面摩耗,

工具逃げ面温度,切削抵抗,仕上げ面性状および切りくず 形態に及ぼす影響を明らかにしている.また,装置が大型 で取り扱いが難しい光ファイバ型2色温度計に対し,小型 軽量で工作機械内への設置が簡便な実用的で汎用性を有す る工具温度モニタリング用小型温度計を開発し,インプロ セスで工具温度測定を行っている.

1.緒国

近年,工作機械の高剛性化,高精度化の進展ならびに金 型や自動車部品などに用いられる焼入れ鋼,鋳鉄,高硬度 難削材などを対象としたエンドミル加工すなわちハードミ リングの要求の高まりとともに,エンドミルエ具に対して より過酷な条件下での耐久性が求められている.特に切削 速度の高速化および工作物の高硬度化は切削温度の上昇を 招き,工具摩耗を促進する.また,工具摩耗の促進は連鎖 的に切削温度を上昇させ,加工精度,仕上げ面性状の劣化 などの悪影響を及ぼすため,ハードミリングにおいて切削 温度を把握することは非常に重要である.

工具温度の測定には従来より一般的に熱電対法が用いら れているが,エンドミル加工に適用する場合,測定領域,

応答速度の観点から切削ごとの工具温度を測定することは 難しい.そこで,これらの問題点を解決する測定方法とし て光ファイバ型2色温度計がある.本温度計は,光ファイ バにより対象温度場から輻射される赤外線を受光・伝送 し,赤外線検出素子に照射することにより測定を行うもの で,熱電対法と比較して装置が大型で汎用性には劣るが,

非接触で微小な測定領域,高い応答特性を有するなど数多

くの特徴を有する.

ハードミリングを可能にする工具としてcBN工具とコー テイングエ具がある.cBN工具は高硬度で高温強度が大き く,耐摩耗性,耐熱性,耐腐食性に優れた性能を有する.

またコーテイングエ具は母材となる超硬合金工具の表面に 硬質薄膜を単層または複数層被覆して,切削工具としての

性能を高めた工具である.cBN工具に比べ高温硬度が低く FiglStructureoftwひcolorpymmeterwilhanopticalHber

-175-

(3)

TロbIe3Physicalpropertiesofcoatedtool8

■■

TnJTiTiAI

-Ⅱロロロ

UIp

Ⅲ■■■UIYund万 ~’

=0。

DmU

*1:NOuImHlvBIue

TipgeomctryatARAl

【釘k色

□・DBCmoBcoPC 、Ⅱ■

=二琴≦生E1

Fig.2Experimentalsetup

100回

FHg、3Formofcuttingedge gN-crwbi色dtcoDlDjmTDeterD=ZDmn

ゼロnW

Q900 d800

mBu加IⅡ巳L

ⅣOrqo1【 。BHUHqL

=0.05mm/boolh

=02mm

=3,m C-40「C、50し.bU

灘 ;鰡

言300 畠Zoo

Ⅸ100200-400.600m/工

HIH、、■

[D-O5mTWtoC

■EII巴rnunZp

【ZmlnItn 、ロⅡ

》十十

6542 0000

ⅢMⅧ肌

ロロロロ

】own-cutwIthnuHtCOO1am

■I囮団□Ⅱ四LUU

、■

--0100200300400500600700 CuttingSpeedvm/imnin

mg、4RclationshipbetweencuttingSpeedandtoolnanktempemture

Ⅱ、

曰1,

BHDdqU【

具の場合に70m/minとした.測定位置は図2に示すように 軸方向切り込み量(Ad=3mm)の中間となる外周刃の切れ刃

先端からルー1.5mmとした.

表2,表3にcBN,コーテイングエ具の主な物性値を,図 3に工具刃先のSEM写真と模式図をそれぞれ示す.cBN工 具は,cBN含有量や結合材により,コーテイングエ具は コーティング膜質により,機械的および熱的特性が異なっ ている.また,cBN工具は超硬K20種(G10E,住友電工 ハードメタル㈱)の先端にろう付けによりcBNチップが取 り付けられており,コーテイングエ具はcBNと同じ超硬 K20種ならびにP30種(P30種,住友電工ハードメタル㈱)

の母材にそれぞれの膜が被覆されている.図にみるよう に,いずれの工具も図中の破線を境界として,それぞれ刃 先周辺にネガランドー15.,ネガランド幅0.13mmにチャン ファ処理されている.そのため,本実験は負のすくい角を 有する工具により切削が行われることになる.

3.実験結果および考察 3.1cBN工具による高速ハーFミリング

図4にBN600,BN250を用いて切削したときの切削速度

vと工具逃げ面温度0・の関係を示す.いずれの工作物硬さ

においても川の増加とともに0.が上昇しており,その差

は200~300°C程度となっている.本実験では,1刃当たり の送り′が一定であることから,この温度変化はvの増加 によって単位時間当たりに工具に流入するエネルギーが増 加したことに起因すると考えられる.工作物硬さによるo“

をみると,BN600,1房600m/ininにおいてZ0mCの場合が o=550°C程度であるのに対し,601mcの場合は0F780°C

@20ノ500ノ750ノリ00。

、20ノ500ノ750ノリUU。

2.実験方法 2.1光ファイバ型2色温度計

工具逃げ面の温度測定には,光ファイバ型2色温度計を 用いた.温度計の構造を図1に示す〆本温度計を用い,切 削時に工具逃げ面からふく射される赤外線を光ファイバに より非接触で受光し,赤外線検出素子に伝送することで回 転体の過渡的な温度を測定する.本温度計は分光感度特性 が異なる2種類の素子からの出力比から温度を求めるた め,その測定感度は測定対象物のふく射率に依存しない特 徴を有している.また4001Hzまでの入力に対して安定し た出力が得られ,高速切削中の工具温度を計測するのに十 分な応答速度を有している.

2.2実験方法

図2に実験装置の概略を,表1に主な実験条件を示す.実 験は,立形マシニングセンタ(CV-500A,㈱森精機製作所 製)に,スローアウェイ型エンドミルを取り付けて,工作 物S55Cの乾式側面加工を行い,切削抵抗と工具逃げ面温 度をインプロセスで測定した.切削抵抗の測定には,圧電 センサを組み込んだ3軸切削動力計を用い,チャージアン プを介してストレージスコープに出力波形を記録した.工 具逃げ面温度の測定は工作物にあけた貫通穴(○1.11m)に 光ファイバ(コア径3001mm)を挿入し,工具回転ごとの切 削終了時点における工具逃げ面温度を測定した.切削速度 はcBN工具の場合にv-100~600m/minを,コーテイングエ

-176-

(4)

》 剛脚Ⅷ

6542 000

一つ一つ

42086420111100000日ユロ唱閉閏日脚目の。項目、

NⅢNNN054321庭曹②日昌冨芯凶

TboLBN600 D=25mm

ノー0,051m、/tooUl Rd=O2mm

-Ad=3mm

。.~~ ̄~~~--①

O100200300400500600700 CutungSpeedvm/min

FIgb5MationshipbetweenclminggPeedandfbedfbme  ̄~10203040506070 WmlmiecchmdncBsHRC

Fig7Mation8hipbetw巳encuttinglengdhandtoomankt団npemtuI己

5050505332211脚弓。⑰団目肖恩目の

月岡H尚 心》一一

日1囚{周⑪彦署目頃『只臣

T,ToO1:BN600 D=25mm

ノー0.05mm/toom Rd=0.2,m A。=3mm

〆①

Cl ̄10203040506070 Wmlmiecehanhme8BHRC

Fig・oRelationshipbetweenwodCpiecehardnessand3impUfiedshear8ngle CutmglengnhLcm

Fig8RclationshipbetweemcuItinglemglhandtoolnankwear

にまで達しており,0゜は工作物硬さによる影響も大きく受 けることがわかる.また,それぞれの工具を比較すると,

BM50の0.がBN600の場合より同一条件下において 30~60°C程度高いことがわかる.これは,表Zに示すよう に,BN250の熱伝導率A・熱拡散率αがBN600のそれより,

いずれの温度城においても低いためと考えられる.

図5にBN600を用いた場合の切削速度γと送り分力Euの

関係を示す.いずれの硬さにおいても,150~200Nと50N

程度の変化幅で推移しており,Euがあまりvの影響を受け ていないことがわかる.また,工作物硬さが上昇してもFR

はあまり増加していない.旋削加工では工作物硬さの増加 により切削抵抗が増加していることから,この要因として は,工作物硬さの増加にともない切りくずの生成形態が変 化して工作物と工具切れ刃の接触面積が減少し,単位時 間・単位面積当たりの流入熱量が増加したのではないかと

考えている.

工作物硬さが上昇しても切削抵抗があまり変化しない理

由を考察するため,工作物硬さがせん断角中に及ぼす影響

について検討する.ここで巾を検討するために切りくずの

採取が必要であるが,0.が700°Cを超える切削条件(図4

中の網掛け部)では切りくずが溶融し,排出時の形状を

保った切りくず採取が困難になる.そこでルの測定のた

めの切りくず採取には,窒素雰囲気中での切削実験を行っ

た.なお,窒素雰囲気中においても,Caおよび各成分の切

削抵抗は大気中の場合と変化がないことを実験的に確認し ているJ図6に工作物硬さとせん断角。の関係を示す.エ ンドミル加工の場合,切取り厚さが切削の進行とともに変 化する過渡的切削過程であるため,ウを一意的に求めるこ とは難しいため,ここでは平均切りくず厚さから2次元切 削モデルにより簡易的に求めている.図にみるように,硬 さの増加によって中が増加しており,最大で15゜程度の差

が生じていることがわかる.また,vの増加によっても。が

増加していることがわかり,これらの傾向は工具すくい面

温度の増加により工具すくい面と切りぐずとの摩擦抵抗が 減少したことなどが原因と考えられる.このことからエエ 作物硬さの増加によって切りくず生成形態が変化し,それ によるせん断角の増加と工作物硬さによる難削性が相まっ て,尺にあまり変化が生じなかったのであろう.

図7に工作物硬さと仕上げ面あらさRaの関係を示す5図

に示すように仕上げ面あらさ測定箇所は,工作物長手方向 の中央付近で,外周刃の切れ刃先端よりJカー15mmの部分で 切削された仕上げ面である.ツー100m/hninにおいて,201mC ではRd=0.971」m,40mRCではRa=0.9111mであるのに対して,

S01mCではRa=0.25Um,601mCではRFO・l7Um程度と仕上 げ面あらさが急激に小さくなる.このことから,低切削速 度においてはcBN工具は高硬度材料ほど優れた切れ味を発

揮するといえる.一方,γ=600m/minではRaは工作物硬さ

によらずRゴー0.081m、程度であり,高切削速度では工作物硬 さが仕上げ面あらさに及ぼす影響は小さいことがわかる.

3.2コーティング工具による低速ハードミリング 図8にG10Eを母材とする4種類のコーテイングエ具を用 いて切削したときの切削距離Lcと工具逃げ面摩耗幅四の 関係を示す.ここで,PBとは,工具逃げ面温度測定部であ る炉1.5mmの部分において,均一な摩耗部の最大摩耗幅と 定義した.また,Lcとは切削時に切れ刃が工作物と接触し

た実長さを示す.いずれの膜質においてもL・の増加により

FFが増加しているが,その大きさは膜質により大きく異 なり,LF112mにおいてTNNがPF=1701mnであるのに対 し,TiAnWA1CrNはPZ=20脚と,その差は約15011mにも なる一般的に工具の耐摩耗性は高温硬度に依存するとさ れておりJBの進行傾向に膜質による大きな差が認めら れたのは,コーティング膜の硬度と酸化開始温度が関係し ていると考えられる.

図9は図8におけるL・とOuの関係を示したものである.

TWMUCrNの場合を除き"L・の増加とともに0゜が上昇し

-177-

(5)

1.5 Q’

己の

ごLO

;。, :。,

…薑

易…2100450500550600

01両

TbomanktempCmtuxe0Q。C

Fig.11MationshipbetwCentoommktemmpcmtmBandsurfhcemughness 言P4 OqDq

Cuttinglen8thLcm

Fi砂DRelHKtionghipbetweencuttingl麺gihandtoolnankt団nperatUre 日1.5

LO

io, :。,

γ=70m/min 2000

凰r15oO

鬘1000

:伽

-.-:Womtip O:ShaqDtip

●●●●

Cf

←杏OG

1111GGGG

つ杏OG

wmk:s55c((ioHmq

州,mmO三二凄心 :l1ilimlw:

此vJ恥A S7003

弱0朋麺m

v=70m/min

ノー0.05mm/tooth Rd=O2mm Ad=3mm

面⑤喝】〔jnvnUへ。

魎褥作叶圷

50500550600 ToolflanktemperaturcOmoC

Fig・l2Muenceofcu1tingedgehrmonsurfaccrcughness

00255075100125150

CuttjnglengUユLbm

Fig・l0RC1atiDnShipbetweencuttinglengdhandlhruStfbrce

期の凡に膜質による大きな違いは認められないと考えら

れる.

図11にG10E-TiN,TiA1N,A30N-TiA1Nで切削を行っ

た場合のoo0と仕上げ面あらさRaの関係を示す.図よりい ずれの膜質においても0行500~530°Cにおいて減少から増

加傾向に転じる変極点をなしていることがわかる.一般的 に構成刃先はすくい面温度が工作物の再結晶温度以上にな

ると消失するとされており,0.が500°C以下の領域におけ

る仕上げ面あらさの減少は構成刃先もしくはこれに類する 凝着現象の消失により表面性状が向上したためと考えられ

る.

図12に未摩耗のG10E-TiAnVを用いて,切削速度vを高

速にすることにより01を変化させた場合の0゜とRaの関係

を図11の同工具の結果と併せて示す.図より,yを変えた

場合の凡は0゜の上昇とともに減少していることから,図 115中のq=500~530°C以降のR・の増加は0.による影鐇

でなく,PFの進行による工具形状の変化が影響している

と考えられる.

4.工具温度モニタリング用小型温度計の開発 本研究において用いた光ファイバ型2色温度計(以後,

液体窒素冷却型;LN-typeと称する)は,赤外線検出素子

を液体窒素で冷却する必要があるため,センサが大型で使 用時の姿勢が制限されるなどの実用的な問題点が多いそ こで本章では,実用性と汎用性を考慮した工具温度モニタ リング用小型温度計(以後,小型温度計;ELtypeと称す る)の開発を目的とする.

図13に小型温度計の模式図を示す.本温度計は光ファ イバ,赤外線検出素子,出力増幅回路から構成される.測 定対象物からの赤外線が光ファイバに入射すると,ファイ バ内を伝送し,検出窓を通して2色素子に照射される.こ れにより2色素子から得られた電気信号を増幅回路により ており,TiNの場合,最大でその差は100°C程度となって

いるLcによる影響は畑の進行による影響を示すことか ら,それぞれの膜質の温度上昇の違いは四の進行による 影響と考えられる.またL・が進行していない初期の0.は

TYCNが約400°Cであるのに対し,TiANA1CrNは約500°C と大きな差が認められる.これは,コーティング膜の表面 あらさが影響していると考えられる.工具表面あらさは,

その工具の摺動特性を表し表面あらさが大きいと切削時 の工具すくい面と切りくず間ならびに工具逃げ面と仕上げ 面間で生じる摩擦熱も大きくなる.そのため,それぞれの 膜質の表面あらさの影響が顕著に0αに反映されたと考え

られる.なお,ここでHCNのOoLをみると,L・の進行とと

もに0.が最大で約500°Cに達していることがわかる.TiCN の酸化開始温度は約500°Cであり,切削中のTiCNが酸化 開始温度付近の環境下にあったことがわかり,図8に示す ようにTYuVは比較的高硬度であるにも関わらず咽が大き

い原因と考えられる.

図10は図8における背分力E,を示したものである.い ずれの膜質においても,L・の増加にともないF〉が増加し ていることがわかり,TiNの場合,LFL12mにおいて約 250Nであるのに対し,L庁112mになると約1500Nまで上 昇している.F)の増加は,肥の進行により工具刃先が鈍

化し,切削に要するエネルギーが増大したことに起因する と考えられ,これが前述した0・のLcによる増加に直接的 に関係すると考えられる.また,〃が進行していない初期

の弓をみると,いずれの膜質においてもほぼ同じである ことがわかる.噸切削パルス毎の最大値で,工具食叩

きによる衝撃の影響を反映した値である.前述の通り初期 のCaに膜質による大きな違いが認められたのは,コーティ

ング膜の表面あらさによると考えられ,これらの影響は工

具食い付き時の切削抵抗には反映されないそのため,初

-178-

uIUDuu

。.nロI

(6)

TboLA30N

・咽/、k:S45C D=25mm

ノーOO5mmM

ug

ロⅡロロLunUBP 固の 1000

一一一一一一一ZZ必

留日囚輿閂日凹呂周回『R》偶 8642 Ⅱ伽ⅡⅡ

|] 】⑨

DhUE 200400600

CuttingSpeedvm/min FYg,15ⅢluenceofcuttingspeedoftoolHanktempemture FYB13Flmdamenltalstmctm巴ofcompacttwo-colorpyrometer

Sensorwindow

Q725

ごP700

日1国』目の彦禺目ロ[○○P

050520505

;伽 貫`so 薑脳

Figl4Schcmaticnlusmtionoftwo-color。②tec8or 巨600

CuttinglenglhLcm

Fig、16mfluenceofcuttinglemhontoolflanktemperatureandwear

増幅し出力する.なお,光ファイバはステンレス製フレキ シブルチューブにより保護し,検出素子側は光軸合わせの ためにFCコネクタにより本体と接続する.

図14に赤外線検出素子の構造を示す.図に示すように,

本検出素子はhSb素子にInAs素子を同一光軸上で積層さ せた構造をしており,内蔵されたペルチェ素子とサーミス タにより電気的に-60°Cで一定に冷却されている.これに より,液体窒素などの冷却媒体を必要とせず,温度計の小 型・軽量化が可能となり,測定方法や取り扱いが飛躍的に

簡便となる.

図15に超硬P30種(A30N,住友電工ハードメタル㈱)

によりS45Cの工作物を切削した場合の切削速度vと工具

逃げ面温度0.の関係を液体窒素冷却型で測定した場合と

併せて示す.ここで,工具逃げ面温度測定位置は切削終了 点から90.回転後(llF90。)である.両者の測定値はいずれ のγにおいてもほぼ同じ値を示していることがわかり,小 型温度計が従来型に匹敵する性能を有しているといえる.

図16に切削距離Z。と小型温度計を用いてインプロセス で測定した0国ならびに工具逃げ面摩耗幅PBの関係を示 す.初期摩耗を除き,0.が摩耗進行の傾向をよく表してい

ることがわかる.このことから,小型温度計を用いること によりインプロセスで工具損耗状況をモニタリングするこ

とが可能であることがわかる.

(1)cBN工具を高速ハードミリングに適用した場合, 工具逃げ面温度は切削速度,工作物硬さの増加に ともない増加するが,送り分力は大きな影響を受 けないまた,仕上げ面あらさは高硬度材であるほ ど良好な表面性状を示す.

(2)コーテイングエ具を低速ハードミリングに適用し た場合,硬度ならびに酸化開始温度が高いコー テイングエ具ほど良好な耐逃げ面摩耗性能が得ら れた.また,工具逃げ面温度は工具表面のあらさに 顕著に影響を受ける.仕上げ面あらさは工具逃げ 面温度が高く,工具逃げ面摩耗が大きい場合に増

加する.

(3)電子冷却型の検出素子の導入ならびに光ファイバ をステンレス製チューブとFCコネクタにより保護 することにより,従来の液体窒素冷却型温度計に 対し,実用的に使用可能な小型温度計の開発に成 功した.これにより従来型と同程度の性能を有し たインプロセスでの工具温度モニタリングが可能

となった.

5.結言

cBNおよびコーテイングエ具を用いて焼入れ鋼のハード

ミリングを行い,切削条件や工具条件が工具逃げ面摩耗,

工具逃げ面温度,切削抵抗ならびに仕上げ面性状に及ぼす 影響について検討した.以下にその結果をまとめる.

-179-

(7)

学位論文審査結果の要旨〆

_当該裳位論工に関_L2-悪成ユ」BL集」n-aq且に第1回袰位論二iE審査会塗闇催い壜提出壹jrL i三雲位論文鐘圭α関連資料lj二コ」W冒詮細腫検討上迄:…更にjL-」:彊成-,集.旦貝-]L且。且頭発 表後jL-第2回審査委員会塗關催L2…慎重にj轟議上左結晶_挫正n通りL;fUj室と筵:-…---

-本論Xl主`…△馬」E三.HLZ堂にjiGtコオヱユ山u窪らpSに三房三Mヱユエ具Q有効』筐にnlx,…

耐熱』睦哩_耐摩耗』陸の観点なら検討上:…切削i室1章且.エfi弓物H夏勲ミエ具j艮度二.逃kj;面摩耗.二切 削抵抗且仕上I姜面4t生k日切、負.菱IE態I皇及1重丈j診響に。'<Kj識1111三検討LnL1畳一:…QmIエ 具塗思kl迄硬度_CQHRQQj壷i入れ鋼Q高速壬逐.瞳.二Z血ロエ五1重,-3二具逃ば面i量虞は-afiQflQ ま重上皇lL2-GBNエ具Zi蝋酷な熱亜議i'三耐え量豆二と.塗丞Ljnl量:…各種三焉云エ黙互迄 施上迄王具五l主,、膜。耐熱性Zi;高いnuMuQHN三扁云iZ互エ具:の逃ぱ面摩耗iカミ最孤】

さ.ニュー膜面Q粗さZML豈岻nQN貝罵ニラmLZZエ具のji2Ll王面i艮度jウ獺l<1二.≧産み!]だ上玉

!(』量鼻_壹巨に,…薮Lnエ具i量騰tの閉塞賊rい…漉佳窒素'二代ね2面:!;生iラE黒素EH三主、

電気的.に素壬塗捻圭肱量友式をf1K用丈旦三上、…湿度計Q小型化,…操fEt生。飛躍飽な向上 に成功.L2…壬具損i劃ji態塗式ZJZfLE迄ZL宣監i屋L蚕室魚Z丞乏△塗裁迄に構築Ln1量尖一 .…以上@よ亘應,_f杢論xlエエ裳Q分蟹にiiitコオニる.貢献度Z1S高食』…また裳術釣価値21;高11上証

値式量と判定丈量上-------………_…

価蚕さ典…量の内容L撹土-1エ裳)Lj論[X'二

-180-

参照

関連したドキュメント

氏名 学位の種類 学位記番号 学位授与の日付 学位授与の要件 学位授与の題目

beam(1.5MV,25kA,30ns)wasinjectedintoanunmagnetizedplasma、Thedrift

ている。本論文では、彼らの実践内容と方法を検討することで、これまでの生活指導を重視し

雑誌名 博士論文要旨Abstractおよび要約Outline 学位授与番号 13301甲第4306号.