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Research on Teaching of “SUSHI” in Junior High School

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Academic year: 2021

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(1)

はじめに

「すし」を表す漢字には,「寿司」「鮨」「鮓」といろいろな表し方がある1)。すしには,一般的な江 戸前寿司の他にも,関西風の押しずしや家族のイベント等で食べられるちらし寿司,手巻き寿司等,

様々な種類がある。1980年代頃からアメリカで健康によい食べ物として,お米を使ったすしが注目 を集め,スシブームが起こり,スシバーが多くできた。そして,すしは,世界中で,おいしく,ヘ ルシーな日本食として,人気が高まってきている2)。一方,日本では,手間がかかること等から,

スーパーマーケット,デパートの総菜コーナーやコンビニエンスストアー等で購入したり,寿司店

(回転寿司点も含む)で食べたりする機会が多くなってきている。

平成1512月学習指導要領一部改正3)では,小・中・高等学校の実態や創意工夫による個に応 じた指導,児童・生徒の興味・関心等に応じた課題学習,補充的な学習や発展的な学習等を取り入 れた指導が加えられた。

家庭科教科書においても,祭りずし,笹の葉ずし,岩国ずし,あじの押しずし,柿の葉ずし,手 こねずし等の郷土料理・行事食や,ちらしずしの調理実習例や1食分の献立を考えた太巻きずしの 調理応用例等の記載がみられる4)5)。すしの形態には,すし飯と具材を手で握って固める「にぎり寿 司」,ある食材の中にすし飯を詰める「印籠寿司(稲荷ずし等),箱にすし飯を詰め,押しをかけ,

一塊にしたものを抜き出して切り分ける「箱寿司」,底のない型枠にすし飯と具を詰めて押し,ぬき だす「押し抜きずし」,すし飯と具を筒状に形成し,側面を別の食材で巻きつける「巻きずし」等が ある6)。巻きずしと押しずしを採用したのは,すし作りに必要な調理用具が学校にそろえられてい

白井 美幸*・山本 紀久子**・西野 鏡子***

20071130日受理)

Research on Teaching of “SUSHI” in Junior High School

Miyuki SHIRAI*, Kikuko YAMAMOTO** and Kyoko NISINO***

(Received November 30, 2007)

茨城大学大学院教育学研究科(Graduate School of Education, Ibaraki University, Mito, Japan)

茨城大学教育学部家庭科教育研究室(Course of Home Economics, College of Education, Ibaraki University, Mito, Japan)

ひたちなか市立佐野中学校(Sano Junior High School, Hitachinaka, Japan

*

**

***

中学校におけるすしの授業研究

(2)

なくても,巻きすの家庭からの持参,押し型のプリンカップ等での代用により調理が可能であるこ とと,巻きずしではすし飯や巻く技術が習得でき,押しずしはすし飯,成形の仕方が習得できるこ とと,「すし飯に具材を混ぜる」等の分離・混合や「柄や模様」を自由に工夫できると考えたからで ある。今回は押しぬき寿司の中に箱寿司も含めたものとして,押しずしという表現を使用した。こ のようにすしは,日本の代表的な伝統食・行事食である。しかし,すし作りの実践は,家庭科クラ ブや高等学校等ではみられるものの,中学校調理実習では,多くは実践されていない。また,茨城 県には,特徴的な郷土料理や行事食としてのすしがみられない7)

そこで本稿では,家庭で行事等において,作れる「オリジナルずし」として,巻きずしと押しず しの比較を授業実践において行い,その授業評価を求めた。

研究方法

1 対象

対象は,茨城県のS中学校第2学年の69人(男子30人,女子39人)で,レシピとアンケートの 両方に記入されているものを採用した。

2 実施期間と実施場所

実施期間は,2007年6月から7月までである。実施場所は,茨城県のS中学校の調理室と被服室 で,「オリジナルずし」の授業を3時間(レシピ作り1時間,調理実習2時間)実施した。

3 調査内容

調理実習後に「オリジナルずし」に対する意識調査を質問紙法で実施した。調査項目は,5項目(調 査に対する楽しさ,簡単さ,レシピとの一致,できばえ,意欲)と自由記述である。選択肢は,「と てもそう思う¼」から「まったくそう思わない¸」までの5件法とした。

4 材料・用具

「オリジナルずし」のレシピ作りでは,教師は,生徒の人数分のレシピ用紙(A4用紙),各班2 枚のレシピ見本(A4用紙),各班1枚のオリジナルずし作り作業分担シート(A4用紙),掲示物(全 国の伝統的なすし,オリジナルずしの見本,合わせ酢の割合)を,生徒は筆記用具,色鉛筆,教科 書を準備した。

調理実習では,教師は材料,各班にふきん2枚・台ふきん1枚,掲示物5点(合わせ酢の割合,

すし飯の作り方,巻きずし・押しずしの作り方,巻きずしの切り方)を準備した。

図1にすし飯の作り方,図2に巻きずしの作り方,図3に押しずしの作り方を示す。生徒は三角 巾,エプロン,筆記用具,一部に家庭から持参した調理用具(巻きすや押し型の代用品として牛乳 パック等),材料を用意した。

 

(3)

図1 すし飯の作り方

図2 巻きずしの作り方 図3 押しずしの作り方

(4)

5 手続き

授業は家庭科教員西野が担当,授業に入る1週間前に「オリジナルずし」を3時間(レシピを1 時間で作成し,その後2時間の調理実習)で行うことと,班ごとに押しずし・巻きずしのどちらか を選択することを予告する。また,教師が巻きすを班で1枚,押し型の代用品を班で1個準備する ことを告げる。

1)レシピ作り前に,各班にレシピ見本を置き,教師側で材料を13品目(きゅうり,ほうれん草,

たまご,のり,しそ,うめぼし,納豆,たくあん,紅ショウガ,かにかまぼこ,ハム,チーズ,

でんぶ)提示し,レシピ用紙には,1人分の材料を記入することを説明する。また,下準備の分 担(卵を焼く,ほうれん草をゆでる等)を決めるように告げる。そして,授業終了10分前にアン ケート用紙を配布し,授業終了後に回収する。

2)調理実習日の登校後に,班ごと(5〜6人)にご飯を炊く準備(米・水の計量,とぐ等)をする。

3)調理実習では教師用調理台に生徒が集合後,生徒を1人指名し,計量のきまり,合わせ酢の分 量について確認する。すし飯の作り方・巻きずしの作り方・押しずしの作り方を,掲示物を見せ ながら説明をする。

4)調理実習は,生徒自身のレシピをもとに「オリジナルずし」を作る。その後,調理台や使った 調理用具をかたづけて,試食する。

5)調理実習の授業終了10分前にアンケート用紙を配布し,授業終了時に回収する。

結果および考察

1 「オリジナルずし」授業の概要

授業に入る1週間前に「オリジナルずし」を3時間(レシピ:1時間,調理実習:2時間)で行 うことと,班ごとに押しずし・巻きずしの選択を予告した。また,「これは巻きずしに使用する巻き すと,押しずしに使用する押し型の代用品の例です。」と言って現物を示し,巻きずし班には巻きす 1枚,押しずし班には押し型の代用品を1個準備することを告げた。

1)レシピ作りでは教科書を見ながら,全国の特色あるすしを示した後,「茨城には,特色あるすし はあるかな?」の問いに「知らない」「ない」等の回答があった。「実は,茨城には特徴的なすしが ありません。だから,みんなの家で行事等で作るオリジナルすしを考えてみましょう。」と提案し た。教卓の13品目の材料を見て,「何これ?」「これ使うの?」と興味を示していた。「すし飯には 何が入ってる?」に対して生徒からは,「酢」「塩」「砂糖」とともに,「胡椒」「酒」の回答がみられ た。このことから,すし飯の材料について,あいまいな生徒がいることが,確認された。実際に 使用できる材料を参考にしながらレシピを作成していた。また,オリジナルずし作り作業分担 シートをみながら,下準備の分担を記入していた。そして,授業終了10分前にアンケート用紙を 配布し,授業終了後に回収した。

2)調理実習日は登校後に,班(5〜6人)ごとにご飯を炊く準備(米・水の計量,とぐ等)をした。

3)調理実習では,調理室で,エプロンと三角巾を着用後,教師用調理台に集合した。生徒1人指 名し,計量のきまり,合わせ酢の分量について確認した。具体的には計量のきまりでは,「大さじ

(5)

1杯を測ってみて」の問いに,実際に目の前にある砂糖を容器の上で,大さじですくい,すり切 りべらを使い正しく計量していた。合わせ酢の分量は,掲示物をみて確認した。すし飯の作り方 では,すし飯の作り方(図1)を掲示板で示しながら,(すし飯を)切るように混ぜる」等を言 語化・動作化しながら説明し,蒸らす時間やすし飯の混ぜ方について確認した。巻きずしでは巻 きすの裏表,のりの裏表,すし飯と具の置き方,巻き方,切り方を,例えば巻きすの「表」「裏」

を頭上でひっくり返し示し,「表は,つるつる」「表に,のりをのせます」や「すし飯は,手前2cm 残して平らに伸ばす」と言いながら,実際にすし飯を伸ばしてみせる等言語化・動作化しながら 説明をした。押しずしにおいても,すし飯と具の詰め方について,巻きずし同様に言語化・動作 化させながら確認した。生徒からは,その手元をみながら「すごい!」「そう作るんだ!」「なるほ ど!」等の声が聞かれた。

4)各班ごとにレシピをもとに「オリジナルずし」作りを開始後,すぐに下準備の分担に取りかかっ ていた。友達と作業で不明なところは掲示物を確認に行ったり,炒り卵を作る際,「これぐらいで いい?」「もうできたかな?」「いいんじゃない」等相談しながら調理をしていた。すし飯作りでは,

1人がうちわであおぎ,もう1人が混ぜる等役割分担し,「私もあおぎたい。「じゃあ,交代して やろう」という声が聞こえる等,協力しながら意欲的に取り組んでいた。巻きずし,押しずしと もに,友達と作り方の手順を確認さながら行っていた。例えば巻きずしでは,先にできあがった 生徒が「具は,真ん中だよ」「具は,入れすぎると巻きにくいよ」等助言をしていた。班ごとに

「オリジナルずし」のできあがり後,調理台や使った調理用具をかたづけて,試食をした。でき あがった「オリジナルずし」を他の班友達と,「わあ,上手だね」「○○ちゃんのおいしそうだね。 と比べたり,さらに,「ちょっと,ちょうだい」「いいよ」「おいしい!」等と積極的に交換する姿 が見られ,楽しく試食している様子がうかがえた。

5)調理実習の授業終了10分前にアンケート用紙を配布し,授業終了時に回収した。

2 「オリジナルずし」のレシピ作り 1)「オリジナルずし」のレシピ

図4に,巻きずしのレシピ例,図5に押しずしのレシピ例を示す。左上の太線の枠内はタイトル を,その左枠には発行者,右端には出席番号を記入した。もりつけ図にはイラストと調理時間を書 き,その右の枠に,材料・用具,作り方の手順を,一口メモには,作り方の注意やコツを記入した。

発行者の枠には「那珂食品」「○○(名前)食品(株)」等,自分の名前や地名を取り入れて工夫 しているものが多くみられた。

もりつけ図には色鉛筆・サインペン等を用いて,カラフルにできあがりを考えて書かれていた。

作り方の手順には,「火をつける」「フライパンを熱してから」等詳しく記述されてあるものや,巻き ずしの作り方で「すし飯を均一にのせる」を「すし飯を平らにのせる」等,掲示物の説明を自分の 言葉に置き換え,わかりやすい言い方に直す等,レシピカードを見れば作ることができるものと なっている。

一口メモには「ハムの代わりにベーコンを使うとよりおいしくなります!」「炒り卵をたくあんに してもおいしいと思います。「しそを加えてもおいしいよ」等材料の工夫や,調理工程の変化とし て「卵は,炒り卵でもおいしくできるが,卵焼きのほうが巻きやすく,食べやすい」と,「ごはんに

(6)

具をまぜて,まぜごはんにしてもよい」と具の混合や「きゅうりは,コーンと同じくらいの大きさ に切ると,見た目がきれいにできます」と切断・破碎調理等のコツの記述がみられた。作り方の注 意やコツ,他の材料でも可能なもの等を加えることで,単にレシピカードにある調理だけでなく,

自分のレシピに幅をもたせたものになっていた。

2)オリジナルずしの材料

単位:件 押しずし 順位

巻きずし 順位

(19.7)

(20.3)

(15.9)

きゅうり

(14.6)

きゅうり

(12.9)

かにかまぼこ

(10.8)

チーズ

(10.6)

でんぶ

(10.1)

かにかまぼこ

( 8.3)

チーズ

(10.1)

ハム

( 8.3)

ハム ( 8.2)

うめぼし

( 6.8)

うめぼし

( 5.7)

でんぶ

( 4.5)

ほうれん草

( 4.4)

しそ

( 3.0)

ツナ ( 4.4)

たくあん

( 2.3)

ふりかけ

( 3.8)

ツナ

( 1.5)

サケフレーク

( 3.8)

ほうれん草

( 0.8)

たくわん

( 1.3)

かんぴょう

( 0.0)

しそ ( 1.3)

魚肉ソーセージ

( 0.0)

納豆 ( 0.6)

納豆

( 0.6)

紅ショウガ

2    8  

表1 「オリジナルずし」に使用した材料

図5 押しずしのレシピ例 図4 巻きずしのレシピ例

( )内の数字は%,生徒により持参されたもの:太字。

(7)

表1に,「オリジナルずし」に使用した材料を示す。

巻きずしの材料で最も使用されていたのは卵20.3%で,次にきゅうり14.6%,チーズ10.8%,か にかまぼこ10.1%,ハム10.1%の順であった。一方押しずしの材料では,卵19.7%,きゅうり15.9%,

かにかまぼこ12.9%,でんぶ10.6%の順で,1位,2位は,同じ材料であった。巻きずし,押しずし ともに上位7位までは,同一品目(卵,きゅうり,チーズ,かにかまぼこ,ハム,うめぼし,でん ぶ)で,使用していた材料の約80%(巻きずし79.7%,押しずし82.6%)を占めていた。

性別で,使用した材料の品目に対する差をt検定したところ,うめぼしにおいて,1%水準で有意 差がみられ(t (69)=–3.77,p<.01 ),女子は男子より「オリジナルずし」に梅干しを使用しているこ とが認められた。

教材別(巻きずし,押しずし)で,使用した材料の品目に対する差をt検定したところ,でんぶ,

しそにおいて1%水準で有意差がみられ(t (69)=–2.54,p<.01, t (69)=2.87,p<.01),巻きずしでは,

しそ,押しずしは,でんぶ使用が多くみられた。

女子の教材別(巻きずし,押しずし)で,使用した材料の品目に対する差をt検定したところ,きゅ うり,チーズ,でんぶ,しそ,紅ショウガにおいて,5%水準で有意差がみられ(t (69)=–2.43,p<.05, t (69)=–2.16,p<.05, t (69)=–2.63,p<.05, t (69)=2.15,p<.05, t (69)=–2.65,p<.05),女子の巻きずしでは しそを,押しずしでは,きゅうり,チーズ,でんぶ,紅ショウガを多く使用していた。一方男子は,

教材による差は認められなかった。押しずしで,でんぶの利用が多いのは,巻きずしのようにのりで おおわれていないことで,見た目を意識しが鮮やかなピンク色のでんぶを利用したためと思われる。

巻きずしには,薄焼き卵,こんぶで巻くものもみられるが,本授業実践では,巻きずしにのりを 使用したので,表1の「オリジナルずし」に使用した材料からのりを除外した。しかし,押しずし においてものりは,6件(男子4件,女子2件)で使用され,顔の目や柄,文字等を表現する材料 として利用されていた。

授業の導入時に,材料はおおむね教師側が用意することを告げたが,生徒による材料の持参がみ られた。持参した材料は,ツナの缶詰(10件),ふりかけ(3件),魚肉ソーセージ(2件),サケ フレーク(2件),かんぴょう(2件)の順で加工品,乾物であり,合計19件であった。巻きずし では,かんぴょうや魚肉ソーセージが巻きずしの具として巻きやすいために持参したと思われる。

押しずしでは,ふりかけやサケフレークを柄や色づけのために持参したと考えられる。ツナは巻き ずし,押しずしともに持参され,回転寿司店やスーパーマーケット等ですしの具として使用され,

生徒にとって身近な材料であったことから持参されたと思われる。材料を持参することでよりオリ ジナルな巻きずし・押しずしを作ることができたと思われる。生もの等制限があるものの,地産地 消の観点からも可能な限り積極的に家庭からの材料持参が望ましいと思われる。

3)「オリジナルずし」に使用した品目数

表2に,「オリジナルずし」に使用した品目数を示す。「オリジナルずし」の材料は1人平均4.2 目(標準偏差1.48)で,押しずし4.7品目(標準偏差1.40)は,巻きずし3.9品目(標準偏差1.46)

よりも約1品目多く使用していた。品目数は巻きずしでは最大7品目,最小1品目,押しずしでは 最大8品目,最小3品目であった。

教材別(巻きずし,押しずし)で使用した材料の品目数に対する差をt検定したところ,5%水準 で有意差がみられ(t (69)=–2.29,p<.05),押しずしは,巻きずしよりも多くの材料を使用している

(8)

ことが認められた。

女子での教材別(巻きずし,押しずし)で,使用した材料の品目数に対する差をt検定したとこ ろ,1%水準で有意差がみられ(t (69)=–3.06,p<.01 ),女子では,巻きずしよりも押しずしが材料を 多く使用していたが,男子は,教材による差は認められなかった。

4)「オリジナルずし」レシピにおけるタイトル

表3に,「オリジナルずし」レシピにおけるタイトルを示す。タイトルの記述がみられたのは,67

94.3%で材料,形,色,味,その他に区分し分析した。巻きずし,押しずしともに形(巻きずし

30.0%,押しずし33.3%)が最も多く,次に材料(巻きずし20.0%,押しずし22.2%),色(巻きず

20.0%,押しずし18.5%),味(巻きずし2.5%,押しずし7.4%)の順であった。巻きずしでは

「カラフルずし」「4色ずし」「3色ずし」「桜色春ずし」等色に関連したタイトル(20%)がみら れた。また,巻きずしでは「ぐるぐるずし」や「まきまきずし」と巻く工程を強調・連想させるタ イトル(12.5%)がみられた。タイトルの文字数(平均文字数7.03)では,最も多いのが24字の

「ほっぺが落ちるほどうまい!伝説のOK牧場おしずし」,次が20字の「てがるで,かんたん ケー キみたいなおしずし」,11字の「たまごと野菜のおしずし」の順であり,上位3つはいずれも押し ずしのタイトルであった。押しずし(平均文字数8.11)では,形や模様を自由にできたことで,タ イトルを工夫して表現したために,巻きずしよりも文字数が多いものが多くみられたと推察される。

N=69  性別 教材

男子 巻きずし

女子

男子 押しずし

女子

表2 「オリジナルずし」に使用した品目数

N=6 内 容 タイトル

押しずし(27)

巻きずし(40)

たまごおしずし3 卵と野菜のおしずし カニハムずし 梅ずし

シンプルおしずし3 ドーム型おしずし2 いちごずし お花ずし やまずし

てがるで,かんたん ケーキみたいなおしずし カラフルおしずし5

ほっぺが落ちるほどうまい!伝説のOK牧場おしずし おいしい押しずし

ぐたくさんおしずし2 おでぶずし おしずしー いろいろずし

ツナマヨまき3 たまごまきずし2 マヨネーズずし 梅まきずし カニかま入りまきずし

ハートまきずし3 ぐるぐるずし3 まきまきずし2 シンプルまきずし2 四つ葉まきずし4 カニかま日の出ずし カラフルまきずし4 4色まき 3色ずし 桜色春ずし ピンクのまきずし

美味まきずし

いろいろまきずし4 ビックリ巻きずし 気分巻き 手作りまきずし 和まきずし ぐだくさんまきずし パラダイスずし やまもりずし

材料(8/6)

形(12/9)

色(8/5)

味(1/2)

その他(11/5)

表3「オリジナルずし」レシピにおけるタイトル

(9)

3 「オリジナルずし」作りの調理実習の評価 1)生徒による「オリジナルずし」の評価

調理実習後に,「オリジナルずし」について生徒による授業評価を求めた。表4に,「オリジナルず し」に対する生徒による授業評価を示す。巻きずしに対して,①「すし作りは楽しかったですか

(楽しさ)(平均値4.67)が最も高く,次に④「すしのできばえに満足でしたか(できばえ),③

「レシピ通りにできましたか(レシピ通りに),②「すし作りは簡単でしたか(簡単さ),⑤「家 でも作ってみたいか(家での調理)」の順であった。(以下,項目のキーワードのみ記入する。

押しずしは,授業に対して,巻きずしと同様に①「楽しさ」(平均値4.52)が最も高く,次に④

「できばえ」,③「レシピ通りに」,②「簡単さ」,⑤「家での調理」の順であった。

巻きずし,押しずしともに全項目で平均値3.50以上であり,「オリジナルずし」に対して好意的評 価がされていた。なお,教材別の項目別での有意差はみられなかった。

全体では,①「楽しさ」(平均値4.62,最小値3),次に④「できばえ」(平均値4.18),③「レシピ

通りに」(平均値3.97),②「簡単さ」(平均値3.89),⑤「家での調理」(平均値3.72)の順で,5項目

3.72から4.62と,「オリジナルずし」に対して好意的評価であるといえる。

2)「オリジナルずし」に対する自由記述内容

N24 非好意的内容(3)

好意的内容(21)

項   目

難しかった(2)

すし飯の味しかしなかった(1)

楽しかった(4)

みんなと協力してできた(1)

手順どおりにできた(1)

上手にできた・満足(6)

おいしかった(5)

家でも作ってみたい(2)

また調理実習をやりたい(1)

押しずしも作ってみたい(1)

作業(6/2)

作品のできばえ(11/1)

意欲(4/0)

備考:1人が2項目の場合や強調・重複した場合は,各1件と数えた。 4件以上を強調文字とした。

表5 巻きずしに対する自由記述内容の概要 表4 「オリジナルずし」に対する生徒による授業評価

押しずし 質問項目 巻きずし

全体 女子

男子 全体

女子 男子

4.(0.8)

4.(0.9)

4.(0.5)

4.(0.7)

4.(0.7)

4.(0.7)

①すし作りは楽しかったですか

3.(0.5)

3.(0.0)

3.(0.4)

3.(1.1)

3.(0.7)

3.(1.5)

②すし作りは簡単でしたか

3.(1.9)

4.(1.6)

3.(1.3)

4.(1.3)

3.(1.5)

4.(1.1)

③レシピ通りにできましたか

4.(0.9)

4.(0.2)

4.(1.0)

4.(1.2)

4.(0.5)

4.(1.9)

④すしのできばえに満足でしたか

3.(1.9)

3.(1.8)

3.(1.4)

3.(1.5)

3.(1.5)

3.(1.7)

⑤家でも作ってみたいですか

( )内は,標準偏差

(10)

「オリジナルずし」に対する自由記述は,33人(46.5%)48件にみられた。記述のみられた33 のうち巻きずし17人,押しずし16人である。教材別に,生徒の自由記述内容を,好意的内容と非 好意的内容に分け,さらに4項目(作業,作品のできばえ,意欲,その他)に分類し,まとめた。

自由記述総数は,48件で,好意的内容が43件(89.6%),非好意的内容が5件(10.4%)であった。

表5に,巻きずしに対する自由記述内容の概要を示す。記述件数は24件のうち,好意的内容21 件(87.5%),非好意的内容3件(12.5%)であった。好意的内容の件数が多かった項目は作品ので きばえ(11)で,次に上手にできた・満足(6),おいしかった(5)であり,つくった巻きずしに 対して,見た目も味も満足していることがうかがえる。次に多かった項目は,作業(6)で,楽し かった(4)が最も多く,みんなと協力してできた(1),手順通りにできた(1)であった。普段 使う機会が少ない巻きすを使用し,巻きずし作りをすることを楽しいと感じていることがわかる。

3番目は意欲(4)の項目で,家でも作ってみたい(3),調理実習をやりたい(1),押しずしも 作ってみたい(1)の記述があり,調理実習で学んだことを生活の中で生かそうという意欲的・実 践的な内容がみられた。また,1件ではあるが,押しずしも作ってみたいと,押しずしに対しても生 徒の興味・関心があることがわかる。巻きずしに対する非好意的内容は,難しかった(2),すし飯 の味しかしなかった(1)の3件であった。難しいの意見には,1人を除き,「難しかったけど,ちゃ んと作ることができた。」とできあがりに満足ているもの,またすし飯の味しかしなかったの意見で は,「見た目はきれいにできたけど,すし飯の味しかしなかったが,楽しくできたからよかった。と,

調理実習を楽しかったと評価しており,好意的意見とともに述べられていた。

表6に,押しずしに対する自由記述内容の概要を示す。押しずしに対して,好意的内容22

(91.7%),非好意的内容2件(8.3%)であった。好意的記述が最も多くみられたのは,作品のでき ばえ(10)の項目で,上手にできた・満足(5),おいしかった(5)である。これは巻きずしと同 傾向を示しており,見た目と味の両方に満足していることがわかる。好意的記述内容は作業(7)

で,簡単(4)がみられ,楽しかった(1),作り方がわかった(1),色や形を工夫してできた

(1)がみられた。押しずしを作ることは,簡単だと感じている生徒が多いといえる。3番目は意 N24 非好意的内容(2)

好意的内容(22)

項   目

難しかった(2)

上手く作れなかった(1)

簡単(4)

楽しかった(1)

作り方がわかった(1)

色や形を工夫してできた(1)

上手にできた・満足(5)

おいしかった(5)

家でも作ってみたい(4)

代用品でも作れるのがよい(1)

作業(7/1)

作品のできばえ(10/1)

意欲(4/0)

その他(1/0)

備考:1人が2項目の場合や強調・重複した場合は,各1件と数えた。 4件以上を強調文字とした。

表6 押しずしに対する自由記述内容の概要

(11)

欲(4)であり,非好意的内容はみられず,巻きずしと同様,家でも作ってみたい(4)で,調理実 習で学んだことを生活の中で生かそうという実践的意欲が感じた。その他(1)の項目では,代用 品でも作れることがよい(1)があり,押し型がなくとも,牛乳パックやプリンカップ等の代用品 を工夫することで,押しずしが手軽にできることに魅力を感じていると推察される。押しずしに対 する非好意的内容は,上手に作れなかった(1)と,難しかった(1)であったが,「上手に作れな かったが,次回はもっと上手に作りたい。「難しかったが,すしはよくできた。」と,押しずし作 りに意欲的で満足している等の好意的意見とともに述べられていた。

巻きずしで,日常生活で使用しない巻きすを使ったことが楽しかったと評価されている。一方 で,巻きずし、押しずしの作り方が一部の生徒に難しいことが明らかとなり,レシピ作りと調理時 に作り方を確認する手だてとして,「すしめしは,手前2cm残して平らにのばす」等言語化するだ けではなく,もぎ的にすることでさらなる学習の強化がされよう。押しずしでは,作業が簡単であ ることが評価されている。これらに加え,同時期に実施した調理実習における調理用具の家庭から 持参や代用についての調査結果からは,「持ってくるのが楽なら持ってきたい」「調理が簡単にでき るなら持ってきたい」「料理が上手にできるなら持ってきたい」という調理用具に対して条件つきで はあるものの肯定的意見がみられた8)。このことから,「オリジナルずし」の満足度からみて,まき ずし,押しずしともに積極的に調理用具を持参したいと思える教材ことが認められた。

ま と め

すしは,日本の代表的な伝統食・行事食であるが,すし作りは,中学校家庭科において多くは実 践されていない。また,茨城県には,特徴的な郷土料理や行事食としてのすしがみられない。

そこで,家庭で行事等で作れる「オリジナルずし」(巻きずし,押しずし)の授業実践を行い,そ の授業評価を求めた結果,以下のことが明らかとなった。

1)「オリジナルずし」に使用した材料は,押しずし4.7品目は,巻きずし3.9品目よりも約1品目 多く使用していた。女子では,巻きずしよりも押しずしが材料を多く使用していたが,男子は,

教材による差は認められなかった。

2)「オリジナルずし」レシピにおけるタイトルは,巻きずしでは,色に関連したもの(20%)や

「ぐるぐるずし」や「まきまきずし」と巻く工程を強調し連想されるもの(12.5%)がみられた。

 一方,押しずしでは,形や模様を自由にできたことで,タイトルを工夫し表現したために,巻 きずしよりも文字数が多いものが多くみられたと推察される。

3)生徒による授業評価では,巻きずし,押しずしともに,平均値は①「楽しさ」,④「できばえ」

③「レシピ通り」,②「簡単」,⑤「家での調理」の順で高く,全項目も平均値が3.50以上であり,

「オリジナルずし」に対して好意的評価がされていた。なお,教材別での項目別では,有意差は みられなかった。

4)「オリジナルずし」に対する自由記述は,33人(46.5%)49件にみられ,好意的内容が43

(87.8%),非好意的内容が6件(12.2%)であった。

5)教材別では,好意的内容が巻きずし2291.7%,押しずしは2187.5%であった。巻きずし,

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押しずしともに「上手にできた・満足」「おいしかった」という作品のできばえ(43.7%)が最も 多く,次に巻きずしは「楽しかった」,押しずしは「簡単」等の作業についてであった。

6)一方,非好意的内容は,巻きずしでは,難しかった(2),すし飯の味しかしなかった(1) 押しずしでは,難しかった(1),上手に作れなかった(1)がみられたが,巻きずしの1人を除 き,好意的意見とともに述べられていた。

7)巻きずしで,日常生活で使用しない巻きすを使ったことが楽しかったと評価されている。押し ずしでは,作業が簡単であることが評価されている。これらに加え,同時期に実施した調理実習 における調理用具の家庭から持参や代用品についての調査結果からは,調理用具に対して条件つ きではあるものの肯定的意見がみられた。これらの「オリジナルずし」の授業評価からみて,巻 きずし,押しずしともに積極的に調理用具を持参したいと思える教材であることが認められた。

以上,中学校での「オリジナルずし」の授業の可能性を報告してきたが,中学生による授業評価 では,好意的記述内容が89.6%で,巻きずし,押しずしともに作品のできばえ,作業面の記述が多 く,巻きずしでは「楽しかった」,押しずしでは「簡単」をあげていた。一方非好意的記述内容には 巻きずし,押しずしともに「難しかった」等がみられたが,1人を除き好意的内容とともに述べら れていた。調理用具の代用,調理用具の持参が可能である「オリジナルずし」は,中学校の教材と して魅力的であると考える。

今後,「ご飯を平らにのせる」「具の量」等を確認しながら,地産地消の観点から,納豆巻き等地域 の材料をを取り入れた,さらなる授業実践を重ねていきたい。

1)日比野光敏『すしの辞典』(東京堂出版,2001)315頁.

2) 「Sushi-MASTER」 URL http://sushi-master.com/jpn/top3.html(アクセス2007. 5)

3)文部科学省 『小学校,中学校,高等学校等の学習指導要領の一部改正について(概要)   URL http://www.mext.go.jp/b_menu/shuppan/sonota/03122608.htm(アクセス2006. 8)

4)佐藤文子ほか 『新編 新しい技術・家庭 家庭分野』(東京書籍,平成17年文部科学省検定済) 5)中間美砂子ほか 『技術・家庭〔家庭分野〕(開隆堂,平成17年文部科学省検定済) 6)前揚書1)4251頁.

7)前揚書1),96頁.

8) 白井美幸・山本紀久子・西野鏡子:「調理用具の持参と調理実習−オリジナルずしを通して−」,茨城大学 教育実践研究,26(2007),5464.

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