「衣服地と日光」と題する大平博士の所説に就て
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(2) 胞 子 型と を 生 ず る。(9) D・DGE氏 は 又 多数 の モ ニ リア型 分 生 子 を単 個培 養 して 其 間 に 白 色型菌糸 を 生 ず る もの を発 見 した 。 これ は突 然変 異3ζは体 形 質 の分 離 に よ る もの で 前記 の 子 嚢 内 核 分裂 の 際 の 形 質 分 離 に よつ て 生 じた る白 色型 に比 し極 め て よ く似'こもの で あ ると氏 は述 べ て ゐ る。(9). 文. 献. I. S1iAF^i,C. L. and DonxE, B. 0. (1927) Jour. of Agric. Res. 34: 1019-1042. 2. I)On;E, B. 0. (1927) Jour. of Agric. Res. 35: 289-305. 3. —. (1928)Jour. of Agric. Res. 36: 1-14. 4. WILCOX, M. S. (1928) Mycologia,20: 3-17. 5. DODGE, B. 0. (1928) Mycologia,20: 18-21. 6. . (1928)Mycologia,20: 226-234. 7. —. (1929) Science, n.s. 70: 222. 8. . (1929) Mycologia,21 : 222-231. 9. —.. (1930) Mycologia,22 : 9-38.. 「衣 服 地 と 日 光 」と 題 す る 大 卒 博 士 の 所 説 に 就 て 高. 宮悦. 雄. 大平 得 三博 士 は 昭 和五 年 六 月廿 八 日 及 廿 九 日 の両 日に亘 り福 岡 日 々新 聞紙 に 「衣服 地と 日光 」と 題 し興 味 深 い氏 の研 究結 果 を記 述 され た 。 そ して 白木 綿 自毛 織 白麻 は 日光(3く は紫 外 線)に 曝 す も写真 乾 板 に 感光 しな いが 只 白絹 だ け は感 光 す る様 に な り 叉 太 陽 燈 照 射 の 白 絹 で 包 ん だ 白鼠 群 は対照 の 白 鼠 群 よ りも壽 命 が 長 か つ た事 を発 見 され て写真 板 に感 ず る物 質と 生 物 に働 く物 質と は 同 じ物 質 に 因 ると 考 へ ら る ・。 然 し 其 物 質 の 何 物 な るか は 不明 で あ ると述 べ られ た。 紫 外 線 に よ る光 化 學 的 ヴ ィタ ミンD転. 化 の 機 構 に就 て 研 究 中 の私 は大. 李 博 士 の此 研究 事 項 に対 し多 少 の 關 心 を 持 ち私 の 研究 上 の 立 場 か ら多少 實験 を 試 み た。 抑 々 ヴ ィ タ ミンAが写真. 乾 板 に 感 光 す る性質 を 有 す る こと は夙 に 高橋 克 已農 學博 士 の発. 見 に 係 り其 當 時 ヴ ィタ ミ ンAか. ら特 殊 の幅 射線 が放 射 され るの で は な い かと 考 へ られ た。.
(3) 然 し 其 後 の研 究 の結 果 特 殊 の 幅 射 線 が放 射 され るσ)では な いと決 定 しナこ。 一 方 ス テ ロー ル 類 脂 油 類 等 の物 質 も紫 外 線 を 以 τ 照 射 す れ ば写真 感光 性 の ものと な る こと が確 實と なつ た。 然 し最 近私 の 研究 に よ り是 等 物 質 の写真 感 光 力 は紫 外 線 を 照 射 す る代 りに オ ゾ ン の 作 用 に よつ て も亦 賦 與 せ しめ得 ること が 明 か ミ な り 此 等写真 感 光性 物 質 の 何 物 な るか が 明 かと な つ て 來 た(高. 宮,日 本 農 藝 化 學 誌)。. さて 此写真 感 光 力 が果 して ヴ ィ タ ミンA叉. はDの. 性 質 で あ るか さ うか は 未 だ解 決 され ず に 残 され た 問題 で あ るが 此写真 感 光 力 ミヴ イタ ミン 類との 相 互 關 係 に就 て は現 今 迄 の 研 究 結 果 を 総 合 して 次 の如 く考 へ て 差支 な いで あ らう,郎 ち ヴ ィタ ミンA又. はDが写真. 感 光 力 を 有 す る か さ うか は此 等 ヴ ィ タ ミ ン類 が純 粋 に分離. され た曉 に解 決 さ るべ く残 され た る所 で あ るが,写真 感 光 力 を 有 す る物 質 の全 部 が ヴ ィ タ ミ ン類 ミ同様 の 生理 作 用 を 有 す る もの に あ らざ る こと だ けは確 實 な事 實 で あ る。 一 方紫 外線 が 生 物 の発育 に 影 響 を與 ふ る こと は 既 に周 知 の 事實 で あつ て 吾 國 に 於 て も鈴 木 幸 三農 學 博士 及 波 多野 正農 學士 の鶏 に 就 て の 研究 報 告 もあ つ て 又 一都 に於 て 紫 外 線 照 射 動 物と 同 居 せ しむ る こと に よつ て 無 照 射 動 物 も好 影 響 を 受 け ると 唱 へ られ て 居 る。 然 して 今 回 斯 る作 用 を 太 陽 叉 は 紫 外 線 照 射 衣服 地 を以 て 間接 的 に鶩 ま し め得 た りとす る所 に 大 李 榑 士 の 研 究 の新 し さが あ るの で あつ て写真 感光 性 衣服 地 の み が 斯 る作 用 を 有 す ると され た の で あ る。 然 し 動 物 に直 接 紫 外 線 を 照 射 しナ こ場 合 に比 ぶ ぺ くもな く其 作 用 は微 弱 の もの で あ ろ う こと は 容 易 に考 へ得 らる ・所 で あ る。 以 上 大 略 述 べ 來 つ た所 を 以 て 今 大平 博 士 の 「衣 服 地と 日光 」 の 所 読 を吟 味 す る時 其 虜 に 多少 の興 味と‑種. の 見解と が 生 ず るで あ ろ う,即ち 白木 綿,白 毛 織,白 麻 等 は 日光(叉. は紫. 外線)に 曝 して も感 光 しな いが 只 白絹 だ け が写真 に 感 光 す るに至 ると云 ふ 大 李 博 士 の實 験 が 事 實 で あ ると す れ ば 白木 綿 等 に は含 有 され ず 只 白絹 に だ け 含 有 され て あ るで あ ろ う 或 物 質 が 日光(叉. は 外 紫 線)の. 作 用 に よつ て写真 感 光性 物 質 に転化 す る の で は な い だ ろ うか ミ. 云 ふ こと が 先 づ 考 へ られ る。 然 して 其 或 物 質 ミは 既述 の 事 實 か ら考 ふ る時 不 飽 和結 合 を有 す る ス テ ロー ル 類 脂 油類(殊. に 白絹 中 に微 量 に残 つ て 居 るで あ ろ う絹 練 石 鹸)等と. 關係 あ. りは しな い かと 考 へ られ るの で あ る。 是等 の点 を確 め ると 同時 に私 の オ ゾ ン 説 か ら白絹 が 紫 外 線 照 射 に よ り写真 感 光性 物 質と な るな ら8ま叉 オ ゾ ン の 作用 に よつ て も 同様 に写真 感 光 力 を有 す る ものと な るだ ろ うと の 考 へ の下 に実験 を試 み た。 窮写真 感 光 力 測 定 方 法 は 直 径 約2寸 の 結 晶 皿 を黒 紙 を以 て充 分 日光 の侵 人 を遮 断 した シヤー レ中 に置 き更 に其 シ ヤー レ を 目張 した紙 箱 中 に置 く。 暗室 に於 て 血 晶 皿 中 に試 料 を置 き結.
(4) 晶 皿上 に藥 面 を下 方 に して (Ilford special rapid plate) 乾 板 にて 蓋 を な し シヤ ー レ中 に置 き 更 に紙 更 中 に 入 れ写真 用黒 布 に て 包 み暗 室 に24時間 放 置 して現 像 し写真 感 光 力 を測 定 した 。 先 づ 市 販 の 白絹(直 径 約2寸)(1}S(1)4枚 煮 沸 し水洗 す る こと を2回. を約1時. 繰 返 し行 ひ し白 絹(II)と(II)4枚. コー ル200c・c・ にτ 煮 沸 浸 出 す ること2回 沸 浸 出す る ことを2回 の ものと,オ 白絹(1)に 間 は30分)照 直 径33cm・. ゾ ン作 用 の もの ・3通. 通 じ5分. を以て良 く. を 更 に メル ク 製 無 水 アル. 更 に メル ク製 無 水エーテル200c・c,を. 行 ひ し白絹(III)の3種. 以 て煮. 類 の 白絹 に就 き其 儘 の ものと 紫 外 線 照 射. りに つ き其写真 感光 力 を 測 定 せ んと 企 圖 した 。. つ き其 儘 の もの(1・1)及 紫 外 線(ア. ク メ太 陽 燈 を 使 用 し距 離 は24cm・. 射 の もの(1・2)及 オ ゾ ン作 用(暗 高 さ26・4cm・. 間 蒸 溜 水300c・c・. 室 に於 て 一本 管 型 オ ゾ ン 登 生 器 を使 用 し. の 陶 器 製 容 器 中 にて1時. 間 オ ゾ ンを 作 用 せ し め尚25分. 間25立. の速 度 に て ボ ンベ の 酸素 を. 間容 器 に蓋 を施 し放 置 す)の. 眞 感光 力 を 測 定 した結 果1・1,1・2,1・3,共. 照射時. に写真 乾 板 に感 光g感. もの(L3)に. つ き爲. 光 度 は1・3最 大 に して. 1・2最 少 で あつ た。1・1も 尚 感 光 せ しは 商 入 よ り人 手前 既 に 日光 に曝 され た結 果 に 原 因 す る もの で あ ろ うと考 へ 白 絹(1)を 曙 室 に2日 光 性 は滑 失 し て ゐ るべ きで あ る)し 結 果 を得 た。又10日. 間放 置(大 卒 博1:の 記 述 に よれ ば 既 に 充分写真 感. た もの に つ き更 に 同 一實験 を 繰 返 せ しに 前 同様 の 實験. 間 暗 室 に放 置 し た白絹(II)(III》 も其 儘 に て術 良 く写真 乾板 に 感光 す. る こと を知 つ た の で(II)(III)に. つ き(1)同 様 の 實 験 を 行 ふ こSを 放 棄 した。. 依 つ て試 み に大平 榑 士 に よ り 日光 に 曝 す も伺 感光 しな いと され た 白木 綿 に つ き 實験 を 行 つ て見 た。 晒木 綿 を石 鹸 を以 て良 く洗 び 充分 に水 洗 し乾燥 した もの(IIII)及(IIII)を 蒸 溜 水 を 以 て 煮 沸 す る こと を2回 た(IIII)の. 木 綿 は 白絹(1)ミ. 繰 返 せ し もの(V)に. 更に. つ き 實験 した 。 一 日暗 室 に放 置 し. 同 様 に感 光 した。(V)を. 午 后4時. 頃迄 直接 日光 に曝 し. た もの も感 光 した 。 絵 り意外 で あつ た ・め 更 に 同 一實 験 を 繰 返 して みた が 同 一結 果 で あつ た。 以 上 の私 の實 験 結 果 に よつ て 明 か σあ るが如 く大 李博 士 の それと は蝕 りに も 意外 な異 な つ た結 果 を得 た の で あ る。 第 一晒 木 綿 が其 儘 にて も又 は 同光 に曝 した場 合 に も何 れ も良 く乾 板 に感 光 す る こと 。 第 二 白絹 を2日間. 暗 窒 に放 置 した る後 も術 乾板 に 感光 し或 る操 作 を経 た 白絹(II,III)は. 10日 間 暗 室 に放 置 した 後 も両感 光 す る こss。 第 三対照 の 白絹 が 感 光 し た ・め断 言 し得 い が2回. の 實験 の結 果 は紫 外線 照 射 の 白絹 が対.
(5) 照 の 白絹 よ り も写真 感 光 力 弱 き こと で あ る。両. オ ゾ ンの 作 用 に依 つ て写真 感 光 力 は 増大 し. た。 今写真 乾 板 に感 ず る物 質と 生 物 に働 く物 質と が 同 じ 物 質 で あ ろ うと す る 大 李博 士 の説 が 眞 實 で あ る ざ假 定 す れ ば 晒 木 綿 其 儘 の もの も 日光 に曝 した もの も 又 白絹 其 儘 の もの も皆写真 乾板 に感 光 す るを以 て何 れ も生 物 に対 し 好 影 響 を與 ふべ きで あ る。 然 るに 大 李博 士 の 實 験 結 果 は 晒木 綿 を 日光 に曝 した もの も 又 は 白絹 其 儘 の もo)も 共 に 生 物 に何 等 の影 響 を 奥 へ な い こと を示 す 故 に 大平 博 士 の写真 乾板 に 感 ず る物 質と 生 物 に働 く物 質と が 同 じ物 質 で あ ろ うと す る説 は 成 立 た な い,即ち写真. 乾 板 に感 ず る物 質と 生 物 に働 く物 質 ミ は相 互 に關係 の. な い もの で あ る こと を 知 るで あろ う。 終 に 臨 み写真 現 像 に際 し御 助 力 下 す つ た 廣 瀬 嘉 夫 君 に感 謝 す る。. (昭和五年七 月. 於 九州帝國大學農學部農藝 化學研究室).
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