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博 士 ( 医 学 ) 髭

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Academic year: 2021

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(1)

博 士 ( 医 学 ) 髭    修 平

     学 位 論 文 題 名

血 清 お よ び 肝 組 織 内 C 型 肝 炎 ウ イ ル ス      遺 伝 子 検 出 の 臨 床 的 意 義

学 位 論 文 内 容の 要旨

   【目的】

  C 型 肝 炎 ウ イ ル ス (HCV) の遺 伝 子配 列が 、 1988 年 に分 子生 物学 的に 発 見されて以来 、多くの知見が急速に報告 されてきている。

し か し 、 血 中 に 存 在 す る HCV RNA 量 は 微 量 で あ る た め 、 そ の 検 出や量的検討には 丶困難をともなう。さらに、HCV の増幅に関して は、 不 明の点も多い 。今回の検討では、標識ヌ クレオチドを用い たRT‑ PCR(Reverse transcription ‑polymerase chain reaction) 法で HCV RNA 量 の 定 量 化 を 検 討し 、 C 型肝 炎に おけ る 血清 およ び肝 組 織 中 の HCV RNA 測 定 の 意 義 や 病 態 と の 関 連 を 検 討 し た 。

   【対象および研究方法】

   !) 竝象 : 第二 世代 HCV 抗 体陽 性の 慢 性非 A 非 B 型肝炎患者 78 例

(男 46 例、 女 32 例 、平均年齢 49 . 9 歳)を対象とした。そのうち、

肝 組 織 内 の HCV RNA の 測 定 は、 42 例 に行 った 。 IFN 治療 は 63 例に 施行した。

  2) HCV RNA 堕 捻 出 : 血 清ま たは homogenize 後の 肝組 織か ら、

AGPC 法 に よ り 核 酸 を 抽 出 し た 後 、 random primer を 用 い 、

  M‑MLV(Molony Murine Leukemia Virus) Reverse transcriptase で逆

転 写 反応 を行 った 。合 成 され た cDNA を、 2 段 階の PCR(polymerase

chain reaction) 法で増幅した。lst PCR は40cycle 、2nd PCR は25cycle

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施行 した 。PCR 産物 を Agarose gel で電 気泳動した後に、 Ethidium bromide 染 色 し 、 紫 外 線 下 に ポ ラ ロ イ ド 撮 影 し て 判 定 し た 。    三 )(:)鎖 R 盥△堕捻出:RNA 抽出物に、20mMNa04 ,O .1NNaBH4 を加えて、3 ,末端を化学的 に処理後、sensepnmer を用いて逆転写 反応を行った。100 ℃で30 分間加熱し、酵 素を失活させた産物を、

PCR 法 で 増 幅 し 、 上 述 し た 方 法 と 同 様 に 判 定 し た 。 生)旦gy 璽蛤堕定量I ヒ:反応液中に、標識ヌクレオチド(a ―3 P ― dCTP )を加 えて施行した PCR 産物をAgarosegel で電気泳 動し、該当 する 部分 を切 り 出し てシ ンチ レーションカウン ターで放射活性を 測定 した 。同 時 に、 Standard 用に核酸量既知 のcDNA を段階 希釈し た sample も PCR を 行い 、標 準 曲線 を作 製し て検 体 の cDNA 量を 算定 した。

5 )翼ぐyg 皇旦Q 鎧p 皇の主』定:Okamoto らの方法に準じ、HCV のcore 領域 の一 部を 1stPCR で 増幅 し、各々の geno 炒pe に特徴的な 部位に 設定 した antisensepnmer を 用いて2ndPCR を施行した。得ら れた産 物 を 電気 泳動 し 、/ ヾ ンド のサ イ ズか ら geno ぢpe を、 決定 し た。

§)痘理組繊堂的捻討:慢性肝炎の病理組織は、ヨーロツノヾ分類 にし たが って 分 類し た。 肝炎 の活動性は、Knode11 らのHistology activityindex (HAI )でスコア化した。

   【結果】

!2 擾識墨2 ヒ空チピ董二田いたRT ‐PCR 法!三圭墨HCV 竪鎚△量遉!定 堕定量性

   段階希釈した standard 用のsample では、20 〜35 cycle の範囲で、

サイ ク ル数 およ び濃 度 とPCR 産物 量の 間に 相関 が 認め られ た。40

cycle では、高濃度域でampilification plateau に達したが、実際のC

型肝炎患者の検体 では、 plateau に達する ものは、ほとんど認めな

かった。

(3)

2 )圧組越と抽出埜酸量

   両 者の間 には相関が認められた(r=0 .71 ,p くO . Ol) 。核酸の抽出効 率 は ほ ぼ 一 定 で 、 平 均 で は 、 肝 組 織 1mg か ら 抽 出 さ れ る 核 酸 量 は 1.6 メg であった。

!)血遺生HCV RNA 量と宿主側国壬堕園餐

   病 期 別 の HCV RNA 量 で は 、 病 期 の 進 行 と と も に 増 加 し 、 肝 硬 変 で 減 少 す る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 罹 病 期 間 の 長 期 化 に と も な い RNA 量 の 増 加 す る 傾 向 が 認 め ら れ た 。 加 齢 に と も な い RNA 量 の や や 増 加 す る 傾 向 が み ら れ た が 、 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 生)圧組繊中の HCV RNA 皇血遺主 HCV RNA 堕園伍

   肝 組 織 lg あ た り と 血 清 1ml あ た り と の RNA 量 の 比 較 で は 、 両 者 に有意な相関が認められた。

≦)圧担繊主Q (土)鎖塑 t びc‑HiHCV RNA

     組織中の RNA を測定した 42 例中、(十)鎖は全例に、(‐)鎖は39 例 (92 .9 %)に検出された。病期別の(十)鎖および(‐)鎖RNA 量には、有 意差は認められなかった。(十)鎖に対する(−)鎖RNA 量の割合は、数

%程度の例が多かった。

壷)  IFN 堕治療効墨とHCV RNA

   著 効 例 で は 、 一 過 性 有 効 例 や 無 反 応 例 よ り 、 治 療 前 の HCV RNA 量 が 低 値 の 傾 向 で あ っ た 。 さ ら に 、 治 療 開 始 4 週 目 の RNA の 陰 性 化 も 、 著 効 例 で 高 率 で あ っ た 。 治 療 終 了 時 に は 、 一 過 性 有 効 例 に お い て も 半 数 以 上 の 症 例 で RNA は 陰 性 化 す る が 、 終 了 6 か 月 後 で は 、 RNA 陰 性 例 の 大 部 分 は 著 効 例 で あ っ た 。 再 治 療 後 の 著 効 例 で は 、 初 回 投 与 時 よ り再 投 与 時 の RNA 量 は 低 値 の 傾向 で あ っ た 。 ヱ)  Genotype)z3ll の治療効墨皇HCV RNA 量

  m 型 の 症 例 で は 、 H 型 の 症 例 に 比 べ 、 著 効 率 t ま 高 率 で あ っ た 。

治 療 開 始 前 の RNA 量 は 、 両 型 に 差 は な か っ た が 、 治 療 開 始 4 週 後

の RNA の 陰 性 化 率 は 、 n 型 で 50 . Ou/o 、 m 型 で 87 . S ワ D で あ っ た 。

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   【考按】

  HCV の 検 出 は 、 血 中 に 存 在 す る 量 が 微 量 であ る た め 、困 難 を とも なう。PCR 法の応用により、定陸的にはその検出は可能となっ た が 、定 量 的 な 検討 に は 、 方法 論 的 に 問題 が 残 さ れて い る 。著 者 は 、 標 識 ヌ ク レ オ チ ド を 用 い た RT‑PCR 法 に よ るHCV RNA の 定 量化 を報告 してき たが、一 定の条 件下で 施行す ることにより、臨 床 応 用が 可 能 と 考え ら れた。 さらに 、本法 により 定量化 したHCV RNA 量 の 検 討よ り 、 ウ イルス 量の増加 と肝病 変の進 行とに 関連が 認 め られ た 。 一 方、 肝 組 織 内の RNA 量 と 血 清 中の RNA 量 に は 相関 が み られ 、 血 清 中の RNA 測 定 で 、 組織 内 RNA 量 の 推 定が 可 能 と考 えられた。肝組織中からは(づ鎖RNA が検出され、慢性肝疾患では、

HCV が肝内で増幅されていることが示唆された。

    C 型慢性肝炎に対するインターフェロン (IFNr) 治療の効果に関 与 す るウ イ ル ス 側の 因 子は、 HCV RNA 量と genotype であっ た。治 療 前 の RNA 量 が 同 レ ベ ル で も 、 . IFN 投 与 後 の RNA の 消 失 に は genotype 間に差カミ言忍められ、 genotype によりIFN に対する感受性は 異なることが示唆された。

   【結論】

  C 型 慢 性 肝 疾 患 患 者 の 血 清 お よ び 肝 組 織 内 の HCV RNA を 検 出 し、以下の結論を得た。

  1 ) C 型 慢 性 肝 疾 患 患 者 の HCV RNA 量 は 、 罹病 期 間 の 長期 化 、 活 動 性 の 増 加 に と も な い 、 増 加 の 傾 向 を 認 め た 。   2 ) 血 清 中 の HCV RNA 量 は、 肝 組 織 中の RNA 量 と 相 関 が認 め ら れ 、 肝 内 ウ イ ル ス 量 を 反 映 し て い る と 考 え ら れ た 。   3 )肝組織内で(‐)鎖 RNA が検出され、肝内で HCV が増殖すると 考えられた。

  4 ) IFN の 治 療 効 果 に 関 与す る ウ イ ルス 側 の 因 子は 、 HCV RNA

量と genotype であった。 genotypeI[I 型では、 H 型より RNA 陰性化率

(5)

が 高 く、 IFN に 対する感 受性が 異なるこ とが示 唆された 。

     以上より、 RT‑PCR 法を用いた血清および肝組織内のHCV

RNA の検出は、病態解析や治療効果判定に有用と考えられた。

(6)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

血清および肝組織内 C 型肝炎ウイルス      遺 伝 子 検 出 の 臨 床 的 意 義

【目的】

  血 中に 存 在す るC型 肝 炎ウ イ ルス(HCV) RNA量 は 微量 で あ るた め 、その検 出や量的検 討には困難を伴う。今回の検討では、RT‑ PCR(Reverse transcriptionーpoly merase  chain re action)法 でHCVRNA量 の定 量 化を 検 討 し、C型 肝 炎に お け る血 清 およ び 肝 組織 中 の HCVRNA測定の意義や病態との関連を検討した。

【 対 象 お よ び 研 究 方 法 】

!2塾 墾 : 第 二 世 代HCV抗体 陽 性 の慢 性 非A非B型肝 炎 患 者78例を 対 象 とし た 。肝 組 織 内 のHCVRNAの 測 定 は42例 に 、IFN治 療 は63例 に 施 行 し た 。

2)HCVRNAの 検 出 : 血 清 ま た は肝 組 織 から 、 AGPC法 に よ り 核酸 を 抽出 し 、 逆転 写 反応 を行なっ て合成し たcDNAをPC R法で増 幅した。

NaI04とNaBH4を加えて、3゛末端を化学処理後、

sense pnmerを 用いて逆 転写反応 を行った 。100℃で30分間 加熱して 酵素を失 活させ、産 物 をPCR法で増 幅した。

4) HCVRNAの 定 量 化 : 標 識 ヌ ク レ オ チ ド(a‑32p‑ dCTP)を 加えて施 行したPCR産 物を ag aro seg elで電 気泳動し、該当する部分を切り出してシンチレーションカウンターで放 射 活 性を 測 定 した 。 核酸 量 既 知のcDNAを 段階 希 釈し たstandard用sampleも同 時にPCRを 行い 、標準曲 線を作製 して検体 のcDNA量を算 定した。

5)  HCV 8enotypecD判 壷:Ok amoめら の方法に 準じ、HCVのcore領域の一部を、夕イプ別 に に 特 異 的 なprimerを 用 い て 増 幅 し たPCR産 物 の サ イ ズ か らgenotypeを 決 定 し た 。

保 一

     

崎 野

宮 内

西

授 授

教 教

査 査

主 副

(7)

【結 果 】

1) 標 識 ヌ ク レ オ チ ド を 用 い たRT―PCR法に よるHCV RNA量 測定 の定 量性

  段 階希 釈し た標 準用sampleでIさ、20 ‑‑35 cycleの範 囲で、サイクル数および濃度と PCR産物量の間に相関が認められた。40 cycleでは、高濃度域でampilifcation plateauに達 した が、 実際 のC型 肝炎 患者 血清 中H(:V RNA濃 度を 考慮 し、40 cycleが 適当 と考 えら れ た。

2)肝組織と抽出核酸量

  両者の間には相関が認められ(r=0. 71,pくO.01)、核酸の抽出効率はほぼ一定であった。

3)血清中HCVRNA量と宿主側因子の関係

  病 期 別 のHCVRNA量 で は 、 慢 性 肝 炎 で は 活 動 性 の 上昇 とと もに 増加 し、 肝硬 変で や や 減少 する 傾向 を認 めた 。罹 病期 間の 長期 化に ともないRNA二量の増加する傾向が認め ら れた 。

4)肝 組織 中のHCVRNAと血 清中HCVRNAの 関係

  肝 組織lgあ たり と血 清Imlあた りのRNA量に は、有 意な相関が認められた。

5) 肝組 織中 の( 十)鎖 およ び( ・) 鎖HCVRNA

  (十)鎖は42例全例に、(−)鎖は39(92.9ワ。)に検出された。(十)鎖に対する(―)鎖RNA量の 割合は、数%程度の例が多かった。

6) IFNの治療効果とHCV RNA

  著 効 例 で は 、 一 過 性 有 効 例 や 無 反 応 例 よ り 、 治 療前 のHCV RNA量 が 低 値 の 傾向 で、

さ ら に 、 治 療 開 始4週 目 のRNAの 陰 性 化 も高 率 で あ っ た 。 治 療 終 了6か月 後 のRNA陰 性 例 の大 部分 も著 効例 であ った 。再 治療 後に よる著 効例 では 、初 回と 比較 し、再投与時の RNA量 は低 値の 傾向で あっ た。

7) GenotypeSUの治 療効 果とHCVRNA量

  III型の 症例 では、II型の症例に比ベ,著効率は高率であった。治療開始前のRNA量は、

両 型 に 差 は な か っ た が 、 治 療 開 始4週 後 のRNAの 陰性 化率 は、II型 で50.0%、III型で 87.5%であ った 。

【 結 語 】

1)C型 慢 性 肝 疾 患 患 者 のHCVRNA量 は 、 罹 病 期 間 の 長 期 化 、 活 動 性 の 増 加 に 伴 い 、 増 加 の 傾 向 を 認 め た 。

2) 血 清 中 のHCVRNA量 は 、 肝 組 織 中 のRNA量 と 相 関 が 認 め ら れ 、 肝 内 ウ イ ル ス 量 を 反 映 し て い る と 考 え ら れ た 。

3) 肝 組 織 内 で ( ・ ) 鎖RNAが 検 出 さ れ 、 肝 内 でHCVが 増 殖 す る と 考 え ら れ た 。 4)IFNの 治 療 効 果 に 関 与 す る ウ イ ル ス 側 の 因 子は 、HCVRNA量 とgenotypeであ った 。

(8)

genotypellI

型では、II 型よりRNA 陰性化率が高く、IFN に対する感受性が異なることが 示唆された。

  

以上より、RT −PCR 法を用いた血清およぴ肝組織内のHCV RNA の検出は、病態解析や 治療効果判定に有用と考えられた。

  

以上より 、本研究は 、博士(医 学)の学位論文として妥当なものと判断される。

参照

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