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博 士 ( 医 学 ) 渡 邉

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Academic year: 2021

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博 士 ( 医 学 ) 渡 邉    徹

     学位論文題名

Adenovlrus ― mediatedCTLA41gGeneTherapy     1nCardiaCXenotranSplantation

     (異種心臓移植におけるCTLA41g 遺伝子導入の効果)

学 位 論 文 内 容 の 要 旨

[背景 と目的] ハムスタ ー心臓 をラット に移植するconcordant異種心臓移植モデルでは,コプラヴェ ノムフ ァクター による補 体抑制 とcyclosporine (CsA)の組 み合わせ によるT細胞抑制,抗IgM抗体,

サイク ロフエス ファマイ ドやdeo)げspergu甜in(DSG)などの組み合わせにより移植心の長期生着が 得 ら れ る .CnA屯gは 同 種 移 植 に お い てT細 胞 のCD28/B7副 刺 激 路 を 阻 害 す るこ と に よ って , グ ラフトの長期生着をもたらすのみではなく免疫寛容をも誘導することが報告されている.われわれは,

移植 初 期 にDSGとCsAの 継続 投 与 を行 う こ とに よ っ てハ ムス夕 一心臓が ラット 内で長期 生着する こ     ー

とを 報 告 した . 本 研 究で はconcordant異種心 臓移植モ デルに おける( 冫nA41gの移植心 生着延 長と その機序について検討した.

[材料と方法]ルイスラット,ゴールデンシリアンハムス夕一を用い,ハムスターの心臓をラットの腹部 に 異 所 性 に 移 植し た ,AdexCnA甜g作成 はE1,E3領域 を 除 いた 組 み 換え ア デ ノウ イ ル ス ベク タ ー に マ ウ スTA4一 ヒ トIgG遺 伝 子 を 組 み 込 ん だAdexの1A虹g, 及 び コ ン ト ロ ー ル と し て (mA甜g 活 性 部 分 にLacZを 組み 込 ん だAde姐AcZを 使用 し た .そ れ ぞ れの ア デ ノウ イ ス ルは ,Nakagawaら の方法 に準じ293細胞に より組 み換え増 殖させ ,精製した,免疫抑制処置により以下の5群に分けた.

1)無 治療群 (生理食 塩水,n ̄6)12)DSG単独 群(n ̄8) ,3)CsA十DSG群 (n ̄12),4冫の1A甜g 十DSG群 (n ̄7) ,5)I丑cZ十DSG(n ̄6) .CsA十DSG群 はCnA41g十DSG群 の 拒 絶 日 と 同 日 に犠 牲 死 させ た 標 本 を使 用 し た. 無 治 療以 外 の 実験 動物 にDSGを移植日 前日よ り移植後7日目 まで 5mg/kg/日 ,CsAを 移 植 日 よ り 移 植 後90日 ま で15mg/kg/日 , 後 足 に 筋 肉 内 注 射 し た . AdexCnA甜gとAde虹AcZは 移 植日7日 前に1X109plaqueーformingumtsくp.f.u. ) をラ ッ ト の尾 静脈よ り静脈内 投与した .ラッ トの眼窩 静脈よ り移植後 ,O日 ,3日,7日,拒絶日に採血した.血清 CA甜g濃 度 測 定 はEuSAプ レ ー ト に ヤ ギ 抗 ヒ トIgG抗 体を コ ー ティ ン グ し,1% ウシ 血 清 ア ルプ ミ ンでプ ロック後 ,100−10000倍に希釈したサンプル,ハムスター抗(冫nA4単クローン抗体(4F10)の 上清, ペルオキ シダーゼ 標識ヤ ギ抗ハム ス夕一IgG抗体の順番で反応させ,O−フェニレンジアミンに

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て 発色させ,ELISAリーダー490nm波長にて吸光度測定した.異種反応性血清IgM,IgG抗体価は HAKシリアンハムス夕一腎細胞を固定したELISAプレートで測定した.摘出した心臓は長軸に垂直 に分割し,1片はパラフイン包埋とし,ヘマトキシリンとェオジン染色を作成し,他の1片は液体窒 素 で凍結し,IgM,IgGl,IgG2a,IgG2b,IgG2c,補体C3免疫染色標本を作成した.グラフト生 着期間の比較はF検定をした上で,Student'st検定により検定し,Pく0.05を統計学的有意とした.

数値の表記は平均値土標準偏差とした.

[ 結果]ラットの血中GFLA4Ig濃度は移植時全例で20ルg/ml以上を維持し,1例のみ拒絶時10ル g/ml以 下だった .グラフ ト生着期間は無治療群で3.7土0.5日,DSG群で12.4土O.9日,LacZ 群 で11.0土0.O日 だった.CsA十DSG群は全 例拒絶され ず,100日以 上で死亡 した,CsA十DSG 群のグラフ卜生着期間は139.3土9.8日で,他の4群に比し,延長した(pく0.0001),(mA甜g 十DSG群のグラ フト生着 期間は23.6士6.O日で,CsA十DSG群以外の他の3群と比し,延長した

(pくO.0002),拒絶時IgM抗体価はCsA十DSG群に比し(mA41g十DSG群で高値を示したが(pく0. 0001),他のIgG抗体価には有意差を認めなかった.組織学的検討では,くynA甜g十DSG群は組 織間隙の強い出血,浮腫,細胞浸潤を認め,CsA十DSG群は軽度細胞浸潤を認めたが,´心筋およ び脈管は正常像を呈した.(v´nA41g十DSG群は拒絶時のグラフトの血管内皮にIgMが陽性であっ た が,CsA十DSG群 は陰性だ った.C3染色では両群とも陽性だった.IgG染色は両群とも陰性だ った.

[ 考察]同 種移植で はCD28/B7の副刺激経路がTCR主刺激シグナルと同時に刺激されて,T細胞 の活性化と増殖をもたらし,移植グラフトの拒絶が起る.  本研究ではCD28よりB7に親和性の強 い(了nA41gをCD28/B7副刺激プロッカーとして用いた.同種心移植において,アデノウイルスベ クターで遺伝子導入することによりくynA甜gの血中濃度を高く保ち,lOルg/ml以上血中(mA甜g 濃度があれば十分末梢リンパ球を抑制すると報告されている.我々の異種心臓移植モデルでは7例中 6例 で拒絶時 にlOルg/mi1以上 の血中濃 度を保つて いた.AdexCnA41gとDSGの組み合 わせによ りDSG単独,も しくはDSGとAdexLacZの組み合 わせよりも 生着時間が延長したことは,同種心 臓移植と同様に異種心臓移植においても副刺激シグナルがグラフト生着延長に重要な役割を果たして い ることをを強く示唆するものである.DSGとAdeXの1A甜gの組み合わせでは拒絶時には異種反 応性IgM抗体価は上昇しており,免疫染色では血管内皮にIgMの沈着が認められた.(ynA甜gはCyA ほどには異種反応性IgMの上昇を抑えることができず,補体沈着も抑制しないことから,グラフト はIgM沈着とそ れに続く 補体経路の活性化により拒絶されたものと推測される.DSGとCsAの組 み合わせでは|異種反応性IgM抗体価は拒絶時に上昇せずグラフト内沈着も認めなかったことは,こ の時点でのIgM抑制がグラフト長期生着に重要な役割を担っていることが示唆される.  異種移植 においては同種移植に比し,高濃度の(冫nA餌g濃度が必要なのか|あるいは,CD28/B7の副経路     ―466−

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の阻 害だけでT細胞の活性化を抑 制することができるのか,本研究では明らかにすることはできなか った .しかし,アデノウイルスを使用し,比較的高濃度の(v´FLA4Igを得たのにも関わらず,IgMの 上 昇お よ び拒 絶を 招い たこ とは ,後 者の可能性を示唆するもので ある.CD28/B7経路に加えて 他 の副 刺激経路を同時に抑制する事により,長期生着が得られるのかを検討することが,今後の課題の ーつ である,

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学位論文審査の要旨 主査    教 授    安田 慶秀 副査    教 授    北畠    顕 副査    教 授    川口 秀明

     学 位論文題 名

Adenovirus‑mediated CTLA4Ig Gene Therapy     in Cardiac Xenotransplantation

( 異 種 心 臓 移 植 に お け るCTLA4Ig遺 伝 子 導 入の 効果 )

本研 究で はconcordant.異 種心 臓移植モデルにおけるCTLA4Igの移植心生着延長とその機 序に つい て検 討し た.AdexCTLA4Ig作成はEl,E3領域を除いた組み換えアデノウイルスベク

タ ーにマ ウスCTLA4― ヒトIgG遺 伝子 を組 み込 んだAdexCTLA4Ig, 及び コン トロ ールとして CTLA4Ig活 性 部 分 にLacZを 組 み 込ん だAdexLacZを 使用 した .免 疫抑制 処置 によ り以 下の5 群に分けた.1)無治療群(生理食塩水,n二ニ6),2) DSG単独群(n 8),3)CsA十DSG群(n

=12),4)CTLA4Ig+DSG. 群(n゜7),5)LacZ+DSG (n:ニ ニ6). CsA+DSG群はCTLA4Ig+DSG 群の 拒絶 日と同 日に 犠牲 死さ せた 標本を使用した,無治療以外の実験動物にDSGを移植日前

日よ り移 植後7日 目ま で5mg/kg/日,CsAを 移植 日よ り移 植後90日 まで15mg/kg/日,後足に 筋 肉内 注射し た,AdexCTLA4IgとAdexLacZは移 植日7日 前に1Xl09 plaque―forming units

(p.f.u.)をラットの尾静脈より静脈内投与した,ラットの眼窩静脈より移植後,O日,3日,7 日, 拒絶 日に 採血 した ,血 清CTLA4Ig濃度 測定 はELISAプレー トに ヤギ 抗ヒ トIgG抗体をコ ーティングし,1%ウシ血清アルブミンでブロック後,100−10000倍に希釈したサンプル,ハ ムスター抗CTLA4単クローン抗体(4F10)の上清,ペルオキシダーゼ標識ヤギ抗ハムスターIgG 抗体の順番で反応させ,0−フェニレンジアミンにて発色させ,ELISAリーダー490nm波長にて 吸 光 度測定 した .異 種反 応性 血清IgM,IgG抗体 価はHAKシ リア ンハ ムス ター 腎細 胞を 固定 したELISAプレ ート で測 定し た, 摘出 した 心臓 は長軸に垂直に分割し,1片はパラフイン包

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埋とし,ヘマトキシリンとエオジン染色を作成し,他の1片は液体窒素で凍結し,IgM,IgGl, IgG2a,IgG2b,IgG2c,補体C3免疫染色標本を作成した.結果:ラットの血中CTLA4Ig濃 度は 移植時全例 で20Hg/ml以上を維持し,1例のみ拒絶時10Ug/ml以下だった.グラフト 生着 期間は無治 療群で3.7土O.5日,DSG群で12.4土0.9日,LacZ群で11.O土O,O日だ った,CsA十DSG群は全例拒絶されず,100日以上で死亡した.CsA十DSG群のグラフト生着 期間 は139.3土9.8日で,他の4群に比 し,延長し た(p<0. 0001).CTLA4Ig十DSG群のグ ラフト生着期間は23.6土6.O日で,CsA十DSG群以外の他の3群と比し,.延長した.拒絶 時IgM抗体価はCsA十DSG群に比しCTLA4Ig十DSG群で高値を示したが,他のIgG抗体価には 有意差を認めなかった,組織学的検討では,CTLA4Ig十DSG群は組織間隙の強い出血,浮腫,

細胞浸潤を認め,CsA十DSG群は軽度細胞浸潤を認めたが,心筋および脈管は正常像を呈し た.CTLA4Ig十DSG群は拒絶時のグラフトの血管内皮にIgMが陽性であったが,CsA十DSG群 は陰性だった.C3染色では両群とも陽性だった.IgG染色は両群とも陰性だった.以上の 結果より、1)ラット同種心移植においては血清CTLA4Ig濃度が10ルg/ml以上で拒絶反応が 抑制されるが、 ̄異種心移植では同濃度で移植心拒絶がみられた。2)AdexCTLA4Ig十DSG群で は拒絶時の異種反応性IgM抗体は上昇しており、免疫染色でIgMとC3の血管内皮沈着を認め た。このことはIgM沈着、それに続く補体経路の活性化が拒絶をもたらすことを示唆した。3) CD28/B7副刺激経路を抑制することにより異種移植片長期生着が得られる可能性がある。公 開発表に際して、川口教授からCTLA4Ig単独投与群の有無、CsAとアデノウイルスベクター の問題点、新しいべクターの使用計画について、北畠教授からは、遺伝子導入効率は確認の 有無、直接投与の問題点、その投与量と投与間隔にっいて,安田教授からは、異種移植と同 種移植の拒絶のメカニズムの違いは、遺伝子導入を用いた理由、IgM抗体とIgG抗体の発現 時期など質問がなされた。これらの質問に対し、申請者は実験結果と関連論文を引用し、誠 実にかっおおむね妥当な回答をなし得た。この論文はconcordant異種心移植モデルでCTLA4Ig を用い,移植心生着延長をはかるとともにその機序にっいて検討したものであり,異種心臓 移植の研究に寄与するものである.審査員一同は、この研究が関連領域研究の進展に与える 成果を評価し、大学院課程における研鑽や取得単位なども併せ申請者が博士(医学)を受け るのに充分な資格を有するものと判断した。

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参照

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