成年年齢引下げにおける契約年齢について―成年年 齢引下げにともなう若年消費者保護―
著者 山里 盛文
雑誌名 法と経営学研究所年報 = Annual Report of Institute for Business and Law
巻 1
ページ 65‑79
発行年 2019‑09‑30
その他のタイトル Contract Age in Lower the Age of Adulthood
URL http://hdl.handle.net/10723/00003786
成年年齢引下げにおける契約年齢について
――成年年齢引下げにともなう若年消費者保護――
山 里 盛 文
Ⅰ はじめに
2018年 6 月30日、「民法の一部を改正する法律」1)が成立2)したことにより、民法における成 年年齢が、20歳から18歳に引き下げられた。この改正は、民法 4 条に定める成年年齢が20歳から 18歳に引き下げられるとともに、民法731条に定める婚姻適齢が、女性につき、16歳から18歳に 引き上げられるという改正もなされた。
本稿においては、成年年齢が20歳から18歳に引き下げられた結果として、18歳・19歳の若年者 が未成年者取消権(民法 5 条)を行使できなくなることとなり、18歳・19歳の若年者の取引にお ける被害(消費者被害)の増大が懸念されることから、今回の改正のうち、未成年者取消権との 関係について、考察することとする。
この点については、今回の改正についての法制審議会における議論や消費者委員会における議 論、さまざまな学説における議論が存する。そこで、本稿はまず、法制審議会民法成年年齢部会
「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」、消費者委員会成年年齢引下げ対応検討ワーキ ング・グループ(以下「成年年齢引下げW・ G 」とする。)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・
グループ報告書」について概観し、学説について概観する。そして、私見を提示することとした い。
Ⅱ 未成年者取消権との関係での議論
ⅰ 法制審議会民法成年年齢部会「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」
1 成年年齢引下げの意義
最終報告書では成年年齢引下げの意義について、民法の成年年齢の意義・将来の国づくりの中 心となるべき若年者に対する期待・契約年齢引下げの意義・親権の対象となる年齢の引下げの意 義とする3)。そして、民法の成年年齢について、取引における保護を受けることができる者の年 齢(契約年齢)、そして、父母の親権の対象となる者の年齢(親権の対象となる年齢)の範囲を 画する基準となっているとし、民法以外の法令において各種行為の基準年齢となっていること、
成人式が20歳に達した年に行われていることからすると、「法律の世界のみならず、一般国民の 意識においても、大人と子どもの範囲を画する基準」となっているとし、民法の成年年齢の引下 げは、民法上の契約年齢、親権の対象となる年齢の引下げ、一般国民の意識の上でも18歳をもっ て「大人」として扱うことを意味するとする4)。
契約年齢の引下げの意義について、契約年齢の引下げは、18歳・19歳の者でも、親の同意なく 契約できることである5)。そして、現在の日本社会においては、18歳に達した者の大多数は、な
んらかの形で就労し、金銭収入を得、その金銭については、通常の取引では、自らの判断のみで 行っているという現実があり、これらの点を考慮すると、「18歳に達した者が就労して得た金銭 については、法律上も、これを親権者の管理下に置くよりも、自らの判断で費消できることにし てもよいと思われる」とし、契約年齢の引下げは、「18歳に達した者が、自ら就労して得た金銭 などを、法律上も自らの判断で費消することができる」というメリットがあるとする6)。
2 契約年齢の引下げの問題点と解決策
⑴ 問題点
契約年齢を引き下げた場合の問題点として、消費者問題を専門とする弁護士や国民生活セン ターの理事等のヒアリングの結果、未成年者取消権(民法 5 条 2 項)の存在は、悪質業者に対し て、未成年者を契約の対象としないという大きな抑止力になっていることから、18歳・19歳の消 費者被害が拡大するおそれがあるとする7)。
⑵ 解決策
最終報告書では、18歳・19歳の消費者被害が拡大するおそれがあるという問題点に対する解決 策として、消費者保護施策の充実と消費者教育の充実を挙げる。
消費者保護施策の充実については、取引の類型や若年者の特性に応じて、事業者に重い説明義 務を課したり、取引の勧誘の制限、すなわち、一定額以上の契約を行う場合や特定商取引法に定 める取引類型を行う場合に、事業者に対して、年齢・職業・収入等についての証明書類の提示等 を受けさせるなどの調査義務を課すこと、若年者の判断能力不足に乗じて取引された場合には、
契約を取り消すことができるようにする、すなわち、一般的に、消費者の軽率さや、経験不足に 乗じた規定、一定の年齢層(例えば18〜20歳)の者が、契約締結によって見過ごすことができな い不利益を被った場合には、当該契約を取り消すことができること、若年者が消費者被害にあっ た場合に気軽に相談できる若年者専用の相談窓口を消費生活センター等に設けること、18歳・19 歳の者に、契約の取消権がないということを自覚させるような広報活動をすること、特定商取引 法 7 条 3 号(現 7 条 1 項 5 号)、特定商取引法施行規則 7 条 2 号に「若年者」を付け加えること を挙げる8)。
消費者教育の充実については、若年者が消費者被害から身を守るために必要な知識等の教育を 充実させる、すなわち、法教育の充実・消費者教育の充実・金融経済教育の充実をさせることと し、その方法として、知識を与えるだけではなく、ロールプレイングや生徒相互の議論を通して、
契約をすることの意味を実感をもって学習させるとする9)。
ⅱ 成年年齢引下げW・G「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告書」
1 対象
成年年齢引下げW・Gの「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告書」は、その対 象を18歳から22歳とし、18歳から22歳の若年者を「若年成人」としている10)。
これは、現在における進学状況安などの社会状況を踏まえると、成熟した成人に移行する準備
段階としての18歳から20代初めにかけての若者については、成熟した成人期とは異なる配慮が必 要であるからであるとしている11)。
2 対応策
⑴ はじめに
成年年齢引下げW・Gは、対応策として、「若年成人の消費者被害・救済のための制度整備」、「処 分等の執行の強化」、「消費者教育の充実」、「若年成人に向けた消費者被害対応の充実」、「事業者 の自主的取組の促進」、「その他」を挙げる。
本稿においては、「若年成人の消費者被害・救済のための制度整備」、「処分等の執行の強化」「事 業者の自主的取組の促進」について取り上げることとする。
⑵ 若年成人の消費者被害・救済のための制度整備
若年成人の消費者被害・救済のための制度整備として、まず、消費者契約法において、知識・
経験等の不足その他合理的な判断ができない事情につけ込んで契約を締結した場合に取り消すこ とができる規定を設けることとし、「若年成人に対する配慮に努める義務」、「不当勧誘に対する 取消権」を提案する12)。
そして、特定商取引法においては、特定商取引法の対象となっている事案について、積極的に 執行を行うこととともに、「連鎖販売取引における若年成人の判断力の不足に乗じて契約を締結 させる行為を行政処分の対象とすること」、「若年成人の知識・判断力等の不足に乗じて契約を締 結させる行為を行政処分の対象として明確にすること」を提案する13)。
⑶ 処分等の執行の強化
若年成人の消費者被害防止のためには、特定商取引法に違反した事業者に対して執行を強化す ることが重要であるとし、「特定商取引法にかかる契約またはその支払手段となる信用供与契約 について虚偽記載を唆す行為の禁止及びその積極的な執行」、「特定商取引法における若年成人の 知識・判断力等の不足に乗じて契約させる事案に対する執行の強化」を提案する14)。
⑷ 事業者の自主的取組の促進
事業者の自主的取組の促進として、「各業界における未成年者及び若年成人に配慮した自主行 動基準の堅持・強化」、「若年成人への配慮に着目した「消費者志向経営」の促進」、「若年成人に 対する健全な与信のための取組」を挙げる。
「各業界における未成年者及び若年成人に配慮した自主行動基準の堅持・強化」ついて、自主 行動基準が作成されることにより、当該事業の特徴に応じた形での消費者保護につながることか ら、基準が堅持され、強化されることが望ましいとする15)。
「若年成人への配慮に着目した「消費者志向経営」の促進」について、「優良経営認証制度等の 推進」、「若年成人に配慮した顧客対応窓口の強化」、「事業者による従業員研修の徹底と消費者教 育の推進」を挙げる16)。
「若年成人に対する健全な与信のための取組」について、「若年成人に対する貸付・信用供与に 係る健全性確保」、「消費者トラブルに遭った場合の生活再建支援等の取組の推進」を挙げる17)。
ⅲ 学説
1 立法提案をするもの
⑴ 「成年・未成年」の多元化・相対化18)
この見解は、民法上の成年と未成年につき多元化・相対化を提案する。
まず、未成年について、「準成年」・「完全未成年」に分けることを提案する。「準成年」につい ては、被保佐人と同様に扱うとし、重要な行為以外は単独でなしうるとし、年齢は15歳以上とす る19)。「完全未成年」については、現行と同様(法定代理人の同意なしに有効な法律行為をなし えない)であるとし、さらに、10〜12歳を境に「幼年」と「半成年」に分けるとし、「幼年」に ついては、日用品の購入などを除き行為能力を否定し、一律に責任能力を否定するとする。
次に、成年について、「初成年」・「完全成年」に分けることを提案し、「初成年」は、成年に達 した後も25歳または26歳に至るまでは、法定代理人または本人が選任した「支援人」に相談しな ければ、一定の重要な行為はなしえないとし、支援人は、相談を受けて助言するだけであり、同 意を得ることは必要ないとし、「初成年」の能力について、「支援能力(支援を受けた能力)」と 呼び、これは、「支援人」という相談相手を設けることにより、「一歩立ち止まって法律行為を行 う」、本人の希望による「自己防衛手段」を認めようとするものであるとする20)。
この提案の含意として、「10歳〜12歳に達するまでの子どもを「幼年」とすることによって、
より立ち入った保護を与えようとすること」、15歳以上18歳未満の者を「準成年」とすることに より、「より広い範囲での社会参加を促そうということ」、「18歳(20歳)以上25歳(26歳)未満 の若者を「初成年」とすることによって、その自律性を認めつつ、社会的な支援を行うというこ と」であるとする21)。
⑵ 若年成年者撤回権22)
この見解は、成年年齢を18歳23)とし、18歳から23歳未満の者に「若年者撤回権」を与えるとし、
この若年者撤回権は、要件の限定はほとんどないが、1 か月しか行使できないとし、さらに、「複 数要因に基づく瑕疵」についての取消権を規定するとし、「複数要因に基づく瑕疵」についての 取消権は、「消費者保護一般およびそれ以上に広い範囲の悪質商法に対処する規定」であるとす る24)。
⑶ 若年者取消権25)
この見解は、若年者の消費者被害について不招請勧誘による場合が多数を占めることを考慮し、
「18歳以上20歳未満の若年成年者について、当分の間、不招請勧誘による場合にのみ、若年成年 者取消権を認めるという規定を成年年齢の引下げに関する民法改正附則として定める」ことを提 案する26)。
この若年成年者取消権は、18歳・19歳に対して、不招請勧誘による場合に限定し、「代替的な
取消権を当分の間与え」るものである27)。「成年年齢引下げ前の未成年者としても取消権を行使 することができないと解される日常生活行為について、不招請勧誘を理由とした取消権を新たに 与えるという趣旨ではない」とする28)。
⑷ 適合性原則との関係29)
この見解は、適合性原則に関する議論を、若年者という属性に着目すると、適合性原則の導入 に関する懸念を払拭できるのではないかとする30)。
若年者が契約を締結する際に適合性に配慮することの具体的実現方法として、金融取引におい て適合性原則違反の有無が争われた裁判例を分析し、「①…契約当事者の知識や経験をふまえた商 品や取引の内容の「理解力」の有無と②…契約当事者の契約目的・意向や財産状況をふまえて当 該契約に基づき取引を行う「必要性」の有無が考慮」されており31)、もっとも、「若年者」は、
その範囲の確定や要件を設定することが困難であることから、消費者取引にあたり、事業者に対 して契約当事者の属性に配慮することを求めるとしても、「若年者」という言葉を用いることは 容易ではないとする32)。そうだからといって、成年年齢が引き下げられた後、18歳・19歳の若 年者の保護に関する規定を設けないとするならば、民法等の一般法理により対応せざるを得ず、
その不十分性からすると、18歳・19歳の若年者の保護に関する規定を設ける必要がないとはいえ ず、若年者保護のための新たな立法を用意する必要があるとする33)。
具体的な方策として、「① 年齢等の属性を考慮したつけ込み型不当勧誘に関する規定の新設」、
「② 適合性に配慮する必要性を定めた一般条項の新設」、「③ 適合性原則の特定商取引法自体に おける明文化」、「④ 事業者による情報提供・説明における適合性への配慮義務の明文化」を挙げ、
立法提案をする34)。
⑸ 「日常生活に関する行為」について単独で法律行為ができる35)
この見解は、成年被後見人についての日常品の購入に関する行為以外の法律行為について取消 権の対象としている点を未成年者についても当てはめるとし、未成年者も「年齢や生活状況に対 応して「日常生活に関する行為」については単独でできるが、それ以外の法律行為については法 定代理人の同意を厳格に必要とすることを法律に明確にする」とする36)。
そして、日常生活にかかる契約につき、単独でも可能とすることにより、取引をされた物や役 務の種類など、「本来は親権者の同意の評価とは異なる基準を取り込んで議論されてきている現 在の未成年者取消権のあり方を、より簡明で分かりやすいものにすることができ」、そこで評価 される基準に消費者法の領域で問題とされる要素を組み込むことも可能であることから、「未成 年者取消権の行使の可否に関する判断を通して、その取引の当該未成年者に対する適切さ、すな わち広い意味での適合性を評価することにつながる」とし、未成年者に対する契約締結過程での 勧誘を評価することにより、未成年者の知識や経験の不足につけ込んだ勧誘がなされていないか を検討することとなるとし37)、「それらは、未成年者取消権が消費者法理としての役割を果たし ている事実から十分に正当化でき」、未成年者の年齢が引き下げられたとしても「成年に達した 以降の取引についても適合性の評価やつけ込み型勧誘の規制が継続して必要であることを示唆す
る」とする38)。
「日常生活に関する行為」の範囲については、日常生活に該当するか否かは、事業者が主張・
立証すべきであるとする39)。
⑹ 「セーフティー・ネット」としての契約取消権40)
この見解は、未成年者や若年者の「脆弱性」に着目して取引の効力を否定する場合の視点とし て、取引を経験させることにより若年者の自立を促しつつ、取引によって生じる「危険」からは 確実に保護する方向性での制度を構築するとし、「若年者に早くから社会経験を積ませつつ、セー フティー・ネットを張ることが重要」であるとする41)。
そして、「セーフティー・ネット」については、若年者が取引によって負う「損害」に着目する、
フランス民法典1149条に注目し、「日常行為等、金額が些細な取引については未成年者であって も自己決定の余地を認める一方で、その取引による支出が未成年者にとって不要な支出であると いう意味での「損害」が生じた場合には取消しを認める」とする42)。
2)成年年齢の引下げを積極的に評価する見解
⑴ 自己決定権の観点から43)
この見解は、民法の根本原則である私的自治の原則から、自己決定権は最大限尊重されるべき であること、「契約自由の原則」(改正民法521条)は、「人が自由に契約を結ぶことを通じて、好 きな生き方を選択できる点で重要なものであり、安易に制限されてはならない」こと、未成年者 についても、「契約自由、ひいては生き方の選択の自由を必要以上に制限してはならない」こと、
「従来の民法は、18、19歳の若者について、行為能力の一切を制限しており、これにより高校を 卒業した若者であっても、職業につくか、大学に進学するかといった生き方の選択を、法定代理 人の意思に反してすることはできない」こと、自己決定権を尊重する観点から、「高校を卒業し たタイミングで行為能力の制限をはずし、周囲の大人は、若者にアドバイスをしたり自立を支援 したりする立場に回るべきである」ことから、成年年齢引下げを評価する44)。
この見解の背景は、民法の未成年者取消権は、未成年者の自己決定権の制約であるととらえ るところにある45)。すなわち、成年年齢の引下げが、意味を持つ場面は、「親子間で決定的な意 見の対立があり、親の同意を得られない場面」であり、このような場合に、親が子を説得するこ となく、「契約を有無をいわさず取消すことができることが未成年者取消権の持つ法的な意味で あ」り、「その意味では、未成年者取消権とは、若年者に対する自己決定権の強力な制限として 働く」ことから、民法の未成年者取消権は、未成年者の自己決定権の制約であるとする46)。
民法の規定(遺言能力、縁組能力、改氏についての法定年齢、意思能力、婚姻適齢)に関する 議論における、「人の成長に関する一つの区切りとされている」年齢は、15歳であるが、15歳が 判断能力の一応の完成時期であるとしても、判断の基礎となる社会的経験の量としては、不十分 であるとする47)。そして、15歳から成年年齢に達するまでの期間については、社会的経験不足 を補うための「猶予期間」とする48)。
消費者被害に対する対応については、成年年齢の引下げを遅らせて消費者被害を防ごうとする
方針には、「ジレンマが存する」とし、取引経験などは、実際に取引をしてみなければ、身につ かないが、現代社会において、未成年者の相手方は、未成年者ではなく法定代理人と契約交渉す るのが通常であることからすると、未成年者は契約交渉から実質的に排除されており、行為能力 の制限により未成年者の保護を図ることは、若者を守るために、若者が社会経験を積む機会を奪 うこととなっているとする49)。
そして、消費者教育の充実は、消費者被害に遭わないための知識や疑似体験により消費者被害 を少しでも減らす対策として必要であるとし、成年年齢の引下げに反対する意見が根拠とする20 代の若者の消費者被害の多さを挙げる統計資料は、社会経験の不足を座学で補うことの限界を示 しているようにも思え、「15歳から17歳での消費者教育に比べて、消費者被害対策に劇的な効果 をあげるとは思われ」ず、「高校卒業以降の進路が複線化することを考えると、かえって効果的 な被害対策にならない可能性がある」ことからすると、消費者被害に遭わないために、「高校で 消費者教育を受けた時点からあまり間を空けずに、単独で取引を可能とするほうが適切」である とする50)。
山下教授は、消費者保護に対する考え方について以下のように考える。2009年度のPIO-NETや 国民生活白書によると、相談件数・年代別総人口に占める相談件数の割合、消費者被害を受ける 割合は30代の被害も多く、PIO-NETのデータを相談事例の契約当事者の職業別に分類した場合、
給与生活者の相談件数は30代から60代に向けて一貫して減少傾向にあるのに対し、家事従事者の 相談件数は年代を通してそれほど変化がないという事実からすると、「18歳に成年年齢を引下げ、
早くから社会経験を積ませることが、消費者保護の観点から望ましいとも言えるのではないか」
とする51)。そして、現代社会における消費者問題は、扱う対象の変化や取引形態も複雑化し、消 費者被害も多様化し、被害に遭いやすい年齢層も様々であるという状況からすると、「事業者が 消費者の経験不足に乗じて不当な勧誘を行った場合に、消費者の年齢にかかわらず保護を与える 仕組みを作ることであ」り、「年齢は消費者の経験不足を測るための一つの目安にしかならないと みるべきである」とする52)。
⑵ 選挙権と民法の成年年齢を一致させることが望ましいとする見解53)
この見解は、行為能力:法的に独立して行動できる、「市民社会のフルメンバーシップ」であ るととらえる54)。そして、行為能力が、「市民社会のフルメンバーシップ」を意味することから、
政治を決定する選挙権を与える年齢が、民法の成年年齢と一致しないことは、「どうにも説明し がたい事態」となることから、「選挙権の年齢が18歳に定まったために、民法の成年年齢が18歳 に統一されることになるのは、自然であるとともに致し方ない成り行きであったかと思われる」
55)とする。
3 特別法上の手当を必要とする見解
この見解は、「法制審議会が慎重な検討を経て、被害に対する制度的手当を用意することを前 提として、成人年齢の引下げをよしとしたことを考えれば、一般的な保護策は、そのままでは不 適切である」とし、「若者に特有の被害状況に対処するための特別法上の手当(特商法上の手当
など)をすること」、「判断力や知識・経験不足につけ込まれた「脆弱な消費者」一般を保護する 形での制度的手当(消契法への包括的な「つけこみ型」不当勧誘への取消権の付与など)」、「脆 弱な消費者を念頭に置いた説明義務・情報提供義務の強化」56)を挙げる。
Ⅲ 検討
ⅰ 学説に対して
「成年・未成年」の多元化・相対化に対しては、成年年齢を段階的に設定することは、契約の 実際において段階的な処理が困難をもたらし、「「成年」という観念の力が弱まってしまう」57)と するもの、「この構想は、現代の若者観に合致する提起と思われる」58)とし、成年年齢につき、「成 人の世界へ入るためのスタートラインとみるのが妥当」であり、「そのための準備を促すことが 社会的に取り組む必要のある課題であ」り、「成年年齢に達した後も、完全成年とは異なる配慮 が必要であることも認識する必要がある」59)とするものがある。
その他の学説は、新たな立法提案をする者であるが、立法提案によるのではなく、解釈により 対処すべきであると考える。その詳細については、後述(ⅲ−1))する。
ⅱ これまでに実施された施策 1 政策面
若年者の自立を促す施策として、「子ども・若者育成支援推進法」に基づき、平成22年 7 月に「子 ども・若者ビジョン」を、平成28年 2 月に「子供・若者育成支援推進大綱を決定」した60)。
そして、教育面について、学習指導要領の改訂をし、消費者教育・法教育・金融経済教育の充 実を図り、消費者庁・文部科学省・法務省・金融庁の関係局長級職員で構成される「若年者への 消費者教育の推進に関する 4 省庁関係局長連絡会議」を設置し、「若年者への消費者教育推進に 関するアクションプログラム」を決定し61)、実践的な消費者教育教材「社会への扉」を全国に 配布し、実質的な消費者教育を実施し62)、消費者教育コーディネーターを全国で配置すること を目標とし63)、教員の育成・研修を行っている64)としている65)。
2 制度面
消費者契約法について、2018年改正により不安をあおる告知(消費者契約法 4 条 3 項 3 号)、
恋愛感情等に乗じた人間関係の濫用(消費者契約法 4 条 3 項 4 号)を導入した66)。そして、消 費者契約法 3 条を改正(改正 3 条 1 項 2 号)し、「個々の消費者の知識及び経験を考慮した上で」
との文言を追加した67)。
特定商取引法については、まず、行政規定厳正かつ適切な執行が必要であるとし、特定商取引 法の行政規定の中で若年者被害の防止にかかわり深い規定としては、顧客の知識、経験及び財産 の状況に照らして不適当と認められる勧誘を行うことを禁止する適合性原則(特定商取引法施行 規則 7 条 3 号)、未成年者・老人その他の者の判断力の不足に乗じ、契約を締結させることを禁 止する判断力不足便乗禁止規定(特定商取引法施行規則 7 条 2 号)があるとし、また、若年者が 対象となりうることを条文上も明確化するための改正として、2017年12月施行の改正施行令等に
おいて、勧誘目的を隠しつつ営業所等への来訪を要請する場合、若年者を中心としてトラブルが 多かった分野を適用対象に追加されたことを挙げる68)。
法執行については、これらの規定を厳正かつ適切に執行することにより、事業者の違反行為を 防止し、都道府県における法執行強化のために地方公共団体の執行体制の整備等にかかる費用を 支援するなどの取組を進めるとする69)。
未成年者が被害にあった場合の確実な救済について、クーリング・オフの行使と行使できない 場合にも利用可能な取消権(未成年者取消権・不実告知)等も検討するとし、若年者が、クーリ ング・オフ制度の内容を理解し、確実に行使し、行使期間が経過してしまう事態の発生を防止す るために、クーリング・オフの仕組みや相談先等について消費者教育の場を用いて周知を図ると している70)。
ⅲ 私見 1 はじめに
⑴ 成年年齢引下げについての評価
まず、今回の成年年齢引下げについて、の評価であるが、成年年齢の引下げは、時期早尚であ るのではないかと思われる。その理由は、以下のとおりである。
確かに、個々の法律の目的に応じて成年としての年齢を設定することについて合理的であると の指摘71)もあるところである。しかし、成年年齢が、大人としての評価をするものであること からすると、選挙権との関係のみではなく、他の法律も含めて、成年年齢を引き下げるべきかに ついて検討すべきといえると思われる。
また、山下教授が指摘されるように、成年年齢を引き下げ、社会的経験を積ませることが消費 者保護として望ましいとの見解72)も理解できないではないが、18歳・19歳の若年者の保護策に ついて充実した状態でない時期に、成年年齢を引き下げ、18歳・19歳の若年者について、未成年 者取消権の行使ができない状態にすることは望ましいこととは思われない。このことは、未成年 者取消権が、悪質業者に対して抑止力となっているとの指摘73)からしても、18歳・19歳の若年 者の保護策について充実した状態でない時期に、成年年齢を引き下げることは、得策とはいえな いと思われる。
もっとも、成年年齢が引き下げられた現在においては、18歳・19歳の若年者を保護するための 方法を考える必要がある。
⑵ 18歳・19歳の若年者を保護するための方法
18歳・19歳の若年者を保護するための方法として、私見としては、解釈により保護を図るべき であると考える。学説においては、立法提案が多くあったが、成年年齢が引き下げられた現在に おいては、立法による保護よりも解釈による保護を考えるべきである。もっとも、立法提案につ いては、成年年齢の引下げについて、法律が成立する前に出されたものがあることも考慮すべき であり、また、将来、改正の必要があるとされたときの参考になるとは思われる。ただし、その 間については、解釈により対処することとなるため、解釈の提案が必要である。
立法化するという考え方において、さまざまな考慮要素を挙げ、年齢はその要素の一つにすぎ ないとするものが多いことからすれば、立法化されたとしても一般条項のようになるのではない か。そうすると、現在の民法における条項の解釈により保護を図ることも可能なのではないだろ うか。例えば、公序良俗(民法90条)の解釈による暴利行為論の導入であることや、事業者に対 して説明義務を課すこと、取引上の社会通念(民法95条など)の解釈によることができるように 思われる。もっとも、取引上の社会通念について、内容が曖昧であるとの指摘がある74)。しかし、
内容が曖昧であるならば、その内容を解明していく必要がある。そこで、取引上の社会通念の内 容として、「未成年者(消費者)の契約の相手方(事業者)は、年齢・経験・知識を考慮しなけ ればならない」という内容を措定することは可能ではないだろうか。その理由として、2000年に 消費者契約法が制定され(もっともそれ以前から)、消費者法という分野が意識され、当事者の 非対称性を特徴とする「消費者取引」の存在が認識されていると考えられること75)、消費者基 本法における事業者の責務に「消費者との取引に際して、消費者の知識、経験及び財産の状況等 に配慮すること。」(消費者基本法 5 条 1 項 3 号)と規定されていることが挙げられる。
このように取引上の社会通念の内容として、「未成年者(消費者)の契約の相手方(事業者)は、
年齢・経験・知識を考慮しなければならない」という内容を措定することより、例えば、錯誤(民 法95条)において、錯誤の重要性の判断につき、対等な当事者間における取引においてその錯誤 が重要かどうかという観点ではなく、未成年者個人に注目したうえで、その錯誤が重要かを判断 することができると思われる。そして、そのように考えることで、「取引上の社会通念」という 概念が、少数者の権利の制限として働くことを防止することができるのではないだろうか。
2 立法の可能性と法執行―消費者志向の経営に向けて
成年年齢引下げW・ G の報告書でも取り上げられていたが、「事業者の自主的取組の促進」と して、「若年成人への配慮に着目した「消費者志向経営」の促進」が挙げられていたが、本稿も、
18歳・19歳の若年者(若年消費者)の保護について、事業者が消費者志向の経営を行うことが必 要であると考える。もっとも、私は、経営学についての知識が不足しているので、法律学の観点 から考察してみたい。
私は、事業者が消費者志向の経営を行おうとするためには、事業者に「消費者に損をさせて儲 けることは、逆に損になる」ということを認識させることが必要であると考える、そのためには、
特定商取引法や景品表示法などの行政規定についての法執行の強化と不当な手段で得た利得をは く奪することが必要であると考える。
法執行については、成年年齢引下げW・ G の報告書や消費者庁消費者政策課、消費者制度課、
消費者教育・地方協力課、取引対策課「成年年齢引下げと消費者政策」でも取り上げられていた が、行政規定の厳正かつ適切な執行を行うことにより、18歳・19歳の若年者を含む消費者被害全 体の防止を図ることができると考えられる。
立法についてであるが、事業者が不当な手段で消費者から得た利得のはく奪・返還を認めること が必要である。もっとも、利得返還に関しては、現在においても消費者裁判手続特例法が存在して いることから、この消費者裁判手続特例法による集団的損害賠償請求がより機能していくことが必
要である。ただし、消費者裁判手続特例法については、対象事案が限定されているため、どれほど 効果的に機能するかについては、若干の疑問が残る。また、消費者に返還ができない少額の被害に ついては、事業者の手元に残るままとなっている。この点においては、シ・プレ原則76)の導入77)
についても検討が必要であると思われる。
また、上記の法執行については、行政機関の法執行による消費者被害の防止を挙げたが、消費 者被害の防止については、適格消費者団体による差止請求や申入れ活動も重要である。
Ⅳ おわりに
以上、成年年齢引下げにともなう若年者の消費者被害の増加という懸念に対する対応策につい て、検討してきた。そこでは、立法による解決によるのではなく、解釈による若年者の保護を図 ることについて検討した。
以下では、今後の課題として消費者教育の必要性について、簡単ではあるが、検討しておきた い。もっとも、消費者教育においては、「若年者(消費者)の自立」が促されることになるが、
その際、本稿で示した私見では、「若年者(消費者)の保護」の側面があることについて、問題 となる可能性がある。そこで、消費者教育の必要性の検討の前に「若年者(消費者)の自立」と
「若年者(消費者)の保護」の関係について、若干の検討をしておきたい。
ⅰ 「若年者(消費者)の自立」と「若年者(消費者)の保護」との関係78)
「若年者(消費者)の自立」について、その被害にあった場合に自己責任であることを強調す ることは適当ではない。自立した若年者(消費者)であったとしても、被害にあった場合にそれ が回復できなければならず、その手段が十分用意されていなければならない。ここでの救済手段 を十分用意することには、新たな立法をすることだけではなく、「解釈」をすることも含まれる。
そして、救済手段を十分用意することには、「保護」を意味するが、若年者(消費者)がその救 済手段を適切に行使することができるようになることが、若年者(消費者)の「自立」を意味す る。すなわち、国家は、「若年者(消費者)の自立」のために、被害回復のための救済手段を十 分に用意しなければならない。
ⅱ 今後の課題―消費者教育の必要性
そして、「若年者(消費者)の自立」のためには、被害回復だけではなく被害にあわないよう にすることも必要である。そのためには、行政による法執行や適格消費者団体による差止請求・
申入れ活動だけではなく、若年者(消費者)自身が自身の身を守ることも必要となろう。そのた めには、消費者教育も重要な役割を果たす。この点は、最終報告書や成年年齢引下げW・Gの報 告書などでもすでに指摘79)されているところである。
もっとも、消費者教育については、消費者教育推進法において、「消費者市民社会」という概 念が挙げられている。では、この「消費者市民社会」という概念がどのようなものなのか、そし て、この「消費者市民社会」の概要が民法や消費者法にいかなる影響を与えるのかについては、
さらなる考察が必要である。この点については、今後の研究としたい。
1)… 法律の概要等については、笹井朋昭「成年年齢の引下げ等を内容とする民法一部改正法の概要」法 律のひろば2018年10月号 9 -14頁、笹井朋昭=秋田純=中丸隆之「成年年齢の引下げ等を内容とする 民法の一部改正」金融法務事情2099号(2018年)18-21頁を参照。
2)… 施行は、平成34年(令和 4 年、2022年) 4 月 1 日。
3)… 法制審議会民法成年年齢部会「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」消費者法研究 2 号(信 山社・2017年)227-229頁。
4)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」227頁。
5)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」229頁。
6)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」229-230 頁。
7)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」231頁。
8)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」233-234 頁。
9)… 法制審議会民法成年年齢部会・前掲注3)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」234-235 頁。
10)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グループ報告 書」消費者法研究 2 号(信山社・2017年)294-295頁。
11)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」294頁。
12)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」295-296頁。
13)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」298-299頁。
14)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」299-300頁。
15)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」312頁。
16)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」313-314頁。
17)… 消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・グ ループ報告書」314-317頁。
18)… 大村敦志「民法 4 条をめぐる立法論的覚書」法曹時報59巻 9 号11-15頁 19)…大村・前掲注18)「民法 4 条をめぐる立法論的覚書」11-12頁。
20)…大村・前掲注18)「民法 4 条をめぐる立法論的覚書」12頁。
21)…大村・前掲注18)「民法 4 条をめぐる立法論的覚書」14頁。
22)…加藤雅信「未成年者保護規定の改正をめぐる動向―より充実した消費者保護のために」消費者法研 究 2 号(信山社・2017年)193-195頁(初出2009年)。
23)…なお、この見解では、成年年齢を迎えるのは、「18歳を迎えた 4 月 1 日」とする(加藤・前掲注22)「未 成年者保護規定の改正をめぐる動向―より充実した消費者保護のために」193、194頁)。
24)…加藤・前掲注22)「未成年者保護規定の改正をめぐる動向―より充実した消費者保護のために」193頁。
25)…松本恒雄「成年年齢の引下げと消費者取引における若年成年者の保護」消費者法研究 2 号(信山社・
2017年)52-53頁。
26)…松本・前掲注25)「成年年齢の引下げと消費者取引における若年成年者の保護」52頁。
27)… 松本・前掲注25)「成年年齢の引下げと消費者取引における若年成年者の保護」52-53頁。
28)… 松本・前掲注25)「成年年齢の引下げと消費者取引における若年成年者の保護」53頁。
29)… 宮下修一「若年者の契約締結における適合性の配慮」消費者法研究 2 号(信山社・2017年)64-68頁。
30)…宮下・前掲注29)「若年者の契約締結における適合性の配慮」64頁。
31)…宮下修一「適合性原則と民事責任( 2 ・完)」国民生活研究53巻 2 号(2012年)34-39頁、同「適合 性原則違反の判断基準とその精緻化」松浦好治=松川正毅=千葉恵美子編『市民法の新たな挑戦(加 賀山茂先生還暦記念)』(信山社・2013年)124-132頁。
32)…宮下・前掲注29)「若年者の契約締結における適合性の配慮」64-65頁。
33)…宮下・前掲注29)「若年者の契約締結における適合性の配慮」64-66頁。
34)…宮下・前掲注29)「若年者の契約締結における適合性の配慮」66-68頁。立法提案については、同「合 理的な判断をすることができない事情を利用した契約の締結」法律時報88巻12号(2016年)43頁、
宮下・前掲注29)「若年者の契約締結における適合性の配慮」66-68頁参照。
35)…坂東俊矢「消費者被害救済法理としての未成年者取消権の法的論点」消費者法研究 2 号(信山社・
2017年)87-90頁。
36)…坂東・前掲注35)「消費者被害救済法理としての未成年者取消権の法的論点」88頁。
37)…坂東・前掲注35)「消費者被害救済法理としての未成年者取消権の法的論点」88-89頁。
38)…坂東・前掲注35)「消費者被害救済法理としての未成年者取消権の法的論点」89頁。
39)…坂東・前掲注35)「消費者被害救済法理としての未成年者取消権の法的論点」89頁。
40)…大澤彩「年齢と取引―若年者をめぐる契約法・消費者法の立法的課題―」河上正二=大澤彩編『廣 瀬久和先生古稀記念 人間の尊厳と法の役割―民法・消費者法を超えて―』(信山社・2018年)385-
386頁。
41)…大澤・前掲注40)「年齢と取引―若年者をめぐる契約法・消費者法の立法的課題―」385頁。
42)…大澤・前掲注40)「年齢と取引―若年者をめぐる契約法・消費者法の立法的課題―」385頁。
43)…山下純司「民法成年年齢の引下げについて―未成年者取消権を中心に」学習院法務研究 1 号(2010年)
81-86頁、同「成年年齢引下げの民法学上の意義」法律のひろば 2018年10月号39頁。
44)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」39頁。
45)…山下・前掲注43)「民法成年年齢の引下げについて―未成年者取消権を中心に」83頁。
46)…山下・前掲注43)「民法成年年齢の引下げについて―未成年者取消権を中心に」84頁。
47)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」42頁。
48)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」43頁。
49)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」43-44頁。
50)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」44頁。
51)…山下・前掲注43)「民法成年年齢の引下げについて―未成年者取消権を中心に」83頁。
52)…山下・前掲注43)「成年年齢引下げの民法学上の意義」44頁。
53)…水野紀子「民法の観点から見た成年年齢引下げ」ジュリスト1392号(2010年)165-166頁。
54)…水野・前掲注53)「民法の観点から見た成年年齢引下げ」165頁。
55)…水野・前掲注53)「民法の観点から見た成年年齢引下げ」165-166頁。
56)…河上正二「成年年齢の引下げと若年消費者保護について」消費者法ニュース115号(2018年) 9 頁。
なお、「脆弱な消費者を念頭に置いた説明義務・情報提供義務の強化」は、「広い意味での適合性原 則の考え方を導入することを意味するが、「適合性原則」という表現に違和感があるのであれば、事
業者の若年者等に対する「若年者配慮義務」と言い換えてもよい」とする。
57)…水野・前掲注53)「民法の観点から見た成年年齢引下げ」164頁。
58)…宮本みち子「社会学の観点からみた成年年齢の引下げの意味」ジュリスト1392号(2010年)173頁。
59)…宮本・前掲注58)「社会学の観点からみた成年年齢の引下げの意味」173-174頁。
60)…笹井・前掲注1)「成年年齢の引下げ等を内容とする民法一部改正法の概要」 9 頁。もっとも、この 施策については、成年年齢引下げの議論を直接の契機とするものではないとする(「成年年齢の引下 げ等を内容とする民法一部改正法の概要」 9 頁)。
61)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課「成年年齢引下げと 消費者政策」法律のひろば2018年10月号15-16頁。
62)… 消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」16頁。
63)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」16-17頁。
64)… 消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」17-18頁。
65)…笹井・前掲注1)「成年年齢の引下げ等を内容とする民法一部改正法の概要」 9 頁。
66)…笹井・前掲注1)「成年年齢の引下げ等を内容とする民法一部改正法の概要」 9 -10頁、消費者庁消費 者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年齢引下げと消 費者政策」19-20頁。
67)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」20頁。
68)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」20-21頁。
69)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」21頁。
70)…消費者庁消費者政策課、消費者制度課、消費者教育・地方協力課、取引対策課・前掲注61)「成年年 齢引下げと消費者政策」21頁。
71)…例えば、河上正二「【解説】成年年齢引下げと若年消費者保護」消費者法研究 2 号(信山社・2017年)
216頁など。
72)…山下・前掲注43)「民法成年年齢の引下げについて―未成年者取消権を中心に」83頁。
73)…法制審議会民法成年年齢部会・前掲注2)「民法の成年年齢の引き下げについての最終報告書」231頁 など。
74)…加賀山茂「民法改正案における「社会通念」概念の不要性」明治学院大学法科大学院ローレビュー 24号 2 頁。
75)…山里盛文「契約の解釈―契約責任における主観と客観―」明治学院大学法科大学院ローレビュー23 号110頁。
76)…シ・プレ原則については、中野正俊「英米におけるCy−Près…Doctrine(所謂可及的近似解釈原則)
について」信託104号(1975年)103頁、瀬々敦子「イギリス信託法における受託者団体の財産帰属 形態をcy−près理論」信託179号(1994年)35頁、佐野つぐ江「米国におけるパレンスパトリー訴訟 制度と賠償金の分配(下)」国際商事法務31巻 7 号(2003年)938頁、三木浩一「消費者利益の保護 と集合的訴訟制度」現代消費者法 1 号(2008年)91-92頁を参照。
77)…消費者団体訴訟への適用については、深川裕佳「シ・プレ原則に基づく集団的消費者被害救済制度
の構築」松浦好治=松川正毅=千葉恵美子編『市民法の新たな挑戦 加賀山茂先生還暦記念論文集』
(信山社・2013年)166-167頁、山里盛文「消費者団体の差止請求権についての研究」明治学院大学 機関リポジトリ(https://meigaku.repo.nii.ac.jp/?action=pages_view_main&active_action=repository_…
view_main_item_detail&item_id=2535&item_no=1&page_id=13&block_id=21)122-125頁を参照。
78)…この点については、山里盛文「消費者保護と「消費者の権利」―消費者基本法 2 条 1 項の 8 つの権 利についての考察を通して―」明治学院大学法律科学研究所年報29号(2013年)334-335頁も参照。
79)…法制審議会民法成年年齢部会・前掲注2)「民法の成年年齢の引下げについての最終報告書」234-235 頁、消費者委員会成年年齢引下げ対応検討W・G・前掲注10)「成年年齢引下げ対応検討ワーキング・
グループ報告書」301-308頁、河上前掲注56)「成年年齢の引下げと若年消費者保護について」 8 - 9 頁など。