• 検索結果がありません。

雑誌名 法と経営学研究所年報 = Annual Report of

N/A
N/A
Protected

Academic year: 2021

シェア "雑誌名 法と経営学研究所年報 = Annual Report of"

Copied!
24
0
0

読み込み中.... (全文を見る)

全文

(1)

家賃保証契約の契約条項について、一定の要件を満 たすと賃貸物件を明渡したとみなす条項について差 止めを認め、家賃保証会社に解除権を付与する条項

、解除権行使について異議がないことを確認する条 項、保証債務の履行につき事前通知義務を免除する 条項、抗弁権を放棄する条項について差止めを認め なかった事例(大阪地判令和元年6月21日金融・商 事判例1573号8頁)―家賃保証契約の構造の検討を 通して―

著者 山里 盛文

雑誌名 法と経営学研究所年報 = Annual Report of

Institute for Business and Law

巻 2

ページ 45‑67

発行年 2020‑11‑16

その他のタイトル Case Study on Injunction under Article 12 of Consumer Contract Act―Clauses of Contract in Which a Rent Guarantee Company Guarantees the Rent Obligation, etc. of a Tenant to the

Lessor on Commission and the Applicability of Article 8 Paragraph(1), Item(3)and Article 10 of Consumer Contract Act

URL http://hdl.handle.net/10723/00004031

(2)

家賃保証契約の契約条項について、一定の要件を満 たすと賃貸物件を明渡したとみなす条項について差 止めを認め、家賃保証会社に解除権を付与する条項、

解除権行使について異議がないことを確認する条 項、保証債務の履行につき事前通知義務を免除する 条項、抗弁権を放棄する条項について差止めを認め なかった事例(大阪地判令和元年6月21日金融・商

事判例1573号8頁)

――家賃保証契約の構造の検討を通して――

山 里 盛 文

Ⅰ 事実の概要と判旨

ⅰ はじめに

 本稿において検討の対象とする大阪地判令和元年6月21日(以下、「本判決」とする。)につい て、私は、すでに「日本不動産学会誌」において、評釈1)を執筆している(以下、「前稿」とする。)。

もっとも、前稿においては、紙幅の都合上、本判決で問題とされた5つの条項のうち、「解除権 付与条項」「異議不存在確認条項」「明渡しみなし条項」について検討した。本稿においては、前 稿において検討することのできなかった「事前通知義務免除条項」「抗弁権放棄条項」について の検討をすること、そして、前稿脱稿後の研究会での指摘について検討し、さらに、本判決で問 題となった「家賃保証契約」のその構造について検討し、本判決で問題となった5つの条項の消 費者契約法10条該当性(特に後段要件該当性)について検討を加えることとする。

ⅱ 事実の概要

 Yは、住宅等の賃貸借契約(原契約)の当事者たる原契約賃貸人や原契約賃借人との間で締結 する保証契約(本件契約)に基づき原契約賃借人が負う賃料債務等につき原契約賃借人のために 連帯保証をし、その対価として一定の保証料の支払を受けることを中核とする業務を行っている。

本件契約には、以下のような条項がある。

 ① 家賃保証受託者であるYに原契約を無催告解除する権限を付与する趣旨の条項(本契約13 条1項、「解除権付与条項」)

 ② Yが原契約の無催告解除権の行使について原契約賃借人に異議がない旨の確認をさせる趣 旨の条項(本契約13条1項、「異議不存在確認条項」)

 ③ Yが原契約賃借人に対して事前に通知することなく保証債務を履行することができるとす

(3)

る条項(本契約14条1項、「事前通知義務免除条項」)

 ④ Yが原契約賃借人に対し求償権を行使するのに対し、原契約賃貸人及び連帯保証人が原契 約賃貸人に対する抗弁をもってYへの弁済の拒否できないことをあらかじめ承諾する条項

(本契約14条4項、「抗弁権放棄条項」)

 ⑤ 原契約賃借人が賃料等の支払を2か月以上怠り、Yにおいて合理的な手段を尽くしても原 契約賃借人と連絡がとれない状況の下、賃借物件を相当期間利用していないと認められ、か つ、賃借物件を再び占有使用しない原契約賃借人の意思が客観的に看取できる事情が存する ときに、原契約賃借人が明示的に異議を述べない限り、賃借物件の明渡しがあったものとみ なす権限をYに付与する条項(本契約18条2項2号、「明渡しみなし条項」)

 適格消費者団体Xは、本件契約に含まれている上記①~⑤までにかかる内容の各条項は消費者 契約法8条1項3号又は10条に規定する消費者契約の条項に該当し、その効力が否定されるもの として、平成28年8月1日、消費者契約法41条1項に基づき、Yに対して、本件各条項を含む消 費者契約の申込みまたは承諾の意思表示の差止め、本件各条項が記載された契約用紙の破棄、Y の従業員らに対する書面配布を求めることを請求し、同年10月24日、Yに対して、本件各条項を 含む消費者契約の申込み又は承諾の意思表示の差止め、本件各条項が記載された契約用紙の破棄、

Yの従業員らに対する書面配布を求める本件訴えを提起した。

ⅲ 判旨

1) 本件契約の性質・趣旨

 「本件契約は、原契約(賃貸借契約)の存在を前提として、Yと原契約賃貸人との間で締結さ れる連帯保証契約、Yと原契約賃借人との間で締結される保証委託契約、及び原契約賃借人のY に対する求償金債務に係る、Yと個人連帯保証人との間の連帯保証契約の複合契約であると解す ることができる。……本件Y解除権付与条項(本件契約13条1項)など原契約の帰趨そのものに 関する条項や、Yによる明渡しのみなし条項(本件18条2項)など原契約の債務の履行に関する 条項も含まれている。これらの条項は、原契約に基づいて原契約当事者が負う権利義務自体に変 容をもたらすものであって、原契約の特約として位置付けられる。」。

 家賃債務保証契約は、賃貸人には、家賃債務保証業者からの支払により確実に滞納家賃の回収 を図ることができ、賃借人には、個人保証なしでの契約締結が可能となるという、「賃貸借契約 の当事者双方にとってメリットが存するものということができる。」。

2) 解除権付与条項について  ⑴ 本件解除権付与条項の解釈

 「一般に、家屋の賃貸借契約において、賃借人が賃料を1箇月分でも遅滞したときは催告を要 せず契約を解除することができる旨を定めた特約条項については、賃貸借契約が当事者間の信頼 関係を基礎とする継続的契約関係であることに鑑み、賃料が約定の期日に支払われず、これがた め契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合 に、無催告での解除権の行使を許す旨を定めた規定であると解されている(最高裁昭和43年判決)。

(4)

このように、賃貸借契約に無催告解除特約が存する場合であっても、無催告解除が許容されるの は、賃料の不払により、契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められ ない事情が存する場合に限られるものと解される。」。

 「本件Y解除権付与条項に基づくYの解除権が、原契約賃貸人の解除権と同様、賃貸借契約を終 了させ、賃借物件を明け渡させるための手段として行使されるものであること、最高裁昭和43年 判決に判示されるように、不動産賃貸借契約における賃貸人による解除特約については、継続的 契約の当事者間の信頼関係を基礎とする限定解釈を及ぼすことが一般的であることに鑑みると、

本件Y解除権付与条項についても、家屋賃貸借契約が当事者間の信頼関係を基礎とする継続的契 約であることを基礎とする信頼関係破壊の法理を前提としたものであると理解すべきである。

 したがって、本件Y解除権付与条項は、原契約賃借人が賃料等及び変動費の支払を賃料3箇月 分以上怠り、これがため原契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認めら れないような事情が存する場合に限り、Yが無催告で解除権を行使することができる旨を定めた 規定であると解するのが相当である。」。

 ⑵ 本件解除権付与条項の消費者契約法10条該当性

 前段要件につき、以下のように判示し、該当性を肯定した。

 「民法は,契約の解除権をその当事者が行使するものとしており(民法541条)、契約の帰趨に ついては契約当事者のみの自由な意思に基づいて決せられ、第三者からの介入を受けない、とい うのが一般的な法理として存するものといえる。しかし、本件Y解除権付与条項は、原契約につ いて、第三者たるYに、その契約関係を一方的に終了させる権限を与えるものである。よって、

本件Y解除権付与条項は、民法541条又は民法上の一般的な法理と比較して、原契約賃借人の権 利を制限するものといえ、また、原契約の債務の履行を怠ることにより、Yから解除権を行使さ れる地位に立たされるという点で、原契約賃借人の義務を加重するものといえる。」。

 後段要件につき、以下のように判示し、該当性を否定した。

 「本件契約において、Yは、原契約賃貸人に対し、賃料、管理費・共益費その他の固定費(賃 料等)、光熱費等の変動費のうちの上限額、原契約終了の日の翌日から本件建物明渡し済みまで の各月分の賃料等に相当する損害金債務及び原状回復費用等(これは賃料2箇月分を限度とす る。)について、保証人としてその債務の支払義務を負う。このうち、賃料相当損害金の保証範 囲は、最長で48箇月分とされている(民法446条2項、本件契約6条1項、4項)。したがって、

本件契約を締結した原契約賃貸人は、原契約に基づき賃借物件を引渡した後、その賃料等につい て、原契約賃借人が約定通りに弁済する場合にはこれを受領し、原契約賃借人がその支払を滞納 した場合は、本件契約に基づく原契約賃貸人の義務(本件契約10条1項等)を履行すれば、Yか らその保証債務の履行を受けることができるという点で、Yの資力に問題が生じない限りは、賃 料等の未払リスクを免れることができる、ということができる。他方、Yは、原契約賃借人の賃 料滞納が発生した場合にその滞納分を支払い、よって、原契約賃貸人に代わって原契約賃借人に よる求償債務未払のリスクを負担し、かつ、原契約賃借人が賃料不払を継続することによる保証 債務拡大のリスクを負担することとなる。すなわち、本件契約締結後、原契約賃貸人は、原契約

(5)

賃借人による賃料等の支払状況について特に注意せずとも、原契約賃借人又はYから賃料等を概 ね確実に全額受領できる地位を取得する反面、Yは、原契約賃借人による賃料等の不払を填補し、

かつ、原契約賃借人から求償債務の支払を受けられないリスクを負担することとなる。

 そこで、このような原契約賃貸人とYとの利害関係を修正し、原契約賃借人の一時的でない賃 料不払が発生したときに原契約を継続させるか否かの判断及び決定権限を、原契約賃貸人だけで なくYにも付与することにより、Yが負担するリスクの一部を原契約賃貸人に負担させようとす るのが、本件Y解除権付与条項であるとみることができる。このように、本件Y解除権付与条項は、

原契約賃貸人とYとの間のリスク分配に関する約定であるとみることができるところ、Yは,原 契約の当事者ではないものの、原契約から生じるリスクを負担するのであるから、このような立 場にあるYに原契約の解除権を付与し、自らの負担するリスクをコントロールすることができる 権限を与えることは、格別不合理なことではないといえる。」。

 「他方、原契約賃借人は、本件Y解除権付与条項により、原契約当事者でないYの判断によって、

原契約が一方的に終了させられるという不利益を受けることとなる。しかし、Yが無催告解除権 を行使し得るのは、原契約賃借人が賃料等及び変動費について賃料3箇月分以上を滞納し、かつ、

これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存 する場合に限られる。そして、仮に原契約賃貸人との間で、本件Y解除権付与条項と同内容の無 催告解除特約が締結されているとすれば、原契約賃借人が賃料等及び変動費について併せて賃料 3箇月分以上を滞納し、これがため契約を解除するに当たり催告をしなくてもあながち不合理と は認められない事情が存する場合には、原契約賃借人は、原契約が一方的に終了させられるとい う不利益を受忍せざるを得ない地位にある。

 そうすると、本件Y解除権付与条項の行使条件は、一般的な無催告解除特約に比して原契約賃 借人にとって格別不利益なものであるとはいえず、無催告解除権が原契約当事者でないYに付与 されたことによる原契約賃借人の不利益は限定的なものにとどまるものということができる。」。

3) 異議不存在確認条項について  ⑴ 本件異議不存在確認条項の解釈

 「本件異議不存在確認条項の前提たる本件Y解除権付与条項については、原契約賃借人が賃料 等及び変動費の支払を賃料3箇月分以上怠り、これがため原契約を解除するに当たり催告をしな くてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合に限り、Yが無催告で解除権を 行使することができる旨を定めた規定であると解される……。かかる解釈を前提とすれば、上記 の要件を満たさないYの解除権行使は無効であると解されるところ、本件異議不存在確認条項に は、このように無効と解される解除権行使がされた場合において、原契約賃借人がYに対して取 得する損害賠償請求権等の法的権利を放棄させたり、そもそも無効と解されるべきYの解除権行 使について、これを争う利益を放棄させたりするとの趣旨を読み取ることはできない。そうする と、本件異議不存在確認条項は、本件Y解除権付与条項に基づくYの有効な無催告解除権の行使 について、原契約賃借人が「異議がない」ことを確認する旨の条項にすぎず、無効な解除権の行 使の効力等を争う権利を放棄させる条項と解釈する余地はなく、また、Yに対する損害賠償請求

(6)

権を免除させる条項と解釈する余地もないというべきである。」。

 ⑵ 消費者契約法8条1項3号・10条前段要件該当性

 「本件異議不存在確認条項は、原契約賃借人が有すべき損害賠償請求権を放棄させたり、原契 約賃借人においてその効力を争う権利を放棄させたりする条項とはいえないから、消費者契約法 8条1項3号に該当するものとはいえず、また同法10条前段に該当するものともいえない。」。

4) 明渡しみなし条項の消費者契約法8条1項3号該当性について

 「本件契約18条2項2号は、同条項に定める要件が存するときに、原契約を終了させる原因の 有無や解除の意思表示の有効性を問わずに原契約を終了させ、①原契約賃貸人及びYが賃借物件 内に存する動産類を搬出保管することにつき、原契約賃借人において異議を述べない旨、②①の 搬出の日から1箇月以内に引き取らないものについて、原契約賃借人に所有権を放棄させ、これ をYが随意処分することにつき、原契約賃借人において異議を述べない旨、③①の搬出に係る動 産類の保管料等の費用を原契約賃借人が支払うこととする旨を定めた条項である。その「異議を 述べない」という文言の趣旨に、原契約賃借人が、原契約賃貸人及びYによる賃借物件内の動産 類の搬出・保管及び随意処分の各措置を受けいれ、拒絶しないことが含まれることは明らかであ る。」。

 「そして、同条項が、原契約自体の終了原因の有無や解除の意思表示の有効性を問わずに同契 約を終了させる趣旨のものであることに照らすと、本件契約18条2項2号の適用により、いまだ 原契約が終了しておらず、原契約賃借人の占有が失われていない場合であっても、Y等は、本件 契約18条3項、2項2号に基づき賃借物件内の動産類の搬出・保管を行い得ることとなる。この ような行為は、原契約が終了しておらず、いまだ原契約賃貸人に賃借物件の返還請求権が発生し ていない状況で、Y等が自力で賃借物件に対する原契約賃借人の占有を排除し、原契約賃貸人に その占有を取得させることに他ならず、自力救済行為であって、本件契約の定めいかんにかかわ らず、法的手続によることのできない必要性緊急性の存するごく例外的な場合を除いて、不法行 為に該当する。また、本件契約19条1項は、Yが本件契約18条3項、2項2号に基づいて動産類 を搬出・保管し、原契約賃借人が、搬出から1箇月以内に引き取らないものについて、Yが随意 処分することに異議を述べない旨定めるものであり、これは、原契約が終了しておらず、原契約 賃借人が賃借物件に対する占有を失っていない場合にも適用される。

 このような、本件契約上の関連条項の文言に照らすと、本件契約18条2項2号は、同条3項及 び19条1項と相まって、上記の各措置によって原契約賃借人が法律上保護された利益を侵害され た場合であっても、これを理由とする損害賠償請求をしない旨、すなわち、Y等による上記の各 措置が本件契約における債務の履行に際してされた原契約賃借人に対する不法行為に該当する場 合であっても、原契約賃借人にこれを理由とする損害賠償請求権を放棄させる趣旨も含むものと 解するのが相当であ」り、「したがって、本件契約18条2項2号は、同条3項及び19条1項と相まっ て消費者契約法8条1項3号に該当する条項であるということができる。」とし、「本件条項5を 含む消費者契約の申込み等の意思表示の差止めを求めるXの請求には理由がある。」。

(7)

5) 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項について

 ⑴ 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項の消費者契約法10条前段要件該当性

 事前通知義務免除条項(本件契約14条1項)及び抗弁権放棄条項(同条4項)の消費者契約法 10条前段要件該当性について、「本件契約14条1項には、①Yの原契約賃借人に対する求償金請 求について、原契約賃借人がYに対し「債権者に対抗することができる事由」(民法463条1項・

443条1項)を主張することを妨げ、②Yが事前通知なくして弁済等をした場合であっても、民 法463条2項・443条2項に基づき、有効な弁済等であったものとみなすことを可能とする効果が ある。また本件契約14条4項には、Yが原契約賃借人に対して自らの保証債務の履行が有効であ ることを主張できる場合において、原契約賃借人のYに対する抗弁の主張を妨げる効果がある。

以上の内容は、原契約賃借人の法的地位に関し、任意規定である民法463条1項及び2項・443条 1項及び2項が定める内容と比べ、その権利を制限し又は義務を加重するものであるといえる。

よって、本件契約14条1項及び同条4項は、消費者契約法10条前段に該当するものといえる。ま た、……本件契約14条1項及び同条4項は、消費者たる連帯保証人との関係においても、民法上 の任意規定と比べてその権利を制限するものであるといえ、消費者契約法10条前段に該当する。」

とした。

 ⑵ 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項の消費者契約法10条後段要件該当性

 本判決は、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項が消費者契約法10条後段要件に該当するか につき、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項による原契約賃借人の不利益、個人連帯保証人 の不利益、そして、必要性または許容性の観点から検討し、消費者契約法10条後段要件に該当し ないとした。

 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項による原契約賃借人の不利益について、「本件契約14 条1項及び同条4項は、……、原契約賃借人の連帯保証人との関係においても、主債務者である 原契約賃借人が原契約賃貸人に対して対抗し得る事由を援用できないとするものであるが、……

これらの条項により、原契約賃借人に生じる不利益は大きいものとはいえない。また、……原契 約賃借人が通常想定し得る適切な対応を採りさえすれば、これによって原契約賃借人の連帯保証 人に生じる不利益も大きなものとはならないと考えられる。」とした。

 個人連帯保証人の不利益について、「原契約賃借人の連帯保証人は、原契約賃借人と異なり、

賃借物件である建物に居住していないことが通常であり、賃借物件の一部が滅失していたり、賃 借物件に修繕が必要な瑕疵があったりすることを容易に知り得ないこともあり得る。そして、こ のような場合で、原契約賃借人が賃借物件の一部滅失等を理由とする賃料減額の意思表示を遅滞 なく行わなかったとき比較的大きい不利益を被る可能性も完全には否定できない。しかし、この ような立場にあることから生じる原契約賃借人の連帯保証人の不利益は、連帯保証人であること により受忍すべきものと考えられる上、原契約賃借人から賃借物件の状況の通知を受けることな どにより軽減することが可能である。したがって、原契約賃借人の連帯保証人についても、本件 契約14条1項及び同条4項によって生じる不利益は大きいものとはいえない。」とした。

 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項の必要性または許容性について、「Yの保証債務の履

(8)

行自体は、Yの通常業務の過程で反復的・集団的に起こるものである。よって、この保証債務履 行の度に原契約賃借人に対する事前通知を行うことによるコストは、軽視できるものとはいえ」

ず、「一方、Yが、原契約賃貸人から保証債務履行請求を受けた場合において、原契約賃借人が 原契約賃貸人に対して法的に対抗し得る事由を有していることが多くはなく、むしろ、例外的で あ」り、「原契約賃借人が賃料等を支払っていない場合、原契約賃貸人がYに対して賃料等相当 額の保証債務履行請求をすることは通常、予測可能である。よって、原契約賃借人が、原契約賃 貸人に対して法的に対抗すべき事由を有している場合、これを原契約賃貸人に対してだけでなく、

賃借物件を管理する宅地建物取引業者やYに対して通知する機会がないとはいえ」ず、「金融機 関の貸付けに際して、信用保証協会が個人又は事業者の債務を保証する場合において、その保証 委託契約には、信用保証協会による保証債務の履行について、主債務者に対する事前の通知義務 を免除する特約が存し、その他の金融機関についても、同種の特約が存することが少なくない。」

とした。

Ⅱ 本判決の意義と問題点

ⅰ 意義

 本判決の意義としては、明渡しみなし条項について、消費者契約法8条に該当するとして、そ の差止めを認めた点、そして、その前提として、原契約が終了しておらず、原契約賃借人の占有 失われていない状態において、Yによる賃借物件内の動産類等の搬出・保管をする行為につき、「法 的手続によることのできない必要性緊急性のある場合を除いて、不法行為に該当する」とした点 を挙げることができる。

ⅱ 問題点

 問題点としては、解除権付与条項の解釈、解除権付与条項につき消費者契約法10条に該当しな いとした点、異議不存在確認条項につき消費者契約法8条1項3号に該当せず、消費者契約法10 前段要件にも該当しないとした点、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項につき消費者契約法 10条後段要件に該当しないとした点が挙げられる。

Ⅲ 検討

ⅰ 本判決の判断枠組み 1) はじめに

 本判決の判断枠組みについては、本件契約の構造・趣旨、解除権付与条項、明渡しみなし条項 については、前稿で扱った。このうち、本件契約の構造に関しては、以下での検討(特にⅴ 家 賃保証契約についての検討と本件契約における消費者契約法10条後段要件該当性について)にお いて必要となることから、そのまま概観し、解除権付与条項・明渡しみなし条項については、そ の概要を概観することとする。

(9)

2) 本件契約の構造

 本件契約の構造は、次の通りである(下記(図)も参照)。賃貸人と賃借人との賃貸借契約(原 契約、図①)を前提とし、Yと原契約賃貸人との連帯保証契約(図②)が締結される。そして、

原契約賃借人とYとの保証委託契約(本件契約、図③)が締結され、この契約の中に、本件各条 項が存在している。さらに、Yの原契約賃借人に対する事前ないし事後求償権その他の債権に係 る人的担保として、Yと個人連帯保証人との連帯保証契約(図④)が締結される。本件契約は、

賃貸借契約を前提とする複合契約であり、解除権付与条項等は、賃貸借契約に基づいて、当事者 が負う権利義務を変容させるものであることから、賃貸借契約の特約となる。

3) 解除権付与条項・異議不存在確認条項・明渡しみなし条項  ⑴ 解除権付与条項

 解除権付与条項の解釈につき、1か月賃料を滞納した場合に無催告で賃貸借契約を解除するこ とができるかについて争われた最判昭和43年11月21日民集22巻12号2741頁(以下、「昭和43年判 決とする」。)を引用し、Yが無催告で賃貸借契約を解除できるのは、原契約賃借人が賃料・変動 費の支払を賃料3か月分以上怠り、これがため賃貸借契約を解除するに当たり催告をしなくても あながち不合理とは認められないような事情が存する場合に限られるとした。

 消費者契約法10条前段要件該当性について、解除権の行使は、民法・一般法理では、契約当事 者の一方からであるのに対し、解除権付与条項は、契約当事者ではない第三者Yから行使される ことから、民法、一般法理の適用による場合に比して、原契約賃借人の権利を制限し、義務を加 重ものであるとした。

 消費者契約法10条後段要件について、解除権付与条項は、原契約賃貸人とYとのリスク分配に 関する規定であり、Yは、賃貸借契約から生じるリスクを負担するのであるから、解除権を付与 することにより、リスクをコントロールすることができる権限を与えることは、不合理なことで はないこと、原契約賃借人との関係について、仮に原契約賃貸人と間で無催告解除特約が存在し ている場合、無催告で解除されてもあながち不合理とはいえない事情が存する場合には、契約を 一方的に終了するリスクを受忍しなければならないことからすると、解除権付与条項の行使条件 は、一般的な無催告解除特約に比して原契約賃借人にとって格別不利益なものとはいえないこと から、消費者契約法10条後段要件該当性を否定した。

①賃貸借契約

賃貸人 賃借人 個人保証人

③保証委託  契約

②連帯保証契約 ④連帯保証契約

Y

(10)

 ⑵ 異議不存在確認条項

 異議不存在確認条項の解釈について。異議不存在確認条項は、その前提である解除権付与条項 の解釈を前提とし、無催告で解除することができるための要件を満たさないYの解除権行使、す なわち、「無催告で解除されてもあながち不合理と認められない事情」が存しないにもかかわら ずYが解除権を行使した場合、Yの解除権行使は無効である。

 異議不存在確認条項には、無効と解される解除権行使がされた場合において、原契約賃借人が Yに対して取得する損害賠償請求権等の法的権利を放棄し、無効と解されるべきYの解除権行使 について、これを争う利益を放棄するというような趣旨を読み取ることはできない。

 したがって、異議不存在確認条項は、解除権付与条項に基づくYの有効な無催告解除権の行使 について、原契約賃借人が「異議がない」ことを確認する旨の条項にすぎず、無効な解除権の行 使の効力等を争う権利を放棄させる条項と解釈する余地はなく、また、Yに対する損害賠償請求 権を免除させる条項と解釈する余地もないとした。

 消費者契約法8条1項3号、10条前段要件該当性について。異議不存在確認条項は、原契約賃 借人が有すべき損害賠償請求権を放棄させたり、原契約賃借人においてその効力を争う権利を放 棄させたりする条項とはいえないから、消費者契約法8条1項3号に該当するものとはいえず、

また同法10条前段に該当するものともいえないとした。

 ⑶ 明渡しみなし条項

 明渡しみなし条項については、明渡しみなし条項の適用により、賃貸借契約が終了しておらず、

原契約賃借人の占有が失われていない場合であっても、賃借物件内の動産類の搬出保管を行うこ とができ、このような行為は、必要性緊急性の存するごく例外的な場合を除き、不法行為に該当 し、明渡しみなし条項は、原契約賃借人に対する不法行為に該当する場合があっても原契約賃借 人にこれを理由とする損害賠償請求権を放棄させるものであり、消費者契約法8条1項3号に該 当するとした。

4) 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項  ⑴ 消費者契約法10条前段要件該当性

 事前通知義務免除条項は、原契約賃借人がYに対し「債権者に対抗することのできる事由」(民 法463条1項・443条1項)を主張することを妨げ、事前通知をしなくても、民法463条2項・443 条2項に基づき、自己の弁済を有効とみなすものであり、抗弁権放棄条項は、原契約賃借人のY に対する抗弁の主張を妨げるものであるとし、任意規定の適用のある場合に比して、原契約賃借 人の権利を制限し、義務を加重するものであるとした。

 ⑵ 消費者契約法10条後段要件該当性

 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項の消費者契約法10条後段要件該当性について、本判決 は、原契約賃借人の不利益、連帯保証人の不利益、そして、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄 条項の必要性または許容性の観点から検討する。

(11)

 原契約賃借人の不利益について。原契約賃借人の不利益として、本判決は、まず、二重払いの リスクを挙げる。原契約賃借人が賃料等を弁済後、Yが保証債務を支払った場合、事前通知義務 が免除されているため、原契約賃借人は、求償金返還請求拒絶できず、二重払いの危険が発生する。

 本件契約の建て付けからすると、原契約賃貸人は未払賃料等が発生し次第、Yに通知するとと もに未払賃料等に係る保証債務の履行を請求し、Yがこれに応じた後、原契約賃借人に対し、求 償金を請求ことになる。原契約賃借人は、基本的にYから一月分の賃料等相当額について、求償 金の請求を受けたときに、弁済済みであることを通知できる。このようなやり取りが行われれば、

原契約賃借人とYとの間で継続して二重払いが生じることが避けられ、もし、二重払いのリスク があるとしても1か月分の賃料等であり、原契約賃借人の不利益はあながち大きいものとはいえ ないとした。

 次に、本判決は、原契約賃借人が原契約賃貸人に対して反対債権を有している場合について検 討する。原契約賃借人が、原契約賃貸人に対して反対債権を有しており、自らの債権を自働債権 として相殺の意思表示をしたとき、賃料債務等は消滅し、原契約賃借人は、Yに対して相殺の事 実を主張し、求償金請求を拒むことができるが事前通知義務が免除されている結果、債権回収を 図る機会が減少するという不利益が生じる。しかし、原契約賃借人が継続して賃貸物件を使用し 続ける限り、将来発生する賃料債務等につき、対当額で相殺することにより、自働債権の回収が 可能であること、原契約賃借人が上記相殺をYに通知すれば、その相殺により将来の賃料債務等 が消滅し、これにより将来の保証債務も消滅するとして、Yに対抗可能であることから、上記の 不利益は大きいものではないとした。

 さらに、本判決は、賃貸物件が一部滅失し、その使用ができなくなった場合について検討する。

原契約賃借人の賃料減額請求(民法611条1項)または解除の意思表示(民法611条2項)が行わ れれば、将来発生する賃料債務は減額され、または賃料債務等は発生しなくなり、上記意思表示 による賃料債務の減額または不発生は、原契約賃貸人はもちろんYに対しても主張可能であり、

よって、この場合も原契約賃借人の不利益は大きくないとした。

 連帯保証人の不利益について。原契約賃借人の不利益が大きくないのと同様、原契約賃借人の 連帯保証人の不利益も大きくなく、原契約賃借人が通常想定しうる適切な対応を採りさえすれば、

原契約賃借人の連帯保証人に生じる不利益も大きなものとはならない。また、原契約賃借人の個 人連帯保証人は、賃借物件に居住していないことから、賃借物件の損傷等を容易に知りえないこ ともあり得、原契約賃借人が賃料減額請求等をしなかった場合に不利益を被る可能性もあるが、

このような立場にあることから生じる原契約賃借人の個人連帯保証人の不利益は、個人連帯保証 人であることにより受忍すべきであり、原契約賃借人から賃借物件の状況の通知を受けることな どにより軽減可能である。したがって、原契約賃借人の個人連帯保証人に生じる不利益も大きい ものではないとした。

 必要性または許容性について。Yの保証債務の履行は、Yの通常業務の過程で反復的・集団的 に起こるので、保証債務の履行の度に事前通知を行うことによるコストは軽視できないこと、原 契約賃借人が原契約賃貸人に対して法的に対抗しうる事由を有していることは多くはなく、むし ろ、例外的であること、原契約賃借人が賃料等を支払っていない場合、原契約賃貸人がYに対し

(12)

て賃料相当額の保証債務履行請求をすることは通常予測可能であり、原契約賃借人が原契約賃貸 人に対して法的に対抗すべき事由を有している場合、賃借物件を管理する宅地建物取引業者やY に対して通知する機会がないとはいえないこと、金融機関の貸付けに際して、信用保証協会が個 人または事業者の債務を保証する場合に、その信用保証契約には、信用保証協会による保証債務 の履行について、主債務者に対する事前通知義務を免除する特約が存し、その他金融機関につい ても、同種の特約が存することが少なくないことから、必要性または許容性が認められるとした。

ⅱ 消費者契約法10条の解釈 1) 前段要件

 前段要件の解釈について、従来、「任意規定」以外の一般法理も含まれるかということにつき 議論があった。この点については、最判平成23年7月15日2)により、一般法理も含まれると解釈 されたことから、前段要件について、任意規定に限らず、一般法理も含まれると解釈されるよう になり、平成28年の消費者契約法の改正により、「任意規定には、法律の明文の規定のみならず 一般的な法理等も含まれている」との解釈の「趣旨を踏まえ、予測可能性を高め、紛争を予防す る等の観点から」、前段要件に該当する例として「消費者の不作為をもって当該消費者が新たな 消費者契約の申込み又は承諾の意思表示をしたものとみなす条項」が挙げられた3)

2) 後段要件  ⑴ 判例

 判例4)は、「消費者契約法の趣旨に照らし、当該条項の性質、契約が締結するに至った経緯、

消費者と事業者との間に存する情報の質及び量並びに交渉力の格差その他諸般の事情を総合考 慮」して後段要件該当性を判断するとしている。

 ⑵ 消費者庁・学説

 消費者庁は、信義則違反については判例と同様の解釈をし、消費者の利益を一方的に害するこ とにつき「消費者と事業者との間にある情報・交渉力格差を背景として当該条項により、任意規 定によって消費者が本来有しているはずの利益を信義則に反する程度に両当事者の衡平を損なう 形で侵害すること」5)としている。

 学説6)については、大きく分けて2つあり、前段要件に該当すれば、後段要件にも該当すると するもの、そして、後段要件該当性を別途判断するものとがある。そして、後段要件該当性を別 途判断するものについては、契約条項の内容を重視するもの、そして、手続的要素も考慮すべき とするものとがある。

 ⑶ 本判決

 本判決において、消費者契約法10条該当性が判断されているのは、解除権付与条項・事前通知 義務免除条項・抗弁権放棄条項である。

 前段要件に関しては、解除権付与条項(本件契約13条1項)において、解除権付与条項が契約

(13)

当事者ではない第三者から行使される解除権を付与するものであることから、「民法541条又は民 法の一般的な法理と比較して権利を制限するものといえ、また、原契約の債務の履行を怠ること により、Yから解除権を行使される地位に立たされるという点で、原契約賃借人の義務を加重す るものといえる」としている点から、「任意規定に限らず一般法理も含む」とする判例をはじめ とする見解と同様の判断をしているといえる。なお、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項に ついは、「任意規定である民法463条1項及び2項・443条1項及び2項が定める内容と比べ、そ の権利を制限し、又は義務を加重するものである」としている。

 後段要件に関しては、判例(最判平成23年7月15日)を引用するのではなく、契約条項(本件 契約13条1項、14条1項・4項)の解釈をし、その該当性を判断している。すなわち、解除権付 与条項につき、Yと原契約賃貸人とのリスク分配に関する規定であるとし、Yにリスクコントロー ルをすることが不合理ではないとし、解除権付与条項を「契約を解除するに当たり催告をしなく てもあながち不合理とは認められない事情が存する場合に、無催告で解除することができる」と する限定解釈することにより、原契約において本件契約13条1項と同内容の規定が存在した場合 に原契約賃貸人が置かれる立場について検討し、原契約賃借人の不利益は限定的なものであると 判断し、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項につき、本件契約14条1項・4項の定めによる 原契約賃借人の不利益、連帯保証人の不利益、そして、必要性または許容性の観点から検討して いる。

 もっとも、本件は、適格消費者団体による消費者団体訴訟制度である点から、後段要件の判断 において、最判平成23年7月15日よって示された手続的要素の判断をしなかったとも考えられる。

ⅲ 解除権付与条項・異議不存在確認条項・明渡しみなし条項 1) はじめに

 解除権付与条項・異議不存在確認条項・明渡しみなし条項についての検討は、前稿において行っ ている。もっとも、前稿脱稿後の研究会においての指摘などがあったため、本稿においては、そ れらについて触れることが必要である。したがって、以下においては、それぞれ各条項について、

前稿における検討の概要を示したのち、前稿脱稿後の状況について検討することとする。

2) 解除権付与条項  ⑴ 解釈

 前稿では、本判決が最判昭和43年判決を引用し、最判昭和43年判決が信頼関係破壊の法理を前 提としたものとしているが、調査官解説や判例評釈7)をみると、最判昭和43年判決は、「1か月 でも賃料を滞納した場合に無催告で解除することができる」旨の契約条項につき、契約条項を有 効としつつ、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合」に 無催告で解除することができるとの「限定解釈」を行ったものであり、信頼関係破壊の法理を前 提としたものではなく、したがって、本判決が信頼関係破壊の法理を前提とするならば、解除権 付与条項は無効とすべきであるとした8)

 前稿脱稿後、接した本判決についての評釈では、情報量や交渉力格差を是正して消費者保護を

(14)

図るとする消費者契約法の趣旨からすると、「一般消費者が条項の文言からは到底読み取ること のできない先例を加えて解釈をする本判決の解釈そのものに問題があり」、「とりわけ、直ちに賃 貸借契約を解除されて明渡しを求められるのか否かという、権利義務に直接かかわる条項である ことから、契約時において一般消費者がその適用場面を理解できるよう規定すべきである(法3 条1項1号)」9)とするものがある。

 ⑵ 消費者契約法10条該当性

 前段要件について。前稿においては、特に問題はないとした10)が、前稿脱稿後に接した本判決 の評釈では、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められない事情が存する場合に適用される ことを理由に、法10条前段該当性を否定した。しかし、消費者に不利益が及ぶような形で、文言 上読み取れない解釈を加えるべきではない。平成29年改正民法においても、履行遅滞を理由とす る解除には催告が必要とされており、まして、居住用建物の賃貸借契約において無催告で解除さ れるということは、通常の賃貸借契約の解除よりも賃借人への影響が大きいことに鑑みれば、無 催告解除権についても、法10条前段該当性を認めるべきであったと考える」11)とするものもある。

 後段要件について。前稿においては、本判決が正当化を図ろうとするリスク分配については、

リスク分配は賃貸人とYとの間で行うべきであること、Yが負担するリスクのコントロールは、

Xが主張12)する保証の範囲を限定し、滞納額が一定の範囲を超える場合、原契約賃貸人に原契約 の解除を促すこと、保証債務の履行の条件として原契約の解除を義務付けるにより可能であるこ と、そして、信頼関係破壊の法理を前提とした場合、信頼関係の破壊の有無は、原契約賃貸人と 原契約賃借人との間で判断すべきであり、また、限定解釈をした場合、「催告をしなくてもあな がち不合理とは認められない事情」の存否についても、原契約賃貸人と原契約賃借人との間で判 断すべきであることから、解除権付与条項は、信頼関係破壊の法理を採用せず、限定解釈をせず に読まなければ意味がなく、原契約賃借人の居住利益という重大な利益を契約当事者ではない第 三者(Y)が賃貸借契約の解除をすることは、信義則に反するとした13)

 前稿脱稿後接した本判決の評釈では、Yは、家賃保証を業とする会社であり、一定のリスクと 引き換えに利益を得ることを前提としており、そのリスクは、手数料や更新料名目で一定額の金 員を原契約賃借人から受けとること、原契約賃貸人に対する保証額の上限をあらかじめ設定する ことで調整は可能であるのであるから、解除権を付与する以外の方法でもそのリスクは回避可 能14)とするものもある。

 前稿脱稿後の研究会では、Yは、訴訟において、原契約賃貸人・原契約賃借人間の信頼関係が 破壊されている、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」が存在する ことを、証拠により主張立証することができるのであり、信頼関係破壊の有無・「催告をしなく てもあながち不合理とは認められないような事情」が存在することが判断できないわけではない との指摘、また、Yは、法律知識のない賃貸人に代わり、法律事務を代行していると考えること もできるのではないかとの指摘をいただいた。

 2点目の「Yは、法律知識のない賃貸人に代わり、法律事務を代行していると考えることもで きる」というものは、賃貸人は、個人の場合も多く、法律に関する知識を必ずしも有しているわ

(15)

けではなく、むしろ、法律的知識を有していない、いわば「消費者的賃貸人」ということもでき、

そのような「消費者的賃貸人」に代わり、契約の解除も含めた法律事務を代行しているのである から、賃貸借契約の当事者ではない第三者であるYのような家賃保証会社に賃貸借契約の解除権 を付与することにも合理性があるのではないかというものである。この点に関しては、家賃保証 契約の構造とも関係する点であるので、後で検討(ⅴ)することとする。

 1点目についてであるが、確かに、Yが訴訟において、原契約賃貸人と原契約賃借人との信頼 関係が破壊している、また、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」

が存在することの証拠を収集し、提出することにより原契約賃貸人と原契約賃借人の信頼関係は 破壊している、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」が存在すると の証明は可能であるとも思われる。しかし、この場合、そのような証拠の収集は原契約賃貸人の 協力(ヒアリングなど)が必要であると思われる。そうすると、原契約賃貸人は、訴訟に(民事 訴訟法でいう参加をも含む広い意味での)参加しているとも考えられる。そうすると、解除権付 与条項が、原契約の当事者ではないYに、賃料等3か月分の滞納という客観的事実のみで、催告 なしに解除権を付与していることの意味ないしはメリットはなくなると考えられる。すなわち、

上記の研究会での指摘の2点目でもあったように、この家賃保証契約は、「消費者的賃貸人」にとっ て、自身は法律事務に関与しないで、賃料収入を得られるというところにもメリットがあると思 われるところ、Yが、原契約を解除しようとする際に、原契約賃貸人の協力を仰ぎに来るとする ならば、このようなメリットはなくなってしまう。また、本件契約13条4項において、原契約賃 貸人が原契約を解除しようとする際には、信頼関係の破壊が解除の要件となっているのに対し、

本件契約13条1項において、Yが解除する際には、信頼関係の破壊は要件となっていないことか らすると、解除権付与条項(本件契約13条1項)は、信頼関係破壊の法理を採用せず、また、限 定解釈をしないで読まなければならないと考えられる。

3) 異議不存在確認条項

 前稿においては、本判決における解除権付与条項の解釈、すなわち、信頼関係破壊の法理を採 用し、信頼関係が破壊されている場合に無催告で解除権を行使できるとすること、限定解釈をし て、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」が存在する場合に無催告 で解除することができるとすると、信頼関係が破壊されたか否かの判断や「催告をしなくてもあ ながち不合理とは認められないような事情」の存否につき判断できないYによる解除権の行使は、

無効な解除権行使である可能性が存在することから、本判決のように、異議不存在確認条項は、

有効な解除権行使についてのみ「異議がない」ことを確認した条項であるとは読むことはできず、

Yが行使するいかなる解除権の行使についても異議がないと読まなければならず、Yの解除権行 使により奪われるのは、原契約賃借人の「居住利益」という重大な利益であることから、消費者 契約法10条後段要件に該当するとした15)

 前稿脱稿後の研究会において、解除権付与条項について、信頼関係破壊の法理を採用し、また、

限定解釈をしたとしても、Yが訴訟において、原契約賃貸人と原契約賃借人との間の信頼関係は 破壊している、また、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」が存在

(16)

することを証明することができるので、解除権付与条項について、信頼関係破壊の法理を採用し たり、限定解釈をしても、異議不存在確認条項は、意味のない条項にはならないとの指摘があっ た。解除権付与条項について、このような解釈をしたとしても、異議不存在確認条項は意味のな い条項であることには変わりはない。すなわち、異議不存在確認条項は、Yが解除権を行使した ときに、原契約賃借人がその解除権行使について争えなくすることに意味があるところ、Yが解 除権を行使した場合に、訴訟において、信頼関係は破壊されている、また、「催告をしなくても あながち不合理とは認められないような事情」が存在することを証明し、自己の解除権行使が有 効であることを証明しなければならないということは、原契約賃借人が、Yの解除権行使につい て、その有効性を争えることになるからである。

 したがって、本判決の解除権付与条項の解釈を前提とした場合、異議不存在確認条項について、

本判決のように解釈すると異議不存在確認条項は意味のない条項となってしまう。

4) 明渡しみなし条項

 前稿においては、明渡しみなし条項が消費者契約法8条1項3号に該当するとしたことは評価 できるが、解除権付与条項・異議不存在確認条項を有効としていることから、Yが無催告で解除 権を行使し、原契約賃借人を強制執行により適法に追い出すことができることになり、無効とし た(差止めを認めた)意味はないのではないかとした。

 明渡しみなし条項については、前稿脱稿後、特に指摘はなかった。

ⅳ 事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項 1) はじめに

 本判決は、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項の消費者契約法10条前段要件については、

その該当性を認めているので、特に問題はないと思われる。しかし、後段要件該当性について問 題がある。そこで、以下では、本判決が消費者契約法10条後段要件該当について検討している、

原契約賃借人の不利益、連帯保証人の不利益、そして、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項 の必要性または許容性の判断の妥当性について、検討することとする。

2) 原契約賃借人の不利益

 民法が、連帯債務者間の通知義務・委託を受けた保証人の事前通知義務を定めた趣旨は、他の 連帯債務者や主債務者が債権者に対抗できる事由を他の連帯債務者からの求償、保証人からの求 償に対抗する機会を与えることにあるところ、居住用の建物賃貸借契約の家賃保証という本件契 約の内容からすると、事前通知義務は、非常に重要な義務であると考えられる。

 本判決は、原契約賃借人が二重払いをするリスクは、1か月分であり、不利益はあながち大き いものとはいえないとするが、1か月でも二重払いをすることになるとすれば、それは非常に大 きな負担となると考えられる。原契約賃借人の資力によるが、家賃の支払が家計の中でも大きな 割合を占めることも少なくないであろう。そうすると、そのような大きな負担が1か月であった としても、二重に負担するということは、原契約賃借人にとって、それはとても大きな負担とな

(17)

ると思われる。

 そして、原契約賃借人が原契約賃貸人に対して反対債権を有している場合、本判決は、将来の 賃料債務との相殺が可能であることから、大きな負担ではないとする。確かに、原契約賃借人が、

通常の生活を送っている(仕事があり、収入が安定している)場合には、将来の賃料債務との相 殺ということでも、問題はそこまで大きくはないとも考えられる。しかし、自然災害や病気など により仕事を失ったり、また、収入が激減したりすることも存在する16)。そのような場合、今 現在の賃料債務の支払が困難となっているのであるから、現時点において、賃料債務との相殺を して、賃料の支払を免れるということは、非常に大きな意味を持つと思われる。

 したがって、本判決が、事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項が消費者契約法10条後段要件 に該当しないとするための要素として挙げた原契約賃借人の不利益については、妥当ではないと 考えられる。

3) 個人連帯保証人の不利益

 個人連帯保証人の不利益について、まず、原契約賃借人の不利益が大きくないのと同様、原契 約賃借人の連帯保証人の不利益も大きくないとするが、この点については、上記「原契約賃借人 の不利益」について検討した点は、原契約賃借人の個人連帯保証人にも妥当すると思われること から、本判決の判断は妥当ではない。

 原契約賃借人の個人連帯保証人は、賃借物件に居住していないことから、賃借物件の損傷等を 容易に知りえないこともあり得、原契約賃借人が賃料減額請求等をしなかった場合に不利益を被 る可能性もあるが、これは、連帯保証人として受忍すべきとする。しかし、この不利益は、連帯 保証人であることから当然に受忍すべきというもではないであろう。容易に知りえないのである からこそ、この場合の個人連帯保証人の不利益は大きいものと考えられる。

 したがって、本判決が、原契約賃借人の個人連帯保証人の不利益についての判断も妥当ではない。

4) 必要性・許容性

 本判決は、事前の通知をすることにより、Yが負担するコストが軽視できないとする。しかし、

Yが業としてこのような家賃保証を行っているのであれば、事前の通知に関するコストも含めて、

業務の内容や手数料の額を検討すべきであり、コストが軽視できないほどのものであれば、それ は、自身の検討の甘さが原因であるのであるから、受忍すべきであるといえる。

 本判決は、原契約賃借人が原契約賃貸人に対して、法的に対抗できる事由を有していることは、

例外的であるとする。しかし、例外的であるのであればなおのこと、上記「原契約賃借人の不利 益」のところで検討したように、原契約賃貸人に対抗できた事由を主張する機会を保障する必要 があるのであり、例外的であることから、事前通知義務を免除したり、抗弁権を放棄させたりす る必要性はないし、許容性もないと考えられる。

 金融機関の貸付に際して、信用保証協会が個人または事業者の債務を保証する場合の保証委託 契約にも同種の特約が存在するとする。しかし、信用保証協会において、同種の特約が存在する からといって、本件契約において、事前通知義務を免除することや抗弁権を放棄させることが、

(18)

必要であり、また、許容されるべきものとはいえない。そもそも、信用保証協会の保証委託契約 における、同種の条項自体も、上記「原契約賃借人の不利益」で検討したことと同様のことが考 えられることからすると、問題があるのではなかろうか。

ⅴ 家賃保証契約についての検討と本件契約における各条項の消費者契約法10条後段要件該当性 1) はじめに

 以上において、本判決の判断についての検討を行った。以下では、本件で問題となった家賃保 証契約について、検討することとする。具体的には、家賃保証契約の構造とYに付与された解除 権について検討し、本判決で問題となった解除権付与条項・異議不存在確認条項・事前通知義務 免除条項・抗弁権放棄条項の消費者契約法10条該当性について検討する。なお、消費者契約法10 条の前段要件につき、本判決は、解除権付与条項・異議不存在確認条項・事前通知義務免除条項・

抗弁権放棄条項の該当性を認めており、問題となっているのは、後段要件該当性であるので、以 下においては、解除権付与条項・異議不存在確認条項・事前通知義務免除条項・抗弁権放棄条項 の消費者契約法10条後段要件該当性について検討する。そして、最後に簡単にではあるが、平成 29年の民法(債権法)改正において設けられた「定型約款」(民法548条の2以下)との関係につ いて検討することする。

2) 契約構造の分析とYに付与された解除権について

 本件契約について、本判決は、「原契約(賃貸借契約)の存在を前提として、Yと原契約賃貸 人との間で締結される連帯保証契約、Yと原契約賃借人との間で締結される保証委託契約、及び 原契約賃借人のYに対する求償金債務に係る、Yと個人連帯保証人との間の連帯保証契約の複合 契約であると解することができる」としている。私見としても、本件契約が、複数の当事者間で の複数の契約からなる複合契約であると考える。

 もっとも、Yと原契約賃借人との間の保証委託契約の中に原契約を解除する権利を契約当事者 ではないYに付与することなどが定められている点からすると、純粋な保証委託契約とは異なる 性質を有するものと考えられる。また、解除権付与条項は、原契約の当事者ではない第三者Yに 原契約の解除権を付与するものであるが、これは、原契約賃貸人・原契約賃借人・Y間の三者間 の合意と考えられる点からしても、保証委託契約が純粋な保証委託契約とは異なる性質を有して いると考えられる。

 このYに付与された解除権の性質についてであるが、この解除権が、原契約賃貸人・原契約賃 借人・Yとの間の合意により付与された約定の解除権であることについては、すでに検討したと おりである。解除権の行使につき、本判決は、信頼関係の破壊または「催告をしなくてもあなが ち不合理とは認められないような事情が存する場合」に解除権を行使することができるとするが、

本判決の評釈にところで検討したように、私見としては、本件契約13条1項1号以下の事由が生 じた場合に解除権を行使できるもの、すなわち、信頼関係の破壊または「催告をしなくてもあな がち不合理とは認められないような事情が存する場合」という要件は付加されるものではないと 考える。

(19)

 なお、本件契約13条1項1号以下の事由は、原契約賃貸人と原契約賃借人との信頼関係が破壊 されていることを推定する、または、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないよう な事情」と推定するという解釈も可能であると思われるが、そうであるならば、本文に明確に記 載すべきである。そして、本件契約13条4項において、原契約賃貸人が原契約を解除するために は、信頼関係の破壊が要件とされていることが明確に記載されていることからすると、本件契約 13条1項1号以下の事由は、原契約賃貸人と原契約賃借人との信頼関係が破壊されていることを 推定する、または、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合」

と推定するという趣旨と読むことはできないと考えられる。また、「一般消費者が条項の文言か らは到底読み取ることのできない先例を加えて解釈をする本判決の解釈そのものに問題」という 岡田教授の指摘17)からしても本件契約13条1項1号以下の事由を推定規定と読むことはできな いと考えられる。

 前稿脱稿後の研究会での指摘の2点目の「Yが賃貸人の法律事務の代行をしていることから、

本件契約の解除権も合理性があるのではないか」との指摘についてであるが、Yのような家賃保 証会社が、法律的知識に乏しい賃貸人(消費者的賃貸人)の法律事務を代行するという機能を有 すると評価することも可能であると思われる。しかし、解除権は、賃貸借契約の解除という強力 な権限であることからすると、契約当事者ではない第三者にその権限を付与するということには 慎重であるべきであると思われる。

 「家賃保証会社が消費者的賃貸人の法律事務を代行する機能」のメリットは、消費者的賃貸人 が法律事務にタッチせずに賃料収入を得ることができるという点にあると思われる。賃貸借契約 の契約解除において、その解除権の行使については信頼関係が破壊していること、または、「催 告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情が存する場合」であることからする と、賃貸借契約の当事者ではない第三者である家賃保証会社が、信頼関係が破壊していること、

または、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」の存否を判断ができ ないのであり、家賃保証会社が契約解除権の行使をすることはできない。これに対し、信頼関係 が破壊されていること、「催告をしなくてもあながち不合理とは認められないような事情」の存 否について、家賃保証会社が証拠により立証することが可能であるとするとしても、その際には、

上記の通り、原契約賃貸人の協力が必要となり、「家賃保証会社が消費者的賃貸人の法律事務を 代行する機能」の有するメリットは、減殺されることとなる。本件契約13条において、Yが原契 約を解除する際には、賃料等の支払が3か月分となった場合というような客観的事由の発生が要 件とされていて、信頼関係の破壊などが要件とされていない(1項)のに対し、原契約賃貸人が 原契約を解除する際には、信頼関係が破壊されていることが要件となっている(4項)ことから すると、Yとしても本件契約13条1項解除権を行使する際には、信頼関係破壊の法理や限定解釈 をしないことを前提としていると思われる。

 そうすると、本件契約13条1項について、本判決のような信頼関係破壊の法理の採用や限定解 釈をすることは、「家賃保証会社が消費者的賃貸人の法律事務を代行する機能」の有するメリッ トを減殺することから、客観的事情の発生のみでの解除権行使ということとなり、賃借人の居住 利益という観点からすると、合理性があるとはいえないというべきであろう。

参照

関連したドキュメント

《サブリース住宅原賃貸借標準契約書 作成にあたっての注意点》

2 学校法人は、前項の書類及び第三十七条第三項第三号の監査報告書(第六十六条第四号において「財

非正社員の正社員化については、 いずれの就業形態でも 「考えていない」 とする事業所が最も多い。 一 方、 「契約社員」

問 11.雇用されている会社から契約期間、労働時間、休日、賃金などの条件が示された

 同一条件のエコノミークラ ス普通運賃よ り安価である ことを 証明する

(5) 帳簿の記載と保存 (法第 12 条の 2 第 14 項、法第 7 条第 15 項、同第 16

 同一条件のエコノミークラ ス普通運賃よ り安価である ことを 証明する

添付資料 2.7.3 解析コード及び解析条件の不確かさの影響評価について (インターフェイスシステム LOCA).. 添付資料 2.7.4