感覚運動指導の実際
背景と具体的対策
軽度障害を中心に
感覚運動指導の意義
自ら探索することの困難な子どもたちに対
して、様々な姿勢をとらせたり、遊具を使っ
て身体を動かしたりする楽しさを味わわせ
る。
遊び活動を通して、コミュニケーションや認
知、運動動作の発達を促す。
外からの情報に対して適切な適応反応を
引き出す。
感覚運動ってなに
「椅子に座って字を書く」
椅子に座る
鉛筆を使う
背景に隠れているもの
文字を写す
感覚運動指導と感覚統合
・ 様々な感覚刺激活動や運動活動を通して子ども の発達を促進していこうとする考え方 ・ 感覚運動課題とは ∼文字学習の課題から∼ ・ 子どもの運動発達と感覚統合 ∼前庭覚と固有覚と空間制御能力 ・ 子どもの認知発達と感覚統合 ∼「口」と「手」と「目」∼感覚運動指導の理論的背景
∼考え方の基礎∼ ・学習を支える脳の働き ・子どもの脳の成長・発達過程 ・脳幹の働きの重要性 ・神経機能の可塑性 ・前庭覚・触覚・固有覚刺激の意義 ∼指導の基礎∼ ・皮質下のレベルに働きかける指導 ・三次元的な運動活動の重要性 ・重度重複児への指導の重要性感覚行動発達のモデル
感 覚 感覚入力の統合 最終産物 話す能力 聴覚(聞くこと) 言語 前庭感覚 集中力 (重力と運動) 目の動き 身体知覚 組織力 姿勢 身体両側の 自尊心 バランス 協調性 自己抑制 筋緊張 運動企画 目と手の協調 自信 固有感覚 重力への安定感 活動レベル 視知覚 教科学習能力 (筋と関節) 吸う 注意の持続性 目的的活動 抽象的思考 食べる 情緒の安定性 と推理力 触覚(触れる) 身体と脳の 母と子のきずな 両側の特殊化 心地よい触覚 視覚(見ること)感覚運動指導の中心原理
触覚系と前庭系の健常化をはかる
原始反射の統合を進める
平衡反応を発達させる
眼球運動を正常化する
身体両側の感覚運動機能の協調性を高
める
視覚的形態と空間知覚を発達させる
前庭系の働き
骨格筋の緊張の調節
姿勢・平衡・運動の自動調節
眼球の動きの自動調節
覚醒水準への影響
自律神経系への影響
前庭刺激指導の留意点(1)
−子どもの反応を観察する− ・ 刺激の受け入れ状態 喜ぶ、嫌がる、強さは? ・ 覚醒水準への影響 興奮、抑制、混乱? ・ 適応反応 バランスの崩れ、異常緊張? ・ 体調への影響 自律神経症状?前庭刺激指導の留意点(2)
―遊びへの導入の仕方を考える― ① 活動を怖がる子どもの場合 ・安定できる姿勢、無理強いしない ・大人の介助と補助具 ・ゆっくりしたスピードから ・バランスが崩れない程度に ・乗ることだけではなく、結果の楽しさ ② 初めての活動に抵抗を示す子どもの場合 ・子どもの好きな活動から ・目的の活動に導入しやすい姿勢前庭刺激指導の留意点(3)
−刺激を与える順序− これまで経験したことのある刺激や姿勢
揺れから直線加速へ
上下→前後→左右
受動から能動へ
毛布ブランコからスクーターボードへ
前庭刺激遊びの意義を考える
<ハンモックに腹ばいで乗る>
・ねらいは?
・そのためには?
・「なぜその遊びをするのか」
・「その遊びが子どもの問題とどのように関
係しているのか」
<ハンモックに腹ばいで乗る>
<ねらい> ・腹臥伸展姿勢がとれるようにする <そのためには> ・全身の関節を伸ばす筋肉(伸筋群)の充 分な収縮 ・前庭刺激と伸筋群の関係 ・姿勢の悪い子とスクーターボート ・遊びに目的をもたせる 遊具に乗ることではなく遊具を使って遊ぶこと 揺れながら別の活動 姿勢運動機能の無意識化触覚系の発達と指導
神経系の形成と原始反射
触覚と固有覚の統合
触覚と運動企画
触覚と情緒の発達
触覚系の異常への指導
<抑制刺激の使用> ・筋緊張亢進 ・交感神経系の機能亢進 ・脊髄脳幹レベルの反射亢進 ・多動 ・興奮 ・触過敏触覚系の異常への指導
<興奮刺激の使用>
・筋緊張低下
・副交感神経系の機能亢進
・原始反射統合、自動反応未熟
・寡動
・抑うつ的
・触反応鈍感
触覚系の異常への指導
<抑制的効果> ・口腔周辺への触圧刺激 ・腹部への触圧刺激 ・手掌、足底への持続的圧刺激 ・背中への軽擦 ・35℃∼37℃の温度 <興奮的効果> ・口腔周辺への動きのある触刺激 ・皮膚知覚体節T10への動きのある触刺激 ・ブラッシング ・氷触刺激の遊びへの導入
人に触られるより自分で触る
ボールプールの触圧の効果は?
不安は交感神経を刺激
人に対する感情と刺激の感じ方
未経験に対する心理的防衛
音楽の効果的な利用
防衛的な触覚と識別的な触覚
固有感覚系の働き
相反性運動(伸展と屈曲の繰り返し)
↓
同時収縮(屈筋群と伸筋群の同期的収縮)
・自発的伸展運動で最大
↓ 体幹→四肢
巧緻動作へ
感覚入力の調整(1)
<触覚防衛の改善>
触覚体験
他の感覚と同時入力
軽い圧刺激
物を選別する触遊び
入力方向に気をつける
感覚入力の調整(2)
<重力不安の改善>
自分から動く
高さに気をつける
硬い、安定、広い
姿勢変換
高さとスピード
挑戦
感覚入力の調整(3)
<運動企画の促進>
屈曲伸展姿勢
寝返り、座位、四つ這い、立位→経験しない
身体と物との空間位置→関係の把握
構成遊び
リズム感と順序
時間と空間の構造化
感覚入力の調整(4)
<姿勢平衡反応の獲得> 腹臥位伸展姿勢 体幹、下肢の伸展 物を見て首の伸展 上肢の屈伸 背臥位屈曲姿勢 屈曲伸展姿勢 立ち直り、平衡反応 支持機能感覚入力の調整(
5)
<両側統合の促進> 両手両足が同じ動き 両手両足が違う動き 正中線を越える動き 両手が協調して動く <知覚認知活動の促進> ゲーム化 ことばや視覚的記銘実際の遊びのねらい
<スクーターボード> 腹臥位で乗る (筋緊張と姿勢反応) フープを両手で持って引っ張ってもらう (同時収縮) スロープを滑り降りる (前庭刺激に対する反応) 自分で進む クローリング(交互同時) キック(同時 原始反射抑制) ロープ(協調 同時交互) コース(運動企画)教室の中で配慮のいる子どもたち
子どもの特性を考える
特別支援教育とは
特別支援教育とは、これまでの特殊教育の対象 の障害だけでなく、その対象でなかったLD,AD HD,高機能自閉症も含めて障害のある児童生 徒に対してその一人一人の教育的ニーズを把握 し、当該児童生徒の持てる力を高め、生活や学 習上の困難を改善又は克服するために、適切な 教育や指導を通じて必要な支援を行うものであ る。 (H15,3 最終報告より)障害児教育から特別支援教育へ
障害児学級在籍数の増加傾向
LD、ADHD等のある児童生徒への支援
重度重複化と障害別の限界
専門性の向上の必要性
教育的ニーズという考え方
教育の「場」から「教育的ニーズ」への対応
特 別 な 教 育 的 支 援 を 必 要 と す る 子 ど も へ の 今 後 の 支 援 体 制 連絡調整 巡 回 指 導 連 携 ア セ ス メ ン ト 相 談 通 級 指 導 教 室 と の 連 携 連 携 連 携 相 談 盲 ・ 養 護 学 校 指 導 連絡調整 相 談 参 画 相 談 指 導 参 画 ・ 個 別 の 教 育 支 援 計 画 の 実 施 に か か る 情 報 の 交 換 ・ 個 別 の 教 育 支 援 計 画 に か か る 保 健 福 祉 ・ 教 育 間 の 諸 調 整 教 育 委 員 会 事 務 局 保 健 福 祉 機 関 ・ 施 設 ・ 病 院 こ う べ 学 び の 支 援 セ ン タ ー 幼 小 中 高 等 学 校 ・ 校 内 委 員 会 設 置 ( 実 態 把 握 ) ・コ ー デ ィ ネ ー タ ー に よ る 連 絡 調 整 ・ 個 別 の 指 導 計 画 の 作 成 実 施 ・ L D 特 別 支 援 事 業 の 実 施( 一 部 実 施 校 の み ) ・ 個 別 の 教 育 支 援 計 画 の 策 定 こ う べ 学 び の 支 援 連 絡 調 整 会 議 ・ 相 談 ・ ア セ ス メ ン ト ・ 巡 回 相 談 ・専 門 家 チ ー ム 会 議 幼 児 児 童 生 徒 保 護 者
全国実態調査
(「今後の特別支援教育の在り方について」 調査研究協力者会議、2002) 困難なし 93.7% 困難あり 6.3% 1.2% 学習& 行動 2.9% 行動 4.5% 学習Mild Disabilities
−軽度障害とは−
LD(学習障害)
ADHD(注意欠陥/多動性障害)
PDD(広汎性発達障害)
MR(知的障害)
LD(文部科学省定義) H.11.7.2
学習障害とは、基本的には全般的な知的発達に 遅れはないが、聞く、話す、読む、書く、計算する 又は推論する能力のうち特定のものの習得と使 用に著しい困難を示す様々な状態を指すもので ある。 学習障害は、その原因として、中枢神経系に何 らかの機能障害があると推定されるが、視覚障 害、聴覚障害、情緒障害などの障害や環境的な 要因が直接の原因となるものではない。LD児の4つの障害
1.アカデミック・スキルの障害
2.コミュニケーション・スキルの障害
3.ソーシャル・スキルの障害
ADHD
(文部科学省定義)H15,3
ADHDとは年齢あるいは発達に不釣合い
な注意力、及び/又は衝動性、多動性を
特徴とする行動の障害で、社会的な活動
や学業の機能に支障をきたすものである。
また、7歳以前に現れ、その状態が継続し、
中枢神経系に何らかの要因による機能不
全があると推定される。
ADHDってどんな子
多動
衝動性
不注意
7歳以前の発症 2箇所以上で存在 社会的・学習上で著しい障害 自閉症とは診断上異なるADHD
不注意優勢型
多動性/衝動性優勢型
混合型
小学生で3∼5%圧倒的に男子に多い
DSM
-Ⅳによる診断基準
ADHDへの対応
生活リズムを規則正しく 家庭、学校での音や映像刺激を少なく 友達とのやり取り遊びを多く 怒鳴らない、体罰はしない 興奮しているときは叱らない、ヨシヨシしない 叱る言葉は短く的確に 絵本の読み聞かせ高機能自閉症
(文部科学省定義)
高機能自閉症とは、3歳位までに現れ、他
人との社会的関係の形成の困難さ、言葉
の発達の遅れ、興味や関心が狭く特定の
ものにこだわることを特徴とする行動の障
害である自閉症のうち、知的発達の遅れを
伴わないものを言う。また、中枢神経系に
何らかの要因による機能不全があると推
定される。
自
閉
症
Wingの三つ組み
<社会性の障害> (興味の限局)
自分の世界、視線が合いにくいなど・・<コミュニケーションの障害>
反響言語、イントネーションの異常など<行動の障害>
(同一性の保持)
常同行動、刺激の過剰選択など高機能自閉症
言語発達の遅れ
助詞の脱落など文法に問題
ムードが分かりにくい
知的能力 IQが85以上
同年齢の子どもとの相互のやり取
りが無い
活動や興味の範囲の著しい狭さ
アスペルガー症候群
流暢に話す 相貌認知が困難 語用論的意味の理解と使用の困難 変化を嫌う 対人相互交流の障害 興味の限局 不器用さ 心の問題対人性の障害
場面理解ができない
ひとの感情、気持ちの理解が弱い
相手の立場でものを考えることが出来ない
共感性が弱い
場の雰囲気が読み取れない
人との距離のとり方が下手
相手の行動の真似が出来ない
言語・コミュニケーション障害
語用論の障害が中心 冗談、皮肉が分からない ことばの「やりとり」が困難で一方的 相手の表情が読めない ジェスチャーの理解と使用が困難 無意味語、CMのフレーズ、など同じことばを 繰り返すHFPDDへの対応
周囲や自分に危害が及ぶ時以外叱らない
必要なことは注意するより、行動の仕方を
教える
場所を変え落ち着くまで放置
嫌だった気持ちへの共感と原因追求より
何がしたかったのかを尋ねる
行動特性を他児に説明
HFPDDへの配慮
言葉の意味理解ができていない可能性 言葉を類推して理解しなければいけない説明を 避ける 代名詞をできるだけ避ける 具体的な表現、用語、完全な文章で話す 肯定的な表現、用語で話す 視覚的手がかり 予告で安心感 保護者への配慮こうべ学びの支援センター
LD,ADHD,高機能自閉症等の児童生徒
への相談と支援
児童生徒・保護者からの相談
専門の医師や専門相談員が学習の仕方等のアドバイス 学校への巡回相談
巡回相談員が学校での指導方法をアドバイスこうべ学びの支援センターの仕組み
学校 相談 アセスメント 巡回相談 相談 相談 盲・養護学校 通級指導教室 医療・保健福祉機関等 学校園への支援 学校園・家庭と連携しながら教育的 支援を行います。 連携 こうべ学びの支援センター気づきと理解
担任としての気づきと理解 児童生徒の困っている状況からの気づき 指導上の困難さからの気づき 保護者等の相談からの気づき 学校体制としての気づきと理解 学年としての共通理解 学校全体での共通理解 研修と理解担任の気づきと悩み
・何人か気になる子がいるが、どういった状況でそう なっているのかわからない。 ・先生が話していても常にざわざわしていて、聞いて いるのか聞いていないのかわからない。 ・友達とすぐにトラブルを起こす。 ・こだわりがあったり、すぐに癇癪を起こしたりする。 ・なかなか漢字やひらがなの習得や計算が定着しない。 ・多動で席についていない子どもが何人かいる。 ・保護者への指導の仕方がわからない通常学級担任としてできること
問題点を認知レベルから見る
保護者との連携、共通理解、信頼関係
違いを認めあう集団作り
認知の違いを指導のポイントに
子どもの見方を共有〔コミュニケーションを
とること)
校内での
LD/ADHD研修
はじめに
対象児童生徒のアセスメント
指導体制へのコーディネート
担任・保護者への指導・相談
学級児童生徒の実態把握
担任の意識改革
学級経営、授業展開へのアドバイス
アセスメントの実際
実施検査
WISC−Ⅲ、K−ABC、ITPA他
Reyの図、BGT、人物画、フロスティッグ他
WCST、ハノイの塔他
エピソード記憶、単文の音読理解他
ソフトサインチェック
個別指導計画作成のための
ガイドライン
学校名 神戸市立 学校 学年 組 性別 氏名 担任 先生 1.判断の結果 2.判断の根拠 A.知的能力の評価 [1] 全体的な知的発達 [2] 認知能力のアンバランス B.国語・算数の基礎理解能力の評価 C.医学的な評価 従って高機能自閉症という形になっていきそうである。 D.他の障害や環境要因が直接的原因でないことの判断 [1] 他の障害や環境要因 3.指導を行うのにふさわしい教育形態と配慮事項 A. 教育形態 B. 指導上の基本的配慮事項 C.教科に関わる指導法 <国語> [聞く] [話す] [書く] <算数> D.その他の配慮事項 (1)個別指導の時間の設定 (2) 保護者への支援 (3) 環境整備 (4)支援体制 以上、検査並びに専門医の診断結果をもとに作成いたしました。貴校での個別の指導計画の作成並びに学 級での指導に役立てていただけますよう、よろしくお願い申し上げます。 こうべ学びの支援センター
巡回相談で子どもを見る観点
静止静聴動作(ゆれ、傾き他) 眼球運動(追視、ゆれ、注視他) 体育等での運動(歩容、タイミング、不器用さ、こ わがり、反射反応他) 表情(表情筋の動き) ∼補助的資料∼ 習字(筆圧、はねはらい等の方向、空間構成他) 絵(人物や木の描き方、風景画の構成、空間構成 他) 日記、新聞、ノート等(字の書き方、色の塗り方、 線の強さ、方向、余白の使い方、空間構成他)通常の授業等での観察(1)
・低緊張及び聴覚認知について 姿勢緊張、環境音に対しての反応、担任及び他 児の話 している最中の動作等を観察することで 児童生徒の身体の 維持機能、聴覚認知の特性を 理解する。 ex,担任が話しているにもかかわらずボーッとし てい る。すぐに注意がそれる。 ・視覚認知 眼球運動、書字動作、形態知覚等の観察を通し て視覚 認知の特性を理解する。 ex,黒板の字を見るときに必要以上に身体が動く。 形が うまく取れない。等通常の授業等での観察(2)
コミュニケーション ことばの使い方、語用の問題、友だち関係等の観察を通してコミュニ ケーションの特性を理解する。 ex,話のつじつまが合わない、友達と会話が成立しにくい。 ・ボディーイメージ等 身体全体の緊張、人物画、笛やコンパス等の道具の使用、体育時の様 子を観察して不器用さやボディーイメージ、失行等の特性を理解する。 ex,よく人とぶつかる。笛がどうしてもふけない。人物画が 描け ない。等 ・心因性のストレス等 子どもの作った作品(描画、習字、新聞等)や表情、姿勢緊張の観察 を通して、二次的なストレス や母子関係等の特性を理解する。子どもの特性を知る(1)
「障害として捉える前にとこが苦手か得意かを 知って対応する。」 見る力 靴を履き間違える、よく人にぶつかる、顔に鼻が かけない、作図ができない、漢字はかけるが細 部を間違う、行をとばす 他 対応:利き側のチェック、座席の配慮、聴覚から のフィードバック、行間をあける、フォントを変え る子どもの特性を知る(2)
聴く力 ボーとしている、何度も聞き返す、耳を描かない、 落ち着きがない 他 対応:話者の近くで、視覚、ことばで記すことでの フィードバック、環境音の削減 コミュニケーション ことばで表現出来ないことによるパニック 社会認知 ソーシャルスキル、自己評価と自己責任、問題 の客観化、ありがとうごめんなさい臨床観察(1)
<反射反応>
ATNR
STNR
腹臥位伸展姿勢
背臥位屈曲姿勢
保護伸展反応
シルダーの上肢伸展姿勢
迷路性立ち直り反応
視覚性立ち直り反応
臨床観察(2)
<筋機能>
筋緊張
低緊張
過緊張
静止時
動作時
同時収縮
可動域
臨床観察(3)
<ラテラリティー> 利き目 利き手 <両側性運動> 交互同時運動 <姿勢不安> <姿勢背景運動>臨床観察(4)
<運動企画 協調>
スローモーション
回内回外(Diadochkinesis)
尖指対向
舌運動
肢位模倣
臨床観察(5)
<眼球運動>
追
視
輻
輳
サッケード
眼
震
臨床観察(6)
<姿勢運動> 四つ這い 膝立ち 片足立ち タンデム歩行 正中線交叉 マンズポジション ジャンプ けんぱ スキップ ボール投げ 連続音発声臨床観察(7)
<体性感覚> ソフトタッチ 部位選択 触覚定位 消去 圧、痛、温、冷 振動 方向 素材 固執、異常授業参観での評価(1)
∼姿勢と動作、姿勢背景運動から∼
・全体の姿勢緊張(過
or低)
・書字動作(正中線の超え方、不器用
さ、利き手、頭のゆれ他)
・発表動作(手の挙げ方、タイミング、
読みの能力、発問に対しての答え方、
内容他)
授業参観での評価(2)
・視覚認知機能(眼球運動、空間認知、利き目他) ・聴覚認知機能(音の弁別、傾聴能力他) ・不器用さ(正中線、連合反応、ボディーイメージ、触覚認知、 巧緻性他) ・コミュニケーション(発話の意図理解、話題の一貫性、知識、 類推他) ・話す・聞く(発音、リズム、言い間違い、聞き違い、文法の 誤り、聴覚記憶他) ・読む・書く(音読能力、内容把握、短期記憶、巧緻性、視覚 記憶他) ・心的ストレス(母子関係、友達関係、先生関係ほか) ・運動発達および知的発達配慮のいる子が教室でとる行動
ノートや教科書の準備をしない(小・中)
立ち歩く(小)
周りの刺激にすぐ反応する(小・中)
質問が終わる前に答える(小・中)
一人で授業を受けているつもり(小)
配慮のいる子が教室でとる行動
教室での課題が終わらない(小・中)
ケアレスミスをよくする(小・中)
先生の指示に従えない(小・中)
暴言が多い(小・中)
話を聞いていない(小・中)
忘れ物が多い(小・中)
不注意
注意の持続ができずに授業についていけ
ない(小・中)
あらゆる刺激に反応する(小・中)
目的のある行動が苦手、見通しが立てら
れない(小・中)
話しかけているのにまるで聞いていないよ
うに見える(小・中)
不注意
いつもボーっとしている(小・中)
課題が終えられない(小・中)
興味が持続しない(小・中)
物をすぐ無くしてしまう(小・中)
疲れやすい(中)
多動性
常に身体を動かしている(小・中)
目的なしに動き回る(小)
空想にふける(小・中)
おしゃべりを我慢できない(小・中)
不適切な場面で過度に走り回る(小)
衝動性
質問が終わっていないのに答える(小・中)
順番が待てない(小)
他人の話に口を挟む(小・中)
気分が突然変化する(小・中)
激しい反応を抑制できずに過度な反応を
する(小・中)
反応の結果を気にとめない(小・中)
ADHDの脳内メカニズム
神経伝達物質(ドーパミン等)の問題
ワーキングメモリーの問題
認知過程にかかわる前頭葉の問題
<実行機能の障害>
前頭前野
前もって計画を立てて、見通しを持って実
行していくことが困難
実行機能の障害とは
トラブルのもと
ゲームの細かいルールが理解できない
共同・計画できない
EX,サッカー、すごろく、かるた他
→ 失敗体験の繰り返し→二次障害
ADHD児の二次障害
気分が変化しやすい→失敗体験、絶えず注意を 受ける→自信喪失 瞬間を生きている→しかられる、瞬間は反省、す ぐ忘れる→自己コントロールの弱さ→結果犯罪、 暴力他 誉められることが少ない→劣等感、無気力→学 習意欲低下 親の葛藤→不安助長→体罰→愛着の喪失ADHDに伴いやすい障害
学習障害 反抗挑戦性障害/行為障害 不登校 不安障害 気分障害 チック てんかん 発達性協調運動障害 発達性言語障害パニック癇癪を起こしやすい
ADHD
被虐待児
反応性愛着障害
HFPDD
軽度
MR
教育的支援(起こしている最中)
「よしよし」しない
叱ったり、怒鳴ったりしない
タイムアウト(愚痴らない)
収まるのを待ってから話しかける
譲らない
教育的支援(日常から)
禁止よりも代替手段
落ち着きがない子の原因
気 質:多動であるが異常はない 発達障害:ADHD,自閉症,知的障害,発達性協 調運動障害,チック障害 身体疾患:アトピー、聴力障害、甲状腺機能亢進 症 薬 物:フェノバール、喘息薬 神経疾患:てんかん、脳炎、脳変性疾患、脳腫瘍 精神疾患:不安障害、気分障害、強迫性障害 そ の 他:反抗挑戦性障害、行為障害、虐待、 愛情遮断教育的支援1
座席の配慮(窓側は避ける、先生に近い)
視覚制限
疲れさせる
呼吸法
<医療的支援>
リタリン
,ペモニン等の中枢神経刺激剤
乱暴/動物虐待
ADHD PDD 発達遅滞 反抗挑戦性障害 行為障害 いじめ 非行 分離不安障害、パニック障害教育的支援1
暴力
,反社会的行動に対しては断固許さな
い
一貫した指導
否定よりも肯定的指示(より簡潔に)
HFPDDには具体的指示で
,見通しをもた
せる
深呼吸
不安が強く、場慣れが悪い
気質 発達障害 情緒の問題 反応性愛着障害 分離不安 選択的緘黙 社交性のない家族の影響 不安障害 強迫性障害教育的支援1
保護者への共感と様子を見る(気質)
予測を持たせる
,視覚ヒントの活用(PDD)
ほめることと自信を持たせる(MR等)
イライラしたら離れる
,友達といて楽しいと
感じる時間を探す(反応性愛着)
得意な科目
,好きな科目から自信をもたせ
る
,話さなくていいことの保証(選択的緘黙)
教育的支援2
子どもと一緒にいる時間を増やす、せかさ
ない(分離不安)
不安症状への共感と慣れ(不安障害)
強迫症状への共感(強迫性障害)
医療機関との連携
多動・衝動性の高い
子どもへの指導の実際
止まることへの課題 「フリーズド」「しこ」「押す遊び」「踏みしめ」 など 衝動性への課題 「場を変える」「走る」「できないことに目をつぶる」 「できることを体験的に」 指示の出し方 「短く具体的に」「その場で」「視覚的指示」多動・衝動性の高い
子どもへの指導の実際
課題の設定
「見通しを持たせる」「時間の分割」
学習の姿勢⇒作業的課題⇒まとめ
机の整理と姿勢緊張
動く課題の設定
できた喜びと見通し
目先を変える
具体的課題例
注意集中の課題
興味のある課題(ゲーム等)からの展開
できた喜びと見直し課題
点検の仕方を具体的に(線を引く、印をつ
ける等)
苦手なところの克服課題
情報整理の仕方、補助機器の使用等
学習面での課題と対策
文字の読み書きへの対策
読む部分だけ見せる
指でなぞる
マーカー等で印をつける
行をあけて書く
見て書く、手に書く、手を見て書く
回数より一字を丁寧に
学習面での課題と対策
不器用への対策
感覚遊びの経験
笛と粘土(連合反応と触圧刺激経験)
運動での成功体験
巧緻運動課題の精選
使いやすい道具の選択
コミュニケーション、対人関係
への指導の実際
保護者への子どもの理解
ことばの意味概念への指導
人とかかわる楽しさの理解
相手にも感情があることの理解
ひとりと集団
自己評価の大切さ
心の問題を考える
人としての発達を考える
自発的微笑と社会的微笑 ターン・テーキング(コミュニケーションとタイミン グ) 表情の識別(不安の始まり) アタッチメント(子どもからの積極的な働きかけに よって生まれる) ミルクよりも温かさ(ハーローの実験より) マターナル・ディプリベーション(親子関係の喪失、 剥奪)と無感動、無気力、攻撃性ストレスについて考える
心の負担になる出来事や状況により
,その
人の内部に生じる緊張状態
環境因子→適応障害→抑うつ、不安感
,イ
ライラ感、不登校、対人トラブル等
適応障害→身体症状→心身症(胃潰瘍、
偏頭痛等)
ストレスの高い子ども
先生にくっつきまわる 保健室によくくる 必要以上に明るくふるまう よく休む 感情の起伏が激しい 友達とよくトラブルを起こす しゃべらない 表情筋の動きが乏しい 他最近のストレス
不登校
緘黙
PTSD
虐待
愛着障害
受験
いい子ちゃん症候群
他
早期発見の仕方
姿勢緊張から(首肩あたりの緊張)
表情筋
心の病の分類
精神障害と精神病
精神障害(精神の異常や偏りを示す広い
概念)神経症、人格障害、心身症、
PTSD
等
精神病(精神障害より重度で、幻覚や妄想
なの症状を示す)統合失調症、躁鬱病等
ICD10と
DSM―Ⅳ
神経症
ヒステリー(癲癇ヒステリー、解離ヒステリー) 心の葛藤と心の傷 恐怖症(空間、社会、特定) 置き換え(万引きと雑踏) 強迫症(打ち消し儀式、手洗い、鍵等) パニック障害(心的要因と生物学的要因)人格障害
依存性、回避性、強迫性