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博士(医学)早川敏文 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(医学)早川敏文 学位論文題名

鼠ウヅ励ガ除菌後の長期経過における逆流性食道炎の推移 学位論文内容の要旨

【籍菖】

  疫 学的 な研 究か ら逆 流性 食道 炎患 者における耳ガめガ罹患率は対照群と比較して低い関 係に あり 、鼠 ガめ ガ感 染が 逆流 性食 道炎の発症を防御している可能性が指摘されている。

しかし、I:L砂bガ除菌成功後に逆流性食道炎の発生リスクが高まると゛の報告がある一方、

除菌は逆流性食道炎も含めGEIm(gaSIニr∞sop眦eallrenuxdi鱒a鴕:胃食道逆流症)の発症 に 影 響 しな いとの 報告 もみ られ る。GERDは酸 性の 胃内 容物 が食 道内 ヘ逆流 する こと によ り引 き起 こさ れる 病態 の総 称で ある が、その約半数を占める内視鏡的な逆流性食道炎につ いても″.ガめ灯除菌後の経過は明らかとたっていなぃ。そこでH¢′わガ除菌前後の逆流性 食道 炎の 変化 を明 らか にす るこ とは ,耳ガめ灯感染との因果関係を考える上で重要である と考え、″..ガめガ除菌後7年間にわたり定期的に内視鏡検査がなされた症例を対象にして 逆 流 性 食 道 炎 の 除 菌 後 に お け る 長 期 的 な 推 移 に つ い て 検 討 を 行 っ た 。

【対象と方法】

  19り3年か ら1998年ま での 期間 に″ .ガ めガ 除菌 に成 功し た患 者において2005年までの 問 に7年 間 連 続 し て 年1回以 上 の 内 視 鏡 検 査 で 経 過 観 察 さ れ た 患 者77例を 対象 とし た。

内 視 鏡 検 査 は 除 菌 前 、 除 菌 後1か 月 、6か 月 、1年 後 、 そ の 後 は1年 に1回 継 続 し て 行 わ れ、 その 際、迅速ウレアーゼ試験、培養、組織学的検査、尿素呼気試験でHめ 細灯陰性が 持続していることを確認した。

  こ れら の対 象を 逆流 性食 道炎 の除 菌前後での推移により、除菌前より逆流性食道炎が存 在し 持続 した 持続 群、 除菌 後発 症が みられた発症群、除菌後一過性に出現がみられた一過 性 群 、 逆 流 性 食 道 炎 が 全 く 観 察 さ れ な か っ た 正 常 群 の4群 に 分 類 し た 。   内 視 鏡 的 萎 縮 の 程 度 は木 村 ・ 竹 本 分 類 に 基 づ き03,02,01,Cl,C2,C3に 分類 し、

逆流性食道炎の重症度はLosんlgcles分類で評価した。

血 清 ペ プシ ノゲン 値の 評価 に際 して はプ ロト ンポ ンプ 阻害 薬が 継続 投与さ れて いた 一過 性 群 の1例 を 除 外 し た 。 除 菌 後6か 月 と 除菌後7年 の血 清ペ プシ ノゲ ン値の 推移 につ いて はペアーの保存血清が残っていた55例を対象とした。

  2群間 の比 較に はズ2testを用 いた 。除菌7年後の血清PGl/2平均値の経過群別の比較には Mann−WhぬeyU‐teStを 用い た。 血清PG1及び 血清PGl/2の経 時的 変化の解析は7年後と6か 月後の値の差をとり、血清PG1ではカットオフく5.Ong/ml、血清PGl/2ではカットオフくo.4 で高変化、低変化に分類した後ズ2testを用いた。有意水準0.05未満を統計学的に有意差あ りとした。

【結果】

  逆 流 性 食 道 炎 の 推 移 によ る 分 類 で は 、持続 群11例、 発症 群13例、 一過 性群6例、 正常

(2)

群47例であった。

  除 菌後7年目 での 経過 群別 の内 視鏡 的な 胃粘 膜萎 縮所 見の構 成を03,02を 萎縮 高度 群、

01,C3を 萎 縮 中 程 度 群 、C2,Cl,nonを 萎 縮 軽 度 群 に 分 類 し て比 較し た場 合、 持続 群は 萎 縮 軽 度 群 の 占 め る 割 合 が 正 常 群 よ り 有 意 に 高 か っ た (P‑‑0.014)。   食道 裂孔 ヘル ニア の合 併率 を検討 した とこ ろ、 発症 群、 持続群では正常群と比較して有 意にヘルニアの合併率が高かった(P〓O.O01,P〓め.0182)。

  7年 後 の 血 清PGl/2の 平 均 値 は 、 持 続 群 で は正 常 群 に 対 し 血 清PGl/2が高 い傾 向が 示さ れたが、有意差は認めなかった(P 0.186)。

  除 菌前 から 除菌7年後 の変 化で 、木 村・ 竹本 分類 にお いて萎 縮の 程度 が一 段階 の改 善が み られ た症 例を 改善 、変 化の 無かっ た症 例を 不変 、悪 化し た症例を悪化として分類した場 合 、 全 体 の77例 中27例(35.1% ) が 改 善 、35例(45.4% ) が 不 変 、15例(19.5% ) が 悪 化 とな った 。発 症群 では 正常 群と比 較し て内 視鏡 的萎 縮が 改善した割合が有意に高かった

(P=O.035)。

  血 清PG1の 除 菌6か 月 後 か ら7年 後 ま で の 変 化 し た 値 を5.Ong/mlを 境 に 高 変 化 と 低 変 化 に 分 類 し た 場 合 、 発 症 群 で は 血清PG1の 値が5.Ong/ml以上 の増 加が みら れた 症例 が有 意 に多かった(p〓o.0138)。血清PG1/2の除菌6か月後から7年後までの変化した値をO.4 を 境 に高 変化 と低 変化 に分 類した 場合 、有 意差 はみ られ なか った が発 症群 では 血清PGl/2 の値が0.4以上の増加が見られた症例が多かった(P卸.1241)。

【考察】

  今回 の検 討で は鼠 ガfDガ感 染のあ る日 本人 を対 象に 、除 菌前後での逆流性食道炎の長期 的 な推 移に つい て検 討し た。 明らか とな った 結果 のー っは 食道裂孔ヘルニアの存在は除菌 の 有 無 に 関 わ ら ず 逆 流 性 食 道 炎 発 症 の り ス ク に な っ て い る こ と で る 。   除 菌後7年間 の変 化で は発 症群 は正 常群 に対 して 内視 鏡的萎 縮が 改善 した 割合 が有 意に 高 く、除菌後の逆流性食道炎の発症には胃粘膜の萎縮の改善が関与していると考えられた。

  血 清PGl/2は 以前 よ り 胃 粘 膜 の 萎 縮 に 伴 い 低 下 す る こ と が 知ら れて おり 、炎 症が 消失 し た 除 菌 後6ケ 月 後 と7年 後 の 血 清PG1/2値 は 胃 粘 膜 の 萎縮 状 態 を 表 し て い る と 考 え ら れ る。 また 、最 近に なり ″. .ガめガ感染のない状態では血清PGl値は胃酸の分泌能と良く 相 関す るこ とが 報告 され てい る。今 回の 検討 で、 発症 群と 正常群において血清PG1,PGl/2 の 除 菌 後6ケ 月 から 除 菌7年 後 の 変化 を比 較す ると 発症 群では 正常 群よ りも 増加 の変 化が 大 き い こ と が 示 さ れ た 。 す な わ ち 血 清PG1お よ び 血 清PGl/2の 増 加 は 酸 分 泌 能 の 改 善 を 意 味し てお り、 除菌 後の 胃酸 分泌能 の改 善が 逆流 性食 道炎 の発症に関わっていることが示 唆 さ れ た 。7年 後 の 血 清PGl/2値 は 持 続 群 で は 正 常 群 に 対し 高 い 傾 向 が 示 さ れ た 。 血 清 PGl/2値か らは 萎縮 の少 ない 胃粘 膜が 示唆 され 、こ れは 内視鏡 的萎 縮所 見と ほば ー致 する ものであった。今回の結果から、″..ガめガ除菌後に発症する逆流性食道炎のりスクとして 食 道裂 孔ヘ ルニ アの 存在 と酸 分泌能 の回 復が 挙げ られ た。 除菌治療を受けた患者を経過観 察 す る 上 で 血 清PG1や 血 清PG1/2の マ ー カ ー が 除 菌 直 後 よ り 増加 して くる 症例 にっ いて は流性食道炎の発症を予測できることが可能と思われた。

【結語】

  Hめ′ めガ 除菌 が逆 流性 食道 炎の発症に関与している事が示された。除菌後に発症する逆 流 性食 道炎 は胃 粘膜 の萎 縮の 改善と 関連 して いる こと が示 唆された。逆流性食道炎の発症 と持続には″..ガめガ除菌の有無に関わらず食道裂孔ヘルニアが大きく関与していた。除菌 前 から逆流性食道炎が認められた持続群では萎縮の少ない胃粘膜背景をもつ例が多かった。

(3)

学位論文審査の要旨

学 位 論 文 題 名

H.pylori 除菌後の長期経過における逆流性食道炎の推移

  H.砂比刪除菌前後の逆流性食道炎の変化を明らかにすることは,″.ガたW感染 の 有 無に よ る 影響 を 考え る 上 で重 要 で あり,申 請者は除 菌後7年間 の長期に わ た り 内視 鏡 検査に基 づく逆流 性食道炎 の推移につ いて77症例 の検討を 行い,迅 速ウレアーゼ試験,培養,組織学的検査,尿素呼気試験で貝め′´D′f陰性持続を確認 し , 除菌 後6か 月 目と7年 目 のペ ア ー の保 存 血清 が 残 って い た55例 を対 象とし て 血 清ベ プ シノゲン 値の推移 について 検討を加え た.逆流 性食道炎 の除菌前 後 の 経 過に よ る 分類 で は, 持 続 群11例 ,発 症群13例, 一過性群6例,正常 群47例 で あ っ た . 持 続 群 で の7年間 の 経過 で は 逆流 性 食道 炎 の 野deの 変化 は ほと ん ど み られ ず , 除菌 後7年 目で の 胃 粘膜 萎 縮の程度 の比較で 持続群は 萎縮軽度 群

(C2,C1,n伽)の占める割合が正常群より有意に高く,血清PGl/2値が高い傾向か ら も 萎縮 の 少ない胃 粘膜が裏 付けられ た,持続群 ,発症群 では正常 群と比較 し て 有意に食道 裂孔ヘル ニアの合 併率が高 かった, 除菌前と 除菌7年後で,木村・

竹 本 分類 で の萎縮の 程度の変 化を調べ た結果,発 症群では 正常群と 比較して 内 視 鏡 的萎 縮 が 改善 し た割 合 が 有意 に 高 かっ た ,血 清PG1と,PG1/2の除菌6か 月後から7年後までの変化した値をそれぞれ5.Ong/ml,0.4を境に分類した場合,

発 症 群で は 血 清PG1の 値が5.0n如1以上 の増 加がみられ た症例が 有意に多 く,

有 意 差は み られなか ったが発 症群では 血清PG1/2の値 も0.4以上 の増加が 見ら れ た 症例 が 多かった .これら の増加は 酸分泌能の 改善を意 味し,以 上の結果 よ りH・¢′めヵ除菌後に発症する逆流性食道炎のりスクとして食道裂孔ヘルニアの 存 在と胃粘膜 萎縮改善 に伴う酸 分泌能の回復が深く関与している事が示された.

  口頭 発 表 に際 し , 副査 近 藤教 授 よ り, 食 道裂 孔 ヘ ルニ ア と除 菌 に よる酸分 泌 能 の改 善 が独立し た因子か どうか, 今後更に経 過を見た 場合,経 過群の比 率 が 変化する可 能性の有 無などに ついての質問が有った.これに対して申請者は,

夫 博

隆 正

池 香

小 浅

授 授

教 教

査 査

主 副

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2つの因子は基本的には独立した因子であること,今後経過観察を続けた場合,

比率の変化の可能性はあるが長期になるほどagingの問題が関与するため予想 が難しい旨を回答した.次いで主査小池教授よりH.砂轟刑感染期間と胃粘膜 萎縮との関連の有無,萎縮の程度と進展の個体差,性差の有無,持続群の背景 に特異的なものが存在するか否かについての質問があった.これに対して申請 者は,耳ガZ洲の菌株、感染者の個々の状態にも影響するとは考えられるが基本 的には長期的な感染により徐々に胃粘膜の萎縮が進展すること,持続群では十 二指腸潰瘍症例が多く前庭部胃炎が主体であり,除菌前は高酸状態にあり逆流 性食道炎が生じやすい状態にあると回答した.次いで副査浅香教授より。逆 流性食道炎に対する除菌と食道裂孔ヘルニアの影響の比較,ヘルニア患者の除 菌前のインフオームドコンセントのあり方,GERD全体を考えた場合の除菌の 影響についての質問があった.これに対して申請者は,発症群では食道裂孔ヘ ルニアの合併率は85%と高ため,除菌により胃酸分泌が増加する影響とへルニ アの影響の相互作用により 生じる可能性が高いと回答した.二番目の質問に対 してはヘルニアの存在が除菌後の逆流性食道炎の発症率を増加させることは結 果からも明らかであり,該当患者については逆流性食道炎の発症について十分 な説明が必要と考えられると回答した.三番目の質問に対しては除菌のGERD 全体像への影響として重大なものは無いと思われると研究結果に基づぃて回答 した.

  本研究は,除菌後の長期経過における逆流性食道炎の発症形態と成因につい て 胃 粘 膜 萎 縮 の 改 善 と の 関 係 を 明 ら か に し たこ と で高 く 評価 さ れた .   審査員一同は,これらの成果を高く評価し,大学院課程における研鑽や修得単 位なども併せ申請者が博士(医学)の学位を受けるのに十分な資格を有するも のと判定した.

参照

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