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セルロースナノファイバーの熱伝導特性の解明

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Academic year: 2022

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(1)※ ホームページ等で公表します。 (様式1) 立教SFR-個人-報告. 立教大学学術推進特別重点資金(立教SFR) 個人研究 2014年度研究成果報告書2. 所属部局・職 研究代表者. 理学部・助教. 研 究 課 題. 上谷. 幸治郎. 印. セルロースナノファイバーの熱伝導特性の解明. 研 究 期 間. 研 究 経 費. 氏 名. 2014. 年 度. (支出金額)590,148円/(採択金額)1,000,000円. 研究の概要 (200~300字で記入、図・グラフは使用しないこと). 天 然 に 生 産 さ れ る セ ル ロ ー ス ナ ノ フ ァ イ バ ー (CNF)の 高 結 晶 性 に 着 目 し 、 電 子 回 路 基 板 へ の 応 用 が 期 待 さ れ る CNF の 不 織 シ ー ト 材 料 に つ い て 熱 伝 導 特 性 を 解 明 す る 事 を 目 的 と し た 。 繊 維 長 や 繊 維 径 、 結 晶 性 な ど 特 徴 が 異 な る CNF を 用 い て 熱 物 性 と の 関 係 を 調 査 し た 。 セ ル ロ ー ス I 型 結 晶 を 有 す る CNF 同 士 に お い て 、 平 均 の 結 晶 断 面 積 と 熱 拡 散 率が相関することが確認され、フォノン伝導におけるサイズ効果の発現が示唆された。 赤 外 線 サ ー モ カ メ ラ に よ る 温 度 分 布 測 定 よ り 、 一 端 を 加 熱 さ れ た CNF 材 料 が 同 一 厚 さ のポリマーフィルムに比べ高い熱伝導性を示すことが確認された。. キーワード(研究内容をよく表しているものを3項目以内で記入。). 〔熱物性. 〕 〔セルロース. 〕 〔高分子材料. 〕.

(2) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-1) 立教SFR-個人-報告. 研究成果の概要(図・グラフ等は使用しないこと。). 天 然 ポ リ マ ー で あ る セ ル ロ ー ス は 、 樹 木 細 胞 壁 な ど で 幅 3~20 nmの セ ル ロ ー ス ミ ク ロ フ ィ ブ リ ル と し て 生 産 さ れ 、種 々 の 解 繊 処 理 に よ っ て セ ル ロ ー ス ナ ノ フ ァ イ バ ー ( C N F ) と し て 抽 出 さ れ る 。 こ の CNFは セ ル ロ ー ス 分 子 鎖 の 伸 び き り 鎖 に よ る 高 い 結 晶 性 を 有 し 、高 弾 性 ・ 低 熱 膨 張 ・ フ レ キ シ ブ ル ・ 軽 量 ・ 透 明 と い う 優 れ た 特 徴 を 併 せ 持 つ 。そ の た め C N F は 、太 陽 電 池 や 電 子 ペ ー パ ー の フ レ キ シ ブ ル 透 明 基 板 材 料 と し て 利 用 が 期 待 さ れ て い る 。一 方 、こ れ ら の 電 子 機 器 で は 、回 路 の 集 積 化 や 微 細 化 に 伴 い 発 熱 密 度 が 増 加 し 、局 所 加 熱 部 位( ヒ ー ト ス ポ ッ ト )が 生 じ や す い 。電 子 機 器 の 熱 暴 走 を 阻 止 す る た め に は 、排 熱 機 構 の 設 計 が 不 可 欠 で あ り 、回 路 基 板 な ど の 周 辺 構 成 部 品 に は ヒ ー ト ス ポ ッ トを緩和し温度を下げるための熱拡散性能が求められる。 従 来 か ら セ ル ロ ー ス 繊 維 は 、熱 伝 導 性 が 低 い こ と が 特 徴 で あ る “ 断 熱 材 ” と し て 家 屋 建 材 な ど に 利 用 さ れ る 。こ れ は C N F の 集 合 体 で あ る パ ル プ 繊 維 に よ る 低 密 度 の ス ポ ン ジ 状 セ ル ロ ー ス が 低 熱 伝 導 率( 断 熱 性 )を 示 す た め で あ る 。セ ル ロ ー ス の 伝 熱 媒 体 と し て の 用 途 は 、原 料 繊 維 を 縒 っ た 絹 糸 ・ 綿 糸 に よ る 衣 服 用 布 な ど に 見 ら れ る が 、熱 物 性 の 知 見 は 少 な く 、 CNFそ の も の の 熱 特 性 は 未 解 明 で あ る 。 一 方 、熱 硬 化 性 ポ リ マ ー の 一 種 で あ る エ ポ キ シ 樹 脂 と CNFを 複 合 し た シ ー ト 状 材 料 の 熱 伝 導 率 が 約 7倍 に 向 上 す る と 報 告 さ れ 、 1) CNFの 潜 在 的 な 高 熱 伝 導 性 が 示 唆 さ れ て い る 。 シ ー ズ 材 料 で あ る CNFの 用 途 拡 大 に 対 し 、 CNFそ の も の の 熱 伝 導 特 性 を 解 明 す る こ と は 急 務 の 課 題 と な っ て い る 。 一 般 的 に 、ポ リ マ ー は 熱 伝 導 性 が 低 く 断 熱 性 を 示 す が 、分 子 配 列 に 規 則 性 を 持 た せ る 結 晶 化 に よ り 高 い 熱 伝 導 性 を 発 揮 す る こ と が 知 ら れ る 。例 え ば ポ リ エ チ レ ン は 、極 度 に 延 伸 さ せ る と 鉄 を 凌 ぐ ほ ど の 高 熱 伝 導 率 に 達 す る と 報 告 さ れ た 。2 ) し か し 、高 結 晶 化 す る た め の 超 延 伸 操 作 な ど の 人 為 的 な 処 理 が ボ ト ル ネ ッ ク と な り 、熱 可 塑 性 樹 脂 を 用 い た 高 熱 伝 導 材 料 は 1 次 元( 繊 維 )形 態 に と ど ま っ て い る 。ま た 、石 油 由 来 ポ リ マ ー に 炭 素 繊 維 や カ ー ボ ン ナ ノ チ ュ ー ブ 、窒 化 ホ ウ 素 、窒 化 ア ル ミ ニ ウ ム 、あ る い は 銀 粒 子 な ど の 無 機 ・ 金 属 系 熱 伝 導 フ ィ ラ ー を 複 合 し た 各 種 熱 拡 散 材 料 が 提 案 さ れ て い る が 、透 明 性 や フレキシビリティに欠け用途が異なる。 ス ー パ ー 繊 維 と し て 知 ら れ る 高 弾 性 ポ リ マ ー 繊 維 に お い て 、弾 性 率 と 熱 伝 導 率 に 正 の 相 関 が 示 さ れ て い る 。 3) 本 研 究 で 対 象 と す る CNFは 、 天 然 ポ リ マ ー で あ り な が ら ア ラ ミ ド 繊 維 に 匹 敵 す る 高 弾 性 を 有 す る と 報 告 さ れ 、 4) こ の 点 で も 高 熱 伝 導 特 性 の 示 唆 が 見 受 け ら れ る 。分 子 の 配 列 規 則 性 が な い 非 晶 ポ リ マ ー に 比 べ 、結 晶 は 格 子 振 動 を 伝 達 し や す い た め 一 般 的 に 熱 伝 導 率 が 高 い 。ま た 通 常 の ポ リ マ ー に 見 ら れ る 折 り た た み 鎖 結 晶 ( ラ メ ラ )と ア モ ル フ ァ ス の 混 合 相 に 比 べ 、結 晶 化 度 が 高 く 結 晶 格 子 が 連 続 し た 伸 び き り鎖結晶相がより熱伝導に有利と考えられた。 本 研 究 は 、C N F を 積 層 さ せ た 紙 状 材 料 の 熱 伝 導 特 性 お よ び そ の 影 響 因 子 を 明 確 化 す る こ と を 目 的 と し 、 CNF の 結 晶 性 な ど 諸 パ ラ メ ー タ に つ い て 熱 伝 導 特 性 の 違 い を 調 査 し た 。解 析 に 先 立 ち 、半 透 明 で あ る C N F 材 料 の 熱 特 性 を 非 定 常 法 で あ る 周 期 加 熱 放 射 測 温 法 を 用 い て 評 価 す る た め の 前 処 理 法 を 確 定 さ せ た 。試 料 に 加 熱 光 が 透 過 せ ず 熱 を 吸 収 さ せ 、同 時 に 温 度 変 化 を 検 出 で き る よ う 、試 料 表 面 に 黒 化 膜 を 形 成 し 放 射 率 を 一 定 と し た 。 こ の 前 処 理 に よ り 測 定 系 理 論 に 合 致 す る 温 度 傾 向 を 観 測 し た た め 、以 後 の 測 定 に 対 し て 適 用 す る こ と で CNF材 料 の 熱 伝 導 特 性 を 評 価 し た 。.

(3) ※ ホームページ等で公表します。 (様式2-2) 立教SFR-個人-報告. 研究成果の概要(つづき). 調 整 し た CNF 試 料 は す べ て Cellulose I 型 結 晶 を 含 む こ と が X 線 回 折 よ り 示 さ れ た 。 P s e u d o - Vo i gt 関 数 に よ る ピ ー ク フ ィ ッ テ ィ ン グ か ら 結 晶 構 造 解 析 を 行 っ た 結 果 、 相 対 的 結 晶 化 度 と 面 内 方 向 の 熱 伝 導 率 が 荒 い 相 関 を 示 す こ と を 確 認 し た 。 さ ら に X線 回 折 プ ロ フ ァ イ ル の 結 晶 性 ピ ー ク か ら 各 回 折 面 の 平 均 結 晶 子 幅 を 求 め 、結 晶 の 平 均 的 な 断 面 構 造 を 推 定 し た 。こ の 構 造 を 元 に 暫 定 的 に 見 積 も っ た 結 晶 の 平 均 断 面 積 が 、面 内 方 向 の 熱 拡 散 率 に 対 し 強 い 相 関 を 示 す こ と が 見 出 さ れ た 。ま た 、測 定 可 能 な 範 囲 の 繊 維 長 と 熱 拡 散 率 が ほ と ん ど 相 関 し な い と い う 結 果 か ら も 、温 度 の 伝 搬 に 対 し て セ ル ロ ー ス 結 晶 幅 あ る い は 断 面 サ イ ズ が 支 配 的 で あ る と 考 え ら れ る 。す な わ ち 、系 の 代 表 サ イ ズ に よ っ て フ ォ ノ ン の 平 均 自 由 行 程 が 制 限 さ れ る サ イ ズ 効 果 5),6)が 発 現 し た 可 能 性 が 示 唆 さ れ た 。 結晶性ナノ繊維が互いに接続する材料内部では、熱抵抗を生じる界面積が大きいた め 、熱 の 伝 播 媒 体 で あ る 繊 維 が 長 い ほ ど 界 面 の 影 響 を 受 け に く く 、よ り 遠 く ま で ス ム ー ス に 熱 が 輸 送 さ れ る と 予 想 さ れ た 。し か し 実 際 は 、C N F の 繊 維 長 と 熱 拡 散 率 の 間 に ほ と ん ど 相 関 が 見 ら れ な か っ た 。 ま た 、 厚 み 方 向 の 熱 拡 散 率 が 、 面 内 方 向 よ り 小 さ く 、結 晶 化 度 や 繊 維 径 に 関 わ ら ず 全 て の 試 料 で ほ ぼ 同 一 で あ っ た 。C N F 同 士 の 界 面 に お い て 、大 きな接触熱抵抗が存在することが示唆された。 電 子 回 路 の 基 板 に も 用 い ら れ る 石 油 由 来 ポ リ マ ー の フ ィ ル ム に お い て 、厚 み 方 向 よ り 面 内 方 向 で 高 い 熱 伝 導 率 が 観 測 さ れ た 。こ れ ら の フ ィ ル ム に 比 べ 、C N F 試 料 は 明 ら か に 高 い 面 内 方 向 熱 伝 導 率 を 示 し た 。C N F 試 料 の 片 側 を 熱 板 に 挟 み 、定 常 状 態 に 達 し た 場 合 の 表 面 温 度 分 布 を 赤 外 線 サ ー モ カ メ ラ に よ り 観 測 し た と こ ろ 、同 一 厚 さ の ポ リ マ ー フ ィ ル ム よ り 高 温 域 が 広 が り 、C N F 試 料 が 定 常 状 態 で 高 い 熱 伝 導 特 性 を 示 す こ と が 確 認 さ れ た 。以 上 か ら 、天 然 セ ル ロ ー ス の 伸 び き り 鎖 結 晶 が 効 果 的 に フ ォ ノ ン を 輸 送 す る こ と が 明確になった。 [参 考 文 献 ] ( 1 ) S h i ma z a ki , Y. ; M i ya za ki , Y. ; Ta ke za w a , Y. ; N o gi , M . ; A b e , K . ; If u ku , S . ; Ya n o , H . B i o m a c ro m o l e c u l e s 2 0 0 7 , 8 , 2 9 7 6 − 2 9 7 8 . ( 2 ) S h e n , S . ; H e n r y, A . ; To n g, J . ; Z h e n g , R . ; C h e n , G . N a t . N a n o t e c h . 2 0 1 0 , 5 , 2 5 1 − 2 5 5 . ( 3 ) Wa n g , X . ; H o , V. ; S e ga l m a n , R . A . ; C a h i l l , D . G . M a c ro m o l e c u l e s 2 0 1 3 , 4 6 , 4 9 3 7 − 4 9 4 3 . ( 4 ) I w a m o t o , S . ; K a i , W. ; Is o ga i , A . ; I w a t a , T. B i o m a c ro m o l e c u l e s 2 0 0 9 , 1 0 , 2 5 7 1 − 2 5 7 6 . (5) 『 ナ ノ ・ マ イ ク ロ ス ケ ー ル 熱 物 性 ハ ン ド ブ ッ ク 』 日 本 熱 物 性 学 会 編 , 養 賢 堂 , 2014. (6) 『 固 体 物 理 学 入 門 第 8 版 』 C. キ ッ テ ル 著 , 丸 善 出 版 , 2005.. ※ この(様式2)に記入の、成果の公表を見合わせる必要がある場合は、その理由及び差し控え期間 等を記入した調書(A4縦型横書き1枚・自由様式)を添付すること。.

(4) ※ ホームページ等で公表します。 (様式3) 立教SFR-個人-報告. 研究発表 (研究によって得られた研究経過・成果を発表した①~④について、該当するものを記入してください。該当するものが多い 場合は主要なものを抜粋してください。 ) ①雑誌論文(著者名、論文標題、雑誌名、巻号、発行年、ページ) ②図書(著者名、出版社、書名、発行年、総ページ数) ③シンポジウム・公開講演会等の開催(会名、開催日、開催場所) ④その他(学会発表、研究報告書の印刷等). ①. 雑誌論文 該当なし. ②. 図書 該当なし. ③. シンポジウム・公開講演会等の開催 該当なし. ④. その他 1. 岡田拓巳、上谷幸治郎、大山秀子 「セルロース系ナノ材料の熱伝導特性」 第 64 回高分子学会年次大会 (2015 年 5 月、札幌) (発表予定) 2. 岡田拓巳、上谷幸治郎、大山秀子 「セルロースナノ材料の熱伝導特性」 平成 27 年度繊維学会年次大会 (2015 年 6 月、東京) (発表予定).

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