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Academic year: 2021

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論文内容要旨

Human mesenchymal stem/stromal cells suppress spinal inflammation in mice with contribution of pituitary adenylate cyclase-activating polypeptide (PACAP).

(ヒト間葉系幹/間質細胞は下垂体アデニレートシクラーゼ活性化ポ リペプチド(PACAP)の関与によりマウスの脊髄の炎症を抑制する)

Journal of Neuroinflammation 2015 年 掲載予定

生理系解剖学顕微解剖学分野専攻 圓谷 智海

【背景】

ヒト成人骨髄由来間葉系幹/間質細胞(hMSCs)の細胞移植は、脳虚血や 脊髄損傷(SCI)などの神経損傷の神経細胞死の改善に寄与することが報 告されている。一方神経ペプチドである下垂体アデニレートシクラーゼ活 性化ポリペプチド(PACAP)もまた神経損傷を軽減することが知られてい る。以前、申請者らのグループは、脳虚血後に hMSCs 移植を受けたマウス は、マウス PACAP 遺伝子(

Adcyap1

)の発現が移植もしくは虚血のみを受 けた動物に比べ増大することを見いだした。しかし、PACAP と hMSCs の関 わりや神経損傷に対する役割はよく分かっていない。申請者は hMSCs の神 経損傷抑制作用に、

Adcyap1

が関与しているという仮説を立て、野生型(WT)

および

Adcyap1

+/-マウスを用い SCI 後の hMSCs の有用性を検討した。さら に、hMSCs による抗炎症作用に着目し、マウスおよびヒトサイトカイン遺 伝子の発現に対する作用についても調べた。

【材料と方法】

WT および

Adcyap1

+/-マウスに第 11/12 胸椎椎間の脊髄離断手術を行い、

術後1日目に hMSCs(5×105個)を 1 椎体尾側の脊髄に移植した。SCI 後 最大 7 日間、下肢を中心とした自発運動能、損傷体積、hMSCs の残存量、

Adcyap1

発現量およびマウスもしくはヒトサイトカインの遺伝子発現量を

評価した。

【結果】

WT マウスに hMSCs を移植(WT/hMSCs)すると、溶媒投与対照群(WT/HBSS)

に比べ、自発運動能や損傷体積が改善した。それに対し、凍結融解により 破壊した hMSCs を WT マウスに移植した場合や、hMSCs を

Adcyap1

+/-マウス に移植(KO/hMSCs)した場合は損傷抑制効果を認めなかった。WT/hMSCs

(2)

は、

Adcyap1

発現量が増加し、脊髄前角細胞で PACAP の陽性反応が観察さ れた。hMSCs は移植後、漸次的に減少したが、移植後損傷領域に向かい遊 走している像が観察された。WT/hMSCs は、WT/HBSS に比べ IL-1、TNFα、

IL-10、TGFβ の遺伝子レベルが減少し、IL-4 遺伝子の発現は増加した。

さらに、WT/hMSCs は代替経路型マクロファージマーカーが増加した。し かし KO/hMSCs は、IL-1、TNFα、TGFβ、IL-4 遺伝子レベルは WT/HBSS と ほぼ変わらなかった。WT/hMSCs はヒト由来の抗炎症および成長因子の増 加が認められたが、KO/hMSCs はそれらの遺伝子発現は抑制された。hMSCs の培養細胞は、IFNγ の暴露により

ADCYAP1

やその受容体の増加を認めた。

【結論】

以上の研究結果は、hMSCs が PACAP を部分的に介することで、SCI に付 随する有害反応を軽減させる可能性を示唆した。その作用には IL-4 産生 が関与している可能性が考えられる。

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