アニュアルレポート
2012
2012年3月期
Flight Path to New Horizons
編集方針 ANAグループは、企業価値の向上に向け、ステークホルダーの皆様とのコミュニケーションを通じ、安心と信頼の確立を目 指しています。本冊子では、経営戦略や事業概況、経営体制などのご報告に加え、ANAグループのCSR活動についても幅広 くお伝えすることを目的としています。 なお、CSR 活動については、社会とANAグループにとって特に重要と考えるテーマを選定し、本冊子に掲載しています。 ホームページではより詳細な内容を掲載していきますので、ぜひご覧ください。 CSRサイトアドレス: http://www.ana.co.jp/ana-info/ana/csr 代表取締役社長
伊東 信一郎
1
ANAグループは、事業の視点を世界に置いて成長を目指すこと、そして世界のお客様に
「ANAの価値を届けたい」という想いを基に、
「世界の旅客・貨物輸送を担う、アジアを
代表する企業グループを目指す」というグループ経営ビジョンを掲げています。
このビジョン実現に向け、ANAグループは、激変する経営環境に迅速に対応し、あらゆる
分野の革新を続けることで、より強く生まれ変わり、さらなる飛躍を果たしていきます。
今回のアニュアルレポートでは、新たな挑戦に向けて、成長への道筋を邁進するANA
グループの取り組みを、空の旅路になぞった章立てで構成しています。
アニュアルレポート2012のフライトをお楽しみください。
Welcome aboard
アニュアルレポート
2012
将来予測に関する特記 このアニュアルレポートには、当社の現在の計画、見積り、戦略、確信に基づく見通しについての記述がありますが、歴史的な事実でないものは、すべて 将来の業績にかかわる見通しです。これらは、このアニュアルレポートの発行時点で入手可能な情報から得られた当社の経営陣の判断および仮説に基づい ています。 当社の主要事業である航空運送事業には、空港使用料、燃料税など、当社の経営努力では管理不可能な公租公課がコストとして発生します。また、実際 の業績に影響を与えうる重要な要素としては、経済の動向、急激な為替相場、原油価格の変動ならびに災害のリスクなどがあります。これらのリスクと不確 実性のために、将来の当社の業績は、このアニュアルレポートに記述された内容と大きく異なる可能性があります。 したがって、このアニュアルレポートで当社が設定した目標は、すべて実現することを保証しているものではありません。ANAグループの目指す姿
アジアを代表するとは
ANAグループ経営ビジョン
ANAグループは 航空事業を中核に、 世界の旅客・貨物輸送を担う、 アジアを代表する 企業グループを目指す。 ◆ クオリティで一番 ◆ 顧客満足で一番 ◆ 価値創造で一番ANAグループ安全理念
安全は経営の基盤であり 社会への責務である 私たちはお互いの理解と信頼のもと 確かなしくみで安全を高めていきます 私たちは一人ひとりの責任ある誠実な 行動により安全を追求しますANAグループ経営理念
基本理念 私たちのコミットメント
ANAグループは、「安心」と「信頼」を基礎に • 価値ある時間と空間を創造します • いつも身近な存在であり続けます • 世界の人々に「夢」と「感動」を届けますとなることである。
アニュアルレポート 20124
Boarding
...
まずは、私たちについてご紹介します。
6 Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜 14 役員紹介 16 ANAグループの2012年3月期
目 次
Takeoff
Climbing
Cruising
18
Takeoff
特集: 「ANAグループ2012–13経営戦略」
...
ANAの成長戦略が発進します。
社長の伊東より解説させていただきます。
20 「ANAグループ2012–13経営戦略」の概要 22 伊東社長による「ANAグループ2012–13経営戦略」の解説34
Climbing
...
駆け上がる、ANAの各事業。
当期の営業概況と今後の戦略をご説明します。
36 航空運送事業 49 旅行事業 50 事業戦略特集: 新たな需要の創出に向けて 〜LCC事業の展開〜 2Boarding
全日本空輸株式会社In-Flight Service
Approach
Landing
148
Landing
...
アニュアルレポート2012はいかがでしたでしょうか?
今後とも、変わらぬご愛顧とご支援を
賜りますよう、お願い申し上げます。
54
Cruising
...
社会とともに持続的な成長を目指す、
私たちの取り組みをご紹介します。
56 ANAグループのCSR 62 安全への取り組み 66 CSR特集: 世界最高水準の安全を確保するために 68 お客様とのかかわり114
In-Flight Service
...
読者の皆様がご利用いただきやすいよう、
パフォーマンスデータをまとめました。
122
Approach
...
ANAグループは財務基盤の強化に取り組んでいます。
財務データの詳細をご覧ください。
3 76 従業員とのかかわり 84 取引先とのかかわり 86 社会とのかかわり 92 環境への取り組み 108 コーポレート・ガバナンスCruising
アニュアルレポート 20124
Boarding
Boarding
Takeoff
Climbing
Cruising
Boarding
...まずは、私たちについてご紹介します。
Boarding
...まずは、私たちについてご紹介します。
全日本空輸株式会社5
In-Flight Service
Approach
Landing
Cruising
Boarding
6 Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜
14 役員紹介
16 ANAグループの2012年3月期
ANAは、1952年の創業から安全運航を第一に
航空輸送サービスを提供し続け、2012年には
60周年を迎えました。おかげさまで年間旅客数が
4,400万人を超える世界トップクラスの航空会
社の一つに成長することができました。このセク
ションでは、ANAグループの事業の特徴や2012
年3月期の業績、役員体制など、ANAグループを
端的にご理解いただける項目をまとめました。
Boarding
アニュアルレポート 2012-542
1600
-10
0
10
20
921
億円843
億円678
億円(542)
億円75
億円970
億円1,100
億円1,300
億円2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
(計画)2014
(計画) (3月期)6.2
%
5.7
%
5.0
%
(4.4)
%
6.9
%
7.3
%
8.3
%
0.5
%
2011-12 経営戦略Strategy
■
営業利益(率)の推移
Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜
6 • 国際線事業の成長 • 財務基盤の確立 • 「アジアNo.1エアライン」の実現 • 強固な経営基盤の確立 • 国際線拡大 による成長 • 環境変化に強い 企業体質の構築 • 経営効率の向上• 強固な収入基盤の確立 • ボラティリティリスク 耐性の確立 新型インフルエンザ流行 羽田空港国際化(6万回) (昼間時間帯3万回 深夜・早朝時間帯3万回) リーマンショック 成田空港拡張 (22万回) 東日本大震災 2006-09 中期経営戦略 2010-11 経営戦略 2008-11 中期経営戦略 全日本空輸株式会社ANAグループは、これまで首都圏空港の容量拡大を見据えながら、世界同時不況や東日本大震災
などの大きな需要変動イベントにも迅速・柔軟に対応した戦略を推進し、着実な成長を遂げてきま
した。今後も、ますます激化するグローバル競争を勝ち抜き、さらなる成長を果たしていきます。
-542
1600
-10
0
10
20
921
億円843
億円678
億円(542)
億円75
億円970
億円1,100
億円1,300
億円2007
2008
2009
2010
2011
2012
2013
(計画)2014
(計画) (3月期)6.2
%
5.7
%
5.0
%
(4.4)
%
6.9
%
7.3
%
8.3
%
0.5
%
7 • 成長戦略の土台づくり • 継続的な財務体質の強化 • グループ経営体制の変革 • 成長を支える事業戦略構築 • 事業環境変動時の対応力 • 財務体質強化の到達目標 成田空港拡張 (27万回) (30万回)成田空港拡張 成田空港拡張 (25万回) 2012-13 経営戦略 (第1フェーズ) (第2フェーズ)2014 以降 2011-12 経営戦略中期目標
営業利益:
1,500
億円以上
営業利益率:
10.0
%以上
Strategy
2010-11 経営戦略 2008-11 中期経営戦略 羽田空港拡張(国際線9万回) (昼間時間帯6万回 深夜・早朝時間帯3万回) アニュアルレポート 20128
Position
ANA
の売上規模は国内航空会社
No.1
。
時価総額でも世界の航空会社の中で
6
位
※です。
※出典:ブルームバーグ(2012年 3月31日現在の旅客航空輸送業 時価総額(米ドル)データ) 全日本空輸株式会社9
Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜 (2012年3月期または2012年3月31日現在)
50.2
※%
国内線 旅客数シェア
15
位
輸送旅客数
(国内線・国際線合計)
15.6
%
国際線事業
(座席キロ伸び率)
37.0
※%
スターアライアンスシェア
(日本発着国際線座席キロベース)
※ 出典: OAG 2012年2月時点(2012年2月のデータ) ※ コードシェア便も含む。 アニュアルレポート 201210
Network
世界最大の航空連合「スターアライアンス」を最大限に活用し、国内線・国際線合わせて
502
路線(コードシェア便を含む)のネットワークを構築しています。
Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜国内線
1,027
便/日
(旅客便・貨物便合計)
コードシェア
国際線
31
※社
国内線
5
※社
国際線
966
便/週
(旅客便・貨物便合計)
11Network
スターアライアンス
加盟航空会社
27
社
(2012年7月1日現在) ※ 2012年3月31日現在 アニュアルレポート 2012Operations
省燃費機材の導入を進める
ANA
。世界に先駆けて就航した新世代航空機ボーイング 787型機の
ローンチカスタマーであり、2012年3月期に導入した6機を含め、
55
機を発注しています。
43.9
※%
省燃費機材比率
226
機
運航機数
大型機:57 機 中型機:72 機 小型機・リージョナル:97 機Best
Transpacific
Airline
※SKYTRAX
Where We Are Flying
〜ANAグループの概要〜
世界
No.1
定時性品質
※※ 2012年1月に、Conducive Technology 社による、2011 「FlightStats On-time Performance Service Awards」
において、定時到着率を評価する2部門(世界第1位、および アジア地区第1位)でANAとして初めて受賞しました。 13
Operations
※ ジェット機205機中の割合。 対象機材は、ボーイング787型機、 ボーイング777-200/-200ER/-300/-300ER型機、 ボーイング737-700/-700ER/-800型機です。 (2012年3月31日現在) ※ SKYTRAX社による、航空会社を1星〜5星で格付けする2011 「Airline Star Ranking」において、「4 STAR」を獲得したほか、 2012年7月には、2012「World Airline Awards」で太平洋 路線を就航する航空会社の中で最も優秀と評価され、「Best Transpaciic Airline」賞を受賞しました。役員紹介
(2012年6月19日現在) 14 ② 伊東 信一郎 ① 大橋 洋治 ④ 篠辺 修 洞 駿③ ⑤ 中村 克己 全日本空輸株式会社15
監査役
執行役員
小林 克巳 上席執行役員 大阪空港支店長 兼 ANA大阪空港(株)社長、 伊丹地区グループ統括 長谷川 昭彦 上席執行役員 ANAウイングス(株)社長 志岐 隆史 上席執行役員 営業センター長 兼 販売計画室長 兼 東京支店長、東地区担当 河本 宏子 上席執行役員 客室本部長 小川 正人 上席執行役員 名古屋支店長、中部地区担当 幸重 孝典 上席執行役員 業務プロセス改革室長 稲岡 研士 上席執行役員 ANAセールス(株)社長 小澤 美良 上席執行役員 オペレーション統括本部 副本部長 兼 成田空港支店長 兼 (株)ANAエアサービス東京社長、 成田地区グループ統括 長峯 豊之 上席執行役員 勤労部長 稲田 健也 上席執行役員 中国統括室長 兼 北京・天津支店長 小辻 智之 上席執行役員 福岡支店長、九州・沖縄地区担当 清水 信三 上席執行役員 企画室長 兼 持株会社制移行準備室長 藤村 修一 上席執行役員 マーケティング室長 福田 哲郎 執行役員 CS&プロダクト・サービス室長 平子 裕志 執行役員 米州室長 兼 ニューヨーク支店長 渡辺 俊隆 執行役員 札幌支店長、北海道地区担当 妹川 秀樹 執行役員 運航本部 副本部長 鈴木 信行 執行役員 財務部長 飯塚 弘衛 執行役員 プロモーション室長 白水 政治 執行役員 大阪支店長、西地区担当 大上 克裕 執行役員 整備本部 副本部長 兼 企画推進部長 加藤 勝也 執行役員 オペレーション統括本部 副本部長 兼 東京空港支店長 峯尾 隆史 執行役員 オペレーション統括本部 副本部長 兼 オペレーションマネジメント センター長 芝田 浩二 執行役員 欧州室長 兼 ロンドン支店長取締役
① 大橋 洋治 取締役会長 取締役会 議長 1993: 取締役 2001: 代表取締役社長 2005: 代表取締役会長 2007: 現職 ② 伊東 信一郎 代表取締役社長 グループ経営戦略会議 議長、 総合安全推進委員会・CSR推進会議 総括 2003: 執行役員 2003: 取締役 2007: 代表取締役副社長 2009: 現職 ③ 洞 駿 代表取締役副社長執行役員 調達部・施設部 担当 1971: 運輸省入省 2003: 国土交通省 国土交通審議官 2007: 常勤顧問 2008: 常務取締役 2009: 専務取締役 2011: 現職 ④ 篠辺 修 代表取締役副社長執行役員 CSR推進会議 議長、 広報室・持株会社制移行準備室・ 総務部・法務部 担当、 環境マネジメント委員会 委員長、 リスクマネジメント委員会 委員長、 コンプライアンス委員会 委員長 2004: 執行役員 2007: 取締役 2009: 常務取締役 2011: 専務取締役 2012: 現職 ⑤ 中村 克己 代表取締役副社長執行役員 安全統括管理者、 グループ総合安全推進室 担当、 総合安全推進委員会 委員長、運航本部長 2005: 執行役員 2007: 取締役 2009: 常務取締役 2011: 専務取締役 2012: 現職 岡田 圭介 専務取締役執行役員 国際提携室・業務プロセス改革室 担当、 IT戦略推進委員会 委員長 2003: 執行役員 2004: 取締役 2006: 常務取締役 2009: 現職 竹村 滋幸 専務取締役執行役員 秘書室・調査室・アジア戦略室 担当 2005: 執行役員 2008: 取締役 2010: 常務取締役 2011: 現職 伊藤 博行 専務取締役執行役員 オペレーションレポート&レビュー会議 議長、 オペレーション部門 統括、整備本部長 2003: 執行役員 2006: 取締役 2008: 常勤監査役 2010: 常務取締役 2012: 現職 片野坂 真哉 専務取締役執行役員 企画室担当 2007: 執行役員 2009: 取締役 2011: 常務取締役 2012: 現職 丸山 芳範 常務取締役執行役員 人事部・ANA人財大学・勤労部・ ビジネスサポート推進部 担当 2006: 執行役員 2009: 取締役 2011: 現職 殿元 清司 常務取締役執行役員 IR推進室・財務部 担当 2006: 執行役員 2009: 取締役 2011: 現職 岡田 晃 常務取締役執行役員 貨物事業室長 2007: 執行役員 2010: 取締役 2012: 現職 西村 健 取締役執行役員 CS推進会議 議長 マーケティング室・プロモーション室・ CS&プロダクト・サービス室・ 営業センター・ANAセールス 担当 2007: 執行役員 2012: 現職 内薗 幸一 取締役執行役員 オペレーション推進会議 議長 オペレーション統括本部長 2008: 執行役員 2012: 現職 木村 操 取締役(社外) 名古屋鉄道(株) 相談役 2004: 取締役(社外) 森 詳介 取締役(社外) 関西電力(株) 代表取締役会長 2006: 取締役(社外) 井上 伸一 常勤監査役 金澤 栄次 常勤監査役 大川 澄人 常勤監査役(社外) 松尾 新吾 監査役(社外) 九州電力(株) 相談役 近藤 龍夫 監査役(社外) 北海道電力(株) 取締役相談役 アニュアルレポート 2012営業収入は、東日本大震災の影響に よる減収があったものの、需要喚起に 努め国際線旅客を中心に増収となっ たため、前期比4.0%増の1兆4,115 億円となりました。
+4.0
%
営業利益は、グループを挙げた徹底 的なコスト削減にコスト構造改革の 前倒し効果が加わり、前期比43.1% 増の970億円と、過去最高の営業利 益を計上しました。+43.1
%
当期純利益は、前期の233億円を上 回る281億円となり、前期比20.9% 増、1株当たり当期純利益は前期から 1.93円増の11.22円となりました。+20.9
%
ANA グループの 2012年 3月期
全日本空輸株式会社および連結子会社※1 3月31日に終了した1年間 営業キャッシュ・フロー/投資キャッシュ・フロー/ フリー・キャッシュ・フロー (億円) 2008 2009 2010 2011 2012 1,657 (698) 959 4,529 3,218 4,735 5,202 5,490 (397) (1,509) (1,111) 829 (1,689) (2,518) (1,396) 2,038 642 2,144 (1,663) 自己資本※3/自己資本比率 (億円/%) 2008 2009 2010 2011 2012 25.4 18.3 25.5 27.0 27.4 有利子負債/ デット・エクイティ・レシオ(DER) (億円/倍) 2008 2009 2010 2011 2012 7,678 8,972 9,416 9,388 9,636 1.7 2.8 2.0 1.8 1.8 自己資本 自己資本比率 有利子負債 DER 営業キャッシュ・フロー フリー・キャッシュ・フロー 投資キャッシュ・フロー 970 480 営業収入 (億円) 2008 2009 2010 2011 2012 12,283 13,576 14,878 13,925 14,115 営業利益/営業利益率/EBITDA※2 (億円/%) 営業利益(損失) 営業利益率 2008 2009 2010 2011 2012 (542) 678 843 75 5.7 0.5 5.0 6.9 2,162 当期純利益/当期純利益率 (億円/%) 2008 2009 2010 2011 2012 (573) 233 641 4.3 1.7 (42) (0.3) 281 2.0 当期純利益(純損失) 当期純利益率 EBITDA 2,011 1,204 (4.4) 595 1,862 970 970 970 (4.7) 16ハイライト
※1. 2012年3月期末現在の連結子会社は62社、持分法適用会社は22社です。 ※2. EBITDA(償却前営業利益)=営業利益+減価償却費 ※3. 自己資本=株主資本+評価・換算差額等 全日本空輸株式会社自己資本比率は、前期差0.4ポイント 増加の27.4%となりました。
+0.4
ポイン
ト
R O E( 自 己 資 本 利 益 率 )は 、前 期 差 0.6ポイント増加し、5.3%となりま した。+0.6
ポイン
ト
1株当たり配当金は、前期より2.00 円増配し、4.00円としました。+2.00
円
ROA※4/ROE※5 (%) 2008 2009 2010 2011 2012 15.1 4.7 3.7 1株当たり当期純利益/ 1株当たり純資産 (円) 2008 2009 2010 2011 2012 232.58 32.93 166.50 (2.19) 188.93 (24.67) 207.35 9.29 11.22 218.24 配当金/配当性向 (円/%) 2008 2009 2010 2011 2012 5.00 1.00 21.5 35.7 2.00 4.00 5.3 0.6 (1.1) 5.3 5.1 ROA ROE 1株当たり当期純利益(純損失) 配当金 配当性向 1株当たり純資産 15.2 970 (2.8) (14.4) 28,285 4,827 27,905 4,432 26,723 4,666 29,768 5,168 34,406 5,883 62,651 45,557 59,222 42,753 57,104 39,894 56,796 40,574 56,756 39,020 国内線旅客 座席キロ/旅客数 (百万キロ/千人) 2008 2009 2010 2011 2012 国際線旅客 座席キロ/旅客数 (百万キロ/千人) 2008 2009 2010 2011 2012 貨物輸送重量 (千トン) 2008 2009 2010 2011 2012 332 462 354 475 422 458 557 453 570 467 国内線 国際線 座席キロ 旅客数 座席キロ 旅客数 970 17 ※4. ROA(総資本事業利益率)=(営業利益+受取利息+受取配当金)÷[(期首総資産+期末総資産)÷2] ※5. ROE(自己資本利益率)=当期純利益÷[(期首自己資本+期末自己資本)÷2] ※6. 百万円以下の金額については切り捨てて表示しています。パーセント表示については四捨五入して算出しています。 アニュアルレポート 201218
Boarding
Climbing
Cruising
Takeoff
...ANAの成長戦略が発進します。
社長の伊東より解説させていただきます。
Takeoff
Takeoff
全日本空輸株式会社19
In-Flight Service
Approach
Landing
Cruising
20 「ANAグループ2012-13経営戦略」の概要
22 伊東社長による
「ANAグループ2012-13経営戦略」の解説
2012年 2月、ANAグループは大競争時代を勝
ち抜くべく、強く生まれ変わるための「ANA グ
ループ 2012-13経営戦略」を策定し、
「マルチ
ブランド戦略の確立」
「グループ経営体制改革」
そして「構造改革によるコスト競争力強化」とい
う3つの戦略機軸を推し進めています。
クオリティ・顧客満足・価値創造でアジアを代
表する航空企業グループを目指し、挑戦を続け
るANAグループの戦略をご覧ください。
Takeoff
...ANAの成長戦略が発進します。
社長の伊東より解説させていただきます。
特集:「ANAグループ 2012-13経営戦略」
アニュアルレポート 2012「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の概要
戦略方針
20成田空港
羽田空港
(国際線)首都圏空港発着枠
(回数/年)30万回
27万回
25万回
22万回
6万回
(昼間時間帯 3万回 / 深夜・早朝時間帯 3万回)9万回
(昼間時間帯 6万回 / 深夜・早朝時間帯 3万回)2012
2013
2014
2015
2016
2012-13 経営戦略
(第1フェーズ)
2014 以降
(第2フェーズ)
国際線ネットワークを拡充しながら、フルサー ビスキャリアとして、LCCとは一線を画す ANA ブランドの研鑽に努めるとともに、新たな L C C ビジネスモデ ルに基づき、徹 底 的な低コスト 運航体制を実現し、新規需要を創出する。 2013 年 4 月より持株会社制に移行し、全体最 適視点での経営戦略の立案、経営資源の配分を 実現します。同時に、グループ各社に権限と責任 を委譲することにより、グループ経営のさらなる 強化と各事業会社の経営効率化に向けた改革を 推進する。 収入の変動リスクに対する耐性を持ち、競合他 社とのコスト競争にも打ち勝つことを目的に、 「直接部門のあくなき生産性向上」と「間接部門 のスリム化」をポイントに、今後 3年間で、ユニッ トコストの 1 円引き下げにあたる 1,000 億円の コスト削減を実行する。マルチブランド戦略の確立
グループ経営体制改革
構造改革による
コスト競争力強化
3つの戦略機軸を推し進めることにより、
収益力と財務基盤の一層の強化を実現し、
その先の持続的な成長、飛躍を可能にする
「強く生まれ変わる」
ことで、
「アジアを代表する
(3月期) 全日本空輸株式会社Boar ding Takeof f Climbing Cruising In-Flight Service Appr oach Landing
経営計画
営業利益:
1,500
億円以上
営業利益率:
10.0
%以上
中期目標
(億円) 14,000 16,000 12,000 10,000 8,000 6,000 0 2012 2013 (計画) (計画)2014 (3月期) 2014/2012 国内線旅客 国際線旅客 貨物郵便 その他 6,515 6,950 7,075 4,160 1,475 1,590+8.6
%+30.0
%+15.1
% 3,700 1,385 1,685 3,200 1,280 1,628 21 成長の牽引役となる国際線旅客事業では、フル サービスキャリアとしてのビジネスモデルの強化 を通じて収益を伸ばし、国内線旅客事業では、需 給適合の強化と機材稼働の効率化・最適化を図り ます。貨物郵便事業では、フレイター事業の収支 最大化を果たすとともに、国際線貨物事業の伸長 を目指します。 こうした取り組みにより、各事業ともに増収・増 益を図り、1,000億円を超える安定的な営業利益 を確保できる体質を整えます。14,115
2012年3月期
(実績)
15,000
2013年3月期
(計画)
15,600
+10.5%
2014年3月期
(計画)
2014年3月期/
2012年3月期
12,625
13,720
14,300
+13.3%
970
1,100
1,300
+34.0%
航空運送事業
884
1,020
1,220
+37.9%
営業利益率
6.9%
7.3%
8.3%
+1.4
ポイント当期純利益
281
400
550
+95.
2%
1株当たり利益
11.2円
15.9円
21.9円
+10.
7
円
航空企業グループを目指す」
航空運送事業収入構成(エアアジア・ジャパン含む) (億円)2012‒13経営戦略
連結営業収入
航空運送事業
営業利益
アニュアルレポート 201222
「アジアを代表する航空企業グループを目指す」という経営ビジョンの実現に向けて、
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」では、環境変化を踏まえ、グループ経営体制の変革や
コスト構造改革の推進に挑み、大競争時代を勝ち抜く収益力と財務基盤を確立します。
強く生まれ変わるANA グループにご期待ください。
伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」
の解説
ANA
グループは、
強く生まれ変わる
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の概要
本格的な成長軌道に
乗っていく第1フェーズ
2012年 2月に策定いたしました「ANA グループ 2012‒13経営戦略」(2013年 3月期∼ 2014年 3月期)の説明にあたり、この計画の背景と位置づけについてご説明いたします。 ANA グループでは、「アジアを代表する航空企業グループを目指す」という経営ビジョン の実現を目指す中、首都圏空港容量拡大がほぼ完成形に近づく2014∼15年を念頭に 置いて、まずは発着枠に大きな変化のない今後 2年間を第 1フェーズと位置づけ、「ANA グループ 2012‒13経営戦略」を策定しました。成長戦略の土台づくり、継続的な財務体質 の強化、グループ経営体制の変革、という3つのテーマを推し進め、首都圏空港発着枠の 増加により再び供給量拡大の機会が到来する、2015年 3月期以降の第 2フェーズにつな げる2年間としていきます。 2011 年は、東日本大震災の発生や成田空港を拠点とするエアアジア・ジャパン(エア アジア・ジャパン(株))の展開など、戦略の前提条件が大きく変化したため、同年 2 月に 策定した「ANA グループ 2011‒12経営戦略」を練り直すこととしましたが、従来の経営 テーマである「経営資源の最大活用による経営効率の向上」と「強固な収入基盤とボラティ リティリスク耐性の確立」については、引き続き重点課題となります。2014 以降
(第2フェーズ)
2012-13 経営戦略
(第1フェーズ)
2012-13経営戦略と中期経営目標テーマ
・成長戦略の土台づくり ・継続的な財務体質の強化 ・グループ経営体制の変革将来テーマ
・成長を支える事業戦略構築 ・事業環境変動時の対応力 ・財務体質強化の到達目標 全日本空輸株式会社23
強く生まれ変わり
競争に勝ち抜くため
3つの戦略機軸を設定
また、2012年 3月期(当期)の成果も本経営戦略の背景となっています。当期は、東日本 大震災による需要減退影響を大きく受ける中、グループを挙げて徹底したコスト削減や機動 的な需給調整を行った結果、過去最高の営業利益 970億円という想定以上の結果を残す ことができました。当期純利益についても 281億円となり、1株当たり配当金は 2円増配の 4円としました。 ANA グループの事業基盤は強化されつつあり、さらなる将来の成長を見渡せる段階にま で来たものととらえています。 「ANA グループ 2012-13経営戦略」の前提とした事業環境についてご説明します。世界 経済は欧州債務危機などを背景に先行き不透明感はあるものの、アジア・中国などでの成長 から世界の航空需要は当面堅調に推移する見通しです。加えて、日本においては、LCC マー ケットを通じた潜在需要の掘り起こしの可能性に、ビジネスチャンスがあると見ています。 一方、競争環境については、さらなる首都圏空港の容量拡大と航空自由化が進展し、一層 熾烈なグローバル競争の時代に突入することが予想されます。 こうした環境下、強く生まれ変わり競争に勝ち抜くため、「ANA グループ 2012-13経営 戦略」では、3つの戦略機軸を設定しています。(3つの戦略機軸の全体像については P20 をご参照ください)1 つ目は、「マルチブランド戦略の確立」です。エアアジア・ジャパン、 ピーチ(Peach Aviation(株))というLCC2社とともに事業展開を推し進めていく中で、 ANA ブランドの成長と合わせて LCC ブランドのマーケットへの浸透を図っていきます。 2つ目は、「グループ経営体制改革」として、持株会社制に移行し、グループ経営のさらな る強化と各事業会社の経営効率化に向けた改革を進めます。最後は、収入の変動リスクに 対する耐性を持ち、競合他社とのコスト競争にも打ち勝つための、「構造改革によるコスト 競争力強化」です。ユニットコストを 1円引き下げていくべく、今後 3年間で 1,000億円の コスト削減を実行します。 収入・利益計画としては、国際線旅客事業、国内線旅客事業、貨物郵便事業、いずれも 事業規模を拡大し、増収・増益を図ります。中でも国際線旅客事業の拡大と収益性の向上 アニュアルレポート 2012により成長を牽引することで、1,000億円を超える安定的な営業利益を確保できる体質を 整えます。具体的には、2013年 3月期の営業収入は当期比 6.3%増の 15,000億円、営業 利益では同 13.4%増の 1,100億円を見込むとともに、2014年 3月期の営業収入は 2013 年 3月期比4.0%増の 15,600億円、営業利益では同 18.2% 増の 1,300億円と大幅な伸 長を計画します。また、本経営戦略を完遂していくことを通じ、中期的な目標としては「営業 利益 1,500億円以上、営業利益率 10.0%以上」を目指します。 2012年 3月にはピーチが就航を開始し、同 8月にはエアアジア・ジャパンが初就航を迎え ます。2013年 3月期は ANA グループにとって、LCC 元年とも言うべき年となります。ANA グループは、ANAブランドとこの 2つの LCCブランドによるマルチブランド戦略を推し進め、 各ブランドの顧客セグメントの明確化と、それぞれの事業特性に応じたネットワーク展開や商 品・サービスの提供により、各社の収入の最大化を図り、グループ価値の向上を目指します。 LCC2社は、低位にあるユニットコストを武器に、新しいビジネスモデルを確立してい きます。ANA ブランドではカバーしきれない事業領域において新規需要を創出するとと もに、国内市場では鉄道、高速バスといった他の輸送機関からの需要獲得も目指します。 ANA ブランドは、フルサービスキャリアとして、高品質なサービスやネットワークの利便性 を求める旅客ニーズに応えるべく、ANA グループの中核を担い続けます。 なお、2012 年 3 月に就航を開始したピーチについては、短期間ではありますが大変 好調な結果を出しています。2012年 3月単月分の 2路線(関西−千歳線、関西−福岡線) の実績を、ANA の同一区間とあわせて見てみますと、ANA の旅客数を減らすことなく、 ピーチの旅客数が上積みした構図となっています。まだスタート段階ではありますが、フル サービスキャリアとLCC が既存の需要を取り合うのではなく、ともに成長していくという、 私たちの狙いが達成できていることをご理解いただけるのではないかと思います。( LCC の事業展開の詳細については、P50∼53の事業戦略特集:「新たな需要の創出に向けて∼ LCC 事業の展開∼」をご参照ください) 24 <フルサービス><ビジネス多頻度旅客> <ハイエンドプレジャー> • ユニットコスト低減によりコスト競争力をさらに強化 • フルサービスキャリアとしてアジアNo.1の プロダクトサービスを提供 • 成田空港発着ポイント・トゥ・ポイント (国内線+国際線中短距離路線) • エアバスA320型機を中心に短距離路線を単一機種 運航(エアバスA330型機で中距離路線を運航) • 関西空港発着ポイント・トゥ・ポイント (国内線+国際線短距離路線) • エアバスA320型機単一機種運航 <ノンフリル><ローエンドプレジャー> <新規航空需要> • 新たなビジネスモデルに基づき 徹底的な低コスト運航体制を実現 • 他交通機関からのシフトも含めて 新規航空需要を創出 • 国内線・国際線ネットワーク • アライアンス・ジョイントベンチャー による提携 • 小型から大型まで複数機種運航 ユニットコスト低位 ユニットコスト高位 Japan
戦略機軸 1:マルチブランド戦略の確立
ANAブランドと
LCCブランドの戦略的な
ポジション構築により、
ともに進化を図る
マルチブランド戦略における役割・機能 全日本空輸株式会社その他事業会社 その他事業会社 その他事業会社 その他事業会社 25
伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の解説
これまで、ANA グループではグループ構造改革に取り組み、2010年 4月に 7社あった グループエアラインを 2012年 4月には 3社体制へと再編しました。そして今回、この再編・ 統合効果を最大限に享受しながら、さらなるグループ経営体制の強化と機動的かつ効率的 な経営を目指すため、2013年 4月から持株会社制に移行することとしました。 これは、経営環境が目まぐるしく変化する中、経営方針の決定と業務執行を分離し、経営 資源の配分を最適化することで、より強力な ANA グループを作り出していくことを目的と しています。ますます激化する競争環境に対応するには、各事業会社がグループ内の事業 機会に依存することなく、グループ外とのビジネスも視野に入れた自律的な事業展開を推 し進めるとともに、より市場に近い位置でスピード感を持った意思決定を行わなくてはなり ません。ANA ブランドとLCC ブランドの展開においても、グループ内のフラットな関係の 下で各社が経営することで、より効果的に機能するものと見ています。また、各事業会社 が自主独立の発想の下、迅速かつ効率的な経営を推進することで、グローバル競争の中で 求められる経営体制に舵を切り、今後の成長戦略の基盤を構築していく考えです。 なお、2012年 6月の株主総会にて、「吸収分割契約承認の件」について承認可決いただき、 現在、グループ・ガバナンス体制の強化も重視しながら、移行準備を進めているところです。 ANA グループでは、2009年 3月期以降、世界同時不況や東日本大震災など、大きな需 要変動イベントに直面し、緊急収支改善策などのコスト削減を実践してきました。いずれの コスト削減策も計画を完遂し、その都度事業基盤を強化してきました。 しかし、これらの成果は着実に表れているものの、現在のコスト競争力は、目指すべき水 準に対してはいまだ道半ばであると考えています。グローバル競争は一層激化していく中、 LCC の参入による国内線市場の単価動向や海外航空会社との生産性比較、さらには事業 ボラティリティの高い国際線事業の比率が今後高まっていくことも踏まえますと、ユニット戦略機軸 2:グループ経営体制改革
持株会社制に移行し、
機動的・効率的な
経営体制を構築
グループ体制図 ▶持株会社制移行後(2013年 4月 1日∼) 子会社 関連会社 エアーニッポン(株) (2012年 4月 1日全日本空輸(株)統合) ANAウィングス(株) (株)エアージャパン エアアジア・ジャパン(株) その他事業会社 Peach Aviation(株) 全日本空輸(株) ANA ホールディングス(株) ▶現状 全日本空輸(株) シェアードサービスセンター ANAウィングス(株) (株)エアージャパン エアアジア・ジャパン(株) その他事業会社 Peach Aviation(株)戦略機軸 3:構造改革によるコスト競争力強化
ユニットコスト1円の
引き下げに向けて
1,000億円の
コスト削減を推進し、
収入変動リスクに対応
アニュアルレポート 2012コストの継続的な低減は至上命題と言えます。グローバルレベルの競争力を維持し、強固 な収益体質を構築していくためには、もう一段の構造改革が必要なのです。そこで、ANA グループでは、「直接部門のあくなき生産性向上」と「間接部門のスリム化」をポイントに、 2015年 3月期までにユニットコスト1円の引き下げとなる累計 1,000億円のコスト削減を 断行します。 コスト削減策の内容は下表のとおりですが、これはグループ全部門に対して改めて費用の 総点検を指示し、蓋然性の高いコスト削減メニューを精査し積み上げたものです。短期的な 収支改善のためのコスト削減ではなく、競争力と収益性の向上に向けて、収益構造そのもの を見直す取り組みとなっている点が、従来のコスト削減計画とは異なります。 具体的な数値計画としては、本経営戦略を完遂した 2014年 3月期末の段階で、ユニッ トコスト0.6円の引き下げに当たる 550億円のコスト削減を実現させ、全体計画の過半 が進捗する予定です。 26 2012-13経営戦略 累計 550億円 コスト削減計画の概要 ▶ 1,000億円の内訳 2015年 3月期までに 累計 1,000億円の コスト削減を達成 ・ 間接人員のスリム化 ・ 直接人員の生産性向上(人件費・外部委託費など) ・ 新規投資・更新費用の適正化(機材費・減価償却費など) ・ 営業改革、サービスコスト適正化(販売費・機内サービス費など) ・ 事業・IT 環境変化に伴う構造改革(賃借費など) ・ グループ調達機能強化 ・ 運航基準の見直し(燃油費など) 2013年3月期 2012年3月期(実績) 2014年3月期 2015年3月期
2012
110億円 〈当初計画80億円〉 450億円 190億円 250億円 〈当初計画220億円〉 基準値:2012年 3月期計画 (2011年 7月 29日発表) 480億円 165億円 105億円 70億円 180億円 全日本空輸株式会社27
伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の解説
ここからは、主要な事業別戦略をご説明いたします。 成長の牽引役となる国際線旅客事業では、増加した首都圏発着枠の活用も含め、長距離 国際線と接続需要に重点を置いたネットワークを充実、拡大させます。エアアジア・ジャパン によるLCC 事業の成長も見込み、2014年 3月期には当期比 30.0%(959億円)増の 4,160 億円の収入を計画しています。 戦略機材ボーイング 787型機の長距離線機材については、2012年 1月に羽田−フラン クフルト線で就航を開始しましたが、2013年 3月期からは本格的な導入を進めていきます。 長距離路線就航が可能な中型機という同機材の特徴を活かし、さらなる供給量の拡充を 図っていく計画です。 欧米路線においては、ユナイテッド航空およびコンチネンタル航空とのジョイントベン チャー(JV)(太平洋路線)、ルフトハンザドイツ航空との JV(欧州路線)を積極的に活用し、 キャッチメントエリアをグローバルに拡大することで、競争力あるネットワークを構築してい きます。北米路線の JV では、2012年 3月期においてユナイテッド航空とのコードシェア便 の座席相互販売席数が約 3倍となるなど、着実な成果を収めることができています。2013 年 3月期は成田−シアトル線、成田−サンノゼ線の就航を予定するほか、共同マーケティン グの強化などにも注力し、取り組みを加速していきます。欧州路線の JV では、2012年 4月 からJV 共通運賃を開始し、本格的な展開が始まりました。現在、ANA およびルフトハンザ ドイツ航空、ともに対象路線の拡充を進めており、日本と欧州間の旺盛な旅客流動を効果 的に取り込んでいく計画です。 国内線旅客市場は、成熟化しているものの需要規模が大きく、旅客シェア50.2%※(2012 年 3月期)というANA グループの圧倒的な競争優位を背景に、今後も着実な収益貢献が期 待できる分野です。 効率性・収益性の向上に資する路線計画および機材計画の最適化を図るとともに、本格導 入が開始されたボーイング 787型機の戦略的な路線投入を推し進め、マーケットにおける 優位性を維持し続けていきます。これに加え、LCC 事業の展開により他交通機関との競合 に打ち勝つとともに、新たな航空需要を生み出していきます。 国際旅客事業の計画(エアアジア・ジャパン含む) (億円) (指数: 2010=100) 座席キロ(左軸) 収入(右軸) 2010 2011 2013 (計画) 2014 (計画) 90 0 180 120 60 150 30 2,000 0 5,000 3,000 4,000 1,000 2012 2012-13経営戦略 (3月期)事業別戦略:国際線旅客事業
フルサービスキャリアと
してのビジネスモデルを
強化し、大幅な収入増加
の下で収益力を向上
事業別戦略:国内線旅客事業
需給適合の強化と
機材稼働の効率化・
最適化により
事業収益をさらに拡大
※ 提携航空会社とのコードシェア便を含む。 アニュアルレポート 2012収益性については、さらなる向上を目指します。当期は、東日本大震災によって減退した需要 に対応し、きめ細やかな供給調整や柔軟な運賃設定を行ったことにより、減収幅が最小限に食 い止められており、今後もこうした緻密なイールドマネジメントを強力に推し進めていきます。 こうした取り組みを通じ、2014年 3月期には当期比 8.6%(559億円)増の 7,075億円の 収入を計画しています。また、中長期的には、ANA 本体では強力なブランド力を活かして安 定収益を計上していくとともに、LCC 事業の拡大により新規需要創出を加速させ、グループ 全体の成長を継続させていきます。 貨物郵便事業では、今後も需要拡大が見込める国際線貨物事業の伸長に注力します。 2014年 3月期の国際線貨物事業の収入は当期比 19.3%(170億円)増の 1,050億円、貨 物郵便事業全体では同じく当期比 15.1%(194億円)増の 1,475億円を見込んでいます。 ベリー(旅客機の貨物スペース)については、国際線旅客便の新規就航や増便、さらには ベリーの容量が大きいボーイング 787型機の導入拡大を背景に、供給能力は大幅に増加す ることから、これらを着実に収入拡大につなげていきます。フレイター(貨物専用機)事業に ついては、運航効率の高い中型フレイターによる現行の 9機体制の下、「沖縄貨物ハブネッ トワーク」を効果的に活用しながら、中国・アジアでの旺盛な需要を取り込み、事業収支の 改善を図ります。また、機材稼働効率を高め、コスト削減にも取り組むことにより、2014年 3月期にはフレイター事業の黒字転換を目指します。さらには、こうして拡充したベリー・フレ イター双方のネットワークを機能的に組み合わせながら、積極的な物流提携を進め、エクス プレスをはじめとする高付加価値貨物を獲得していく考えです。 28 国際貨物事業の計画 2010 2011 2013 (計画) 2014 (計画) 140 120 60 180 100 160 80 1,000 800 600 0 1,200 400 200 2012 (億円) (指数: 2010=100) 有効貨物トンキロ(左軸) 貨物輸送重量(左軸) 重量当たり単価(左軸) フレイター事業収入(右軸) ベリー収入(右軸) (3月期) 2012-13経営戦略 座席キロ(左軸) 収入(右軸) 国内旅客事業の計画(エアアジア・ジャパン含む) (億円) (指数: 2010=100) 2010 2011 2013 (計画) 2014 (計画) (3月期) 100 80 0 120 60 40 20 0 7,500 6,500 7,000 6,000 2012 2012-13経営戦略
事業別戦略:貨物郵便事業
フレイター事業の
収支改善を果たし、
国際線貨物事業の
伸長を目指す
全日本空輸株式会社29
伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の解説
ここまでご説明してきた事業戦略の推進を通じて、営業キャッシュ・フローを安定的に確 保していきます。これにより、中長期的な利益成長を果たしていくための設備投資戦略を 継続しながら、フリー・キャッシュ・フローを確実に創出していく計画です。具体的には、この 2年間でのフリー・キャッシュ・フローは、1,000億円を超えるレベルに達する見通しです。 設備投資計画としては、機材競争力の確保に向け、経済性の高い航空機を計画的に導 入、更新していきますが、当面は単年度で 2,000億円前後としていく予定です。フリート 戦略の方針は、従来の考えに変更はなく、競合他社に先駆けて省燃費機材を積極的に導 入し、中型機比率の向上や機種統合による生産性向上に注力していきます。当期に 6機を 導入したボーイング 787型機については、今後、導入が本格化します。2013年 3月期と 2014年 3月期の合計で 21機の導入を計画しており、当期に導入した 6機と合わせると合 計 27機となり、ANA グループが発注した 55機の約半数となります。まさに戦略機材と して、同機材による収益拡大効果は広がっていくものと期待しています。 なお、2015年 3月期以降の本格的な事業成長を見込み、上述したように中期的に「営 業利益 1,500 億円、営業利益率 10.0%以上」を目指すことから、フリー・キャッシュ・フ ローの中期見通しは単年度で 700∼800 億円に、設備投融資額の中期見通しとしては 1,700∼2,100億円の水準としていきたいと考えています。キャッシュ・フロー・マネジメントと設備投資計画
継続的な航空機
投資を進めながら、
フリー・キャッシュ・
フローは2カ年で
1,000億円超を確保
(億円) 2012年3月期 (実績) 営業キャッシュ・フロー 2,144 投資キャッシュ・フロー -1,663 フリー・キャッシュ・フロー 480 財務キャッシュ・フロー 161 設備投融資額 2,037 (億円) 2013年3月期 2014年3月期 (計画) (計画) 営業キャッシュ・フロー※1 2,335 2,400 投資キャッシュ・フロー※2 -1,555 -1,900 フリー・キャッシュ・フロー 780 500 財務キャッシュ・フロー※1 -620 -1,020 設備投融資額 1,945 1,960 キャッシュ・フローと設備投融資計画 中期目標 フリー・キャッシュ・フロー: 700∼800億円 設備投融資額: 1,700∼2,100億円 ※1. オフバランスリース元本償還相当額を含む。 ※2. 定期預金、譲渡預金への預け入れ相当額は含まない。 アニュアルレポート 201230 期間利益を着実に積み上げ、自己資本を充実させると同時に、安定したフリー・キャッシュ・ フローの下で有利子負債の削減を進め、財務体質の強化を進めます。有利子負債(オフバ ランスリース債務含む)については、2014年 3月期末時点で 1兆円を切るレベルにまで低減 し、デット・エクイティ・レシオは 1.6倍となる見込みです。こうした取り組みにより、2014年 3月期末時点の ROA は 6.6%、ROE は 9.4%を計画していますが、中期的にはもう一段の 改善を図り、ROA8%以上、ROE10%以上を目標としています。 中期目標 ROA: 8%以上 ROE:10%以上 有利子負債/EBITDA倍率: 3倍台 デット・エクイティ・レシオ: 1.0∼1.5倍 2012年3月期 2013年3月期 2014年3月期 (実績) (計画) (計画) 自己資本比率(%) 27.4 28.4 31.1 ROA(%) 5.1 5.5 6.6 ROE(%) 5.3 7.2 9.4 有利子負債/EBITDA倍率※(倍) 5.2 4.2 3.5 デット・エクイティ・レシオ※(倍) 2.0 1.9 1.6 財務目標 ANA グループは、米国同時多発テロ、世界同時不況、新型インフルエンザの流行、そして東日本大震災など、この 10年 でさまざまなイベントにさらされてきました。これに加え、航空自由化の進展や LCC の台頭など、グローバルな競争環境は ますます激化してきています。 こうした厳しい事業環境にあっても、ANA グループは的確な需給調整を進めながら、一定の供給量を保ち続けてきま した。過去 10年間の座席キロ推移を見てみると、本邦航空会社全体では国内線・国際線ともに大きく変動・減少しているの に対し、ANA グループの座席キロは需要に応じた生産量の調整・供給を行ってきました。 これは、ANA グループが的確に需要を見据え、収支の最大化または費用の最小化を図るため、供給量を調整してきた結 果であり、次なる成長に向けた最適な供給量を確立することができています。
コラム: ANAグループの供給量の推移
ANA グループでは、国際線では他社供給量の変化・需要動向を踏まえ、生産量を増加させる一方、 国内線では、需要変動に応じた生産量の調整・供給を行っています。 ANA 他の国内航空会社 ANA 他の国内航空会社 航空会社別の国際線座席キロ 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20112012(3月期) 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 20112012(3月期) 100,000 80,000 0 140,000 120,000 60,000 40,000 20,000 (百万キロ) 航空会社別の国内線座席キロ 100,000 80,000 0 140,000 120,000 60,000 40,000 20,000 (百万キロ)財務目標と株主還元
財務体質の健全化を
進めるとともに、
株主還元の充実を図る
出典:各社公表資料 出典:国土交通省「航空輸送統計年報」 ※オフバランスリース債務を含む。 全日本空輸株式会社31
伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の解説
また、中長期にわたる成長性・収益性を確保していくための設備投資や財務体質強化、 そして安定経営のための内部留保の充実という課題のバランスを図りながら、株主還元 を充実させていくことが、株主の皆様に対する最大の経営責任だととらえています。本経 営戦略においても、安定的かつ高い投資評価を獲得しうる水準の株主還元を実施してい きます。 当期においては、過去最高の営業利益を達成したことから、1株当たり配当金を当初予 定の 2円から増額し、4円とさせていただきました。配当性向は従来よりも高水準となりま すが、これは私たちの今後の成長に対する確固たる意志とご認識いただければと存じます。 なお、2013年 3月期の 1株当たり配当金は 4円を予定しています。 ANA グループでは、CSR を「経営理念の実現に向けた企業活動の基盤」ととらえており、 中でも安全運航は、航空運送事業を中核とするANA グループにとって最大の使命と認識 しています。2011年 9月に発生した ANA140便(那覇−羽田線)における一時的に飛行姿 勢が不安定となった重大インシデントや、2012年 2月に発生した ANA731便(伊丹−仙台 線)における着陸時に機体後部が滑走路に接触した事故、および 2012年 6月に発生した ANA956便(北京−成田線)における強めの着陸により機体の一部が変形した事故につき ましては、お客様ならびに関係各位にご心配とご迷惑をおかけしたことを、深くお詫び申し 上げます。再発防止策を徹底するとともに、役職員一同改めて「安全は経営の基盤であり、 社会への責務である」というANA グループ安全理念に立ち返り、「世界最高水準の安全」の 提供をお約束できるよう全力で取り組む所存です。 CSR の実践にあたっては、あらゆるステークホルダーの皆様とのかかわりを重視してい ます。そして、お客様目線に軸を置いた人的サービスと商品力で「アジア No.1」の ANA ブランドを確立し、常に選んでいただけるエアラインでありたいと考えています。SKYTRAX 社による最高評価「5STAR」の獲得や、世界一の定時性品質の確保など、具体的な目標を 定め積極的に取り組んでいきます。また、こうした目標の達成には社員一人ひとりの力が不 可欠との考えの下、ANA ブランドという「模倣困難な価値」を創造するため、多様な個性を 備えたグローバルな人財育成に注力しつつ挑戦を続けます。 加えて、地域社会の一員として、社会的課題の改善に寄与することも私たちに求められ ている社会的責任であると認識しています。東日本大震災の被災地支援を継続的に実施 しながら、より「ANAらしい社会貢献活動」をグローバルに展開していきます。地球環境 課題に対しては、2020年までの中長期的な環境計画として「ANA FLY ECO 2020」を 策定し、世界トップ水準の環境リーディング・エアラインを目指した取り組みを一層強化 していきます。 「アジアを代表する航空企業グループ」という経営ビジョンの実現に向けては、国内のみで なく海外の多様なステークホルダーの皆様からの期待・要請に応える必要があります。今後 も、社会的責任に関する国際ガイダンスである「ISO26000」などを活用し、常に自らの事業 活動を確認、改善しながら、CSR を積極的に実践していきます。CSR の取り組み
安全を最優先とした
社会的責任を果たし、
グローバル企業として
国際的規範を尊重しつつ、
CSRを実践する
アニュアルレポート 2012世界同時不況による深刻な需要減退が起きた 2009年 3月期以降、私たちは、新型イン フルエンザの流行や東日本大震災の発生など、次々と起こる需要変動イベントを、身につい た環境適応能力により克服することができました。激変する経営環境に迅速に対応し、あら ゆる分野での改革を計画どおり、そして着実に推し進めてきた成果といっていいのではない かと思っています。 2014年 3月期までの 2カ年は、これまで進めてきた改革を基にさらなる革新を果たし、 その後の大競争時代を勝ち抜くべく事業基盤を確立する期間です。グローバル環境を見据 えてグループ経営体制を変革するとともに、これまでのコスト削減とは一線を画す、抜本 的なコスト構造改革にすでに取り組みを始めています。日本で初めて参入した LCC 事業の 先駆者として、新たな需要創出に率先して取り組み、また、世界に先駆けて ANA グループ が導入したボーイング 787型機についても、本格的な導入を通じて革新的なネットワーク 戦略を展開していきます。目まぐるしく変化する環境に、機敏かつ柔軟に対応したマネジ メントを遂行し、収益力と財務基盤の一層の強化を実現することで、その先の持続的な 成長、飛躍を可能にすべくANA グループは強く生まれ変わります。 私たちには、さまざまな困難にも打ち勝ち、新たな道を切り開いてきたという自負があり ます。これからも、私たちは新たな挑戦を続け、成長への道筋を邁進していきます。 「アジアを代表する航空企業グループを目指す」という経営ビジョンの実現に向け、「クオ リティで一番」「顧客満足で一番」「価値創造で一番」となるよう、私たちは全力で進化を遂 げてまいりますので、ステークホルダーの皆様におかれましては、引き続き私たちの取り 組みにご期待いただけますようお願い申し上げます。 2012年6月19日 代表取締役社長
伊東 信一郎
最後に
私たちは挑戦を続け、
強く生まれ変わる
2012年 7月 3日開催の取締役会において、国内外における 公募による新株式の発行、および第三者割当てによる新株式 の発行を行うことを決議し、実行いたしました。概要は下記の とおりです。 発 行 新 株 式 数 : 991,466,000株 発 行 価 格 : 184円 発 行 価 額 : 176.32円 手 取 概 算 額 合 計 : 173,612,285,120円 資 本 組 入 額 : 87,407,642,560円 ANA グループでは、2012年 2月に「ANA グループ 2012 −13経営戦略」を策定し、2013年 4月に持株会社制に移行す ることとしており、「経営」と「執行」の分離と、グループ経営の強 化および各事業会社の自律的経営による効率経営の実現を図 ります。加えて、成長著しいアジアを主力市場とする航空会社 として、日本のみならず「アジアをベースにしたマルチブランド 化」を目指して、積極的なアジア域内での事業展開を加速し、 将来に向けあらゆる成長戦略を機動的に実行していきます。 今般の公募増資の実施により、今後の事業ポートフォリオ 拡張の中で、とりわけ成長分野である国際線旅客事業のネッ トワーク競争力に重要となる、ボーイング 787型機などを中 心とする経済効率の高い航空機への戦略投資を促進するとと もに、アジアをベースにしたマルチブランド戦略の確立を目指 して、将来の成長機会に適時かつ機動的に対応できるような 財務基盤の確立を図ります。 今後も、ANA グループは「アジアを代表する航空企業グ ループを目指す」という経営ビジョンの達成に向け、「ANA グ ループ 2012-13 経営戦略」を着実に推進し、高品質な航空 運送サービスの維持・向上に努めてまいります。 ▶公募増資の実施について株主・投資家の皆様への重要なお知らせ
(2012年 8月 17日現在) 32 全日本空輸株式会社伊東社長による
「ANA グループ 2012‒13経営戦略」の解説
ANA グループのコスト削減施策 激変する事業環境下、ANA グループでは、 さまざまな 対 策に取り組 ん できました 。 特に、2008年以降は、毎期、新たなコスト 削減施策を計画どおりに実行し、高い成果 をあげ続けてきました。以下では、2009年 3 月期以降の取り組みの詳細をご紹介い たします。 【2009年 3月期】 世界同時不況により、世界の航空需要は 大きく低減するとともに、原油価格も高騰 し、事業環境は非常に厳しいものとなりまし た。こうした状況に対し、ANA グループは 2009年 3月期下半期から路線便数の見直 しや投入機材の小型化などによる供給量の 調整をはじめ、人件費や販売費などの削減 による 362億円の緊急コスト削減を実施し ました。 【2010年 3月期】 前期から続く需要低迷に対し2009年 4月 に発表した「緊急対策プラン」とこれを踏まえ た 730億円のコスト削減、さらにはその後 の新型インフルエンザの流行を受けて同年 7月に策定した「緊急収支改善策」での 300 億円のコスト削減に着手。生産連動費用の ほか、人件費や外部委託費、販売手数料な どの削減を着実に実行した結果、1,048億 円のコスト削減を果たすことができました。 【2011年 3月期】 首都圏空港の発着枠拡大に向けた事業構 造の変革を果たすべく、2011年 3月期から 始まる「ANA グループ 2010-11経営戦略」 の中で事業構造改革を策定し、860億円の 費用削減プランを断行しました。その結果、 事業・コスト構造で 510億円、人件費で 183 億円、販売費で 183億円と、計 877億円の コスト削減を実現しました。 【2012年 3月期】 東日本大震災の影響から需要減退が見 込まれたため、定期便の一部減便や機材の 小型化などに迅速に着手し、変動費の圧縮 を行いました。合わせて、全部門での費用 削減の深堀り、生産性向上施策などによる 300億円の緊急収支改善策に取り組みまし た。結果、変動費で 100億円、その他執行 抑制で 220 億円の計 320 億円のコスト削 減を果たしました。 さらに、2013 年 3 月期から取り組む、 1,000億円のコスト構造改革についても、 一部前倒しで実行し、110億円のコスト削 減を実施しました。(1,000億円のコスト構 造改革の詳細については、P26の「戦略機 軸 3:構造改革によるコスト競争力強化」を ご参照ください) 以上により、2012年 3月期は過去最高の 営業利益を計上することができました。コラム: ANAグループのコスト削減に向けた取り組みの実績
ANA グループでは、これまで需要減退などの外部環境の変化に対し、迅速なコスト削減施策を策定し、いずれ も完遂してきました。2013年 3月期から推進するコスト構造改革についても、遅滞なく、グループを挙げて全力 で取り組んでいきます。 (百万キロ) 2001.9 米国同時多発テロ ・300億円規模の 「コスト削減計画」実施 事業構造改革(100億円) 人件費構造改革(200億円) ・緊急コスト削減対策 〈実績362億円〉 ・「緊急対策プラン」 730億円のコスト削減 ・「緊急収支改善策」 300億円のコスト削減 〈実績1,048億円〉 ・860億円の 費用削減プラン 〈実績877億円〉 ・緊急収支改善策 300億円 〈実績320億円〉 2003.3 イラク戦争 2010.12 新型インフルエンザの流行 2004.4 JAL・JAS 統合 2002.11∼2003.7 SARS 2005.4 中国反日デモ 2011.3 東日本大震災 2008.9 世界同時不況 2002 2003 2004 2005 2006 2007 2008 2009 2010 2011 2012 (3月期) 40,000 35,000 30,000 25,000 0 グループ従業員1人当たり座席キロ イベント ANAグループコスト削減施策 33 アニュアルレポート 2012Climbing
...駆け上がる、ANAの各事業。
当期の営業概況と今後の戦略をご説明します。
34Boarding
Takeoff
Climbing
Cruising
Climbing
全日本空輸株式会社35