38 全日本空輸株式会社
2012年 3月期の概況
震災影響を受けるも期末までには回復
国内線の需要は、2011年 3月に発生した東日本大震 災の影響により減退しましたが、ビジネス需要は 2011 年 6月には前年同期並みの水準まで回復したほか、プレ ジャー需要についても、営業面でさまざまな需要喚起策 を講じた結果、当期末までには震災の影響が解消され ています。
期初の段階から震災の影響による大幅な需要の落ち 込みに対応するため、定期便の一部減便や多くの路線 において機材の小型化を実施しました。また、羽田発着 路線を中心に、週末と平日の需要に合わせた機材投入 の柔軟な調整を行ったほか、夏季休暇シーズンなどでは 羽田−千歳線・那覇線を中心に臨時便を設定するなど、
需要が多い路線の供給拡大を進め、座席キロの適正化 を進めました。
路線ネットワークについては、ネットワークの充実を 進め、2011 年 10月に松山−那覇線、同年 12月に伊丹
−秋田線を新規に開設しました。当期は、これらのきめ 細かい需給適合に注力したことから、震災の影響を最小 限にとどめ、当期の座席利用率は前期から 2.4ポイント 減少の 60.9%となりました。
戦略機材ボーイング 787 型機は、2011 年 11 月、世 界初となる定期便として羽田−岡山線・広島線に投入し ました。その後は、羽田−伊丹線・山口宇部線・松山線に 順次投入しました。
また、当期は震災復興支援策も展開し、仙台、福島、
山形に向けた臨時便の設定を行ったほか、ボーイング 787型機を使用した成田遊覧チャーターや仙台、福島で の復興応援フライトを実施しました。
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航空運送事業
ハイライト
2012 2011 2010 2009 2008
売上高(億円)
6,515 6,526 6,309 6,993 7,395
旅客数(万人)
3,902 4,057 3,989 4,275 4,555
座席キロ(億座席キロ)
567 567 571 592 626
旅客キロ(億旅客キロ)
345 359 353 375 399
座席利用率(%)
60.9 63.4 62.0 63.5 63.7
ユニットレベニュー(円)11.5 11.5 11.0 11.8 11.8
イールド(円)18.8 18.1 17.8 18.6 18.5
旅客単価(円)
16,698 16,084 15,816 16,359 16,233
2012年 3月期における国内線旅客事業の売上高は、総売上高(内部取引消去前)の 41.8% を占めています。
国内線旅客事業の収入増減要因
(億円) 単価要因 旅客数要因
2011 2012
6,526 6,515
+230 -240
BoardingTakeoffClimbingCruisingIn-Flight ServiceApproachLanding
アニュアルレポート 2012
40
営業面では、プレジャー需要の喚起を目的とした週末 限定の新運賃「週末割引」を設定したほか、夏季休暇シー ズンには「旅割」の設定拡大や、「旅割」「スーパー旅割」の 値下げを実施するなど、競争力強化と潜在需要の喚起に 努めました。
サービス面についても、2011 年 4 月より A N A マイ レージクラブ会員向けに、片道 1 区間から特典航空券に 交換できる新たな制度を導入したほか、2012 年 2 月に は那覇空港、同年 3月には鹿児島空港のラウンジの改修 を行うなど、お客様のさらなる利便性・快適性の向上を 図りました。
以上の結果、当期の国内線旅客数は前期比 3.8%減 少の 3,902 万人となりました。旅客単価については、競 争力向上を背景に旅行・プロモーション運賃やビジネス 運賃の引き上げを行ったことに加え、ビジネス需要を含 む一般個人の旅客数が早期に回復したことが客体構成 の変化に伴う単価上昇をもたらし、前期から 3.8%増加 しました。
こうして、旅客単価の向上が旅客数の減少による減収 幅を極小化し、当期の国内線旅客事業の収入は前期比 0.2%減少の 6,515億円となりました。
国内線航空需要 前期比推移
2 0 -2 -4 -6 -8
出典:国土交通省「航空輸送統計年報」
(%)
2008 2009 2010 2011 2012(3月期)
月次国内線座席キロ・旅客数 前年同月比推移
50 25 0
-25 3 -50
2011年3月期
4 5 6 7 8 9 10 11 12 1 2 3(月)
(%) 10 5 0
-5 -10
(%)
2012年3月期
座席キロ(左軸) 旅客数(右軸)
座席キロ・旅客キロ・座席利用率 前年同期比推移
20 10 0 -10 -20 第1四半期
2011年3月期
第2四半期 第3四半期 第4四半期 第1四半期 2012年3月期
第3四半期 第4四半期 12
6 0 -6 第2四半期 -12
(%) (%)
座席キロ(左軸) 旅客キロ(左軸) 座席利用率(右軸)
ユニットレベニューとイールド
(円)
ユニットレベニュー イールド 20
15 10 5
0 2008 2009 2010 2011 2012
18.5
11.8
18.6
11.8
17.8
11.0
18.1
11.5
18.8
11.5
(3月期)
単価向上により旅客数減少による減収幅を極小化
全日本空輸株式会社
「ANA SUITE LOUNGE」
41
航空運送事業
2013 年 3 月期は、震災からの需要回復が一層鮮明に なることが想定されます。引き続き、市場環境に応じた マーケットごとの最適機材配置を目指すとともに、競争 力の維持・向上に注力し、収益基盤事業として競争力を 確保していきます。
路線ネットワークでは、羽田−岩国線、成田−新潟線を 新規開設するなど、ネットワークの拡充を図ります。ま た、注目度の高いボーイング 787 型機を新たな路線に 投入するなど、競争力のさらなる向上を目指します。
営業面では、お客様ニーズや競争環境の変化に対応 するため、プロモーション運賃のリニューアルや訪日外
国人向け国内線新運賃の設定のほか、サービスの充実 に努め、お客様満足の向上を図ります。
こうした取り組みを通じ、2013 年 3 月期の国内線旅 客事業の収入は、2012 年 8 月から就航を開始したエア アジア・ジャパンの収入も含め、当期から 6.7% 増加の 6,950 億円を見込んでいます。(L C C の事業展開の詳細 については、P50〜53 の事業戦略特集:「新たな需要の 創出に向けて〜L C C 事業の展開〜」をご参照ください)
な お 、この 前 提となる座 席 キロは 当 期 比 4 . 1% 増 加 、 座席利用率は同 2.4ポイント増加、ユニットレベニューは 同 2.5%増加を予想しています。
国内線ネットワーク変更一覧
路線開設 2011年10月 松山−那覇(期間運航)
2011年12月 伊丹−秋田 2012年3月 新潟−成田 増便 2011年4月 伊丹− 熊本 2011年6月 千歳−女満別 2011年7月 伊丹−仙台・新潟
2011年10月 羽田−千歳・秋田・徳島、成田−福岡、伊丹−大分、広島−那覇 減便 2011年6月 千歳−函館
2011年7月 中部−仙台
2011年10月 羽田−オホーツク紋別・函館・関西、伊丹−仙台、関西−千歳・那覇、中部−千歳・仙台・福岡、千歳−函館、
那覇−石垣
再開 2011年10月 千歳−オホーツク紋別(期間運航)
2012年3月 福岡−宮崎 休止 2011年7月 中部−大分 2011年10月 松山−千歳
コードシェア 2011年7月 アイベックスエアラインズ(株)とのコードシェア開始(中部−仙台・大分)
2013年 3月期の取り組み
需要回復と競争力強化を背景に増収を見込む
客体別旅客数 前期比推移
(%)
一般個人旅客 プロモーション個人旅客 旅行旅客 全体 15
10 5 0
-10 -5
2010 2011 2012
-4.8 -1.5 +3.4
(3月期)
-6.7
+3.0
-3.8 +11.4
+1.7
-0.4 -3.3 -8.2
-3.8
BoardingTakeoffClimbingCruisingIn-Flight ServiceApproachLanding
アニュアルレポート 2012