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Approach
アニュアルレポート 2012
「ANA グループ 2012-13経営戦略」の概要
全日本空輸株式会社
概況
ANA グループの状況
ANA グループは、全日本空輸(株)(ANA)および、子会社 108社、関連会社 41社(連結対象範囲は連結子会社 62社、持 分法適用子会社・関連会社 22社)により構成されています。
2012年 3月期(当期)は、東日本大震災(以下「震災」)の影響 による需要の急減に対して、需要の喚起に努めるとともに、お よそ 300 億円の緊急収支改善策を実施し、収支へ与える 影響を極小化すべく取り組みました。加えて、下半期には、
2013年 3月期から実施予定の 1,000億円規模のコスト削減 策の一部を前倒しで実施した結果、営業利益は過去最高となっ たほか、当期純利益も増益となりました。
中長期的な会社の経営戦略
ANA グループは、震災の影響や欧州の政府債務危機などを 背景とした世界景気の下振れ懸念、原油価格の高騰、為替変動 などにより依然として先行き不透明な中、「アジアを代表する 航空企業グループを目指す」という経営ビジョンの達成に向け、
LCC 事業への参入、世界初のボーイング 787型機の営業飛行
開始、およびエアーニッポン(株)との合併(2012年 4月 1日実 施)に向けた諸準備を行ってきました。
航空業界は首都圏空港容量の拡大や航空自由化のさらなる 進展、LCC の相次ぐ新設など、大きな転換期を迎えています。
こうした環境下で、既存の日系キャリアはもとより、アジア・欧 米のフルサービスキャリア、LCCとの本格的な競争時代を迎え るとともに、新幹線の延伸などによる他交通機関との競争も激 化することが予想されます。
ANA グループは、このような大競争時代を勝ち抜き、次世 代に向けたさらなる成長と飛躍の実現に向けて、2012年 2月に
「ANA グループ 2012-13経営戦略」を策定し、羽田国際化・成 田 空 港 容 量 の 順 次 拡 大 、ボーイング 7 8 7 型 機 導 入やジョ イントベンチャーの活用などを契機とした国際線ネットワーク の拡充に取り組んでいます。あわせて、「マルチブランド戦略 の確立」「グループ経営体制改革」「構造改革によるコスト競争 力強化」の 3つを柱とする経営基盤の強化に取り組み、「強く 生まれ変わる」ことで常にお客様に選ばれ続けるエアライン グループとして、「アジアを代表する航空企業グループを目指 す」という経営ビジョンの達成を目指します。
財務分析
・成長戦略の土台づくり
・継続的な財務体質の強化
経営テーマ
・グループ経営体制の変革
(従来の継続テーマ)
・経営資源の最大活用による経営効率の向上
・強固な収入基盤とボラティリティリスク耐性の確立
マルチブランド戦略の確立
・ 国際線ネットワークを拡充しながら、フルサービスキャリアとして、LCCとは一線を画す ANA ブラン ドの研鑽
・ 新たな LCC ビジネスモデルに基づき、徹底的な低コスト運航体制を実現するとともに、新規需要 を創出
グループ経営体制改革
具体的な取り組み ・経営と執行を分離し、持株会社による全体最適視点での経営戦略の立案、経営資源の配分を実現 ・ グループ各社に権限と責任を委譲することにより、お客様ニーズを的確に把握しつつ、スピー
ディーに品質・コスト両面にわたる最適な業務を執行
・各事業会社が業務の執行に専念することで、マルチブランド戦略推進ならびに収益最大化を実現
構造改革によるコスト競争力強化
・ビジネスプロセス改革や組織体制のフラット化を通じて、施設・IT・間接人員体制を最適化 ・直接部門の生産性を中心としたグローバル基準比較に基づく、競争力ある生産構造への変革
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アニュアルレポート 2012
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経営環境
経済一般情勢
当期の日本経済は、2011 年 3 月に発生した震災の影響によ り依然として厳しい状況にある中、個人消費は底堅く推移し、ま た設備投資は持ち直しの動きが見られるなど、景気全体は緩や かな回復基調で推移しました。一方、欧州の政府債務危機など を背景とした海外景気の下振れ懸念や為替レートの変動、原油 価格の高騰などにより、先行きは不透明な状況となりました。
原油価格・為替動向
当期の原油価格は、一年を通じて高止まりの状況が続きまし た。当期末のドバイ原油価格は 120.4ドル/バレル、当期平均 価格では 110.1ドル/バレルとなりました。
また、シンガポールケロシン製品市況も原油価格に連動する 形で推移し、当期末で 135.4ドル/バレル、当期平均価格では 128.4ドル/バレルとなりました。
円ドル為替相場は、2011 年 10 月に 75.3 円という史上最 高値を記録するなど期中は円高で推移しました。上半期にお いては平均 79.6 円/ドルとなり、下半期においては平均 78.3 円/ドルとなりました。結果、期中平均では 79.0 円/ド ルとなりました。
航空需要動向
2011 年における国際航空運送協会(IATA)加盟の航空会社 による国際線定期航空輸送旅客数は8.1億人で前年比 6.5% の 増加、国内線定期航空輸送旅客数は11.0 億人で前年比 2.9%の 増加となりました。また、世界の定期航空貨物の輸送量は前年 比 0.7% の減少となりました。(IATA World Air Transport Statistics, 2011)
2012 年 3 月期の国内定期航空運送の旅客数は、7,905 万人 で前年比 3.8% の減少となりました。幹線は 3,360 万人で前年 比 3.1% の減少、ローカル線も4,546 万人で前年比 4.4% の減 少となりました。貨物重量は90 万トンとなり、前年比 4.4% 減少 しました。2012 年 3 月期の本邦企業の国際航空輸送の旅客数 は、1,259 万人となり前年比 8.1% の減少となりました。貨物重 量は107 万トンとなり、前年比14.5% 減少しました。(国土交通省
「航空輸送統計」速報)
2012 年 3 月期 (当期) の業績
営業収入・営業利益
当期の営業収入は、震災の影響による減収がありましたが、
需要の喚起に努めたことにより、国際線旅客を中心に増収とな り、前期比 4.0%、538 億円増加の1兆 4,115 億円となりました。
営業費用は、事業規模拡大により営業収入が増加する中で も 1 兆 3,144 億円と、前期から1.9%、246 億円の増加にとど めることができました。これは、きめ細やかな需給適合を進め たほか、震災直後に策定したおよそ 300 億円強の緊急収支改 善策の展開や、2013 年 3 月期以降で実施予定の 1,000 億円 規模のコスト削減策の一部を下半期に前倒しで実施したことに よるものです。以上により、営業利益は前期比 43.1%、292 億 円増加の 970 億円と過去最高となりました。
セグメント別の状況
航空運送事業
売上高は、ビジネス需要の回復や需要喚起策の推進、ボー イング 787 型機の投入などにより、前期比 3.6% 増加の 1 兆 2,625 億円となりました。(事業別の詳細については、P36〜
48 の「航空運送事業」をご参照ください)
国内線旅客事業は、震災の発生により需要が減退する中で、
需要喚起と需給適合に努めました。なお、震災に起因する需要 減退は当期末までに概ね解消されています。また、2011 年 11 月より羽田−岡山線・広島線にボーイング 787 型機を世界 初の定期便として投入し、その他の路線にも順次投入しまし た。当期の旅客数は震災の影響により3.8% 減少しましたが、
旅客単価はビジネス需要の減退が相対的に小さかったことによ る客体構成の改善と、競争力の強化を背景に前期比 3.8% の 増加となりました。その結果、国内線旅客収入は前期比 0.2%
減少し、前期より10 億円の減収となりました。
国際線旅客事業については、2011 年 5 月より需要が徐々に 回復する中で、需給に応じた機材の適正配置に努めました。加 えて、訪日需要に対しては、各国からの視察旅行の誘致を行う ドバイ原油、シンガポールケロシン
価格の月別推移(当期)
(ドル/バレル)
ドル為替の月別推移(当期)
(円/ドル)
ドバイ原油 シンガポールケロシン 2011
年4月 2011
年6月 2011
年8月 2011
年10月 2011
年12月 2012
年2月 2011
年4月 2011
年6月 2011
年8月 201
1年10月 2011
年12月 2012
年2月 80
100 120 140 160
70 75 80 85 90
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全日本空輸株式会社
など、積極的なイメージ回復に努めたほか、生産量増加に即し たマ ー ケティング 施 策 が 奏 功し、当 期 の 旅 客 数 は 前 期 比 13.8% の増加、旅客単価は前期比 0.2% の増加となりました。
その結果、国際線旅客収入は前期比 14.0% 増加し、前期より 394 億円の増収となりました。
貨物郵便事業では、国内線貨物収入が前期比 2.6% 増加の 332 億円となりました。国際線貨物は、円高や景気の影響によ り、日本発の輸出航空貨物を中心に厳しい市場環境となりまし たが、輸送重量の確保に積極的に努めた結果、輸送重量は前 期比 2.4% 増加し、国際線貨物収入は前期比 2.2% 増加の 879 億円となりました。郵便に関しては、国内郵便、国際郵便とも に前期に比べ増収となりました。
航空運送事業の営業費用は、事業規模拡大により営業収入 が増加する中であっても前期より162 億円の増加にとどめるこ とができ、前期比 1.4% 増加の 1 兆 1,740 億円となりました。
これは、震災直後に策定した緊急収支改善策(コスト削減額 320 億円)、さらには 2013 年 3 月期以降で実施予定の 1,000 億円規模のコスト削減策の一部前倒し(コスト削減額 110 億 円)の推進が奏功した結果です。
なお前期から営業費用が増加した主な要因は、国際線旅客 事業の生産量の増加や市況高騰により燃料費が増加したほか、
空港使用料、機材費、人件費といった生産連動費用の増加によ るものです。
以上の結果、航空運送事業の営業利益は前期比 46.3% 増 加の 884 億円となりました。
営業費用の内訳は上記のとおりです。
〈燃油費及び燃料税〉
燃油費及び燃料税は、前期比 2.7% 増加の 2,631 億円とな り、航空運送事業の営業費用に占める割合は、前期の 22.1%
から22.4%となりました。
燃料消費量に関しては、国内線を中心とした需給調整に加 えて、エンジン洗浄や最適飛行高度を選択して燃費の効率化 を図るフューエル・マネジメント(燃費効率化)などの対策を講 じた結果、一定度抑制されましたが、国際線の生産量拡大に よって全体の消費数量は増加しました。為替が円高基調となっ たことは費用削減要因となりましたが、前期に比べ燃油市況 水準が高値圏で推移を続けたため、燃油費の増加要因となり ました。
燃料税については、航空機燃料税の軽減があり費用削減要 因となりました。
単位:百万円
3 月31 日に終了した 1 年間 2012 2011 2010
「航空運送事業」費用:
燃油費及び燃料税 ... ¥ 263,123 ¥ 256,292 ¥ 249,920 空港使用料 ... 94,532 93,842 92,443 航空機材賃借費 ... 67,131 63,934 60,383 減価償却費 ... 117,234 116,287 111,366 整備部品・外注費 ... 45,760 46,296 56,286 人件費 ... 251,064 243,347 229,760 販売費 ... 63,532 67,098 76,577 外部委託費 ... 86,371 83,804 81,521 その他 ... 185,335 186,888 188,388
1,174,082 1,157,788 1,146,644
「旅行事業」費用 ... 155,045 156,744 166,994
「その他」費用 ... 134,328 134,150 134,143 営業費用合計 ... 1,463,455 1,448,682 1,447,781 セグメント間取引 ... (148,973) (158,837) (165,181) 営業費用(連結) ... ¥1,314,482 ¥1,289,845 ¥1,282,600
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