• 検索結果がありません。

那覇

成田

鹿児 鹿

関西 関西

釜山 釜山

台北 台北(桃園)

千歳

香港 香港

ウル

福岡 長崎 ソウ ソウ ソウウル(仁(仁仁川)

エアアジ ア・ジャパン( エアアジ ア・ジャパン( 株 ))、ピ ー チ( P e a c h   A v i a t i o n( 株 ))という ローコストキャリア(以下 LCC)2 社と、ANA マルチブランド戦略を推し進める ANA グループ。

新たな需要創出に向け、ANA グループは革新的な取り組みに挑戦し続けていきます。

 実際、日本のマーケット環境を見れば、関西空港は発 着枠に余裕があり、手を挙げればいつでも L C C が参入 できる状 況にあったほか、成 田 空 港も発 着 枠 の 拡 大か ら、本格的 LCC が参入できる下地が整いつつあり、海外 LCC による日本路線参入が拡大しています。またアジア 地域においても、東南アジアではエアアジアをはじめと する LCC が拡大している一方で、北東アジアでは韓国国 内で一部展開を始めているものの、東南アジアに比べ LCC の拡大はこれからという状況です。

LCC2社の設立へ

 こうした LCC 事業に関する調査研究や発着枠拡大など の事業環境の変化を踏まえ、A N A グループでは、日本 マーケットに本格的 L C C が参入してきた場合に取るべき 戦略・方向性の構築を進めてきました。その結果、A N A グループは他社に先駆けスピード感を持って自らが LCC を設立し、先行者としてシェアの獲得を目指すこととし ました。

 LCC 設立に向けては、国内最大の航空需要を抱える首 都圏を第1ターゲットとしながらも、国内第 2の都市、大阪 を中心とする関西圏も有望なマーケットと位置づけ、両地 域での展開について検討を重ねました。そして、マーケット

特性に応じた LCC 事業体制の構築が必要との認識の下、

マーケット環境の違いや経営資源の投下効率などを考慮 し、首都圏・関西圏別に LCC を立ち上げることとしました。

 まずは、24 時間運航が可能で L C C のビジネスモデル である機材稼働の最大化に適した関西空港を拠点とする L C C の設立に着手。「クールジャパン」をキーワードに新 たなブランドを立ち上げ、日本初の L C C、「P e a c h(ピー チ)」が生まれました。設立にあたっては、従来の価値観 や発想を払拭し、新たなビジネスに挑戦することが必要 であり、そのためには独立性や自立性を有することが肝 要と考えました。結果として、40% 未満の出資にとどま るものの、筆頭株主の立場を取ることとしました。

 次に、首都圏においては、発着枠の拡大・規制緩和を背 景に、成田空港を拠点とするLCC の設立に着手しました。

3,000万人以上の人口を抱える首都圏では、潜在需要は 莫大である一方、他 LCC の参入や競争激化も想定される ことから、ピーチ以上にスピードを持った事業展開が不可 欠となります。そのため、既存 LCC のブランド力を活用し た迅速な事業規模の拡大を目指し、日本マーケットへの参 入の機会をうかがっていたアジア最大の LCC、エアアジア と共同でエアアジア・ジャパンを設立することとしました。

また、首都圏需要のボリュームを確保し、経営の関与を強 めるため、子会社化しています。

LCC2社の就航路線(2012年 6月末現在)

51 Peach Aviation 就航路線

  関西−千歳線   関西−福岡線   関西−長崎線   関西−鹿児島線   関西−那覇線(計画)

  関西−ソウル(仁川)線   関西−香港線(計画)

  関西−台北(桃園)線(計画) エアアジア・ジャパン就航路線(計画)

  成田−千歳線   成田−福岡線   成田−那覇線   成田−ソウル(仁川)線   成田−釜山線

BoardingTakeoffClimbingCruisingIn-Flight ServiceApproachLanding

アニュアルレポート  2012

150,000

100,000

50,000

0 2010年3月 2011年3月 2012年3月

▶関西/伊丹/神戸−千歳線の3月(単月)実績

(人) (%)

100

80 70 60 50 0 90 ANA就航・旅客数(左軸)

  関西−千歳線   伊丹−千歳線   神戸−千歳線

ピーチ就航・旅客数(左軸)

  関西−千歳線

ANA就航・旅客数(左軸)

  関西−福岡線   伊丹−福岡線

ピーチ就航・旅客数(左軸)

  関西−福岡線

ANA3路線の座席利用率(右軸)

100,000 80,000 60,000 40,000 20,000

0 2010年3月 2011年3月 2012年3月

▶関西/伊丹−福岡線の3月(単月)実績

(人) (%)

100

80 70 60 50 0 90

ANA2路線の座席利用率(右軸)

52

LCC のビジネスモデル

 LCC 設立とあわせて、ビジネスモデルについても検討 を重ね、安全以外のすべての業務を徹底的にシンプル化 したモデルを追求しました。具体的には、以下のような 特徴が挙げられます。

・ 中小型機を中心とした単一機材による運航

・ 空港での待機時間を極力短縮し、ポイント・トゥ・ポイント    (2地点間運航)での路線展開による機材稼働の極大化

・ 販売手法のシンプル化(Web での予約・販売に限定)

・ 搭乗手続きのシンプル化(手続きの自動化)

・ 機内サービスのシンプル化および付加サービスの有料化    (受託手荷物有料化、機内飲料有料化など)

・ わかりやすい運賃

 L C C2 社では、こうした「シンプル・低コスト・多頻度運 航のビジネスモデル」を導入し、親会社からの影響を極 力排除した独自運営を行うこととしました。

フルサービスキャリア戦略から マルチブランド戦略へ

 A N A グループでは、L C C の展開と同時に、従来のフ ルサービスキャリアとしての事業戦略を含めたグループ 全体の今後の戦略についても再構築を進めました。

 その答えとして掲げたのが「マルチブランド戦略」です。

フルサービスキャリアと L C C の 2 つの事業特性、そして ターゲットとするマーケットを明確にして、ネットワーク 展開、商品・サービスを提供していきます。

 フルサービスキャリアは、利便性を考慮した時間帯で の運航便設定やネットワークの充実、欧米線をはじめと する中長距離路線の拡大、ビジネス利用を中心に高単価 旅客をターゲットとした商品・サービスの提供に注力しま す。一方、L C C は多頻度運航、ポイント・トゥ・ポイントで の路線展開、国内線や短距離国際線での路線充実、プレ ジャー利用を中心とし、同時に従来は航空機を利用しな かった低価格志向の旅客をターゲットとした新たな需要 の創出を図ります。

取り組むべき課題

 ピーチは 2012 年 3 月より運航を開始し、当初の予測 を上回る順調な滑り出しとなっており、エアアジア・ジャ パンは同年 8月からの就航に向け、準備を進めています。

両社ともに国内線および国際線において、短期間での事 業拡大を目指しており、新たなビジネスを日本で発展さ せるという強い想いで挑戦を続けています。

 一方、日本で L C C ビジネスを発展・拡大していくため には、さまざまな環境整備が必要となります。

 まずは、海外での L C C 発展や日本で L C C が生まれ る契機となった、規制緩和が挙げられます。今後、さら に規制緩和が進めば、日本特有のコスト負担の軽減も 可能となり、L C C だけでなく日本の航空会社がグロー

ANAとピーチの競合路線実績

全日本空輸株式会社

事業戦略特集:新たな需要の創出に向けて

〜 LCC 事業の展開〜 

バ ルで十 分な競 争 力を持ち、発 展していくことが 期 待 できます。

 また、空港へのアクセスも重要な課題です。成田空 港や関西空港においては、L C C 参入を契機とした低運 賃での空港バスなどのアクセス手段の開発も進んでい ますが、深夜・早朝の運行など、さらなる利便性向上が 課題です。

 加えて、空港ターミナルについても、より低コストで 使用できる施設が必要です。関西空港や那覇空港では、

2012 年秋から L C C 専用施設がオープンし、2014 年に は成田空港にも L C C 専用ターミナルが開設されます。

例えば那覇空港では、従来の ANA グループの貨物施設 を利用し、短期間で旅客施設として使用できるよう低コ ストでの改築を行います。

 中長期的な課題としては、運航乗務員の確保が重要に なります。L C C では機材 1 機当たり約 10 人の運航乗務 員が必要とされる中、現時点では他社経験者を中心に採 用していますが 、今 後は相 当 数 の 養 成 が 必 要となりま す。拡大を続けているアジアの航空マーケットにおいて も、大幅に人員不足が予測されています。これらを踏ま え、A N A グループでは、2011 年 12 月、日本初のフラ イトシミュレーターを使用した乗務員訓練会社、p a n d a  Flight Academy(株)を設立しました。将来の事業拡大 へ対応できるよう、運航乗務員養成・確保に取り組んでお り、すでにピーチ運航乗務員への機種限定変更資格の訓 練などを行っています。

 最後は、コストです。L C C ビジネスにおいて、コスト 競争力=価格競争力となることから、低コストでの運航 を行う体 制を構 築できるかどうかが 勝 負 の 分かれ目で す。自らの努力・工夫によりコスト削減を行うとともに、

事業拡大により一定の規模を確保し、単位コストを削減 する必要があります。そして、「他社よりも速く、スピード 感を持った事業展開」に全力を挙げて取り組んでいます。

LCC 戦略の進化、アジア戦略の深化へ

 初就航以降のピーチの実績を見ると、初めて航空機を 利用されるお客様や今まで他の交通機関を利用されて いたお客様が多く搭乗されていることに加え、「また利用 してみたい」とのお声も多くいただいています。こうした ことから、L C C による新たな需要の創造については高い

ポテンシャルがあるととらえており、今後機材を増やし、

路線を拡大することで、高い成長性を確保できると考え ています。

 また、L C C2 社は、国内線を中心とした事業展開でス タートし、一定度の路線展開を図った段階で、日本発着 の短距離国際線をはじめ、ANA ブランドがカバーしてい ない領域への路線展開にシフトしていきます。

 長期的な視座に立てば、今後の人口推移などを考慮 すると、日本マーケットの成長性だけでは限界があると 見ており、成長性のあるアジアマーケットで旺盛な需要 を獲得していくことを目指しています。

 すでに A N A グループでは、アライアンス、ジョイント ベンチャーを通じたアジアから北米への旅客需要獲得に 取り組んでいます。今後、マルチブランド戦略の下、継 続してフルサービスキャリアと L C C、それぞれのブラン ドによるビジネスについて十分に検討を重ね、アジア域 内での旅客需要の獲得を図り、A N A グループ全体のさ らなる成長を目指していきます。

53 アジア戦略室

副室長

大橋 一成

「LCC事業をはじめ、新たな需要創出に向け、

  革新的な取り組みに挑戦し続けます。」

BoardingTakeoffClimbingCruisingIn-Flight ServiceApproachLanding

アニュアルレポート  2012