今を生き生きと活動し、新たな楽しさを発見していく子どもを求めて <第一年次> : 領域を合わせた授業
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(2) ノ 研究紀妄〔舞38集〕 2008・11. !Pr ヲを王さ王さこフ古郡し、 新たな楽しさを発見していく亨どもを求めて 〈第一年次〉. ∼領域を合わせた授㌻・. 一■I. 戸 」l. コ■. 州.付点教育大丁...問,U.間小・中学校 特〃.スー好男級、仰)WWT,隅.
(3) 研究紀要〔第38集〕. 今を生き生きと活動し、. 新たな楽しさを発見していく子どもを求めて 〈第一年次〉. ∼領域を合わせた授業∼. ∼「紅瓢箪をめぐって. 劇 西遊記より」∼. 2008・11. 北海道教育大学附属札幌小・中学校 特別支援学級(ふじのめ学級).
(4) 子どもたちと共に学んで 北海道教育大学附属札幌小学校 校 長 渡 部 英 昭. 2年前のことです。赴任して間もなく、ふじのめ学級の先生方に「子どもたちと一緒にミクロの世界 の観察をしたいのですが‥・」と尋ねました。理由は2つあります。一つは、5年生に生き物(特に 昆虫類)に詳しい子ども(複数)がいて、細かな構造に興味をもっていることが彼らとの話し合いの中 で分かったことです。もう一つは、ご存知の方も多いと思いますが、近年、可動範囲が広く操作性に優 れた双眼実体顕微鏡が普及してきたことです。子どもたちの貴重な学習時間を割いていただくのですか. ら、もちろん授業者として甘えは許されません。四苦八苦しながら30数年振りに学習指導案を考え、プ ラスチックシャーレなど安全な教材教具に配慮し、いよいよ観察学習の開始です。 最初に、虫メガネを通した観察ですが、数倍率の世界にも感激の声があがりました。次に、顕微鏡の. 登場です。虫メガネと顕微鏡の根本的な違いを説明し(こんなのはどうでも良いことだ!と、後で気が 付きました)、消しゴム、鉛筆、新聞紙、自分の指を観察しました。楽しくなると子どもたちは主体的 に学び始めるものです。顕微鏡を使う時の注意点、ピントや明るさにも気が付いたようです。教室内に あるものの観察が終わり、次は外に出て、観察したいものを自分で探し、教室に持ち帰る課題を出しま した。男子はやはり虫です。ゾウムシの複眼や吻の整然とした構造、クモやワラジムシの頭吾βだって美 しい構造をしています。女了一が観察したもの、やはり花でした。交流の場を設定したのですが、男了一の 虫の構造は女子には不評だったようです。顕微鏡を箱に戻して、全貞で意見交換を行い、終了となりま した。. この授業の目的は、「昆虫の体のつくり」や「花の構造」を理解(または暗記)することではありま せん。自然の階層構造、ミクロの世界の存在、その実しさや不思議さを感じることです。自分で工夫し. ていろいろな顕微鏡操作ができることです。仲間と協力して行うことです(異学年間で班を作って)。 考え、感想、意見などを交流し合うことです。子どもたち、これらの学習目的を大変よく達成しました が、それ以上に、私自身も楽しんでいました。. 顕微鏡は私の研究(=仕事)のツールの一つであり、ショウジョウバエのいろいろな組織や器官、染 色体核型を観察するのに欠かせませんが、いつの頃か、私はミクロの世界の不思議や美しさを意識しな い生活が始まっていました。子どもたちとの授業で、歓声を聞くたびに、私も一緒に顕微鏡を覗き込み. 感動を共有していました。子どもたちに感謝です。 昨年の巻頭言でも触れましたが、大学の先生方の協力を得ながら、子どもたちとの学習は「地上性昆. 虫の採集」、「茨戸川の生きもの調べ」、「花の世界」、「ヤマブドウ採りとジャムつくり」、「展望台からの 観察」などへと広がっています。授業協力してくださった先生方は私とまったく同じ感想をもたれてい ます。授業とは、教師と子どもたちが協力して創りあげていくもの、学びと感動を共有するもの、そし てそれは校種や教科を問わない普遍的なもののようです。本学放では今年度から新たな研究主題の基に 研究を進めてまいりましたが、これまでと同様に学びと感動を共有できるような授業作りを目標として 取り組んできております。 まだまだ、至らない点も多いかと存じますが、諸先生方の忌悍のないご意見、ご助言を賜りますよう お願い申し上げます。 終わりに、助言や司会をお引き受けいただきました諸先年、また、ご協力、ご後援をいただいた教育 関係諸機関の方々に心より感謝申し上げます。.
(5) ゾ 」. 挨. 拶. 北海道教育大学附属札幌中学校 校 長 城 後. 日ごろから、『ふじのめ学級』の子どもたちの学習の姿に接し、学ぶことが多くあります。それは、 よく言われてきた理念に“特殊教育(現在、特別支援教育)は教育の原点”であり、人間教育の基礎・基 本としての学びの場があることです。その教育の意味には「学校教育法により、心身に故障のある児童・ 生徒を対象として、その特性や能力に応じて行われる教育」として学校に位置付けています。しかし、『ふ じのめ学級』で学ぶ子どもたちは、コミュニケーションや社会的なルールなどの理解が難しい子や年齢. にふさわしくない行動や様子を感じさせない学習の姿があります。いわゆる人間観として一人一人の豊 かな心情表現や鋭い感性をもった子どもたちが多く、私は自己主張の強い生き生きとした活動にいつも 感動し、刺激を受けています。 さて、本年度の研究主題は「今を生き生きと活動し、新たな楽しさを発見していく子どもを求めて」 です。今日的な課題である“子どもたちが「学校で」「学びの中で」育んだ『生きる力』”を家庭や社会 生活に活かす豊かな経験を願っています。特に、楽しさを感じ合える授業づくりを目指しています。例 えば、「/ト1組カレーをつくろう!」では、春に植えたにんじんやジャガイモなどを畑で育て、観察や 手入れを繰り返しながら、収穫、味わう授業の集大成として“カレー作り”を単元としています。この 学びの過程で、子どもたちはにんじんの皮むきをしながら、匂いをかぎ、にんじんを抱きしめ家に持ち 帰り一緒に眠る姿や、ぎこちない包丁で野菜を切って、湯がいておいしそうに食べる子どもたちの楽し. い姿を見ることができます。 これら生活単元学習には、日常の持続的な体験を通して「モノ・コト・ヒト」が三位一体となり、豊 かな心が育まれています。また、学習内容には「点と線と面」といった学習の系統や段階を踏まえた継 続的な学びの中で、授業を通して「今を生きる子どもたち」のたくましい取組を見ることができます。 本校の『ふじのめ学級』では、楽しさと生きる力とが融合し合う豊かな姿の授業づくりを試みていま す。言い換えますと、授業の中で「ヒトとモノとコト」のかかわりから、言葉や行動により自分を表現 し、心がはぐくまれ、一人一人が個性を生かすことができる新たな特別支援教育の実現を願っています。 ご参会の皆様には深く感謝すると共に、忌悍のないご指導とご鞭撞のほどよろしくお願いいたします。.
(6) 次. 北海道教育大学附属札幌小学校 校長 渡 部 英 昭 北海道教育大学附属札幌中学校 校長 城 後. 1.研究主題の設定. 2.研究計画. 3.研究の実際. 4.研究の成果と課題. 実践例 小学校特別支援学級の取り組み 〈実践例1〉 〈実践例2〉. 小学校 生活単元学習「みんなであそばう しょう2くみ!!①」 小学校 生活単元学習「どっちのデザート?. 2」. 〈実践例3〉. 小学校 生活単元学習「/ト1組カレーを作ろう!!」. 〈実践例4〉. 小学校 生活単元学習「お母さんの仕事、お父さんの仕事、私の仕事」・・・・・・・・. 40. 中学校特別支援学級の取り組み 〈実践例1〉 〈実践例2〉. 中学校 生活単元学習「『校外宿泊学習』∼めざせ、ふじのめ寿司職人∼」・・・48 中学校 作業学習(木工班) 「総合文化祭の展示即売会に出品する製品を作ろう」. 〈実践例3〉. 中学校 生活単元学習「伝えよう 私たちのこと D組のこと」. 〈実践例4〉. 中学校 作業学習(窯業班) 「総合文化祭の展示即売会に出品する製品を作ろう_・. 研究活動のあゆみ. あとがき. 北海道教育大学附属札幌小学校 特別支援学級 主任 小 川. 央・・・・・・・・・・・・・・ 81.
(7) これまで、本学級では子どもたちが「豊かな生活」を送るための「学 び」を目指して研究に取り組んできました。現在の学校生括や家庭生活 での豊かな「学び」が現在の充実感や満足感のある生活につながり、現 在の生活を「豊かに」過ごす経験が積み重なることで将来の生活におい ても、一層の「豊かさ」を実現することができるようになるのではない かと考えています。 本学級で目指す「豊 かな生活」. 「豊かな生活」については、本学級研究紀要 第28集では研究主題を 「豊かな生活をめざした教育課程の再編成」として、「自分自身の思い や願いを基に積極的に人やものへかかわり合いながら、自分らしさを発 揮することにより、存在感(研究紀要第29集で「自己有用感」と改訂) を感じるとともに成就感や満足感を味わうことのできる生活」と定義し ています。これは平成8年に中央教育審議会答申から出された「生きる 力」の具現化を目指すために、本学級の児童生徒の実態を捉え、本学級 での実践の課題を振り返りながら実践研究を通して見えてきたテーマで す。そして、その後も本学級では「豊かな生活」を目指し、実践を通し. 本学級での「学び」. て子どもたちの生きる力をはぐくんできています。研究紀要 第35集で. の定義. は研究主題を「仲間と共に創る学びを目指して」とし、「豊かな生活」 につながる「学び」を追求してきました。この研究では、「学び」につ いても「仲間と共に活動する中で、自分と他との関係を作りつつ、『新 しい自分の世界』を築いていく過程」と再定義しました。これは、もう 一度「学び」について「かかわり合い」を視点に探究していくことで、 子どもたちのより豊かな生活に迫っていけると考えたからです。. /苫炒あ免乱 自分自身の思いや願いを基に積極的に人やものへかかわり合いながら、自分らしさを発揮すること により、自己有用感を感じるとともに成就感や満足感を味わうことのできる生活 √学狂/. 仲間と共に活動する中で、自分と他との関係を作りつつ、『新しい自分の世界』を築いていく過程. 一1一.
(8) 「かかわり合い」に 着目した研究. 前研究(3カ年)での研究の流れは、次のようなものになりました。 1年次は子ども一人一人のコミュニケーションの力を生かす実践を、2 年次は子どもたちの「思い・願い」に着目し、それらによって引き出さ れる「かかわらないかかわり」(言葉などでの直接的なやりとり以外の かかわり)を大切にとらえていく実践を重ねました。そして3年次は「ほ ぼ共通のイメージをもつ」を視点にし、「楽しさを感じ合える授業」を 目指しました。 この研究では、子どもたち一人一人の思い・願い、楽しさを大切にす ることで、子どもたちのかかわり合いは子ども一人一人のコミュニケー. ションの力を生かしながらも、目に見えるようなかかわりだけでなく、 かかわらないかかわりとして、幅広くとらえることができました。また、 子どもたちのかかわり合いが深まっていく中で、子ども一人一人の「楽 しさの変容」を見取ることができました。 「楽しさの変容」. このような、子どもたちがかかわり合いを深めていく様子、子どもの 「楽しさ」が変容していく様子を、次のように表すことができます。. 「子どもたちは、自分の思いや願い、楽しさを基に、積極的に仲 間とかかわり合いながら学習している。その学習活動の中で生まれ た『楽しさ』は『新たな楽しさ』に変わっていく。」. 子どもたちは学習の中で、仲間と「楽しさ」を共有することでかかわ り合いを深めていきます。そして、子どもたちが仲間とかかわり合いな がら楽しく学習する中で、「楽しさ」の質が変わっていったり、「新たな 楽しさ」を感じたりという、子どもたちの「楽しさの変容」がみられま す。このような姿はまさに本学級で追求している「学び」の姿です。ま た、子どもの「楽しさの変容」は、「子どもたちが学習活動の中で自分 の楽しさを変化させている」とも捉えることができるのではないでしょ うか。「楽しさ」はかかわり合いを引き出すだけでなく、子どもの活動 の大きな原動力となっていることを感じます。子どもたちの「楽しさ」 をより丁寧に捉え、個々の楽しさが変容していくような支援を考え、授 業作りに生かすことで、本学級で追求する「学び」をより深めていくこ とができると考えます。. 一2一.
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(10) 「豊かな生活」と 「生きる力」. 昨年度末に告示された新学習指導要領では、「知識基盤社会の時代」 とされる21世紀の社会を生き抜いていくために、より一層子どもたちの 「生きる力」をはぐくむことを重視していく考え方が示されました。本 学級に在籍する障がいのある子どもたちにとっても「生きる力」をはぐ くむことは重要な課題であります。. 本学級で言う「豊かな生活」は、障がいのある子どもたちにとっての 「生きる力」を具現化するために、子どもたちの実態を捉え、本学級の 課題を振り返りながら実践研究を通してみえてきたテーマです。「豊か な生活」につながる「学び」をより深めていくことで「生きる力」もよ り確かなものにしていくことができると考えます。また、研究を進めて いく中で、より具体的な力として「生きる力」を明確にしていきたいと 思います。. 「楽しさ」から追求. 私たちは、子どもたちの「学び」を深めるために様々な工夫を重ねな がら日々実践をしています。そのために、私たちは子どもたちの興味や 関心を高める題材を設定し、楽しみながら活動できる教材や教具を準備 します。そして、子どもたちが「∼ができる」「∼がわかる」という目 標の達成と同時に、子どもたちの「楽しかった」という声や笑顔を期待 しています。しかし、子どもたちの姿を振り返ってみたとき、「学校で 学習したことが日常生活には結びつかない」や「学習がなかなか積み上 がっていかない」という課題を私たちは感じています。このような課題 を考えたとき、先ほど述べた「楽しく活動する中で新たな楽しさを見付 けて次に進んでいく子ども」の姿からその課題を解決する視点がみえて きました。 子どもたちの思いや願いに目を向けずに、子どもたちの「できる」「わ かる」だけを追求すると、子どもたちが自分の力を発揮しながらいろい ろなものにかかわろうとする姿を引き出すことが難しくなると思いま す。子どもたちの思いや願い、自ら人やものにかかわろうとする活動を 大切にすることで、楽しく学習する姿、そして「次の楽しさ」を見付け ながら学習していく姿を引き出すことができると考えます。 「学校で学習したことが日常生活には結びつかない」「学習がなかな. か積み上がっていかない」という課題は、子どもたちの「学び」の課題 ではなく、子どもの学習を支える、子どもたちに向き合う私たち教師の 課題です。子どもたちの思いや願いに目を向け、子どもたちの「楽しさ」 が「次の楽しさ」につながるような授業を作っていかなければなりませ ん。. 一− 4 一−.
(11) 「今」の豊かな生活. 改めて述べますが、私たちは、子どもたちの現在の学校生括や家庭生 活での豊かな「学び」が現在の充実感や満足感のある生活につながり、 現在の生活を「豊かに」過ごす経験が積み重なることで将来の生活にお いても、一層の 「豊かさ」を実現することができるようになるのではな いかと考えています。. 「楽しさ」から追求. また、前3カ年研究から重要な視点としてみえてきた子どもたちの「楽 しさ」に着目することで子どもたちの「学び」を深めていきます。子ど もたちが楽しく活動する中で、楽しさを変容させながら活動する様子を 丁寧に見取り、「楽しさ」を授業作りの視点を考えていくことで子ども たちの学びを深め、子どもたちの「今の豊かな生活」に追っていきたい と考えます。 子どもたちの「今」の生活を大切にし、子どもたちの「楽しさ」が学 習活動の中で「新たな楽しさ」に変容していくことのできる授業づくり を本研究では目指していきます。 以上の理由により研究主題を以下のように決定しました。. 「今を生き生きと活動し、 新たな楽しさを発見していく子どもを求めて」. F 一5−.
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(13) 子どもたち一人一人の楽しさに着目し、子どもたちが今を生き生 きと活動し、友達とかかわり合いながら新しい楽しさを発見できる 「領域を合わせた授業」の在り方を探る。. 「楽しさ」とは. 学習活動の中で子どもたちからみえてくる「楽しさ」は、授業の課題 に沿ったもの、授業のイメージに沿ったものとして、子ども一人一人に. 違った形であらわれてきます。この「楽しさ」が、子どもたちが学習課 題に自分の力を発揮しながら取り組むための原動力となっています。私. たちが実践の中からみえてきた子どもたちの多様な「楽しさ」を以下に 例示します。 ・自分が積極的に人やものにかかわっていく中で感じている達成 感や満足感. ・魅力あるものと出会い、かかわっていく中で感じる楽しさや喜 び ・自分の変容(成長)を感じることのできる喜び ・「価値」を仲間と共有している喜び ・人とかかわり合うことの喜び. これらはまだ、ほんの一部かもしれません。しかし、このように子ど もたちの「楽しさ」の様子に常に注目してかかわっていくことで、その 時その時の子どもたちの楽しさがさらにみえてきます。子どもたちの「楽 しさ」を私たちが定めた固定的な形で捉えるのではなく、一緒に活動し ていく中で共感しながら見取ることが大切であると考えます。. 「生き生きと活動す る」とは. 子どもたちが「楽しさ」を感じるためには「生き生きと活動する」こ とが大切であると考えます。しかし、この「生き生きと活動する姿」も 子どもたち一人一人によって違い、多様な姿であらわれます。実践の中 での以下のような子どもの姿で捉えることができました。 ・自分の思いや願いを基に活動している。 ・自分の力を発揮している。 ・人やものとの多様なかかわりがある。. 一7一.
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(16) 視点l 子どもたちが生き生きと活動することので書る学習活動 これまでの実践を通して、「子どもたちが生き生きと活動する姿」を 引き出すために有効と思われる支援・手立てがみえてきました。今年度 は以下の三つの支援■手立てで授業づくりをしていきます。 ○子どもたちの思いや願いを大切にした題材・単元の設定 ○自分でもできそうと思える教材・教具の工夫 ○子ども同士の自由なやりとりが生まれる場の工夫. 子どもたちは学習課題に対してそれぞれの思いや願いをもっているは ずです。その思いや願いが強くなったり、学習の最後まで持続したりす ることで、自分の力を発揮しながら生き生きと学習に取り組むことがで きると考えます。 ・子どもの生活と深いかかわりのある題材・単元の設定 一子どもの思いや願いを特撮することのできる指導計画の工夫 などが、具体的な支援として考えられます。. く小1組 生活単元学習 「おかあさん ありがとうl」より〉 「母の日に向けて」、お母さんのためにプレゼント作りをしました。大好きなお母さ んに喜んでもらえるという「思い」が活動のエネルギーとなっていました。お母さんの 写真を見ながら、ちぎり絵やクレヨンで自分のお母さんの絵を作ります。さらに、その 絵を目の前に置いて、喜んでもらえそうな首飾りを作ります。指の力の弱い子どもたち ではありますが、全身の力を使い、色を自分で選んで「お母さんへのプレゼント」を作 り上げることができました。子どもたちは、お母さんの顔(写真・絵)が常に目の前に. あることで「お母さん、喜んでくれるかな」「お母さん、一色が似合うだろうな」といっ た思いを高め、生き生きと活動することができました。. 一10−.
(17) 子どもたちは自分の力を発揮しながら活動できることに喜びや楽しさ を感じます。子どもたちが「少し難しい」と感じる課題でも、「自分で. もできそう」と思うことができれば、自分の力で課題解決しようとする 姿を引き出すことができると考えます。 ・「自分の力でできそう」と見通しがもてる支援 ・自分の力で課題解決できるような教材・教具の工夫 などが具体的な支援として考えられます。. く小学校 生活単元学習 「どっちのデザート?」2 より〉 調理学習には意欲的に取り組む子どもたちですが、実際の調理になると自信をもって 取り組むことができません。そこで、デザートの作り方を本やインターネットで調べて 「自分たちのレシピ」を作ります。自分たちで探したレシピを、自分たちが分かる言葉. で書き直すことでデザートの作り方のイメージが膨らみます。これによって「自分たち で作ることができそう」という気持ちを引き出すことができました。実際の調理場面で は、自分たちで作ったレシピでは分からない部分があると、レシピの基になった本でよ り詳しく調/ヾ、自分たちで作り上げようとする姿もみることができました。. 子どもたちはそれぞれの思いや願い、楽しさを感じながらも、共通の 学習課題に向かって活動します。自分の活動を大切にしながらも、同じ. 学習課題に向かっている仲間の活動の様子が伝わってくることで新たな 意欲が生まれ、人やものとの多様なかかわりをさらに広げながら活動す ることができると考えます。 ・仲間と一緒に取り組むことのできる学習活動の工夫 ・仲間の取り組みの様子がみえてくる活動の場の工夫 などが具体的な支援として考えられます。. く中学校 生活単元学習 「校外宿泊学習∼めざせ、ふじのめ寿司職人!∼」より〉 「寿司握り体験」に向けて、事前学習で練習します。多くの子どもたちが「お寿司は 簡単に握れる!」と考えていました。実際におからをしゃりに見立てて握る練習をする と「寿司握り」の難しさを実感します。握る難しさを感じた子どもたちは、掲示されて いる握り方のポイントを確認すると同時に、練習している友達の「握る様子」をまるで 自分が握っているかのように「次はここに気を付ける」と言いながらみている姿があり ました。友達の姿をみることで、「うまく握りたい」という気持ちと「握るのは難しい」 という気持ちの「ずれ」に気付き、さらに自分の課題を明らかにしていきながら、その 後の活動に意欲的に取り組む姿がみられました。. 一11一.
(18) 視点2 新たな楽しさを発見していくことのできる支援 子どもたちが感じている「楽しさ」をより確かなものとして実感する ことができれば、「新たな楽しさを発見していく」という姿を引き出す ことができると考えます。子どもたちが感じている「楽しさ」を自分で 実感できるような支援を以下のように考えます。 ○自分のよさを感じることのできる即時評価 ○目的に縛られすぎない活動の自由度の保障 ○自分の活動を振り返ることのできる支援(自己評価を促す支援). 子どもたちの中には、自分のやっていることのよさを感じることがで きていないことがあります。そのよさを、その場で伝えてあげることで、 自分の取り組みのよさを感じることができたり、「次も頑張ろう」といっ. た新たな意欲をもって取り組むことができたりします。 く小学校 生活単元学習 「小1組カレーを作ろう!」より〉. カレー作りには意欲的なCさんです。しかし、初めて使う包丁は恐くて、使うのが不 安です。友達が取り組んでいる様子をみて、「やってみよう」とじゃがいもを切ること. に挑戦しました。普段からお母さんの調理の様子をよくみているCさんは、左手の添え 方、包丁の動かし方がとても慎重でした。その手の使い方を教師にほめられると、でき. たことのうれしさが増し、にんじんを切る作業にも積極的に取り組みました。. 子どもたちはいろいろな思いや願い、楽しさをもって学習活動に取り 組んでいます。ある子どもは、今楽しんでいる活動をもっとじっくり味 わいたいと思っているかもしれません。ある子どもは、できたことや分. かったことをその場で試したくなるかもしれません。このような子ども たちの「ゆっくり歩むこと」、「寄り道や脇道」のできる活動を学習の目的. から大きくはずれない中で保障することができれば、子どもたちは自分 の実感をより高めながら学習活動に取り組むことができると考えます。 く小学校 生活単元学習 「みんなであそぼう しょう2くみ!!①」より〉. 子どもたちの遊び方に幅が生まれるように、「言葉をかえてみよう」「歌のリズムをか えてみよう」など、遊び方に工夫できるような自由度をもたせました。教師がいろいろ と工夫をしながら遊んでいると、「こんなこともできるよ」と子どもたちからも遊び方 を工夫する姿が出てきました。自分の工夫が生かされると、「こうすればもっと楽しいよ」 とさらに違う楽しさを見付けながら遊ぼうとする姿もあらわれてきました。. 一12一.
(19) 子どもたちは「できた」「わかった」と思っていても、次の活動にな るとそれらを生かすことができないでいることがあります。子どもたち の「できた」「わかった」をより確かなものにするためには、自分で活. 動を振り返る必要があると考えます。「できたこと」「わかったこと」を 言葉で表現したり、実際に試して確認したりして自分の活動を振り返る ことのできる場や活動を設定します。. くカ、学校2・3細.生活単元学習 「お母さんの仕事、お父さんの仕事、私の仕事」より〉 お母さんが家でやっている仕事を実際に体験しました。実際の体験を通して思ったこ. とや感じたことを発表します。「おもしろかった・楽しかった」「大変だった・疲れそう」. 「ありがたみが分かる」「お母さんと同じようにやってみた」などの感想が出てきました 教師はこれらの感想をいくつかのグループに分けて子どもたちに提示しました。そして、 子ピもたちは改めて自分がどのように考えているのかそのグループ別の枠の中に自分の ネームカードを貼ります。自分の思いを発表した子、付かを感じながらも発表できなかっ た子の両方とも、自分の考えを確かめながらネームカードを貼っていました。この「ネー ムカードを貼る」という活動は、自分の考えや思いをもう一度振り返ることのできる場 となると同時に、自分の考えや思いを明確な形で表現できますn 自分の感じたことを明 確な形で表すことのできた子どもは、その明確な感想(思い)を基に「お母さんの仕事」 について考えを深めていくことができると思われます。. て■「野■. 引 r ︳、. ・・−}一 ∫− J. −′′. ⊥/ \. ト. .﹄﹁■﹂. ミ↑サJ」よlれ▼ ◆t・▲L.
(20) 「本題材・単元で願う F学び」の姿」の記載. これまでにも述べた通り、私たちは授業の中での子どもたちの「学び」 の姿を大切にしています。その題材・単元においてどのような子どもた ちの「学び」の姿があらわれるかを具体的に記しています。. 予想される新たな楽しさを発見していく子どもの姿」が見える指導計画. 研究主題に迫るための授業づくりの視点は、題材・単元を通して設定. #十貌増慧冨芸7警≡言志望ンる題と材ソ・肇萎三一√姐胴な楽しさ」を物聾焔ロ0‖パ⊥カト店での活「Jlーナ]■−作は、洗濯って難いお母ぎん印仕事写幸映像見知。寮に跳戟す切達人ろう!・ゴミ桔な食器連ノし応 ̄壷Tつ■l一丁±∩:」.へ本−ーr(時)みたら楽い′実際の活動ずれ壱感じるロ・お父さん巾仕事を写皐1√朝や/3、ノ日央博見て知。ハ≡かもしな二\_ど質インターネッIで引司ぺ「家チトはこいたね」私l手伝え卑とがある思う20今自分ん仕事1き?・寄を考. されるものです。授業一時間一時間で「新たな楽しさを発見する姿」を. 引き出すことはもちろん大切でありますが、題材・単元を通じて引き出 していくことも大切です。よって、題材・単元を通しての子どもたち¢. 時. 主な活封]. 勤牽拒り適うう!!. も単. に元 、の. さを発見して. 予想される新たな楽しさを発見していく子どもの婆 ドキドヰしたけど、楽しかったL」. ・活動を写幸を見ながち掘 り題る。 ・そ田崎、感じたことを莞 表する。. 6 0零での仕事について知 うう!. 研究説明 図5 −14−. 」れまでのイメーソと.
(21) ・・拠担頭真数・−・−・−・−・ 賃拳闘ほ斎≠. 授業づくりの視点の設定. ll. 「子どもたちが生き生きと活動する. 事I. ♯■tモ巾主な王轟 よしい】百■に1tし士もぅことが■し. :一I l・ :. ことのできる学習活動」「新たな楽し. l・. lL. 馳■がぁることにl士鰍的に血中■むヰ もみられる,鵬ある活鵬では白身なウ に工夫して血り組む捧もみられる.. さを発見していくことのできる支援」. ・自廿ヤ女心点書もって鮎ことがで書. の二つの視点に沿って題材・単元を通. n. るように岳■書生かナ暮び中子ども用土. ◎. の自由なヤウとりのあも遊びむtサ上け. も ーtl■1」凱■▲1−1軌. した支援や手立てを記述します。. ・自身なりlヨ■び方む工夫下さる上うに. 飽■ヤ友蛸び力む工夫している括■ の中で自由よのぉち活血書℡虚する. く■▲量一血I. 「 ・ ■ ′ .・. ≡ ′・ ・. いてくれる拙の五重とのか加ゎサが書 い.大半の舌■では自身なりに工夫して. 授業づくりの視点が有効であるかど. 牡り■むことが寸書もが、自分の奪えカ のみに紬してしまい、肋ゝら上され て左嚢の活■瞥生かして精勤することが. うかを、抽出児童生徒の姿から見取っ. 1. ・たくさんの友■と濃ぷ集しさセ■じる. ていきます。「3.授業づくりの視点」 l⑳. ことがで替る上うに子ども■士のヰ勺と りが生生れるさびの批工夫する. では、抽出児童生徒への、題材・単元. .. く書▲1一OI. ・≠人の上さモモの廿下伝たたサ∴友■ のよさt長えたりする.モのことで自身 のよさモ責■し.新たに工夫するところ. を通した支援を視点に沿って具体的に. 聖書えた中元■の上さ蜜白身の活■に生. 記述します。さらに、「9.本時の展開」. かしたり■rることが一P舎るょうにしてい く。く換慮宣−⑳I. では、本時にかかわる「抽出児童生徒. 研究説明 図6. の予想される姿」「教師のかかわり」「新たな. 楽しさを発見していく姿」を具体的に記述します。 授業づくりの視点に沿って抽出児童生徒の様子・教師のかかわり・新た な楽しさを発見している様子を本時の展開に記述する。 ●印は「抽出児童生徒の様子」 ★印は「教師のかかわり」 ゴシック部分は抽出児童生徒の「新たな楽しさを発見している様子」. +は耶ヴ爛 子どもの溝助と動静の如かわり 父れの仕事に■伽あると患う縫お−Fを賂. ★父れ¢仕事につヽ、ての事讐をする ★肋鰍ついて¢随¢考 とヽ、う■墟しをもてもように、撼えを蠣■にするた虻tⅦすも。. 父牧の仕事の書手壬■■醐■℡■る。. ●肋義手を脚も、■近なもの ¢鎗お一円ほ膵. なものの鎗お一首モ鶴示する●. ・遭んだお−Fの中かち、仕事に■体㊥あるものを賂 P父札の仕響こついて感じたことを発隷すも. ●父蠣に■体すもミとにづいてt著. しく撤すi.. ★対象児童¢父れが仕事をしていも 鵬春機泰すもミとで、淵伽州潜 ★肋暮般抑触 への樹悼鍋す. ると井に、モのihヽについて應 せたミと馨t仰す魯● ●rお父さ九だ!いつも0ひをしても よ!」 ●酬t毒さこ、自分. ・瞥分の量■を専一ムカーFを貼もミと下示す.. ・.貼ちれた暮肪墓にして、暮闇暮すも。. の■付か毛功lったこと壱柳= 0友達の泌恥こ. ★ネームカーFを手漬し、鰭と■織 に船も捧勤にするミとで瞥分か各. ゲスIティーチヤーとして兼ていた軌、てい朝畑虻、 間カーF紅かかれた内警をす和すも●. 伝えち●. 柑しようとす割■散を引き雄す.. ●酬子をみて、自分からネーム カード竜【古りにいく●. P色分の父凱=叩きたいことを考展愚 ・瞥分のききたいことモ、カー叩頭臥すも。 ・父親かちどんな事え和ってくもか手賛すも。. ★t闘カーFを墓にして、T闘をすも ように促すことで、譜脆の肋糧 解モ勅る。 ●御子を蒐なが与、t恥仕方 竜郷し、眼丁同すもT同株 l酬抒だけでなく、胴 真にも嚢∃すち。. 研究説明 図7 −15−. ★肋肋暮■を聞く■に手 讐されも蓄えモ1絆すミと■下、 ■分句:蠍えていたミととのih、 に気付書やすくすも. ●真相とのやりとり壱見た. 株.自分なりの㈹重電えて十 同書すも●.
(22) 評価については、授業および題材・単元を通して個別目標に沿って行 います。また、本学級で押さえている「学び」の姿についても評価しま す。「学びの姿」については指導案の一番初めに「本題材(単元)で願 う『学び』の姿」として記載しています。子ども一人一人の「学び」を 深めていくために授業づくりの視点に沿った評価を一人一人に対して行 っていきます。本研究では、「新たな楽しさを発見していく姿がみられ たか」について評価していきます。 授業の手立て・支援の妥当性を評価するために、抽出児童生徒の姿を 見取って評価していきます。抽出児童生徒に対しては題材・単元全体、 本時の授業の中で具体的な手立てと「新たな楽しさを発見していく子ど もの姿」の評価の視点を記載しています。抽出児童生徒への支援によ り、「新たな楽しさを発見していく姿」があらわれたかどうかをみるこ とで、授業の手立て・支援の妥当性を評価できます。. 研究の成果. ○子どもたちの「新たな楽しさを発見していく姿」を求めることで、子 どもたちの「思い」や「願い」を大切にするかかわりができ、自ら 「楽しさ」に向かっていく子どもたちの多様な姿を引き出すことがで. きました。その姿を具体的に捉えることで、授業づくりの視点も明確 になってきました。 ○題材・単元全体を通して「新たな楽しさを発見していく子どもの姿」. を引き出す支援をしたことで、児童生徒の実態や思いや願いに合わせ た活動を設定することができました。そのため、子どもたちは学習活 動の中で仲間と共通の目的に向かいながらも、自分の「楽しさ」を大 切にしながら学習に取り組むこともできました。. 研究の課題. ○授業づくりの視点「子どもたちが生き生きと活動できる学習活動」と 「新たな楽しさを発見していくことのできる支援」から考えられる支 援や手立てが、二つの視点に明確に分けることができないものも多. く、整理して設定することが難しかった。 O「できたこと」「わかったこと」「楽しかったこと」を自分で振り返る. ことのできる支援・手立ては工夫されたが、子どもの実態に即した方 法によって支援されていたかについては課題が残ります。子どもの思 いや願い、自己有用感のもち方に合った振り返りの方法を考える必要 があります。. 一16一.
(23) みんなであそぼう しょう2くみ!!(∋. 小学校 実践例4. お母さんの仕事、お父さんの仕事、私の仕事. 総合文化祭の展示即売会に出品する 製品を作ろう. 「校外宿泊学習」 −めぎせ、ふじのめ寿司職人!−. 中学校 実践例4 総合文化祭の展示即売会にと1l品する. 伝えよう 私たちのこと D狙のこと. 製品を作ろう. 一17−.
(24) が十分ではなtlため積極的に遊びに参加できなか. 1.本単元で願う「学び」の婆. 友達と楽しく遊ぶことを通して、自分の意見を った。 そこで本単元は子どもたちが一度は経験したこ 言ったり、遊び方をエ夫したりしながら友達とか かわろうとする姿。. とがある「リズム遊び」、「わらべうた遊び」、「鬼 遊び」を取り上げることとする。これまでの経験. 2.単元設定の理由. を基に、「自分にもできそう」という気持ちがも. 小2組は3年生男子1名、女子3名、4年生男. てる活動にしていくことで意欲的に遊ぷ姿を引き 出したいと考える。また、「この遊びがしたい」. 子3名、女子1名で構成されている。. 日常的に繰り返し行っている活動ではほとんど と自分なりの考えをもったり、「こうしたほうが の子どもが見通しをもって行動できる。しかし、 もっと楽しいよ」といった遊び方を工夫したりで 友達とのかかわりにおいて、「やりたいこと」「し きるような活動を設定する。「楽しい」という気 たいこと」など自分の思いを伝えることができる 持ちを友達と共有し、さらに自分なりに「こうし が、その伝え万が一方的であり、自分中心のかか たい」と思いをもって遊ぶことで、子ども同士の わりが多い子どももいる。このような実態から友 やりとりを促す機会を作ることができ、かかわり 達とのかかわり合いを深めることができるよう がより深まっていくものと考える。 に、「友達と気持ちの共有」ができる活動を積み 指導に当たっては、全貞が遊び方を理解できる 重ねていくことが必要であると感じた。そこで子 ように、最初は遊びのルールを簡単なものに設定 どもたち全員が楽しむことのできる「遊び」を取 する。さらに教師が実際に演示しながらルールを り上げることとした。「遊び」を通して友達と楽 提示していくとともに、実際に進んでいる映像を しさを共有しながら、自分から友達にかかわろう 流すことでも遊びのルールの理解を促していきた としたり、友達からのかかわりに応じたりしてい い。 くことで、子ども同士のかかわりが深まっていく 姿を引き出したいと考えている。 本単元は年間を通して行っている大単元「みん なであそぼう」の小単元として行なう。前単元「み んなであそばう①」では小1組、小2組合何で子 どもたちが経験したことのある遊びを取り上げ た。その中で子どもたちの多くは友達の様子をみ ながらそれを辛がかりにして選んでいた。しかし、 経験したことがあってもルールを共通に理解でき る遊びが少なく、子どもによってはルールの理解 −19−.
(25) l :視点1子どもたちが生き生きと活動できる! ・. 学習活動. J. ① 自分でもできそうと思える教材・教具のエ夫 本単元では子ども同士のかかわりを深めるため に「遊び」を単元を通した教材として扱っている。 そして「リズム遊び」、「わらべうた遊び」、「鬼遊 び」とどの子どもも一度は遊んだことがある種類. ② 自分のよさを感じることのできる即時評価 一人一人が遊びに没頭すると、自分の思いを伝 える姿、遊び方を工夫している姿などといった自 分自身のよさになかなか気付くことができないと 思われる。そこで遊びの中で教師が子どものよさ をその場で即時評価し、全体にもその子どものよ さを伝えていく。そのことで子ども自身が自分の よさを感じながら遊ぶことができるとともに、同 じ遊びをしている周りの子どもたちにもそのよさ. が伝わっていくと考える。そして評価を受けた子 どもは「次もがんばろう」、その評価を聞いてい た友達は「00のこんなところがいいな、生かし. の遊びの中から、子どもたちが遊んだことが少な. い、または一度も遊んだことがない「おちたお ちた」、「花いちもんめ」、「たんぼおに」を取り上 げていく。このように取り上げる遊びを「子ども たちの経験を生かすことができる遊び」として工 夫することで「自分でもできそう」という思いを もち、新たな活動への意欲を高めることができる と考える。またそれらの遊びを単元を通して繰り 返して遊ぶ中で「できそう」から「できる」とい った自信をもって活動する姿を引き出すことがで きると考える。. ていこう」という新たな意欲につながると考える。 i抽出児童への支援 ※学年の○印は女子 児童 学年. 本単元での主な支援 新しい活動に見通しをもつことが難しく、. 自分から取り組むことが少ないが、経験が あることには意欲的に取り組む姿もみられ る。興味のある活動では自分なりに工夫し. ② 子ども同士の自由なやりとりが生まれる場の エ夫. て取り組む姿もみられる。. 本単元で取り上げる遊びには「おちたおちた」. n. ではみんなで円になる、「花いちもんめ」では向 い合せになる、そして「たんぼおに」では「田」. ように経験を生かす遊びや子ども同士の ④. の形に床にマットを敷いた場所で遊ぶといった自. (視点1−①、視点1−②) ・自分なりに遊び方を工夫できるように教. 然と子どもたち同士が見合うことができる場があ る。このように相手の姿がみえる遊びの場を工夫 することで、子ども同士の自由なやりとりが生ま れると考えられる。また、そのことで子どもたち. 師や友達が遊び方を工夫している活動の 中で自由度のある活動を設定する。 (視点2−①). は「友達と一緒に遊ぶ」安心感をもつことができ. 休み時間での遊びでは自分の意見を聞い. るとともに、友達と一緒に遊ぶ楽しさを感じるこ とができると考える。そして「もっとみんなと遊 んでみたい」と子どもたちの活動の意欲を高めて. てくれる特定の友達とのかかわりが多い。. 大半の活動では自分なりに工夫して取り組 むことができるが、自分の考え方のみに終 始してしまい、教師から促されて友達の括. いけるものと考える。 :視点2 新たな楽しさを発見していくための! l. ■. 動を生かして活動することが多い。. l. 支援. ・たくさんの友達と遊ぶ楽しさを感じるこ とができるように子ども同士のやりとり が生まれる遊びの場を工夫する。. ① 目的に縛られすぎない活動の自由度の保障 本単元では活動が進むにつれて遊び方を子ども. 4. たち自身で工夫できるように、自由度のある活動. (視点1−②). ・本人のよさをその場で伝えたり、友達の よさを伝えたりする。そのことで自分の よさを感じ、新たに工夫するところを考. を設定する。最初の遊び方から、子どもたち自身. でリズムや言葉、動きを工夫できるように教師や 友達が遊び方を工夫している遊びの中で活動の自 由度を保障する。そのことで「こんなこともでき. えたり友達のよさを自分の活動に生かし たりすることができるようにしていく。. るよ」、「こうやればもっと楽しいよ」と子どもた. ちが自分から遊び方を広げる姿を引き出すことが. (視点2−②). できると考える。. −20−.
(26) ○遊びの内容を理解し、自分の意見を伝えたり自分なりに遊び方を工夫したりして遊ぶことができる。 ○友達と一緒に遊ぶことができる。. 時. 主な学習活動. 予想される新たな楽しさを発見していく子どもの姿. 口 ○みんなであそばう! 「たくさん遊ぺる!」. ・自分がしたい遊びを発表する。. 「どんな遊びをしようかな?」. ・どの遊びをするのかをみんなで 決める。 ・決まった遊びの中のいくつかの. 「遊びは楽しい!」と. いう気持ちが膨らむ. 遊びをする。. 口 ○新しい遊びを知ろう! 「楽しめそうな遊び」. ・「おちたおちた」、「花いちも. に期待を感じる. んめ」、「たんぼおに」の遊びを. 知る。 ・「おちたおちた」、「花いちも んめ」、「たんぼおに」を遊びの 内容を確認しながらみんなで遊 きた達成感をもつ. ぶ。. こうやってやれば. 遊び方が分かったこと への満足感をもつ. 0 さんの遊び方、 楽しいな. 3 ○覚えた遊びをやってみよう!. こういう遊び方で やってみよう!. 慕 時. んめ」、「たんぼおに」をみんな. B /. で遊ぶ. 遊び方を工夫しようと友達の遊び方の工夫を取り入れ. 。. 3 ヽ__■′. ・それぞれの遊びの遊び方を工夫. する気持ちが広がる. ようとする気持ちが広がる. しながらみんなで遊ぶ。. ※本時の内容を3時間繰り返す。 (本時). 嘉ヱど£芦遊び方でも 「みんなとこんな遊びをやってみたい!」. 「みんな、休み時間にもやろうよ!」. −21−.
(27) ・周りの様子をみて活動内容を理解するこ. とができる。見通しをもてる活動では手 本や教師の演示を参考にして、自分なり. ※学年の○印は女子 児童 学年. k. 単元の個別目標 ・周りの様子をみて活動内容をおおよそ理. g. 3. 4. 解することができる。手本や教師の演示 を真似することが多い。 ・休み時間では一人で遊ぶことが多い。ま た、友達よりも大人とのかかわりが多い。 ○遊びの内容をおおよそ理解し、やりたい. ○遊びの内容を理解し、友達の様子を参考 に遊び方を工夫して遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけて一緒に遊ぶこ とができる。 ・話を聞いたり周りの様子をみたりして括. 遊びを伝えたり、友達の様子を参考に遊. 動内容を理解することができる。手本や 教師の演示を参考にして、自分なりに工. び方を工夫したりして遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけて一緒に遊ぶこ. 夫して取り組むことができる。 ・休み時間では友達や教師に自分から働き. とができる。 ・話を聞いたり周りの様子をみたりして括. かけて遊ぶことができるが、特定の友達. 動内容を理解することができる。自信の ある活動では、手本や教師の演示を参考 にして、自分なりに工夫して取り組むこ とができる。. h 国. に工夫して取り組むことが多い。 ・休み時間では特定の友達を誘って遊ぶが、 いつも同じような遊びを行っている。. と自分の興味ある遊びだけをすることが. 4. 多い。. ○遊びの内容を理解し、自分なりに遊び方 を工夫して遊ぶことができる。. ・休み時間では友達とかかわりながら遊ぶ. ○友達の働きかけを受け入れたり、自分か. ことができるが、自信がない活動では自. らいろいろな友達に働きかけたりしなが ら一緒に遊ぶことができる。 ・話を聞いたり周りの様子をみたりして活. 分から友達に声を掛けることが少ない。. ○遊びの内容を理解し、やりたい遊びを伝 えたり、自分なりに遊び方を工夫したり して遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけたり、友達の働. 動内容を理解することができる。興味の ある活動では手本や教師の演示を参考に. して、自分なりに工夫して取り組むこと. きかけに応じたりしながら一緒に遊ぶこ. ができる。. とができる。. ・休み時間では一人遊びが多いが、興味あ. ・周りの様子をみて活動内容をおおよそ理. る活動では友達とかかわりながら遊ぶこ. 解することができる。教師の演示や手本 を真似ることが多い。 ・休み時間では一人遊びが多いが、内容を. とができる。しかし一方的なかかわりが. 4. 多い。. ○遊びの内容を理解し、自分なりに遊び方 を工夫して遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけたり友達の働き かけに応じたりしながら一緒に遊ぶこと ができる。 ・周りの様子をみて活動内容をおおよそ理. u. かかわりながら遊ぶことができる。 国 遊びを伝えたり、友達の様子を参考に遊 び方を工夫したりして遊ぶことができる。. 解しすることができる。興味のある活動 では手本や教師の演示を参考にして、自. ○自分から友達に働きかけて一緒に遊ぶこ. とができる。 ・話を聞いたり周りの様子をみたりして括. 分なりに工夫して取り組むこともある。. 動内容を理解することができる。手本や 教師の演示を参考にして、自分なりに工 夫して取り組むことができる。. n. いつも同じような遊びを行っている。 ④. 遊びを伝えたり、友達の様子を参考に遊. 凹. 遊ぶことができるが、一方的なかかわり. び方を工夫したりして遊ぶことができる。. 国. ○白分からいろいろな友達に働きかけて一 ○遊びの内容を理解し、自分なりに遊び方 を工夫して遊ぶことができる。 ○友達の働きかけに応じ、友達の意見を聞 きながら一緒に遊ぶことができる。. 緒に遊ぶことができる。. −22−.
(28) 7.本時の目標 0渡汐の内容蓉三洋解し、白銅意見蓉伝えた囁自. 粟弧敵象照. 分なり∨に逸び労を工哀したり/して適凝こ逝が響. 登盈き 8友達と一緒に選ぶことがで象る。. 農事時㊥評蘭 ・串時昭償即日標をこ沿りぞ和す亀倉. 漁攣率弧際齢 児童 単元の個別目標 学年 ○渡びの内容をおおよそ理解し、自分から g やりたい遊びを伝え、遊ぶことができる。 ○友達の働きかけに応じながら、一緒に遜 3 ぶことができる。 0遊びの内容督理解し、自分なりに遊び方 b を工夫して遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけて一緒に遊ぶこ ③ とができる8. 0遊びの内容をおおよそ理解し、自分から やりたい遊びを伝え、遊ぶことができる。 0友達の働きかけに応じながら、一緒に遊 ③ ぶことができる¢ 栄白い四角はオレンジ色のマット、網掛けの四角 ○遊びの内容を理解L、自分なりに遊び方 は線色のマット を工夫して選ぶことができる。 襲遊ぶときは梅子を教室の後方に移動する。 ○友達の働きかけに応じながら、一緒に進 ③ ぶことができる8. ○遊びの内容を理解し、友達の様子を参考 材・教具 に遊び方を工夫して選ぶことができる。 ・ヤ汐宰海}▲壬暑オレタジ1瑚・掲示板 ○自分から友達に働きかけながら一緒に返 ■「おちたおちた」の歌詞カード、昔梁野卑←ド 4 ぷことができる。 ・「花い、ちもんぬ」め歌鞠カード 0造びの内容を理解し、自分なりに達び方 ・タイマー(発舶雷釦この制限時間のために使用 を工夫しそ遊ぶことができる。 ○自分から友達に働きかけたり友達め働き した。〕 4 かけに応じたりしながら一常に選ぶこと ができる。 0遊びの内容を理解し、自分なりに遊び方 m を工夫して遮ぶことができるり Qいろいろな自分から友達に働きかけて一 4 緒に選ぶことができる。 0遊びの内容をお庭よそ理解し、友達の様 n 子を参考に選び方を工夫して遊ぶことが できる① ㊨ ○友達の働きかけに応じながら一緒をこ遊ぶ k. l. ことができるq.
(29) ︵囁撃e軍 紀 e ト 二 ∩ 〓 ︼. ら1㌣ 」. ′「ヒ J Jイ裔 £ 将度 量. 掴刃簑 」. 将型刃 令 哺堪り ′「 e ′将. 逓. g㌣」 東. 刃刃肇 ら ニ\り・由。掴. +. ー ̄ヽ. 東上机 蜘朝。 机′「月+IK日時. 勅将. Q. ㌣哺 湖e H堪 漣屈. 唄 . ゴ P。. 旬月e。H垂ト e将塑〉QlⅢ瑠 型勅堰二壇舟H 堪パノ針ゝノ急†U漣. ′簑机′尺撒旬壇 ヱ」刃現題亜e急. ‡Ⅱ rlや. 将机将. ′l仁ヨり 上里′ ′. 心トセ\⊥トセ○. ら呼 出ト. 漣〉く埋撮蠣ト. 屈堪難出刃. 掴ケ。稲状. e. 皿H筍′「趣 て 刃漣璃『べ趣. 超据〉短H. 机二柊旨u.J 月トリ上策==ココ. 量H 二;ヾ舟. e」・臣塩亜心火. 皿 轟. 型肇=いや碕ニ」 堰e蟹机」吏. 車 ′レ吏吏 皿ヒ」 令. な量顧慮垂・ベ.」 皿制度漣皿相島. ′l ヰモ. ﹁騨eゆ勾≠︶二トJ両群蜘仙J湖心吏撮﹂f︼盤六∵∵小竹︶. ′l ■R. ト【∋・ .U. *. ●. *. ●. *. ●. ●. 騨 lや. ㌣簑ヒ ニ蟹. 机分 場㌣. 岬㌣ 型勅. ′「東 沖吋 酢. 逓塩く。吏掴. ㌣刃 超簑 簑g。皿刃. 勅」 簑吏 J. 勅璃輔 璃′「. 宝. ㌣裔慮将ら超. 零垂昨,. 月置 机り 岬 将吏 ㌣刃 ニ. e 。. 側 空く 壬王 ⊂. 皆′「取出迩漣」. 噴出掴ee. る崖n e上屋小机. ′与′「将型鋸. な轟〉な′「轟稲荷. 。. 柊中ら迩捕ら刃. +. 駆巧拙堰e将. +. ● l. +. ㌣ 古. 遭。. ′r. ぃ J. 霹. 瑞. 漣. H. ′「ノペ。 ⊥1. 霹. 叫堅将 将. 漣. e. 予+十 十 」刃1∈ ㌣. 「. ′「. リ.沌. 聖廟e塩轟再︼. ==. +. ●. 父一. ::. ら 増. 将. ′ぺ. 皿ヒニ皿月漣」刃. ●. e. 。. ー■ヽ. 心簑量月 ′簑吏P. 壷 ′ら牽甘. 史刃塞 ぐ掴嘱古 ㌣「心中e鰊吏. .. 牽. 将. 叫(. ′k. A」. 遭. .. 「 ′「. 。 史. R. 叫 将. 将 二 十 +1. 十. 十. g ・ト. == =. ′l 」R. ′l ヰモ. e ト【∋・.  ̄. 皿 轟 .U 釦. 」) 1R. 漣. ●::. ●. 一. 掲出′ペニ 増± ごく相槌 〉毎 意漣置 叫漣. 田. 」. ′逓. 日′「量 刃 ●・ィ ● 父一. 時. 一. 一. 瑠轄. 叫. 分」. す. ■■■. 瑠ニ e ご南 中. 漣。 席. 上. 吏 」. e. 照. e ゆ 三 U. 小. rbb岬轟. トト 匪嘩e皆せ.の. −. ・・ ,▲. − ■. 旬b′漣1∠ +≠梶ぐ. −. − ■. ■■. ・ −. − ・. ・. e 脚ee皆崖迩封じ ニeeり慶喜申 出e㌣迩勾川旧 eく. ... ,. . . ::・・. ・. ・・・. 田. ・ .... 柘 」. 」. 吏・. 椅・. 0 0. 0. 0. 0.
(30) ′瞥. 考察と今後の課題. 本題材では、子どもたちの学びの姿を「友達と. た。. 楽しく遊ぶことを通して、自分の意見を言ったり、. 視点2では子どもたちが遊び方を工夫できる自. 遊び方を工夫したりしながら友達とかかわろうと. 由度のある活動と自分のよさを感じ、友達のよさ にも気付くことができる教師の即時評価を考え た。「おちたおちた」の遊びでnさんは、最初に 教師が提示した言葉でしか遊ぶことができなかっ. する姿」と考え、授業を行った。 本学級の子どもたちは、日常的に繰り返し行っ ている活動では自信をもって行動できる子どもが 大半だが、友達とのかかわりにおいては自分中心 のかかわり方が多い。そこでみんなが「楽しい」. たが、教師や友達が言葉やリズムを工夫すると自 分なりに言葉を工夫して遊ぶ姿がみられた。「い. と思える遊びを通して友達と気持ちを共有し、子 ども同士のかかわり合いが深まると考えた。そし て子どもたち一人一人が感じる「遊びに対する楽. いな」と感じたことを自由に試すことのできる場 があったからこそ教師や友達の工夫する姿をみて nさんも自分なりに工夫しながら遊ぶことができ. しさ」が「たくさん遊びたい」「どんな遊びをし. たのだと考える。 1さんは「たんぼおに」のときに最初はなかな か友達を助けることができなかったが、友達が上. ようかな?」とい. ったものから、「みんなとこん な遊び方で遊んでみたい!」といった「友達と一. 手に鬼をかわす様子を教師が「00さんの姿勢を 低くしてかわす姿はすごいね!」と評価したこと. 緒に遊ぶ楽しさ」を発見できるように授業づくり. を行った。. で友達の「かわし方」のよさを生かして友達を助 けることができた。. 視点1では子どもたちの経験を生かすことがで きる「遊び」を取り上げ、子ども同士で自由なや りとりが生まれる遊ぶ場の工夫を行った。抽出児 童nさんは「おちたおちた」「花いちもんめ」は. 本単元では、友達のよさを自分に生かして遊ぼ うとしたり、自分で工夫したことを発揮しながら. もあって意欲的に遊ぶことができた。「たんぼお. 遊ぼうとしたりするといった子どもたちの遊び方 が変容していく姿がみられた。これは、遊びが、「自. に」では「怖い」と言って最初は活動の中に入っ. 分でもできそう」と思える安心感がもてる活動に. てくることができなかった。しかし単元が進むに. なっていたことに加え、子ども一人一人が自分な. 自分の好きなリズムや音楽のある遊びということ. つれ、友達が遊んでいる姿をみて一緒に声を出し. りに遊び方を工夫することのできる自由度があっ. て笑ったり、友達を応援したりする姿もみられる ようになってきた。教師が手を引くと友達と一緒 に遊ぶこともでき、次第に自分から友達が遊んで. たからであると考える。子ども一人一人が伸び伸 びと遊ぶことで、お互いの「楽しさ」が伝わって. いる場に入って遊ぶようにもなった。友達が楽し. きた。 しかし、子どもたちが次々と工夫しながら遊ぶ. いくことが子どもたちの様子から見取ることがで. そうに遊んでいる姿をみて、「みんなと一緒に遊 びたい」という思いが強くなったと考える。. までには至っていない。子どもたちが自分から遊 びを工夫していくには、「∼はどうしたらいいの. 抽出児童1さんは「おちたおちた」で友達が リズムや言葉を工夫しながら遊んでいる様子から. だろう」という自分なりの思いを強くもつ必要が. 「00さんは次はどんな言葉を言ってくれるのだ ろう?」と友達の活動を楽しみにしている様子が. あると思われる。そのためには、安心感をもちな がらも、自分のカヤ経験を十分に発揮することの できる遊びの中で、子どもたちが遊びに十分に浸. みられた。 nさんも1さんも、友達と一緒に取り組む楽し. ることが大切であると思われる。子どもたちが自. さを感じることができたと考えられる。しかし「た んぼおに」に最初参加できなかったnさんの姿か. 分の力を発揮しながら「楽しい」と思える遊びを もっと充実していくことで、子どもたちは友達と 「楽しさ」を共有し、友達とのかかわり合いを深. ら、児童が「できそう」と感じる遊びは一人一人 違うものであり、遊びの選定は普段の児童の様子. めていくことができると考える。. から吟味し、さらに考えていく必要があると感じ. (松田 岳大). −25−.
(31) ベながらデザート作りに取り組んだ。調理に関心. 1.本単元で願う「学び」の婆. の強い子どもたちなので、自分から本を見たり、 自分たちの力でレシピ作りや調理をすること 家で練習したりして作り方のおおよその見通しを で、デザート作りの難しさを実感しながらも、自 もって実際の調理に取り組んだ子どもが多くい 分たちの力でできるという成就感を味わい、さら に次のデザート作りに向かおうとする姿。. た。しかし、調理器具の準備や材料の準備、調理 工程の理解については曖昧であり、教師が用意し. 2.単元設定の理由. たレシピで事前学習をしても、実際の調理場面で. 小学校3組の児童は、毎年3、4回程度の調理. は教師の指示がないと調理が進まなかった。本を. 見て調べる、家で練習する、教師の用意したレシ 学習を経験してきている。その中で、洗う、切る、 ピを見るだけでは明確な見通しをもって調理する 材料を計る、ゆでる、焼くなどの調理法や調理器 具の使い方についておおよそ理解して取り組んで ことが狂しいようであった。本単元では、作り方 いる。子どもたちの中には、調理に強く関心をも を調べるとともに、自分たちで見て分かりやすい レシピを自分たちで作る。レシピ作りの活動を通 ち、家で調理のお手伝いをしたり、自分で簡単な 調理をしたりする姿もみられる。しかし、学校で して、「自分たちで作る」という気持ちを高める の調理学習では、一つの丁程ごとに教師からの指 とともに、作り方への見通しを自分たちで明確に 示がないと調理できない子どもがほとんどであ していく。 指導に当たっては、自分たちで調理することが る。 調理は子どもたちにとって「作る」楽しさとと できるように、できるだけ簡単な作り方を提案し てtlく。また、レシピ作りについては準備ヤ練習 もに、「食べる」喜びを味わうことのできる活動 を通して気付いたことをその都度付け加えながら である。様々な料理を自分で作ることができるこ デザート作りの見通しを明確にしていく。. とは、自立した生活につながるだけでなく、「食(味 わい)」により、生活を豊かにするものである。「−. が食べたい。作ろうか!」「おいしかった。次は ∼を作ろう!」という姿は、自分の生活をより良 いものにしていこうとする主体的な姿である。本 単元では、自分の食べたいものを自分たちで調理 する経験を通して、自分たちの食生活への関心を 強め、自ら調理にかかわっていこうとする姿を引 き出したいと考える。 前単元「どっちのデザート?」では、自分たち が作りたいデザートを2つ決め、作り方を本で調 −26−.
(32) 分の見方や考え方のよさを感じ、次の活動の中で そのよさを発揮しようとする姿を引き出すことが. I. :視点1 子どもたちが生き生きと活動できる 至. l. できると考える。. 学習活動 l. J. ① 子どもたちの思いや願いを大切にした単元の. ②自分の活動を振り返ることのできる支援. レシピ作りは(む本を基に作る(む調理用具や. 調理に関心の強い子どもたちにとって、デザー. 材料を確認しながら付け加える(勤実際の調理を. トを「作って食べる」ことはとても楽しい活動で. 振り返り修正する の三段階で完成する。自分た. あると思われる。自分の作りたいデザートを作る. ちが体験したことを振り返り、そのことをレシピ. 活動は子どもたちの意欲を高めることができると. に書き記すことで次の活動の見通しがより明確に. 考える。また、デザートの作り方を調べ、レシピ. なり、新たな活動に主体的にかかわる姿を引き出. を作る活動は、「食べたい」という子どもの思いを、. すと考える。. 「作りたい」、「作り方が分かってきた」「なんと. I. l. か作ることができそう」とつなげていくことので. I. ≡ 抽出児童への支援 J. ※学年の○印は女子. きるものと考える。このように、子どもたちの思. いをつなげていくことのできるような「レシピ作. 児童. り」→「調理」という単元構成により、子どもの. 学年. 生き生きとした姿を引き出すことができると考え. 本単元での主な支援. 様々な活動に興味や関心を示し、自分か らかかわろうとする姿がみられる。しかし、. る。. 分からないことや自信のないことがあると 活動が止まってしまうことが多い。. ② 自分でもできそうと思える教材・教具のエ夫 p. 自分たちでデザートのレシピを作る活動を取り. るように自分たちでレシピを作る活動を. 入れる。レシピ作りを通して材料・調理器具・調. 取り入れる。(視点1−②) ・次の活動への見通しが明確になるように、. 理手順への見通しがもて、「自分たちでできそう」. という気持ちを高めることができると考える。ま. 調理器具や材料の準備をした後、調理の. た、デザート作りはメニュー別の3人∼5人の小 グループに分かれて行う。調理経験が少ない子ど. 後にレシピを見て振り返る場を設定する。 (視点2−②). もたちは作り方に見通しをもつことができても、. 興味や関心の強い活動に対しては自分か. 自信をもって調理に取り組むことが難しいと思わ. ら積極的にかかわろうとする姿がみられる。. れる。グループの友達と仕事を分担しながら調理. 活動場面では、友達の活動の様子をみて真. に取り組むことで、自分が知っていることや気付. 似て行動することが多い。. いたこと伝え合いながら、最後まで自分たちの力 で調理に取り組もうとする意欲が持続すると考え. Ⅴ. る。. ・活動への見通しをもち、「自分でできそ う」と思うことができるように、レシピ 作り、デザート作りを小グループで取り 組む場を設定する。(視点1−(彰). 6. I. l :視点2 新たな楽しさを発見していくための ≡. ・. l. ・レシピ作りで見通しをもったことをより. 明確にするために、レシピを見ながら調 理器具や材料を確認する場を設定し、レ. 支援. ① 自分のよさを感じることのできる即時評価 子どもたちは活動の中で直感的に感じたことを. シピに沿った道具や材料を準備したとき. には即時にほめ、どのように使うのかを. 声に出したり、行動したりすることが多い。その. 確認する。(視点2−(D). 言葉や行動が学習の価値に迫るものであっても、 その重要性に気付かないまま活動が流れてしまう. ことがある。子どもたちから表出された言葉や行. ○デザートの作り方を調べたりレシピを作ったり. して見通しをもち、デザート作りに取り組む。. 動を細かく捉え、よさを返してあげることで、自. −27−.
(33) (全体11時間 本時5/11時間). 5.指導計画 時. 主な学習活動. 予想される新たな楽しさを発見していく子どもの姿. 2 ○自分たちで作るデザートを話し 合って決める ・調理の本を見て作りたいデ ザートのメニューを考える。 ・友達と相談して、作るデザー トを二つ決める(. 4. 衰 時 3. / ). 「∼が食べたい・作りたい」. 詔主管是妄とが蒜竺要;左言うだよ0 ーと−を作ろう。 私は“を作ります作りたいデザートが はっきりとしてくる. ・作り方の手順を調べる。 ・必要な材料・道具を調べる。. 4 (本時). ・「作り方」を基に、実際に必 要な材料の量を書き入れる。 ・作業の分担を決める。 作り方の見通しが深まり、「でき そう」という気持ちが高まる 3. ・道具を準備する。. ・材料を準備する(個数・計 量)。 ・手順に沿って調理する. 自分たちが立てた見通しと実際の調理とのイメー ジのずれを感じながら、友達と解決しようとする 口. ・一緒に作った仲間とデザート を味わい、お互いに感想を言 う。. ・1、2組の友達にごちそうす る。 完成したデザートをみんなで味わいながら「完成」を 喜び、「次のデザート作り」への期待を膨らませる. −は、−を使うといいね をレシピに付け加える。. 諾諾諾雷富 「次は00を作りたい!」「家でも作ってみよう」 「本を見たら00もできる!」. 一28一.
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