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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

奈良教育大学 学内LANの現状と利用状況

著者 藤原 公昭

雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

巻 5

ページ 149‑158

発行年 1996‑03‑31

その他のタイトル Report on the Status of the Nara‑Edu‑NET, A

Campus LAN in Nara University of Education

URL http://hdl.handle.net/10105/4384

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奈良教育大学学内LANの現状と利用状況

藤 Ki 公 昭

(奈良教育大学教育実践研究指導センター)

Report on the Status of the Nara‑Edu‑NET, A Campus LAN in Nara University of Education

Kimiaki FUJIWARA

Center for Educational Research and Training, Nara University of Education

Synopsis: A local area network has been extended all over the Takabatake campus of the university since March 1995. Services from Internet, especially the E‑Mail and the WWW, are becoming indispensable tools for daily activities of education, research and

management.

Keywords: LAN, E‑Mail

1.経緯と概要

本学においても1995年3月より全学的な学内LAN(Local Area Network)が稼働を開始した。

従前のデジタル/アナログ電話回線による端末利用に加えて、 Internetへの接続が研究・教育に おけるネットワーク利用を加速化している。本報告では、奈良教育大学学内LANCNARA‑EDU‑

NET)の構成・機能を解説し、利用形態・実績について考察する。また、現状の問題点・将来の 拡張構想についても述べる。

2. LANの構成

2.1. LANのFDDIバックボーン

情報処理センター棟内に閉じた形でFDDI(Fiber Distributed Data Interchange)ループが NARA‑EDU‑NETのバックボーンを形成する。 FDDIバックボーンには後述のファイルサーバー 装置(Filesrv)と2台のルーター(Router)装置が接続されており、本学LANにおけるデータの流 れの中心部を成している(図.1)。

2.2. LANのトポロジー

FDDIバックボーン上のルータ‑装置から放射状に光ファイバー(GI型4芯: lOBase‑FL)が敷設 され、学内各棟内の‑ブ(Hub)装置へと接続されている。ネットワークのトポロジー(接続形態 の分類)として完全なスター(Star:放射状)と呼ばれる形態に属する。従来のバス(Bus)と呼ばれ

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藤原 公昭

る形態に比してネットワーク構成の変更や拡張に対応しやすい形態である。実際、後述の将来拡 張構想においても学内棟間の新規のファイバー敷設はほとんど必要がない。

棟内の‑ブ装置からも、更に、放射状に研究室のホストコンピューター(パソコンもしくはワー クステーション)が「より対線」 (Twisted Pair Cable: Category 5)で接続されている。

現状では情報処理センター・各棟Hub装置間の通信規格は10Base‑FOL(Fiber Optical Link)、

Hub 研究室間はIOBase‑T(Twisted pair)で、各々10Mbps(Mega bit per second)の伝送速度 であるが、両端の機器の変更によって、配線は変更することなく、 IOOMbps以上の伝送速度に 対応することができる。

各研究室内で複数のホストコンピュータ‑が存在する場合、更に簡易な‑ブ装置による分岐が 行われる。

2.3. WANによる対外接続

NARA‑EDU‑NETは対外的に以下の4経路のWAN(Wide Area Network)への接続点をもつ。

2.3.1. ORIONS接続

本学は大阪地域大学間ネットワーク(ORIONS: Osaka Regional Information Open Network of System)の‑メンバーとして、大阪大学大型計算機センター内のルーター装置と 1.5Mbps専用線により接続されている。大阪大学において、大阪大学キャンパスネットワーク

(ODINS)と接続されると同時に、学術情報ネットワーク(SINET)および奈良先端ネットワーク

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奈良教育大学学内KANの現状と利用状況

(WIDE)を介して、全国・全世界とのInternet接続が行われている(図.D。

2.3.2.附属校・圏接続(INS‑64)

附属幼稚園、小学校、中学校からはINS‑64回線によりダイヤルアップ接続が行われている。接 続プロトコルはPPPCPoint to Point Protocol")である。現状、情報センター側の回線数がわ

ずか1本であり、附属校・園からのアクセスは活発とは言えない。

また、国際交流宿舎および桜寮にINS‑64回線は用意されているが、端末用のパソコンが置かれ ていないためにネットワ‑ク利用はできていない。

2.3.3.高取高校接続(100校プロジェクト)

通産省・文部省の共催で、 1995年より2年間の実験プロジェク「100校プロジェクト」が開始さ れた。初等・中等教育におけるInternetの利用可能性を探るもので、奈良県からは唯一県立高取 高校が採択された。

高取高校内には1台のサーバ装置とMacintosh機をクライアントとする校内LANが稼働してお り、 64Kpbs専用線により本学のルーター装置に接続されている。従って、本学がNOCCNetwork

Operating Center)としての役割を果たすことにより、高取高校LANはNARA‑EDU‑NETと同 じ経路で対外的に接続され、 Internetの一部となっている(図.1)0

2.3.4.公衆回線ダイアルアップIP接続

100校プロジェクトが大きな関心を集めた背景には、学校現場でのInterntへの興味と期待があ る。現状で初等・中等学校でInternet接続を行うとすれば民間のNSP(Network Service Provider)との契約以外に方法がないが、特に公立校でこの種の経費の支出は困難であろう。

情報処理センターでは、暫定的であるが、奈良県内の初等・中等学校教諭との共同研究として、

本学への公衆回線接続によるInternet接続実験を行っている。接続対象校と共同研究内容は5.に 後述するが、主に電子メール、 WWW(World Wide Web)の検索およびホームページの作成な

どで利用されている。また、この公衆回線接続は、教官の在宅研究にも活用されることが期待さ れe.‑>

現在、回線は2本あり、 2台のHP(Hewlett Packard)社製のワークステーションに接続した 28,800bpsモデムに公衆回線から入ることができる。接続プロトコルはPPPである。

3. LANの機能

3.1. DNS

ネットワークの利用者が直接意識することはないが、ドメイン名をIPアドレスに変換する(お よびその逆を行う)DNS(Domain Name System)はネットワークサービスの最も基本的な機能 である2)。 NARA‑EDU‑NETでは、本学ドメイン"nara‑edu.ac.jp"のプライマリサーバーとして mailsrv(202.236.176.37)が本学ドメイン内ののホスト情報などを包括的に把握している。

Mailsrvの不調に備えて、対外的には大阪大学のvanilla‑ice.gw.osaka‑u.ac.jp(133.1.192.4)と WINCCWest InterNetwork Complex:関西ネットワーク相互接続協会)のwincgwl.winc.ad.ip (202.15.200.1)がセカンダリーサーバーとして機能している。内部的には、 mailsrvの負荷を分

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サ;i iwl

散するために、 cgsrvC202.236.176.131)がキャッシュ(cache)サ‑バーとして機能している。

3.2. E‑Mail

本学での対外的なE‑Mail受け取り窓口(Mail‑Exchanger)はmailsrv(202.236.176.37)1台のみ である。 Mailsrvが不調の場合、 DNSのセカンダリーでもある大阪大学vanilla‑ice.gw.osaka‑u.a c.jpまたはwincgwl.winc.ad.jpが代理で受け取り、 mailsrvの復調を待ち配送を行う設定になっ ている。

本学のE‑Mail利用者は、 mailsrvにIoginするか、あるいは、 Eudora、 ALMailなどのパソコ ンホストのPOP(Post Office Protocol")クライアントを通してメールを送受信している。直 接mailsrv子Ioginしてメールを利用する場合、 mailまたはmailxCBerkeley mail)コマンド を利用するか、あるいはemacsやmhなどのsendmailへのインタフェースを備えるツールを利用 する。

一方、パソコンホストの場合はmailsrvに対してPOP およびSMTPCSimple Mail Transfer Protocol4')接続を用いてメールの送受信を行っている。

ネットワーク利用者の増加に伴い、将来的に、本学もサブドメイン構成をとることになるであ ろうOその場合、 E‑Mailアドレスは....ゥdepartment.nara‑edu.ac.jpの形式になる。

3.3. NetNews

NetNewsの配送・検索機能もmailsrv(202.236.176.37)1:のINNQnterNet News)ソフトウェア が受け持っている。本学では大阪大学のnews‑server,toyonaka.odins.osaka‑u.ac.jp(133.1.181.2) からニュースの配送を受けている。本学から投稿したニュースもこのサーバーを経由して配布さ

れる。現在、本学から「下流」への配送は行っていない。

ニュースを読むためには、 mailsrv上でmnewsコマンドを実行するか、パソコンホストの各種 のニュースリーダー(クライアント)がmailsrvとNNTP(Net News Transfer Protocol5')接続を 行うかの何れかとなる。 Mailsrv上のINNデーモンはNNTPの機能も含んでいる。

本学で、配送を受けているニュースグル‑プはfj(from Japan)とtnnの全グループと若干の海 外ニュースグループであり、基本的に14日後に消去(Expire)される。この期限は、 mailservのファ イルシステム、特にinode数の制限で決められており、この期限を全ニュースグループについて 良くするためには、 mailsrvのディスクの再パーティション設定が必要となり、周到な準備作業

を要する。

3.4. WWWサ‑パーと代理サービス

www(World Wide Web)のサーバーとして、 mailsrv(202.236.176.37)アでCERN httpd 3.0("Conseil Europeen pour la Recherche Nucleaire: "European Laboratory for Particle Physics": ‑ hyper text transfer protocol daemon6')を二つのプロセスで稼働させている。

一つのプロセスは本学のホ‑ムページを提供する。本学のホームページをユニークに識別する URL(Uniform Resource Locator)はhttp://www.nara‑edu.ac.jp(202.236.176.37)/であり、

各教官のホームページはhttp://www.nara‑edu.ac.jp/ user‑account/となる。ホームペー

ジのファイルの実体の所在は、 mailsrv:/usr/local/WWW/NUEに全学的なものを置き、 /

users/"user‑account"/WWWに個人データを置く構成になっている。

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奈良教育大学学内KANの現状と利用状況

もう一つのhttpdプロセスは、代理サーバー(Proxy Server)機能を提供する。管理棟内LANで は学外との直接のIP接続を避けるために、 RFC1597(Request For Comment)に規定されるプラ イベートアドレス192.168.3.0/24を用いている  Mailsrvのこのプロセスは、これらのプライ ベートなLANに接続されているホストに対し、 http、 gopher、 ftpプロトコルの代理サーバーと なっている。なお、代理サーバープロセスのポート番号は8080としている。

3.5. CU‑SeeMeリフレクター

画像・音声の交信をInternet上で行うソフトウェアCU‑SeeMeに対して、中継機能(Reflector) をcgsrv(202.236.176.131)で提供する。 1995年11月17日の「土星の輪消失現象(太陽が輪の平面上

に位置するため、輪が見えなくなる現象)」の中継を和歌山大学と「みさと天文台」の協力で行 うために導入された。

簡易なTV会議や放送に利用できる。

3.6.ネットワーク監視

ネットワーク監視サーバーNetsrv(192.168.2.2)はSNMP(Simple Network Management Protocol8')を有する通信機器(‑ブ、ルーター、ワークステーションなど)の状態監視を行い、

グラフィックスディスプレイ上に状態表示を行う。

4. LANの利用形態と実績

4.1. E‑Mail

1995年3月22‑23日、学内教職員に対するE‑Mail講習会が開催され、本学のInternet E‑Mail の利用が開始した。同年4月以降のE‑Mail利用実績総数を表1に掲載する。

表1 E‑Mail利用実績総数

利 用 期 間 学 内 ー> 宇 内 宇 内 ー> 国 内 宇 内 I> 海 外 国 内 一> 学 内 海 外 ー> 学 内 総 計

A c r ‑9 5 4 67 32 7 10 2 4 37 13 7 1.4 7 0

M ay ‑ 95 3 64 5 2 1 14 2 1 .4 04 64 3 3 .0 7 4

Tun ‑ 9 5 7 2 1 54 1 2 23 2 ,0 6 5 2 .03 9 5 ,5 8 9

Tu l‑ 95 6 0 1 70 1 14 2 1 .5 7 1 1 . 54 1 4 .5 5 6

Au だ‑ 95 4 26 67 2 13 3 1 ,3 98 56 8 3 . 19 7

Se D ‑9 5 6 27 6 14 18 8 1 .9 19 6 4 0 "5 I

0C ト9 5 6 69 9 15 15 3 1 ,9 53 8 74 4 .5 64

No v ‑9 5 89 5 8 19 2 16 2 .4 87 8 12 5 .2 2 9

表1で、国内‑学内、海外‑学内の「流入」 E‑Mailが、学内からの発信より多いのは、メーリ ングリストからの複写配布が多いためであり、 「私信」については概ね入・出はバランスしてい る。学内利用者のE‑Mailの利用実績としては、学内からの発信数が目安となるが、これは暫増 している。

表2に1995年12月現在の、 E‑Mail利用登録者数を示す。表1の「実質的利用者」は1995年4月 以降5通以上のE‑Mailの発信を行った利用者としている。学部学生以外は、登録希望者は無条件

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藤原 公昭

にE‑Mail利用のためのmailsrvへのアカウントを発行している。学部学生に関しては、留学生の みアカウントの発行を認めている。表2の「学外」は共同研究者であり、奈良県立教育研究所の 指導主事3名と、県内公立中学・高校、私立大学の教諭・教官を含んでいる。

表2 E‑Mail利用者

利 用 者 分 類 対 象 者 利 用 登 録 者 % 実 質 的 利 用 者 ..

教 官 120 66 55 4 9 4 1

附 属校 . 園 78 3 4 1 1

事 務 官 9 1 14 15 8 9

大 学 院 生 14 9 33 22 14 9

学 部 学 生 13 49 5 0 4 0

学 外 7 7

一見して、附属校・園での登録・実質利用は皆無に近い状況がわかる。

4.2. NetNews

1995年6月1日からNetNewsの受信を開始した。 12月10[]までのNetNewsの購読件数(読まれた 記事の数)を上位から示すと以下の通りになる。ニュースグループ名の後の数字は、累積のアク

セス件数である。 Windowsへの関心が極めて高いことがうかがえる。

なお、 aa‑localは本学内のローカルなニュースグループであり、学内的な情報交換の一助とな るべく、運用されている。

什windows.ms 4505 什sys.pc98 1894 什fleamarket.misc 1709 鉦soc.misc 1706 什education 1640

fj.books 1393 fj.sys.mac 1250 aa‑local.net 1222

鉦rec.travel.world 1195 仕Iiving 1188

鉦net.infosystems.www 1182

fj.net.infosystems.www.browsers 1173

鉦net.phones 1002 鉦rec.idol 934 鉦rec.travel.japan

fj.news.usage 865

鉦sci.physics 753 鉦Iife.children 697

fj.os.ms‑windows 637

什net.modems 554

II.net.providers 468 fj.sci.math 454 fi.rec.mystery 440 fi.soc.culture.Chinese 440

鉦comp.image 424

fj.hfe.health 388 fj.education.math 359 aa‑local.test 337 fj.announce 315

aa‑local.forum 289

什sci.astro 285

fj.comp.texhax 255 tnn.internet.www 218 fj.rec.models 199

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奈良教育大学学内KANの現状と利用状況

なお、同時期でのNetNewsへの投稿(Post)総数は158件であり、これにはaa‑local‑のテスト 投稿も含まれる。

4.3. WWWサーバーアクセス

1995年6月11LJより、本学のwwwサーバーが稼働を開始した NTTの新着サーバー紹介に登 録されることで学外からのアクセスが開始された.以下の表3に、月毎のホ‑ムペ‑ジへのアク セス総数を示した。これには、学内からのアクセスも含まれる。

表3ホームページアクセス件数

≡ 蝣 ilfii ア ク セス 総 数 学 内 ア クセ ス件 数 Tun ‑ 9 5 3 7 5 3 3 1 J u lー9 5 1 , 6 1 4 3 0 4 A u e ‑ 9 5 9 3 9 2 9 7 S eo ‑ 9 5 1 . 5 9 7 6 5 1 O c t ‑ 9 5 1 . 3 9 8 5 9 0 N o v ‑ 9 5 2 . 2 9 9 1 , 13 4

1995年11月末現在で、個人ホームページを所有する教官は9名、その他に附属図書館、教育資 料館、教育実践研究指導センター、情報処理センターおよび自然環境教育センターがホームペー ジを公開している。

5.学外との共同研究

公衆回線によるダイアルアップ接続を用い、県内の教育機関に対してInternet接続の経路を提 供している(2.3.4)。 1995年12月現在での接続対象機関と共同研究・実験の課題は以下の通りで ある。

1995年10月 御所市立葛上中学校.・カナダ姉妹校とのE‑Mail交換、 wwwホ‑ムページの公 開

1995年10月 奈良県教育研究所: E‑Mailによる業務連絡

1995年10月 大塔村大塔中学:理科教育でのE‑Mail、 WWWの利用

1995年12月 奈良県立生駒高校: E‑Mailによる国際交流、意見交換、 WWWの教材利用予定 奈良市立興東中学

予定    奈良県立郡山高校 wwwによる学校紹介、海外とのE‑Mail交換 予定    奈良市立真美ケ丘中学:英語によるホームページ作成と交流

6.課題と学内LANの高度化の構想

他の多くの大学に比してやや遅れてではあるが、学内LANの整備が行われ、教育・研究にお いて、主にInternetによる電子メール(E‑Mail)、ファイル転送(FTP)、遠隔ログイン(Telnet)な どの利用が開始された。すでに多くの教官・院生にとって電子メール等は研究・教育上必須のも

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藤原 公昭

のとして活用されている。 1995年6月にはWWWのホームページも公開し、本学よりの情報発信 の体制が整った。明1996年始めには、情報処理センターの現有サーバー機器類のリプレースと同 時に図書館システムと学内LANが接続され、ネットワーク利用が更に促進されることになる。

一方で、教員養成系大学としての機能を果たすLで、学内・外のネットワーク環境において、

今後整備をしていかなければならない課題も残されている。また、全学的な研究・教育および事 務・管理の諸業務が、ネットワークを介して有機的に結合するために、ネットワーク基盤の整備 をはかる必要がある。以下には、現状の学内LANの問題点と、それに対する当面の対応策を LANの高度化計画の構想という観点で列挙した。

6.1.附属校・園でのLANの整備

教育の現場でのネットワーク利用を促進するために、大学内LANと附属校・園問の通信回線 の大容量化および校・園構内のLAN配線を行う必要がある。当面必要な敷設項目を以下に示す。

・キャンパス内附属小学校への光ファイバー敷設、ルータ‑設置と校内IOBase‑Tコンセント 設置(10ヶ所程度)

・キャンパス内附属幼稚園への光ファイバー敷設、ル‑クー設置と園内IOBase‑Tコンセント 設置(4ヶ所程度)

・佐保地区附属中学校へのINS‑64ルーター設置と校内IOBase‑Tコンセント設置(20ヶ所程度)

6.2.学内LAN幹線(Back‑Bone)の高速化(ATM)

サーバー利用の拡大に対応するため、主要なサーバー類とファイル転送の等の利用頻度の高い 棟の‑ブ間を高速通信網(ATM)で結合することが望ましい。現状のIOMbpsから、 100Mbps‑l, 500Mbpsへ補強する。対象棟は当面、情報処理センター、附属図書館、実践センター、理科2号 棟、新館1、 2号棟、附属小学校、事務棟とする(図2)。

6.3.教育研究資料のマルチメディア対応

マルチメディア教材作成の研究成果を教育現場で評価・活用するために、附属小学校と実践セ ンターにVOD(Video‑On‑Demand)装置を設置するのが望ましい。ビデオ化された教材のランダ ムアクセスが可能となる。

6.4.研究・教育支援

現在全教官の約半数が恒常的に電子メールを利用している(4.1.)。残りの半数の教官について は、 LAN配線の未達、パソコンを所持しないなどの理由で電子メールの利用ができていない。

少なくとも全教官研究室へのIOBase‑T配線を行い、必要な教官へはWindowsまたはMacintosh 機の配布を行うことが望ましい。この場合、必要な機材の総数はおおよそ50台程度と見積もられ

る。

また、附属校・園での電子メール、 WWWを利用した授業・教材作成を可能とするたに、附属 小・中学校へは少なくとも各10台程度、附属幼稚園は4台程度のWindowsまたはMacintosh機の 配布を行うことが望まれる。

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奈良教育大学学内KANの現状と利用状況

6.5.事務・管理業務支援

大学としての研究・教育機能を果たす上で、事務・管理部門との緊密な情報の連携が不可欠で あり、ネットワーク利用がこれを支える。事務・管理部門でのネットワーク利用を促進するため に、事務管理セクションの掛(係)単位に2台程度のWindowsまたはMacintosh端末の配布、設置 を行い、 E]常的業務を電子メ‑ル・ニュースでも行う体制を整える必要がある。

6.6.学部学生への電子メール利用支援

学部学生の学習においても電子メールの利用やデータベースの検索が活用されるべきであり、ま た、就職活動においてもWWWなどのメディアが無視できなくなっている。本学でも、近い将来 に、原則全学生に電子メールのアカウントを与える必要がある。この場合、現行のメールサーバー への負担と危険を分散するため、おおよそ棟単位でUNIXワークステーションを導入し、学生の

アカウントは学科単位で管理することが望ましい。また、学生が利用可能な端末機器も学内の各 所に設置し、随時利用可能とする必要がある。

図2 奈良教育大学学内LAN第2期構想 概念図

参考文献

1) W. Simpson, The Poi姑to‑Point Protocol (PPP), RFC1661, 1994

2) P. Mockapetris, Domain Names ‑ Concepts and Facilities, RFC1034, 1987, and P. Mockapetirs, Domain Names ‑ Implementation and Specification, RFCI035,1987 3) M. Rose, Post Office Protocol ‑ Version 3, RFC1081, 1988

4) J.B. Postel, Simple Mail Transfer Protocol, RFC821, 1982

5) B. Kantor, and P. Lapsley, Network News Transfer Protocol, RFC977, 1986

(11)

藤原 公昭

6) A. Luotonen, and T.B. Lee, CERN httpd Reference Manual, 1994

7) Y. Rekhter, B. Moskowitz, D. Karrenberg, and G. de Groot, Address Allocation for Private Internets, RFC1597, March 1994

8) S.M. Feit, SNMP A Guide to Network Management, McGraw‑Hills, 1995

参照

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