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雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

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奈良教育大学学術リポジトリNEAR

奈良教育大学教育資料館 教育資料データベースの 構築 −インターネットアクセス−

著者 藤原 公昭

雑誌名 教育実践研究指導センター研究紀要

巻 7

ページ 169‑176

発行年 1998‑03‑31

その他のタイトル Nara University of Education ‑ Educational Archive Database −Internet Access−

URL http://hdl.handle.net/10105/4328

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‑ インターネットアクセス ー

藤 原 公 昭

(奈良教育大学教育実践研究指導センター)

Nara University of Education ‑ Educational Archive Database

‑ Internet Access ‑

Kimiaki FUJIWARA

(Center for Educational Training and Research, Nara University of Education)

要旨:教育資料館において収集整理されてきた、各種の教育資料をデータベース化する作業が進 行している。このデータベースはマルチメディアを活用し、インターネットを介してのアクセス が可能であり、全ての研究者、教育関係者に対して開放されている。

キーワード:教育資料、データベース

Synopsis: A database of educational documents and materials is being continuously accumulated in the Educational Archive. This database is accessible via the Internet with a web browser, and is therefore open for all who have interest in the valuable materials archived in the Institution.

Keywords : Educational Materials, Database

1.教育資料データベースの概要

本学では、主に近世以降の初等中等教育に関する教育資料の収集が進められており、平成5年 度の教育資料館設立以来、教育資料館において収集資料の整理分類作業が行われている。また、

資料館展示室においては常設展示とともに、企画展示も開催され、関係者の関心を集めている。

これらは、奈良県下の山間僻地における分校や都市部の学校の統廃合などの要因で、散逸・滅 失していく傾向にある貴重な教育資料を中心に収集したものであり、全国的にもユニークな内容 をもっている。初等中等教育における実践的教育研究に関する資料をはじめとして、歴史的資料 や教材の実物も含むものであり、特に、作文・文集に見られる国語教育の実践記録や近世におけ

る庶民教育に大きな役割を果たした往来物の収集が特筆すべきものである(表1)0

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藤原 公昭

表1教育資料データベースの分野構成

1 初 等 中 等 教 育 諸 学 校 に お け る実 践 的教 育 研 究 に関 す るデ 一 夕ベ ー ス 2 教 科 書 . 往 来 物 に関 す る デ ー タベ I ス

3 僻 地 教 育 関 連 資 料 に関 す る デ ー タベ ー ス 4 教 科 教 育 関 連 資 料 に関 す る デ l 夕ベ ー ス

5 各 種 文 集 . 文 献 に関 す る デ ー タベ ー ス 6 人 権 教 育 関 連 資 料 に関 す る デ T 夕ベ ー ス

7 ア ジア、 ヨー ロ ッパ 、 ア メ リカ等 の教 材 に関 す るデ ‑ 夕ベ ー ス 8 教 育 用 ソ フ トウ エア に関 す る デ P 夕ベ ー ス

9 教 育 関 連 資 料 の研 究 論 文 、 卒 業 論 文 、 修 士 論 文 題 目 に 関 す るデ ー タ ベ ー ス

10 教 育 資 料 に関 す る画 像 . 映 像 . 音 声 デ ー タベ ー ス

これらの教育資料を広く公開し、研究者や教育関係者の利用に供するために、そのデータベー ス化が急がれていた。

平成7年度より、これら教育資料のインデックス情報の作成作業が開始され、資料の調査分類 とインデックス情報のパソコンデータベースへの入力が進められてきた。平成8年度からは、教 育資料デ‑タベース作成グル‑プを組織し、科学研究費補助金(研究成果公開促進費)を受け、外 部委託による入力作業を含む本格的なデータベース構築が開始された。その成果は、奈良教育大 学のホームページにリンクされ1)、インターネットを介して、オープンにアクセスできるものと なっているO また、本データベースは、資料の写真、古文書の全文、民謡・仕事歌の音声収録 など、マルチメディア技術をフルに活用したものである。

本報告では第一報として、奈良教育大学教育資料データベースの構成と構築の方法について報 告する。利用統計等については、サ‑ビス開始から日の浅いこともあり、十分なデータが得られ ていないために、続報での課題とする。

2.教育資料データベースの構成

平成8年度から開始した教育資料データベースの構築作業は、 1)資料館所蔵資科リストの作成 を中心とし、平成9年度からは2)往来物の解説と全文収録、 3) 「大和の歌」の録音収録を加え、

教育資料館ホームページ(URLはhttp://www.nara‑edu.ac.jp/ARCHIVE/、図1)にリン クされた。

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Center for Historical Materials °f Educati°n

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図.1 http://www.nara‑edu.ac.jp/ ARCHIVE/

2.1.教育資料館所蔵資料リスト

教育資料館所蔵の1次資料は、教育資料館主幹′ト柴幸文氏によって整理・分類され、インデッ クスシート‑の記入が行われている。インデックスシートには、基本的な書誌情報とともに、解 説も付記されている(表2)0

記入されたインデックスシ‑トの入力作業は、外部に委託され、パーソナルコンビュ‑夕の汎 用データベースソフトウェアMicrosoftACCESSを用いて、データ入力が行われている。同時 に、資料としての形態を示すために、資料表紙のスキャナー取り込みも平行して行われており、

JPEG形式の画像ファイルとして蓄積・保存されている。

表2教育資料リスト・主要なインデックス項目 1 資 料 番号

2 書 名 (書 名 読 み) 3 著者 名 (著 者 名 読 み) 4 発行 日付 、 発 行 所 5 形 態 、 サ イ ズ 6 所 蔵場 所 7 寄 贈者 8 資料 の説 明

9 画 像 ( ス キ ャナ I ) フ ァ イル 名 10 そ の 他

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藤原 公昭

パソコンのデータベースAccessへの入力データは学内LANを介して、情報処理センタ‑内 のWindows‑NTサーバー機のディスクに逐次保存される。現在(平成9年12月)、資料館での収 集資料12,500件の内、約5,500件のインデックス情報が入力済みとなっている。

インデックス入力 PC PC

=>C

データ蓄積

データ変換

[ ホ i Ll NT

学内LAN

( I nte 「net 、

‑ムページ および

ワード模索

PC:Personal Computer

NT:Windows‑NT Server

www:www server(UNIX)

図2データ入力とwwwサービスの概念図

スキャナーによる、資料の表紙の画像デ‑夕とともに、インデックスデ‑夕はwwwサーバ‑

であるUNIX機.www.nara‑edu.ac.jp)‑転送され、インタ‑ネットからの検索が可能となるo この転送作業と、 HTML形式への変換作業は、月に2回程度のバッチ処理でおこなわれ、資料館 ホームペ‑ジのデータが更新される。バッチ処理用のソフトウェアはUNIX上のC言語で、新 規に開発された(図2)0

教育資料館資料リスト インデックス

監修 小柴 幸文

Last Update: Tub Nov 25 12:26:29 1991

● キーワード模索

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リスト香号

りスト 3 39.00 ‑   新しい音楽 小学校用 6年 LJスト4 59.00 ‑   奈良古瀬プラン 単元展闇鯛集

5  81 00 ・‑

6 120 00 ・・.‑

8 160.00 ‑ 9 184 00 ‑

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」E*1玩EJK3掌t」サ鵬巳 固tfササKagi塩

‑ 教師用

ノホン 三

へき地教育研究大会 分会甥要覧く第5)

図3 WWW検索画面(一部)

インターネットからの検索では、 1)リスト形式での一覧検索と、 2)キーワ‑ドによる検索が サポートされている(図3)。リスト形式では、資料番号順リストからの選択となり、一覧性には 優れているが、資料内容による検索は難しい.一方、キーワード検索では、 「複式学級」、 「作文

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教育」など、フリータームでの検索が可能である。ここでは、予めキーワードを抽出するのでは なく、検索時に、 「書名」、 「著者名」、 「出版所」、 「説明」の全文を連結したテキストに対して、

指定キーワードの部分一致をとることになるので、シソ‑ラスは必要がない.従って、 「国語」

と「国語」や「僻地」と「へき地」のような、表記の揺れについては検索者が留意しなければな らない。

上記いずれの検索形式でも、検索結果の表示項目は、 「書名」、 「著者名」、 「出版年」、 「出版所」、

「説明」であり、スキャナ‑画像がある場合は、その画像へのリンクが表示される(図4)。平成9 年12月現在、スキャナーで収録された資料の表紙画像は5,700件となっている。

教育資料キーワードサーチ

Keyword=へ草根

【漢等̲憎号】 170.00 昭和36年1 0月1 1 a t姿料画像]

【:卓鞘名】 第1 0回全国へさ蝿教育研究大会事項 qKia劇 はIJUM.fi甘胃

i出折=Bj 奈艮県教育委員会

・‑Jf 坤1 、‑ぎ埋れWcT.WUtIDtLたfTjtT‑lBlJ. (Kill坤:育. を知るための資料。 (開催地:禁艮市立一兵高等学校) [漢章斗番号] 171.00 昭和36年10月11B   資料画像]

ip淫*3│名1 第1 0回全国へき堆教育研究大会資料 と蓄電S,! 文部蝣an等中等れT.q

i 4J旨転削  文部■

r三見 蛸 全国へき堆教育研究大会1 0年の歩みと、へぎ地教育振興策の道展について

資料尊号i 172.00 昭和36年10月11日  E資料画像1 .5村田IM tliln 申raji&tts乳頭65E3日矧

事書名】 文部省事刀等中等教育局 出師尊l  文部省

#:明P  関白raiMtf.i船頭ii胃TCEl班emSDヨL'itl.ii円EO5]臣buJUサ

図4.検索結果

現在、収集済みの教育資料12,500件に関してのインデックス情報入力は、平成10年度中には完 了すると見込まれるが、教育資料の収集自体は随時行われているので、年間3,000件程度の新規 収集・整理・入力作業が定常的に継続していくものと予想される。

2.2.往来物解説と全文収録

江戸期、寺子屋での庶民教育の教科書として用いられた往来物、 48点が本学附属図書館に所蔵 されている。商業・農業などの職能に関連する語嚢や用具名称を教科書として編纂した、実業類 の往来物と呼ばれるものを中心に、その他、教訓・消息・地理・歴史や女子用往来物などが含ま れる。近世の教育史における貴重な資料であり、本学では梅村による研究が進められている2) 3)。

このような歴史的資料のデータベース化に当たっては、印刷技術、保存状態も含め、できる限 り現物の姿をそのままの形で収録することが望ましい。そのことによって、多くの研究者の利用 に供することができるとともに、広く一般の関心を呼び起こすことが可能になる。実際、図解や 図絵の木版による鮮やかなカラー印刷は、当時の印刷技術水準の高さを示すものであり、また、

当時の風物や庶民の生活を知る手がかりとなるものである(図5)0

今年(平成9年)度は、 48点中20点について、スキャナーによる全文画像収録を行ったO 虫食い などで、傷みの激しいものもあるが、おおむね良好な状態で収録ができている。梅村による概要 の解説とともに、資料館ホームペ‑ジにリンクされ(http://www.nara‑edu.ac.jp/LIB/col lection/collection.htm)、インターネットからの検索が可能となっているO 平成10年度には、

残りの28点について、スキャナー収録を完了する予定である。

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煉ifii 公昭

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図5往来物「商売往来絵字引」全文収録より

(http: www.nara‑edu.ac.jp/LIB/ collection/ c2 ‑013.htm) 2.3. 「大和のうた」録音資料

本学名誉教授牧野英三氏は昭和30年代から40年代前半にかけて、奈良県下 の民謡を録音・採 譜し、その成果をF五線譜に生きる大和のうた』4)として出版した.この中に収められている

「うた」は、日本が高度成長期を迎え、奈良県においても農林業従事者が減少し、産業や生活様 式が大きく変化していく時期に、消えつつあった仕事歌、祭り歌、童謡、民謡などである。

教育資料館では、平成8年度、教育研究学内特別経費を受け、牧野氏の所有する録音テープを 借用し、デジタルテープ(DAT)化と編集作業をおこない、教育資料館に永久的に保存するプロ ジェクトを実行したO これは、また、 「うた」と結び付いた地域の生活の調査研究にも資するも のである。

今回、これらの音声データの一部を.WAV形式のファイルとしてwwwサ‑バーに登録し、

インターネットから、その音声デ‑夕を検索可能とした(資料館ホームページからhttp:, w.nara‑edu.ac.jp/ARCHIVE/songs.htmへリンクされている)0

録音・保存状態は必ずしも良好ではないが、当時の人々の声と演奏を伝えるものとして、貴重 な資料である。

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図6 「大和のうた」

http:// www.nara‑edu.ac.jp/ARCHIVE/songs.htm

牧野氏所蔵の録音テープには250曲以上が収録されているが、平成9年度は、 77曲について、各 曲を30秒ないし60秒程度に編集し、 wwwサーバ‑に登録した(図6)。平成10年度以降、編集作 業では本学音楽教室の協力を得つつ、サーバーへの登録作業を継続していく予定である0 3.今後の構想

学内外の協力により、各種の教育資料の収集・寄贈は今後も恒常的に継続していく。従って、

それらのデータベースへの登録作業も、滞貨なく、継続性をもって行う必要がある。そのための 体制づくりと同時に、既存データのインデックス情報、とりわけ、資料内容の解説を充実させて いく作業が恒常的に遂行されなければならない。

さらに、教育資料デ‑タベースの利用を促進し、学内外の研究活動をより活性化させるために、

利用統計の収集と、データベースの広報、出版を行っていく必要がある。

3.1.利用統計の収集

インターネットからのアクセスに対しては、カウンターを利用することにより、容易に利用統 計をとることができる。この機能を用いて、長期的に利用状況を把握するとともに、ホームペ‑

ジのメニュー上の配置、表現などの工夫により、より多くのアクセスを引き出すことが可能とな るであろう。

3.2.データベースの広報と出版

データベース目録の作成と配布による、広報活動を行う。同時に、画像、音声を含む全書誌デ‑

タベースをCD‑R(Recordable)に収録し、関連機関へ配布するサ‑ビスも行うO

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藤原 公昭

参照二

l)奈良教育大学教育資料館データベースのURLはhttp://www.nara‑edu.ac.jp/

ARCHIVE/である。

2)梅村佳代: 「本学所蔵の往来物の研究( I )」 , 『奈良教育大学教育研究所紀要』 ,32巻,1996,

pp.75‑87

3)梅村佳代: 「本学所蔵の往来物の研究(Ⅲ)」 , 『奈良教育大学教育研究所紀要』 ,33巻,1997,

pp.55‑67

4)牧野英三: 『五線譜に生きる大和のうた』 ,音楽の友杜,1972 Fuiiwara 98/01/19 P‑1

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参照

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