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在中国日系企業におけるマネジメントのローカル化と現地適応の実態と課題-香川大学学術情報リポジトリ

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在中国日系企業におけるマネジメントの

 ローカル化と現地適応の実態と課題1)

      井上信

I はじめに一問題提起とその限定 n 日系企業のマネジメントの実態と特徴 m マネジメントのローカル化と現地適応−ケース・スタディ Ⅳ 結びに代,えてーマネジメントのローカル化と残された諜題 付録一調査票(管理会計の国際移転に関する調査票)2) −j− 一 ●       I  1990年代以降,中国経済,中国企業の高度成長は長年・にわたり継続的発展 により,現在中国社会,経済,企業は,「世界の工場」から「世界の市場」ヘ と急速に発展してきでいることは周知の事・実である。またこのような経済発 展,「世界の工,場」イヒ,「世界の珀場」イヒに関する日中両国の研究者,エコノミ スト,実務家などによる社会学的,経済学的,マクロ的な調査研究の蓄積も急 1)本稿は/プロジェクト・の共同研究者である香川大学経済学部敦授姚峰氏の全面的な支  援によるものである。本プロジェクトの企團,中国サイドの研究協力者,大学,調査研  究機関などとの調整をはじめ,現地での研究調査,討論,打ち合わせ,通訳などあらゆ  る面で煩雑な作業を快く推進してくれた。4年間の本研究は,そのような姚峰教授の協  力とサポ・-ト・と日中の大学,研究調査機関の研究協力者,日中両国の経営者,開発区の  専門家など多くの皆さんのご支援のおかげで,どうにか本プロジェクトを終丁すること  ができた。ここに記して,上記の方々に衷心より謝意を申し上げる火第である。勿論本  稿の内容についての責任は筆者にあることはいうまでもない。 2)付録の調査票,の中国語版の作成並びに,2005年度の上,海への面談調査においては,香  川大学大学院経済学研究科の当時の小生のゼミ生であった史媛媛氏(香川大学大学院経  済学研究科修士諜程修丁)に,通訳,デ・-タ整理をはじめ多面的なサポ・-トをレていた  だいた。ここに記レて感謝中し上げる次第である。

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一2−         香川大学経済学部 研究年報砿      2008 速に進展レてきており,その「巨龍」の全体像はある程度は明確になりつつあ るが,同時に情報,統計データの不足のため,未だ充分に理解されでいない面 も多々見られる。経営学的研究や会計学的研究,とりわけ管理会計的アプロー チについては別府大学の西村明敦授,関西大学の水野一郎教授をはじめ幾人か の研究者が精力的に研究を続けており,また日中の研究者や中国の調査研究機 関や,JETROをはじめとする調査研究組織や実務家の積極的な努力が継続され ているがド│青報,統計データの性格,また絞府機関との関係,企業の内部デ・-タに踏み込まざるを得ない研究が多く含まれる。経済発展,経済活勣のような マクロ的な情報の開示はある程度公開されてきているが,内部情報に属する管 理会計的なデータは未だほとんど明らかにされておらず,日中の相互協力,研 究者の共同研究などにより,着実に現地での面談調査などにより,調査デー タ,情報を地道に蓄積して行かざるを得ないというのが現状であり,調査対象 をはじめ課題,問題点の多い研究分野である。  そのような困難な研究状況の中で,本稿も,これまでの先行研究を意識,活 用しながら,比軟的手薄な研究分野である経営学的,管理会計の分野から,幾 らかでも在中国日系企業の実態と課題の解明に不可欠な実証的なデータ,貴料 を積み上げることを意図した現地での面談調査による研究の一環をなすもので ある。ぞの理由は,中国での調査研究は,我々の資本主義経済とは異なり,表 面的には「法治主義」の体制が整備されてきているが,現実にはいろいろな局 面で「人治主塵」的色彩の濃い社会,風土,文ゴヒ構造であると思われることも 散見される。いわゆる「特色ある社会主義市場経済」をベースにした政治社会 経済体肘であり,社会文化的にも外部からはなかなかうかがい知ることが難し い面が多々みられ,現地で実際に中国企業,大学,調査研究機関,開発区など へのヒアリングと共に,外資系企業とりわけ日系企業への面談調査により,中 国における経営管理,管理会計の実態と課題を調査分析することが,重要な課 題であることに本プロジェクト研究の期間,再三再四実感することがあった。  そごで,本稿では,とりわけ2004年復から2007年後に掛けて科研費の海外 学術調査として行った「『世界の工,場』の中国化と日系企業の管理会計の現地 適用と現地適応」における経済,経営関係のデータによりながら,まず日系企

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ローカル化と現地適応の実態と課題 −j− 業の中国への経営進出の特徴と課題の概要について(現時点では諸股の事情, 理由により,限られた調査対象,データしか得ることができなかったが),面 談訓査に応じてくれた多くの企業の実態から窺える特徴を明らかにすることを 最初の目的とする。同時に,個々のケース・スタディにより,日系企業の中国 進出,生産方式,生産管理などの実態と諜題及び,日本的経営の適用の実態と 経営恬動のローカル化の状況及び中国でのマネジメントについて,可能な範囲 でその実態と課題を明らかにする。(なお管理会計,原価管理の実態調査の結 果は,この論文と対をなすものであるので,結果がまとまり次第公表を予定し ている。)従って,これまでの先行研究や,現在行われている多くの研究者の 調査研究との比較分析と重ね合わせて解析する必要と共に,多面的にデータを 収,集する必要のある課題も散見される。本稿が,現在急速に成長する「巨l龍」 のどのあたりに触れ,どの面を究明,考察出来ているかは心もとないが,中国 に進出している日系企業のマネジメントの実態に関するパイロット・スタディ の置き石の一つになれば幸いである。        n  今回の面談調査は,厳密な意味で統計的なランダム・サンプリングを前提に した面談調査ではなく,このプロジェクトのメンバーから面談調査の依頼を引 き受けてくれた日本企業(製造業,商業,流通業,建設業の企業)に限られて おり,中国(本土)に進出レている日系企業を対象に調査研究を行った。現時 点では,このような漸進的なアプロー・チにより,中国進出日系企業のマネジメ ントと管理会計・原価管理の特徴と課題の全体像を,一つ一つ逐次的に明らか にして行くことが重要であり,われわれの現在置かれている研究状況である。 このような方法には勿論限界があり,それをもとにした在中国進出日系企業の マネジメントとその課題について,限られた調査対象をもとに俯瞰図を描くこ とになるので,日系企業の限られた一面を,限られた面談調査によるしか必要な データが充分に得られない現状に鑑み,萌芽的研究の域を出るものではない。 ただそれでも,逐次的にデータを積み重ねることにより,中国における日系企 業のマネジメントのパラダイムを描くという作業の一端に触れる試みである。

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−4−         香川大学経済学部 研究年報 48       J認 2−1 面談企業の抽出と経営規模の概要  まず最初に,表2−1によりながら,面談企業の業種の特徴をみてみる。わ れわれが行った面談調査対象である日系企業30社のうち,22社(73.3%)は 製造貪であり,製造業を中心にマネジメントと管理会計・原価管理の実態を把 握するために面談調査を行ってきたというのがこのデータからも窺える実態で ある。ぞれ以外には,地域統括会社(傘型企業)プラス販売会社が3社,商業 (流通業を含む)が3社含まれでいる。それ以外には,建設業1社と駐在員事 務所(,地域本社の機能を一部兼ねる)1社にも面談調査を行った。  なお製造企業の内訳は,電気機械製造業n社,一般機械製造業1社,自動 車梨造業4社,繊維工業3社,化学工凛3社,食品工,業1社であり,中国進出 の多い日系企業が中心である。       表2−1 面談企業の業種内訳 面談企業の業種 会社数 膜造業 22社 地域統括本社十販売会社 3社 商業・・流通業 3社 建設業 1社 駐在員事務所十地域本杜 1社  この調査への面談者(インタビュ・一応対者)の国籍と職位lは,表2−2と表 2−3の通りである。回答者の国籍については,25肘(92。6%)は日本人で あり,中国人経営者は2社(7.4%)と,ほとんど日本人経営者が応対レてく れた。それは日本の親会社を通して面談調査を依頼したことが多いためであ る。勿論一部は中国の研究機関,調査機関の関係者を通じて面談調査を依頼し たケー・スもあった。同時に面談調査では,各社複数の経営者が面談調査に応じ てくれたケースも多く,その中には中国人経営者も6人から7名インタビュー・ に応じてくれ,各人の専門分野について,いろいろと専門的な説明をしてくれ たケースもみられた。  また回答者の職位(ポスト)は,総経理(社長)が7名(30.4%),総会計

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ローカル化と現地道応の実態と課題 士(経理部長,経理課長)が7名(30.4%ドで同率であり, 総経理と管理部長(企圓部長等)もぞれぞれ4名(18。7%)       表2−2 回答者の国籍 −5− それ以外には,副 になっている。 回答者の国籍 企業数 日本人 25社 中国人(本土) 2杜 台湾人 O社 表2−3 回答者の職位 回答者の職位 企業数 総経理 7 副総経理 4 総会計土 7 管理部長(企画部長含む) 4 工場長 1 その 也 3 2−2 面談企業の操業開姶,経営規模と経営環境  回答企業の操業開始年は,表2−4のとおりである。 1990年以拍に操業開 始をしている企業は2社(10.0%)で,一部の企業に限られている。 1991年, から1995年の5年澗は,改革開放がI進んだ時期であり,面談企業のうち9社 (45。5%)と,回答企業の半数近い日系企業が中国に進出レている。それ以降 も,1996年から2000年・の5年澗は3社(15.0%)と減少しており,2001年・か ら2005年,には,又増加して6社(30.0%)になっている。 2006年以降に操業 を開始した企業は,訪問した企業にはたまたまなかった。世界経済,中国の改 革開放政策,外貢企業への投貴環境の整備など,チャイナ・・リスクなどの影響 を受けながら,世界で最も高度成長が長期に継続レている中国への日系企業進 出は,着実に進んでいるようである。

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−61− 香川大学経済学部 研究年報 48 表2−4 回答企業の操業開姶年 即認 1990年以荊 1991年∼ 1995年 1996年∼ 2000年 2001年∼ 2005年まで 2006年以降 2社 9社 3社 6社 O社  次に回答企業の資本金は,表2−5のとおり,最も犬きい企業は1,241(百 万元ドであり,最も小さいのは,5。0(百万元)と,貴本金規模は多様性に富 んでいる。また面談企業の資本金の平・均値は,239.45(百万元)となっている。       表2−5 回答企業の資本金 平均値(百万元) 最大値(百万元) 最小値(百万元) 企業数(n) 資本金 239.45 1,241 5.0 20  また中国での外資企業の企業形態は,独資企業(外資企業の資本金100%), 合弁企業(外資と中国企業の合同出資で法律の規制が強い)と合作企業にれ も合弁企業の一種であるが,双方の契約により内容を自由に決められることが でき経営の自由度が高い。)がメインである。にこでは,合作企業は合弁企業 に含めている。)  最も多いのは,独貪企業としての進出(場合によれば独貢企業への組織転換) であり11社(47.8%)と半数近くを占めている。しかも外資企業の中国進出 が認められた初期には合弁企業での進出しか認められず,最近独資による外貪 企業の中国進出がようやく認められるようになり,その対象業種も製造,業だけ でなく,商業など他のサービス産業の分野へと拡大される傾向がある。従っ て,中国経済の構造変化につれて,また中国政府の経済の戦略的目標の重点移 行につれて,今後独貢企業は増加の傾向にあるといえる。  過半数出貢の合弁企業(日系企業が過半数出資)は8社(34。8%ドであり, 出貴形態が日本と中国が折半(50%)というのは2社(8.7%),中方が過半数 出貴の合弁企業(中国企業が過半数)も2社(8.7%)となっている。比較的 早く中国に進出した日系企業は。中国主,導の合弁企業での進出しか許可されな かったこともあり,合弁企業が多く,最近は経営のフリーハンドを確保するた め独貴形態による進出が増えている様子が窺える塊

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在中国日系企業におけるマネヅメントの  ローカル化と現地適応の実態と課題 表2−6 企業の出資形態(資本形態) 一 Z− 独資企業 (100%) 合弁企業 (過半数) 合弁企業数 (折半ぺ50%) 合弁企業 (50%未満) 11(47.8%) 8(34.8%) 2(8コ%) 2(8.7%) n} *)出誉形態の内訳は,  含まれている。 3 ) 日本企業の持分の割合を示レてり る。なお合弁企業には合作企業も  中華人民共和国における外資企業の出資形態に多様性がみられ,企業の出資形態によ りノマネジメントの長所と短所がみられ,その長所,短所については以下のことを,現 地の日系企業経営者(日本人)から措摘されていた。   中華人民共和国における外資企業の分類方法によると,外資系企業は, (1)独資企業(外国資本100%):輸出中心の加工瀧易型の場合が多い。外国企業の意思  決定の裁量性が高く,スピーディな意思決定が可能である。 (2)合弁企業:中国側企業と外資系企業が共同で出資,運営,リスクを負担する企業の   ことをいう。出資比率により,権利,責任,リスクなどが,自動的に決まる。それに   対して,合作会社は,両社の契約により,権利,責任,リスクなどが,決まるところ   が異なる。ただ広い意味では,合作企業は合弁企業の一部である。(1979年7月に施   行された「中外合喪経営企業法」に基づく。)合資企業は,独資企業に比べて,投資   分野など中国の法律の規制が少ないので,これまで企業数が最も多くな・っていた。た   だ最近は,独資企業が増える傾向にある。(製造+国内販売)企業の場合には,設立   時点では国内販売のためには合弁形態でないと認可されなか・った場合が多かったの   で,合弁企業になっているケ・-スが多い。現在では,独資企業による進出も可能に   なっている。具体的な,業種の中味が問題である。 (3)ただ現実的には,合弁企業(joint-ventuien 50%以上中国国内資本,外資系資本(パ   ートナー):40%未満。joint ventule だと,中国サイドヘの報告義務(repolting)が大   変である。   又最近増加している外資100%の独資企業の長所,短所は,次の通りである。 (1)政府の役人(役員)がいなくなる。中国(中央政府,省,企業などの)情報がはい   りにくくなり,政府関係,エ会との関係にどう対応するか,諜題になる。 (2)中国では,政治的には「社会主義市場経済」なので,中央政府,地方政府の戦略的  方策の影響が大きいので,国,市などのプロジェクト,5ケ年計團などIに外資企業の  プロジェク}・が入り難くなるケ・-スが考えられる。 (3)文化に根ざIしたこと,「エ会」などで従業員の人事労務などへの対応を自社単独で  する必要が生,じる。文化に根ざしたことについても,人事管理,労務管理,教育訓練  などを実施する場合,法律との関係があり,中国の憲法には「共産党による指導」と  いう条文があるが,自社(勿論中国人スタッフを含めて)単独で対応する必要がある  ので,政府関係などの対応において支障を生じることもある。 (4)独資企業は,白社(親会社)の裁量性。自由度が増し,自社の戦略的な意思決定の  範囲内で,白社の判断,意思決定が可能になる。(勿論中国の政治,法律,経済刎度  の枠内ではあるが。) (5)独資企業の場合には,経営管理,管理会計などでも,同様に自社のグローバルなや

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一召一         香川犬学経済学部研究年報48      勿認  日系企業の売上高(金額)とそのうちの輪出比率を表2−7により検討レて みよう。売上高の最大値は39,367(百万元ド分あり,最低は1.3(百万元)で ある。平均値は,3,477(百万元ドであり,ここでも面談企業の規模の多楡匪 が大きいことが窺える。  次に中国における日系企業の国外への製品の輸出比率(加工亥易型)を・みて みよう。最も多いのは,ほぽ全製品である98%を輸出している会社があるー 方で,輸出がO%と,製品の全数を国内販売することを目的に設立。された日 系企業もみられる。面談企業の平・均値は,3LO%と,「世界の工場」とレての 加工能立型から徐々に「世界の市場」を目指レている中国国内市場をター・ゲッ ト・にした中国進出が増加している。同時に輸出基地としての中国進出を目指し ている企業もかなりの数みられる。(現時点では,まだ加工貿易型(4社)と  り方が可能である。 (6)日本のマザーエ賜(事業部)から技術を仝部持ち出すと,日本国内のエ場が空洞化  する恐れがある。それに対する対応をどうするか,グローバルな視点からの自社の技  術戦略の対応が這られる。中国ビジネ・スは,スピ・-ドが速く,競争が激しいので対応  に苦慮レでいる。  具体的な事例として,日系企業の経営者から聞いた「中国への企業進出の環境(条  件)E投資環境」の一面として,以下のことが指摘されていた。 (1)中国政府,省,市政府などの国家,省,市政府の戦略(stlategy)が強く影響レてお  り,基本的にそれ。に従う。例えば携帯電話についでは,独資企業は認められていな  い。ただノギアの場合には,例外的に認められている。法律を作る前に幾つかのケー  スを試行して,上手く行くかどうか様子をドライアルレている。いわゆるアンテナ‥  ショップ的な方法(やり方ドである。中国では,現在このようなやり方が多くみられ  る。それに積極的に賛同した外資系企業は,優遇されるケースが多い。例えば自勣車  産業における,GM,フォルクスワー・ゲン等。例えば周恩来元首相の「中国人は,水  を飲むとき,井・戸を掘ってくれた人のことを忘れない。」という言葉などにも表現さ  れている。 (2)国,省,市などが許認可権限をもっている。そのため許認可のレベルで,認可しな  かったり,あるいは認可を遅らせたりするなど,政府当局の任意性(自由裁量性)が  高い。例えば,米国系企業の場合には認可するが,日系企業の場合は理,由を付けて認  めない等々。具体的には,例えば,世界の会計事務所のBIG5は,北京,上海にはす  でに進出してきているが,日系の会計事務所は未だだめであるとか。執行レペルでの  裁量性がある。相手先,あるいは監督官庁などの指示,要求などが様々なレベルであ  り,いわゆる中国式スタイルが多くみられるので,日系企業は進出に際しては,特に  留意する必要がある。(以上のようなことを,インタビューに応してくれた日系企業  のある経営者は,中国ビジネスで注意すべき事項として指摘されていた。)

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在中国日系企業におけるマネジメント・の  ローカル化と現地適応の実態と課題 国内市場型(8社)を目指しての進出と両極化の殴階にあるといえる。)       表2−7 売上高と輸出比率 −9− 平均値(百万元) 最大値(百万元) 最小鈎言百万元) 企業数(n) 売上高 3,477.01 39,367 1.3 19 輸出比率(%) 31,0% 98% O% 18 註)輸出がほぼOという企業が8社ある。輸出が8割以上の企業も4社ある。  在中国日系企業の経営規模を総従業員数でみてみると,表2−8のとおりで ある。最大規模は,従業員数が5,043人いる企業があり,逆に従業員が3名し かいない日系企業もみられる。面談企業の平均値でみてみると,平均従業員数 は877人である。  次に日系企業における日本人経営者の割合を検討してみると,日本人の比率 が鏝も多いのは,商社のケースで224人と目立,って多く,製造業などと比べて 商社の置かれている特性を示レでいる。その他には工賜の技術者などが経営管 理や生産技術の中国国内への移転のために比較的日本人の必要な分野である。 最低は1人のみということで,事業規模も小さいことなど多様な理由があるよ うである。また1社あたりの日本人経営者,技術者の平均人数は29人であり, 全従業員に対するその比率は3.3%である。ただ最近の日系企業の傾向として は,高級人材のローカル化の動きが急速に進展しており,出来るだけローカル の侵秀な人材にマネジメントや技術の移転を行っているのが現状である。そし て日本人技術者などは,立ち上げの時など必要に応じて,日本から出張ベース で派遣し,技術教育,訓練,移転などに対応しているケースが多くみかけられ るよケである。全体的には,中国常駐の日本人はノマネジメントや技術のロー・ カル化の面から,また人件費の膨大さ等の点からも,日本人の割合は減少を続 けており,今後とも現地の経営者,技術者,工。員にノウハウの委譲・移転を進 める傾向は,中国は勿論グローバルにそのような傾向にある。日本企業の経営 スタイル,マネジメントなどの国際移転,日本とのインターフェースの強い分 野では日本人の果たす役割は未だ多いが,そのような分野でも日本の大学(あ るいは大学院)を卒業した人材や中国の大学(あるいは大学院)の日本語学科

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一迦− 香川大学経済学部 研究年報 48 J認 を卒業した優秀な人材を雇用し,それらの中国人従業員を通じてマネジメント や技術の国際移転を試みている企業が増加している。ただ現時点では,まだ日 本人抜きには日系企業は中国での事業展開が出来ないケースが多いのが実貴で あるといえる。       表2−8 総従業員数と日本人の比率 平均値(人) 最大値(人) 最小値(人) 企業数(n) 従業員数 876.88 5,043 3 25 内日本人数 29.5 324 1 26  次に,日系企業の従業員の構成と主要役員の国籍について,表2−9と表2 −10により考察してみる。まず取締役の構成と日本人の割合については,企 業規模,出資形態の関係がみられるが,最大値は11犬であり,最小値lは2人 である。平苅値は5.28人という数字である。以上が取締役会の構成人数と取 締役会における日本人の割合である。       表2−9 取締役の構成と日本人の比率 平均値(人) 最大値(人) 最小値(人) 企業数(n) 取締役の人数 7.65 16 5 17 うち日本人数 5.28 11 2 17  日系企業の主要な役員である総経理(社長),経理部長(総会計士)や人事 部長がどの程度ローカルの経営者が担っているか,表2 −10により検討して みよう。まず総経理は,日系企業では圧倒的に日本人の割合が高く,21社 (91。3%)になっており,これは世界的にみた日系企業の特徴である。ローカ ルの中国人の総経理は2社(8.7%)に過ぎない。  次に経理部長の場合には,15社(75%)と全体の3/4を・占めており,総経 理の場合に比べると,ローカル化は幾分進展しているといえる。ただ日系企業 のグローバルな傾向として,会社全体を統括する総経理づ社長)と財政面を総 合的に掌握する経理部長は,日本人が占めるというのは世界的にもその傾向は 強く,中国でも同様の傾向が窺える。特に中国は,「社会主義市場経済」であ

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ローカル化と現地適応の実態と課題 −jj− り,中国のいろいろな外資関係法があるので,経営のトップは日本人でという 傾向は,伝統的な貪本主義国の場合に比べて強いかも知れない。  最後に人事部長は,これまでの傾向としては,欧米の日系企貫では現地の人 事専門の経営者を雇うというケースが・多かったが,中国では中国人経営者に任 レているのは,わずか4社(22。2%)にすぎない。その犬きな理由は,中国に おける合弁企業などでは,中方の副総経理など経営トダプがぞの職能を兼務し ているケースが多く,欧米の貢本主義国の企業のように,労務管理・人事管理 を人事部長がレているというケースが少ないことも一因として考えられる。中 方トップ(特にエ刀-・ト共産党員)が,政府関係,労使関係,従業員の福利厚 生をとり纏め,取りしきっているというのが,中国における日系企業における 人事管理,労務管理の大まかな傾向である。 表2 −10 日系企業の主要役員の国籍 総経理(人) 経理部長(人) 人事部長(人) 日本人 21社 15杜 13社 中国人 2社 4社 4社 台湾人 1社 1社 1社 合計 24社 20社 18社  最後に,中国の日系企業における従業員の在職期間(あるいは逆に離職率) は,どのような傾向にあるのか,概要をみてみよう。  まず従業員のうちでも,上級職である管理職の場合には,標本数は少ないの で面談調奎での聞き取りなどを加えて判断する必要があるが,在職期間の平均 値は11年程度(32/3=10.89年・。n=3社のみ)と管理職の移動は少ないよう である。これは管理職になると,地位,,給科,身分などもその会社内で保障さ れる傾向が高いので,長期問在職に繋がるように思われる。  逆に一般従業員,特に工員の場合には,平苅3.09年づ12/4=3。00年,n= 4社,のみ。)に過ぎない。これは,面談調査などの聞き取り調奎でも,雇用契 約がそもそも1年。2年,3年という短期契約が普通であり,優秀な従業員は 雇用継続(再崖用)されるが,そうでない場合には1年限りというケヽ-スが多

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−j2−         香川大学経済学部 研究年報 48       款忍 いためである。また臨時工(季節工,)の場合には生産の季節調整に必要な人材 として雇用されるため,繁忙期のみの雇用ということで,1ヶ月,3ヶ月,6 ヶ月という短期雇用契約がほとんどである。また年間離職率についても,4社 しか数字がないが,平均19.25%と,面談調査の実感からすると予想以上に離 職率は低いように思われる。(面談調査でよく聞いたのは,1/3位の従業員が 毎年離職するということを多く耳にする機会があった。) 2−3 製造製品の特性とその多様性 1)製品のライフサイクル  まず最初に,日系企業で製造している製品のライフサイクル(以下LCと呼 ぶ。その定義は,「ある製品の生産を開始してからその製品を継続して製造し ている年数(期間)」をいう。)を・,表2 −11 によりみてみる。日系企業の中 国進出が比較的新しいことと,製品ライフサイクルそのものが短い製品が多い こともあり,LCは比較的短くなる傾向にある。  2000年におけるLCは,3年未満が87.8%を占めており,3年以上,6年未 満が9。5%,そしで6年以上の製品は2.7%と,9割近い製品のLCは,3年, 未満である。これは,進出年と電気製品(白物など)の持つ,短いLCとが合 わさったことによると思われるが,最近の製品LCの短縮化は,いわゆる「企 圃製品」(生産量を生崖計圓の段階で決め,それが終われば製造を中止する生 産方式をいう)という判葉に表現されるように製品LCは益々短くなる傾向に ある。ただそれから5年・経過した,2005年聯点になると,全体的な傾向(短 LCの製品が8割以上という傾向)は変わらないが,6年以上の製品の割合が 幾分多くなっており,それだけ中国へのローカル化の進展を示していると理解 表2 −11 製品ライフサイクルの程度 3年洙満 3年以上6年・未満 6年以上 2000年 87.8% 9,,5% 2.7% 2005年 85.2% 9,,3% 5.5% *)2000年ぺn=9  にまとめたので,  2005 2 n=14.なお調査期間が4年にわたっているので2時点 製品ライフサイクルの計算に少レずれが出ているかもしれない。

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ロ・-カル化と現地適応の実態と課題 −jJ− 出来る。 2)製品の市場的特性  ここでは,中国での製品生崖がどこからの注文により製造が行われているの か,その特性を表2 −12 により,明らかにする。まず最初に,a)親会社か らの注文,に基づく生産/すなわち中国での会社は製造基地とレての色彩の濃い 企業は,9社(64.3%)と6割以・の企業は製造目的での中国進出であること が窺える。又c)怖場見込生産での進出も3社みられれる。またb)中国企業 などからの注文。により製造している企業も2社賃える。       表2 −12 製品の生産方式:市場的特性 a)親会社よりの注文 a)以外の注文生崖 c)珀場見込生崖 その他 9社 2社 3社 O社 *)n=14。 3)製品の多徐匪(全製品レベル,機種レベル,全仕様レベル)  現地中国の日系企賞で経営活動を行っている製造企業の生産レている製品ア イテム数(製晶の多楡│生)の変化を尋ねた結果が,表2 −13のとおりである。 全製品レペルとは,「例えば,VTR,テレビ,冷蔵庫,オーブンにの場合は 4種顔」というレベルでの製品品目数」をいうと定義して質問した。その結果, 製品レベルでの多様性は,2000年には2.64稽類であり,2005年には3。56種 類と,製造のローカル化の進展につれて,生崖される品目数が増加レているこ とがI窺える。次に機種レベルとは,「製品の基本的特性(機稲l)による分類に よる合計数であり,例えばTVのサイズでは,14,19,21,34インチなどイ ンチ別や自動車の排気量別による分類」をいう。機種レペルの多楡注は,1998 年には8.89種類であるが,2005年・には6.67稽類と,逆に機種数は減少レて いる。その理由として考えられるのは,中国国内では犬量生崖・・大量販売が基 本であり,中国企業と競争出来る機種の数を絞り込み,製造販売を展開してい ることも一因かもしれない。最後に,「オプション(付加機能,カラーなど)を・ も考慮にいれた品番別の積類」を示す仕様数は,2000年には58。09種頚であっ たが,2005年・には190.6種顔と,総什様数の種類は3倍以上に増加レてい

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−j4−         香川大学経済学部 研究年報 48       即硲 る。これは,仕様レベルでの多楡既を確保することにより,多様な顧客への対 応を図っでいることもその一因といえそケである。          表2 −13 製品の多様性(全体,機種,仕様) 全製品数 機種レペル 総仕様数 2000年 2,64種類 8.89種類 58、,09種類 2005年 3,56種頚 6,,67種類 190.6種類 *)回答企業数の平均値である。また回答企業数は,以下のとおりである。   全製品数(2000年=11,2005年=16),機種レベル(2000年=9,2005  年=12),総仕様レベル(2000年=7,2005年=10)である。   なお,1)機種レベル(例えぱ,VTR,CTV,冷蔵庫,オ・-プン等とい  うレベルの分類。),2)基本的な製品特性による分類:例えぱ,CIVのイ  ンチサイズなど。3)仕様レベル(オプションを考盧した総仕様数。例え  ぱTVでは,ステレオ,衛扁放送,放送方式,色彩,材質などの付加機能  を考慮した区分。) 2−4 日系企業の中国進出の理由  ここでは,付録の調査票の質問に従い,「何故日本企業は,急速に中国進出 を進めているのか」を中心に検討する。  調査項,目は,「貴廿が,中国進出した最も重要な理由は何ですか。」というこ とで,項目として以下の理由を並ぺて,該当する理由上位3つを記入していた だいた。   a)研究開発拠点  b)原材聯の調達  c)市場の確保   d)人材(労働力)の確保  e)産業基盤(インフラ)の整備   O政府,地元のサポート(補助を含め)体制   g)貿易摩擦の解消  h)政治的な安定   Oその他(       )  面談企業からの回答結果は,表2 一14のとおりである。それによると,圧 倒的に多い進出理由は,中国市場の魅力であり,「市場の確保」を・第1位lに挙 げている企業は17社づそして第2位3社,第3位3社)と,中国市場の将来 性。すなわち13億人といわれる人□(マーケット)に注目した進出である。

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ロ・-カル化と現地適応の実態と課題 −j5− 少なくとも沿岸部に4億5千万人近くの人口がおり,上海を中心にそれら地域 では,急速に中流階層が増大しており,「世界の市場」としてのその購買力に 期待して進出している企業が多いことを示している。  その次に多い進出理由は,生産基地とレての中国進出であり,「世界の工場」 としての中国の役割を期待した進出である。まずは「人豺の確保」であり,第 1位2社,第2位5社,第’3位4社と,比軟的高品質で安価な賃金で従業員や 工,員を雇用できるので,比較的安価で良質の労働力の確保により,低価格で比 較的良質の製品を作る「世界の工,場」を目指して進出している日系企業も多い。  また日呆企業を含め外資企業が中国に進肝するためには,中国側の直接投貴 のための経営環境,投貢環境の整備が非常に重厘であり,「政府,地元のサポ ト 一 援肋」や税制上の優遇措置(第1位12社,第2位,5社,第`3位6社)と ぞれと並んで,「産業基盤の整備(インフラの整備)も,1位1社,2位4 社,3位:1社」と外貢の工場進出にとって魅力的な誘因,基盤である。同時 にロー・カルで製造,部品調達のためには,現地化のメリット・(ロ・-・カル化)は, 優秀で安価な人材の確保とともに,製造基地としてのインフラ・ストラクチャ ーである原材斜・,部品メーカーの産業集積がIなされていることは,外資企業が 表2 −14 日系企業の中国進出の理由 日系企業の中国進出の理由 回答企業数(1位,2イ立,3位) 1)研究開発拠点 1位,2位,3位ともゼロ 2)原材判の確保 2位ご,3社,3位べ5社 3)市場の確保 1位117社,2位ぺ3社,3位べO社 4)人材(労働力)の確保 1位;2社,2位べ5社,3位べ4社 5)産業基盤(インフラ)の整備 1位;1社,2位14社,3位:1社 6)政府,地元のサポート,援助 1位:2社,2位25社,3位16社 7)貿易摩擦の解消 いずれもO社 8)政治的な安定 3位べ2社 9)その他 1位12杜 *)n=30.回答企業には,中国進出の上。で,重。要な理由について,上位3社の回答を依頼  した。ただし,ブランクの回答もあるので,結果的に表のようになった。(また「9:そ  の他」には,次の項目が含まれている。1位刎部品)納入先企業の進出,低コスト生産  が含まれている。)

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一瓦一      香川大学経済学部 研究年報 48 中国への進出にとって,非常に魅力的で重要な要因であり,また海外。 広い国土,からの原豺斜,部品の移入や海外からの輸入を考えると, ティックの確保もきわめて重要な課題である。 2008 国内の ロジス  上記以外には,今後R&D拠点の整備も垂晏になってくるが,現時点ではそ のレペルにまだ達レでいない。また政治の安定は,今日では共産党の主導性の もとに,日本の高度成長期の教訓をも参考にしながら,マクロ・・コントロール の手法により高度成長を維持しており,比較的安定している。貿易摩擦の問題 も,現時点でアメリカとの間で一部生じかけているが,全体的にはこれまでは 上手く機能している様子である。 2−5 中国における「日本的経営」実践の実態と課題  日本の高度成長を支えたJ汀,TQC,原価企圓や影響システムなど日本で創 意工夫され世界に発信されたマネジメント・システム,いわゆる「日本的経営」 「日本的管理会計」は,日本の高度成長を実現した1970年代から1980年代に かけて,世界の生産方式,生産管理づ,HT,TQC等),管理会計(原価企圓, カイゼン・コスティング,影響システム等)として,世界の製造企業をはじめ 多くの産業のマネジメントに大きな影響を与えてきた。  ここでは,中国の継続的な高度成長を背景にして,日本企業の中国進出ノマ ネジメントの中国移転は急速であり,そこにおいていわゆる「日本的経営(管

理会計などを含む)(,≒)anese Style M皿昭ement(Accounting))」が中国大陸(発 展途上国トヘの現地適用と現地適応の実態と可能性についてクロス・カルチャ ーに移転されることにより生恚る実態と課題について,表2 −15 を・参考にし ながら,その一端を考察レてみる。  いわゆる「日本的経営」といわれる経営活動は,概要は表2 −15 に示され るようなタイプがみられる。それによると,最も導入の割合が高いのは,制服 の着用(4.88ドであり,ほとんどの工賜(事業所)で行われていることがわか る。導入率が高い実践は,平等主義(註車場,食堂など,従業員が職位に関係 なく自由に使えるシステム)(4。31),5S運勤(掃除,整理,整頓。躾け,清 潔)といわれるクリーン・ファクトリー(clean fhctoly)(4.14),大部屋主義

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ロ・−カル化と現地適応の実態と課題 −jZ− (個室主義の反封で,一つの部屋でトップから購買,人事。総務,経理などい ろいろな経営職能の部門がパーティション(衝立)を・もうけて働いている) (4.07)などが,中国の日系企業でも多く採用されでいることが,工,場見学や 調査票での数値lからも理解できる。  3点白にある(ある程度導入している)活動は,高い順に現場主義(OJT) (3.69),多能工の養成(敦育訓練)(3.67),集回的意思決定(3。57),Qcサ ークル(3。50)などという,比較的生産方式,生産管理という製造現場に近い マネジメント・プラクシスであり,国民文,化や経営文化の相違,またこれまで 全くなかったために,徐々に生産に必要なマネジメントのやり力の教育,訓練 を受けているといえる殴階である。  逆に中国企業で比較的現地適用が難しく,現地適応することにより現地のや 表2 −15 在中国日系企業における日本的経営の実態 日本的経営のタイプ 平均点 最高点 最低点 回答企業数 1)現場主義 3,,69 5 2 16 2)制服の着用 4,,88 5 1 16 3)QCサークル 3,,50 5 1 14 4)5S巡動 4,,14 5 1 14 5)平等主義 4、31 5 2 16 6)大部屋主義 4.07 5 2 14 7)多能工、の養成 3.67 5 3 15 8)Job-lotation 2.88 5 1 16 9)集団的意思決定 3.57 5 2 14 10)年功賃金制度 2,31 4 1 16 11)年,功昇進制度 1,,94 4 1 16 12)ノ・一レイオフ 2ズ)0 5 1 12 *)表中のスコアは,1点l全く実施していない,3点:ある程度実施,5点:積極的全面  的に実施,としてスコアの記入を依頼した。平均値は,合計を回答企業数で割って,1社7  あたりの平均値を計算した。スコアリングは,調査票の定義を参考のこと。十)組合の有  無(共産党員がいる職場では,「工,会」をもうけないといけない)。中国のルール。そこと  交渉をするが,友好的平和的で,内容は福利厚生に関するものがほとんどである。いわゆ  る資本家と労慟者という対立的な形態は,ほとんど見かけない。ただ過去に,労働,福祉  条件を巡って,ストライキに発展した会社も少数であるがみられるようである。

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一蕗一         香川大学経済学部 研究年報48      即硲 り方をペースに行っている経営実践は,ジョブ・ロー・テーション(2。88),年 功賃金制度(2.31),ノーレイオフ(2。00)や年功昇進制度(1.94ドであり, 中国では競争をベースにした競争社会という特性が強く,上述のプラクシスは ほとんど機能していない日本的なマネジメント・システムである。特に串国で は,特色ある「社会主義市場経済」と「萌芽的資本主義」のミックスされたよ うな実態がスピーディに進展しているので,中国社会,経済,文化を充分に認 識した上で,それぞれの長所を如何にハイブリッド化して,「特色ある中国式 マネジメント・スタイル」を形成するか,今後に残された大きな課題である。 2−6 日系企業の経営活動のローカル化  日系企業の中国進出とそこで直面する経営課題(マネジメントの特質)を湖 らかにするため,表2 −16 によりながら,在中国日系企業での経営恬勤のロ ーカル化(中国化)の程度を明らかにしてみる。  最もローカル化の程度が進んでいるのは,人事管理づローカルの人:4.82) とアフターケア・-(サー・ビス)活勣(4.80)であり,ほとんどの意思決定を中 国の日系企業で行っていることが窺える。それ以外にも,ロ・-カル化のレペル が高く,中国国内の日系企業で意思決定が行われているといえるのは,製造活 動(4.29),運転資金の調達(4.12)などであり,ローカル化はほぼ出来上がっ ているといえそケである。  比較的ローカル化が進展(3.00以上から3.99以内)している経営活動は, 販売活動(3。88),設備投資貴金の調達(3.63),マーケティング活動(3.50), 企業文化・価値観の形成(3.41ドであり,中国の日系企業内で企圓,立案,提 案をして,最終承認を日本本社と相談(交渉を含む)して決めるというレペル にあるといえる。  経営管理活動において,中国の日系企業にロー・カル化に移転することが最も 難しい活動は,日本人の人事づ1.94)であり,設計活動(2.69),研究開発活 動(2。63),製品企圃活動(2.87)などのマネジメント活動である。

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在中国日系企業におけるマネヅメントの  ローカル化と現地遠応の実態と課題 表2 −16 在中国日系企業における経営管理活動のローカル化 −19− 経営管理活動のタイプ 平均点 最高点 最低点 回答企業数 1)製造恬勣 4.29 5 2 17 2)マーケティング活動 3.50 5 2 16 3)販売話動 3,,88 5 2 16 4)アフタ・-ケアー活動 4.80 5 2 15 5)製品企画活勣 2,,87 5 1 15 6)研究開発活動 2,,63 5 1 16 7)設計活勣 2.69 5 1 16 8)設備投資資金調達 3.63 5 1 16 9)運転資金調達 4.12 5 1 17 10)人事(ローカルの人) 4.82 5 3 17 11)人事・(日本人) 1,,94 5 1 17 12)企業文化・価値観の形成 3,,41 5 1 17 *)表中のスjアは,1点パ中国で全く実施していない,3点:ある程度実施している,5  点E中国で積極的全面的に実施,としてスコアの記入を依頼した。平均値は,合計を回答  企業数で割って,1社あたりの平均値を計諒した。 2−7 製造準備のための部品調達活動  ここでは,上述(表2 −14)の日系企業の中国進出の理由の中にもあった, 在中国日系企業の部品調達の面から,日系企業のローカル化を,表2 −17 に より検討してみよう。  日系企業の部品調達企業数は,組立,メーカー1社平均151.4社あり,現地 表2 −17 部品調達先企業数の概要 1社あたり平均 企業数(全体) 現地(中国本土) 調達企業数K平 均 内日系企業調達 企業数 日本の親会社か らの部品調達比 率(%) 平均調達企業数 151.4 56.1 18.3 24,,2 最大調達企業数 800 2n 44 90 最低調達企業数 13 10 1 0 回答企業数合計 13 12 12 12

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一即一         香川大学経済学部 研究年報 48       勿硲 企業(中国本土,)からは56。1社(約37.0%)あり,そのうち日系企業からは 18.3社(12.1%)を・数えている。また日本の親企業からの調達比率も24.2% と,現時点では中国で製造してる製品の部品調達のほぼ1/4は,いまなお日 本本社から部品調達を行っている。なお面談企業の経営規摸は,前に検討した 指標からも理解できるとおり,その格差は大きく,必ずしも一つの傾向を指摘 することは出来ないようである。  以上この節において,中国進出している日系企業のマクロ的な概要・,実態と 諜題を解明するため,限られたデータからではあるが,1)面談企業の抽出と 経営規模の概要,2)面談企業の回答者と面談者の属性にれについては,3 節の個々のケース・スタディをも参照のこと),3)製造製品の特性とその多 楡匪,4)日系企業の中国進出の理由,5)中国における「日本的経営」実践 の実態と課題,6)日系企業の経営活動のローカル化と7)製造準備のための 部品調達活動の面から,経営実践の概要,人材構成と製品の多桧I生ドマネジメ ントの整備レペル,日本的経営の国際移転の現状及び日系企業における中国国 内での部品調達の状況と課題について概況を考察した。  次の節では,面談調査を行った日系製造企業の具体的なケース・スタディに よりながら,中国進出の理由,マネジメントの実態とその課題,生崖方式と生 産管理の実態と諜題などについて,ミクロ的,内在的,個別的な傾向の一端を 究明することにより,中国進出レている日系企業のマネジメントの有様とその 諜題を一瞥する。       Ⅲ  本節では,在中国日系製造企業の経営者に行った面談調査によりながら,進 出企業の概要・,進出の理由,現地での生産方式,生崖管理など物作り(製造活 勤)の実態,販売管理。人事労務管理。「日本的経営」とマネジメントの中国 経済社会(製造企業)への国際移転の実態と課題,また日系企業における経営 職能,経営活勣(マネジメント・ファンクション)の中国への国際移転の実態 と今後の対応を,現地の経営者らにヒアリング調査を行った。そこで得られた 日系企業の実態と課題についての知見によりながら,個別的ケースのローカル

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ロ・-カル化と現地適応の実態と課題 −2j− 化と現地適応の実態と課題を通じて,中国におけるマネジメントのローカル化 と現地適用の一面を垣間見ることを意図している。日系製造企業20社lへの面 談調査によりながら,中国における外資系企業,とりわけ日系企業のマネジメ ントのロー・カル化と現地適応の状況の一端とある程度の普遍的な傾向を明らか にすることを意図している。 【ケ・-ス・スタディ1 :MI社】 1.MI社の概要と中国進出の理由  インタビュ・一応対者は,日本人(総経理:社長)であり,中国進出の理由は, 組立メーカーが中国進出するので,現地での部品生産,納品が可能なように, 組立メーカーから進出要頴があった。(製造基地,市場目的の進出であるとい える。)会社の進出地域と業稽は,中国東北部の開発区内にある精密部品製造 会栓である。  製造製品の稲類:精密機械(シリンダーブロック)の製造である。日本でも, 国内で同様の部品を製造し,メーカーに販売(納品)している。業務内容は, ト九プ加エll表面加エ,治具。エ具による加エ。を行い,販売(納入)している。 組立メーカーからの注文生産による。  貴本出資の形態は独貪企業(日系企業の資本100%出資)であり,中国では 独資企業と呼ばれている。旧虫資企業」の定義:日本本社(親会社),事業(本) 部,現地の地域統括会社,販売会社などを含む外国資本100%出資の企業のこ とをいう。)総投貴額は2億2,000万円(建物などへの投資額,機械などは除 く。)出貴比率は日系の製造企業が80%,日系商社が20%を出資している。商 社の機能(事業内容)は,部品調達(購入)と販売職能(入口と出□)を・担当 している。また日系製造企業の機能は,製造(技。術,生産E生崖工雅)という, 「物作り機能」という役割を果たレている。従業員数は,現時点では総経理(社 長)を・入れて15人である。なお日本人は,総経理(社長)のみである。  なお現在の生産白数(目標)は5台/月(今年度)を・目標にレており,従っ て年間生産台数は60合位を予定している。アフター・サービスパーツ調達の 拠点としては,北京(事務所),天津(事・務所),広州(事・務所)の3ケ所にある。

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−22−         香川犬学経済学部研究年報48      勿認 2.生産方式(原材料,部品などの購入,調達)と従業員の教育訓練  基本的に,部品調達はa)日本の親会社,b)日系企業,及びc)日系企業 と取引のある企業から購人レている。部品のうち,マシーン・カバー・はD市 内(日系企業及びローカル企業ドで調達している。ここ(M1社ドでは,主に 組付け(SKD N semi-knock down)をしているのが現状である。  設備,機械等の調達(工詐機械など)は,日系の商社経由で調達しており, 工作機械(設備)の配線などの組みつけ(配線)は,日系電気メーカー(現地) が行っている。MCエイ乍機械の購入価格は1台あたり2,500万円位であり,作 業の精度はミクロン単位の作業が可能である。  現地での製造活動(工,場の稼働)の政府からの承認は,2003/4年・に,中国 の省(市)当局に申請し,工,場の完成は10月であり,現在は試運転(試験製 造中)没階にある。同時に,現在機械加工のための技術者敦育,訓練(tt・aining) を並行的に行っている。 2004年・3月に試験生崖を開始し,7月から中国のメー・ 力−に製品販売(納品)を開始している。  次に従業員の雇用であるが,リーダー,作業者(wolkers)の採用,敦育・ 訓練方法については,M1社では次のような方法がとられている。 1)全くの素人の作業者を採用する。作業については一から鍛えている。他の  会社での経験のない人を採用し,自社内で敦育訓練するやり力であり,その  方が自社のやり方に倶れてくれる。(なおこのような日系企業の方式は,英  国での日系の自勤車メーカーや電気機器メー・カーでも行っていた(両者は同  様のレベルにはないが)人事・管理・教育訓練方式と同様のやり方であり,日  系企業が海外進出する際によく行われている方式である。) 2)リーダークラスの日本のマザー事,業部(工し場)での訓練:リーダークラス  の従業員(係長,主任等)は,日本のマザーこ場(本社)に派遺して教育訓  練し,将来この工,場の中核的な要員(幹部技術者)になることを期待して派  遣訓練を行っている。 3)採用(雇用卜するワーかー(作業者)は,工,業高等学校卒凛の生徒であり,  高校2年の時に,インターンシップとレて1年澗企業内敦育訓練(試験雇  用:試用)を行い,その時の働きぶり(勤労態度)などを考慮にいれて,卒

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在中国日系企業におけるマネジメントの  ローカル化と現地適応の実態と諜題 一2−  業後正。社員として雇用する。 4)技術者(エ。ンジニア)の雇用分野は,a)組立部門,b)電気部門,c)  加工,部門,d)サービス部門などの技術系の分野である。 5)a)からd)の4つの部門について,各ワーカーのそれぞれの適性をみな  がら,日本からリーダー(supelvisors l 班長,係長)クラスの技術者を派遣  して,現地従業員の教育,訓練を実施する。以上のプロセスによる研修を経  たのち,各作業者の適性を判断し,4つの作業分野(工瑕)のいずれかに配  属する。 6)現地の技術者(作業者)は,真面目で仕事・熱心である。ただ工作機械の専  門職人(一人前)になるには,日本での経験からすると10年イ立の敦育期間  が必要である。現時点では,エイ乍機械(標準機ドでその過程の繰り返し教育  訓練を行っている。  なお日本から調達する機械,部品の現状は,つぎのとおりである。a)日本 から調達レている機械:MC(machining centre,研削板)を・,顧客向けにサー ビス,納入などの作業を行っている。b)日本から調達する部品。現地で製造 するのが最も困難な部品は精密部品のローカル化である。にれは,米国,EU などどこでも同様であり,エ,ンジンとりわけシリンダーブロックの現地生産は ローカル化が最も困難である。)c)日本からの調達部品:主軸,ターンテー ブル,加エテーブル。購入品。以上は大部分を日本から調達している。  最後に,部品メー・カーからの部品調達とその課題と現地での対応策の実態を 纏めてみる。 1)部品品質の精度:中国の部品メー・カーは部品品質にはまだ問題があり,日  本製と比べて精度が劣る。 2)重晏な部品は,従って日系貢本の企業から購入する場合が多い。 3)少なくとも日系メ・-カーと取引のある中国企業から購入することにしてい  る。  次に,日本的な部品品質の精度確保のため,部品納入業者(suppliels)の敦 育訓練は,以下のような方法をとっている。 1)日系の部品メー・カー(suppliels)2社が,中国進出(現地)しており,そ

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−2y− 香川大学経済学部 研究年報 48 2008  れらの部品メーカーを通じて技術者づテクニ,シャン)の敦育・研修(敦育セ  ンター)を開始レている。 2)日系企業の2社とタイアップして,中国の部品メーカーの製品品質向上の  ための意識改革とそのための敦育訓練を現地企業に敦育指導している。 3)作業手順は,日本のマザ・一工場と同様である。ぞのマニ,ュアル(手顛書X  作業の指図書)に従って,同様の製品(部品)ができるように部品加工。製  造の敦育訓練をレている。 4)製造の中開殴階(工瑕ドでの加工精度は。ほぼ日本の工場の精度と変わら  なくなってきている。  従業員,技術者のための,Q(品質),C(コスト),D(納期),R(安全性・ 信頼性)の向上のための敦育・訓練の内容と方法は,つぎのとおりである。 1)単,品(一品,一品ごと乙全数調査トチェックにより,ミス防止に努めてい  る。業績と連動させて(巡携レて),精度の向上を目指している。同時に業  績制度のインセンティブ・システムと巡動させて,製品の精度の向上に努め  ている。 2)中国での対応方法の特徴レ能力主義を微底する。け記のa)とb)を併用  している。)  a)個人能力MAPにより教育剌激(QCチャート)等をベースに多能工,の 養成,教育を行っている。b)昇進削度y従業員全体に公開(OPEN)にして, 「見える管理」(誰でもがトライできる)方式になっている。 3)日本語敦育の兜実を行っている。  a)リーダーは日本語が出来るように敦育指導している。b)集合敦育:ス タデフ。日本語の出来る人(日本語検定1級の人)が日本語・の敦育にあたって いる。c)技術・・技能の敦育訓練には,日本の工賜の技術者が出張ベースで中 国に来て,指導敦育を行い,同時に中国工,場のリーダークラスは,日本のマザ ーエ,場へ訓練にも派遺される。  現場作業者(workers)の雇用(採用倍率)と従業員移動(離職率)の状況 は,つぎのとおりである。 1)採用者数の何倍もの応募者がくる。従って応募者の競争率は高い。面接に

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在中国日系企業におけるマネジメント・の  ローカル化と現地適応の突態と課題 J−  より採用している。具体的には,高校2年 の時に,実習(インターンシップ)  を1年澗実施する。卒凛後に,インター・ンシデプ期間の勤務成績。技術習得  能力などを評価して,それが良ければ,卒業と共に本契約(正l社員採用)と  する。本契約(正式社員)も,通常1年契約である。従って1年澗の雇用期  間が経過すると,不適切な従業員は転職する(再崖用されない)。中匿での  雇用期間は,特に単純労働者(作業者)の場合は比較的短い。業穏にもよる  が,1年,6ヶ月,3ヶ月などという短期雇用の場合がほとんどである。特  に交代可能な要員(未熟練工)ほど,雇用条件は厳しく,短期間での雇用に  なるケー・スが多くなっている。しかも業績による成果主義による雇用が徴底  されている場合が通常である。 2)製造設備のCAD/CADは,日本製(G工栽の機械ドであり,その提能の習  得のために従業員(技術者)を訓練のために日本にも派遺研修に出している。  技術者の場合には,雇用期間は一股従業員よりも長くなる傾向が高い。理,由  は,技術者の採用・雇用市場が小さく,代替性が低いため,長期間雇用にな  る。 3)日本本社,工,場への研修の条件(資格):日本に研修要員に選ばれ,日本  に派遣された社員は,帰国後3年,位はM1社(現職)に勤務(労働ドする  契約(粂件)になっている。もし途中で転職した場合(別の会社に移籍(引  き抜き)された場合)は,日本での研修経費を賠價する契約になっている。 4)工,員;単純作業者の場合も,中国東北部では従業員の流動性は低く,現時  点ではほとんど移動者がいない。(地域的特性による雇用のタイトネスなど  の影響が見られるかも知れない。例えば,上海,北京などでは,採用企業も  多いし最低賃金も高い。) 5)CAD(エ詐機械)などの技術者:特別に優遇する必要がある。NC技術者  (作業者)は不足気昧なので,雇用条件で優遇している。技術者が不足レて  いる緻積などでは引き抜きが多くなる。雇用競争が激しい分野は,優遇措置  (特別な雇用条件の提示)が必要になってきている。 6)給与判度:この地域での単純労働者の給与づ賃金)は平均800元/月であ  るが,この日系企業では,1,000元位づ月)と,2割位増の給斜を支払い優

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−JI一         香川犬学経済学部 研究年報48      諏沼  遇レている。ただ給与ベースは能率給,能力給というか,「働きに応じて支  払いがなされる」というのが原則である,完全な実力(結果)主儀といえそ  ケである。「ギブノアンド・テイク」がハッキリした雇用関係になっている。  (労働組合は,日本などとは異なり,「工,会」という特殊な形態である。工会  は,企業に1人でも共産党員がいる場合には,工会の設置が義務づけられて  いる。そして工合は,経営者と協力して,労慟者の福祉条件の改善に努めて  いるが,労慟条件など貴本主義社会における労働胡合というイメージからは  少し異なる。工会のトップはほとんど共産党員であり,従って労働者を守る  というよりは会社を守るという姿勢が彼らには強く,その意昧では,労働者  は厳しい状況にある様子が窺える。これが特色ある(社会主義市場経済レで  の企業における経営者,工,会,従業員の関係の実態である。) 7)基本的な給与(基本給:本給)以外に(プラス(z)がある。本給十手当(食  費十交通費十保険料)として,本給プラス44%の経費が追加的に企業側の  負担になる。(給与の約1.5倍の経費が,企業サイドには,従業員一人雇用  すると必要になる。) ︷ j 。中国におけるビジネス・マネジメントの実情とその課題 基本的な課題としては,以下の3点に要・約できる。 1)国内販売ル・-トの確保:国内販売をどう拡大レてゆくか,そのためには販  売,流通ネットワーク網の確保の必要性が高いが,日系企業は,中国企業に比  べて劣位にある。 2)製品品賀の向・:中国国内で製造する製品の品質問題をどうクリアする  か。 3)スピードある経営の促進:納期(リードタイム)の短縮をどう確保するか。  中国における具体的なマネジメントの現地適応諜題は,次の点が指摘されて いる。 1)部品メーカーなどの納品対応が遅い。 JITというわけにはいかない部品メ  ーカーの立,地,集積し,またアメリカのようにミルク・づラン方式(組立,メヽ- カーがトラックをだして,部品メーカーをローテー・ションで回り部品を集め

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在中国日系企業におけるマネヅメントの  ローカル化と現地適応の実態と課題 −2Z−  て回る方式)というわけにも,中国の現状では上手・く行かない。全体の生産  リードタイム(1ead time)は長めに計圓している。そのため,在庫(原材判,  製品ともに)はやや多くなる傾向にある。また仕掛品在車もある程度存在し  ている。 2)売掛債権(貴金)回収(売掛金,受取手形)の縮減と期間短縮(代金回収)  が遅い。(回収に長い時間を要する。)また代金の回収は力かなか難しく犬き  な課題である。その結果,貸倒償却(損失)の発生,のリスクが高い。また裁  判で勝訴して,代金が回収可能になっても(裁判所の判断で法律的に勝訴し  ても),実際にはその業者から代金を回収できない場合が多い。ただ税法上,,  貸倒損失として処理できるので経費として処理することが可能になる。それ  でやむをえず凌いでいるのが現状である。それに対する対応策としては,で  きるだけリスクを避ける方法,すなわちキャッシュ・・ベースの販売,あるい  は商社経由(商社の保証付き)の売買であり,代金をもらってから納品をす  る方式を目指している。中国では,代金回収のリスクはまだまだ大きく,侶  用ベースの取引には順置さを要する。 3)国内の部品メー・カーが持ってくる製品,部品のコスト  問題がある。 品賀,信頼性には  それに対する対応策としでは,a)原価,品質を考えながら,機能的に日 本で作ったり,また中国国内で調達したりするということになる。当面は, ケース・バイ・ケー・ス(臨機応変)に対応するしかないのが現状である。b) 外資企業への優遇策:原材判,部品の国内調達比率が40%以下になると, 税金(関税)が9.7%かかる。(国内調達を促進する施策。部品調達のロー・ カル化の促進。)       (以上ケヽ-・ス1 :M1社う 【ケース・スタディ2:M2社】 1.M2社の概要と進出理由  インタビュー応対者は,総経理(日本人),経理部長(日本人)の2人であ り,業穏は電気機械製造業で,会社の立,地は中国粟北部に位置する。中国への

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一認一         香川大学経済学部研究年報48      即硲 進出は,中国企業との合弁形態での進出であった。また中国進出の経緯は,次 の2点である。1)中国は,経済発展と市場の拡犬が継続している,2)市政府 から,合弁形態での進出要龍があった。その後,中国側の出貢金(貢本金)の 買取りの要請が市政府からあり,中国側の持分を買い取り,日系企業100%出 貴の独資企業になった。独貢企業になった結果,経営意思決定の自由度は高く なったが,逆に国,市政府などとの,政府間関係の機能(中力のトダプがす る),優遇措置,政府関係での特別措置もなくなり,自前で対応が必要になっ た。 2.中国における生産方式,生産管理の実情とその課題 1)高級人材の豊富性X現地(束北部トでは,技術者は豊富である。 CAM/CAD  など技術者は,現地で採用可能である。大学卒業者は現地以外からも求職に  きている。 2)日本と中国での棲み分け問題:工場間での仕事の棲み分けはほかの日系企  業並みである。受注生産,R&Dの棲み分けをどケするか。日本国内と現地  での楷み分けをどうするかが課題である。ローカル化をどケするかと共に,  技術移転をどのレペルにするか等々,日本の空洞化,技術流失の問題なども  からみ,「棲み分け」は大きな課題である。 3)債権管理が難しい:手・形の不渡り,不払いなどによる貸倒損失が生じる確  率が高く,貸倒引当金は規定いっぱい積立てている。そのことにより,少し  でもリスクを回避するというビジネス・スタイルになっている。 4)独貢企業化の傾向にあるX中国での外貴企業の組織形態には,独資企業,  合弁企業,合作企業などの形態があるが,合弁企業は,合弁相手先次第とい  う面があり,またその他困難な課題も多く見られる。例えば,現地の合弁相  手先は,利益が出ると短期的に,出来るだけ配当を高くすることを要求する  が,日本企業は出来るだけ内部留保を多くして,会社の将来の役資に備えよ  うとするため,対立することがある。 5)組合問題,労働問題X共産党,工,会は,労働者の昧方でなく,経営者と  党,党員個人の恩恵のためであるといわれている。もう中国は従来の意昧で

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