香川県の中小企業の現状と課題--経営者意識調査を中心にして---香川大学学術情報リポジトリ

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香川県の中小企業の現状と課題

一経営者意識調査を中心にして一

細川 進・長尾芙起子

Ⅰ経営慈恵誠調査の方法と目的ⅠⅠ調査項目の分析:企業の現状 ⅠⅠⅠ調査項目の分析‥県行政施策への経営者の期待ⅠⅤ 絵括:制度の現状 と経営者意識 Ⅴ 中小企業の課題 ⅤⅠ結び Ⅰ 低成長・安定指向型経済下における香川県の中小企業の現状を明らかにする ために「香川県中小企業経営者意識調査」(1976年)を行った。調査対象は製 造業,卸売業および小売業とし,そのうちから1,051社を抽出した。業種別の 対象数は別表の通りである。調査は郵送によるアンケー・ト調査とし,1976年12 月15日に回収をしめ切った。回収数は466で,回収率は44.3%である。なお, これ以外に,・7。E.イス・ツー∴=に無記入のものが11通回収されたが,分類不明 のため集計からは除外した。調査項目は会社の成長度,出資,経営者,従業員,

生産,販売,財務,労務,研究開発,知識集約化,協同活動,下請関係,競争

状態,輸出入,社会的責任,地域経済,県の行政施策等の問題領域に区分し て,それらについて畳要と思われる事項を質問に選び,その領域を代表させる ことにした。また原則としてタイプⅠの質問とタイプⅡの質問を対応させた。 タイプⅠの質問ほ企業で実際になにが行なわれているかをレベル1∼4の4段 階で示すようにし,レベル4に近いほど優れた状態を表わすようにした1)。ま た,タイプⅡの質問はある事象について,経営者がどのように考えているかを レベル1∼7の7段階で表わし,レベル1を企業にとって惑い状態,レベル7 1)タイプ王の質問様式については,R..Likert,Human Organf5ation(McGraw− Hill,1967)よりヒントを得た。

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ユタ77 香川大学経済学部 研究年報17 回収数】回収率 業 種 l対象数 養料品製造業 緻維工業(ただし3を除く) 衣服・その他の緻維製品製造業 木材,木製品製造業 家具,装備品製造業 パルプ,紙,紙加工品製造業 出版・印刷・同関連産業 なめしかわ・同製品毛皮製造業 窯業土石製品製造業 鉄 鋼 業 金属製晶製造業 一・般機械器具製造業 電気機紙器具製造業 輸送用政雄器具製造業 精密機械器具製造業 その他の製造業 卸 売 業 小 売 業 3 7 1 7 9 0 4 9 1 6 7 8 7 4 4 2 5 7 1 4 5 4 4 2 2 2 6 6 6 1 3 2 6 2 を良い状態とした2〉。なお,現在のレベルとあるべきレベルとを比較すること によって,経営者の態度ないし満足度を明らかにしようとした。また,タイプ Ⅲの質問は多項目選択でタイプⅠおよびⅡに不適切な項目をこれにあでた。項 目の詳細は調査表を参照されたい。 以下では調査の項目に従って分析を進めていくことにする。 ⅠⅠ (1)将来への展望 今後の低成長経済に対する展望(問1)については,まったく楽観的で積極 2)タイプⅡの質問様式については,L.Porterand E.Lawler,ManagerialAtti− tudesand Performance(Irwin−Dorsey,1968)よりヒントを得た。

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香川県の中小企業の現状と課題 ・−2(光トー 1 2 283 64.2% 回答数441 ミ 見通しは崎い →‡←明るい→ ←雷管→…← 図表1 将来への展望 的な経営活動が行なえ.るとしているのは2割強(93社,21−1%)にすぎず,残 りの376社,78.9%は,何らかの意味で見通しは膚いとしでいる。後者のうら の約8割の283社(64.2%)ほ,見通しは暗いがなんとか対策を講ずることが 出来ると判断している。したがって,まったく悲観的なのほ65社,14.7%にす ぎないが,まったく対策を持っていないのは中小企業の直面する深刻な状況を 示していると言えよう。経営者自身が問題点を明確に検討し,対応策をたてる 現在の満足度指標 (高度成長期基準)−0‖75 (将来予則基準).−0‖57 将来についての予想満足度指標 (現 在 基 準) 0い57 (高度成長鱒基準)−0・18 高度成長期 現 在 将来予則 (低い)12 3 4 5 6 7(高い) 回 答 数 431 平均レベル 4.95 高度成長期 回 答 数 427 平均レベル 4.20 現 在 将来予測 重要度指標373 図表2 会社の成長度

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香川大学経済学部 研究年報17 −ゴ()J− J夕77 よう努力する必要があろう。 さらに,経営者は自分の会社の成長度(問2)についてもきわめて楽観的で ある。現在の成長度ほ,高度成長期に比べると低下しておりやや不満足(満足 度指標は−075二)であるが,将来は高度成長期の水準に.はぼ回復すると予測し ているといえよう。すなわち,高度成長期を基準とした将来について−の予想満 足度指標ほ−018であり,また現在を基準にした将来についての予想満足度指 標は0.57である。高度成長期における会社の成長度について最も多いのはレベ ル6で,141社32.7%に.達している。また,最高の成長度(レベル7)を達成 した会社も46社10..7%である。ところが,現在では,レベル7は12社28%に. すぎず,ほぼ四分の−・に激減し,またレベル6も78社18.3%となり二分の−・強 になっている。そして,レベル5は高度成長期と現在がほぼ同じである(高度 成長期が121社28..1%,現在が117社27い4%)のに対して,レベル4および3 は現在がそれぞれ95社22.2%,62社145%となり,高度成長期(レベル4が53 社12い3%,レベル3が29社6.7%)の約2倍になっている。また,レベル1お よび2もわずかではあるが,増加している。このようにレベル7および6が減 少し,逆濫レベル1∼4が増加しているのほ,経営者が現在の低成長を強く感 じていることの反映である。

次に将来予測においてはレベル7は17社46%であり,現在と比べると15

倍になっているけれども,高度成長期にははるかにおよばない。すなわち,も はや高度成長期のような高成長を期待している経営者ほ少ないことを示してい る。しかし,レベル6は106社288%となり,高度成長期の四分の三まで回復 している。特に注意すべきことは,低成長度を示すレベル1∼3が現在よりも 減少し,かなり高度成長期のそれに近づいていることである。要するに,経営 者は将来はレベル7のような高成長度はかならずしも期待できないとしても, 全般的には高度成長期の水準に回復すると楽観的な予測をしている。 (2)資本出資の実態 資本の出資形態(問3)では.,人的結合の域を出ず,後進性がいちじるし い。すなわち,自己資本出資のみの会社ほ276社で,これだけですでに約三分 のこに達しているが,さらに自己資本を中核に血縁者・知人等の資本を加える 会社160社(35小9%)を加えると,97,8%は自己資本中心であることがわか

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香川県の中小企業の現状と課題 1 2 34 ー20∂− 回 答 数 446 平均レベル 141 160 359% 276 619% 自己資本を中称こ ′† 知人の 血舶等11易1% 資が馴五る 本0相当部分は株式硝凋より公募 株式市場 図表3 資本の出資形意 自己資本のみ る。逆に株式市場に依存しているのほわずかに10放で22%にすぎない。この ことは,香川県の中小企業のほとんどが所有経営老によって経営され,この側 いまだ近代的な資本的 面からみる限り,生業・家業の段階にとどまって−おり, 企業の段階にも達していないことを示している。 (3)経営者の特徴 1 2 3 4 回 答 数 436 享1て均レベル 209 146 335% 155 356% よ会 お務 長常 社び よ講 お金 等長 盛部 社び 社長のみ 社長副社長卑務 図表4 経営枚能の担当機関 本県の中小企業の経営者は所有経営老であることが明らかになったが,ここ ではさらに経営機能の担当機関(問4)の面から経営者の特徴を検討しよう。 社長がすべてを決定するものが146社335%であり,さらに副社長・専務をも 加え.るものが約三分の−・あり,あわせて301社69.1%に達している。副社長・ 専務は,出資の実態から判断すれば,社長の−・族であることが多いと思われ る。また,社長の一・族でなく雇傭されたものであれば人的結合に実質的に加わ ることは困難であり,権限ほ持ちにくいと思われる。すなわち,重要事項の決 定は社長中心型であり,社長の専制的意思決定が予想される。したがって,こ れらのタイプでは専門経営者ないし管理者が育ちにくく,今後の中小企業経営 に重要なマネジメント体制の確立は困難であろう。第三のタイプは社長に管理 者が加わるもの(部長会議)で86社(19い7%)である。常務会として経営者集 団が構成されているのが第四のタイプであるが,わずかに49社(11.2%)にす

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香川大学経済学部 研究年報17 Jタ77 ・−2ββ− ぎない。要するに,本県の中小企業でほ,所有経営者が中心であるため,今後 は専門経営者または管理者の育成がきわめて重要な課題となるであろう。 現在 べき (低い) 現在 満足度指標 −106 (高い)

回 答 数 440 平均レベル 4.87

6 7 9 2ノ0% 回 答 数 422 平均レベル 593 190 450% ハ・・\ 213 05%05%31% 重要度指標 457 図表5 経 営 意 欲 経営者の経営意欲(問5)については,現状は平均487であるが,119社( 27,0%)のレベル5を最高に.,レベル4,6,7がそれぞれ20%前後を占め, 上位4レベルで87.9%に達Lており,概して経営意欲は高いといえる。しか し,満足度指標が−1.06であることは,経営者が現在の経営意欲に満足せず, さらに経営意欲を高めようとする気持の表われであろう。すなわち,あるべき 経営意欲の水準としては,最も高いレベル7をあげたものが190社45%に・も達 している点が注目される。しかもレベル6が89社21.1%,レベル5が91社21い6 %に達し,三者をあわせるとほぼ90%に近くなり,平均値も593ときわめて高 い。また,重要度指標は4、57ときわめて高く,しかもレベル5を選んだものが

291社70い1%と他をひきはなしている。こわらの点から,経営者は経営意欲こ

そが将来の企業の明瞭を分ける重要な要因であると考えていると言えよう。 なお,経営の後継者(問6)については,半数は決定しており,さらにやや 希望があるを加えれば75.9%に達し,道に後継者がいない,あるいはやや困難 をあわせても23社7‖5%に.すぎず,−−・般に言われている後継者難のイメ・−ジと

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香川県の中小企業の現状と課題 5 −・207・−・ 12 3 4 寺「T「㌫ 232 524% 回 答 数 443 106% 23.5% 冒論わから帥やや希望はある 確定している い2.3% やや困雉 図表6 経常の後継者 は合致しない。 (4)従業員の責任・権限と経営参加 1 2 3 4 回答数 平均レベル 472 2,47 185 39.2% 経営者が指示 個人ごと 個人ごとと職務 職務ご に ごととが に明確 ごと 個人ごとと職務 職務ギ

明確 混在

と 図表7 従菜員の資任・権限 経営活動の担い手である従業員の職務遂行については,従業員の責任・権限 (問8)の明確化が必要であるが,職務ごとに責任・権限が明確なのはわずか 満足度指標 −1∴76 回 答 数 448 平均レベル 567 4 49 重要度指標 図表8 従業員の目標達成努力

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香川大学経済学部 研究年報17 ヱβ77 」−20β−・ 148%70社㌣こすぎない。これは職務をまず設定し,それからこれに・対応する職 務遂行能力を配置することをせず,人を採用してから仕事を考えるという属人 原理に基づいた伝習的な組戯形成を行なっているためであろう。すなわち85% の会社は程度の差はあれ,何らかの形で人本位の組織を形成しているといえ る。個人ごとに明確に規定しているものが90社ユ91%であり,意外に少ない。 経営者がその都度指示しなければ,仕事が進まないものが四分の−・もあるのは 論外であろう。経営者は例外的な重要事項の決定に専念し,将来の方向を誤ま らないようにしなければならない。そのために.は,日常的な常規的な事項につ いては従業員に.責任・権限を委譲し,組織的な運営をはかる必要があろう。 ところで,経営者は従業員の目標達成への努力(問9)に対してきわめて高 い不満を示しており,満足度指標は−176に達している。まず,努力の現状に. ついてみると1番多いのはレベル4で155社33、5%であり,ついでレベル5の 102社22.0%,レベル3の87社ユ88%となっており,かならずしも低いと思っ ているわけではない。しかし最大の努力をしていると考え.るレベル7がわずか 10社2“2%にすぎず,レベル6も38社8,2%にとどまっている。すなわち,従 業員の現在の目標達成努力は中庸であると考えているといえる。ところが,重 要度指標は4,49ときわめて高く,経営老は従業員に対してもっと多くを欲して いるのである。あるべき努力としては,最大のレベル7をあげたものが最も多 く133社29。7%に達し,ほぼ同率でレベル6(130社29り0%),レベル5(118 社26.3%)と続いており,これら三者で実に85%に達する。従業員の目標達成 努力は,経営者側の経営意欲とともに,企業成長の重要な要因としてとらえら れているといえよう。 さて経営者はこのように従業員に・対してより多くの要求をするならば,今以 上にモティベt−・ションの施策を講ずる必要がある。これについてはたとえば賃 金水準(問19)との相関が検討されねばならないであろう。 2 3 4 611 回 答 数 465 225 141 .」空こ土製 平均レベル248 従業員と 48・㈹ら 」⊥牡攣 参加l 豊富野営盟に なし 意見を反映 志Jほ反映 共同で 図表9 意思決定への従業員の参加

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香川県の中小企業の現状と課題 −20β− 従業員の意思決定への参加(間7)がまったく行なわれて−いないのは38社 8。2%にすぎず,大半がなんらかの形で参画を認めている。日常的事項への参 加が全体の約半数を占めているが,とくに.注目すべきは藍要事項に意見反映お よび従業員と共同で決定を合わせると434%に達していることである。盈要事 項を共同で決定するというのは,重要事項の決定が社長中心であるとする問4 からの帰結と矛盾するであろう。したがって両者の相関関係が検討されなけれ ばならない。一つの解釈としては,これは中小企業が労働組合をもたないため に,従業員の意見を従業員代表制(制度化されているとはいえない)等で反映 させていることを意味していると思われる。 要するに,経営組戯は人中心に決定され,職務中心に形成されているとはい えない。したがって,今後,責任権限を明確にし,従業員の意思決定への参加 や権限の委譲を進め,マネジメント体制を確立することが重要な課題である。 こうしたことが確立されれば,従業員も組戯の鵬・員として自己の目標を明確に 把捉することができ,したがって目標達成への努力は高められるであろう。 (5)生産 1 2 3 50 84 1.54 回 答 数 349 平均レベル 2づ5 聖二き空一」一【▼¶J⊥ユ塑 に

tを

潮モ!J 図表10 機械説備の近代化 生産面では,まず機械設備の近代化の程度(問10)をみてみると,最新型を 導入しているものは,64社(17り4%)で20%に満たないが,およそ半数に近い 会社では,最新型ではないけれども新機械を採用している(154社44..1%)の で,この両者を合わせると何らかの形で新しい機械設備を導入しているものは 61.5%に達する。また平均値も2.65で中央値の2.5を越え.ているのは企業内部 のことについては本項のみである。したがって機械設備の近代化についてはか なり進んでいることがうかがえる。また84社.(24‖1%)では,半分程度を新し い故械に取替えており,近代化への努力をしているようである。ただ,14い3% 50社でほ依然として陳腐化した古い機械に頼って−おり,したがって,多量生産

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香川大学経済学部 研究年報17 ・−2ヱ0− Jタ77 に.閑適する業種では価格競争に.,また品質に重点が置かれている業種では品質 競争に破れるおそれがある。 満足度指標 一102 (低い)1 2 3 4 5 6 7(高い) 回 答 数 433 平均レベル 3.77

35け 8.3% 25.4%

129 306% 回 答 数 421 平均レベル 479 ベき l・・、し ・、 蔚婁度指標 398 図表11説備投資意欲 次に,設備投資の意欲(間11)についてみると,現状については満足度指標 は−1.02であり,不満足を示しているが,全項目中では中程度である。現状に. ついて最も多いのら草レベル4の112社.25.9%であり,次いでその前後のレベル 3と5(3が70社16.2%,5が81社18.7%),さらにレベル2と6(2が48社 11.1%,6が45社10,4%)がほぼ同数で続いている。すなわち,中央値を中心 に.前後に順次少数になっているカマポコ型の/くタ、−・ンを示しており,平均値は 中央値をやや下まわる3.77である。これに対してあるべき姿としては,レベル 5をあげるものが最も多く129社30.6%であり,次いでレベル4の107社25。4 %,レベル6の74社17‖6%と続いており,現状とくらべて全体に1レベルほど 高くなっているといえる。しかも,レベル7をあげたものは51社12.1%に達 し,現状の2い4倍にもなっており,逆濫,レベル1および2は四分の−・に減少 し25社6.0%にとどまっている。 要するに,機械設備の現状ほ平均的水準にあると考えているにもかかわら ず,経営者は現状に満足せず,かなりの投資意欲を持っているといえる。しか

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香川県の中小企業の現状と課題 ー・2ヱユー も,この間題の重要度は3.98であり,かなり高いといえる。しかし,低成長経 済期にはいった現在では投資の時期を慎重に検討しなければならない。また, 設備投資の裏づけとなる自己金融や借入金との相関が検討されなければならな い。 消足度指棟 −1−60 5 6 7(高い) (低い)12 3 回 答 数 387 平均レベル 4。35 ■ ■ 一−■ ∴㌧㌧㌧ ■′−■ ▼−■ − 一 ̄‘ 1.0 %ノ■一 ノ.・・・・ ・ ・・・一 回 答 数 377 平均レベル 595 158 419% 1.. 盛零度指標 469 図表12 工程管理および品質管理 ところで,エ程管理および品質管理(問12)については,満足度指標は 一1.60で不満であり,管理面への関心の強さがうかがわれる。まず現状につい ては,レベル4をあげたものが最も多く144社29,5%あり,次に多いのが5の 97社25‖1%であり,平均値も4.35とかなり高いといえる。しかし,それにもか かわらずレベル7をあげたものは20社5.2%にすぎない。これに対して,ある べき姿では実にレベル7をあげたものが最も多く41‖9%(158社)にも達して いる。しかもレベル6が91社241%,レベル5が87社23、1%でこれに続いてい る。そして,レベル1および2は.現状でも少なかったがあるべき姿では0とな っており,工程管理および品質管理を軽視している経営者は1人もいないので ある。重要度指標も4小69と最高である。

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香川大学経済学部 研究年報17 ー2ヱ2− J∂77 以上のことからすると工程管理および品質管理は現状でもかなりの水準にあ ると判断しながらも,もっと良くしたいあるいは理想的な状態にしたいと経営

者は欲しているといえよう。このことについては,経営者の今後の努力をまた

なければならない。 (6)販売 2 3 4 回 答 数 442 平均レベル 219 122 199 84%19。0% 経験による 顧客・問屋1親会社から 資分 料析 を 場の の分 動析 図表13 販 売 予 測 販売予測(問13)については約半数に近い会社(199社45%)でほ顧客,納 入免 受注先,問屋,親会社,同業組合等から情報を得て−いるにすぎず,さら に悪いのは単に経験にたよっているものであり,122社276%にも達してい る。すなわち,72.6%の会社でらよ常識的伝習的方法に従っており,これらの方 法では新しい時代に生き続けることほ.困難であろう。市場分析または販売高分 1\、6 0.2%14% 重要度指楔 461 図表14 販 売 努 力

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香川県の中小企業の現状と課題 −ごヱJ− 析を行なっているものが84社20%近くに達していることは今後に希望を持たせ るとはいえ,しかし平均値が2.19と低く,販売面での立ら遅れが指摘できる。 したが、つて販売体制の確立が今後の重要な課題であろう。また販売面での経営 努力が必要である。 そこで,次に販売高を伸ばす努力(問14)に関する経営題意識を検討してみ ると,現状についてほ平均値は4ノノ40とかなり高い。すなわち,最も多くあげら れているのはレベル5で123社23.7%であり,次にレベル4の103社237%, さらにレベル3と6が同数の66社15.2%で続いている。しかしレベル7と最高 水準の努力をしているとしたものほ1割に.も満たず,31社7,1%にすぎない。 ところが,あるべき姿をみると,レベル7の最大の努力をすべきであると考え るものが三分の−・にも達し(157社369%),第一位を占めている。しかもレ ベル6をあげたものが119社27小9%,レベル5をあげた.ものが81社19.0%であ り,こ.れら三者で838%の高率に達する。すなわち,あるべき姿の平均値は 5′′77と高い水準にあり,したがって満足度指標は−1.37とかなりの不満足を示 している。また,重要度指標は4.61で,エ程管理・品質管理のそれとともに, 最高水準にある。要するに経営者はかなりの販売努力をしているけれども,な お不十分であり,今後努力を高める決意のようであり,将来が期待できる。 (7)財務 4 回 答 数 441 平均レベル 2ノノ29 挽益計算のみ 総合原価言1労また 標準原 匪按原 は 1 個別原佃帽寸欝 佃ほ罪 価計算 図表15 損益計算および原価計算 財務については,まず損益計算および原価計算(問15)をどのような方法で 行っているかを検討する。驚くべきことには原価計算をまったく行なわない事 業所が30%近くにも達しており(129社293%),この側面でのおくれを示し ている。最も多いのは総合原価計算または個別原価計算を行っているもので約 三分の一・であり(146社33。1%),少なくともこの段階にまで進むべきである。 さらに標準原価計算を行なうものが74社168%,そして直接原価計算を行なう

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香川大学経済学部 研究年報17 −2J4− ヱ♂77 ものが92社209%であり,両者を合わせると三分の−・を超えている。このよう にみてくると,損益計算および財務計算については3つのグル・−プに.分けら れ,およそ三分の−が各レベルに分布しているといえよう。平均値は229であ り中央値(2い50)よりわずかに低い。 満足度指標・−1.77

g\

1.4%1.2% 重要度指標 4・27 図表16 自己金融額 次に・自己金融の額(問16)に・ついてみると,満足度指標は−1.77ときわ吟て 掛、不満を示している。現状についての平均値嘩8.38と中央値4に近いが,あ

るべき姿のそれが515とかなり高いためである。、まず現状では,高い自己金融

をしているとするレベル7および6はそれぞれ13社3.0%,27社6,.3%にすぎ ず,両者で1割弱である。最も多いのはレベル4で98社22.7%であり,わずか の差でレベル3(95社22い0%),レベル2(82社19.0%)と続いている。さら にレベル5および1も10数/く・−セントを示し,レベル5以下に全般的に分布し ている。これに対してあるべき姿としては,逆濫レベル1および2はそれぞれ 6社.1い4%,5社1い2%で合わせても2..6%にすぎず,現状の0.08%にすぎな い。最も多いのはレベル5で121社292%で現状の2倍ある。増加率の最も高 いのはレベル7の5小4倍で,70社ユ6い9%にも達している。またレベル6も94社 23い4%で,これも35倍である。しかも,重要度指標は4.27と高い。要するに

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香川県の中小企業の現状と課題 ー2J∂− 自己金融に.よる資本葛積ほ現状では不十分であり,あるべき姿としては,積極 的に自己金融に努力すべきであることを経営者は感じているといえよう。これ は今後の重要な課題である。 満足度指標 −104 1 5 ー 1 \−ノ ﹁rr︻■.1 6 / r低い) ⊥

丁訂下 川答数449 6∠1

14∴うオ116%押5%ぅド均レベル 382 1 2 こう 1 68 83 1%185%

110 255%

11 26% ㌫一丁 ̄「扁 回 答 数 431 、lく均しベル 486 9% 盛要度指標 365 図表17 借入金への依存度 さて,資本蓄積が少なければ,当然借入金に依存せざるを得ない。しかし経 営者は借入金への依存度(問17)の現状についてはかならずしも深刻には考え ていないようである。最も多いのはレベル4の83社であるが185%にすぎず, 最低でもレベル7の47社10.5%であり,各レベルに分布していることがわか る。それに対してあるべき姿では借入金依存度を最も低くしたいとするレベル 7が103社23.9%となり,現状(47社10い5%)の2.19倍となっている。他方, 高依存度のレベル1(54社12.0%)および2(81社ユ8.0%)は,それぞれ五分 の一・(11社2り6%)および三分の−・(28社6.5%)に減少し,借入金依存から 脱却したいことを示していると思われるが,全体としてみた場合に.は,満足度 指標は−1‖04で平均的な数値にすぎない。また重要度指標も365で平均より低 い。すなわち,−・般的には大きな関心はなく,ただ借入金依存度の強い会社は それからの脱却に強い関心を持っているといえよう。

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香川大学経済学部 研究年報17 Jβ77 −2ヱβ− 現在 −068 −  ̄  ̄− ̄ l 満足度指標 一068

ベきし【仙_血_【−】_._旦塑」

(1丞1靴)12 3 4 5 6 7 (容易〕 回 答 数 454 平均レベル 496 巨1i答 数 436 平均レベル 536 4 5 09%11%28% 垂嬰度指標 414 図表柑 借入金の借りやすさ ところで借入金の借りやすさ(問18)に.ついては,借入金への依存度と比べ て関心は高く,重要度指標は4い14と高くなっているが,逝に満足度指標は −068で低くなっている。現状では借入困難と感じている会社は非常に・少な く,レベル1が17社37%,レベル2が20社4.4%で,合わせても8い1%に過ぎ ない。また,レベル4∼7ははぼ同数で20%をわずかに超えている。すなわ ち,借りやすさは特に困難でもなく,道に特に容易でもないといえよう。ある べき姿ではレベル1,2,3はきわめて減少し,逆に・レベル7(容易でありた

い)は149社34.2%と16倍になっているが,中間のレベル4∼6には大きな

変動はない。すなわち,借入金の借りやすさについては,もう1レベル容易に なれば良いと経営者は感じていると判断されよう。しかし,満足度指標は−068 と高い方であり,大きな問題はないと言えよう。 (8)労務 労務管理(問19)に.ついては,各項に分散しており重点的に行なわれている 施策はみられない。最も広く行なわれているのは,温情主義的な人間関係の確 保であり139社31%にも達している。これにわずかではあるが福利厚生施設の 整備(11社2.5%)を加えると,約三分の一・が温情主義的な労務管理に重点を

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香川県の中小企業の現状と課題 −−2J7− 2 3 4 130 290% 回 答 数 448 平均レベル 230 高賃金 男働諸条 経営へ の支払 件の整備 の参加 温情圭鶉的人間関 係福利厚生施設 図表19 労 務 管 理 置いていることになり,人的な結合に.よる経営が行なわれていることを示して いる。 次は労働諸条件の整備を労務管理の中心と考え.るものであり,130社で29.0 %である。高賃金の支払は90社2011%であり意外に少ないようである。一・般に 言われているように労働力不足(問20)等に.より人件費が高騰していることと どう関連するであろうか。これはおそらく賃金水準(問22)と関連すると思わ れる。賃金支払能力ないし支払限度が高賃金政策をとりえなくさせている事情 によるのであろうか。ところで,労働諸条件の整備および高賃金の支払はとも に労働者の物的・経済的要因に訴えるもので近代的な労務管理の段階とい.え.る であろう。これに.対して,従業員の経営への参画はまさに現代的な制度である

∼2 27 現石 満足度指楔 −22」7 ベき」】__】】】」 5 67(高叫 1 2 】一 ̄ ̄ 3 T】 l−一丁 答 数 424 平均レベル 257 3 r 2㌔㌫ j18子吉% †15/ l二 川 答 数 410 平均レベル 484 占\\ 13 2.0% 32% 虫要皮相標416 図表20 若年労働力の充足度

(18)

香川大学経済学部 研究年報17 Jβ77 ーごヱざ− が,これが78社ユ7.4%で重点項目としてとりあげられているのは注目すべきこ とである。しかし 本調査では経営参加の具体的方法は明らかにされていない ので,それを解明することが必要であろう。けだし,後述の労働組.合否定の傾 向と明らかに矛盾するからである。 なお,労務管理の平均レベルは2.30で,まあまあの水準にあるといえ.よう。 さて,労務面での重要課題の】山つほ若年労働力の充足(問20)であるが,こ れは経営者の最大の不満となっている。すなわち,満足度指標は−2..27で最も 小さく,また,現在の充足の平均レベルも2一57と最少である。現状で最も多い のは最大の不足を示すレベル1で,134社31.6%であり,次がレベル2の105 社24.8%であり,レベル1および2をあわせると564%に.も達する。すなわ ら,半数以上の企業は若年労働力の不足によりきわめて困難な状況にあること がうかがわれる。逆に完全に充足しているとするレベル7は10社2小4%,次の レベル6も15社3.5%にすぎないのである。これとは対照的に.,若年労働力の 充足すべきレベルの平均は484である。レベル7をあげる会社は53社12..9%で

現状の55倍であり,さらにレベル6は73社17り8%,レベル5は127社30‖1%

芸二竺__−拙旨標冊

52射 L_】 (低lリ12 3 。軍 ) 6 ′7(l;Jしり 川 谷 数 432 平均レベル 446 】82 1ユ6 60 121% 269ク乙 j139% 32% 1 52 回 答 数 422 3% 平均レベル 523 ユ lii 。1 23 5 ペき

…1㌫

。 重要皮指標 433 図表21賃 金 水 準

(19)

香川県の中小企業の現状と課題 −2Jクー となっていて若年労働力の充足への欲求が強いことをうかがわせている。 次に.賃金水準であるが,これに対する経営者の不満はあまり強くはない。現 状について最も多くあげられたのほ,中央のレベル4であり182社421%にな っている。またレベル5が116社269%でそれに続いている。そして,レベル 1∼3が60社19.3%と小数であり,また最大のレベル7をあげたものは14社 8‖2一%にすぎないために,平均値は446で中庸の値となっている。すなわち, 現在の賃金水準については高くも低くもなく,普通と考えている経営者が多い といえる。これに対して,あるべき賃金水準としては,最大レベルの7が3.8 倍の52社123%,またレベル6も99社23.5%となっており,高水準の賃金を支 払うべきであると考える経営者が増大しているが全体としてはレベル5が現状 の16倍177社419%で最大となっているために,平均値は523と大きな増加と はなっていない。すなわち,高賃金政策をとろうというのでほない。満足度指 標は−0.77とかなり高い水準にあり,経営者は現在の賃金水準に満足している のである。しかし,それにもかかわらず重要度指標は433と経営者の関心がか なり高いのは理解に.苦しむところである。なお,レベル1∼3が9社21%に 激減しているのは,倫理的要請のためであろう。 回答数 405 259 640% 必要 不 必 要 わからをい 図表22 労 働 組 合 最後に.労働組合の必要性を認めたものはわずかに12%(52祉)にすぎず,不 必要と考えるものが64%(259社)に達しているのは,中小企業の前近代性を 示しているといえる。温情的な労使関係を克服し,より近代的な労使関係を結 ぶことが今後の課題であろう。これは若年労働者を吸収し,今後の成長を期す るための重要な基盤である。なお,すでに指摘したように,経営参加を重視し ているものは448社のうち78社17,4%であるに.もかかわらず,労働組合容認が 405社のうち52社12い8%しかないのは矛盾しているといえよう。

(20)

香川大学経済学部 研究年報17 −220− (9)研究開発 J977 満足度躇楔 −190 4 5 6 7(i㍍しり (低い)1 J司 答 数 345 平均レベル 3“24 】rり 答 数 340 ilろ均レベル 532 ま\2 12%06% 礪射封旨櫻 435 図表23 研究開発の水準 研究開発(問23)は,今後の経営を方向づけるはど墓要であるが,これにつ いての経営名の不満ほきわめて高く,満足度指標は一1。90で若年労働者の充足 に対する不満についで2位である。それは,現在の平均レベルほ324でまあま あであるが,欲求水準がやや高く532であるためである。まず現状についてみ. ると,最高レベルの7はわずかに5社(1.4%)にすぎず,またレベル6も27 社78%で少ない。高水準の研究開発を行っていると考えている経営者はきわ めて少ないのである。レベル5∼2はいずれも20%前後を占めており,研究開 発の水準についての経営者の判断がこれらのレベルに分散していることを示し ている。これに対してあるべき研究開発のレベルについてはレベル1および2

が激減し,それぞれ4社1.2%,2社0.6%となり,またレベル3も21社62%

に減少している。これに対してレベル3∼7が20∼25%台となり,分布の中心 がこの帯域に移動している。特にレベル7は82社24一ノ1%(約5倍)となり,研 究開発に対する経営者の関心の強さを示している。また重要度指標も4い35と高 い。研究開発ほ今後の重要な課題である。 このように重要な意味をもつ研究開発の今後の方法(問24)については,回

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香川県の中小企業の現状と課題 ー22」Z・−

176 615% 110 385% 回 答 数 286 企業ごとに行なうペきである 共同で行なうべきである 105 669% 52 331% 回 答 数 157 企業で可能 企業では困難 69 515% 65 485% 1!il答 数 134 共同で可能 共同■では困難 図表24 これからの研究開発のあり方 答数が286社とかなり低く,問23に対する関心の強さと矛盾している。企業ご とに行なうべきであるとするものが176社615%を占め,共同で行なうべきで あるとするものを上まわっている。それでは今後の研究開発は企業で可能であ るかという問いに対しては.回答者数がさらに半減し(回答数157社),中小企業 経営者の自信のなさを反映しているといえよう。しかし回答のうちわ桝ま.企業 で可能であるとするものが669%(105社)で前項に.近い億になっている。な お,共同で研究開発が可酪であるとするものと困難とするものとほぼ同数であ る。 ㈹ 知識集約化 1 2 3 4 回答数 328 113 345% 方向がわ からない 対応の仕方が 喜体系が出来ている わからない 可能性は強い

図表25 知識集約化

知識集約化(問25)は中小企業が今後取り組むべき重要な課題であるが,そ の可能性が強いと判断しているのは43%に達している。しかし,それに積極的 に取り組んでいるのはその四分の一・の28社(全体比85%)にすぎず,その大 半は知識集約化にどのように対処すべきかがわからず,とまどっているようで

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香川大学経済学部 研究年報17 J977 ー222−・ ある。逆に知識集約化の可能性は少ないとするものは三分の一・近くあり102社 31。1%である。また,知識集約化が可儲なのか否かのみきわめもつかず,方向 がわからないものが85社25.4%に達しているので,その方向づけを検討するこ とが今後の中小企業にとって重要な研究課題である。 ㈹ 競争 1 2 3 4 5 67 142 369% 168 43.6% 5 00 3 数 答 回 び よ 2 nU lん ・い \ 卜5農の すよ ほ 業者の乱立 設備近代化需要の低下 の行きすぎ 図表28 過当競争の原因 過当競争(問36)があるか否かについては無関係と答えたものは54社でアン ケ・−・ト回収数(466)の116にすぎず,中小企業は多かれ少なかれ過当競争の 問題になやまされているといえよう。過当競争の大きな原因としてあげられて いるのは業種の乱立(168社43.6%)および需要の低下(142社869%)であ る。もともと各分野で中小企業の存立数が多く過当競争の慣向がみられるが, 不況による需要の低下がこれに拍車をかけたものと思われる。 回答数 101 同意 不同意 図表27 新製品等の代替品が経営を圧迫 さて,新らしい原材料や新製品の開発がいちじるしい分野では新しい代替品 が経営を圧迫している(問26)ようである。回答数は少なく101放であるが, そのうち90社(89い1%)ではなんらかの形でこのような経営圧迫があるといえ るので,今後は競争に対応できるような研究開発を続けるか,あるいはそれに 関する情報を迅速に入手することが必要である。

(23)

香川県の中小企業の現状と課題 −22∂・−・ (弱い) 11−Ⅰ答 数 170 て】そ均レベル 496 回 答 数 163 平均レベル 517 昌\6 31%37% 前熟度指数 364 図表28 輸入による圧迫

また,競合品の輸入による経営への圧迫(間39)については,224社51,2%

は無関係である(さらに63社13い2%は無記入である)が,圧迫があると回答し

たものについてもその影響はあまり強く感じられていないといえよう。サなわ

ち満足度指標は−0,21である。また圧迫の弱いレベル7にあるとするものは67

社394%で一・番多くを占めており,これはあるべき姿に・ついてもはぼ同様であ

る。比較的強く影響を受けているとするレベル2および3は,あるべき姿では

約二分の一・ないし三分の一濫減少し,逆にレベル4が約2倍になっている0す

なわちレベル1∼3の帯域では圧迫を減じたいという欲求が強いと思われる0

ところで,本県の中小企業はどのような相手と競争しているのであろうか0

県内の中小企業(問33),他県の中小企業(問34)および大企業(間35)との

競争状態についてみると,満足度指標はそれぞれ1−115,−0・98,−0‖83であ

り,この順に競争がきびしいと言える。まず県内中小企業との競争についてみ

ると,現在の平均レベルは328できわめて低く,レベル1から4にわたって多

く分布し,それぞれ20%前後を占めている。すなわち,県内の中小企業との競

争はきびしくレベル1は77社17て%,レベル2は88社21.9%,レベル3は78社

(24)

香川大学経済学部 研究年報17 Jタ77

﹁ヒ

冶 き 堺 ′

満足度指標 −115 (激しい)1 ▲ 5 13% 薫嬰度指標 356 図表29 県内の中小企業との競争状態 満足度指標 −098 (敵い、)1 2 こう 4 5 6 フ (傲しくかり tりⅠ答 数 376 lZ均レベル 349 回 答 数 354 平均レベル 447 」− .. 重要度指標 353 図表30 他県の中小企業との競争状態

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香川県の中小企業の現状と課題 −22∂−

19.5%であり,合計で243社59.1%にも達する。そして,多くの経営者は県内

中小企業との競争は極力避けたい意向である。すなわち,あるべき状態として

は,レベル1は5社1り3%,レベル2は21社5.5%と激減し,またレベル3も

45社11.7%と半減している。そして,逆に・レベル4が76社190%から171社

44,6%と2倍以上になり,中庸の競争状態を望んでいることがわかる0

他県の中小企業との競争についてこは平均レベル3.49,満足度−098であり,

各レベルの分布状態からみても,県内中小企業との競争の場合とほぼ同傾向を

示している。 満足度指樺 −083 7 (激しくない) (激しい)1 2 3 4 5 6 liヨ 答 数 332 平均レベル 407 Ⅰ司 答 数 313 平均レベル 4.90 1.2 重要度指標 3.25 図表31大企業との競争状態 1 2 3 245 654% 回 答 数 370 不同震 わからをい 図表32 大企業との分野調整 同意

これに対して,大企業との競争についてはかなりの差異がみられる。競争が

激しいあるいは激しくないという片寄りはみられず,10∼20%で各レベルに分

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香川大学経済学部 研究年報17 J977 ・−・22β・−・ 布しているのが特徴である。あるべき競争状態では中小企業との競争の場合と 同傾向であるが,激しくないレベルを望む比率がやや増加し,レベル5′)7は 166社53‖0%となり,また大企業との分野調整(問37)についてはそれに同意 するものが245社65.4%で過半数を越えており,したがって何らかの形で大企 業との競争緩和を望んでいるといえる。 要するに香川県の中小企業は県内の中小企業との競争が最も激しく,やや低 いレベルで県外の中小企業との競争がこれに続いていると経営者は判断してい る。このことは,経営者が業者の乱立を過当競争の−・要因としてあげたことと 無関係ではないであろう。 ㈹ 業種転換 1 2 3 4 回答数 415 306 737% グ 行をいたいが対応 策がわからかl ■ 17% ま=本的に取 必要をい 行をうカ 跳んでいる 向で検討 図表33 業 種 転 換 業種転換(問30)については,306社73い7%は必要ないと答えている。道に 業種転換の必要性を感じているのは10%にも満たない。現在具体的に取組んで いるのは7社1.7%にすぎず,また行なう方向で検討しているのは30社7..2% である。したがって,経営者の多くはその必要性を感じていないといえる。し かし,業種転換は.その見通しや方法あるいは過渡的な処置に.ついてきわめて困 難な問題を含んでいるから,適切な意志決定が望まれる。 ㈹ 協同組合活動 1 2 3 4 回答数 平均レベル 306 198 119 389% 109 35.6% r∫li報の収集い交換 共同購入協葉 串業 図表34 協同組合の活動 親 睦

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香川県の中小企業の現状と課題 t−・227・−・ 協同細合の活動(問27)においては遅れが著しい。現在,最も多く行なわれ てこいる活動は情報の収集・交換であり119社389%である。次いで親睦を主た る活動としているものが109社35..6%でほぼ同水準にある。この困難な状況に おいて,協同組合が親睦の場にのみ終わっているのは理解しがたいことであ る0経営者は,自社がなぜ協同組合に加入しているか誓・りいてもう一度考えな おす必要があろう。せめて情報収集・交換の機能を協向組合に持たせるよう努 力すべきである。現状では,親睦と情報収集・交換で四分の三にも達してお り,積極的に事業活動を行っているのは四分の一丹こすぎない。共同購入・販 売・運搬などの共同事其の利益を得ているのは55社17‖3%であり,協業事業に 参加しているのは25社8.2%に過ぎない。このことは経営者の共同意識の弱さ を示しでいるといえよう。 回答数 373 175 46.9% 109 29..2% 同恵 不同慈 わからをい 図表35 協業化してサラリ・−マンに.なるのはいやである ところで,経営者は協業に参加して経済的利益を得るよりもサラリー・マン化 することをいやがる(問28)億向が強い。すなわち,175社46。9%の経営者は 協業化に同意していない。このことは企業者あるいは所有者としての独立意識 の強さを示しており,協業化が進まない一・要因になっているといえよう。 1 2 3 4 回答数 平均レベル 362 256 158 436% 139 38“4% 者が複数の人 複数の人が協 適切な人がいない 有力 独裁的● が対凱拘 鋼して指導 国表36 業界のリ1−・ダ・−・シップ形態 次に,業界のリーダーシップ(問29)については2つの型に分かれている。 すなわち,第一・は複数の人が協調して指導しているタイプの業界で,これは 158社4316%である。第二は適切な指導者がいない業界で138社384%であ る。

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香川大学経済学部 研究年報17 −・22β− ヱ977 要するに,困難な状況を克服するための今後の課題は,業界を適切に方向づ ける指導者を育て,また共同意識を高揚していくことである。 ㈹ 下請企業の親企業依存度 下請関係については,下請企業でないと答えたものは229社で回収数の627 %である。また無記入のものが72社151%であるが,これを下請でないとみな すと,回答数の106社せ下請企業とみることが出来る。これは回収数の22‖2% である。 1 2 3 4 回答数 平均レベル 106 1.76 62 585% 船杜の指定通りに掛違に・ 、 売り込む 図表37 下請企業の生産・販売 さて,下請企業に対する親会社の実質的な支配力はかなり強いようである。 まず,生産・販売(問31)についてみ.ると,最も多いのは親会社の指示通りに 製造しているもので,62社58.5%ときわめて多い。さらに,親会社の指示によ り設計し製造するもの(13社12.3%)を加えると,独自の製品をもたないもの 1 2 ヰ 5 6 7 用亡いノ 回 答 数 104 小均レベル 281 州 答 数 102 平均レベル 350 琉要度指標 40ニラ 図表38 下請企業の親会社への依存度

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香川県の中小企業の現状と課題 −22夕− が,70。8%に.も達し,この側面での遅れがいちじるしい。しかし,残りの約30 %についてはなんらかの形で独自の製品を持っている。まず25社(23…6%)は 親会社に.指定あるいは指示されるものもあるが,独自に設計・製造したものも 多く,自律化への努力が認められる。独自の製品を親会社に.売り込むという自 立型はわずか6社5。7%にすぎず全体としては,親会社による下請企業の実質 的支配が広く行なわれているといえる。 下請企業の経営老自身もこのことを明確に.意識しているようである。親会社 への依存度(問32)の現状についての平均レベルは281とかなり高く,若年労 働力の充足に次いで悪いレベルにあるが,それにもかかわらず満足度指標が −0.69とかならずしも強い不満を示していないのは,依存度を低くすることが あるべき姿として提示されていない(平均レベル350)ためと思われる。まず 親会社への依存の現状については,レベル1(強い)が最も多く31社298%を 占めている。次に.レベル2∼4がほぼ同数(3が20社19.2%,2および4が19 社183%)である。すなわら,依存度の強いとされるレベル1∼3で67牒%に も達し,さらにレベル4を加えると85。6%にもなる。逆に依存度が最も低いと いうレベル7はわずかに2社1.′2%にすぎず,レベル6および5もそれぞれ9 社.87%,4社38%である。これに対して,あるべき依存度では現状と同数

のレベル3を中心にレベル1∼2が減少し,レベル4∼5が増加している。し

たがって,全体としては親会社への依存度を低下させたいと考えているけれど も,決して依存度を絶対的に低下させるべきであるというのではない。すなわ ち,親会社にある程度依存しながら,しかも可能な範囲で自律性を求めている といえ.よう。中央のレベル4が最高を占めているのほそのためであろう。 ̄FL話 企業という前提にたてば,親会社から独立することがかならずしも安定と成長 をもたらす最善の道になるとは限らないからであろうか。そうだとすれば,本 項はタイプⅠの質問としては不適切となる。下請企業の自立化は多くの問題を かかえているといえよう。 ㈹ 輸出関連企業の場合の輸出依存度 輸出への依存度(問38)については業種や個々の企業によって高依存が良い 場合と逆に悪い場合があるから,タイプⅡの質問としては不適切であるので, タイプⅢの質問として取扱うことにした。現状については輸出依存度は低く,

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香川大学経済学部 研究年報17 ー2くヲ0一−・ J夕77 レベル1が104社で69,8%にも達している。高輸出に強く依存している企業は ごくわずかにすぎない。これに対して将来は,輸出依存度はやや強くなる(強 くしたい)という見通しが示されている。すなわち,レベル1は66社46.2%に 減少したのに対してニレベル3および4がそれぞれ23社16.1%,15社10.5%と紛 4倍になっている。ただ,輸出に強く依存するレベル7および6は両者を合わ せば変らない。 (低い) 1 2 34567(高い) 104 698% l里l答 数 149 % 4 ∵・. ︰、・ バ †、 ▲ ▲′′士郁押 1.いい /5橘 り・仇 3 4 1 数 答 回 国表39 輸出への依存度 8◎ 社会的責任 5 6 7(高い) 回 答 数 394 平均レベル 490 lりl答 数 385 平均レベル 420 亜嬰度指標 32フ 図表40 社会的安住の遂行度

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香川県の中小企業の現状と課題 ・−2くヲJ・− 社会的責任の遂行度(問40)についてほ,まったく不満がみられないのが大 きな特徴となっている。満足度指標は−011であり,調査項目の中では最大の 満足度を示している。しかし,平均レベルは現状が4109であるが,あるべき姿 では420で全項目中最低であり(親企業依存度を除く),かならずしも高くな い。現在についてはレベル4が157社39.8%で最も大きく,それを中心にレベ ル5の72社183%,レベル3の51社12‖9%が続いており,あるべき姿としても はぼ同様のパタ1−・ンをとっている。しかも,重要度指標は3.27で最も低いこと とあわせて考えると,社会的責任に対する経営者の意識はおどろくほど低いと いえよう。ただ,あるべき姿のレベル7は51社132%で現在の約2倍に,レベ ル6は43社112%で約1..5倍に.なっており,社会的責任をもうすこしはたすべ きであるとする経営者も増加している。 満足度指標 −108 /(完全) 【可 答 数 335 平均レベル 468 2−7?…%Jl′7?呂%ぎ217…% J!ユ1答 数 328 平均レベル 576 言\3 09%09% 韮要度指標 442 図表41公 害 防 止 次に公害防止(問41)については,満足度指標は−108で不満はやや高くな っている。その現状について最も多いのはレベル4で93社27。.8%,次がレベル

6の71社212%である。またレベル3,5,7も10%台にあるが,レベル1は

9社2.7%,レベル2は17社風1%で少ない。すなわち公害防止については不完

全だと判断している経営者ほきわめて少なく,レベル3以上に分布している。

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香川大学経済学部 研究年報17 ヱ977 −2∂2一− これに.対してあるべき姿としては,完全であるべきであるとするレベル7が3

倍以上の143社43.6%で他を大きく引きはなして最高となり,公害問題への意

識の強さを示している。社会的安住一腰への無関心とは対照的に,経営者は公

害問題に.は強い関心をよせている。 的 地域経済 香川県の地域経済は昭和30年代後半からの番の州への大工業立地によって大

きく変容し,また将来は瀬戸大橋の架橋によって大きな影響を受けることが予

想される。 (悪い)−3,−2,−1 0 1,2,3(良い) 回 答 数 283 平均レベル 003 回 答 数 266 平均レベル 006 回 答 数 264 平均レベル 015 217 767% 192 722% 185 701% 良い影響 無関係 図表42 番 ノ 州の影響 まず番の州への大企業の立地による影響(問42)については全体としては70 %の企業が影響を受けなかったし,また将来も無関係であると答えている。す なわち,立地当初については217社767%,現在については.192社76.2%,将 来については185社701%が無関係である。これに対して悪い影響を受けたも のは立地当初には32社118%であったが,現在および将来についてもほぼ同率 である。これらの悪影響については,同一L企業が過去から将来にわたって悪影 響な受けているのか否かを検討する必要があろう。なお良い影響については立 地当初は34社1210%にすぎなかったのが現在では43社16.2%,将来予測では52 社197%とわずかでほあるが増大の傾向にある。 これに対して,瀬戸大橋の影響(問43)は悪いから良いまですべてのレベル にわたっているが,無関係(111社288%),悪影響を受ける(119社30.9%),

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香川県の中小企業の現状と課題 −2くヲ∂−・ (悪い)−3 −2 −1 0 1 2 3 r良い) 回答数 平均レベル 385 015 111 288% 良い影響 悪い立汐響 無関係 重要度指標 367 図表43 瀬 戸 大 橋 好影響を期待する(155社403%)の3種に区分できる。好影響が期待できる 分野においては,成長要因としてこれを積極的に活用できるように,今から準 備をするべきである。また,悪影響が懸念される分野ではその要因を分析し, 出来るだけそれを排除するよう対策を講じることが今後の重要な課題となるで あろう。 ㈹ 企業の現在の問題点と課題 「あなたの企業に.とって現在最も重要な課題は何ですか」という問47では企 業が直面している諸問題や施策を質問したのであるが,回答によってほこれら が問48でも答えられているし,また企業が行なう施策と国や県が行なうべき行 政施策との区別が明確に表現されていないものも多いので回答数は示さないこ とにする。 企業が直面している大きな課題はまず現在の不況と需要の低下に.どのように 対応していくかである。とくに今後の需要の見通しがたたないために生産や販 売面で適切な行動が出来ないとする意見が多い。企業にとってはなによりもま ず販売努力が必須である。また需要の低下は業界全体としては設備過剰とな り,過当競争を生みだしているといえる。また競争面でほ大企業(小売業の場 合に.は大型店)の進出により苦しくなっている企業が多い。あるいは原材料費 や人件費等の諸経費の高騰は製品原価をあげているが,需要減と過当競争のた め製品価格に転嫁することが出来ず,適正な利潤の確保を困難にしている。ま た,新製品開発能力の欠如は競争力を弱くしている。したがって,企業はなに よりもまず販売努力が必須である。すなわち,適切に需要を予測する能力をつ けると共に新しい需要を開拓する必要がある。また,原価上昇分を安易に製品 価格に転嫁することでは販売競争におくれをとることになるので,これを合理 化努力によってカバ、一しなければならない。そのためには受注を安定的に確保

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香川大学経済学部 研究年報17 ヱβ77 ・−2∂4−・ して操業度を−・定水準以上に維持するよう努力すべきである。製造工程の合理 化をはかり新しい技術を導入することも必須である。また同業老との過度の価 格競争をさけ,品質競争で勝負すべきである。さらには,販路拡張のためには 時代の要求に.合致した新商品を開発することが必要であるから研究開発機関の 充実にも取り組むべきである。 ところで,不況による需要の低下は生産面にも問題を生み出している。設備 投資を横板的に行ない,かなり機械化が進んでいる企業では生産量を−・定水準 に保つことが必要であるが,需要の見通しが暗いためかなりの減産をし,損益 分岐点を割っているものもある。また逆に資金難から設備投資が遅れ,近代化 が進まず品質面で問題点を持っている企業も多い。したがって今後ほ生産過程 を必要に応じて近代化し,合理化を進めるとともに新しい技術を導入できるよ うな体制を確立すべきである。また,生産過程から発生する公害問題の処理に. 因っている企業も多いが,その処理は社会的責任の一・貫として責任をもって遂 行しなければならない。 財務面では資金難を訴え.るものが圧倒的に多い。これは高度成長期に.も自己 資本の蓄積が充分に行なわれなかったためと思われる。こうした資金難を解決 する−・方法として借入金に頼ることが多ぐなるが,その結果,金利負担になや まされているものが多い。また,担保能力が不十分なために借入すら困難な企 業も多い。また下請企業の場合には親企業の支払条件の悪化を訴えるものが多 い。また,一部では売掛金の長期化・不良化あるいは資金需要の季節的アンバ ランスが問題にな、つている。こうした財務問題の解決は容易ではないが,なに よりもまず自己資本の充実をはかるべきである。しかし,需要が低迷し,供給 過剰と原料高製品安の環境のもとでほ困難が多いが合理化や販売努力によって 適正利潤の確保に.努めるべきである。また必要最小限の借入金は必要であるが 低利長期の制度融資を利用し,金利が負担とならないようにすべきである。 人事・労務面では,若年労働者の不足が最大の問題点である。−・般に従業員 は老令化しているが,これは生産能率を低下させ,また新しい技術の導入ない し習得を困難に.し,あるいは技術の後継者不足に拍車をかけている。これを根 本的に解決することはきわめて困難であるが,たとえば出来る限りの高賃金を 支払うとともに作業環境を整備し,若年労働者の日をこちらに向けさせること

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香川県の中小企業の現状と課題 −−23∂一− が必要であろう。次に.,中堅従業員や幹部の不足は−・部にしか理解されていな いけれども,今後は重要な課題となるであろう。中小企業が家業的性格から脱 皮し,其の企業らしさを獲得し,成長をとげるためには新しいマネジメント体 制を確立することが必須である。そのためには其の管理者が必要である。した がって今後は労働者の技能訓練に加えて中堅幹部の人材育成が必要である。 ところで最後に,同業者間に連帯性の欠如が見られる。共同仕入,共同販売 等の有効性が意識されながらその実現がきわめて困難であり,同業者の協力が うまく行なわれていない。また協同組合もたんに親睦のためだけに存在するの であればあまり意味がないであろう。共同活動や協業化は,中小企業問題解決 の万能薬ではなく,それに伴う危険も大きいけれども今後の一つの方向である ことにはかわりほない。したがって一度真剣に検討サーる必要があろう。 ⅠⅠⅠ 利用している 利用していない 知らない 化資 代虫 近扁 借方 設梓 254 728% 回 答 数 349 241 730% ll享】答 数 330 2“経営安定融資 234 713% 3季 節 融 資 266 816% 業資 ” 小粋 4 261 84.7% ノ 何 答 数 308 238 66−3% トー】苓:数 359 図表44 制度融資の利用度

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Jβ77 香川大学経済学部 研究年報17 1−2∂β・−

香川県では中小企業助成のため,各種の融資制庶を実施しているが,あまり

利用されているとはいえない。6種の融資制度を平均すると利用していないも

のは749%(知らないものを加えると84,0%)に達し利用率は16・0%にすぎな

い。最も多く利用されているのは設備近代化資金で106社29.5%であり,次が

設備近代化特別融資の73社20り9%である。これから判断すると中小企業は設備

投資資金の不足をこれらの融資で補おうとしているといえる。また季節融資の

利用も多い。ただここでの問題は融資制度を知らない,あるいは利用していな

いものがきわめて多いことである。必要に応じて積極的に活用し,飛躍への足

掛りにすべきである。 296 685% 回 答 数 432 受けていか、 知らない 受けている 5 6 7(高い) (低い) 1 2 3 4 l司 答 数 77 平均レベル 317 1¢】答 数 74 平均レベル 492 †\0 1㌫00% 重要度指標 419 図表45 経営指導の利用度 次に経営指導の利用度(問45)であるが,これについてもはぼ同様の傾向が みられる。受けていない(296社68。5%)および知らない(58社134%)を合 わせると81.9%となり,無関係な企業が多い。現状については,レベル4が最

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香川県の中小企業の現状と課題 ・−2∂ア− も多く22社286%であるが,レベル1および2がともに16社20.8%であり,こ れが平均値を下げている。充分に.利用していると考えている企業は1社13.% にすぎず,レベル6も5社6い5%である。これに対して,あるべき利用度とし てはレベル4が22社29い7%で最高であるが,これはレベル1∼3の減少分が回 つたものと思われる。レベル7は11社ユ49%で2倍強となり,レベル6も14社

189%で3倍弱,レベル5は18社243%で2倍弱となり,逆にレベル1は1社

1.4%,レベル2は0となっている。このことは経営指導の利用に強い関心を 持っていることを示している。利用者の満足度指標ほ−1.75ときわめて低く, 強い不満を示して−いるが,それは逆にいえば経営指導への期待の強さを示して いるといえ.る。 最後に.,県の施策および指導(問46)についでであるが,まず施策・指導の 程度であるが,中央のレベル4をあげるものが103社336%で最も多いが,充 (不充分) 1 2 3 4 5 67(充分) 回 答 数 307 平均レベル 330 †9 29% 5 6、7(適切ノ (不適切)1 2 3 4 回 答 数 297 平均レベル 367 106 35」7% 図表46 県の施策の程度および適切さ

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香川大学経済学部 研究年報17 ・−2∂∂−・ ユタ77 分というレベル7(9社2。9%)や6(12杜3.9%)は非常に少なく,また不充

分というレベル1∼3がいずれも16∼7%を占めているため,平均レベルは

330とやや低くなっている。次に適切さについては,レベル4が106社35‖7% で最高であるが,レベル7は15社5.1%,レベル6は23社8.1%とかなり少ない が,その他のレベルは10%台を示している。平均レベルは3.67でこれもやや低 いが,中央値の4に.近づいている。要するに県の施策・指導の程度および適切 さについてはおおむね普通あるいはやや悪いと経営者は判断している。したが って今後ほ不充分ないし不適切の度合いをさげ,逆に充分ないし適切のレベル が増加するような施策の内容や実施方法の検討が望まれる。 ところで,それぞれの企業は現在,香川県に.対Lてどのような施策を望んで いるのであろうか。「現在あなたの企業が抱えている課題からみて講じるべき 施策は何ですか」という問48は,そうした意図を持っていたが主語が不明確で あった(「県が講じるべき施策」とすべきであった)ために,回答では県が講 じるべき施策を答えたものと企業自らが講ずるべき施策をあげたものとが生じ た。また問47に.おいても県が談じるべき施策を答えたものがある。ここでは県 が諮ずべき施策と解されるものを取りあげることにする。なお,本間は任意記 入形式をとったためか回答率がきわめて悪く,問48−1では276社57.9%が,

問48−2では317社66.5%が,問48−3では300社629%が,問48−4では419

社87‖8%がそれぞれ無回答である。 さて,金融対策については,現在は業臍が順調であるため特に必要でないと するものが若干みられたが,多くの企業は金融対策の必要を訴えてこいる。その 中で代表的なものは,長期かつ低金利の制度融資の要求である。これは現状で は高金利の負担に.耐えられないか,あるいは市中銀行では担保能力や信用問題 等のため借入が困難であり,また自己資本蓄積が不十分であるために,設備投 資資金や運転資金に不足をきたしているためである。制度自体については,貸 付手続の簡略化,貸付条件の綬和,貸付対象の拡大あるいは貸付枠の増額等を 強く求めている。 次に.経営指導については必要であるとか指導を受けたいと答えているものが 多く,経営診断や各種の講習会を求めている。しかし注目すべきことは,少数 ではあるが業種別に高度の知識を持ち,業界の実状を把握した特定の指導者を

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