自閉症児の適応行動と学習能力の分析
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(2) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析. 亀. 畑. 義. 彦・大. 嶋. 謙. 一. 1, はじめに 最近の自閉症研究は中枢神経機能の障害が著しい症候群としての発達的障害観, その根底には認 知能力の欠陥があるとする研究成果が多く発表されている. それに件って, 従来, 自閉症の原基的要因とされていた社会的情動性の異常については, 認知能 力の主得的欠陥に由来する二次的障害であるとする知見が多く, 社会性の原基的要因説を否定して い る.. 当初, 社会的情 動性の欠陥は 「情緒的接触の欠如」 であるとされ, 母親を中心とする教育態度の 欠陥が強く指摘されていた, 最近では認知障害説の優位性を認め, 自閉症の現象的欠陥である 「情緒的接触の欠如」 は, 認知 能力の欠陥が派及的に養育者の養育態度に変化をもたらすものであるとする研究知見が多い. 自閉症の発生原因論の, このような急激な変遷は, ひとつには心理学における情報理論の貢献も, それに伴う認知心理学の 急速な進歩があげられるであろう. このことによって, 臨床的場面への認 知心理学の導入が結果として, 従来の解説的な原因論を否定し, 新たな研究方向が志向されたと考 え る こと がで き る.. 他のひとつは, 従来 「小児」 自閉症と診断された子どもたちが, その後20年を経過し, 彼らのア フター ・リサーチによる知見によっ て, 診断当初の症状に 大きな変化がみられ, 変化の著しい診断 症状と, 変化の乏しい診断症状が明確にさ れつつあることによると考えることができる, その中では 「情緒的接触の欠如」 について著しく好変した事例の報告, 及び, 知的能力の変化の 乏しさを指摘した研究が多く見い出されている. そして, 第三には, 健常児・精神発達遅滞児・自閉症児らを グルー ピン グして, 実験的操作によ る比較的研究をとおして得られた知見などが, 自閉症の原基的要因を追求する多くの示唆を与えた ことも否めない事実である, 本論文は, これら最近の自閉症研究の流れに沿いながら, ある自閉症児の障害要因を, 一方では 社会異常性, すなわち 「不適応行動」 に焦点をあてて, そのパーソナリティ の障害を考察するとい う方向と, この自閉症児の学習能力について各種の知能テストを実施し, その結果をバッ テリーさ せることによって学習能力障害を考察しようという二方向の研究による結果報告である, なお, この研究の中で, 自閉症児との比較のために, 動作性知能指数のまっ たく同一な, 遺伝性 の精神発達遅滞児 (女児) を比較事例としている, 以下, 自閉症児をY児と呼ぶ,. 67.
(3) . . 亀畑. 義彦・大嶋. 謙一. 2. 周囲からみた Y児の症状変化 rの彰 ,ヱ はY児のほ ぼ2歳の時点における 「対人関係」 についての実母の評価 である, カ ッ コ で 示してある普通児の通過率については, 遠城寺式乳幼児発達検査を 参照としている. Tab .1 ほぼ生後 2年 目に おける 「対人 関係」 要因 についての実母の評価 ・物, 顔などを注視することがなかった ・あやしても声を出して応えることがなかった ・人に向かってほほえむ, 笑うことなどなかった. ‐ (普通児では0 3で9 9%通過) (普通児では0∼で10 0%通過) (普通児では0ー 6で8 8%通過). ・オモチャをとられても不快を示めすことがなかった (普通児ではOM I Oで9 6%通過) ・母のまねをしてバイバイなどをすることがなかった (普通児では0‐ 1で9 1 0%通過) ・見知らぬ人に対して顔をそむけたり, 泣き出したり (普通児ではroで8 6%通過) す る こ と がな か っ た. ・母の姿が見えなくても泣くことはなかった. (普通児r2∼1− 4で95%通過). この結果から, Y児は生後2年目の時点で, ごく初期的な 「対人関係」・の発達段階を通過 できて い な い こ と が 理 解 で き る, 次 に 掲 げた rの彰,2 は L t er ng ,Kanner , WH0, M.Rut , M,Creak ,L. Wi , G.0.Gorman らの自閉症. に関する診断基準をもと にして作成した行動評価リス トである. Tab .2 目閉児の行動 評価リス ト 恥.1. 評 価 項 , 1 1 ・ 普 通 の 子 ども にみ ら れ る よう な 人 と の 関係 がみ ら れな い. 目. 52 54 55 56 57. O O O O. 2 1 ・ 集団 の動 き に 従 っ て行 動 しな い. O O O. ・′他人 へ の酉己感 分自署手 にふ るま う ,な し に目‘. O O OーO ー 一O. Oー O一O一O. 0綱 。皿0一 〇. Oー oqoー O. O一O. 物がいつも同じようでないと気がすまない ・周りの事′. 9. ,ー1 .−定のれ瞭 を経ないと事 物ことりかかれない. O O. 12”.奇妙な身体的動作に専念する. O O O O O. 図. ・ 興 味 あ る構封成類な どの1桑f 乍は すく に覚 え て しま う. O O. ・文字や商標などはすぐ覚えたり, 図形のはめ板の言縄 などをすばや 析 う. O O O O O. 田 ・は 戯1理屈に合 熔1不安筋る. O O O. 可 t・運動 紗 ‐ンのゆがみ∼樹放運動 燥 わめて下手である. O O O O O. 171 1 ・ オ モ チ ャ をそ の機 能 に 従 っ て あ つ かう こと がな い . ,=. ・ 合. E 1. O O O 以. 言 十. 対 人 関 係 要 因. 上 13 15 11 8 , 7 . 3 3 2 l l. 因. 68. 7 ) 目閉度 (チェック項目÷1 目閉度に占める2要因の割合 目閉度に占める対人関係要因 目閉度に占める言語的要因. 、 77 3 9 20 15. 88 47 20 2 7. 64 55 19 36. 47 63 13 50. 4 1 57 14 43.
(4) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 評価にあたっ てはY児を担当した5名の教師にチェックしてもらった. ○印の付された項目がY 児の行動の中にみられたものである. この評価を集計し, 17項目を 「対人関係要因」 と 「言語的要因」 に分類して整理されたものを下 i i 二欄 にま とめた. 全項目に対するチェ・ t ‐ s cbe eg r eeofaut ツクさ れた項目の割 合を 「目閉度 (d hav i or)」 と 呼 ぶ こ と に す る.. この 「目閉度」 と 「対人関係要因」 および 「言語的要因」 の比率も伴せて記しておいた. , この結果から, Y児の 「目閉度」 は昭和56年を境に, 急激な変化をみせている. 明らかにこの年 を前後してY児の 「目閉度」 ・ は低下の傾向がうかがい知れる, 次に 「目閉度」 に占める 「対人関係要因」 「言語的要因」 はほぼ安定しているのに比して, 「対人 関係要因」 だけの比率は昭和56年を境に低下, 他方も 「言語的要因」 の比率は上昇している, このことは, Y児の自閉症状の改善と, 併せて障害として 「言語的要因」 が顕著になってきたこ と を 示 す も の で あ る, TのZ 8 .3 に見るように, Y児の身体 的 成 長 は 昭和56年 を 境 に 著 し い 変 化・を 示 し て い る,. .. こォrらの調査から, 自閉症児の症状 は 変 化 し う る も の で あ る こ と, そ し て. 症状変化は生理的成長と何らかの形で 相 関 が あ る こ と が予 測 さ れ る.. Tab .3 各年度 の身体的形態の 比較 r項′ 目. 5 4 年. 5 5 年. 5 6 年. .5 7, :年. 身 長. 147 0 ,O. 155 .8. 165 ,9. 171 .0 ・. 45 ,4. 49 6 . ・ ,. r体. 体 重. ・. 31 ,2. ・. 3 縄 4 ,8. r. ・. 胸 囲. 3 6 ,5. 6 6 ,2. O 7 5 ,0. 7 6 .5. 座 高. 74 ,9. 80 .6. O 86 ,0. 90 .2. また, 変化の方向は 「対人関係要因」 の改善と 「言語的要因」 の重篤性の増大と いう方向を示唆 しているものと推測できるが, このことは, 先に触れた最近の自閉症研究の知見と合致している.. 3. Y児の生育歴 ‐児を含めると7人の家 昭和43年4月26日生, 父は炭坑夫をしており, 祖母, 両親, 兄姉3人, Y 族構成である. Y児の周産期・乳幼児期における特別な既応歴はみあたらないが, 多少, 栄養のバランスが悪く, カウ プ指数が乳幼児期をとおして低い. i l i l 昭和50年7月, S市立病院小児科でEa ant e Ant sm と 診 断 さ れ て い る, r ylnf Y児6歳時の就学相談を行っ た担当者の所見を引用すると, 「知能検査は試行不可能,.ただ形の 区別だけは指示には応じないが, 検査者の行うのを見て, その課題をす ばやく正解し, 似た ・ような 課題は何のヒン トもなく÷ 次々とすばやく正解した. 言語面では問いかけに対する応答はまったく. ない. 従っ て会話は成立しない が, 独り言は豊富で, 話している内容はテレビのコマ ーシャルが多 い. 声の調子は抑揚がなくて一本調子, 早口で聞き取りが困難なことが多い, 平仮名 は5 0音ともす べて読み書きが可能. −音節だけを指示すると文の中から取り出すことができるが, 音節を続けて 文 に す る こ と は で き な い.. 自分の名前を平仮名で書くことができない, アルファ ベッ トはA からZまでまちがいなく書け る こ と が で き る が, 発 音 は L ま で で あ る. 数 字 は 1か ら100ま で 読 み 書 き と も でき る.. 観察場面で観察者の手を取つてク レヨンを取れと要求する, 「ミ ドリ」 「アカ」 などと言いながら 手渡すと, Y児も 「ミ ドリ」 「アカ」 と繰り返しながら受け取る. 69.
(5) . 亀畑. 義彦・大嶋. 謙一. 要求は身振りで表現し, 手を引 っ ぱってやらせようとする, 人に対する興味・関心がみられず, 人との感情的交流や意志疎通が困難 で, ほとんど自分の興味 本位の行動である. 決まっ た日課があっ て, 一日 一度は必らず近くのマーケッ トへ行き, 決まっ た自動販売機に触れ て く る.. 音に対しては, 自分の名前が呼 ばれたり, 大きな音がしても無反応なことが多いが, 家の外で車 が止まる音がするとすぐ気付くなどの行動から聴覚に異常はみられないと考えられる. 同年齢の子どもたちにはまっ たく無関心で, 近くに子どもが来ても知らん顔をしている. また, 子ども達が遊んでいる集団の中に入れても, す ぐ抜け出してしまう, 一日中一人で遊んでいる, 怒られた時や自分の要求のとおらないとき には激 しく泣いて ひっくり返り, 大声でテレビのコ マ ー シ ャ ル を 叫 ぶ. 絵 は 描 こ う と し な い が, 字 を 書 く こ と は 好 き で, ク レヨ ンを 与 え る と, い つ ま で も字 を 書 く こ と. に熱中している,」 などの記述がみられる. Y児は6歳児に就学猶予となり, 近所の精神薄弱児通園施設に入所を措置されるが, あまり行き たがらず, 一人で遊んでいることが多かっ たという, 以後自宅で8歳時まで過している. 昭和51年6月 に, 精神薄弱児収容施設に入所し, 翌年施設内に設けられていた地元小学校分教室 に一年生として入学. 昭和54年, 養護学校義務化に伴い, 分教室が養護学校分校となり, Y児は小 学校三年生として編入している.. 4. Y児の一般的な能力評価と社会生活能力 i i i dren l l・l Fi tf t nを用いで評価 した結 s orAut s c Ch g g .2 お よ び Fi .3 は Y 児 の 諸 能 力 を ChekLi. i 果である. F g2でみると, 「遊び」 「対人関係」 「言語」 「表現活動」 「行動の自律」 などの能力 が低 いことがわかる, 「遊び」 「対人関係」 「言語」 「表現活動」 はコミュニケーショ ン能力としてまとめ ることができるが, Y児はこの能力の低さ がうかがわれる, 他方, 「食習慣」 「排池」 「着衣」 など の基本的主活能力は習慣化されていることがFを ,ヱからみてとれる, Y児の日常行動の観察から, 日常生活をほぼ支障なく処理するほ どの能力は認められる, 従って, 一般的な能力で問題とされるのは身体模倣運動などを含めた 「行動の自律性」 と, 上述 し た コ ミ ュ ニ ケ ー シ ョ ン 能 力 で あ る,. 次にF省 ,ヱより .2行動療法を行うための予備調査に用いられる評定尺度であり, 評定項目もFを 細かく設定されているものである が, Y児の評価結果をみると, コミュニケーショ ンに必要な 「言 語要因」 , ならびに, 意味をとらえ表現するための 「言語能力」 の低下が指摘できる. また, 模倣を必要とする 「運動能力」 の低下も著 しい, 他方, c hec kl lではほぼ支障な しとされ た 「食事」 「着衣」 の諸動作能力も, ch kI Hのように評定項目を細かく設定 してみると, これか ec ら学習しなけれ ばな らない活動 が少なからずあることが指摘できる, これらをまとめてみると, Y児の抱えている問題はコミュニケーションに必要な言語諸能力の欠 如と, 表現・模倣のための自律的な活動能力の欠如である, 次に, 生活諸能力の程度と, 知的能力の同一な遅滞児と比較するために,.Y 児および遅滞児に Adapt i i l orSc ve Behav eを適用 してみた. その結果がFを a .3である. Y児の プロフィ ールを実線(目 閉児としてある) , 遅滞児の プロフィ ールは一点鎖線で示してある. 70.
(6) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 C−2 C L A. 7嚢. 9. 蕃. パズル. 注察. 静座 i F g.2. F i g ,I 9 1 0 1. 自 立 機 能. 標準点. ロ. 身 体 的 機 能 m, 経 済 的 活 動. 平均値:6ー2 目閉児 偏差値:0ー8. V, 数 と 時 間 W. 家. 事. 1 僅 ,仕. 事. 一一−−目閉児. 柵. 自 己 志 向 性. 一‐一・一遅滞児. ば, 責. 任. 感. X, 社. 会. 性. プ i F g ,3 難3S第一部領域標準点平均 値 ロフィ ー ル. 1月までの期間中, 5回の評価を集計したもので, 平均 Y児の評価は昭和55年9月 より昭和57年1 値 は6 .2, 偏 差 値 は0 ,8で あ る,. i 遅滞児の評価は昭和57年10月のものである, F g ,4中の中央の点線 (Y児の偏差範囲) を基準に 考えると, プロフィ ールの全体傾向として,.遅滞児はほぼ安定した プロフィ ールであるのに反して, Y 児の プロフィ ールには凹凸が目立つ. 遅滞児で基準以下があるのは 「社会性」 の領域ただひとつであるのに対して, Y児の場合は 「仕 事」 「責任感」 「社会性」 など, Y児の方が不適応領域が多い. i 以上に見てきた能力一般をまとめて評価し, 併せて遅滞児との比較を見ようとしたのがF g ,5で ある. この検査は 「S−M 社会生活能力検査」 として標準化され, 社会生活能力指数, および, 社 会生活年齢が算出できるので便利である, 評価者として, Y児および遅滞児と日常生活時間の ほと んどを一緒に遇している施設指導員に協力いただいた. F忽 ono r ‐ ,4で実線はY児点線は遅滞児の プロフィ ールである, なお右側のそれぞれの直線 はCr 71.
(7) . 亀畑 身 辺 自 立 I Seぼ He I − P 動 L 移 Lo c omo日 。 n 業 o 作o d岨 c c u a p 意 志 交 換 Com u鴫c i t ー n a o n s 集 団 参 加 So i 罰 i i c t z a o n 自 己 統 制 Se l f D i i t ‐ r l o l e c. 2. 3. 4. 義彦・大嶋. 謙一 5. 、 、\. 6. 8 ′′′ ′ ′ ′′′. 2 1 3 1 5 9 l o l l 1 4 1. AGE. !. \\. 目閉児:CA1 4一6 , SA4一7 遅滞児:CA1 ・一8 O ,SA5‐1. 一一一一 目閉児 −−−−−‐遅滞児. F i g .4 S一M社会生活能力検査における目閉児と遅滞児の比較 A . 暴力および破壊的行動 B . 反 社 会 的行 動 C .反 抗 的 行動 D .自. 閉. 1. 2. 4, 5. 3. F . 適切でない応対の仕方. . i・÷÷.. . H ,異 常 な 習 慣. … . i . K . 異常な性的行為 L . ・理 的 障 害 M. 薬 物 の 使 用. 9. 目閉児. . 平均値:3ー7 偏差値:1−2. . 白閉児 −−一一. ‘. 1 0. ‐ノ ‐. . J .過 動 傾 向. 8. . . G , 不快な言語的習慣. 1 ,白 傷 行 為. 7. =< くず : ↓. 症. E . 常同的行動と風変わりな癖. 6. 遅滞児 一・一・一. ‘. F i g .5 第 二部 領域標準点平均値 プロフィ ー ル i IAgeを 示 して い る, og ca. i IAge と の 差 社会生活能力年齢でみると Y児が4歳7 ヶ 月, 遅 滞 児 が 5 歳10ヶ 月 で, Cronorog ca 異 で は, はる か に Y 児 の 方 が 大 き い.. 社会生活能力と障害との関係では, 遺伝性または家族性低文化型の遅滞児は, 一般に知的能力よ りも社会生活能力の方が優位であり, 他方, 脳器質損傷型の遅滞児は逆に, .知的能力よりも 社会生 活能力の方が劣位であるとされている. Y 児およ び比 較対象の遅滞児の知的能力は Wi s c ‐R テス トで4歳9ヶ月 であるから, 社会生活能 力年齢と の 比較でみるとき, Y児の場合は脳器質損傷型の遅滞児, 比較対象の遅滞児は遺伝性 (家 ・ 族性低文化型) の遅滞児とされると考えられる. この考察はすでに述べた自閉症の最近の研究知見ともほ ぼ合致するとみな してよいもの といえ る.. 72. 、. .. ,.
(8) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 5, Y児の不適応行動にみる パーソナリティ構造 Y 児の不 適応 行 動 を調 査 す るた i め に, 前 述 し た Adapt ve B抄 havior Scale の 第 二 部 を 用 い た. 評 価 期 間 につ い て は前 述 の と お り. である. また, 評価の集計も同じ で あ る,. 実 線 は Y 児, 破 線 は 遅 滞 児 の プロ フ ィ ー ル を 表 わ して い る, こ. の結果を Fig ,6 に ま と め た.. 0 1 2. と Y 児 の プ ロ フィ ー ル が 全 体 的. に基準 (偏差値) よりも左側に位. 6. 7. 8. 9 1 ,o. B ・ 反社会的行為 1 .白 傷 行 為. A . 暴カぉょび破壊的行動 C ・反 抗 的 行動. H ・異 常 な 習 慣 L .心 理 的 障 害 D .目. 一 つ の プロ フ ィ ー ル を 比 較 す る. 3 4 5. j ・過 動 傾 向. 閉. 性. K . 異常な性的行動 E , 常同的行動と風変ゎり. な癖. i F g .6 第1因子負荷量 置しているのに比して, 遅滞児の プロフィ ールは右側に位置している, このことは, Y児の不適応行動が量的にも質的にも遅滞児の それより大きいことを意味するものである. Y児の不適応行動領域と考えられるものは 「反社会的. 行動」「反抗的行動」「目閉性」「不快な言葉的習慣」「心理障害」「薬物の使用」など7領域にのぼっ ている, これに対して遅滞児の不適応行動領域は 「反抗的行動」 「適切でない対応の仕方」 「過動傾. 向」「心理障害」など4領域である. 両者に共通している不適応行動領域は 「反抗的行動」 ただひと つ で あ る が, プ ロ フ ィ ー ル よ り Y 児 の 方 が遅 滞 児 よ り も,こ の 領 域 で 劣 っ て い る こ と が見 て 取 れ る,. { l 次に, Y児一人の評価結果をもとに, 領域間の相関係数を求めた, この結果がTa b e .4である, 算出にあたって はSpe nの相関係数の公式を利用 した, なお, 「適切でない対応の仕方」 「不快 a rma な言語的習慣」 「薬物の使用」 の三つの領域は算出不可能とな っ た, rのZ 8 ,4にみる※の印は有意 に高い相関係数値に付してある. Tab ,4 項目間の相関 行列 B. C. D. E. H. T 1. A. J. K. A. 暴力および破壊的行動 B,・反社会的行動. ※ 896 ,. C, 反抗的行動. ※ 859 .. ※ 721 ,. D, 目 閉 性. ,538. ,386. − 292 ,. E. 常同的行動と風変わりな癖. ,220. 一 134 ,. − 506 .. ※ 722 ,. .. H. 異常な習慣. ,250. .598. − 395 .. ※ 968 ,. − 559 ,. 工, 自 傷 行 為. ※ 998 ,. ※ 896 ,. ※ 829 .. J, 過 動 傾 向. ※ 791 .. ※ 945 ,. .495. K, 異常な性的行動. − 408 .. 「448. ,456. ,327. L, 心理的障害. − 559 ,. ,250. .613. − 119 ,. ※ 791 ,. ※ 791 .. ,123. − 527 ,. 勲 09〇 ,. 612. − 408 .. ※ 826 ,. 而 589 ,. 一 408 ,. − 456 ,. 0. − 645 ,. く ,456. 0. .373. 算出不能 F, 適切でない応対の仕方 G, 不快な言語的習慣. M. 薬物の使用. 73.
(9) . 亀畑. 義彦・大嶋 謙一. この結果, Y児の不適応行動とされるものは 「暴力およ び破壊的行動」 の領域が中核となるもの, 「反社会的行動」 の領域が中核をなすもの 「過動傾向」 の領域が中核をなすものと, 三つの中核的 な不適応行動の領域 が構成されている と考えることができる. i hodによる因子分析 を行な っ た, 算出され t l Tab e ,4 の 相 関 係 数 を も と に, 次 に は, centrod me l e 8 た因子負荷量を Succesivecentroid nethod で 修 正 し た も の が Tの‘ .5 で は ,5 で あ る, な お, Tab 相関係数算出不可能領域は除外してある, l そして, Ta b e .5で示された三つの因子をそれぞれ因子負荷量の大きい領域から順に並べ折れ線 Tab .5 修正前 およ び修正 後の因子負荷量 修. 正. 前. 修. 正. 後. I. 2. 3. I. 2. 3. 共通性. A. 暴力および破壊的行動. ,835. .118. ,195. ,888. ・001. ,226. ,865. B. 反社会的行動. ,872. ,336. .059. ,911. ,030. ,202. .953. C, 反抗的行動. ,989. ,982. ,616. ,772. ,537. .345. 1 .951. D, 目 閉 性. ,378. .357. ,846. ,517. ,791. .157. .993. E, 常同的行動と風変わりな癖. .278. ,160. .417. .281. .194. ,286. .526. H, 異常な習慣. .674. ,730. ,478. ,745. .671. .446. 1 ,103. 工, 自 傷 行 為. .865. ,194. ,225. ,877. .379. ・171. ,914. J. 過 動 傾 向. ,857. ,973. ,501. .959. .490. ,194. 1 ,492. K. 異常な性的行動. ,468. .647. ,158. ,502. .653. .341. ,814. L. 心理的障害. ,555. ,265. .490. ,564. ,287. ,900. ,786. 算出不能 F, 適切でない応対の仕方 G. 不1 央な言語的習慣 M, 薬物の使用 グ ラ フ で 図 示 し た の が F省.6, F省.7, F省.8 で あ る. ま た, こ の 図 示 に 伴 な っ て, 評 価 ごと の 推 i i g g 移を見たの が F ,7 と F省.ヱ0, g ,6 と F省.9, Fi g g .11 で あ る. し た が っ て, F ,10, Fi ,9, Fi. F i g .” がそ れぞれ対応す る .8 と F省 こ と に な る,. 1 ) 第1因子 について ( 第1 因子の章 意値負荷量を0 .8以 上とすると, 第1因子を構成す る有. 意な領域は 「過動傾向」「反社会的 行動」「自傷行為」「暴力および破壊. o D .自. 閉. 3. 4. 5. K . 異常な性的行動 C .反 抗 的 行 動 J ,過 動 傾 向 1 ,白 傷 行 為 L .心 理 的 傷 害 E , 常同的行動と風変わり な癖. したときに相関の高い不適応行動領. B . 反社 会的 行 為. 74. 2. H .異 常 な 習 慣. 的行動」 などの領域 が含まれる. こ れら前述の とおり, 相関係数を考慮 域と考 えられたものである.・因子負 荷量の大きさ からみると, 第1因子. i. 症. A . 暴力および破壊. I F g .7 第 2因子負 荷量. 6. 7. 8. 9. 1 0.
(10) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 はY児の不適応行動の中心をなすものと考える, このことは相関分析の結果からもうかがい知る こ と がで き る, 次 に F省,9 を参考にしながらこれらの領域における得点推移をみると,「過動傾向」 「自傷行為」 「暴力および破壊的行動」 の各領域が安定的であるのに対して, 「反社会的行動」 の 領域だけが劣性を示している. このことから, 第1因子は 「反社会的行動」 を中心とする不適応 行動の因子と呼ぶことができるだろう, (2). 第2 因子 につ いて. 第 2 因 子 の 有 意 値負 荷量 を. 0 ,6以上とすると, 第 2 因子を 構成する有意な領域は「目閉性」 「異常 な習慣」 「異常な性的行. L .心 理 的 障 害. 0. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 6. 7. 8. o 9 1. K ・異常な性的行動 E ・ 常同的行動と風変ゎりな癖. に F忽 ,” を 参 考 に しな がらこ. A . 暴カぉょび破壊的行動. れ らの 領 域 に お ける 得 点 推 移 を. B . 反社会的行動. みると, 「異常な習慣」 「異常な 性的行動」 の各領域が安定的で. J ,過 動 傾 向. 領 域 は 劣 性 で あ る. こ の こ と か ・. 2. 日 ,異常な習償 C ・反抗的 行動. 動」 な ど の 領 域 が 含 ま れ る, 次. あ る の に 対 し て, 「目 閉 性」 の. 1. ・ ,目 傷 行 為 D .自. 閉. 症 i F g .8 第 3因子負荷量. ら, 第2因子は 「目閉性」 を中心にする不適 0 応行動の因子, または 「異常習慣の因子」 と 5 5 ,9 施設 呼ぶこと ができるであろう. ただし, 症状と し て の Aut i sm と こ こ で 「目 閉 性」 と 呼 ば れ. 1. 2. 3. 4. 5. 9. 1 0. \ ) >. , 学校 5 5 ... るような呼び方とは区別が必要である, Au t ‐ i sm は 現 象 像 の 集 合 の 結 果 考 え 出 さ れ た, ひ 5 6 , 3 施設. とっの疾患名 であり, それは医学的見地に由 来するのに対して, ここでの 「目閉性」 は心 5 7 3 施設 理学的な要因を含むところの状態像をまとた ・. ′′ /. /. め と こ ろ の用 語 と して 使 わ れて い る, ( 3 ) 第3 因 子 につ い て 第 3 因 子 の 有 意 値 負 荷 量 を0 .6以 上 と す る と, 第 3 因 子 を 構 成 す る 有 意 な 領 域 は 「心 理 的 障害」 の 領 域 た だ ひ と つ で あ る, 次 に Fi g ,. J ・過 動 傾 向 B ・ 反社会的行動 1 .自 傷 行 為 A , 暴カぉょび破壊的行動 −−−−. 12 を参考に しな がら, この領域の得点推移. i F g .9 第1因子構成領域のテスト得点推移 をみると, 標準点で4を中心として変動しており, 安定性はみられない. この 「心理的障害」 の領域には, 0自分の能力を過大評価する傾向がある ○注 意を すな おにき かな い. 0欲求不満をうまく処理しない 0過度の注目や賞賛を求める 0被害意識が強い 75.
(11) . 亀畑. 義彦・大嶋 謙一. 0心気症的傾向がある 0その他情緒不安定の徴候がある などの項目が含まれている. Y児の場合はこれらの項目の中で, 特に, 0注意をすなおにきかない ○欲求不満をうまく処理しない 0その他情緒不安定の徴候がある などの項目が, いずれの評価時点 でもチェックされている, これらのことから, 第3因子は 「欲 求不満事態」 に対応する不適応行動の因子と考えることができる, o. i. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1 0. 0. ノ. 5 6 ,3. /. 1. 2. 3. 4. 5. 6. 7. 8. 9. 1 0. 施設. / \ 、 、. D .自. 閉. 症 、−−一一. H . 異 常 な 行 為 −−−− − − − − − − K − − . 異常な性的行動 …−. F i g.10 第2因子構成 領域のテス ト得点 推移. 5 7 1 学校 .1 L . 心理的障害. 一一一−−. i F g.11 第3因子構成領域のテス ト得点推移. 以上がY 児の不適応行動の分析である が, これらの結果を Y 児の パーソナリティ と関連さ せな ・因子と第3因子 は共通した要因が含まれていることに気づく..というのは 現 がら考えると, 第1 , 象と して Y児がこれらの因子を構成している不適応行動を表わす場面を観察していると, そこには フラス トレーショ ン事 態に対する適応の不十分さが共通にみられる. このことはY児自身がフラス トレーショ ン耐性に欠けていること, すなわち自己の心理的機制をよく操作する能力の欠如がうか がわれるのである. これはY児のパーソナリティ の発達遅滞に由来するものと考えられる, 他方, 「目閉性」 を中心とする第2因子について, この用語の範囲については共に述べたところ であるが, 従来考えられてきたAu i t sm の中心概念がこの 「目閉性」 であっ たことを考えるならば, .か いままで考察してきたとおり 「目閉性」 はY児の不適応行動の中心的因子とは考えられないこと ら, 「目閉性」 のみに焦点をあてた i t sm の概念については疑問を抱かざるをえない. ・Au Y 児は 「情緒的接触」 を持たないのではなく, 「情緒的接触」 の持ち方を知らないと言っ た方 が 当を得ているように考える, ただ 「目閉性」 という現象が, あまりにも非日常 的な行動であり, 他方,「反社会的・反抗的行動」 が日常的であるがゆえに, 日常 的な現象を捨象して, 特異性のある 「目閉性」 ということに過度の 視点をあてすぎたきらいはないであろうか. いずれにしてもY児の不適応行動 パー ソナリティ との関連で考察するとき, その未熟さを指摘せ ざるをえない, 他方, 認知能力については次に考察したい, 76.
(12) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 6. Y児の学習能力の分析 Y児の学習能力を分析するにあたって, 音声言語を多用する聴覚−音声回路の使用 が, Y児の場 合, きわめて不適切であるので, 主として視覚−運動回路を中心とし. た検査を用いて学習能力を分 析 した,. 使用した検査は 0 「日本版フロスティ ン グ視知覚発達検査」(DTVP) i i i i l dren 皿」 (CLAC−3) O 「CheckL tf t s cCh orAut s. SC−R知能検査法」(WI SC…R) 0 「日本版 WI 0 「ITPA言語学能力診断検査」(ITPA) などである, 以後, 各検査の名称についてはカ ッコで示された略号を用いることにする. Y児の学習能力の分析にあたって, 比較事例として, 本報告で既に触れた遅滞児の検査結果を用 い て い る.. Y児, 遅滞児とも WI SC‐R動作性知能指数は53である, またこの二人の子どもが学校 で指導され たのが昭和52年であり, 昭和54年には同じ学級 (3年生) , 指導を受け, 以後, 同じ学級で区年間 指導されている, Tの‘ 8 .6 は 「DTVP」 「CLAC‐3」. Tab ,6 視覚回 路 を利用 した学 習能力検査 MODEL. 「wlsC−R」 「ITPA」 で 検 査 に 用 い られ た下 位 領 域 の 一 覧 表 で あ る.. これらの検査を二名の子どもにすべ て 実 施 し た. Tab l e ,7 は Y 児の検査得点をもとに 各 検 査 間 の 相 関 を 求 め た も の で あ る, こ れ に よ る と Y 児 の 得 点 は各 検 査 間 で. DTV P D Tvp. CL AC c LA c− 3. ぐ I 視 覚 と運 動 ノ パ ,. ズ. 2 空 間 関 係 書. 帆 SC Wな 工S C−R. PA ITP A. ル 積 木 模 様 形 の 記 憶 字 組 み 合 せ 絵 さ が し. 3 空 間−位 置 多 少 判 断 符. 号 絵 の 理 解. 4 図 形 と 素 地 単色ブロック 絵 画 完 成 絵 の 類 推 5 形 の 恒 常 性 多色ブロック 絵 画 配 列 動 作 の 表 現. 非常に高い相関をもっ ていることが判 る, r物‘ 8 ,7 の 下 段 (M ) は 各 検 査 の 下 位 領 域,. Tab .7 検査MODELの相 関係 数. 得点の平均を検査年齢で示したもの, また (SD) は得 点 の 偏 差 を 年 齢 で 表 示 し た も の で あ る, l Tab e ,8 は各検査の下位領域得点 を, 二人の子 ど も に つ い て, そ れ ぞ れ検 査 年 齢 で 表 示 し, 比 較 し た も の で あ る,. 平均値. .. (M ) で 二 人 を 比 較 す る と, Y 児 は. D. c CLAc C. ISC W, w. , ITPA. 9 7 ,9. 2 5 ,9. 2 4 ,9. 8 4 ,8. 1 8 .9. C W. 9 ,89. M. 5:6. 4 3 4:3. SD s. 1:2 I:2. 0 1, ,o :. 1 1. 「DTvp」 で 劣 っ て い る が, 他 の 検 査 は す べ て. DTVP. 8:4. 6:7. 2:6. 2:I 2:1. 優性である. Tの彰 ,βの右欄は各検査の下位領域をある順序で並べ, それぞれ5つの領域をもつものにまとめ て, その平均値を考えたものであるが, この結果ではY児は1から3までは遅滞児よりも高いが,〉 4 と 5 に つ い て は遅 滞 児 よ り も 低く な っ て いる. T勘定,9 は こ の 5 つ の 領 域 を ま と め た そ れ ぞ れ に つ い て, Y 児 の得 点 に よ る 相 関 を 考 え た も の で. あるが, この結果によると, 1から4までは高い相関を示すが, 5 に つ い て は相 関 が低 い. 従 っ て, 下位領域を組み替えた検査モ デルでは1から4までは同類の能力を見るために役立てうるが, 5 に つ い て は多 少 異 な っ た 能 力 を 示 して い る も の と 考 え ら れ る, い ま こ の モ デ ル につ い て, 「DTVA」 77.
(13) . . 亀畑. 義彦・大嶋 謙一. Ta b .8 視覚回路を利用した学習能力検査モデルの目閉児と遅滞児の比較 DTVP. ISC−R W r. CLAC−3. M. ITPA. 目閉児. 遅滞児. 目閉児. 遅滞児. 目閉児. 遅滞児. 目閉児. 遅滞児. 目閉児. 遅滞児. 1. 8一0. 9一4. 4一 6. 4一6. 10一10. 6一6. 7 一5. 4一5. 7 一7. 6一 2. 2. 7一4. 9一 6. 5一 9. 5一 9. 11一10. 7一2. 9一8. 5一8. 8 一7. 6一 4. 3. 5一8. 5一 1. 4一 6. 4一 0. 7 一10. 5 一10. 8 一11. 5 一11. 6 一6. 4ー 0. 4. 5一8. 8一2. 4一 6. 4一 6. 7一2. 5一6. 5 一4. 5一4. 5一7. 6一 2. 5. 3一6. 4 一11. 4一 6. 5一 9. 4一6. 4一6. 3 一11. 4 一11. 3 一10. 4−9. M. 6 −0. 8一9. 4一 9. 4一0. 8一5. 5 一11. 6一6. 5 −6. 4− 6 3 WISC−R CA:1 目閉児 PIQ 5 1− 8 遅滞児 PIQ 53 WISC−R CA:1. Tab .9 目閉児の検査モ デル項目間の相 関係数. SC 「CLAC−3」 「WI −R」 「ITPA」 の参考. I 1. 書, 手 引 書 な ど を も と に, 主 に 「ITPA」 の モ デ ル に よ っ て 組 み 替 え た も の を r肋彰.. I 1. m に 掲 げ た,. ル に 合 致 しう る か,ま た は,. 記 憶 能 力 構 成 能 力. い る パ タ ー ン, ま た は ル ー. E 牽 努 努 牽 自 動 水 準 自 動 水 準 表 象 水 準 表 象 水 準 表 象 水 準. 刺 激 がいま ま で入力 さ れて. ,746. ,735. ,998. .016. ,905. ・ 917 ,. ,051. 9 ,69. − 310 , ,165. 10 検査 MODELの下位 項目と検査する能力 . , Tab. 「記 憶 能 力」 と は, 主 と し. ば, 環 境 か ら の 刺 激 事 象 を 感 覚 装 置 に 記 憶 さ せ, そ の. 5. 4 4. は 「自動水準」 とは, 習慣的に形成された 言語水準であると説明している. この中で. 役 割 は, 認 知 心 理 学 に よ れ. 4. 3. 理学との関係 で説明すると, 「ITPA」 で. い る, こ の 短 期 記 憶 能 力 の. 3. 2. こ の モ デ ル を 「ITPA」 の 理 論 と 認 知 心. て短期記憶能力を意味して. 2. 下位 項 目. 検 検. 査 査. す す. る る. 旨 台 能. 児覚 一 自 記 ネ 視 − 運動 ぐ ご ・拓 ズ ≧力 ン 多態 冥は1屋台 ノ レ ・形態は握 パ ル ≧ ヵ 動 憶 ノ. 真 木 お 莫 様 ・見通し能力 水 能 奉 積 模 主意集中の持続 多 の 記 ・ 億‘ ・注意集中の持統能ヵ E能力 準 ヵ 茄 憶 ・* 形 ・音B分 と 全ず本と の 関 係 は1屋能 力 係 系 ・部分と全体との関係は握能力 自 機 空 間 関 す. 動 成 書 水. 能 糸 組. 字 ・見通しと構成の能力 .見通しと構成の能力 み. 合. せ. 育旨力 ・ 形態 形態 冥 斤 斤能力 , 不莫様 の 分希. ぎ し .不完全な記号を完全にとらぇる能力 会 さ 力 が ・ 不 完 全な言己号を 完 全 にと ら える育E力 絵 準 力 糸 ・ 知づ 立 置 ・知覚 党, 弁明 =の 速 さと正三 弁別の速さと正確さ 石寵さ 位 一f 表 受 空間−. か 否 か を 問 う, 再 認 ま た は. 、 半 ・ネ り 断 ・視覚記号の意味を理解する能力 見覚環己号 の 意 味 を1 塑解 する育g力 象 容 多 少 判 車 唆判断力 水 能 符 号 ・名義,i 順序, 間隔などの比 間隔などの比較判断力. 次 に 「自 動 水 準」 の 中 で の 「構 成 能 力」 と は, 認 知 ・短 期 記 憶 心 理 学 に よ れ ば, . の 中 に は いっ た 刺 激 事 象 が, 入 力 さ れ て い る パ タ ー ン, ま た は, ル ー ル に 合 致 し う る か, ま た は, 基 礎 的. 容 能 力 連 合 能 力 表 現 能 力. 基礎的な概念で説明できる 弁 別 の 仕 事 と さ れ て い る.. 陰 の 王 里 角 牟・・ 解 準 力 余 絵 理 ・本 :質音影分の調吃別 能 力 地 也 ・本質部分の識別能力 表 達 図 形 と 素± ・ 知 覚÷の 変化 に☆寸す る☆寸 ′ 志 象 合 単 色 ブロ ッ ク .知覚の変化に対する対応能力 ・能 力 ・ ふけ る 能 力 ・ネ 児質臨調概念 を意味 陰 画 完 成 .視覚的概念を意味をなすょぅに関係づ 絵 水 能 糸 、をな す よ う に関 係 つt 力 糸 会 の 類 推 . ・ 生 ・全体的事態の理解 多のす 亘 常 だ 性 表 本的事態 冥の理解 ・全ず 恒 表 叛 形 準. ヰロ ッ ク ・判断 ・半曲折 適 応有8力 ブロ 象 現 多色フ , 適応能ヵ 金 画 酉 窓以言己 t 号の弁明蛸邑力 己 列 ・寿 類似記号の弁別能力 水 能 ネ 絵 配. 乍の 表王 現 ・考ぇを動作で表現 乍で表王 現す る能力 する能力 作 現 ・ 考 え を動f な 概 念 で 説 明 が可 能 と な っ , 準 力 動 f. 78. 力. ′憶能 力, 分析能ヵ ・言己 分ホ 斤育を力 ・記憶能ヵ.
(14) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 な プロ グラムを構 た時, われわれが 「意識」 と呼んでいる ものに粗雑にコー ディ ン グされ, 能動的 成する実割りを果たすと説明されている, l i 「気象水準」 と 「受容」 「連合」 「表現」 の各能力につ いて, B rme nと N.OConner は以下 ,He の よう に ま と め て い る,. 「表象の レベルでは, 検査は媒介活動や, 意味の理解, 言語象徴に関するものである, 受容化過 程は言語刺激から最終的に意味を得るのに要した習慣の統計, 連合過程は言語象徴を内的に扱う のに要した習慣の統計, 表現過程は自己を, ことばや身振りで最終的に表現するのに要した習慣 の統計である,」 認知心理学では, これらを長期記憶と動作記憶過程の分析で説明している. 長期記憶とは, 行動の選択にあたっ て, それまで蓄積されていた知識・技術・価値な どと刺激と の対応を考え, 動作記憶過程では, 行動表出にあたっ ての状況の設定, 日常的文脈, 学習習慣など を考える, これら二つの過程が相互に連動することによって, ある行動が選択され, 表現される, 従って, 広義の認知能力とは, 短期記憶, 長期記憶, 動作記憶の全体を含む能力として理解され る. こ の こ と は, M,Ru i t t e rの 「知る (know ng) という精神力, つまり, 環境や自己内部からの情. 報を入手 し, 蓄積し, 処理していく大脳の働きで, おおまかに言え ば, 知覚・学習・注意・記憶・ 判断・思考などの諸過程をひっくるめる総括的な概念」 としての 「認知能力」 の説明と内容をひと つ に する も の で あ る,. 1のZ 以上, 「認知能力」 の概略的説明をまとめて箇条にしたものが7 β ,の の 「検査をする能力」 で ある, 「DTVP」 「CLAC‐ SC…R」 「ITPA」 の各下位領域得点をこのモデルにして集計した 3」 「WI の が Tab l e ,8 で あ っ た. l Tab e .8 を 折 れ 線 グ ラ フ で 示 し た の が F省,ヱ2 で あ る,. この図によると, Y児は自動水準の中で受容能力は遅滞児に優っているが, 表象水準の中での連 合能力, および, 表現能力は劣っている, 先 の B,He l i rの説明によれば, 連合能力とは言語象徴の内的操作能力であり, rme e nと N,OConn 「本質的部分の識別能力」 および 「概念を意味するように関係づける能力」 を表わすとしている. 諸能力の特徴をまとめてみると, Y児の優位な能力は, 0記憶・分析能力 0形態把握能力 0見通しの能力 0短期的な注意集中の持読能力 0部分と全体との関係把握能力 0見通しと構成の能力 0形態・模様の分析能力 0不完全な記号を完全にとらえる能力 さと正確さ 0知覚・弁別の速・ 0視覚記号の意味を理解する能力 0名義・断序・間隔などの比較判断能力 など, 主として機械的な操作能力を中心とするものである. 逆にY児の劣位な為力は 0本質部分の識別能力 79.
(15) . 亀畑. 義彦・大嶋. 謙一. 0知覚の変化に対する対応能力 0視覚的概念を意味をなすように関係づ ける能力 0全体的事態の理解 ○判断・適応能力 ○類似記号の弁別能力 ○考えを動作 で表現する能力 など, 主として関係的な操作能力を中心とするものである. 自動水準−記憶能力. o. i. 2. 3 4. 5. 6. 7. 8. 4 1 2 1 3 1 5 o l l i 9 l. ACE. 自動水準−構成能力. 表象水準−受容能力. 表象水準−連合能力. 表象水準−表現能力. 目閉児一一一一一 − −−−−ー 遅滞児ャ−. i F g ,12 検査モデルによる目閉児と遅滞児の得点推移比較. 7. おわりにかえて . r .. これまで, 早期小児自閉症 (Eea l i i l ant r e Aut sm ) と 診 断 さ れ た 1 事 例 に つし て, 遅滞児を ylnf 比較事例と しながら, 社会生活能力・バーン・ ナリティ, 学習能力などを主として検査の結果から考 察してきた. その結果, Y児の特徴を総括してみると, 0知的能力より社会生活能力が劣っており, 脳損傷または脳器質の障害が疑われること. 0 フ ラ ス ト レー シ ョ ン 耐 性 の 弱 さ に み ら れ る パ ー ソ ナ リ テ ィ の 発 達 遅 滞 が考 え ら れ る こ と ・ .. 0関係概念を操作する認知能力 が特に劣っていること. の 三 点 に ま と め ら れ る,. これらの要因が相互に負荷をみつことによっ て, Y児の行動, ひいて は・「自閉症児」 の行動を複 雑 に して いる の で はな か ろ う か.. 今回は共時的な視点を中心に考察を進めたが, 今後は通時白雪な視察を考慮. しならがら, 長期間の 観察の中で, 自閉症の原基的要因を追求していきたいと考える, また本論では 「言語障害説」 を考えに入れた考察が不十分であっ たことを反省している. 今後に残された課題である.. r. .. 80.
(16) . 自閉症児の適応行動と学習能力の分析 参考文献. 1. B.He l i rme r 「自閉症の知覚」 平井.・佐藤訳1977 岩崎学術出版 n&N ,OConne le 2」 Gesse l t 「新発達診断学 3edj 新井清三郎訳 1974 日本小児医事出版. 3, 平丘信義 「小児自閉症」1972 日本小児医事出版 4, 山崎晃資 ミ自閉症児の問題行動の理解と指導ミ 発達障害研究 1983 第5巻第1号 5. 久保田正人 自閉症児と知覚障害ミ 発達障害研究 1982 第4巻第1号 6., 角本順次 ミ認知 障害の訪断法をめぐる検討ミ 発達障害研究 1982 第4巻第1号 精神医学 1981 23一1 7. 栗田・清水・太田 ミ自閉症児における精神運動発達の特徴 (その1) 精神医学 1981 23一5 8, 栗田・清水 ミ自閉症児における精神運動の特徴 (その2) 自閉症の治療と指導ミ 発達障害研究 19 83 第5巻第1号 9. 太田昌孝 障害者問題研究 1980 23号 自閉症の概念と診断 1 0 −一−− 臨床精神医学 1978 7号 1 1 自閉症の認知障害 , −−−− ミ自閉症児の言語障害に関する神経心理学的考察ミ 障害者問題研究 1979 18号 12 , 大井 学 児童期自閉症の言語発達障害説についてミ 児童精神医学とその近接領域 1972 13一5 13 , 高木隆郎 ミ自閉症の発達にともなう諸問題 14 児童精神医学とその近接領域 1972 13一4 十亀・奥宮 , 児童精神医学とその近接領域 15 小津論文− <幼児自閉症の再検討〉 の自己批判的再検討 , 小津 勲 −1 1972 13−. ミ自 閉 症児 の福祉 に関する研究 (3) 自閉症児の予後調査 16 日本総合愛育研究紀要 , 高橋・野田 1976 第11集 17 自閉症の障害と治療ぐ 障害者問題研究 1979 18号 . 佐々木正美 18 , 牧田清志 「目閉児の教育」1971 岩崎学術出版 19 , 中根 晃 「自閉症研究」 1982 金剛出版 20 , フロステイ グ 「日本版フロステイ グ視知覚発達検査手引」 飯鉢・鈴木・茂木共訳 1977 日本文化. 科学社 2 1 . フロステイ グ 「視知覚能力促進法」1977 日本文化科学社 i k 「ITPA による学習能力 障害の診断と治療」 22 k& W,D,Ki r r , S .A,K. 三木・上野・越智共訳 1974. 日本文化科学社 旭出学園教育研究所 「ITPA の理論とその活用」 1975 日本文化科学社 SC‐R知能検査法」 1978 日本文化科学社 児玉・品川・茂木 「日本版 WI 全日本計殊教育連盟 「現代精神薄弱講座3心理」 1973 日本文化科学社 冨安・村上e t 「適応行動尺度手引」 1972 日本文化科学社 ビアジュ 「知能の心理学」 波多野・滝沢共訳 196 7 みすず書房 75 紀伊国屋書店 D.○,ヘッ ブ 「行動学入門」 3ed 白井訳 19 吉田正昭 ミ知能の因子分析ミ サイコロジー 1980 No4 imme SC の臨床的解釈」 宮本訳 1978 日本文化科学社 A 1 rman 「WI ss r&1 a e .j .G ,L ,Z 31 l den&S r son 「学習障害の子どもたち」 八田訳 1982 ミネルヴァ書房 , CJ,Go .Ande 32 . 隠岐忠彦 「心を閉した子どもたち」1978 ミネル ヴァ書房 3 3 . H,ティ ンバーゲン 「自閉症 文明社会への動物行動学的ア プローチ」 田口訳 1978 新書館. 23 , 24 , 25 , 26 , 27 . 28 , 29 , 30 ,. i i f i i hePa hogenec i fAut i 34 t t t t ve De c si nt so sm」 1982 er 「Cogn . M.Rut i l i i l f h C h d」 1 i 35 D B 1 i d &1 B W 「D 978John We k t t r m n e n e e v e o e n o e p y , , , . i IMegurment」 1970 McGraw【Hi l 1 i l l l t 36 roduc ont oPoycho ca r 「l nt og y .J ,C,Nunna ,j l l i l hed」 1970 McGraw−Hi l 1 t 37 ey 「Bas cPvycho ogy4 agner & C. M,So , R,St ” i i i i l dren Goi fSoc i I 38 t t t r can Aut s c ch n Ma ers o a gez & B. Ashenden l972 Haw Fa . L . Kanner , A, Rodr ” h i i 2 1 i l d dS h h fA i d h Adapt i ? t t J o o c r e n a u s m n z o ‐ n o a c ao p , ’ ’J ofAu i i i l i i i dered i i l dhoodSch 39 dhoodSch t t zopren a2−4 zopren a Recons smandCh erl972“Ch . , M,Rut “ i f f 【 l l l l i i 40 l l t t te t Aut t t rded and Norma s c r er l976 Di erences Bhtween M en a a n ak & M, Rut gen y Ret yl , L . Ba i i i l dhoodsch i i l dren“J zopren ch sm andch a6‐2 ,ofAut l i fl f i l i l i l i i l 41 i ll972”The Re dhoodSch t t t a ono n an e Au sm andEea r ato Deve opmen ‐ ch zopren y Ch , D, W,CHur i i l i der fch i l hood“} fA d h d h dS h ILanguage Di t t r so o u s m a n c o o c z o e n l a a sor p , . ” i i i i i i i l dreが J i i l dhoodSch 42 t t ‐ zop on on Commun ca onand Aut st cch sm and ch , M,Crhakl972 Renec .ofAut 81.
(17) . 亀畑. 義彦・大嶋 謙一. ren l a , ” i i l IPr i i i i t t t tyi t t 43 t v n Norma s cand ac cesandlnna e Ac us &J . M.Denyer .A.Nortonl972 Parenta ,Au ,い.Pon , h i l d h dS h i fA i d Bra i t t r e n l a n c o o c z o u s m a n −Danagedlnf an s”J o p , . ” t i i i lch i i i l l dren“J i t 45 t r zophren c cSnbnorma s c a oni n Aut ysch . . M,Dymyer , Ea ,and Non‐Psychot ,etl972 lmi i l dboodsch i i fAu i t zophren a2‐3 o s ・ nandch , 、 i “ fAu i i i l dreぜ’j i l dhood Sch i l l i t t 46 s cch s l m and ch ‐ e gence o , of Aut , The Measuredlnt . M, Demyer , etl974 i zophren a4÷1. (亀畑 義彦 本学教授 旭川分校・大嶋 謙一 北海道手稲養護学校教諭・兵庫教育大学大学院 修 士 課 程 一 年). 82.
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