−J−
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理
に関する一考察
一現地適用と現地適応の視点から−
井 上 信1一
ⅠはじめにⅠⅠ在米日系企業の経営環境と経営活動ⅠⅠⅠ在米日系企業の 原価管理実践ⅠⅤ在米日系企業の管理会計実践 Ⅴ結びに代えて Ⅰ はじめに一研究の意図とその限定 わが国企業のグローバル展開は,1985年のプラザ合意により急速に進展し, 新しい段階を迎えたことは周知の事実である。その後急速な円高傾向を背景に, 日本企業の海外展開,とりわけ北アメリカとアジア諸国へ,輸送用機械器具及 び電気機械製造業のような業種を中心に,製造活動の海外展開が急速に進んだ ことは注目に催する。その大きな理由は,米国経済が世界経済の中心的な地位 を占めていることと共に,日本社会,政治,経済のあらゆる面で,米国との関 係が最も重要視されているためである。またアジア諸国への海外展開は,製造 ベースとしての重要性の増大などが大きな理由であると思われる。 本稿の目的は,このような日本企業の海外展開の背景を意識しながら,アメ リカ合衆国へ進出した日系製造企業の経営環境と管理会計・原価管理活動にお いてどの程度ローカル化してきているか,アメリカへ進出した日系製造企業の 現地適用と現地適応という視点から明らかにすることにある。より具体的には, 経営活動,管理会計・原価管理活動のどのような面で,日本の親企業での実践 を導入(現地適用)し,またどのような経営活動は現地への同化(現地適応) を行っているのかの検討を通じて,日系製造企業の米国社会,経済へのローカ ル化(新しいハイブリッド型の誕生)を究明することを意図している。 ここで利用されている調査データは,1995年から1996年に掛けて行った郵一之− 香川大学経済学部 研究年季艮 38 エ99β 送調査を中心に,1997年から1998年に掛けて行った日系企業への面接調査で の経営者からのヒアリングをも加味する方法をとっている。また調査データの 分析方法は,在米日系製造企業がどの程度研究開発(製品企画,研究開発(狭 義),設計活動)をローカルに行っているかということを分析のキーとして,進 出年,経営規模,経営人事,部品調達などの要因をも考慮に入れながら,在米 日系製造企業のロ1−カル化の特徴を明らかにすることを意図している。 本稿の構成は,第ⅠⅠ節で在米日系企業の経営環境と経営活動の概要を,第ⅠⅠⅠ 節で在米日系企業の原価管理実践の実態と特徴を,そして第ⅠⅤ節で在米日系企 業の管理会計実践の実態とその特徴を明らかにし,第Ⅴ節でそれぞれの特徴を 整理し,まとめとする。 なお本稿で用いる在米日系製造企業への郵送調査は,1995年から1996年に 掛けて行われ,郵送企業424社のうち142社から回答があった。従って回収率 は34い89%であると) ⅠⅠ在米日系企業の経営環境と経営活動 この節では,日系製造企業の米国への進出目的,経営規模,経営職能のロー カル化(日本的経営実践,経営職能のインサイダー化),経営人事のローカル化, 製品ライフサイクルと製品構成の変化,研究開発のローカル化,製造職能(広 義)のローカル化,生産システムのローカル化,原材料・部品調達のロ1−カル 化の現状と課題について,現地適用と現地適応という視点から,調査データを もとに検討■する。 ⅠⅠ−1 アメリカ進出の目的 まず最初に,日系製造企業のアメリカ進出の目的を,表2−1により考察す る。全体的には,日系製造企業のアメリカ進出の目的は,巨大な人口と購買力 を擁している世界最大の市場であるアメリカ市場の確保であり,そのスコアは 1)なお郵送調査の詳細と回答企業の全般的概要は,付録一1及び付録−2のとおりであ る。また本稿構成の背景になっており,また本稿でも一部利用している在米日系企業への 面接調査は,1997年9月から1998年3月に掛けて行ったものである。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管軌こ関する一考察 −ふ− 3点滴点の2..48点になっている。これは最も大きな数字であり,またそれ以外 の数字と比べても圧倒的に重要視されていることがわかる。これは,研究開発 型企業(製品企画,研究開発(狭義),設計部門のうち,最低いずれか一つの部 門が在米日系企業にある企業をいう)でも製造販売型企業(前述の研究開発(広 義)のうち,いずれの部門もない在米日系企業のことをいう)でも同様にいえ るが,些か研究開発型の企業にその傾向が強くなっている。 次に多い進出の目的は,貿易摩擦の解消であり,製造業全体で0..96点である。 研究開発型と製造販売型との間では,この場合にも,研究開発型企業のスコア が些か高くなっている。 第3に大きなスコアは,原材料・部品の調達(全体では0一.40点)であり,こ れは製造販売型企業の場合に,より当てはまるようである。 上記以外で,ある程度数字が高いのは,産業基盤(インフラ)の整備(0..32 表2−1 米国進出の目的 進出の目的 研究開発型 製造販売塾 全 体 1)市場の確保 2)貿易摩擦の解消 3)原材料・部品の調達 4)産業基盤(インフラ)の整備 5)人材(労働力)の確保 6)研究開発拠点 251 101 27 37 30 29 2。38 2.48 .88 .96 .68 .40 .22 …32 .15 .25 .05 .21 .22 .20 ..10 08 .57 ‖60 7)政府・地元のサボ・−ト(補助を含めて)体制 18 8)政治的安定 07 9)その他 61 合計 94 40 139 *)その他(n=5)。ここでの得点は,以下のように計算した。最も重要な項目→3点,第2位→2 点,第3位→1点として,回答企業の合計点を集計し,それを回答企業数で割って,1社あたりの 平均値を計算した。 なお「研究開発型」と「製造販売型」の合計は,必ずしも「全体」の数値とは−・致しな い。その理由は,上記いずれのタイプにも分類できない(調査票の間18のこの項月が無記 入のため)企業が−・部あるためである。(以下同様。)
香川大学経済学部 研究年報 38 −4− ユ9% 点),人材(労働力)の確保(0‖25点)や研究開発拠点(0…21点)としての進 出であり,これらの事項は,研究開発型企業の場合に高いのが特徴である。 以上のように,日系製造企業の米国への進出も,基本的には市場の確保が中 心目的であり,それに加えて北アメリカ地域の特性が加味されているといえる。 ⅠⅠ−2 経営規模の概要 ここでは,在米日系製造企業の経営規模の・一・端を,表2−2と表2−3によ り吟味してみる。まず最初に,在米日系製造企業への日本の親企業よりの出資 比率を,表2−2により考察する。 日系企業の出資形態で特徴的なのは,日本の親企業(在米日系企業による間 接所有も含む)が100%全額出資している企業が,全体で66..43%を占めてい ることである。とりわけそのことは研究開発型企業にいえることで,そこでは 74..74%と全体の3/4は日本の親企業が100%出資の海外子会社である。 また日本の親企業が75%以上を出資している企業も,全体で17小86%を占 め,それは製造販売型の企業に多くなっている。また50%以上75%未満とい う企業も,全体で11..43%あり,これも製造販売型の企業で多くなっているの が特徴である。最後に,日本の親企業の出資比率が50%未満である企業は,研 究開発型企業に一部みられるにすぎない。 表2−2 日本の親企業の出資比率 出資比率 研究開発型 製造販売型 全 体 1)50%未満 2)75%未満 3)100%未満 4)100% 5(526%) 0( 0%) 8(4.29%) 6(6.32) 10(2500) 16(11.43) 13(13“68) 10(25.00) 25(17.86) 71(74.74) 20(50−00) 93(66,43) 合計 95 40 140 次に,在米日系製造企業の経営規模の概要を,表2−3により一層する。ま ず資本金は,全体では1社平均で6,309万ドルであり,研究開発型と製造販売 型企業の間で,ほとんど差異がみられない。また資本金のうち,日本の親企業
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 表2−3 経営規模の概要(平均値) −5− 経営規模 研究開発型 製造販売型 全 体 N 1)資本金($:万ドル) 内日本親会社出資比率(%) 2)売上高($:万ドル) 内米国外への輸出比率(%) 3)従業員数(人) 内日本人数(人) 6,495 6,446 6,309 91“28 8690 89..76 37,491 21,793 32,016 13.93 17.70 14“83 893 554 776 17.64 14.38 16…32 139 140 138 92 140 140 の出資比率は,製造業全体の平均で89..76%である。タイプ別には,研究開発 型で91…28%を占め,製造販売塾では86..90%と,研究開発型企業の親企業の 出資比率が5%近く高くなっている。 次に売上高については,全体での1社平均は,32,016万ドルである。タイプ
別には,研究開発型企業は37,491万ドルであるが,製造販売塑の企業では
21,793万ドルと,研究開発型の企業の売上高規模が製造販売型企業の1.72倍 になっている。また米国以外への輸出比率は,全体で14.83%とそれほど大き な数字ではなく,国内市場の大きさを物語っている。そして研究開発型企業で は13..93%,製造販売型で17..70%と,製造販売型企業のその比率が幾分高く なっている。 最後に,従業員数は,在米日系製造企業(全体)の1祉平均は776人である。 研究開発型企業で893人,製造販売型企業で554人と,研究開発型の場合の従 業員数が大きく,製造販売型の1..6倍程度になっている。また従業員総数に占 める日本人は,全体では1社平均16り32人である。研究開発型企業では17..64人 であるが,製造販売型企業では14..38人と,研究開発型企業では,研究開発(製 品企画,R&D(狭義)や設計)活動に従事する日本人が多い分だけ,日本人 の人数が多くなっている。 ⅠⅠ−3 経営職能のローカル化 ここでは,在米日系製造企業の経営職能のローカ/レ化を,日本的経営実践とエ9鎚∼ 香川大学経済学部 研究年報 38 −6− 経営職能のインサイダー化(それらの経営職能がどの程度米国の子会社で意思
決定され実践されているか)の面から検討する。
1)日本的経営の実践まず最初に,下記の表に示されるような経営活軌いわゆる「日本的経営」
がどの程度実践されているか,表2−4により考察する。
日系企業全体としては,最も多く実践されているのは,駐車場,ロツか−,
食堂などを,すべての従業員が平等に利用できる,いわゆる平等主義の実践が
最も高く,41.57点と殆どの企業で行われている。平等主義以外では,5S運動
(清潔,整理,躾,掃除,整頓)は3..92点(第2位)を占め,また現場主義が
3..65点(3位)を占めている。第4位以下は,制服の着用(3い34点,4位),
表2−4 日本的経営の実践 研究開発型 製造販売型 全 体 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 平均値 標準偏差 レ ベ ル 4い52 89 462 81 4..57 85 393 4.00 4け00 1.26 3.92 1.15 3て1 1“00 3.55 1‖22 3.65 1‥07 3.20 1.59 3.69 153 3.34 1.58 3“31 1.24 3,22 1.39 327 1.26 3“17 1.13 317 1..20 3.19 1日15 3.03 1‖52 3.18 1.54 3..11 1.52 3.01 109 3..05 98 3.03 1.05 2.69 1.65 367 146 2.94 1.64 2“71 114 2.82 1り34 2‖72 1‥18 1.93 98 210 1..12 2。.02 1.06 1.79 92 205 1…15 1.89 99 1)平等主義 2)5S運動 3)現場主義 4)制服(標準服)の着用 5)QCサークルと提案制度 6)多能工の養成 7)大部屋主義 8)集団的な意思決定 9)ノー・レイオフ 10)ジョブ・ローテーション 11)年功賃金制度 12)年功昇進制度 *)なお表中の数字は,全く実施していない→1点,1…,ある程度実施している→3点,… 税極的/全面的に実施している→5点として,回答企業の合計点を出し,それを回答企業数で割っ て1社当たりの平均値を界出した。 **)研究開発型(n=95),製造販売型(n=40),その他(n=5)。在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 一声−
QCサークルと提案制度(3..27点,5位),多能工の養成(3..19点,第6位),
大部屋主義(3“11点,7位),集団的な意志決定(3..03点,8位)は,いずれ
も3点(ある程度実施している)以上であり,在米日系企業の工場ではある程
度実践されている。あまり実践されていない(3点未満)のは,ノー・レイオ
フ(2..94点,9位),ジョブ・ローテーション(2…72点,10位)である。また
日本的経営の典型といわれてきた年功賃金制度(2..02点,11位)や年功昇進制
度(1..89点,12位)は2点前後であり,ほとんど実践されているとは言い難い
数値である。日本的経営の実践レベルは,全体的には,製造販売型の企業が研究開発型の
企業よりも幾分実践レベルが高くなっている。とりわけ両者の間のスコアのギ
ャップが大きいのは,制服の着用やノー・レイオフなどであり,何れも製造販
売型企業の実践レベルが高くなっている。 2)経営職能のインサイダー化ここでは,在米日系製造企業の経営職能のインサイダー化のレベルを,表2
−5により検討する。すなわちどのような経営職能が,どの程度在米日系製造
企業で自主的に計画し実践されているかを明らかにする。
まず全体的には,在米日系企業において意志決定と共に実践されている(ロ
ーカル化)レベルの高い経営職能は,高い順に,人事活動(ローカルズ)(4..93
点,1位),製造活動(4..62点,2位),アフターサービス活動(4..62点,2位),
購買活動(4..59点,4位),販売活動(4…43点,5位),財務活動(運転資金)
(4..40点,6位)などの経営職能であり,ほとんどの意思決定及び経営活動を
米国の日系企業で行っているといえる。それ以外に,4点台にある経営職能は,
マーケテイング活動(4..20点,7位),企業文化(CI)・価値観の形成(4“01点,
8位)であり,これら活動もローカル化のレベルが高いといえる。また財務活
動(設備投資資金)については,3..62点(9位)で,米国の子会社と日本の親
企業との間で相談(交渉)しながら進めているレベルにあるといえる。
相対的に,ローカル化の進展していない経営職能,すなわち日本の親企業に
意思決定権限が集中(留保)されているのは,研究開発活動(広義)と日本人
の人事である。研究開発活動については,製品企画,研究開発(狭義)及び設
エ99β 香川大学経済学部 研究年報 38 −β− 計活動を含んでいるが,そのうちでは,比較的ローカル化が進んでいるのが製 品企画(3..04点,10位)である。これは,製品を販売する現地のニーズを充分 に取り入れる必要があり,米国の販売会社(あるいは販売部門)に製品企画部 門を持ち,そこを通じてアメリカの消費者のニーズをくみ取り,現地の開発部 隊あるいは日本の開発,設計部門に情報をフィードバックする必要性が高いた めである。次にロ、−カル化のレベルが高いのは,設計活動(2.91点,11位)で あり,これも基本的な製品コンセプトや設計は日本で行うとしても,米国の安 全基準や仕様基準にあうようにマイナー・チェンジをする必要性が高いためで ある。それに対して,研究開発(狭義)(2..40,13位)は,最もローカル化がな されていない経営職能であり,これは企業の擁する研究開発要員の稀少性のた 表2−5 経営職能のインサイダー化のレベル 経営活動 研究開発型 製造販売塾 全体 N 1)人事活動(ロ1−カルズ) 2)製造活動 3)アフターサ1−ビス括動 4)購買活動 5)販売活動 6)財務活動(運転資金) 7)マーケテイング活動 8)企業文化(CI)・価値観の形成 9)財務活動(設備投資資金) 10)製品企画活動 11)設計活動 12)人事活動(日本人) 13)研究開発活動(狭義) 4。93 139 4‖62 140 4.62 132 4‖59 140 4.43 136 4‖40 139 4‖20 136 4‖01 136 3‖62 138 3‖04 136 2.91 131 2.47 139 2‖40 130 4い94 4“90 464 4“60 4て3 4“36 4.63 4。45 4.58 4.08 4.37 4.45 4.34 3.90 4.02 3.97 3.57 3。70 3.23 2.61 3.21 2.11 2.49 2。50 2.54 2.09 *)その他(n=5)。表中のスコアは,1点→「全面的に日本の親企業が行っている」, ,3点→ 両者の中間(日本の親企業と在米日系企業が役割分担して行っている)」, ,5点→「全面的に 在米日系企業が行っている」として,合計点をだし,回答企業数で割って,1社あたりの平均点を 計算した。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管軌こ関する一考察 −.9− め,グロ・−パルに分散するよりも,日本に集中することのメリットが少なくと も現時点では高いためである。1997年から1998年に掛けての在米日系企業へ の面接調査でも,研究開発職能をある程度までロ・−カル化を進めている企業も ー部みられたが,現段階では集中化のメリットの方が全体的にはより高いよう である。 最後に,人事活動(日本人)の場合は(2..47点,12位)と,これもローカル 化のレベルはあまり進んでいるとはいえない。これも,日本の親企業が,グロ ーバルな視点から,とりわけ日本人,なかでもトップ経営者(社長),技術者, 経理部長などを,日本の親企業の立場(グローバルな視点)から,最適な配置 をする必要性がある。それは,日本の製品別の事業本部の視点から,最適な人 事配置をする必要性が高いためである。 次に,研究開発型と製造販売型の間のタイプ別の相違点を検討してみる。製 品企画,研究開発(狭義),設計活動(研究開発活動(広義))を除いては,両 者の間に大きな相違はみられない。ただ研究開発(広義)だけは,当然のこと ながら,研究開発型企業のインサイダー化のレベルが遥かに高く,とりわけ製 品企画と設計活動の場合にそのことが当てはまる。 ⅠⅠ−4 経営人事のローカル化 ここでは,経営人事のローカル化を,取締役会,社長,経理部長,人事部長 のポストを,日本あるいはアメリカのいずれの国寿の経営者が占めているかと いう面より,在米日系製造企業における経営人事のロ、−カル化を考察する。 1)取締役会の構成 まず最初に,取締役会の構成とロ、−カル化のレベルについて,表2−6によ 表2−8 二晩締役会の構成(平均値) 取 締 役 研究開発型 製造販売型 全 体 1)取締役会の人数(人) 5.錮 5.82 5.94 2)内日本人数(人) 4.62 4.68 4.61 *)研究開発型(n=94),製造販売型(n=40),その他(n=5)。
香川大学経済学部 研究年報 38 エ9≦夷9 −ヱクー り考察する。表からもわかるとおり,在米日系製造企業の取締役会の構成は, 1社平均で5..94人である。また研究開発型の企業と製造販売型の人数構成は, ほぼよく似た数字になっている。 次に,取締役会に占める日本人の割合は,製造業全体では4…61人と,取締役 数全体の77..6%を日本人が占めている。全体的には,人事部長を米国人が占め, それ以外のポストを日本人が占めているというケースが,日系企業の全体的な 平均像である。この場合も研究開発型企業と製造販売型企業の間にはほとんど 差異はみられない。 2)トップ・マネジメントの構成 ここでは,在米日系製造企業の社長職,経理部長職,人事部長職という経営 人事のローカル化のレベルを,表2−7により,具体的に検討する。まず最初 に,社長,経理部長,人事部長のすべてのポストを日本人が占めているタイプ の企業は,全体で7“69%(10社)と,10%未満と多くはない。次に,社長と 経理部長の二つのポストを日本人が占めている日系企業は,36..15%(47社) と最も多くなっている。とりわけその比率は,製造販売型企業で43..24%と,
より多くなっている。また社長だけを日本人が占めている企業は,全体では
34…62%であり,このパターンは研究開発型企業により多く(35..23%)なって いる。 以上のように,社長と経理部長は日本人,あるいは社長だけ日本人というト 表2一丁 トップ・マネジメントの構成 経営者の国籍 研究開発型 製造販売型 全 体 1)すべて日本人 7(7.95%) 3(8.11%) 10(7‖69%) 2)社長と経理部長は日本人 30(34.09) 16(4324) 47(36.15) 3)社長は日本人 31(35.23) 11(29。73) 45(34.62) 4)経理部長は日本人 3(3.41) 2(5.41) 5(3.85) 5)すべてローカル(米国人) 17(19.32) 5(13.51) 23(17..69) 合計 88 37 130 *)その他(n=10)。在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −ヱユー ップ・マネジメントの構成が,在米日系企業の経営人事で最も多いパターンで ある。上記以外には,経理部長だけ日本人という企業は,全体で3‖85%(5社) にすぎない。 また逆に,社長,経理部長,人事部長のいずれのポストをも米国人が占めて いる,すなわち経営人事のローカル化が非常に進んでいる企業は17…69%(23 社)と,ある程度の数値になっているが,日本に進出している米国系企業に比 べると少ないようである。 以下では,社長,経理部長,人事部長のそれぞれごとに,経営人事のローカ ル化をより詳細に検討する。 3)社長ポスト 社長ポストのロ・−カル化については,表2−8に示すとおりである。全体的 には,在米日系企業の社長職は,77…86%(109社)の企業では日本人が占めて いる。米国人が社長職を占めている企業は,全体の20‖71%(29社)にすぎな い。 研究開発型と製造販売塑の相違をより詳細にみてみると,研究開発型の場合, 製造販売型に比べて,米国人が社長職を占めている比率が5%近く高くなって いる。 表2−8 経営人事のローカル化(社長職) 国 籍 研究開発型 製造販売型 全 体 1)日本人 2)米国人 3)その他 72(75.79%) 33(82.50%) 109(77.86%) 21(22.11) 7(17.50) 29(20.71) 2(2“11) 0( 0) 2(1..43) 合計 95 40 140 *)その他(n=5)。 4)経理部長ポスト 経理部長職のロ・−カル化は,表2−9に示すとおりである。経理部長職は,
全体的には46‖43%(65社)の企業では日本人が占めており,米国人が占めて
ヱ99β 香川大学経済学部 研究年報 38 −エ多−− いるのは52..14%(73社)と,ローカル化率は過半数を超えている。このよう に経理部長ポストになると,そのポストは,過半数の企業で米国人にロ・−カル 化されていることがわかる。 具体的には,研究開発型と製造販売型では対照的であり,米国人がそのポス トを占めているのは,研究開発型では54‖74%の企業で,逆に製造販売型では 42..50%と,その結果がほぼ逆転している。 表2−g 潅営人事のローカル化(経理部長職) 国 籍 研究開発型 製造販売型 全 体 41(43.16%) 23(57.50%) 65(46..43%) 52(54‖74) 17(42‖50) 73(52.14) 2(2。11) 0( 0) 2(1..43) 1)日本人 2)米国人 3)その他 合計 95 40 140 *)その他(n=5)。 5)人事部長ポスト 人事部長ポストのロ1−カル化については,表2−10に示すとおりである。人 事部長のポストは,大部分ローカル化されており,全体では89..73%(123社) の企業で,そのポストは米国人が占めている。研究開発型と製造販売型の間で も,ほぼよく似た傾向になっており,特に目立った差異はみられない。 表2−川 経営人事のローカル化(人事部長職) 国 籍 研究開発型 製造販売型 全 体 9(9.47%) 3(3.11%) 12(8..76%) 錮(88.42) 34(91.89) 123(89.73) 2(2.11) 0( 0) 2(1.46) 1)日本人 2)米国人 3)その他 合計 95 37 137 *)その他(n=5)。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −エ㌻− ⅠⅠ−5 製品ライフサイクルと製品構成の多様化 ここでは,在米日系製造企業が生産している製品のライフサイクル,棚卸資 産(在庫)の変化,製品種類とその多様性について検討する。 1)製品ライフサイクル
在米日系製造企業が扱っている製品を,1990年七1995年の5年間の変化と
してとらえたライフサイクル別の売上高構成比は,表2−11に示すとおりであ る。1995年時点での,製品全体の構成比は,3年未満の製品は43小94%,3年以
上6年未満は26..35%,そして6年以上は28..85%と,3年未満という比較的
新製品の割合が多く,44%近くを占めている。ただ5年前の1990年時点との時 系列的な比較では,3年未満の製品が5..03%減少しており,それだけ3年以上 6年未満の製品が増加傾向にあるといえる。 研究開発型と製造販売型のタイプ別に検討してみると,5年間の時系列的な 傾向については,3年未満の製品が減少傾向にあること,及び3年以上6年未 満の製品が増加傾向にあることは,いずれのタイプについても同様である。た だ製造販売型企業では3年未満の製品比率が高く,逆に3年以上6年未満の製 品比率が低くなっている。ただ6年以上の製品については,研究開発型では減 少傾向にあり,製造販売型では増加傾向にある。その理由としては,製造販売 型の企業に3年未満の製品が多いのは,製造販売型の企業の米国への進出年(操 業開始)が相対的に新しいため,それだけ3年未満の製品が幾分多くなってい 表2−11製品ライフサイクル別の製品構成(平均値) 研究開発型 製造販売型 全 体1990年1995年1990年1995年1990年1995年
ライフサイクル 1)3年未満の製品比率(%) 47.01 42.67 54“85 47.36 48.97 43.94 2)3年以上6年未満の製品(%) 22.36 29“00 19.39 22‥64 21小04 26“35 3)6年以上の製品(%) 30“63 27.06 25.76 30.00 29.98 28.85 合計 76 85 33 36 114 126 *)その他(n=5)。J,99β 香川大学経済学部 研究年報 38 −J4− るようである。また逆に操業年が長くなるに連れて,3年以上6年未満の製品 が多くなっていることも窺える。 2)棚卸資産の推移 ここでは,原材料,仕掛品,及び製品の期末有高を示す棚卸資産(売上高に
対する在庫)の変化を,1990年と1995年を比較する形で,表2−12により検
討する。 まず最初に,原材料在庫の変化は,全体では9…39%(1990年)から8..14% (1995年)へと,この5年間に1い25%減少している。そのことは,在米日系企 業の原材料調達の合理化,ローカル化が着実に進展していることを窺わせる。 具体的には,この5年間に,研究開発型では0..96%減少しているが,製造販売 型ではそれが1‖56%と,製造販売型の減少比率が大きく,製造販売型でも着実 に原材料調達のロ1−カル化が進展していることを示している。 次に,仕掛品在庫の変化をみてみる。仕掛品在庫も,全体の傾向としては, 4..55%(1990年)から4り25%(1995年)へと,幾分減少傾向にある。具体的には,研究開発型では,5..57%(1990年)から5..02%(1995年)へ,製造販
売型では2い50%(1990年)から1小飢%(1995年)へと,いずれも減少傾向に ある。しかし絶対値では,上述の数字に示されているように,研究開発型の企 業の仕掛在庫の多さが製造販売型の2倍以上になっているのが特徴的である。 その大きな理由は,製造販売塾企業の場合には,進出年が新しい企業が多く, スクリュー・ドライバ、一生産と呼ばれる生産ラインの短い企業が多いことも大 きな要因であると思われる。第3に,製品期末有高は,全体では,9…79%(1990年)から8..31%(1995
年)へと,ここでも1り48%減少傾向にある。また研究開発型では10..90%(1990 年)から9..74%(1995年)へと,1り16%減少しており,製造販売型では6.月9 %(1990年)から5一.43%(1995年)へと,1..56%減少している。 以上のように,原材料在庫,仕掛在庫,製品在庫を合わせた棚卸在庫は,全 体では減少傾向にあり,23‖73%(1990年)から20..70%(1995年)へと,こ の5年間に3..03%減少している。その内訳は,研究開発型では26..05%(1990 年)から23‖38%(1995年)へと,この5年間に2..67%減少しており,製造販在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管軌こ関する一考察 −J5− 表2−12 棚卸賛崖有高の変化(平均値) 研究開発型 製造販売塑 全 体 1990年1995年1990年1995年1990年1995年 在 庫 1)原材料期末有高(%) 958 8.62 8“77 7.21 939 8.14 2)仕掛品期末有高(%) 557 5.02 250 1.81 455 4.25 3)製品期末有高(%) 1090 9.74 699 5.43 9け79 8.31 4)期末棚卸資産有高(%) 26.05 23..38 1826 14..45 23て3 20.70 *)n=81(1990),n=103(1995)。
売型では18..26%(1990年)から14..45%(1995年)へと,この5年間に3..81
%減少しており,いずれのタイプでもかなりの減少傾向にあることが窺える。 全体的には,どうしても在外日系企業は,原材料の日本やアジア諸国,また アメリカという広大な国土に散在する部品メ・−カーからの調達という地理的 (距離的)理由から,原材料・部品在庫は,日本の親企業に比べて多くなりが ちである。また同時に,製品在庫も,アメリカ全土を覆う流通網の整備,倉庫 の必要性などのため,日本国内の場合に比べて多くなる傾向にある。ただ仕掛 在庫だけは,企業(工場)内の製造活動が在庫管理の対象であるため,またそ のことは自社のコントロールの可能性が日本の国内工場と同様に可能なため, 同時に在米日系企業の製造ラインは日本の国内工場並あるいはそれより短いた め,仕掛在庫は,日本国内並あるいはそれ以下に削減可能なようである喜) 2)1992年の調査では,日本の親会社の棚卸資産有高17.86%(内訳,原材料期末有高: 3.10%,仕掛品期末有高:756%,製品期末有高:7..20%)となっており,在米日系企 業のケースと比べると,仕掛品期末有高以外は,すべて在米日系企業の場合が大きくなっ ている。仕掛品は,在米日系企業の生産ラインが日本企業の生産ラインよりも相対的に短 いためと思われる。逆に,在米日系企業の原材料期末有高,製品期末有高が日本企業の場 合よりも多いのは,日本(の親会社)あるいはアジア地域よりの原材料の輸入などによる 輸送中の在庫,及び在米日系企業ではある程度作りだめをする必要性が高いため,製品期 末有高が幾分多くなっているものと思われる。(詳細については,三浦和夫,田中嘉穂, 井上信一・,安藤博子,喜田恵津子稿「利益管理情報と原価管理情報の関連を巡って−1992 年の実態調査を中心にして−」『香川大学経済論革』第67巻第3・4号,1995年,48ペ −ジ,を参照のこと。)香川大学経済学部 研究年報 38 −ヱ6− ヱ.9鎚∼ 3)製品の市場特性と製品種類の多様性 ここでは,主要製品の市場的な特性(受注生産か市場見込生産か)と,3つ のレベル(全製品分類,基本的製品特性,及び総仕様数)から,製品種類の多 様性の特徴を明らかにする。 (a)製品の市場特性 まず製品の市場特性からみた生産方式は,基本的には,注文生産と市場見込 生産に分類される。ここでは,注文生産を,日本的な特性がよくわかるように, 関係会社よりの注文生産と−・般的な注文生産の二つに分けて検討する。調査結 果は,表2−13に示すとおりである。 まず在米日系企業の全体的な特徴としては,注文生産81い13%,市場見込生 産27‖54%,そしてそれ以外が2い90%である。また注文生産は,−・般的な注文 生産が注文生産全体の56..52%(78社)を占め,関係会社よりの注文生産は 24.牒1%(34社)というのが,その内訳である。 具体的に,研究開発型と製造販売型の相違を比較してみると,研究開発型で は瑚般的な注文生産が58…06%,市場見込生産が34..41%そして関係会社より の注文生産が17.20%と,−・般的な注文生産が60%近い数字を占めており,ま た関係会社よりの注文生産が少ないのが特徴である。それに対して,製造販売 型では,−・般的な注文生産は47い50%で,同時に関係会社よりの注文生産も 45..00%と,上記の二つがそれぞれ半数近い数字を占めているのが特徴的であ る。これは,研究開発型企業のアメリカ社会への進出が,比較的歴史的に古しゝ 表2−13 製品の市場特性 市場的特性 研究開発型 製造販売型 全 体 1)関係会社よりの注文生産 16(1720%) 18(45。00%) 34(24.61%) 2)一腰的な注文生産 54(58ル06) 19(47.50) 78(56.52) 3)市場見込生産 32(34“41) 6(15.00) 38(27.54) 4)その他
0( 0) 4( 0)
4(2.90) 合計 93 40 138 *)その他(n=5)。複数回答の企業があるため,全体では100%を越えている。在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管掛こ関する一考察 −J7− のに対して,製造販売型企業のアメリカ社会への進出は1986年以降に集中して いることが大きな要因であるように思われる。(詳細は,付録−1の操業年を参 照のこと。) (b)製品種類の多様性 ここでは,在米日系製造企業がアメリカで製造している製品の種類を,全製 品数,基本的特性による製品分類,そして総仕様数(品番)による分類でその 特徴を掴むことを意図している。 在米日系企業(全体)の製品種類の多様性は,表2−14に示すとおりである。 まず自動車,VTR,TV,洗濯機,冷蔵庫というレベルで,製品の種類を数えた 全製品数は,1社あたり5..33種類(1990年)から6..75種類(1995年)へと, この5年間に1..42種類増加している。次に,自動車のエンジン,TVのインチ 数などで数えた製品種類は,16‖27種類(1990年)から23‖04種類(1995年) へと,この5年間に6..77種類増加している。また最終的な製品種類である総仕 様数,あるいはスペック数(品番)で数えると,製品種類は93‖82種類(1990 表2−14 製品種類の多様性(全体) 1990年 1995年 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 N 製品種類 1)全製品数 5.33 9“21 113 6.75 11.82 123 2)基本的な製品特性 1627 20“24 84 23.04 22.05 94 3)総仕様(品番)数 9382 154“98 73 115.32 157.16 87 *)ここでいう製品分類の基準は,以下のとおりである。まず全製品数とは,「例えば,VTR,テレ ビ,冷蔵庫,オープンをそれぞれ1種類(従ってこの場合は4種類)と数えるレベルの製品数」 をいう。基本的な製品特性というのは,「機種により分類した場合の製品数(例えば,テレビでは, サイズで14,19,21,24インチの4種類)」をいう。総仕様(品番)数とは,「オプションを考慮 に入れた品番の給仕棟数をいう。例えば,TⅤでは,ステレオ,衛星放送,放送方式,色彩,材質 などの付加機能(オプション)の有無をも考慮に入れて区分した製品種類」をいう。以上のよう な説明を,調査票に記入し,回答を依頼した。 **)なお,上記以外に,「きわめて多数なので計界できない」という回答企業(研究開発型と製造販 売型を併せた全体で)が,それぞれ,1)全製品数:5社(1990年),6社(1995年),2)基本 的製品特性及び3)総仕様(品番)数:13社(1990年),16社(1995年)あった。従って,表中 の1社平均の数値以上に,在米日系企業全体としての製品の多様性は一層進んでいるといえる。
ーJβ−− 香川大学経済学部 研究年報 38 エ9財 年)から115‖32種類(1995年)へと,この5年間に21い50種類増加している。 在米日系製造企業全体としては,製品種類のいずれのレベルでみても,徐々 に製品の多様性は進展する傾向にあることがわかる。 次に,研究開発型企業の製品種類の多様性を,表2−15によりみてみる。 VTR,CTV,冷蔵庫などのレベルを示す全製品数でみてみると,全製品種類は, 1社平均で4..79種類(1990年)から7…37種賓(1995年)へと,この5年間に 2..58種類増加している。 また,テレビのインチ数,自動車のエンジンの大きさなどを示す,基本的な 製品特性のレベルでの多様性は,19..36種類(1990年)から26‖31種類(1995 年)へと,この5年間に6..95種類増加しており,その種類は徐々に増大してい るといえる。また製品のスペック(品番)による総仕様数,すなわち品番数は, 121い57種類(1990年)から148一.00種類(1995年)へと,26〟43種類増加して いる。いずれのレベルでみても,研究開発型企業の製造品目は,徐々に増加し ており,それだけアメリカ社会,経済に徐々にローカル化していることを窺わ せる数字である。 表2−15 製品種類の多様性(研究開発型) 1990年 1995年 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 N 製品種類 1)全製品数 479 593 78 7.37 12..47 84 2)基本杓な製品特性 ユ9..36 22.95 55 26.31 23.67 61 3)総仕様(品番)数 121.57 176“51 51 148.00 180.80 57 *)なお製品種類の説明は,表2−14の説明と同様である。 最後に,製造販売型企業の製品種類の多様性は,表2−16に示すとおりであ る。全製品数では,1社平均で7..06種額(1990年)から5い74種類(1995年) へと,この5年間に1…32種類も減少しているのは注目に催する。製造販売型の 日系企業は,操業開始後まだ日も浅い企業も多く,企業の進出後の状況変化に 対応して,生産品目が単純に増加するのではなく,製造品目の整理・再編をも 行いながら,徐々にロ、−カル化を進めている企業も多くみられるようである。
在米日系企業の経営環境と管理会討・原価管理に関する一考察 −エ9− 表2−16 製品種類の多様性(製造販売塾) 1990年 1995年 平均値 標準偏差 N 平均値 棟準偏差 N 製品種類 1)全製品数 7.06 2)基本的な製品特性 10..08 3)総仕様(品番)数 30.53 14.88 31 5‖74 10.84 35 12.44 23 14‖48 14.69 29 47.68 19 55,59 66“60 27 *)なお製品種類の説明は,表2−14と同様である。 また基本的な製品種類では,10“08種類(1990年)から14..48種類(1995年) へと,この5年間に製品種類が4..40%増加していることが窺える。また総仕様 数でみてみると,30..53種類(1990年)から55“59種類(1995年)へと,この 5年間に25い06種類増加している。 ⅠⅠ岬6 研究開発のローカル化 ここでは,在米日系製造企業の研究開発(広義)部門(製品企画,研究開発 (狭義)及び設計を合せた広義の意味で用いている。)の有無,及び研究開発部 門がある場合には,そのR&D部門における人員構成(全体の人数とそのうち の日本人数)から,在米日系製造企業のローカル化の一面を明らかにする。 1)研究開発(R&D)部門
R&D部門(広義)の有無については,元々研究開発型企業は,R&Dのい
ずれかを持っている企業をそのように定義しており,逆に製造販売型企業は, そのいずれをも持っていない企業と定義した。そのため,当然のこととして, 研究開発型企業にのみ,R&D部門がある結果になっている。 R&D部門があるのは,全体では,70..37%(95社)であり,ない企業は29‖63%(40社)と,7剖の企業でR&D部門があることが確認できる。R&D部門
のある企業のうち,研究開発部門(狭義)のある企業は,研究開発型企業の54‖44 %(49社)である。また製品企画部門のある企業は,研究開発型企業の50‖00 %(44社)である。そして設計部門があるのは,研究開発型企業の75り00%(69 社)である。香川大学経済学部 研究年報 38 ユ99β −2α−−−− 以上のように,在米日系企業におけるR&D職能のロ・−カル化は,設計機能 のローカル化が最も進んでおり(設計機能でも,現地の安全基準,現地消費者 のニ1−ズ(仕様)にあわせるための応用設計(あるいは詳細設計)のローカル 化(現地化)がより進展しており,次に研究開発部門,そして製品企画部門と いう順になっている。製品企画機能は,現地の販売(あるいは販売促進)部門 (会社)などが兼務しており,そこでの製品・市場情報を直接日本本社の新製 品企画,設計部門にフイ・−ドバックすることにより,現地仕様の新製品開発な どに繋げているケースを,1997年から1998年にかけての在米日系企業への面 接調査で訪問した多くの企業で見かけた。製品企画部門が,在米日系企業で相 対的に少ないことの一・因がそこにみられるように思われる。 表2−1T R&D部門 有 無 研究開発型 製造販売型 全 体 1)R&D全体(広義) あり なし 2)研究開発部門(狭義) あり なし 3)製品企画部門 あり なし 4)設計部門 あり なし 95(100.0%) 0( 0%) 95(70..37%) 0( 0) 40(100.0) 40(29.63) 49(54.44) 0( 0) 51(49.04) 41(45.56) 10(100‖0) 53(50小96)
44(5000) 0( 0) 46(45‖10)
44(50い00) 10(100.0) 56(54.90) 69(75.00) 0( 0) 73(69い52) 23(25.00) 9(100.0) 32(30.48) *)研究開発部門:その他(n=4),製品企画部門:その他(n=4),設計部門:その他(n=4)。 研究開発型と全体の差異は,「その他」に含まれる企業で,R&D部門のある企業があるためである。 2)研究開発部門の構成 それでは,在米日系製造企業のR&D部門(職能)における1社あたりの技在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −−2ユー 術者の平均値を,表2−18により検討する。まずR&D部門全体の技術者数は, 研究開発型企業で23」粥人である。またそのうち日本人技癖者は3小01人と,全 体の12..57%を占めている。 具体的には,研究開発型企業における研究開発(狭義),製品企画,設計とそ れぞれの内訳を検討する。まず研究開発(狭義)では,研究開発型企業の技術 者数は15..69人であり,そのうちの日本人は2..51人と,16‖00%を占めている。 また製品企画の人数は,全体で4..86人を占め,そのうち日本人は1..12人と, 研究開発型企業全体の人数の23..05%を占めている。最後に,設計部門の技術 者の構成は,研究開発型企業全体では18..18人を占め,そのうち日本人は2−.25 人と,研究開発型企業の12り38%を占めている。以上のように,個別的には, 設計部門の技術者が最も多く,次に研究開発(狭義),そして最も少ないのが製 品企画部門である。またそこにおける日本人技術者の比率が最も高いのは,製 品企画部門であり,研究開発(狭義)そして設計部門というオ・−ダーになって いる。 表2−18研究開発部門の人員 R&D部門 研究開発型 製造販売型 全 体 1)R&D部門全体(人) 内日本人数(人) 2)研究開発(狭義)(人) 内日本人数(人) 3)製品企画部門(人) 内日本人数(人) 4)設計部門(人) 内日本人数(人) 23.95 3.01 15。69 2.51 4.86 1.12 18.18 2.25 0 23‥95 0 3.01 0 15.67 0 2..43 0 5.33 0 1.07 0 17.99 0 2,66 *)なお研究開発型と製造販売型の合計は,必ずしも全体とは−・致しない。その理由は,それ以外に 「その一他」の企業があるためである。ここでの数字は,それぞれの部門があると回答した企業にお ける各部門ごとの総技術者数の合計を,それらの部門があると回答した企業数で割って,1社あた りの技術者の平均値を算出した。研究開発型(n=91)。
エ99β 香川大学経済学部 研究年報 38 −2a− ⅠⅠ−7 製造職能(広義)のローカル化 広義の意味での製造職能(以下製造職能(広義)という。)は,製品企画,基 本設計,詳細設計,製造準備,そして製造段階よりなっている。ここでは,そ れぞれの段階における経営職能が,どの程度在米日系企業に委譲(ローカル化) されているか,表2−19により検討する。在米日系企業全体では,製品企画の ロ・−カル化のレベルは2い84点,基本設計は2−.66点と,あまりロ・−カル化され ているとは言い難い。また詳細設計は3…14点と,ローカル化はある程度進んで いるレベルにある。しかし製造準備は4..23点,製造段階(狭義)は4..∬点と, 在米日系企業は製造段階と製造準備段階のローカル化のレベルが際だって高い のが特徴である。 より具体的に,研究開発型と製造販売型に分類して考察してみると,製品企 画,基本設計,詳細設計,製造準備という経営計画から経営統制である製造段 階(狭義)のいずれの場合にも,製造職能(広義)のローカル化のレベルは, 研究開発型企業のスコアが製造販売型の場合よりも際だって高くなっているこ 表2−19 製造職能(広義)のローカル化 経営職能 研究開発型 製造販売型 全 体 2.34 2.84 2.05 2.66 2.24 3.14 3..97 4..23 4..79 4.85 1)製品企画 2)基本設計 3)詳細設計 4)製造準備 5)製造(狭義) 3.04 2.87 3.47 434 489 *)表中で用いられている用語の定義は,調査票では次のように定義されている。1)製品企画と は,「使用杏要求事項の把握から製品企画雷を作成するまでの段階」2)基本設計とは,「製品企 画昏にもとづいて達成するぺき機能,日程,原価の条件下で具体的な製品基本計画図を作成する 乳での段階」3)詳細設計とは,「基本設計図に基づいて具体的な達成すべき機能,日程,原価 などの条件下で制作図など製造の仕様暫を作成するまでの段階」4)製造準備とは,「製造仕様 書に基づいて,製造準備(エ程設計,内外作決定,型・治工具制作,資材調達等)が完了するま での段階」,そして5)製造段階とは,「製造を開始してから製品が完成するまでの段階」をいう。 **)なお表中の得点は,「1点→米国ではほとんど行われていない」,,「3点→ある程度米国で 行われている」, ,「5点→ほぼ完全に米国で実施されている。」以上のスコアに従って,回 答企業の合計点を算出し,それを回答企業数で割って,1社平均の得点を算出した。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −2昇一 とが理解できる。とりわけ製品企画,基本設計,詳細設計という,より川上(源 流)段階でその傾向が明らかである。このことは研究開発型と製造販売塾のタ イプ分類からして当然のことであるかもしれないが,ローカル化のレベルの差 異が,具体的な製造機能(広義)の検討を通じても実証されたことになる。 ⅠⅠ−8 生産システムのローカル化 在米日系企業のローカル化のレベルあるいはその特徴を明らかにする場合 に,「生産システムをどこで調達しているか」ということも重要な要因である。 ここでは,在米日系製造企業は,自社での製品の製造のための生産システムを 何処から調達しているのか,表2−20により明らかにする。 まず最初に,在米日系企業全体での生産システムの調達先をみてみる。最も 多いのは,「現地で他社より購入した」生産システムを使っているケースで, 74..10%を占めている(なお回答は複数回答可である)。次に多いのは,「日本で 他の企業から購入したもの」であり,46“04%を占めている。また「日本の本社 で制作した」生産システムも,36−.69%を占めている。「現地で自社開発したも の」は一・部であり,12..95%にすぎない。 以上のことは,これまでの在米日系企業の経営者への面接調査のヒアリング などと合せて考えると,在米日系企業で製品の生産に用いられている基本的な 生産システムは,日本国内の企業(日本の他企業あるいは親企業)から調達し, 表2−20 生産システムのローカル化 国際移転のレベル 研究開発型 製造販売型 全 体 1)日本の本社で制作したもの 32(34.04%) 19(47.50%) 51(36日69%) 2)日本で他の企業から購入したもの 43(4574) 19(47.50) 64(46.04) 3)現地で自社開発したもの 13(13.83) 5(12.50) 18(12“95) 4)現地で他社から購入したもの 70(74.47) 30(75“00)103(74山10) 5)その他 4(4.26) 1(250) 5(3.60) 合計 94 40 139 *)その他(n=5)。複数回答可。
J9玖9 香川大学経済学部 研究年報 38 −24− ベルトコンベアなどのような副次的な生産システムは,現地で広く調達してい ることを窺わせる。 次に,研究開発型と製造販売型の相違をみてみる。両者の間では,「現地で他 社より購入」や「日本で他の企業から購入」という数字はほぼ同じであるが, 製造販売型の「日本の本社で制作したもの」の数字が13..46%以上高いのが目 立っている。それだけ,研究開発型企業の親企業離れと,製造販売型の親企業 への依存度を示していることが窺える。また数字的にはそれほど大きくはない が,研究開発型企業の「現地で自社開発したもの」という数字が,1..33%高い のも,そのことを裏付けているように思われる。 ⅠⅠ−9 原材料,部品調達のロ・−カル化 ここでは,原材料,部品をどの程度米国内で調達しているか,また逆に日本 の親企業よりの部品調達はどのレベルにあるのか,表2−21により検討する。 そのことにより,部品調達の面から,在米日系企業のロ・−カル化のレベルを明 らかにしたい。 1)原材料・部品調達のロ1−カル化 まず最初に,在米日系企業の部品調達会社総数は,どの程度であろうか。日 系企業全体での1社平均は192り11社である。そして,その内訳は,研究開発型 企業で217‖58社,製造販売型企業で125.69社と,研究開発型企業が取り引き している部品会社数が製造販売会社の1‖73倍と,その多さが目立っている。 それでは次に,部品調達会社数に占める現地企業数(日系企業を含む)をみ てみる。製造企業全体では,1社平均142小56社である。その内訳は,研究開発 型では188∩57社であり,製造販売型では36..60社と,研究開発型の調達部品会 社数が圧倒的に多くなっている。 現地企業に占める日系企業数は,製造企業(全体)平均では1社あたり10¶13 社である。その内訳は,研究開発型で10‖89社(現地企業に占める比率は,5小78 %),製造販売型で8..85社(同,24..18%)と,企業数では研究開発型企業が幾 分多くなっているが,現地企業に占める比率では,製造販売塾はより多く日系 企業に依存していることも明らかになった。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −2昇一−一 表2−21原材料,部品調達のローカル化(平均値) 項 目 研究開発型 製造販売塑 全 体 1)総部品調達会社数(社) 2)内現地企業数(社) 3)内日系企業数(社) 217い58 125.69 192.11 188‥57 36..60 142..56 10小89 8.85 10.13 4)日本の親会社よりの部品調達比率(%) 22,70 20.03 21..68 最後に,日本の親企業よりの部品調達比率がどの程度を占めているかをみて みる。日系企業全体では,その比率は21..68%と,2割強の数字である。その 内訳は,研究開発型で22..70%,製造販売型で20り03%と,研究開発型の数字 が幾分高くなっている。 以上の結果は,研究開発型と製造販売塑の両タイプの経営規模の相違が大い に関係していると思われるが,同時に製造機能(広義)などのローカル化も大 いに関係していると思われる。ただ同時に,日系企業の場合には,いずれにし ろ,日本の親企業より,ある程度の部品調達をすることは不可欠なことである ことを示している。 2)日本の親企業よりの部品調達 ここでは前項の結果をうけて,在米日系製造企業が日本の親企業へ原材料・ 部品調達をどの程度依存しているかという面より,日系企業のロ・−カル化をよ り詳細に検討する。その結果は,表2−22に示すとおりである。 全体的には,日本の親企業よりの部品調達比率が10%未満という企業(部品 調達のロ・−カル化が最も進んでいる)は,43‖65%(55社)を占めており,在 米日系製造企業の場合には,ロ・−カル化が進展している企業の多さが目立って いる。また同時に,親企業からの部品調達が40%以上を占めている企業も 23い81%(30社)を占めており,注目に値する。調査数字からは,ロ・−カル化 の進展している企業とそうでない企業に二極分解しているといえる。 タイプ別に部品調達のローカル化の傾向を検討してみると,研究開発型企業 の場合,日本の親企業よりの部品調達比率40%以上という企業が27.38%(23 社)を占めており,製造販売型では18..42%(7社)と,研究開発型企業の場
J99β 香川大学経済学部 研究年報 38 −26−−−−
合が親企業よりの部品調達比率が高く,われわれの予想と逆の結果になってい
る。これは,研究開発型の企業では,製品特性からどうしても他企業から調達
できない部品が多くある企業が多いためでなかろうかと推測される。その詳細
は,面接調査によるフォローアップ調査を待つ必要がある。
同時に,日本の親企業からの部品調達比率が10%未満という企業も,研究開
発型で40い48%(34社),製造販売型では52..63%(20社)になっている点に
も留意する必要がある。このことは,研究開発型企業では,部品調達を日本の
親企業に頼らないといけない製品を作っている企業と,その道に日本の親企業
以外から調達可能な部品で製造可能な製品を作っている企業が混在しているためと思われる。逆に,製造販売型企業では,日本の親企業から40%以上を調達
している企業が18..42%(7社)と,われわれの予想とは,逆の結果になって
いる。このことについても,今後のフォローアップ調査を待ちたい。
表2−22 日本の親会社よりの部品調達 親会社よりの調達 研究開発型 製造販売型 全 体 23(2738%) 7(18‖42%) 30(23.81%) 6(7小14) 4(10“52) 10(7.94) 6(7.14) 2(5“26) 10(7β4) 15(17.86) 5(13“16) 21(16.67) 34(40.48) 20(52‥63) 55(43.65) 1)40%以上 2)30%以上40%未満 3)20%以上30%未満 4)10%以上20%未満 5)10%未満 合計 84 38 126 *)その他(n=14)。 ⅠⅠⅠ在米日系企業の原価管理実践 ここでは,在米日系製造企業における原価管理の実態と課題について検討す る。具体的には,原価構成の変化,原価管理の主要課題,原価管理の方法につ いて,調査データをもとに考察する。在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −27− ⅠⅠⅠ−1 原価構成とその変化 製造原価の問題は,製造業における原価構成の中心をなすものである。ここ では,在米日系製造企業の製造原価構成の変化を,表3−1(製造業全体),表 3−2(研究開発型),及び表3−3(製造販売型)により,その特徴を明らか にする。 まず最初に,製造企業全体の製造原価の構成を,表3−1により,その特徴 を検討する。まず外部よりの原材料,部品の調達割合を示す直接材料費の比率
は,全体的には60%弱であり,この5年間に59…37%(1990年)から58‖61%
(1995年)へと,0…76%減少している。直接労務費も,13い48%(1990年)から12.86%(1995年)へと,この5年
間に0い62%減少している。次に外注加工費は,外注加工という形態そのものが 米国など諸外国では珍しく,在米日系企業においても余り実践されていない制 度であり,限定的に実践されているにすぎない。そのことは,今回の調査でも, 在米日系企業の外注加工費の数字は,1..44%(1990年)から1…77%(1995年) へと,この5年間に0..33%増加してはいるが,日本国内での比率と比べると, その比率は低いといえる。また減価償却費については,1990年,1995年共に 6..78%と,この5年間同じ水準にあるといえる。それ以外の諸経費は,18..93% (1990年)から19一.98%(1995年)へと,この5年間に1…05%増加している。 また,製造間接費(製造原価一番接材料費一番接労務費)の構成も,27..15% (1990年)から28い53%(1995年)へと,この5年間の増加は1‖38%である。 これを日本の製造企業(親会社)と比較してみると,つぎのとおりである。 日本企業(国内)では,直接材料費:54..52%,直接労務費:14‖09%,外注加 工費ご10。.53%,減価償却費:5..56%,その他ご15い30%,製造間接費31“39% とV)う内訳になっている。 1995年の製造業全体の数字と比較してみると,在米日系製造企業が日本の親 企業よりも多いのは,直接材料費(4..09%),減価償却費(1′′22%)及びその 他(4..68%)であり,直接材料費の多さが目立っている。逆に,日本企業の数 値が高い原価費目は,直接労務費(1い23%),外注加工費(8い76%),及び製造間 接費(2〝86%)であり,とりわけ日本企業の外注加工費の高さが特徴的である。エ9鎚㌢ 香川大学経済学部 研究年報 38 −2β− 次に,研究開発型企業の製造原価の構成を,表3−2により考察する。研究 開発型企業においては,■直接材料費は,61..72%(1990年)から58..50%(1995 年)へと,この5年間に3..22%減少している。また直接労務費は,11..75%(1990 年)から11…71%(1995年)へと,この5年間ほとんど変化がみられない。外 表3−1製造原価構成の変化(全体) 1990年 1995年 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 N 原価費目 1)直接材料費 5937% 20.31 95 58‖61% 2095 120 9.60 120 3.88 120 6日65 120 12.77 120 2)直接労務費 13.48 3)外注加工費 1.44 4)減価償却費 6.78 5)その他 18.93 1034 95 12け86 350 95 1.77 6.05 95 6..78 11..19 95 19.98 6)製造間接費 2715 95 28…53 120 *)なお計釧ま,各項目毎に,回答企業の構成比の合計を出し,それをそれぞれの項目への回答企業 数で割って,それぞれの費目の平均値と標準偏差を出した。なお製造間接費=製造原価−(直接材料 費+債接労務費)として計算した。 表3−2 製造原価構成の変化(研究開発型) 1990年 1995年 平均値 標準偏差 N 平均値 標準偏差 N 原価費目 1)直接材料費 61.72% 20.00 64 58.50% 21.57 80 8.98 80 4,12 80 6け89 80 13.52 80 2)直接労務費 11…75 3)外注加工費 1.77 4)減価償却費 5.97 5)その他 15‖66 912 64 11“71 4.07 64 205 5.56 64 6.58 1200 64 17.65 6)製造間接費 2653 64 29..79 − 80 *)なお計算は,各項員毎に,回答企業の構成比の合計をだし,それをそれぞれの項目への回答企英 数で割って,それぞれの費目の平均値と標準偏差を出した。なお製造間接費=製造原価−(直接材 料費+直接労務費)として,計辞した。
在米日系企業の経営環境と管理会計・原価管理に関する一考察 −29一