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基底細胞癌を継発せる「レントゲン」後障害による食道狭窄の1例

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Academic year: 2021

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se 窪==基底細胞癌を織獲せる「レントゲンJ後障碍による食道挾窄の一例

基底細胞癌を継襲ぜる「レン5グン.

後障碍によう食道狡窄の1例

東京女子讐學心門學校耳鼻咽喉科學教室(主任 石原教授)

窪 敦 子

緒 言 食道狭窄の原因としては種々なる因子を學げ得るも,食道壁の搬痕性牧縮及び食道 腫瘍に由るもの最も多く, レントゲン」線(以下「レ」線と省略)照射の後障碍に由り 食道狡窄を來したる例は甚だ稀なり。 余は,15年前に頸部淋巴腺腫に長期間「レ」線照射を受けし既往歴を有する患者にし こ,嚥下障碍を主訴として來院せしに,槍査の結果喉頭「ヂフテリー」(以下「ヂ」と 省略)を磯見し,之が治療中に圖らすも嚢見されたる食道の基底細胞癌の1例口遊遇 せるを以て,亭亭の不備なるをも顧みす藪に報告す。 患者 初診 ● ● 主訴 り 家族歴i ・ o o 症 永○た0 27歳未婚婦人。 昭和11年3月19日 外來番號629。 咽頭痛,嚥下困難,優聲。 例 爾親共健在。同胞凡て6名にして患者は第3子,其内末弟は4歳にて4年 前に喉頭「ヂ」にて死亡。昨年妹が咽頭「ヂ」に罹患せる他凡て健康なりと。術昨年末同 居下宿人が咽頭「ヂ」にて入院せり。其他結核,癌,徽毒等の遺傳的關係は認めす。 既往症 患者は幼小の頃より他の兄弟と異り虚弱にして,常に轡藥に親しみ居れり。 10歳の時「ルィレキ」に罹り之が化膿し,左側頸部に2ケ所切開を受けたるも,治療経 過甚だ悪く傷の癒ゆる迄に3年闘を要せり。依って某「レ」線診療所に:て12歳より16歳 の間,中1年休みて前後3年間,照射量は不明なるも,左右交代,1週間毎に「レ」線照 射療法を受け,頸部照射部に茶褐色の色素沈着を生じたるため之を中止せり。然るに 患者は此色素沈著を非常に氣にして「アルコールJ綿にて毎日擦りたるに却って濃厚鮮 明となりしため中止せり。22歳にて肋膜炎に罹σ,昨年二二年間肺結核の治療を受け 一第 7 巷 374 一

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窪篇基底細胞癌を鰻獲せる「レントゲン」後障碍による食置狭窄の一例 51 たり。 現病歴約3ケ月前駆月頃より急ぎ食事をする時食物が胸に聞へる如き感ありたる ロ も,特別の苦痛もなく,誰にも有り勝ちの事と思ひてに氣に留めす放置せり。 20日前に咽頭痛ありて38・5。C磯熟,今度と同様の嚥下困難を起し激日聞外食不能 となりたるも,内科署より咽頭に藥液塗布を受けて治癒し,其後何の障碍もなかりし に,昨日より:再び輕渡の咽頭痛,嚥下困難及び璽聲を來せり。 現寸 一般所見 膣温35.3。C月辰搏64,整調なるも亭々微弱。髄格小,略称歌態極 り う も も めて不良にして甚しく臓痩せり。顔色は蒼白,貧血性にして,顔貌は輕度め苦悶歌を 呈す。頸部は雨側胸鎖乳頭筋後縁を境とし願下部より胸骨上縁に及ぶ前陣に側頸部皮 膚は,不規則且つ著明なる斑紋歌褐色の色素沈着ありて,丁張せる多数の細小血管を 明瞭に透糾し・知畳鈍麻あり。表皮は皮下組織と癒着し,軟部組織は癩痕萎縮著明にし て頸部は前屈硬化し,喉頭軟骨及び氣管は硬結して棍捧状に燭知し得たり。左側顎下 及び側頸部に各々約2cmの切開疲痕あり。胸部所見は弓矢肺尖及び右側肋間の笹下延 長し,濡事は一般に呼吸音微飛下にして第2肋間に曜音を聞き得たり。其他腹部臓器, 四肢:等に:i攣りなし。 局所々見 耳は左側慢性穿孔性化膿性中耳炎あり,濃厚なる膿汗外雛道を充し,鼓 、 「● 「陰 、 膜は殆ど全鋏損にして,鼓室粘膜は苺朕をなすも其他皮膚は蒼白なり。 鼻粘膜は彊度に萎縮し友黄色翼壁なる痂皮にて被はる。舌には薄き白色被苔あり。 咽頭粘膜は比較的蒼白にしてロ蓋扁桃腺は其の痕跡のみ。 喉頭は反射蓮動聴く桧査困難なりしも,會厭軟骨部は蒼白にて異常なく,爾側聲帯は 強度に獲赤し其内側は多少慶樋状を呈せるも蓮動障碍なし。左側假黒帯に粗き白色の 義膜様物あり綿棒にて擦るも容易にとれす。半解は弱々しく響なく多少慶聲なり。 下咽頭には粘液多量に涌出し夢野不明瞭なりしも褒赤,腫脹等を認めす。 「脚線透覗所見 「バリウム」粥を飲ませ「レ」線国歩を行ひ観るに,「バリウム」は嚥 、 「齢 「D 、 、 、 下蓮動と共に咽頭腔を煙し抵抗なく食道に入るを見,通過障碍を認めす。水様「バリ ウム」の通過も亦良好にして何等狭窄らしき所見を認めす。瀞経性のものならんかと 思惟されたり。其後試みに水を飲ませたるに通過良好にて患者は喜こび蹄即せり。 既往歴,全身所見並に喉頭所見等より喉頭結核を有するためならんと,喀疾及び綿捧に て網取せる喉頭分泌物を数枚塗抹染色し鏡槍せるも途に結核菌を喪評し得す。世辞野 にバラ播ける如く多敷の「グラム」陽性桿菌の存在するを認め,ナィセル氏染色法を施 して見るに此桿菌は凡て「ヂ」菌なりき。亦同時に行ひたるレフレル氏培養基上にも多 一第 7 管3ア5一

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52 無.一墓底細胞疵を灘養せる「kントヴン」後障碍によ.る食道狭窄ρ一傍 激の「ヂ」菌集落を嚢見せり。意外の原因に驚き直ちに傳染病室に牧容し,「ヂ」治療血 清1萬5百軍位を注射せり。 経過及び治療 「ヂ。アナトキシン」、注射,「カルシユーム」剤投了,鎭艀の目的に 「ブローム」剤を用ぴ,其他一般「ヂ」癖法を行へり。 注射翌Ei 3月21日380C機熟せるも,其後は37QC内外,食事は毎同「オマジリ」2−3椀 づNを食し,町分良好にて元氣なり・しも,3∫{30日入院10日口頃より食事時闇「長くな り,4月1E.12日目、には再び嚥下障碍のため流動食となせ’りb 喉頭所見は攣化なく、,鼻の痂皮よりも塗抹標本及び培養基上にも「ヂ」菌を誰明せり。此 頃より漸次和事上昇し始め取高40・8。C,、脹搏ユ38,呼吸i欺30を算するに至りたるを以 て胡9日内科に受診。 内科的診断左側肺に浸潤あり,小水泡性理音あり,嚥下性肺=炎と診定されたり。. 、 鴨 、 、 血液培養は陰性。 喀陸中に肺炎菌を澄明し,此喀湊の微量を 「マウス」に注射せるに15時間以内にて 即死し,、心血中に定型的肺炎双球菌を設明せり。磯熱は10日目より分利的に下降し雫・ 熟に復したり。喀疫は粘液膿性にして血液を混ぜす,多少悪臭を帯ぶるに至れり・。食 慾は減退し,三隅を動かす時世に流動食,水藥等を飲む時早早爽平起り,膿性喀湊と 共に搦食物を吐出し叉鼻に逆流せり。 第4週間目に症朕増悪し撮食物の大隅は吐逆するに至れり。依って4月18日胃管榮 養法ξ行はんとして局所麻醇下に直径7mmの胃管を挿入せんとせるに,患者は全身 を痙攣i様に硬直させ食道入口部を閉鎖せるため成功せす。鯨骨「ブジー」の1號すら 通す事を得ざりき。肺炎は治癒せるも食慾は釜々不良となり,脹搏微弱,全身歌態不 良,擶食全く不能となり,今や経口的写照を望み得ざるに至れるを以て止むを得す滋 養洗腸,「ロヂノン」叉は葡萄穂「リンゲル」等の注射により榮養を補給せり。 4月26日,37こ口に「ヂ」菌陰性となりたるを以て普通病棟に移し,4月28日に食道直 達鏡検査を行ひたり。 食道直達鏡槍査 著明なる疲痕萎縮及び硬直のため槍査位置を取る事能はざるため 、 、 「b 「幽 r● 、 、 直胃管を食道内に挿入する事を得す内景を詳細に見極め得ざりしも,食道入口部附近 は疲痕性狭窄となり居れる如く,2號の鯨骨「ブジー」を辛じて蓮すを得たるも,「ゴ ムJ管挿入は成功せざりき。 斯くの如き欣態なるを以て胃痩形成手術を極力奨めたるも,鍵に少女時代に受けた る頸部淋巴腺の手術創の治癒甚しく逞延し結局今日の因を威せるに懲りて,患者自身 一一第 7 ‘巷 376 一一

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霞二基底細胞癌を縫獲せる「レジトゲン」後障碍による食書挾窄の一例 ’53 頑としてきかす。其後の経過は一進一退の歌態を脂けたるも,其頃右側鎖骨下窩に揖 指頭大,硬度硬く,周園と癒着なき淋巴腺腫脹に氣付きたり。 5月8日(49日目1)患者の希望にて再び「ブvp ・一 J.を挿入せるに,前回同様に入口部附近に 抵抗あり之を通過すればそれ以下は挿入容易なりき。批際「ブジー」に約米粒大の組織 片附着L來れるを以て之が病理組織図早暁索を行へり.。 「レ」線爲眞所見(5月13日撮影)(附帯)「バリウム」の陰影は食道入口部にて1度中 「● 、 「」 、 、 、 絶し,之より下約10cm位の闘の食道壁は凹凸不七一となり,夫以下は小なる直線とな りて下降せり。更に「バリウム」の/部は喉頭内に入り氣管内にも流入せる像を認め ・たり。 5月14日;入院55H目に患者の切望により退院瞬宅せるも,4日後遂:に死亡せる通知を 受げたり。 病理組織學的駈見(病理學教室 佐藤清教授)食道浩息の際出て來れる組織片の病 り ロ コ 理組織學的所見は,大小不同の上皮細胞よhう回る胞巣あり,間質は極めて少く,此間 質は毛細血管及び若き結締織紬胞に富み上皮細胞に類す。胞集を成す細胞は原形質 に富み,細胞核は一般に「クロマチンJ少く,核小艦は1乃至2個あり,稀に亘大細胞あ り。聞質多き部分は大小不同の紡錘形細胞並に不弓形の細胞より成るも,前記の胞巣 の如く明かなる匠別なし。角化暦は不明なり。標本小なるため之のみを攻て決定する 事を得ざるも,標本は上皮性腫瘍にして或ぱ基底細胞癌ならんか。 考 按 食道狭窄の原因として考へらるsものに食道異物;食道壁の炎症性腫脹,疲痕,腫 瘍,痙攣,周園よりの墜迫等あり。 本例は文二上稀に見る「レ」線照射に因る後障碍として來れる疲痕性食道狡窄にし て,加之に二部基底細胞癌腫を縫爽せる難興味深し。本患者は肺結核を有し,極めて 融維過緻:「ヒステリ’一」性にして.・更に喉頭「ヂ」を有せしため診早撃だ困難なりき。 以下次の単項に曾て口合か考察を加へんとす。 (1)「レ」後障碍に就て 中泉教授(le)の著書「臨床放射線學」の教ふるところに依れば,頸部は皮下組織少く 且常に衣服により刺戟さるsため身艦各部位中「レ」線に冷し感受性最大(ザイツ,ヰ ンツ)なり,而して頸部の放射線に由る障碍中最も注意すべきは喉頭浮腫にして,過 度の線量を與へし時は1−2ケ月にして皮膚の後障碍を起す頃喉頭狭窄を來し死の韓機 一・第 7.巻 377 一

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54 窪躍基底細胞癌を織i菱せる「レントゲン」後障碍による食甦狭窄の一例 をとる事あり,故に喉頭に照射の必要ある時は冷め氣管切開,胃切開術(9)を行ふ。 誓詞朕腺腫,.淋巴腺腫等に照射する時は喉頭を充分斜陽し,もし榎聲,嚥下困難を訴 ふる時は直ちに照射を中止し,照射部皮膚は刺戟を避け殊に衣服の襟にて擦らぬ様注 意を要し,一般に放射線障碍の程度は色素沈着を目標とすと記載されたり。 余の渉薇せる文糊こ中にては頸部「レ撒照射の嚇鄭章碍例甚だ少く,殊に近來「レ」線 照射方法の喪達と共に豫防法を工夫されたろため晩酸障碍減少せり。 LeipzigのLange教室Eschweiler, H・(2)(1936)の報告によれば,42歳男,野 職病院にて頸部淋巴腺腫に約3年間「レ」線照射を受け,17年後に日工軟骨の腐骨を來

せる例あり。亦Marshik, H.(9)(1928)の記述によればPerthes, Schr6der, Halberstadter

等は,淋巴腺腫の照射数百例中大部分は全く障碍なかりしも,極めて注意深く且正 野量の照射に拘らす後障碍を起せるものもありと報告せり。之等障碍は凡て喉頭に於 ける壊疽性二化にして,K6nig は喉頭殊に硝子様軟骨及び其軟骨膜は最:も敏感度高 しとし,食道に障碍の來れる例は之を見ざりき。然るに本四に於てな患者の言に依れ ば,線量は不明なるも,毎週1回,左右交互に照射を受けたるものにして,照射開始 後約一年にして頸部皮膚に茶褐色の色素沈着を生じたるため照射を中止せるに,患 者自ら色素沈着を氣にして之を「アルコ…一ルJ綿にて毎日擦りたるに却って著明となれ り。更に其後も照射を績け,實に前後3年の長きに亘り,色素沈着と共に疲痕性萎縮 は前及び側頸部に及べり。斯くの如き「レ」線照射の既往歴及び著明なる皮膚障碍を有 する黙より推して,本患者に於ける食道狡窄の原因は「レ」線照射に因を褒せるものと 思惟す。 (2)疲痕性狭窄に欄獲せる癌腫に就て 一般の癌腫に於けるが如く食道癌も高年者に干る事多く,30歳未満の者の罹患率は膝 井氏(3)(昭禾04年)に依れば:Frief(:Breslaの0.3%,鈴木02%に見る如く稀なり。 中泉氏(1・)に依れば,反復照射に因り皮膚に「レ」癌前駆攣朕’(Prakarzinomat6se Verander道ng)を下すも,粘膜,内臓等には之の獲生に罰する定読なく,一般學魯の意 見は否定に傾くと記載されたり。 本例に於ては「レ」線放射の方向を確實に知り得ざるも,前及び側頸部皮膚並に筋肉 の著明なる疲痕萎縮を認め,、且食道直達鏡検査に際して頸部前屈固定のために深部は 覗ひ得ざりしも,食道入口部に於ては明かに粘膜の療痕萎縮を認めし瓢より,之等内 外の濃痕は同一系統のものと認めて差支へなかるべし。而して「ブジー」挿入槍査の際 得たる組織片槍索の結果基底細胞癌腫像を得たるも,之は疲痕萎縮の結果普通より狭 一第 7 巻378一一

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窪=基底細胞癌を織菱せる「レントゲン」後障碍に「よる食謎狭窄め一例 55 窄を來せる食道壁に,常に飲食物に由る化學的並に物理黎的刺戟を受けし結果腫瘍を 生する1こ至りしものと推察し得。此事はVirchow(、1)のReiztheorieにて読明さる sものと信ず。然し℃狡窄部位は「レJ線爲眞紗こ認めらるx如く食道入口部にして,癌 腫も学部に獲生せしものと推定す。 (3)喉頭「デフテリー」に就て 而して之に合併せる喉頭「ヂ」は喉雛窺竹野の際偶然磯見せるものにして,誰明せる 「ヂ」菌は甚だ多敷にして該菌の毒力検蚕は行はざりしも「コロニ‘一一」の形及び顯微鏡野 の所見は定型的「ヂ」菌なりき。初診時の喉頭所見にては假聲帯に僅かに義膜を認めし のみなるも,菌溝失後も喉頭所見に明かなる輕快を見す,既往に於て再三に亘る家族の 「ヂ」罹患の事實より考へ,患者は永らく保菌者なりしものにあらざるか,然れども初 診20日前に38.5。Cの磯熟を俘ふ咽頭痛あり,此時始めて嚥=下困難を起せる鮎より考ふ れば,此等「ヂ」磯症し徐々に経過しみたるものならんと思惟さる」更に長期間存在せ る疲痕性狭窄が急激に増悪せる黙より見れば,此「ヂ」の合併が狡窄症状に拍車をかけ たるもみならん。 (4)経過に就て 本患者は永年病弱なりしためか甚しく祠蛭過敏,我儘にして「ヒステリ’一 」性なり き。最初嚥下困難ξ來せる時に水すら殆ど通らざりしに,軍に咽頭の藥液塗布のみに て輕干せりと許し・更に叉初診時の「レ」透覗にて「バリウム」試食後約10日聞は普通量 の粥食を撮り得たる町営より,軍なる「ヒステリー」による痙攣性食子牛窄ならんと思 ひ杢快の近きを期したるに,其後狭窄症四三悪し流動食の揖取すら困難となり,且嚥下 性肺炎を合併し一般欣態頓に悪化し悟れるを以て初めて此狭窄の重篤なるに驚けり。 然し乍ら患者の頸部が皮膚疲痕のために前屈硬化し居たりしため,本患者の診噺に平 して最も確聖なる食道直達鏡に依りて詳細なる所見を得る事能はす,且患者は門衛的 操作を加へらるL事を極度に嫌悪し,自然道による榮養法不能となれるに拘らす胃痩 形成手術を:承諾せす,止むを得す種々人工榮養法を弾くるのみにて何等積極的療法を なす事能はす,唯鰻餓死を待つの歌態なりしに,退院後4日目に鬼籍に入れり。如斯 理由に由り生前食道直達鏡槍査不能なりしに,殆後其家族が病理解剖を承諾せざりし を以て,食道狭窄の部位状態を確むる事を得ざりしはかへすがへすも遺憾とする所な り。 結 論 一第 7 巻379 一

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’56 窪=基底細胞癌凌総襲ぜる「レントゲン」後障碍による食遣狭窄の一例 本例は27歳の女子,榮養不良の肺結核患者に.して・7少女期に頸部淋巴腺腫のため永 らく「レ」線照射を受け,約10年の長期間何等自畳的に狡窄症朕を示さ駒.しも「レ」照 射に由る疲痕性食道狭窄を有せしものに.して,是を基礎としで基底細胞癌腫を縫磯せ りと認めらるNものなり。然して喉頭「ヂ」の合併並に患者の祠輕過敏が症朕を助長し 是等種々の動機が相合して如斯急激重篤なる嚥丁障碍を來し,途に不幸なる簿餓をと りたる1例なり。 御筆に當り,御懇篤なる御指導御校閲を賜りたる石原教授並に佐藤助教授,病理組 織上的槍索に際し御教示を仰ぎたる病理學教室佐藤清教授並に安川助敏授及び「レ ントゲン」學教室島津助教授並に高田讐局長に深謝す。 (本症例の概要は大日本耳鼻咽喉科會東京地方會第186同例會席上にて襲表せるものな1)。) 霊 要 交 獣 1)Akaiwa, H・(赤岩八郎):結核性淋巴腺炎.耳鼻咽喉科・4巻・11號・963頁・昭和6年・

2) Eschweiler, H. ; R6ntgen−splitschzadigVung des Kehl−Kopfe,s. Zschr. llals一“zasw. Heilk.

B.39,H.2. S.189.1936. 3)F遂jii, K:.(藤井薫):28巌}の青年に二由れ,る食:道:癌腫書U検 例・耳鼻咽喉科2巻・6號・577頁.昭和4年・ 4)F岬moto, Y.(藤本義泊):頸部の腓低 山性及萎縮による嚥下困難に就て・岡山.醤曾誌・42年・6號,1534頁・昭和5年。 .5) F道jinami, G.(藤浪剛一)3食遣疾患の「レントゲン」弱国.同本耳鼻咽喉科予備書.10巻の1. 29頁・昭和8年・ .6)Hosoya, Y.(細谷雄太):食道挾窄に就て。耳鼻咽喉科.1巷.4號. 530頁・昭和3年・ 7)Inada, R.(回田龍吉):食道癌と食遣痙攣・東京腰誌2707號.32 頁・昭和6年 8)K・bay・・hi, S.(小秣正雫)・stt.,;を襲へる食勘廠。耳鼻脚聯}..1巻 .5號・701頁・昭和3年・ のM・・shik, H。・P・nk…A.・・K:・hle・,0・H・ndb近ch der

Hals−Nasen−Ohren−Heiikunde. Dritter Band. Ltaftwege u. Mtindh6hle. 1[1. S. 799. 1928・

10)Nakaizhmi, M・(中泉正徳)=臨床放射線黒し147頁. 11)Ogata7 T. u. Mitam遜ra,

T・(緒方知三郎・三田村篤四郎):病理學総論.下巻.873頁.昭和8年。 12)Oyamada,

M・(小山田昌秋).:食遣痙攣による致死例に潤て..耳鼻咽喉科.6巻.2號.144頁.昭和8年. 13)Sasaki, M・(笹木實):食道疾患の症候総論.日本耳鼻咽喉科學引書.10巻の3..284頁.

昭和Io年.

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窪 論 文 附 圏 食道挾窄・・ 部位 會厭軟旨 喉頭内昌 流入セル 「パリウ 氣管内昌 流入セル 「バリウ 昭和11年5月13H撮影

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