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Ⅱ 教科主張

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Academic year: 2021

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Ⅱ 教科主張

■国  語  科 自分らしく言語感覚を豊かにしていく

心に響く教材に出会った子どもは、「おもしろいな」「すごいな」「不思議だな」などと感じる。こ れら子どもが感じることは、その子なりの生活経験や学習体験、家庭環境から生ま弟てくる。

子どもは、成長の過程で得た様々な知識と、今まで味わったことのある感情を結びっけながら言語 を意味づけている。言語にふれた子どもは、自分なりの感覚を通して言語を取り込み、思ったり考え たりする。言語に自分の思いをのせて表現する時も、その子なりの言語に対する感覚がはたらいてい る。表現が同じだったとしても、子どもが心で思い描いていることは一つとして同じではない。この ように、言語にふれて思ったり考えたりする時や言語で感情を表現する時に、瞬時に無意識のうちに はたらいている感覚が、言語感覚なのである。

子どもは、教材から得た興味や関心、疑問を解き明かそうとして教材文を見っめていく。「もっと 詳しく知りたい」「なぜ、こんなふうに思うのかな」など、登場人物の言動や筆者の主張に、今まで 経験したことのない感動や疑問などを抱いた子どもは、それが何なのかを見極めようとする。繰り返 し教材文を読み返したり、意味のわからない言葉や文章表現を調べたりする子がいる。登場人物や筆 者の心情に寄り添うことで、想像をふくらませていく子も出てくる。子どもは、自分の心が揺れ動い てしまった理由を明らかにしたぐて、教材文の言葉や文章の中にその答えを求めていく。

子どもは、見る、聞く、読む、かく、話す、演じるなどの活動を通して、自分なりの言語感覚で教 材文と向き合う。それまで育んできた言語感覚によって教材文のいろいろなところに目を向けると、

その子なりの想像や感情がわき起こってくる。同情や驚き、反発、賛同など、子どもは教材文から感 じた思いを紡ぎながら自分の読みをっくっていく。成長の過程で育まれてきた言語感覚によって、子 どもは自分なりの読みを生み出していく。ゆえに、その子の読みには、その子自身が表れてくるので ある。

自分の読みに迷いのある子は、友達や教師にかかわりを求め、迷いを解消しながら読みをっくろう とする。自分の読みに自信がもてた子は、友達に自分の読みを伝えようとする。友達の読みに共感し た子は、自分の読みに自信を深め、自分とは違う読みをしている子に対して積極的に考えを述べてい く。友達の読みによさを感じた子は、自分の読みにもそのよさを含み込んでいこうとする。中には、

教材文の言葉や文章を根拠にして友達に反論することで、自分の読みを納得させようとする子もいる。

それでも友達の読みに疑問や矛盾を感じてしまう子は、もう一度自分の読みをふり返ってみる。この ように、友達の読みとの出会いや教師の関わりによって、その子ならではの読みはより際立ってくる。

子どもが自分の読みを際立たせていくとき苦心するのは、友達の言葉が自分の心に落ちていかなかっ たり、自分の伝えたい思いをうまく言葉で表現できなかったりすることである。自分が感じているこ とを、友達にもっと伝わるように別の言葉に置き換えて表現する子がいる。経験から思いあたること を重ねて比喩的な表現をする子がいる。友達が伝えようとしている思いを汲み取ろうと、表現の細部 にまで目を向ける子がいる。このように、互いの言語感覚から搾り出された表現に、子どもたちはふ れていく。

教師は、その子の言葉の裏にひそむ思いをとらえ、他の子の思いとその子との接点や違いを明らか にしていく。あるいは、その子の読みとは違う教師自身の読みをぶつけることもある。読みと読みの ぶつかり合いは、葛藤、戸惑い、熟慮など、その子の心の揺れを引き起こす。友達・教師の表現に込 められた思いに気づいた子は、教材文の言葉や文章をより深く多く結びっけながら、自分自身とそれ ぞれの思いを行き来する。子どもは、自分なりの納得を得ようとして、自分の言語感覚を通して鋭く 教材文や友達の言葉を意味づけていく。こうして、その子の言語感覚は豊かになっていく。

友達の読みとの出会いや教師の関わりは、子どもの言語感覚を揺さぶり研ぎ澄ませていく。言語感 覚を豊かにしていくことは、言語に対する見方や感じ方、考え方に広がりや深まりを与え、その子な りの読みの変容を促すことになる。そして、言語を広く深く意味づけることができる言語感覚は、普 段の生活においても、子どもの豊かな心を育むための礎となっていく。ここに、国語科における学び がある。

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