はじめに
多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)と腎 障害(renal impairment:RI)は古くから密接な 関係があり,1840年代に初めてMMの患者が報 告された数年後にHenry Bence JonesがMMにお ける異常な尿蛋白を報告している.これが後の Bence Jones protein(BJP)であり,kappa(κ) とlambda(λ)の2種類の軽鎖が同定された.正 常な免疫グロブリンを構築する重鎖と軽鎖以外 に も 余 分 に 産 生 さ れ る 遊 離 軽 鎖(free light chain:FLC)は,そのκ/λ比の異常が診断や治療 マーカーとして重要とされている.今回,その FLCに よ る 多 様 なRIの 病 態 と 臨 床 的 特 徴 の ほ か,新たに提唱されたmonoclonal gammopathy of renal significance(MGRS)について概説する.
1.骨髄腫と腎障害の疫学
RIは新規発症MMの約 2~4 割に認められ,約 1割は透析が必要となり,経過中に約半数の症例 がRIを呈する1).RIは治療対象となる症候性骨髄 腫の重要な骨髄腫診断事象の1つである(表)2). 近年の欧米の報告では,約 5 割の新規MM症例 が 糸 球 体 濾 過 率(glomerular filtration rate: GFR)60 ml/分/1.73 m2未満のRI,つまり慢性腎 臓病(chronic kidney disease:CKD)のステージ 3 以上を合併していたと報告され,この頻度は多発性骨髄腫の腎病変と
MGRS
要 旨 水野 真一 多発性骨髄腫(multiple myeloma:MM)は,その経過中に2人に1人 は腎障害(renal impairment:RI)を合併し,腎障害は予後不良因子であ る.その腎障害はいくつかの障害機序に分かれ,多彩な腎病理像を呈し, 骨髄腫のみならず,MGUS(monoclonal gammopathy of undetermined significance)の段階でも起こり得る.近年,MGUS合併の腎障害の中で M蛋白が強く腎病態に関与する疾患を新たにMGRS(monoclonal gam-mopathy of renal significance)と提唱し,M蛋白への早期介入が検討さ れ始めており,臓器予後を見据えた視点での評価や血液内科以外からのア プローチも期待される.〔日内会誌 105:1224~1230,2016〕
Key words 骨髄腫腎,MGUS,MGRS,腎臓内科,蛋白尿
地域医療機能推進機構仙台病院腎臓疾患臨床研究センター
Multiple myeloma:from diagnosis to the up-to-date treatment. Topics:IV. Multiple myeloma with renal impairment and monoclonal gammop-athy of renal significance.
1990 年からほぼ変化していない3).なおMM発 症時のRIの程度が重度なほど,生命予後も悪化 し,RIは予後不良因子である.
2.骨髄腫腎について
MMのRIで一番頻度が高い腎病態は円柱腎症 であり,骨髄腫腎とも呼ばれ,急性腎障害で発 症する.遠位尿細管付近で過剰な軽鎖と正常で も 存 在 す るTamm-Horsfall蛋 白(THP) が 結 合 し,円柱を形成することで尿細管を閉塞し,乏 尿を来たす.そして同部位への炎症性細胞の浸 潤による尿細管細胞の傷害が起こり,サイトカ インによるアポトーシスや間質の線維化も進行 し,徐々に慢性腎不全に至る. MMのRIではFLC自体の腎毒性による直接的 傷害機序も考えられる(図 1)4).本来,血液中 のFLCは低分子蛋白のため容易に糸球体から濾 過されるが,健常者の場合,近位尿細管細胞 (proximal tubular cell:PTC)で再吸収され,ラ イソゾームで処理されるため,ほとんど尿中に は検出されない.MMでは大量のFLCが糸球体で 濾過され,PTCで過剰な再吸収が起きると,酸 化ストレスが生じ,NFκBなどを介して炎症性サ イトカインが産生され,尿細管間質の炎症や線 維化,アポトーシスを誘導し,腎障害が進行し ていく.これにより,PTCの水・電解質,酸塩 基の調節能が崩れ,尿細管性アシドーシスや腎 性糖尿,汎アミノ酸尿を呈するとFanconi症候群 に進展する.なお,Fanconi症候群はM蛋白の沈 着や結晶蓄積による尿細管細胞への障害などあ らゆる原因で起こり得る.また,過剰な軽鎖を 再吸収しきれなくなると,遠位尿細管へ過剰な 軽鎖が流出し,円柱を形成しやすい環境が整 う.この病態を考慮すれば,円柱腎症の発症以 前,つまり,骨髄腫細胞で過剰なFLCが産生さ れている段階からすでに腎組織では潜在的に腎 障害が進行していることになり,現在の骨髄腫 診断事象の基準では腎保護の視点からは課題が 残る.3.骨髄腫腎の治療
MM同様の新規薬を併用した治療を行う.新 規薬の中でもボルテゾミブは図1のごとく,FLC 産生を抑えることによる間接的な腎保護作用だ けでなく,NFκBを抑える作用も示唆されている ため,PTCでの炎症を直接抑える作用も期待さ れる.また,同薬剤は腎不全でも用量調整が不 要であるため,腎不全症例では使用しやすい. なお,骨髄腫腎において21日以内にFLCを60% 減少させると 8 割の症例で腎機能の改善を認 め,かつ生命予後も延長したと報告されてお り5),近年,FLCの除去を目的とした血漿交換や 特 殊 な ダ イ ア ラ イ ザ ー を 使 用 し た 血 液 透 析 (high cut-off membrane hemodialysis)も期待さ れているが,まだその明確な治療介入基準はな い.対症療法として補液や尿のアルカリ化,腎 毒性のある薬剤の使用を控えることも重要であ り,尿毒症症状が顕著な腎不全例では透析も検 討する.表 骨 髄 腫 診 断 事 象(myeloma defining events: MDE)(文献2より一部改変)
骨髄腫診断事象(Myeloma Defining Events:MDE) a.腎機能低下:以下のいずれか
1) 推算糸球体濾過率(eGFR)の年35%以上の低下 (他に原因がないこと)
2)ほかに原因がなくeGFR<50 ml/min/1.73 m2 3)腎生検でlight chain cast nephropathyを認める b.貧血:Hb<10 g/dl c.骨病変 d.高カルシウム血症:補正血清カルシウム>11 mg/dl e.症候性粘稠度亢進症状 ただし以下はMDEとみなさない ・ アミロイドーシス,単クローン性免疫グロブリン 沈着症(MIDD)のみで他のMDEを認めない場合 ・年2回を超える細菌感染のみ ・神経症状の存在
4.M蛋白によるその他の腎障害
M蛋白が関与する腎障害は前述した円柱腎症 以外にも多数存在し,その腎病態は障害される 部位により図 2のように分類され,障害される 部位により臨床症状も異なり,円柱腎症のよう に尿細管間質が障害される場合は,GFRの低下 がメインとなる.ALアミロイドーシスやmono-clonal immunoglobulin deposition disease (MIDD)のように糸球体が主に障害される場合 は蛋白尿がメインで,時にネフローゼ症候群で 発症する. これらの腎疾患は,腫瘍細胞から産生された M蛋白やその一部の断片化した蛋白が沈着した り,結晶を形成し蓄積したりすることで障害を 起こす.沈着する線維の形状や特異な構造の違 いにより図 2のような多彩な腎病理診断名とな る.MMによる高Ca血症による二次的な腎障害 や NSAIDs(nonsteroidal anti-inflammatory drugs),造影剤などの腎毒性薬物も腎障害の一 因と考えられ, 特殊なtypeとしてC3 腎症with monoclonal gammopathyも挙げられる.C3腎症 自体は補体系の異常によりC3 のみが沈着する 膜性増殖性糸球体腎炎で,その中でもM蛋白が 補体制御因子に対する自己抗体活性をもつもの が,同疾患として位置づけられている.以下に 代表的なALアミロイドーシスとMIDDについて その特徴を記載する.その他の疾患は非常に稀 図1 軽鎖による腎障害のメカニズムと治療(文献4より一部改変)FLC:free light chain,THP:Tamm-Horsfall glycoprotein,HCO-HD:high cut-off hemodialysis,ASK-1:apop-tosis signal-regulating kinase 1,MAPK:mitogen-activated protein kinase,NFκB:nuclear factor-kappa B, MCP-1:monocyte chemoattractant protein-1,TGF-β:transforming growth factor-β,CDR3:complemen-tarity determining region 3,NSAIDs:nonsteroidal anti-inflammatory drugs
FLCの過剰産生 酸化ストレス↑ MAPK pathway↑ NFκB pathway↑ 炎症 & 線維化 & アポトーシス 炎症性サイトカインや ケモカインの産生↑ (IL-6, IL-8, MCP-1, TGF-β, etc.)
c-Src↑, ASK1↑ FLCの過剰濾過 過剰なFLCの エンドサイトーシス 糸球体 近位尿細管 細胞 尿細管 間質 【部位】 形質細胞 (骨髄腫細胞) 【病態】 抗腫瘍効果 (間接的腎保護作用) 血漿交換/ HCO-HD 直接的FLC除去 直接的腎保護作用? 尿細管における 再吸収機能障害 近位尿細管で再吸収 しきれなかった過剰なFLC FLCとTHPの結合 遠位尿細管へ Bence Jones蛋白 尿への排泄 乏尿(急性腎障害) [risk factor] 脱水/ 酸性尿 NSAIDs /利尿剤 CDR3の配列 による親和性 炎症性細胞浸潤 THP アミノ酸尿 腎性糖尿 電解質異常 尿細管性 アシドーシス 腎不全 新規薬 ボルテゾミブ? 円柱形成による閉塞 ⇒円柱腎症 Fanconi症候群
な疾患のため割愛する. 1)ALアミロイドーシス 高齢者のネフローゼ症候群の原因となり,全 身臓器にM蛋白由来のアミロイド蛋白が沈着 し,多彩な全身症状を呈する.FLCの異常比を 呈することが特徴で,病理学的にはコンゴー レッド陽性の結節病変を糸球体に認め,小・細 動脈壁や尿細管への沈着も認める.典型的な軽 鎖型の場合,κ,λの免疫染色で偏りがある.電 子顕微鏡においては,ランダムに錯綜する 8~ 10 nmの細線維構造を認める.無治療の場合, 予後は約 1 年とされ,心アミロイド合併の場合 はさらに不良である. 2)MIDD 腎生検症例の約0.5%に認め6),円柱腎症の合 併も約20%に認める.腎臓以外にも多臓器に障 害を認めることがある.蛋白尿がメインで,約 半数に血尿を伴う.FLCの異常比も8割以上の症 例で認める.病理学的にはコンゴーレッド陰性 の糸球体の結節様病変や膜性増殖性糸球体腎炎 様変化を認める.免疫染色では軽鎖,重鎖のサ ブクラスにて単クローン性の沈着を認める.電 子顕微鏡では基底膜に細線維構造のない細顆粒 状沈着を認める.円柱腎症を伴うMIDDでは腎予 後は不良で約 4 カ月とされる7). 図2 M蛋白の腎障害部位とその代表的疾患およびMGUS-MGRS-Myelomaの関連 M蛋白に由来する腎障害部位は糸球体と尿細管間質に分けられ,前者は蛋白尿,後者は腎機能障害を呈 しやすい.主な代表的疾患は図のごとくである.MGRSの提唱によりM蛋白を産生する細胞を標的とし た早期治療介入が検討されている.
MGUS:monoclonal gammopathy of undetermined significance,MGRS:monoclonal gammopathy of renal significance,PGNMID:Proliferative glomerulonephritis with monoclonal IgG deposits
(臨床症状:蛋白尿↑ >eGFR↓) (臨床症状:eGFR↓>蛋白尿) [新規骨髄腫薬] [血液学的評価] *推奨治療(本邦ではまだ保険適応なし) [ネフロン] [障害部位および障害パターンと病名] MGUS Myeloma MGUS Myeloma 糸球体 尿細管間質 MGRS MGRS ALアミロイドーシス Monoclonal immunoglobulin deposition disease(MIDD) クリオグロブリン腎炎 細線維性腎炎 イムノタクトイド腎症 PGNMID
C3腎症with monoclonal gammopathy
円柱腎症 腫瘍浸潤
Others(脱水, NSAIDs,高Ca血症など) Light chain proximal tubulopathy (±Fanconi症候群/±結晶蓄積) 結晶蓄積性組織球症 MIDD ALアミロイドーシス ○ ○* ○ × ○* ×
5.M蛋白の質と腎病態
なぜM蛋白が多様性のある腎病理像を呈する かは,M蛋白の種類や性質,構造の違い,そし て沈着する臓器や部位との親和性,共存蛋白や 液性因子の存在など,あらゆる因子の関連が示 唆されている.例えば,円柱腎症は軽鎖におけ る 超 可 変 領 域 のcomplementarity determining region 3 の配列の違いにより,THPとの親和性 が異なり,M蛋白の「量」ではなく「質」も重 要であることが近年明らかになった8).また, 沈着するM蛋白の特徴として,アミロイドーシ スではλ鎖が多く,中でも腎アミロイドでは軽 鎖のvariable regionのVλ6 サブグループが多く, 逆にMIDDではκ鎖が多く,Fanconi症候群では Vκ1 が多い.6.MGRSとは
前述した多彩な腎病態は,MMのみならず, monoclonal gammopathy of undetermined signif-icance(MGUS)でも起こり(図 2),しばしば MGUS合 併 の 腎 障 害 な ど と 報 告 さ れ て き た. MGUSは年に1%程度がMMに移行するとされる が,血液学的に治療対象ではない.MMに進展 することなく,蛋白尿や腎機能障害を呈する MGUS患者は,M蛋白の組織親和性やその腎病 態への関与を考慮すれば,M蛋白量や腫瘍量が 少ない小さなクローンであっても,腎臓にとっ ては異常なクローン,すなわちdangerous small B cell cloneとも考えられてきたが9),M蛋白に対 するMM同様の治療対象にはならず,確立した 治療はなかった. し か し,2012 年 にMGUS合 併 の 腎 障 害 の 中 で,血液学的にMMの診断および治療介入基準 を満たさずとも,M蛋白が強く腎病態に関与し ている疾患群をMGRSという概念で総称し,そ のM蛋白を産生するクローン細胞を標的とした 早期の治療介入を検討すべきと提唱された10). さらに近年,MGUSだけでなくクローン性B細胞 が産生するM蛋白による腎障害へも,そのB細胞 を標的とした治療が検討されている.ただ, MGRSの有病率や治療後の腎・生命予後などは まだ明らかでなく,今後の前向き臨床研究など が期待される. 当院の後ろ向きの検討では,1,190 例の腎生 検症例において,MGUS合併症例は 21 例,その うち腎生検後にMGRSが判明した症例は 10 例で あった(10/1,190例:0.8%)11).それ以外の11 例はM蛋白が関与しない腎疾患であった.両群 とも腎機能やM蛋白量には差がないにもかかわ らず,MGRS群において有意に蛋白尿が多く, かつ腎組織障害が高度であった.当院の腎生検 症 例 のMGRSの 有 病 率 は わ ず か 1% 未 満 で は あったが,腎障害を伴うMGUS症例の約半数が MGRSであったことからも,蛋白尿を伴うMGUS 症例は注意すべきである.7.M蛋白患者へのアプローチ
M蛋白が陽性である患者では,血液学的に腫 瘍量が少ないMGUSであってもMGRSのような疾 患群も存在するため,定期的に採血のほかに, 非侵襲的かつ簡便な尿検査も同時にフォローす べきである.腎臓専門医への紹介基準に関して は,以下のCKDガイドラインと同様である12). ①高度蛋白尿 ( 尿蛋白/Cr比≧0.5 g/gCr または定性で 2+以上) ②蛋白尿と血尿がともに陽性(1+以上) ③ GFR 50 ml/分/1.73 m2未満 (ただし以下も参照) ・40 歳未満はGFR 60 ml/分/1.73 m2未満 ・70 歳以上ではGFR 40 ml/分/1.73 m2未満 ①~③のいずれかに該当するM蛋白症例は腎臓 専門医にコンサルトおよび腎生検を検討すべき である.特にMGRS症例では,糸球体疾患が多く, 腎機能障害が顕在化する前に蛋白尿が初発症状となることが多いため,尿検査は重要である. 近年,新規発症のMM患者の高齢化が進んで おり,今後,脳心血管イベント発症後で抗血小 板薬などの休薬が困難で腎生検が施行できない 症例の増加が見込まれる.腎臓内科医が常勤で いる施設も限られ,侵襲を伴う腎生検は実際の 臨床現場ではハードルが高い検査といえる. ただ,腎生検をしなくとも蛋白尿の性質を評 価することで腎病態が推測できる.実施可能な 施設は限られるが,尿蛋白分画(図 3)を評価 することで円柱腎症は診断がほぼ可能である. さらにアルブミン尿の定量をすることでも,蛋 白尿の主たる原因蛋白がアルブミンなのか免疫 グロブリンなのかを判断できる.なお,一般尿 検査の注意点として,定性検査は尿中のアルブ ミンを検知するため,BJPなどの非アルブミン 尿が排泄される円柱腎症の場合,偽陰性になり やすい.そのため,M蛋白症例では必ず定性だ けでなく,尿定量検査を行うべきである.アミ ロイドーシスやMIDDではアルブミン尿が大量 に出るため,尿蛋白定性および定量でもほぼ一 致した所見となる.なお,尿細管間質マーカー であるβ2マイクログロブリンは尿細管の再吸収 機能が障害されると高値となりやすく,NAG (N-acetyl-β-D-glucosaminidase)は近位尿細管の 逸脱酵素のため,早期の器質的障害を反映する とされる.これらの尿検査を上手く組み合わせ ることで,ある程度の腎病態が把握可能となる.
おわりに
MMの予後が不良となる要因の 1 つは,進行 した段階で見つかることである.進行した段階 では臓器障害も高度になり,進行した腎不全で は治療選択肢も限られてしまうため,非専門医 がいかに本疾患を早期に疑って専門医へ紹介で きるかも重要な予後規定因子と考えられる. MMは免疫物質を産生する形質細胞の腫瘍で あるため,免疫疾患的な側面もあり,多彩な症 状を呈する「全身疾患」という特徴を兼ねそろ えた興味深い悪性腫瘍である.そのため,血液 内科が初診となることは稀である.その主訴は, 図3 M蛋白患者における蛋白尿の性質や尿細管間質マーカーによる腎病態の鑑別 蛋白尿の中のアルブミン尿の割合や尿細管間質マーカーの値を組み合わせることで,ある程度の腎病態が推測で きる.ただし,あくまで参考程度であり,確定診断は腎生検が必要であり,他の腎疾患が合併した場合はこの限 りではない. β2MG:β2 microglobulin, NAG:N-acetyl-β-D-glucosaminidase 円柱腎症タイプ 糸球体障害タイプ 尿細管間質障害タイプ 代表疾患例 円柱腎症 アミロイドーシス/MIDD Fanconi 症候群 尿蛋白分画(自験例) 尿蛋白 定性検査 軽度陽性(or 偽陰性) 中~高度陽性 陰性 or 軽度陽性 定量検査 中等度~大量 中等度~大量 ~少量 尿アルブミン定量 ~少量 中等度~大量 ~少量 尿細管間質マーカー (例:β2MG,NAG) ~↑↑ →~↑ ~↑↑ ↑ Alb分画① ②③④ ⑤γ分画↑ ① ②③④ ⑤ ① ②③④ ⑤高齢者における腰痛や貧血,健診での尿異常, 腎不全が進めば電解質異常や心不全,高血圧か もしれないし,アミロイドーシスであれば低血 圧や不整脈,神経障害,消化器症状かもしれな い.また,骨折や高Ca血症による意識障害で救 急外来を受診する症例もいる.大多数の内科医 にとって「MM=血液疾患」という印象が強い が,generalistが望まれる現代の医療事情も考慮 すれば,MMは多岐にわたる臨床症状を呈する 「総合内科疾患」と捉えて診療にあたるべきであ る.全身症状を呈するM蛋白症例をみた場合は, 腎機能だけでなく尿検査も評価し,疑わしい場 合は専門医への紹介を検討いただきたい. 著者のCOI(conflicts of interest)開示:本論文発表内容 に関連して特に申告なし 文 献
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