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博士(医学)本間裕士 学位論文題名

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Academic year: 2021

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     博士(医学)本間裕士 学位論文題名

月 経 周 期 が 健 常 女 性 の 睡 眠と 直 腸 温 リズ ム に 及 ぼす 影 響

学 位 論 文 内 容 の要 旨

   従来より様々な精神疾患で月経周期に関連した症状の変動を見ることが矢[

られている。し・かしながら、健常女性において月経周期が夜間の睡眠ならぴ に生体1 ノズムにどのように影響を与えているかに関しては、現在なお一致し た見解は得られていない。そこで、恒常環境下において健常女性の 1 月経贋 期内における各種の生理学的指標の測定を行い、終夜睡眠中におけるd 波帯 域近傍の睡眠徐波の変動を周波数解析を用いて調ベ、直腸温リズムの変化と 併せて検討した。

  3 力月以上にわたる事前の基礎体温表の記録から、月経周期が規則的( 2 6 日 ‑36 日) で 、 基 礎体 温 が 二 相性 を 示 す こと が 確 認 され て い る 18 歳か ら 19 歳の健 常女性 11 名を 対象と した。 温度、 湿度を 一定に保った住居型 実験室内にて、各被検者に個室を割当て、連続5 週にわたって毎週金曜日の 夕方から月曜日の朝までの3 日間ずつ生活させ、夜間眠気を感じた時点で就 床し、翌朝本人が自然覚醒した時点で起床するように指示して睡眠覚醒時刻 を記録させた。実験室入室中は、被験者全員の直腸温を 5 分間隔で測定し、

ま た 、 第 1 夜 か ら 第 3 夜 ま で は 終 夜 ポ リ グ ラ フ を 記 録 し た 。    実験期間中記録された基礎体温表から、低体温相を月経期と卵胞期、高体 温相を黄体前期と黄体後期とに分けて検討したが、5 回の実験室入室期間中 にこの 4 つの期のいずれかが一度も含まれなかった者、及び実験中に健康上 の問題があった者が4 名、脳波記録にアーチフんクトが混入し周波数解析に 不適当な者が 1 名いた。このためこれらの被験者のデータを除外し、直腸温 リズムの検討は 7 名のデータについて、周波数解析はe 名のデータについて 行った。    終夜ポ l ノグラフは北大方式の携帯型脳波記録装置を用いて行い、C3 ・A2 、 C4‑A1 、 Cz ― A2 、 Pz ― A1 の脳波 4 チャンネルと、眼球運動2 チャンネル、オ t ガイ筋電図1 チャンネル、心電図 1 チャンネルをアナログテープに記録した 第 2 夜目のC3‑A2 の脳波信号にオフラインで 12.5Hz の高周波フイルタをかけ サンプリング周波数 62.5Hz で A / D 変換した。変換後の信号にハミング窓を 適用して、512 ポイントごとに高速フーリェ変換を行い、0.5‑1.0 Hz 、1.0 ―1 . Hz 、1.5‑2.0 Hz 、2.0‑2.5 Hz の4 周波数帯域について毎分の平均のバワーデン シテイー(PD )値(単位:肛V / Hz )を計算した。次に視察で脳波の波形 にアーチフんクトの混入が認められる部分の PD 値を除外した上で、入眠時 か ら 覚 醒ま で の 一 晩の 全 PD 値 と各 NREM 睡 眠中 の 平 均 の PD 値 を 求めた。

後者は、同時に行った国際判定基準による20 秒ごとの視察判定の結果をもと

    ‑ 84 ―

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に し て 計 算 し 、 そ の う ち 第 1、 第 2、 第 3周 期 に つ い て のNREM睡 眠 中 の 平 均のPD値(PDnl、PDn2、PDn3)を検討 に使用した。

  統 計 学 的 検 定 に つ い て は 、 脳 波 のPD値 に 関 し て は 対 数 変 換 に よ り 正 規 化 し た 上 でGreenhouse‑Geisserで 補 正 し た 重 複 測 定 分 散 分 析 を 適 用 し た 。 直 腸 温 は 、2日 目 の 正 午 か ら3日 目 の 正 午 ま で の24時 間 の デ ー タ に お い て 、 加 算 平 均 値 と 最 小 自 乗 法 に よ っ て 求 め ら れ た 振 幅 、 位 相 に つ い て 、4期 の 間 で Friedman検 定 を 行 っ て 検 討 し 、 危 険 率5% 未 満 で 有 意 差 が 認 め ら れ た 項 目 に 関しては、Tukey法によ る多重比較を 行った。

  7名 の 月 経 開 始 目 か ら 実 験 室 入 室 日 ま で の 期 間 ( 平 均 値 土 標 準 偏 差 ) は 、 月 経 開 始 日 を0、 開 始 前 日 を −1、 前 々 日 を −2. . と 表 示 す る と 、 月 経 期 ; 1.3土1.6、 卵 胞 期 ;‑ 20.1土2.3、 黄 体 前 期 ;‑13土2.3、 黄 体 後 期 ; −6土 2.3で あった。

  終 夜 脳 波 の 一 晩 を通 じて の 全PD値は 、1.5―2.0 Hz、2.0−2.5 Hz帯 域で 、 卵胞 期が他の期に比 べて有意に高 値を示してい た。また、0.5−1.0 Hz、1.0−1.5 Hzヽ 及 び 1.5‑2.0 Hz帯 域 で 、 各 月 経 周 期 と PD nl〜 P Dn3と の 間 で 有 意 に 交 互 作 用 が 認 め ら れ た 。 す な わ ち 、 月 経 期 、 卵 胞 期 、 黄 体 前 期 で は PDn2に 比 較 し て PDn3が 有 意 に 低 値 を 示 し た の に 対 し 、 黄 体 後 期 で は 有 意 差 が 認 め ら れ ず 、 特 に 0.5― 1.0 Hzと い っ た 遅 い 帯 域 で は 、PDn1〜PDn3が ほ と んど 同じ 値 を示 し てい た 。な お、2.0 ‑2.5 Hz帯 域 では 各 月経 周期間の差 はなく、

PDnl、PDn2、PDn3の 順に有意にPD値が 減少していた 。

  直 腸 温 の 各 月 経 周 期 ご と の 24時 間 の 平 均 値 は 黄 体 後 期 で 他 の 期 よ り0.12

〜0.18℃ 高 く な っ て い た が 有 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。 振 幅 は 、 低 温 相 に あ

し て お り 、4群 月 経 周 期 に 伴 う え ば 、 性 ホ ル モ 及 ぼ す こ と に よ あ る が 、 そ の 究 ら れ る 。 一 方 、 来 の 報 告 か ら 類 ogesterone¥ est し て 体 温 の セ ッ る 。 性 ホ ル モ ン ン によ る 体温 の し たよ う な直 腸

期 が そ 後 期 で

、 特 に で は 夜 点 位 相 間 で 有 睡 眠 変 ン の 変 っ て 中 明 に は 直 腸 温 推 可 能 rogen丶 ト ポ イ は 一 日 セ ッ ト 温1jズ

れ そ れ0.33℃ 、0.38℃ な の に 比 較 し 、 高 温 相 に あ た は そ れ そ れ0.29℃ 、0.23℃ と 低 振 幅 で 、4期 の 間 で 黄 体 後 期 が 卵 胞 期 に 比 較 し 有 意 に 低 振 幅 で あ っ た 。 間 の 直 腸 温 が 他 の 期 と 比 較 し て 高 値 で あ る こ と に よ に 関 し て は 、 4期 と も 午 後 5時 前 後 の 約40分 間 に 集 意 差 は 認 め ら れ な か っ た 。

動 が 何 に よ っ て も た ら さ れ て い る か は 不 明 で あ る 。 動 が 脳 内 で の ニ ュ ー ロ ス テ ロ イ ド の 生 合 成 等 に 影 響 枢 性 の 効 果 を も た ら し て い る と 仮 定 す る こ と は 可 能 生 化 学 的 な 研 究 の 発 展 を ま た な け れ ば な ら な い と 考 1jズ ム の 変 化 の 機 序 に 関 し て は 、 基 礎 体 温 に 関 す る で あ る 。 高 温 相 に お け る 基 礎 体 温 の 上昇 の 一因 に は、

及 び そ の 代 謝 産 物 等 が ニ ュ ー ロ ン の 活 動 性 の 変 化 を ン ト を 上 昇 さ せ る こ と が 関 係 し て い る と い う 報 告 が 中 分 泌 さ れ て い る こ と か ら 、 基 礎 体 温 上 昇 が 性 ホ ル ポ イ ン ト の 上 昇 を 介 し て の 作 用 と 考 え る な ら ば 、 前 ム の 変 化 も 同 様 に 、 性 ホ ル モ ン の 作 用 に よ る 可 能 性

                             

                                                     

たる 有こ る中 例を でえ 従ぴ 介あ モ述 が眠 た神

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学位論文審査の要旨

主 査   教 授   小 山   

副査    教授    本間研一 副査   教授    藤本征一郎

学 位 . 論 文 題 名

月経周期が健常女性の睡眠と直腸温リズムに及ぼす影響

  学 位 論 文 の 概 容 は 以 下 の 通 り で あ っ た 。

  月 経 周 期 が 規 則 的 て 、 基 礎 体 温 が 二 相 性 を 示 す こ と が 確 認 さ れ て い る18歳 か ら19 の 健 常 女 性11名 を 、 温 度 、 湿 度 を 一 定 に 保 っ た 住 居 型 実 験 室 内 に て 連 続5週 に わ た っ て 3日 間 ず つ 生 活 さ せ 、 実 験 室 入 室 中 に 、 直 腸 温 を5分 間 隔 で 測 定 し 、 ま た 、 第1夜 か ら 第 3夜 ま で は 終 夜 ポ リ グ ラ フ を 記 録 し た 。 基 礎 体 温 表 か ら 、 低 体 温 相 を 月 経 期 と 卵 胞 期 、 高 体 温 相 を 黄 体 前 期 と 黄 体 後 期 と に 分 け て 検 討 し た 。 周 波 数 解 析 は 、 第2夜 目 のC3‑ A2の 脳 波 信 号 に 高 速 フ ー リ ェ 変 換 を 行 い 、0.5 ‑1.0 Hz1.0‑1.5 Hz1.5 ‑2.0 Hz2.0‑2.5 Hz 4周 波 数 帯 域 に つ い て 毎 分 の 平 均 の バ ワ ー デ ン シ テ イ ー (PD) 値 を 計 算 し 、 入 眠 時 か ら 覚 醒 ま で の 一 晩 の 全 PD値 と 、 第 1、 第 2、 第 3周 期 に つ い て の NREM睡 眠 中 の 平 均 の P D値 (PDnlPDn2PDn3) を 検 討 に 使 用 し た 。

  7名 の 月 経 開 始 日 か ら 実 験 室 入 室 目 ま で の 期 間 ( 平 均 値 土 標 準 偏 差 ) は 、 月 経 開 始 日 を 0、 開 始 前 日 を ー 1、 前 々 日 を ‑2‑‑と 表 示 す る と 、 月 経 期 ;1316、 卵 胞 期 ; − 20.12.3、 黄 体 前 期 ; ー132.3、 黄 体 後 期 ; ー62.3で あ っ た 。 終 夜 脳 波 の 一 晩 を 通 じ て の 全PD値 は 、152.OHz2.0‑2.5 Hz帯 域 で 、 卵 胞 期 が 他 の 期 に 比 べて 有 意に 高 値 を 示 し て い た 。 ま た 、0.51.0 Hz1.0‑1.5 Hz、 及 び152.0 Hz帯 域 で 、 各 月 経 周 期 とP Dnlt PDn3と の 間 で 有 意 に 交 互 作 用 が 認 め ら れ た 。 す な わ ち 、 月 経 期 、 卵 胞 期 、 黄 体 前 期 で は PDn2に 比 較 し て PDn3が 有 意 に 低 値 を 示 し た の に 対 し 、 黄 体 後 期 で は 有 意 差 が 認 め ら れ ず 、 特 に0.5 ‑1.0 Hzと い っ た 遅 い 帯 域 で は 、PDn1PDn3が ほ と ん ど 同 じ 値 を 示 し て い た 。 な お 、2.0‑2.5 Hz帯 域 で は 各 月 経 周 期 間 の 差 は な く 、PDnl PDn2 PDn3の 順 に 有 意 に PD値 が 減 少 し て い た 。 直 腸 温 の 各 月 経 周 期 ご と の 24

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腸温の平均値に月経周期による有意差がなかった理由、検定に用いた統計法、夜間または 起床時の直腸温の月経周期による有意差の有無、黄体期で直腸温リズムの振幅が低下する 理由、ブ口ゲステ口ン以外の体温上昇作用を有するステ口イドの有無などについて質問が あった。さらに本間研一教授から、高速フーリ工解析を用いた徐波の解析で得られた所見、

黄体後期で夜間の直腸温の低下が減少する生理学的機序、月経周期に伴う睡眠徐波と直腸 温リズムの変動の因果関係、黄体後期に夜間の直腸温の低下が減少することと精神症状と の因果関係などについての質問があった。最後に主査より学位論文の結果からどのような 臨床的発展が期待できるか、及び自覚的睡眠感との関係に関する質問があった。これらの 質問に対して、申請者は概ね妥当な解答を行なった。

  本研究の結果は、月経周期に伴う睡眠徐波と直腸温リズムの変動を明らかにするもので ある。また、今後、生理的及び病態レベルにおいて、女性の月経周期に伴う精神症状や睡 眠の変化をさらに解明するのに役立つことが期待される。

  審査員一同は、これらの成績を高く評価し、申請者が博士(医学)の学位を受けるのに 充分な資格を有するものと判定した。

参照

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